【発明の詳細な説明】
改良された熱成形及び環境による応力クラック抵抗特性を有する樹脂
技術分野
本発明は、ゴム補強モノビニリデン芳香族重合体に関する。
背景技術
高衝撃ポリスチレン(通常HIPSと略称される)は、冷蔵庫の内部ライナー
及びディスポーザブル食品容器例えばマーガリンチユーブのような物品を形成す
るのに広く使用される。高衝撃ポリスチレンは、低コスト及び良好なタフネスの
その組み合わせから見てこれらの応用に好ましい。これらの応用においてHIP
Sの使用に伴う不利益は、或る食品そして冷蔵庫のライナーの場合、或る発泡剤
によりもたらされる好ましくない環境へ重合体がさらされることである。例えば
、マーガリンは、普通HIPSに対して不利な効果を有しない。しかし、HIP
Sから成形された成形された物品は、しばしば、成形法の応力から生ずる残留ひ
ずみを含む。このひずみの存在は、しばしば、形成されたプラスチック物品を未
ひずみのプラスチックに対しては良好なマーガリンのような物質による攻撃を受
けさせることにする。この現象は、環境による応力クラッキングとして知られて
おり、そして見苦しいひびとして現れさらに形成された物品の可能な破壊に導か
れる。
冷蔵庫のライナーの場合には、環境による応カクラッキングの源は、冷蔵庫で
こぼされる食品中の脂肪及び油を含み、さらにライナーの裏のくぼみを満たすの
に使用されるポリウレタン発泡体に存在する有機発泡剤例えばフッ素化及び塩素
化炭化水素発泡剤を含む。環境による応力クラッキングにさらされることは、こ
の応用ではHIPSの使用を制限する。応力クラッキングを避けるために、例え
ば冷蔵庫のライナー裏のくぼみを発泡体により満たすとき中間の保護層を挿入す
ることによる高価な技術的手段に頼ることによって、又はさらに高価な材料例え
ばABSの使用に頼ることによって、攻撃的な媒体による攻撃に対してHIPS
を保護する必要がある。
冷蔵庫のライナーは、普通、HIPSの押し出されたシートを工業的に使用し
て製造される。シートは、まずそれらを加熱して重合体をそのガラス転移温度よ
り上にさせることにより、所望の形及びサイズに熱成形される。軟化された重合
体は、次にドア又は内側のライナーの予定された形にプレスされる。高衝撃ポリ
スチレンは、比較的弱い熱伝導体である。それ故、長い加熱時間が、重合体をそ
のガラス転移点より上の温度にするために要求される。
最終のプレスされたライナーは、その構造上の一体性を維持するために或る厚
さを有しなければならない。重合体のブランクシートは、プレス操作がブランク
シートを引き延ばしそして特に形成された隅においてその厚さを減少させる事実
からみて、この最低の厚さより厚い。引き延ばしの程度は、「延伸比(draw
down ratio)」として表示される。隅のような領域では、1mmと
いう最低の壁の厚さが、普通必要とされる。高いレベルの延伸比及び高いレベル
の内蔵された応力に出会うこれらの領域では、不均一な壁の厚さの分布は、非常
に望ましくない。しかし、通常、内部ライナーは、1mmの最低の厚さからブラ
ンクシートの最初の厚さに及ぶ壁の厚さの分布を有する。材料は、最低の厚さで
十分に行うことができるので、厚い部分に存在する過剰の重合体は、機能的な価
値を有しない。もし熱成形の前にシートの厚さを薄くでき、しかも最低の厚さの
要件に合致する熱成形されたものを得ることができるならば、二、三の実質的な
利益を得るだろう。例えば、薄いブランクシートは、より少ない材料の使用それ
故低い製造コストを生ずる同じライナーを安全に作るのに使用されるだろう。さ
らに、薄いブランクシートは、より短い加熱時間、製造サイクル時間の低下及び
薄いブランクシートにさらに均一な温度分布をさせることによる形成された生成
物の品質の改良、従って製造コストの低下を必要とするだろう。
従来の技術の組成物の欠点並びに前述からみて、良好なESCR及び物理的性
質を有する高衝撃ポリスチレンを有することが望ましく、そしてそれは、冷蔵庫
のライナー及び他の物品の製造に薄いシートの使用を可能にするだろう。
発明の開示
本発明の組成物は、良好なESCR性を有する高衝撃ポリスチレンであり、そ
して熱成形の応用のための改良された樹脂である。重合体組成物は、少なくとも
約4ミクロンの容積平均ゴム粒子サイズ、2.5より少ないマトリックス重合体
Mw/Mn比及び少なくとも4.5gの溶融強さを有する高衝撃スチレン系樹脂
を含む。本発明の樹脂は、驚くほど改良された熱成形特性及び良好なESCR性
をもたらす。
本発明のゴム補強重合体は、1種又はそれ以上のモノビニル芳香族化合物から
由来する。代表的なモノビニル芳香族化合物は、スチレン、アルキル置換スチレ
ン例えばアルファ−アルキル−スチレン(例えば、アルファ−メチルスチレン及
びアルファ−エチルスチレン)並びに環アルキル化スチレン及びそれらの異性体
(例えば、オルトエチルスチレン、2、4−シメチルスチレン及びビニルトルエ
ン、特にオルト又はパラ ビニルトルエン)、環置換ハロ−スチレン例えばクロ
ロ−スチレン及び2、4−シクロロ−スチレン、並びにハロ及びアルキル基の両
者により置換されたスチレン例えば2−クロロ−4−メチルスチレン、並びにビ
ニルアンスラセンを含む。一般に、好ましいモノビニル芳香族単量体は、スチレ
ン、アルフア−メチルスチレン、1種又はそれ以上のビニルトルエン異性体及び
/又はこれらの2種又はそれ以上であり、スチレンが最も好ましいモノビニル芳
香族化合物である。
単量体は、任意に、少量の1種又はそれ以上の追加の共単量体を、好ましくは
重合可能な単量体混合物の10重量%より少ない量で含むことができる。好適な
共単量体は、不飽和ニトリル例えばアクリロニトリル、アルキルアクリレート及
びアルキルメタクリレート例えばメチルメタクリレート又はn−ブチルアクリレ
ート、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、並びに無水物及びイミド例えば無水
マレイン酸及びN−フェニルマレイミドを含むエチレン性不飽和カルボン酸誘導
体単量体である。
本発明の実施で好ましくは使用されるゴムは、従来の技術例えばASTMテス
ト方法D−746−52Tを使用して測定又は概算されるような0℃以下、好ま
しくは−20℃以下さらに好ましくは−40℃以下である二次転移温度を示す重
合体及び共重台体である。好ましいゴムは、残存不飽和を含む。非常に好ましい
ゴムは、アルカジエン重合体である。好適なアルカジエンは、1、3−共役ジエ
ン例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン及びピペリレンを含む。最も好
ましいのは、1、3−共投ジエンから製造されるホモ重合体(全てのカップリン
グ単量体を除く)であり、1、3−ブタジエンのホモ重合体が特に好ましい。少
量例えば15重量%より少ない、好ましくは10重量%より少ない他の単量体例
えばモノビニル芳香族を含むアルカジエン共重合体ゴムも、もしゴムがここに記
載された他の規定に合致するならば、使用できる。最も好ましいゴムは、35−
70%のシス含量及び200000−600000の分子量Mwを有する1、3
−ブタジエンのホモ重合体である。ここで使用されるとき、ゴム成分に関する重
量平均分子量即ちMw、及び数平均分子量Mnは、ASTMテスト方法D−35
36(ポリスチレン標準)により記載されたゲル浸透クロマトグラフィー技術に
より測定され、そしてゴムとポリスチレン標準との間の差に関する補正なしに表
示される。
本発明のHIPS組成物のゴム粒子は、有利には、少なくとも約4ミクロンの
容積平均粒子サイズを有する。好ましくは、粒子のサイズは、4−10ミクロン
であり、さらに好ましくはそれは5−8ミクロンである。ここで使用されるとき
、粒子のサイズは、ゴムの粒子内のマトリックス重合体の全ての吸蔵を含む得ら
れた生成物中で測定されるときのゴムの粒子の直径であり、その吸蔵は、塊状重
合技術を使用して製造されるゴム補強重合体の分散されるゴムの粒子に概して存
在する。ゴムの粒子の形態、サイズ及び分布は、例えば(大きな粒子について)
Coulter Counter(商標)(Coulter Counterは
、Coulter Electronic Limited、Luton英国の
商標である)を使用して、又は特に小さい粒子については、透過電子顕微鏡によ
る従来の技術を使用して測定できる。
塊状又は塊状/懸濁重合技術を使用してゴム補強樹脂を製造するために、スチ
レン中5重量%の溶液として測定されるようなゴムの溶液粘度は、粘度がCan
on−Fenske毛管粘度計(Capillary No.400、内径1.
92mm)を使用して測定されるとき、好ましくは25℃で90以上、さらに好
ましくは120以上、最も好ましくは160以上のセンチポイズ(cps)であ
ろう。
ゴムは、少量の橋かけ剤を含むことができるが、過剰の橋かけ剤は、ゴムの特
性の損失をもたらす及び/又はゴムを単量体中に溶解しないようにすることがで
きる。
ゴム補強重合体生成物が、ゴム又はゴム相当物の2−20重量%、好ましくは
3−17重量%そしてさらに好ましくは3−15重量%を含むような量で有利に
使用される。ここでゴム物質の重量を示すために使用される用語「ゴム」又は「
ゴム相当物」は、ゴムホモ重合体(例えばポリブタジエン)では、ゴムの量を単
に意味することを目指し、ブロック共重合体では、ホモ重合されるときゴム状重
合体を形成する1種以上の単量体から作られる共重合体の量を意味することを目
指す。例えば、ブタジエン−スチレンブロック共重合体ゴムが使用される組成物
中のゴムの量を計算するために、組成物の「ゴム」又は「ゴム相当物」は、ブロ
ック共重合体中のブタジエン成分のみに基づいて計算される。
本発明の重合体組成物の溶融強さは、5kg負荷で200℃及び30rpmで
題名「溶融強さ測定」の下で以下に記述される方法に従って測定されるとき、有
利には少なくとも4.5、好ましくは少なくとも5、そしてさらに好ましくは少
なくとも5.5gである。
本発明の目的のために、用語「液体可塑剤」は、室温及び大気圧で液体状態に
ありそして本発明の重合体組成物を可塑化する物質に関する。液体可塑剤の例は
、エステル例えばフタール酸ジオクチル及びステアリン酸ブチル、並びに油例え
ば鉱油を含む。好ましくは、本発明の組成物は、約1重量%以下の液体可塑剤を
含む。さらに好ましくは、本発明の組成物は、約0.5重量%より少ない揮発性
成分を含む。最も好ましくは、本発明の組成物は、添加された液体可塑剤を含ま
ない。
本発明の組成物のマトリックス重合体は、比較的狭い分子量分布を有する。こ
れは、マトリックス重合体の重量平均分子量対マトリックス重合体の数平均分子
量の比により示される。この比は、Mw/Mnとして表される。有利には、本発
明で使用されるマトリックス重合体は、2.5より小さい、そして好ましくは2
.3より小さいMw/Mn比を有する。マトリックス重合体のMwは、有利には
少なくとも165000、好ましくは少なくとも185000、そしてさらに好
ましくは少なくとも200000である。好ましくは、マトリックス重合体のM
wは、300000より小さい。
ゴム補強重合体の製造では、反応混合物は、1種以上の単量体中にゴムを溶解
することにより製造され、そしてここで反応混合物として呼ばれる得られる単量
体/ゴム溶液は、反応器手段に供給されそして次に重合される。反応混合物中に
最初に溶解されたゴムの量は、最終のゴム補強重合体生成物中のゴムの所望の濃
度、重合中の転化の程度及び反応混合物溶液の粘度に依存する。特に、反応混合
物溶液の粘度は、有利には3000センチポイズより低い。高い粘度で、反応混
合物溶液は、処理することが難しい。反応混合物の粘度が、望ましくないほど高
いならば、反応混合物溶液は、概してゴムの5−15重量%よりなり、該重量%
は、使用されるゴム及び単量体の全量に基づく。
任意に、反応混合物は、有機液体希釈剤を含むだろう。好適に使用される有機
液体希釈剤は、使用される重合条件で沸騰しないしかも1種以上の重合可能な単
量体及びそれらから製造される重合体により溶液を形成する通常液体の有機物質
である。代表的な有機液体希釈剤は、芳香族(そして不活性的に置換された芳香
族)炭化水素例えばトルエン、ベンゼン、エチルベンゼン及びキシレン、5個又
はそれ以上の炭素原子の直鎖又は枝分かれ鎖の何れかを有する任意に不活性的に
置換された飽和脂肪族炭化水素例えばヘプタン、ヘキサン及びオクタン、並びに
5個又はそれ以上の炭素原子を有する任意に不活性的に置換された脂環式炭化水
素例えばシクロヘキサンを含む。これら有機液体希釈剤のなかで好ましいものは
、不活性的に置換された芳香族であり、エチルベンゼン及びキシレンが最も好ま
しい。一般に、有機液体希釈剤は、重合中の加工性及び熱伝導例えば重合体混合
物の流れ特性を改良するのに十分な量で使用される。これらの量は、使用される
ゴム、単量体及び希釈剤、工程の装置及び重合の所望の程度に依存して変化する
だろう。一般に、もし使用されるならば、反応混合物は、ゴム、単量体及び希釈
剤
の全重量に基づいて2−30重量%の希釈剤を通常含むだろう。
得られた反応混合物の重合中、重合条件は、相の反転が次に生ずるように維持
される。これらの条件下、単量体は、ゴム(グラフトされた)とともに又は別に
(自由な重合体又はマトリックス重合体)重合され、それはゴムを溶解し、それ
により一部の重合された単量体によりグラフトされるようになる。ゴムと基本的
に融合しない自由な重合体の残りは、単量体/ゴム(グラフトされたゴムを含む
)溶液の多い容積の連続的な相全体に分散した不連続な少ない容積の重合体/単
量体相を形成する。
実際、十分な量の自由な重合体が形成された後の点で、自由な重合体は、1種
以上の重合していない単量体の連続相に分散した不連続相から、重合混合物中の
明確な連続又は不連続の相が存在しない点を経て、全体を通して分離した粒子と
して分散したゴムを有する連続重合体相へ転化する。重合体/単量体相が大きな
容積の相になり従って連続相になるにつれて、グラフトされたゴムは、不連続相
を形成する。相の反転が生じそしてゴムが連続重合体相を経て粒子の形で分散す
るようになり、モノビニリデン芳香族重合体のマトリックス中に分散したゴム粒
子を有する生成物を生ずるとき、これは重合における点である。
好ましくは、相の反転で、ゴムは、最初のサイジング後、分散されたゴムの粒
子が本質的に同じ重合工程を保持できるように、十分にグラフトされる。相の反
転は、反応混合物が1反応混合物に基づく重量%で、追加されたゴム材料の重量
含量の約2.5倍又は3倍である固体レベルを含む重合工程における点で通常生
ずる。そのため、反応混合物が、反応混合物に基づく重量%で、追加されたゴム
材料の重量含量の少なくとも3倍好ましくは4倍である固体レベルを含む重合工
程における点まで、比較的高い撹拌レベルが好ましくは維持される。例えば、反
応混合物へ添加される5−10重量%のゴムが存在するとき、反応混合物が約3
0重量%の固体を含むまで、比較的高い撹拌が維持される。ここで使用されると
き、用語固体は、反応混合物例えば最初に添加されたゴム及び形成されていたモ
ノビニリデン芳香族重合体の重合体成分に関する。
一般に、連続相が、反応混合物中でモノビニル芳香族化合物を塊状重合するた
めに使用される。本発明の実施では、プラグフロータイプ反応器とも呼ばれる層
状の線流撹拌タワータイプ反応器を利用することが一般に好ましい。これらの反
応器は周知である。例えば、米国特許第2727884号参照。この方法は、部
分的に重合された生成物の一部の再循環を含むか又は含まない。重合が最も有利
に行われる温度は、使用される特定のコンポーネント特に開始剤に依存するが、
一般に60℃から190℃へ変化するだろう。
好適なグラフト促進開始剤は、ゴム補強重合体の製造に使用できる。これら開
始剤の例は、過酸化物開始剤例えばペルエステル、例えば第三級ブチルペルオキ
シベンソエート、第三級ブチルペルオキシアセテート、過酸化ジベンゾイル、及
び過酸化ジラウロイル、ペルキタル、例えば1、1’−ビス(第三級ブチルペル
オキシ)シクロヘキサン、1、1−ビス第三級ブチルペルオキシ−3、3、5−
トリメチルシクロヘキサン、及び過酸化ジクミル、並びにペルカーボネート並び
に光化学開始技術を含む。好ましい開始剤は、第三級ペルオキシベンゾエート、
1、1−ビス第三級ブチルペルオキシシクロヘキサン、1、1−ビス第三級ブチ
ルペルオキシ−3、3、5−トリメチルシクロヘキサン及び第三級ブチルペルオ
キシアセテートを含む。開始剤は、使用される特定の開始剤、所望のレベルの重
合体グラフィティング及び塊状重合が行われる条件を含む種々のファクターに依
存して或る範囲の濃度で使用できる。特に、ゴム補強重合体を製造するための好
ましい塊状重合法では、50−2000重量部、好ましくは100−1500重
量部の開始剤が、単量体の百万重量部当たり使用される。
重合混合物は、又他の添加物及び/又は重合助剤例えば可塑剤或いは潤滑剤例
えば絋油、ステアリン酸ブチル又はフタール酸ジオクチル、抗酸化剤(例えばア
ルキル化フェノール例えばジ−第三級−ブチル−p−クレゾール又は亜燐酸エス
テル例えばトリスノニルフェニルホスファイト)を含む安定剤、連鎖移動剤例え
ばアルキルメルカプタン例えばn−ドデシルメルカプタン、又は離型剤例えばス
テアリン酸亜鉛を含むことができ、これら添加物及び/又は重合助剤の全ては、
重合の前、間又は後を含む適切なときに反応混合物へ加えられる。
連鎖移動剤の使用は任意であり、大きなサイズのゴムの粒子を含む(例えば少
なくとも1ミクロmの平均粒子サイズを有する)組成物又はプレポリマーの製造
のみに通常使用される。もし使用されるならば、連鎖移動剤は、それが添加され
る重合混合物の仝重量に基づいて0.001−0.5重量%の量で概して使用さ
れる。
得られる生成物におけるゴムの橋かけ及び未反応単量体の除去並びにもし使用
されるならば全ての反応希釈剤並びに揮発性物質は、従来の技術を使用して有利
に行われる。
本発明の組成物は、当業者に周知の方法を経て有用な物品に容易に形成できる
。例えば、押し出されたシート及びフィルムは、本発明の組成物から容易に製造
される。
実施例
以下の実験は、本発明を説明するために示され、そしてその範囲を制限するた
めと考えるべきではない。全ての部及び%は、他に示されていない限り重量によ
る。表で使用される略称は、Mw(重量平均分子量)、Mn(数平均分子量)及
びMw/Mn比(マトリックス重合体のMw対Mnの比)を含む。
実施例 1
撹拌及び温度コントロールのための手段を備えた一連の3個のプラグフロー反
応器へ、以下の組成を有する混合物を供給する。エチルベンゼン4.0%、ゴム
(Diene55)7.2%、残りはスチレン。さらに、遊離基開始剤1、1’
−ビス(第三級ブチルペルオキシ)シクロヘキサンを、全供給組成物に基づく2
00ppmの量で供給物へ加えられ、そして120ppmのn−ドデシルメルカ
プタンを連鎖移動剤として加える。
開始剤及び連鎖移動剤を含む組成物は、110℃の入り口温度で第一の反応器
中へ供給される。一連の反応器の温度を次第に上昇させる。第三の反応器の出口
温度は180℃である。所望の粒子のサイズを得るために、撹拌は第一の反応器
で調節される。残りの2個の反応器の撹拌レベルは、かなりの熱移動速度を維持
するのに十分である。工程の終わりで、重合混合物の固体含量は85%である。
希釈剤及び未反応スチレン単量体は、9mパールで真空室中でそれを240℃へ
加熱することにより重合混合物から除く。この段階で、ゴム粒子は、それらを橋
かけすることにより強められる。物質は、次にストランドに押し出され、そして
ペレットに切断される。全ての次のテストは、ペレット化された物質を使用して
行われる。以下に、実施例1の生成物は、HIPS 1と呼ばれる。
比較実験A(本発明の態様ではない)
実施例1の方法が繰り返されるが、但し供給組成物は、2.0%の鉱油を含み
、そしてエチルベンゼンの量は8%である。第一の反応器の入り口温度は115
℃である。生成物は、HIPS Aと呼ばれる。
比較実験B(本発明の態様ではない)
比較実験2の方法が繰り返されるが、但し反応器の入り口温度は128℃であ
り、そして過酸化物開始剤は使用されない。撹拌条件は、以前の二つの実験にお
けるよりも小さい粒子サイズを得るように調節される。生成物は、HIPS B
と以下で呼ばれる。
HIPS 1、A及びBの物理的性質は、表1に要約される。
ゴム含量は、供給組成物及び最終の転化から計算される。分子量の値は、一般
的なポリスチレンサンプルにより較正されたゲル浸透クロマトグラフィーを使用
して測定される。容積平均粒子サイズは、Coulter Counterによ
り測定される。溶融流れ速度は、5kgの負荷を使用して200℃でASTMD
−1238により測定される。
環境上の応力クラック抵抗−マーガリン
このテストの目的は、応力条件下の油状の物質と接触しているHIPS物質の
性状を測定するためである。環境上の応力クラック抵抗は、以下のように測定さ
れる。先ず、2mmの厚さのシートを、Reifenhauser押し出し機を
使用して押し出され、シートはマーガリンチユーブ中に熱成形される。チユーブ
に、次にマーガリンを満たし、全ての部分が油状のマーガリンと確実に良く接触
させる。それそれのチユーブは、蓋で閉じ、そしてチユーブを押すために予め予
定された重しをそれぞれのチユーブの蓋の上に置く。チユーブは円形であり、そ
して応力は0.044kg/mm2と計算される。時間が経つにつれ、チユーブ
の底は高いレベルの応力を経験し、そしてマーガリンの影響による応力クラッキ
ングを受ける。チユーブは、応力の白色化及びひびの徴候を肉眼で検査し、それ
らは、もし観察されるならば、重合体物質の割れの証拠である。テストの結果は
表2に示される。
テスト1週後、HIPS Aから作られたチユーブの肉眼による観察は、底で
形成されたひびを示し、そしてさらに、物質は、厚さが最低であるチユーブの底
で変形しそして曲がる。一方、HIPS 1は、4月後でも変形の徴候を示さず
、チユーブの底で曲がりがない。
物質の熱成形の性状は、二、三のメカニズムにより評価される。
溶融強さの測定
溶融強さの測定は、ASTM D−1238に記載された押し出しプラストメ
ーターを使用してなされる。加熱された円筒に、一定の温度で重合体サンプルを
満たし、円筒の末端は、オリフィスを有する小さいダイにより限定されている。
5kgの重しを押して、予定された加熱時間が経過した後ダイのオリフィスを通
して重合体を押し出す。押し出されたものは、初めのプーリーの下に垂直に下方
に通り、次に第二のプーリーの上に垂直に上方へ通り、さらに30rpmで回転
する巻き取りドラムヘ水平に通す。それぞれのプーリーは、黒色陽極処理された
アルミニウム合金からなり、120゜V溝の中心で測定して1.25インチの名
目上の直径を有し、そして厚さ0.114インチである。両方のプーリーは、精
密装置のベアリングを有し、そして静的にバランスされる。第一のプーリー上の
ひずみは、60g又はそれ以下の容量を有するひずみセルにより測定される。ひ
ずみセルは、分析重りを使用して較正される。第一のプーリーは、適用される力
の8倍までのファクターによりひずみセルへ適用される力を増大させるように調
節可能な力レバー上に設ける。巻き取りドラムはアルミニウムであり、そして2
.000インチの直径を有し、そして幅約3インチである。ドラムには、0−2
000rpmの範囲に渡って速度を調節するための手段を設ける。所定の回転速
度での力は、物質の溶融強さの目安である。溶融強さのテストの結果は、表3に
要約される。
表3から、本発明の重合体が、二つの比較実験の重合体より高い溶融強さを有
することは明らかである。この改良された溶融強さは、HIPS 1が、高い延
伸比へ熱成形できることを示す。
押し出し実験
HIPS 1及びHIPS Aは、熱成形操作のための製造で工業上のスケー
ル押し出し機で押し出される。驚くべきことに、HIPS 1は、HIPS A
の早い溶融流れ速度にかかわらず、HIPS Aのそれより20%より早い速度
で押し出すことができる。
熱成形実験
HIPS 1及びHIPS Aは、最新式の工業上のサイズ熱成形機械即ちt
wo−station 111igタイプ機械を使用してテストされる。この特
別な応用では、最も重要な領域が、最低の厚さが観察される隅の周りであること
が分かる。HIPS Aは、熱成形操作前に4.8mmのシートの厚さを必要と
する。もし厚さがそれより薄くなるならば、熱成形された冷蔵庫のライナーのパ
ーツは、許容できない0.8mmより薄い厚さを有する。
第二のシリーズの実験では、HIPS 1は、異なる厚さで押し出され、そし
て3.8mmの初めの厚さのシートが、重要な最低の0.8mmより厚い許容可
能な隅の厚さを与えることが分かる。これは、原料で少なくとも20%の物質の
節約を構成する。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年8月29日
【補正内容】
補正された請求の範囲
1.0℃以下の二次転移温度を有するゴムの分散粒子を含有する高衝撃スチレン 系樹脂を含む重合体組成物であって、該分散ゴム粒子が少なくとも4ミクロンの 容積平均ゴム粒子サイズを有し、該樹脂が2.5より小さいマトリックス重合体 Mw/Mn比及び5kg荷重を用い200℃及び30rpmにおいてASTM D−1238に従って測定したときに少なくとも4.5gの溶融強さを有し、且 つ1重量%をこえる液体可塑剤を含有しないことを特徴とする
重合体組成物。
2.Mw/Mnの比が2.3より小さい請求項1の組成物。
3.容積平均ゴム粒子サイズが4−10ミクロンである請求項1の組成物。
4.容積平均ゴム粒子サイズが5−8ミクロンである請求項1の組成物。
5.存在する場合の液体可塑剤が鉱油である請求項1の組成物。
6.0.5重量%より少ない液体可塑剤が存在する請求項1の組成物。
7.添加された液体可塑剤を有しない請求項1の組成物。
8.鉱油を含まない請求項1の組成物。
9.約1重量%より少ない鉱油を含む請求項1の組成物。
10.請求項1の組成物を含む物品。
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フロントページの続き
(72)発明者 ドフーゲ,エドワード エル ジェイ
オランダ国 4561 エイチジー フルスト
ベストジクストラート 17
(72)発明者 バン ヌフイール,クラウデ
ベルギー国 9041 オースタッカー ムイ
ゼルストラート 16