JPH08508067A - 水型原子炉で使用可能な耐食性ジルコニウム合金 - Google Patents

水型原子炉で使用可能な耐食性ジルコニウム合金

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JPH08508067A
JPH08508067A JP6520720A JP52072094A JPH08508067A JP H08508067 A JPH08508067 A JP H08508067A JP 6520720 A JP6520720 A JP 6520720A JP 52072094 A JP52072094 A JP 52072094A JP H08508067 A JPH08508067 A JP H08508067A
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ルメグナン,クレマン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ジルコニウムおよびジルコニウム合金の水中における耐食性を改良する方法に関する。この方法では、ジルコニウムまたはジルコニウム合金に、2〜10重量%のセリウム等の、ジルコニアの正方晶相を安定化し得る少なくとも一つの金属元素を添加する。このように調節された合金は、原子炉における構造材料もしくは燃料部材用のカンまたはシースとして使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 水型原子炉で使用可能な耐食性ジルコニウム合金 本発明は、水中での耐食性が改良され、特に沸騰水型および加圧水型原子炉で 使用することができる、ジルコニウム基合金に関する。 熱中性子炉として知られるこの種の原子炉では、燃料は、例えば250〜32 0℃といった比較的高温度でコア内を循環する通常の水もしくは重水によって冷 却される。燃料は、一般にジルコニウム基合金からなるシース、カンまたはクラ ッディングで前記冷却水から分離される。 ジルコニウムは、中性子を透過させる(小さい中性子捕獲断面)とともに、原 子炉の操作温度における水に対して比較的優れた耐食性を有するといった特徴を 備えている。上記の原子炉で現在使用されている合金は、すず、クロム、鉄およ びニッケルといった添加剤を有するジルカロイ、およびジルコニウム−ニオビウ ム合金である。これらの合金は、約35〜45000MW dt-1とされる現在 の燃焼度に対して十分な耐食性特性を備えている。 しかしながら、燃料がコアでより長い時間を経過でき、65〜75000MW dt-1をしのぐ燃焼度に到達することを目指す将来的目標のためには、このよ うな耐食性は不十分とされる。 ジルコニウム合金シースの耐食性は、薄いジルコニア層の形成に関連しており 、この層は、一般に、0.6〜0.8mmのシース厚に対して0.10mmを越 えてはならないことが知られている。 しかして、前記の厚さを越えると、前記ジルコニア層の増加に関連した機械的 強度の欠失が過度となる。さらに、原子炉の最初の水におけるジルコニア粒子の 循環を引き起こすエクスフォリエーション現象、すなわち非常に厚いジルコニア 層の分離を考慮する必要がある。 また、J.ThomazetらによるProceedings of a Technical Committee Meeting ,IAEA,Portland,oregon,USA,September 11-15 1989,pp255-262、およびT .Isobeらの9th Inter.Conf.Zr in Nucl.Ind.,Kobe,Japan,ASTM-STP 1132 ,p 346に記載されたように、適切な熱処理によって、もしくは合金の組成を変 えることによって、上記ジルコニウム合金の耐食性を改良するための研究が行わ れた。 これらの耐食性を改良するために変えられたジルコニウム−ニオビウム合金が 、DE−B−1202985(Siemens)に記載されている。この文献の 中では、合金に対して、シース上に形成された酸化ジルコニウム層の厚さを減じ ることを可能にする非常に少量のセリウム(0.05〜1%、好ましくは0.0 1〜0.5%)が添加されている。しかしながら、上記の特許で得られた結果は 、Zr−Nb合金の耐食性に対してわずかな改良を示すにすぎない。 しかして、これまで、ジルコニウム合金の耐食性を十分に改良することができ なかった。 本発明は、ジルコニウムおよびジルコニウム合金の水中における耐食性を改良 するための、この目的を達成することを可能にする方法を目的とする。 この方法は、ジルコニアの正方晶相を安定化することができる少なくとも一つ の金属元素をジルコニウムまたはジルコニウム合金に添加することからなる。 しかして、本発明によれば、ジルコニウムおよびその合金の水における腐食の 問題は、正方晶形の合金の表面に成長するジルコニア層を安定化することによっ て解決される。 しかして、水中における高温でのジルコニウム合金の酸化に、連続する二つの 段階があることが分かった。第一段階では、水と反応することによって形成する 酸化ジルコニウムは、保護的であるとともに、酸化ジルコニウム層の成長は、放 物状の速度プロファイルで正方晶相において続く。第二段階では、正方晶酸化層 が、立方晶系もしくは単斜晶系酸化相に転換し、ジルコニアの細かいクラッキン グを引き起こし、その保護特性を無くし腐食の動力学的転移を促す。 本発明によれば、ジルコニア層は、この転移を妨げもしくは遅らせるのに安定 であり、腐食速度を低レベルに維持する。 ジルコニアの正方晶相を安定化し得る金属元素は、例えばセリウムまたはマグ ネシウムとすることができる。これらの金属元素は、十分な正方晶相安定化作用 を有し、原子炉で使用される場合に、他の望ましくない性質を生じさせない。 中性子活性化後、これらの元素は、β放射による水の放射線分解を増加するこ とによるジルコニウム合金の腐食に寄与しがちな高エネルギーのβ放射体になら ない。さらに、これらはジルコニウムに溶け、低い熱中性子捕獲断面を備えてい る。 好ましくは、ジルコニウムに850℃で6原子%の濃度まで溶けることから、 セリウムを使用する。さらに、正方晶ジルコニアの格子に挿入された場合には、 原子価+4のままであり、ジルコニア層を供給するために酸素が前記層を横断し なければならないので、分散率、従って腐食率の増加を引き起こす酸素ギャップ の形成を避ける。最後に、セリウムの熱中性子捕獲断面は小さい(0.025e Vで0.7バーン)。 セリウムを用いた場合、最終的な合金の2〜10重量%を占めるような分量で 添加されることが好ましい。マグネシウムを用いた場合、最終的な合金の2〜1 0重量%を占める量が同様に適切である。 しかして、DE−B−1202985に示された量より、かなり多い量が用い られる。このようなセリウム濃度では、正方晶相は、化学的効果によってよく安 定化される。 本発明に係る方法は、全てのジルコニウム基合金、特にジルカロイ型合金のよ うな水型原子炉で使用される合金に適用することができる。 また、本発明は、セリウムの添加を取り込んだジルコニウム合金にも関する。 本発明の第一の実施態様によれば、ジルコニウム合金は、2〜10重量%のC eと、500〜2000ppmの酸素を含有し、その残りはジルコニウムおよび 偶然的な不純物で構成されている。 第二の実施態様によれば、ジルコニウム合金は、2〜10重量%のCe、50 0〜2000ppmの酸素、および0.01〜1.5重量%のSn、Nb、Fe 、Cr、Ni、Mo、Ta、Ca、Mg、V、Al、SiおよびTiから選択さ れた少なくとも一つの元素を含有し、これらの元素の全体は、多くても15重量 %とされ、その残りはジルコニウムおよび偶然的な不純物で構成されている。 本発明の第三の実施態様によれば、ジルコニウム合金は、2〜10重量%のセ リウム、約1.5重量%のすずおよび鉄とクロムの全てを0.3重量%含有し、 その残りはジルコニウムおよび偶然的な不純物で構成されているジルカロイ型の 合金である。 上述の合金は、液相におけるセリウムの蒸気圧が、溶解に関して特に問題を引 き起こさないすずの蒸気圧に等しいため、溶極を備えた加熱炉における真空溶解 のような通常の方法によって製造することができる。一連の真空溶解に続いて、 この合金を鍛造し、熱間圧延し、冷間圧延することができる。最終的な製造段階 における熱処理を変更して、ジルコニウムのα相で高温でのセリウムの溶解性を 利用することができる。しかして、非常に細かいセリウムの沈澱を得るために、 焼きもどしおよび可能なアニーリング処理を行う前に、例えば850℃等の55 0〜863℃で溶解することにより、均質化熱処理を行うことが可能である。 上述のジルコニウム合金は、水冷型原子炉、特に核燃料集合体および燃料棒、 すなわち案内管、格子および棒状のカンにおける構造部材として使用することが できる。 カンの場合には、前記ジルコニウム合金を、高純度のジルコニウム、もしくは ペレットとカンの間の相互作用による破壊現象を減少する別の金属で内側部が被 覆された、二層のカン(二重カン)の外側部に使用することもできる。 沸騰水型原子炉のケーソング、すなわち局所的な沸騰と結合した水圧の不安定 化を避けるために燃料集合体を囲む正方晶形の横断面を有する円柱状部材にも、 これらの合金を使用することができる。 同様に、重水原子炉において、現在のところジルコニウム−ニオビウム合金か らなる、酸化の問題にさらされるフォースチューブは、本発明に係る合金で製造 することができる。 本発明の他の特徴および利点は、以下の図に関する以下の詳細な説明から引き 出すことができる。 図1 水中での酸化によるジルコニウムシース上に形成するジルコニア層の成 長を模式的に示す。 図2 水中における酸化中に、時間の関数としてのジルコニア層の厚さの変化 を示すグラフ。 図1は、ジルコニウムシース、クラッディングまたはカン1の水中における酸 化中に、シースの表面に、正方晶酸化ジルコニウム層3が形成され、その厚さが 時間の関数で増加することを示している。 図2(曲線I)では、時間の関数としての前記層の厚さの変化を示しており、 その厚さは、放物線状の速度プロファイルを伴って最初にゆっくりと増加し(第 一段階)、ジルコニア相の転移が起こるT1点に到達することがわかる。 腐食工程である第二段階に対応するこの段階では、図1に見られるように、正 方晶ジルコニア層3の外側部が、不安定化され、立方晶系または単斜晶系のジル コニア5に転移される。 この転移は、ジルコニアの細かいクラッキングと結びついており、それゆえそ の保護的特徴を無くし、腐食の動力学を増加させる。 しかして、図2に見られるように、T1点の後で、ジルコニア層の厚さは時間 とともに直線的に増加する。図2において、曲線IIは、本発明に基づいて、ジル コニウムもしくはジルコニウム合金に、ジルコニアの正方晶相を安定化し得るC e等の金属元素を添加したときに得られた結果を例証している。 この場合、酸化工程は、同様に二段階からなるが、正方晶ジルコニア層の成長 に対応するT2までの第一段階の期間がより長い。さらに、第二段階において、 転移T2以下の腐食速度はより低い(角度αは、角度βより小さい)。 しかして、本発明に係る方法は、ジルコニウムおよびジルコニウム合金の耐食 性を十分に改良することを可能にする。 例証的に、以下の表は、本発明に係るいくつかの合金組成(重量%)を与える ものであり、この合金も1000〜1500ppmの酸素を含有している。 以上の合金は、真空電極溶解によって製造され、既知の合金より優れた耐食性 を備えている。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年2月21日 【補正内容】 請求の範囲 1. ジルコニウムもしくはジルコニウム合金に、ジルコニアの正方晶相を安定 化し得る少なくとも一つの金属元素を添加することからなり、該元素は水と接触 したジルコニウムまたはジルコニウム合金の表面上に成長するジルコニア層を正 方晶形態で安定化するのに充分な量で添加されることを特徴とする、ジルコニウ ムおよびジルコニウム合金の水中における耐食性を改良する方法。 2. 前記元素がCeもしくはMgであることを特徴とする請求項1記載の方法 。 3. 前記元素がCeであって、該元素が最終的な合金の2〜10重量%を占め る量で添加されることを特徴とする請求項1記載の方法。 4. 2〜10重量%のCeと、500〜2000ppmの酸素を含有し、残り がジルコニウムおよび偶然的な不純物からなることを特徴とするジルコニウム合 金。 5. 2〜10重量%のCe、500〜2000ppmの酸素、および0.01 〜1.5重量%のSn、Nb、Fe、Cr、Ni、Mo、Ta、Ca、Mg、V 、Al、SiおよびTiから選択された少なくとも一つの元素で、これらの元素 の全体は、多くても15重量%の元素を含有し、残りはジルコニウムおよび偶然 的な不純物からなることを特徴とするジルコニウム合金。 6. 3〜9重量%のセリウムを含有することを特徴とする請求項4記載の合金 。 7. 3〜9重量%のセリウム、1000〜1500ppmの酸素、0.2重量 %の鉄および0.1重量%のクロムを含有し、残りはジルコニウムおよび偶然的 な不純物からなることを特徴とする請求項5記載の合金。 8. 2〜10重量%のセリウム、1.5重量%のすず、および鉄とクロムを合 計で0.3重量%含有し、残りはジルコニウムおよび偶然的な不純物からなるこ とを特徴とするジルコニウム合金。 9. 水冷型原子炉における構造材料もしくは燃料部材カンとしての、請求項4 ないし7のいずれか1項に記載の合金の使用。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ジルコニウムもしくはジルコニウム合金に、ジルコニアの正方晶相を安定 化し得る少なくとも一つの金属元素を添加することからなることを特徴とする、 ジルコニウムおよびジルコニウム合金の水中における耐食性を改良する方法。 2. 前記元素がCeもしくはMgであることを特徴とする請求項1記載の方法 。 3. 前記元素がCeであって、該元素が最終的な合金の2〜10重量%を占め る量で添加されることを特徴とする請求項1記載の方法。 4. 2〜10重量%のCeと、500〜2000ppmの酸素を含有し、残り がジルコニウムおよび偶然的な不純物からなることを特徴とするジルコニウム合 金。 5. 2〜10重量%のCe、500〜2000ppmの酸素、および0.01 〜1.5重量%のSn、Nb、Fe、Cr、Ni、Mo、Ta、Ca、Mg、V 、Al、SiおよびTiから選択された少なくとも一つの元素で、これらの元素 の全体は、多くても15重量%の元素を含有し、残りがジルコニウムおよび偶然 的な不純物からなることを特徴とするジルコニウム合金。 6. 3〜9重量%のセリウムを含有することを特徴とする請求項4記載の合金 。 7. 3〜9重量%のセリウム、1000〜1500ppmの酸素、0.2重量 %の鉄および0.1重量%のクロムを含有し、残りはジルコニウムおよび偶然的 な不純物からなることを特徴とする請求項5記載の合金。 8. 2〜10重量%のセリウム、約1.5重量%のすず、および鉄とクロムを 全体で0.3重量%含有し、残りはジルコニウムおよび偶然的な不純物からなる ことを特徴とするジルコニウム合金。 9. 水冷型原子炉における構造材料もしくは燃料部材カンとしての、請求項4 ないし7のいずれか1項に記載の合金の使用。
JP6520720A 1993-03-19 1994-03-18 水型原子炉で使用可能な耐食性ジルコニウム合金 Pending JPH08508067A (ja)

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