JPH08503260A - 高生産性回転炉製鋼法 - Google Patents
高生産性回転炉製鋼法Info
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- JPH08503260A JPH08503260A JP51153794A JP51153794A JPH08503260A JP H08503260 A JPH08503260 A JP H08503260A JP 51153794 A JP51153794 A JP 51153794A JP 51153794 A JP51153794 A JP 51153794A JP H08503260 A JPH08503260 A JP H08503260A
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、回転炉中で固体金属質投入原料から製鋼を行う方法であり、伝熱及び溶融速度の著しい向上、並びにそれによる鋼生産の増大を実現する。熱液体金属浴が酸素−燃料燃焼の回転炉の全長にわたって保持される。固体金属スクラップが一端の投入口から溶融帯域に連続的に導入され、またそれに対応して付加的炭素が融液中に添加されることにより、浴の融点温度が炉の投入口において300℃程度低下する。このことは火炎温度と炉壁及び投入原料温度との温度差の大きな増加をもたらし、それに比例して伝熱量の増加をもたらす。この低下した温度を維持するために、融液中に投入され炉内を前進する冷固体スクラップの量をそれに対応して増やす必要があり、このため先行技術に比べて生産速度が飛躍的に増大する。好適な態様においては中間地点に環状ダムが設けられ、未溶融の固体投入原料が溶融帯域に閉じ込められるとともに、溶融金属がダムを越えて全液体状の精製及び温度−組成調整帯域に流れ、また燃焼及び炉内ガスが全体として投入原料の全体的な流れとは向流的に流れ、かくして加熱速度とは独立的に鋼の排出温度を制御することが可能となる。他の利点としては、耐火材寿命の増大、投入原料及び耐火材成分の酸化の抑制、及びプロセス排ガス中の塵埃及び汚染物質のかなりの低減といったことがあげられる。
Description
【発明の詳細な説明】
高生産性回転炉製鋼法
本発明は、鉄鋼生産技術に関し、具体的には、回転炉を使用して大きな加熱及
び溶融速度を実現し、それにより非常に高い生産性を達成するものである。
従来、回転炉は鋳鉄のバッチ溶融に主として使用されていて鋼の生産にはごく
限られた応用しかなされておらず、しかも製鋼所で使用されている方法に比べる
と非常に低い生産性しか持っていなかった。私の米国特許第4105438号、
第4456476号、第4541865号、及び第4615511号は、金属質
原料を主として用いる連続製鋼に適した回転炉方法及び装置を対象としていた。
この技術は、塩基性酸素法や電弧法による製鋼に比べて生産性が比較的低いと見
られていたことが、大量の鉄鋼生産に採用される上での障害となっていた。
平炉や回転炉のような燃料燃焼型の炉で鋼スクラップを溶融する場合、鋼の融
点が高いことから、耐火材の許容最高運転温度に非常に近くなる。また、加熱速
度は炉と投入原料との間の温度差によるので、最大温度差に関するこの制限も生
産性の大きな限定要件となっていた。
総伝熱量は有効伝熱面積に直接的に依存する。回転炉の場合には、静止型や傾
斜型の平炉と比べて、1回転ごとに炉壁が投入原料の下を通るため、周期的に炎
から壁、
壁から投入原料への伝熱が生じ、非常に大きな付加的伝熱面積が得られる。
本発明は、溶融伝熱速度を何倍にも引き上げることのできる製鋼方法及び装置
に係り、この装置は炎及び炉の温度とは実質独立的に溶融物の温度を抑制するこ
とで、鋼溶融帯域における炉と投入原料との温度差を大きくする手段を有してい
る。
本発明によれば、絞られた環状投入口から絞られた環状排出口まで炉の長手方
向に沿って耐火性炉内壁を有する長尺回転炉内で製鋼を行うための方法が提供さ
れ、その方法は以下の工程からなる:
a)炉内に熱液体鉄金属浴を維持し、該浴の上表面が該投入口と該排出口の間
に広がりかつその間に限定され少なくともその一部はスラグ層に覆われ、また下
表面は該炉内壁の内側に包含されかつ支持され、炉長のかなりの部分を溶融帯域
が占め、そこに未だ溶融していない固体投入物を含む溶融帯域浴が保たれるよう
にし;
b)燃料と酸素とを燃焼させ、該浴及びスラグ表面に対して上から直接熱放射
を行うことにより、また該炉内壁を加熱して、回転炉の1回転ごとに加熱された
炉内壁が該浴の下を直接接触しながら通過する間、該炉内壁の表面から浴の下表
面への直接伝熱で該浴を間接的に加熱することにより、該浴に熱を供給し;
c)付加的炭素を投入口の近くに導入して十分な量の炭素を浴に溶解し、炭素
を約2〜4.25%の範囲で含
有する鋳鉄に特徴的な溶融温度の低下をもたらして該溶融帯域に液体伝熱媒体を
形成し;
d)固体鋼スクラップを該投入口近くの液体伝熱媒体中に投入し、これにより
該伝熱媒体を連続的に冷却して該浴の溶融温度近くの低い温度に維持し:
e)該固体鋼スクラップを、該液体伝熱媒体が前進するよりは実質的に速い平
均速度で、ただしあまり速すぎず炉内各断面において炉内ガス及び炉壁から該伝
熱媒体に移行する熱量にほぼ匹敵する熱量が吸収される程度、すなわち該溶融帯
域の各断面において該媒体を冷却して上記低い温度が維持されるような速度で連
続的に前進させ;
f)該固体鋼スクラップが該溶融帯域の終点での溶融完了に向かって次第に溶
融し、この段階で溶融した固体スクラップが浴の炭素含量を希釈低下させ、それ
に伴って浴の溶融温度を次第に上昇させるようになし;
g)該排出口近くの溶融した液体鉄金属を排出する。
好適な態様としては、金属の流れ断面積を絞るために炉の中間点あたりに環状
のダムを設け、これにより固体のスクラップがその先に流れることを実質的に阻
止し、排出口まで続く実質的に固体のない温度−組成調整帯域を作るとよい。こ
うすれば、この環状のダム絞りを越えて逆流が起きず、実質的に液体金属の流れ
は炉の軸方向に溶融帯域から温度−組成調整帯域に向かう一方向だけとなる。
理想的な場合には、溶融帯域に沿った液体金属の軸方向平均速度はゼロに近づ
き、溶融したばかりの固体鋼スクラップが溶融帯域から流出する液体の大部分を
占めることになる。
経済性の高い運転としては、溶融帯域をマグネシア−炭素耐火材壁で包囲する
ことにより、浴の高い炭素含量によって耐火材中の炭素の酸化により生ずる耐火
材の消耗を低減し、またスラグ層はマグネシアの飽和状態ないしはそれに近い状
態に維持することにより、マグネシアがスラグに溶出することによる侵食(エロ
ージョン)を防止するようにするとよい。
本発明には、生産性向上にとどまらない目的及び利点がある。まず、耐火壁が
低い平均温度で運転され、満足できる溶融速度を実現するのに炉内を極端な高温
にする必要がない。したがって、耐火材の寿命がそれだけ長くなる。これは、上
述のマグネシア−炭素耐火材及びマグネシア飽和スラグを使用して得られる利点
にさらに追加されるものである。生産量の増大を考慮すれば、単位鋼生産量あた
りの耐火材の耐用性向上は非常に大きい意味を持つ。
第2に、鉄スクラップが投入時ただちに液体高炭素鉄中に浸漬されるため、溶
融の間の表面の酸化が実質的に避けられることから、FeOの存在量が大きく減
らされ、そのためスラグ及び金属組成のコントロールが容易になり、金属歩留ま
りが向上する。これは平炉や電弧炉、あ
るいはバッチ式回転炉の酸素−燃料バーナ溶融に比べるとはるかに大きな利点で
ある。
第3に、本発明の方法は、排ガス中に混じって酸化鉄や他の微粒子が排出され
たり、未燃物が排出されたりするのを、完全に防止するか、あるいは抑制する。
電弧炉や塩基性酸素炉のような既存の代替方式では、本発明の方法の何倍もの量
の微粒子を発生する。また、酸素−ガス炎は窒素酸化物の生成量が少ない。本発
明の方法では、その高い熱効率のため、二酸化炭素の生成量も上記代替方式に比
べてはるかに少ない。
本発明の背景、目的、利点、及び概要は、これまでの説明では一般的な表現に
とどまっていることを理解すべきである。本発明の方法及び装置のその他の種々
の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲の記載、並びに
添付の図面によって明かとなろう。
図1は本発明の回転炉の運転中の概略的側断面図である。
図2は運転中の装荷状態の回転炉の図1の平面2−2に沿った断面図であり、
炉の回転時の伝熱の順序を示す。
図3は運転中の炉の耐火ライニングの温度分布の一般的パターンを示すグラフ
である。
図4は2つのグラフであり、1つは図3の3−3の詳細の拡大図であり、耐火
壁表面直下の温度分布を示し、もう1つは鉄−炭素の相図の関連部分を示す。2
つのグラフを結ぶ点線は、浴の炭素及び温度と炉の回転毎に浴
に移行する熱量とを互いに関連づけている。
図5は図1の回転炉の長手方向に沿った典型的な温度及び炭素含量を示す。
図1につき、回転炉の構造体1は耐熱非金属材料(耐火材)2で覆われており
、回転のためにトラニオン3に搭載してある。トラニオンはよく知られた方法で
ローラー4の上に乗っており、スピード制御可能な推進装置によって回転する。
炉は投入口側で水冷式の燃焼(酸素−燃料)バーナー5、一台あるいはそれ以上
で加熱され、湯出口(排出口)側ではバーナー6で熱する。通常はガス、重油、
粉末石炭を酸素か酸素を補充した空気で燃焼させる。炉ガス7の全体的な流れは
、荷口(投入原料)の全体的な移動方向と逆(向流)であり、燃焼(酸素−燃料
)バーナー6の燃焼ガスによって精製と鋼の湯出温度の調整のための熱と溶融の
ための補助的な熱が提供される。両方のバーナーからの燃焼生成物7は軸上に位
置する投入口8から排出する。液体鋼は、サイフォンチューブ19を使用して流
量を制御しながら湯出し、スラグ10は絞られた環状湯出口11のへり(lip)
から半継続的にあふれるか、バキュームスラグクリーナーですくい上げたり除去
する。これは望ましい具体策であり、タップ孔や他の排出方法、電弧やプラズマ
補助方式、あるいはその両方のような他の加熱方法なども他の変形例と同様に使
用できることがおわかりいただけるであろう。
炉の傾きはほとんど水平とし、通常1度以下とする。
したがって液体金属浴9ならび12が炉の全長にわたってひろがり、環状の投入
口8及び湯出口11の環状ダム絞りによって保持される。別に設けられた環状ダ
ム13は、流れの断面積を大きく絞るものであり、炉をふたつの帯域に分けてい
る。ひとつは、溶融帯域14であり、もうひとつは精製のための温度一組成調整
帯域15である。炉というものは基本的には溶融設備であり、後者は通常ごく限
られた「精製」のみを行い、最終的な組成の調整とその他の精製は、炉から湯出
した後、取瓶冶金において確立している様々な溶鉱後の処理方法で実施する。鉄
スクラップ16は、水冷式の投入コンベヤ17で溶融帯域14の中の溶融金属1
2に投入される。
本発明の要点は調整と制御にある。処理荷口(投入原料)の固体部分と液体部
分の、まず温度、そして相対運動を、先行技術に比較して実質的により大きな生
産量を可能にするように調整および制御するのである。図2を参照すれば、酸素
・燃料燃焼バーナー5および6は熱い燃焼産物を発生し、これが高温であるため
に主として輻射熱として直接液状の荷口表面ならびに耐火材壁面を熱する。例え
ば、炉の一回転毎に断面2−2においては、壁面の各点が燃焼ガスによってT1
温度に上昇し、荷口の下を通るたびにT2温度に下降する。図3は、典型的な定
常状態での耐火材壁面の温度分布を示し、その上に内壁の周期的な加熱冷却時の
線をかぶせてある。炭素−マグネシア製被膜(working lining)21は、断熱耐
火材
の被膜支持層22よりも熱伝導率が高く、したがって温度分布がより均一である
。各回転毎に生じる内壁表面の温度周期は、3−3の詳細拡大図として図4に示
す。
直接接触することによって、相対運動が急速であることとあいまって、壁面か
ら液状荷口への熱移動が非常に高い効率で実現し、耐火材壁の温度T2は液状金
属の温度に近づく。図4の鉄・炭素システムの状態図にあるように、一般的な炭
素分0.4%の鋼鉄においては、浴は摂氏1515度以上であれば完全な液体で
あるが、およそ1470度未満では液体は存在しない。一般的なマグネサイトの
被膜につき、典型的な温度−深さ変化パターンはT1−A−T2(PA:先行技
術)の三角形で示される。熱浸透の深さ「A」は一分間あたりおよそ4回転の回
転スピードに相当する。三角形の面積は、耐火材の重量と比熱から関係している
部分の深さまでを考慮し、一回転毎の耐熱性非金属壁と浴の間の熱の出入り量を
規定する。
鉄と炭素以外にも、融点温度に影響する他の元素が金属浴に存在していること
が多い。例えば、普通の炭素鋼スクラップには、マンガンやケイ素、残留してい
る銅、すずなどが入っている。これらの元素は浴の融点温度にも影響を与えるた
め、鉄・炭素状態図よりとられたおよその温度だけを表示し、実際の温度をその
まま表しているわけではないが、炭素含有率の異なる場合のおよその相対温度差
の実際に近い値を示している。
ここでいう「融点」という用語は、図4の状態図の左上の曲線にあるように、
実際にはシステムの液相線温度、すなわちこの温度より下がると凝固が始まると
いう温度を示している。したがって、この温度を下回ると急激に完全に凝固する
というようなはっきりと定義された温度ではなく、凝固は開始するだけであり、
スクラップ金属を二つの共存する相に分配させるのである。すなわち液と、下側
の曲線と等温線との交差点によって示される成分の固体としての「ガンマ」に分
けられるのである。上側の曲線が水平の実線に到達する共融三重点(eutectictr
iple-point)の成分であるときにのみ、完全なる凝固点の温度が確定される。「
融点」という用語は、これらのよく知られた性質に照らして理解しなければなら
ない。
再び、状態図にもどれば、融液の炭素成分がおよそ4%まで引き上げられると
、浴は1180度まで下がってもすべて液体であり、1150度まででもほとん
ど液状である。したがって、本発明実践の鍵は、溶融帯域14の投入口近くの融
液の炭素レベルを高く保ち、融液の融解温度を低く抑えることである。これは、
炭素をランセット18を使用して、既に確立している方法でニューマチック(気
圧送り込み)に注入することが望ましい。コークやグラファイトなどの炭素添加
媒体を荷口と共に投入するか、銑鉄にして投入することも可能であるが、投入口
でただちに溶解し溶融過程で最大限の効果を上げる点からは効率で劣る。
炉のバーナーは、通常、冷却媒体なしでは浴を高温に保つわけであるから、第
二の鍵は、第一の鍵とともに、間断なく固体の鉄スクラップの十分な量を投入し
てやり、余分な熱を吸収し、液状金属浴の温度をかなり低いところで維持するこ
とである。状態図にあるように、液相線温度に近い温度が望ましい。かかる条件
下では、温度・深さパターンは(本発明にもとづいた)T1−A−T2(IN)
の三角形により示される。この例では、図示された断面の熱量は先行技術による
もののおよそ5倍となっている。その場合、両方とも、T1が同じような水準に
保たれるようにバーナーの熱出量を調整する必要があるのはもちろんのことであ
る。
加熱効果を最大にするためには、溶融帯域の各断面に、浴温度を液相線温度近
くに抑えるために十分な量のスクラップがなければならないが、同時にたまった
り荷口の流れに支障を来すほど多すぎてはならない。液相線温度の望ましい落ち
込みを最大限にするためには、溶融帯域のはじめの方で生じるスクラップの溶融
による炭素濃度の希薄化をできるだけ遅らせなければならない。さらに、鋼鉄は
通常は最終製品であり、その大多数が炭素成分0.5%未満であるため、ダム1
3を越えて温度−組成調整域15に入っていく液体には中程度の炭素成分が望ま
しい。第三の段階としては、固体の荷口を液体金属よりもかなり速い速度で溶融
帯域の中を前進させることで、そうすることにより炭素成分の高い溶融液は処理
対象物と
いうより主として熱伝達媒体として機能する。この前進速度は上記の条件を考慮
した上で炉の傾斜角度と回転速度によって制御される。
典型的には、スクラップは溶融帯域の最後の3分の1まではほとんど固体のま
まであり、最後の3分の1では固体の溶融解によって間断なく発生する液状スク
ラップが主として融液を占めている。ところが、最初の3分の1では、融液は半
永久的な熱伝達媒体として維持されている基本的に高炭素の液状鉄となっている
。
鉄スクラップ16とは、主としてスクラップ鋼から成っており、その大部分が
0.5%未満の炭素含有率である。中には、1%以上の含有率のものもある。海
綿鉄は通常、鋼スクラップと同程度の範囲で炭素を含有しており、その場合には
鋼スクラップと同義とみなすことができる。銑鉄や鋳鉄、あるいはその両方が荷
口に入っている場合には、金属源であると共に大きな炭素添加源となるので、炭
素の補充源として利用できる。溶融点に到達するには特定の時間がかかるわけで
あるから、この添加方式では溶融帯域の前半の温度を下げる点では直接炭素を注
入する方法ほど効率は高くない。
耐火材壁の熱伝達パターンは数式モデル(有限差分式)やガウスの誤差積分を
利用しても近似値が出せる。T1−A−T2の三角形は、炉の回転数が一分間あ
たり4回転での推定であり、T1−B−T2は1回転で推定したものである。最
大の熱浸透深度は分あたり1回転で14
mm、4回転で7mm、すなわち約半分で、面積はそれに準じる。後者の場合に
は4倍も多く繰り返されるのであるが、4回転での熱伝達量はリアルタイムでは
約2倍であり、この方法で伝達される熱量は回転速度の平方根にほぼ比例して増
大する。図5は炉を通過する際の温度変化と浴の炭素含有率の典型的なパターン
を示している。溶融帯域14でも温度(一組成)調整帯域15でも軸方向に沿っ
た液体の前後の混合が多少生じることが明らかであろう。いいかえれば、投入口
で注入された炭素の一部分は混合作用によってダム13まで到達することも考え
られ、そこで溶融するスクラップを希釈し、15域に入る融液の炭素を高めるこ
とがありうる。この希釈量は、炉の規模や長さ対直径の比率、回転速度その他に
よって変動する。ダム13での絞りが大きいこととダムを越える際の軸方向の流
れの速度が比較的大きいことから、逆流による混合は、溶融と精製の間のこの位
置でしか妨げられていない。鋼スクラップの溶融の一部は、例えば投入口側の状
況下のように、鋼の融点よりもはるかに低い温度でも、炭素の拡散によって生じ
る。
温度−組成調整域15で、例えば2%から0.2%までといった大きな炭素の
減量が必要な場合には、その調整域15で酸素のランセットを補助に使用するこ
とも可能である。こうした反応は発熱反応であるから、湯出口からのバーナーの
熱量は削減し、酸素:燃料の比率を溶融帯域での燃焼では増大させて、酸素注入
により発生す
る一酸化炭素の増大分を活用することもできる。
図1ではバーナー5および6のみを示しているが、バーナーを追加したり複数
のバーナーを、炉内の熱放出分布を改善する上で有効になるように各口から選定
した距離に挿入して利用することも可能であることがご理解いただけるであろう
。90%以上の純度の酸素であれば、例えば天然ガスの場合など、炉内の空気は
およそ3分の1が二酸化炭素で、3分の2が水蒸気となり、全体的な放射率が非
常に高くなるおかげで、十分な運転性能を保ちながらバーナーの位置や方向にあ
る程度自由が利くようになる。
例をとって、本プロセスの特徴を説明すると、回転溶融炉を前述の説明と図1
から5に従って一般的に運転した場合、耐火材ライニングの内側で計測すると、
直径約2メートル、長さ18メートルとなり、長さのうち12メートルが溶融帯
域14であり、炭素−マグネシアのライニングで覆われている。長手方向の炉軸
はおよそ0.5度の角度で傾斜しており、荷口の深さは投入口で約0.35mで
、湯出口では0.5mと緩やかに深くなるが、溶融帯域での平均深さは0.4m
である。
図5に示すような全体的な温度パターンと投入口での炭素注入を含めて分あた
り4回転で連続運転すると、溶融帯域内の荷口に対する熱量伝達の速度は、溶融
帯域の最初の3分の1での毎時平米あたり約190.000Kg.Calから、ダム1
3を越える直前で80,000に落ち、
溶融帯域14全体での代表的な平均値がおよそ140,000となっている。耐
火材壁は壁面積として約76平米で、金属浴の表面積が18平米となっている。
炎から壁面、そして荷口へ移動する熱伝達量は、時間あたり合計1000万Kg.C
al程度であろう。平米あたり16万とすれば、これに加えて時間当たり浴表面か
ら直接伝わる熱量が300万Kg.Calとなっており、合計で時間当たり1300万
Kg.Calとなる。ダム13を越えていく金属浴は、1500度で荷口の温度25度
以上についてはKgあたり約320Kg.Cal有していることになる。したがって、溶
融速度は13,000/320すなわち時間当たり約40トンであり、投入口で
のスクラップの搬入速度を表すことになる。
荷口の総量はおよそ66トンで、平均滞炉時間はおよそ100分、そのうち6
7分が溶融帯域での時間であり、33分が精製帯域時間である。分あたり4回転
の場合、固体のスクラップは約35分で12mの溶融帯域を進むから、全体とし
ての荷口よりかなり速く移動する。こうして相対的に速いスピードで動くために
、スクラップの溶融は主として溶融帯域の最後の3分の1で生じるわけであり、
精製帯域へ移る際には炭素含有率が2%を大きく下回り、同時に投入口側での炭
素の注入により炭素分4−4.3%で鉄を液状に維持する。
時間当たり溶融速度40トンというのは、炉内温度が同等とした場合に中低度
炭素鋼浴に直接荷口を投入した
場合の溶融速度の3倍である。同時に、全体的な燃料消費は、酸素・燃料燃焼に
おいて、トンあたり60万Kg.Cal未満となる。もちろん、炉内温度は燃焼の燃料
−酸素比率を大きくすることで高くなるが、同程度に耐火材の寿命と燃料効率を
犠牲にしなければならない。本発明の方法及び装置は、かくして、コスト効率の
高い保守と燃料消費と同時に、先行技術ではこれまで実現しなかった高生産を可
能にするものである。
以上、高生産性回転炉製鋼のための方法及び装置の好適な態様を記載したが、
様々な改良及び工夫が、添付した請求に定義する発明の範囲を逸脱することなく
、当業者によって実現されうることを理解すべきである。
─────────────────────────────────────────────────────
【要約の続き】
することが可能となる。他の利点としては、耐火材寿命
の増大、投入原料及び耐火材成分の酸化の抑制、及びプ
ロセス排ガス中の塵埃及び汚染物質のかなりの低減とい
ったことがあげられる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.絞られた環状投入口から絞られた環状排出口まで炉の長手方向に沿って耐火 性炉内壁を有する長尺回転炉内で製鋼を行うための方法において、下記工程a) 〜g)からなることを特徴とする方法: a)炉内に熱液体鉄金属浴を維持し、該浴の上表面が該投入口と該排出口の間 に広がりかつその間に限定され、少なくともその一部はスラグ層に覆われ、また 下表面は該炉内壁の内側に包含されかつ支持され、炉長のかなりの部分を溶融帯 域が占め、そこに未だ溶融していない固体投入物を含む溶融帯域浴が保たれるよ うにし: b)燃料と酸素とを燃焼させ、該浴及びスラグ表面に対して上から直接熱放射 を行うことにより、また該炉内壁を加熱して、回転炉の1回転ごとに加熱された 炉内壁が該浴の下を直接接触しながら通過する間、該炉内壁の表面から浴の下表 面への直接伝熱で該浴を間接的に加熱することにより、該浴に熱を供給し; c)付加的炭素を投入口の近くに導入して十分な量の炭素を浴に溶解し、炭素 を約2〜 4.25%の範囲で含有する鋳鉄に特徴的な溶融温度の低下をもたら して該溶融帯域に液体伝熱媒体を形成し; d)固体鋼スクラップを該投入口近くの液体伝熱媒体中に投入し、これにより 該伝熱媒体を連続的に冷却 して該浴の溶融温度近くの低い温度に維持し; e)該固体鋼スクラップを、該液体伝熱媒体が前進するよりは実質的に速い平 均速度で、ただしあまり速すぎず炉内各断面において炉内ガス及び炉壁から該伝 熱媒体に移行する熱量にほぼ匹敵する熱量が吸収される程度、すなわち該溶融帯 域の各断面において該媒体を冷却して上記低い温度が維持されるような速度で連 続的に前進させ; f)該固体鋼スクラップが該溶融帯域の終点での溶融完了に向かって次第に溶 融し、この段階で溶融した固体スクラップが浴の炭素含量を希釈低下させ、それ に伴って浴の溶融温度を次第に上昇させるようになし; g)該排出口近くの溶融した液体鉄金属を排出する。 2.絞られた環状投入口から、中間地点の炉内断面を絞る環状ダム近くで終わる 溶融帯域、及びその先に続き絞られた環状排出口近くで終わる温度−組成調整帯 域まで、炉の長手方向に沿って耐火性炉内壁を有する長尺回転炉内で製鋼を行う ための方法において、下記工程a)〜h)からなることを特徴とする方法: a)炉内に熱液体鉄金属浴を維持し、該浴の上表面が該投入口と該排出口の間 に広がりかつその間に限定され、少なくともその一部はスラグ層に覆われ、また 下表面は該炉内壁の内側に包含されかつ支持され、該溶融帯域内の浴には未だ溶 融していない固体投入物が 浸漬して含まれるようにし; b)燃料と酸素とを燃焼させ、該浴及びスラグ表面に対して上から直接熱放射 を行うことにより、また該炉内壁を加熱して、回転炉の1回転ごとに加熱された 炉内壁が該浴の下を直接接触しながら通過する間、該炉内壁の表面から浴の下表 面への直接伝熱で該浴を間接的に加熱することにより、該浴に熱を供給し; c)付加的炭素を投入口の近くに導入して十分な量の炭素を溶融帯域浴に溶解 し、炭素を約2〜4.25%の範囲で含有する鋳鉄に特徴的な溶融温度の低下を もたらして該溶融帯域に液体伝熱媒体を形成し; d)固体鋼スクラップを該投入口近くの液体伝熱媒体中に投入し、これにより 該伝熱媒体を連続的に冷却して該浴の溶融温度近くの低い温度に維持し; e)該固体鋼スクラップを、該液体伝熱媒体が前進するよりは実質的に速い平 均速度で、ただしあまり速すぎず炉内各断面において炉内ガス及び炉壁から該伝 熱媒体に移行する熱量にほぼ匹敵する熱量が吸収される程度、すなわち該溶融帯 域の各断面において該媒体を冷却して上記低い温度が維持されるような速度で連 続的に前進させ; f)該固体鉄スクラップが該溶融帯域の終点での溶融完了に向かって次第に溶 融し、この段階で溶融した固体スクラップが浴の炭素含量を希釈低下させ、それ に伴って浴の溶融温度を次第に全体的に上昇させるよ うになし; g)液体金属流断面積を絞って、該溶融帯域から該温度−組成調整帯域へと該 環状ダムを越える軸方向流速を投入原料の全般的前進速度より実質的に高くし、 同時に該環状ダムの上流面により固体スクラップのその先への前進を実質的に妨 害して、これにより実質的に固体のない温度−組成調整帯域が該排出口まで続く ようになし、液体金属流を該環状ダムを越えて溶融帯域から温度−組成調整帯域 へ移行する実質的に一方向の軸方向前進流として、該環状ダムを越えて逆流する 流れによる逆混合が起こらないようにし; h)液体金属及びスラグが該温度− 組成調整帯域を前進するようになし、該排出口近くの該液体金属を排出する。 3.絞られた環状投入口から、中間地点の炉内断面を絞る環状ダム近くで終わる 溶融帯域、及びその先に続き絞られた環状排出口近くで終わる温度−組成調整帯 域まで、炉の長手方向に沿って耐火性炉内壁を有し、また炉内における燃焼生成 物の全体的流れを投入原料の全体的流れに対して向流とするために、該投入口か ら熱炉ガスを排出する排出手段を有する、長尺回転炉内で製鋼を行うための方法 において、下記工程a)〜i)からなることを特徴とする方法: a)炉内に熱液体鉄金属浴を維持し、該浴の上表面が該投入口と該排出口の間 に広がりかつその間に限定 され、少なくともその一部はスラグ層に覆われ、また下表面は該炉内壁の内側に 包含されかつ支持され、該溶融帯域内の浴には未だ溶融していない固体投入物が 浸漬して含まれるようにし; b)少なくとも1つの酸素−燃料バーナーにより燃料と酸素を該溶融帯域に直 接吹き付けて燃焼させ、該溶融帯域浴及びスラグ表面に対して上から直接熱放射 を行うことにより、また該炉内壁を加熱して、回転炉の1回転ごとに加熱された 炉内壁が該浴の下を直接接触しながら通過する間、該炉内壁の表面から浴の下表 面への直接伝熱で該浴を間接的に加熱することにより、該溶融帯域を加熱し; c)付加的炭素を投入口の近くに導入して十分な量の炭素を溶融帯域浴に溶解 し、炭素を約2〜4.25%の範囲で含有する鋳鉄に特徴的な溶融温度の低下を もたらして該溶融帯域に液体伝熱媒体を形成し; d)固体鋼スクラップを該投入口近くの液体伝熱媒体中に投入し、これにより 該伝熱媒体を連続的に冷却して該浴の溶融温度近くの低い温度に維持し; e)該固体鋼スクラップを、該液体伝熱媒体が前進するよりは実質的に速い平 均速度で、ただしあまり速すぎず炉内各断面において炉内ガス及び炉壁から該伝 熱媒体に移行する熱量にほぼ匹敵する熱量が吸収される程度、すなわち該溶融帯 域の各断面において該媒体を冷却して上記低い温度が維持されるような速度で連 続的に前進させ; f)該固体鉄スクラップが該溶融帯域の終点での溶融完了に向かって次第に溶 融し、この段階で溶融した固体スクラップが浴の炭素含量を希釈低下させ、それ に伴って浴の溶融温度を次第に全体的に上昇させるようになし; g)液体金属流断面積を絞って、該溶融帯域から該温度−組成調整帯域へと該 環状ダムを越える軸方向流速を投入原料の全般的前進速度より実質的に高くし、 同時に該環状ダムの上流面により固体スクラップのその先への前進を実質的に妨 害して、これにより実質的に固体のない温度−組成調整帯域が該排出口まで続く ようになし、液体金属流を該環状グムを越えて溶融帯域から温度−組成調整帯域 へ移行する実質的に一方向の軸方向前進流として、該環状ダムを越えて逆流する 流れによる逆混合が起こらないようにし; h)少なくとも1つの酸素−燃料バーナーにより燃料と酸素を該溶融帯域に直 接吹き付けて燃焼させることにより該帯域を加熱し、これにより該帯域内の液体 金属の温度を独立的に調整及び制御し、さらに該溶融帯域を通過する該燃焼生成 物の向流流れにより付加的熱量を該溶融帯域に供給し; h)液体金属及びスラグが該温度−組成調整帯域を前進するようになし、該排 出口近くの該液体金属を排出する。 4.該鋼スクラップが実質的に1%以下の炭素を含み、その大部分は0.5%以 下の炭素を含む請求項16、17又は18記載の方法。 5.該排出口近くの排出される液体金属が液体鋼である請求項16、17又は1 8記載の方法。 6.該回転炉の長手方向軸が、投入口から排出口に向かって1度以下の角度で下 に傾斜し、該炉が回転することにより該固体鋼スクラップの平均前進速度が該伝 熱媒体より速くなる請求項16、17又は18記載の方法。 7.該投入口近くに保持された該伝熱媒体の正味の平均前進速度が実質的にゼロ であり、これは該固体鋼スクラップが導入されてから溶融温度に達するまでの該 スクラップの初期溶融ないし溶解速度が実質的にゼロであることに対応し、すな わち投入原料の正味の前進の実質的にすべては、初期においては、溶融せずに熱 を吸収する固体スクラップの前進に由来し、該溶融帯域を越えて通過していく液 体の大部分は、該固体スクラップがその溶融温度に到達した時点により溶融帯域 の長さの最後の3分の1以内において溶融したばかりのものである請求項16、 17又は18記載の方法。 8.溶融帯域浴が炭素−マグネシア耐火壁に包囲され、これにより該伝熱媒体中 のかなりの炭素含量が耐火壁中炭素の酸化による耐火材の消耗を実質的に低減す る請求項16、17又は18記載の方法。 9.溶融帯域浴が炭素−マグネシア耐火壁に包囲され、これにより該伝熱媒体中 のかなりの炭素含量が耐火壁中炭素の酸化による耐火材の消耗を実質的に低減す ることに加え、炉内の投入原料に十分量のマグネシアを投入する工程を含み、こ れによりスラグ層を実質的にマグネシアで飽和した状態に保ち、かくして炉壁の マグネシア侵食によって生ずる耐火材の消耗を低減する請求項16、17又は1 8記載の方法。
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