JPH08508893A - モノクローナル抗体88bv59、サブクローン及び作製方法 - Google Patents
モノクローナル抗体88bv59、サブクローン及び作製方法Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、自己腫瘍抗原によって能動免疫された癌患者のB細胞に由来のB細胞系によって産生されるモノクローナル抗体88BV59に関する。これらのモノクローナル抗体は、ヒト癌の診断手順及び治療方法に使用できる。
Description
【発明の詳細な説明】
モノクローナル抗体88BV59、サブクローン及び作製方法発明の分野
本発明は、自己腫瘍抗原によって能動免疫された癌患者のB細胞に由来のハイ
ブリドーマまたは形質転換B細胞系から産生されるモノクローナル抗体に関する
。これらのモノクローナル抗体は、ヒト癌の診断手順及び治療方法の双方に使用
できる。本発明はまた、これらのモノクローナル抗体を産生する細胞系及びそれ
らを使用する診断手順及び治療方法に関する。発明の背景
本発明は、特定の癌に関連する抗原と特異的に反応する新規なヒトモノクロー
ナル抗体、並びに、該抗体を産生する能動免疫患者の末梢血B細胞由来のハイブ
リドーマ及び形質転換B細胞系に関する。本発明はまた、これらのモノクローナ
ル抗体を使用する癌の診断手順及び治療方法に関する。
現在使用されている癌の治療方法、特に放射線療法及び化学療法は、癌細胞が
これらの治療に対して正常細胞よりも相対的に感受性であるという理論に基づい
ている。しか
しながら、正常組織に対して重い毒性を有することがこれらの療法の主な制約と
なっている。対照的に抗体分子は、対応する抗原に対して鋭敏な特異性を示す。
従って研究者らは、「待望久しい癌治療の“特効薬(magical bullet)”として
癌細胞に特異的な抗体を単離する努力を続けてきた(Science,1982
,216:283)。
抗体は、通常は骨髄で産生され血流中に運ばれるB細胞リンパ球によって合成
されるタンパク質分子である。体内に侵入するどのような抗原、即ち、単純な有
機化学物質から複雑なタンパク質までのどのような外来分子に対しても、該抗原
の特定化学構造を認識し該抗原と結合する抗体が産生される。特定の抗体が結合
し得る抗原上の特有の化学構造は抗原決定基またはエピトープと呼ばれている。
B細胞、リンパ球または白血球と呼ばれる体内のB細胞リンパ球は、何億もの異
なる遺伝的プログラムに支配される細胞として存在し、各細胞は、異なる決定基
に特異的な抗体を産生する。抗体産生を刺激する抗原は、その表面に複数の決定
基を有し得る。抗原に出会うと、該抗原上の決定基に特異的な抗体を表面に保有
するB細胞が複製されるであろう。このクローン膨張(clonal expansion)の結
果として、該抗体
を血流中に分泌する多数の娘細胞が生じる。
抗体は抗原の認識及び抗原との結合において特異性を示すので、単一の決定基
に特異的であり、該決定基を有する抗原または組織にのみ結合する抗体を量産す
ることが要望されていた。
B細胞は、「不死」細胞とのハイブリダイゼーションによってまたはウイルス
もしくは腫瘍DNAで形質転換されることによって変異されていなければ、連続
培養で増殖しない。Kohler & Milstein(Nature,19
75,256:495)は、ミエローマ細胞とリンパ球との体細胞融合によって
、培養で増殖し単一決定基に特異的な抗体を産生するハイブリッド細胞を作製で
きることを証明した。これらのハイブリッドは「ハイブリドーマ細胞」と呼ばれ
ている。ハイブリドーマ細胞は、特定抗体を産生するように活性化されたリンパ
球とミエローマ細胞とを融合させることによって作製された。ハイブリドーマを
培養すると特定抗原上の単一決定基に特異的な抗体が産生される。このような抗
体を「モノクローナル抗体」と呼ぶ。
モノクローナル抗体はまた、エプスタイン・バールウイルス(EBV)のよう
なリンパ趨向性ウイルスによって自然
発生的または計画的に形質転換されたBリンパ球細胞系によって産生され得る。
形質転換はまた、ウイルスDNA及び細胞性DNAのような他の形質転換用物質
を用いて行うことができる。これらの細胞は、ハイブリドーマ細胞と違って、正
常なヒト二倍体の染色体数(46)を有している。本発明によれば、モノクロー
ナル抗体を産生するハイブリドーマ及び形質転換B細胞系の双方を単離し得る。
説明を簡単にするために以下の記載では、双方の細胞型(cell type)をモノク
ローナル抗体産生細胞と呼ぶ。
モノクローナル抗体は他の免疫グロブリンが混在しない純粋形態で合成される
。モノクローナル抗体産生細胞によって、特定抗原上の1つの決定基に特異的な
抗体を実質的に無限量で産生することが可能である。
特定癌細胞に特異的な抗体が入手可能であるならば、このような抗体は多様な
治療方法及び診断方法に使用できると考えられていた。このような抗体は、該抗
体の特異性の対象となる決定基を介して細胞に結合するだけで特定腫瘍細胞を失
活させるかまたは殺傷し得る。あるいは、これらの抗体はエフェクターリンパ球
またはマクロファージの表面に結合し、これらを腫瘍抗原特異的キラー細胞に変
換す
る。
モノクローナル抗体はまた、化学療法剤、毒素、放射性同位体の特異性を強化
する。従って、これらの物質に結合することによってその毒性を減少させながら
その効力を増加させ得る。更に、放射性核種または金属製トレーサーと結合した
抗体は、プロトン放射(PET)、核磁気共鳴(NMR)、コンピューター断層
撮影(CT)及び平面性シングルフォトン放射コンピューター断層撮影などによ
って癌転移のin vivo診断及び局在化する造影検査に使用できる。抗体は
また、癌の診断及び/または予後検査で血液中の腫瘍抗原の存在を検出するため
に使用できる。モノクローナル抗体は更に、標準ワクチン中で使用できる腫瘍抗
原を単離するために使用され得る。
動物の腫瘍関連抗原の存在は前世紀に証明され、ヒト癌の抗原特性は主として
モノクローナル抗体に関する最近の研究を通じて十分に立証された。しかしなが
ら、本発明に到達する研究までは、現実に分子に関して特性決定された癌抗原は
少なく、ヒト癌に関連する抗原決定基のグループ、即ち、B細胞腫瘍の免疫グロ
ブリンイディオタイプだけが単一腫瘍特異的である、即ち、腫瘍細胞上で高頻度
に発生
し正常組織上では有意な程度に発生しないと記載されている(Oldham &
Smalley,J.Biol.Response Modifiers,1
983;Stratteら,J.Biol.Response Modifie rs
,Volume 1,1982)。
ヒト癌に特異的なモノクローナル抗体を誘導する従来の試みでは、B細胞に関
して2つの経路を採用した。
(1)ヒト腫瘍に対して免疫感作したマウスの脾臓からB細胞を抽出した;米
国特許第4,172,124号明細書、及び、
(2)癌患者の末梢血または腫瘍を弱化させるリンパ節からヒトB細胞を抽出
した。
どちらの方法も満足な結果は与えなかった。
ヒト腫瘍に対して免疫感作したマウスは過度に広い反応性を有している。即ち
、産生されたマウスモノクローナル抗体の殆どは、正常組織に存在するヒト抗原
と腫瘍組織に存在するヒト抗原との双方に反応する。産生された極めて多様な抗
体のうちから、腫瘍細胞とだけ反応する抗体を選択することは極めて難しい。例
えば、ヒト小細胞肺癌で免疫感作したマウスに由来の20,000のハイブリド
ーマ
を腫瘍細胞との反応性に基づいてスクリーニングした(Science,198
2,216:283)。この研究グループによって観察された極めて低い頻度(
<0.4%)と対照的に、本発明では、免疫感作された結腸患者に由来のハイブ
リドーマの16%までが腫瘍細胞と特異的に反応するモノクローナル抗体を産生
した。更に、マウスB細胞に由来のモノクローナル抗体が癌療法に適用される可
能性は少なかった。これらのモノクローナル抗体は、反復投与後にヒト免疫系を
剌激して「抗マウス」抗体を産生させ、この抗体はマウスモノクローナル抗体の
活性を中和することが臨床試験において証明された。本発明のヒトモノクローナ
ル抗体の使用はこれらの難点を解決し得る。
ヒトモノクローナル抗体とマウスモノクローナル抗体とのもう1つの明らかな
違いは、それらの標識パターンである。マウス抗体を用いたこれまでの実験では
、腫瘍区域内部に細胞の不均質標識がしばしば存在することが判明していた。こ
の反応性パターンを腫瘍細胞の抗原不均質性に帰する研究者もある(Handら
,Cancer Research,43:728−735,1983)。対照
的に、本発明の戦略によって開発されたヒトモノクローナル抗体は、
該抗体と反応した腫瘍に対して均質な反応性を示した。マウスモノクローナル抗
体の不均質染色の原因は、推定される腫瘍関連抗原よりも豊富に腫瘍細胞上に存
在する時期-または細胞サイクル-特異的分化抗原がネズミで免疫認識されるため
であるという説が考えられる。マウスをヒト腫瘍細胞で免疫したときにはかなり
の抗原性競合が存在する。その結果として、宿主による免疫応答に対しては、よ
り豊富でより優勢な組織型分化抗原が比較的少数の腫瘍関連抗原よりも優位に競
合すると予測することは不合理ではない。従って、ヒトの自己免疫の結果として
、マウスにおいては免疫原性が通常は乏しい抗原のグループに対する抗体が誘発
されるのであろう。このような形跡は、ヒト及びマウスが異なる腫瘍抗原に反応
することを示唆する。癌胎児性抗原(CEA)はヒト腫瘍細胞に対して生じたネ
ズミのモノクローナル抗体によって高頻度で認識される抗原であるが、我々が作
製した最初の36種のヒトモノクローナル抗体のうちにこの癌胎児性抗原(CE
A)と反応するものがなかったという我々の知見はこの仮説と一致する。
ヒトモノクローナル抗体を開発するための過去の研究の殆どは、癌患者の末梢
血またはリンパ節から抽出したB細
胞を使用していた。抗原性腫瘍の存在が、腫瘍を保有する個体に該腫瘍に対する
免疫応答を誘発し特異的免疫B細胞を産生させると考えられていた。従って、B
細胞は、癌患者の腫瘍を弱化させるリンパ節から採取されるかまたは末梢血中に
見出される循環リンパ球から採取されていた。しかしながら、本発明よりも以前
には、腫瘍特異的モノクローナル抗体の作製の成功率は低かった。
ヒト腫瘍抗原に特異的なモノクローナル抗体の作製における主要な問題は、特
異的免疫B細胞のソースを見つけることができないことであった(Scienc e
,1982,216:285)。ヒト体内の癌細胞の原発病巣は、何らかの触
診可能な臨床的病気症状を呈するまでにヒトの寿命の1%から10%の範囲の長
期間にわたって増殖を続けている。この時期までに、患者がその腫瘍に対して低
免疫応答性になっている場合もありまたは免疫寛容性になっている場合もある。
従って、本発明よりも以前には、腫瘍細胞と反応性のヒトモノクローナル抗体を
再現的に得ることはできなかった。更に、癌患者から得られた少数のヒトモノク
ローナル抗体のうち、腫瘍細胞の表面で見出される決定基と反応するものは極め
て少なく、むしろ細胞内決定基と反
応した(R.J.Coteら,PNAS,1983,80:2026)。本発明
は、表面抗原と反応性のモノクローナル抗体、即ち、腫瘍の造影及び治療に必要
な活性を有するモノクローナル抗体を開発し得る。発明の概要
本発明の1つの目的は、特定の癌を有する患者において免疫応答を誘発する腫
瘍関連抗原と特異的に反応性のモノクローナル抗体を開発することであった。こ
のような抗体は、腫瘍の検出及び診断のための手段を提供する。本発明の第2の
目的は、特定型の癌の患者を治療するために有効なモノクローナル抗体を得るこ
とであった。
本発明者らは、患者自身の腫瘍に由来の細胞によって免疫感作された患者から
の末梢血B細胞を特異的ワクチン調製物中で使用することによってモノクローナ
ル抗体を得るための新規なより有効な方法を開発した。特異的能動免疫療法を達
成するために、患者を自己由来の腫瘍細胞、即ち患者自身の腫瘍に由来の細胞に
よって免疫感作した。この方法は、腫瘍細胞が腫瘍特異的抗原を発現するという
本発明者らの理論に基づいていた。
腫瘍細胞に対して目的の免疫応答が誘発されたヒトは活
性化B細胞の優れたソースであることが明確に知見された。本発明者らは、患者
自身の腫瘍に対して能動的に免疫感作された患者の末梢血はこのような活性化B
細胞の豊富なソースであることを証明した。
本発明者らは、皮膚試験即ち遅延型皮膚過敏性(DCH)試験によって、特定
の癌を有する患者の治療中に目的の免疫応答が生じることを臨床試験において証
明した。免疫感作した患者は、患者自身の結腸直腸癌に対して遅延型皮膚過敏性
を示した。更に、免疫感作した患者のB細胞から得られたモノクローナル抗体は
別の患者の組織学的に同じ型の腫瘍と反応した。これらの結果は、患者の体液性
免疫応答、即ち抗体の産生が結腸直腸癌全般を対象とし、免疫患者自身の腫瘍だ
けを対象としないことを示す。この全般的応答は、標準ワクチン開発のために特
に重要である。
腫瘍細胞関連抗原上のエピトープ、多くの場合には特に細胞表面抗原上のエピ
トープに特異的な反応性を有する抗体を産生するB細胞を作製するということは
、免疫研究が開始された時点でせいぜい空論の域をでないと考えられていた有利
な結果である。ヒトの免疫感作手順の基礎となる動物実験中には、腫瘍特異的抗
体の産生でなく、免疫処置
だけが観察及び測定されていた。
患者の病状の好転を伴う全般的免疫応答は、マクロファージ及びT細胞が腫瘍
細胞抗原の存在下に活性化され腫瘍細胞を破壊するという細胞性応答を示してい
た。抗体応答は大抵の状況下に予想されるように免疫感作によって誘発されたも
のであるが、抗体応答及び細胞性応答の時間的経過は多くの場合に夫々異なって
いるであろう。更に、患者が自己腫瘍細胞、即ち患者自身の腫瘍細胞によって免
疫感作されたという事実と、患者自身の腫瘍によって抗体産生が誘発されること
がほとんどまたは全くないという従来の研究者の経験とを考え合わせたとき、免
疫感作後にB細胞が腫瘍特異的抗体を産生するという本発明者らの知見は予想を
超える好結果であった。
いくつかの細胞性及び体液性の免疫応答は互いに独立して発生し得る。例えば
、検出可能な細胞性免疫が存在しなくても体液性応答を誘発することが可能であ
る。逆に、抗体応答が最小であっても潜在的な細胞性免疫、特に遅延型皮膚過敏
性(DCH)は生じ得る。従って、能動免疫療法に陽性の応答を示した患者が腫
瘍特異的抗体、特に細胞表面抗体を産生するB細胞の優れたソースであったこと
は意外
である。
本発明は、特異的能動免疫感作のための優れたワクチン調製、免疫感作された
B細胞の抽出手順、モノクローナル抗体産生細胞系の産生及びモノクローナル抗
体の産生を含む。酵素調製物を用いて悪性腫瘍を消化する。得られた細胞を処理
して必要な細胞生存率を有する腫瘍非形成性腫瘍細胞調製物を作製し、この調製
物を腫瘍が由来した患者にワクチンとして注射する。所定期間後に接種患者から
末梢血B細胞を採取し、ミエローマ細胞と融合させることによってモノクローナ
ル抗体産生細胞を調製するために使用し、その後、免疫グロブリンの合成に基づ
いて融合細胞をスクリーニングする。モノクローナル抗体産生細胞はまた、連続
培養で生存し得る自然発生的に形質転換されたB細胞を選択するか、または、エ
プスタイン・バールウイルス(EBV)もしくはその他のリンパ趨向性ウイルス
などの細胞を形質転換し得る作用物質にB細胞を接触させることによって得られ
る。
EBV形質転換細胞とマウスミエローマ細胞またはヒト-マウスヘテロミエロ
ーマとを融合させることによってより多量の抗体が得られる。免疫グロブリンを
合成する細胞
が悪性組織の特徴的な抗原と反応する抗体を産生するか否かを試験する。選択さ
れた細胞を培養し、患者が罹患している特定型の腫瘍と反応するモノクローナル
抗体を産生させる。
本発明はまた、標識モノクローナル抗体による癌の免疫検出を包含する。即ち
、モノクローナル抗体をラジオイムノシントグラフィー(RIS)の作用物質と
して診断目的に使用し得る。発明の詳細な説明
本発明は、詳細には、ヒト二倍体細胞系、即ち、本発明者らがEBVに接触さ
せることによって形質転換しCO88BV59と命名した不死化ヒトB細胞系、
並びにそのサブクローン及び誘導体に関する。抗体量産のような望ましい特性を
有するこのEBV形質転換B細胞系の1つの特定誘導体がCO88BV59H2
1-2V67-66と命名された細胞系である。この細胞系を得るために、まずC
O88BV59細胞系をヒトマウスヘテロミエローマと共に細胞融合に適した条
件下にインキュベートしてCO88BV59H21-2と命名された細胞系を産
生した。次に、CO88BV59H21-2を形質転換に適した条件下でE
BVに接触させてCO88BV59H21-2V67-66を産生させた。EBV
形質転換したリンパ芽球様細胞系をEBVと再接触させるこの方法は当業界で周
知の方法とは違っている。この方法によって、出発細胞系よりも培養中の継代能
力がはるかに高い(大規模生産のためにより有用な)細胞系(CO88BV59
H21−2V67−66)を予想外に得ることができ、該細胞系は出発細胞の3
倍から5倍の量の抗体を産生した。
これまでに研究されたCO88BV59のすべてのクローン及び誘導細胞系は
1989年2月28日付けの同時係属中の米国特許出願第07/343,475
号に定義され、「CTA−1」または16.88抗原と呼ばれている細胞質抗原
上のエピトープと特異的に反応性のヒトIgG3カッパL鎖抗体を産生する。こ
の抗原は、米国特許第4,977,762号となっている1987年4月15日
付けの同時係属中の米国特許出願第07/038,811号に定義されたヒトI
gM抗体16-88を用いて最初に同定された。本文中では以後、これらの「8
8BV59」細胞系のすべてによって産生されたIgG3抗体を、「88BV5
9」抗体と呼ぶ。88BV59抗体及び16-88抗体の
双方は同じ腫瘍関連抗原を認識するが、該抗原上の異なるエピトープと反応する
。本発明は、上記細胞系によって産生される抗体だけでなく、88BV59抗体
と同様にして機能する任意の細胞系によって産生される抗体、言い換えると、8
8BV59抗体と同じ抗原上の同じエピトープに結合する任意の抗体を包含する
。最後に、「抗体」なる用語は、(1つまたは複数の)可変領域(H鎖及び/ま
たはL鎖)を含むフラグメント及び(1つまたは複数の)相補性決定領域を含む
部分のような88BV59抗体の任意の機能性フラグメントを意味する。このよ
うなフラグメントは当業界で公知の方法によって組換え的に産生され得る。例え
ば、一本鎖抗体フラグメントまたはFabフラグメントのような抗体のフラグメ
ントを使用する利点は、抗体のサイズが小さいので腫瘍浸透が増加しクリアラン
スが促進され、従って造影剤としてより有効なことである。H鎖及びL鎖の可変
領域はまた、アイソタイプが変異した抗体を組換え的に産生するために使用でき
る。例えば、IgG3アイソタイプがIgG1アイソタイプに切換えられ得る。I
gG1はヒト体内により長く滞留し、従って治療用ツールとして有利であろう。
組換え的に産生される抗体の別の例として
は、CH2領域が欠失した抗体がある(ΔCH2)。ΔCH2抗体を作製する方法
は当業界で公知であり、このようにして抗体を修飾すると、Fc受容体結合領域
及びN-結合糖質が欠如するのでin vivoの薬剤動態が促進され、その結
果、造影剤としてずっとより有効になると考えられている。このような抗体は、
出発抗体のフラグメントである限り、本発明に包含される。(1つまたは複数の
)可変領域は配列決定されており、1991年12月13日付けの同時係属中の
米国特許出願第07/807,300号明細書に開示されている。該特許出願は
参照によって本明細書に含まれるものとする。
本発明の重要な特徴は以下のようである。
(1)特異的能動免疫感作に適したワクチンの基準:
腫瘍細胞は、組織から酵素的に解離され冷凍保存され腫瘍非形成性となるよう
にX線照射された全細胞である。
アジュバントは、腫瘍細胞調製物に免疫原性を誘発し得る免疫修飾物質である
。
成分及び投与は、アジュバント対腫瘍細胞の比、腫瘍細胞の最適用量及びワク
チン接種計画を含む。
患者においては、ワクチン接種部位を弱化させる局所リ
ンパ節がワクチン接種後の最初の21日間存在していなければならない。
(2)患者から免疫感作されたB細胞を抽出する手順及びタイミング。
(3)ハイブリドーマの産生またはリンパ球の形質転換及びモノクローナル抗
体の産生の手順。
(4)モノクローナル抗体を使用して癌を診断及び治療するための手順。
本発明者らは、種々の酵素調製物を用いてヒト固形悪性腫瘍の消化に成功した
。腫瘍解離物について、組織1gあたりの腫瘍細胞の収量、回収した細胞型、細
胞生存率、細胞サイズ及び不稔性を評価した。特異的能動免疫療法に適したワク
チンの基準を表1に示す。
作製されるべきモノクローナル抗体の対象となる特定固形癌に罹患した患者か
ら腫瘍組織を採取した。腫瘍組織を患者から外科的に切除し、非腫瘍組織から分
離し、小切片に分割した。腫瘍組織を直径2〜3mmの断片に切断すれば十分で
あることが知見された。次に腫瘍断片を酵素溶液中でインキュベーションするこ
とによって、遊離した個別の腫瘍細胞に消化した。
消化後、遊離した細胞をプールし、カウントし、細胞生存率を評価した。トリ
パンブルー排除試験は細胞生存率を測定するための適格な手段であることが知見
された。次に腫瘍細胞を冷凍保存し、液体窒素中に保存した。
冷凍保存した細胞を急速解凍し、細胞を希釈し、HBSSで洗浄し、再懸濁さ
せ、カウントし、生存率を評価することによって注射用ワクチンを調製した。
生存腫瘍細胞を照射して腫瘍非形成性にした。本発明者らは4020ラド/分
で総量20,000ラドまで照射すると、腫瘍非形成性の生存細胞が得られるこ
とを見出だした。HBSS中の細胞懸濁液の容量を、管内に107の生存細胞が
残るように調整した。細胞を遠心し、上清を除去し、107の生存BCGを0.
1ml容量で添加した。ハンクの平衡塩類溶液(HBSS)を最終容量0.2m
lにするために十分な量で添加した。BCGを削除した第3のワクチンを同様に
して調製した。患者の免疫感作
作製されるべき抗体の対象となる特定固形癌に罹患した患者を、腫瘍細胞ワク
チンの皮下接種によって免疫感作した。最初の2回のワクチン接種にはBCGと
混合した107
の生存腫瘍細胞を使用し、3回目のワクチン接種には107腫瘍細胞だけを使用
した。1週間毎の間隔で各ワクチンを接種する計画が、患者の末梢血リンパ球に
よる抗体産生を誘発する適当な手順であることが知見された。免疫感作したB細胞の収集
各ワクチン接種の1週後に免疫感作した患者から静脈血を採取した。ハイブリ
ドーマ産生または形質転換に使用するために採取血液から末梢血リンパ球(PB
L)を分離した。
異なる2つの方法を用いて血液からリンパ球を分離した。第1の方法では、カ
ルシウム及びマグネシウム非含有のHBSSで希釈し、リンパ球分離培地に重層
し、遠心し、界面の細胞を取り出した。これらの細胞をHBSSで希釈し、ペレ
ット化した。次に、リンパ球を無血清Hepes緩衝ダルベッコMEM(DME
M)中に再懸濁させ、カウントし、生存率を検定した(GIBCO Biolo
gics,Grand Island,New York)。
B細胞が富化した末梢血リンパ球(PBL)を回収するために使用された代替
的なもう1つの方法では、2-アミノエチルイソチオウロニウムブロミドヒドロ
ブロミド(AET)処理したヒツジ赤血球と共にロゼットを形成させるこ
とによってTリンパ球を取り出した。上記の処理赤血球を末梢血リンパ球と混合
し、遠心によってペレット化し、ペレットを氷上でインキュベートした。再懸濁
後、リンパ球分離培地(LSM,Litton Bionetics)に重層し
、ロゼット形成細胞を遠心し、T細胞欠失PBLを界面で収集し、洗浄し、ペレ
ット化した。B細胞が富化したPBLを、カウントし生存率を算定した後、ハイ
ブリドーマ作製に使用した。抗腫瘍モノクローナル抗体を産生するためのヒトハイブリドーマの作製
末梢血リンパ球及び培養ミエローマ細胞を一緒に混合し、ペレット化し、無血
清培地に再懸濁させた。ポリエチレングリコール(PEG)を添加し、細胞をペ
レット化し、HT培地(20%ウシ胎仔血清、ヒポキサンチン及びチミジンを含
有するDMEM)中に再懸濁させ、マイクロタイターウエルに分配した。24時
間後、HAT培地(アミノプテリン含有のHT培地)を各ウエルに添加し、培地
の半量を3日毎に交換した。HAT培地中に14日間維持した後、細胞をHT培
地上で更に2週間維持し、その後、20%ウシ胎仔血清を含有するDMEM培地
上で細胞を増殖させた。
標準エンザイムイムノアッセイを用いてヒト免疫グロブリンを合成するために
ハイブリドーマをプレスクリーニングした。ヒト免疫グロブリンを十分な量で合
成するハイブリドーマを組織上で試験した。特定組織のサンプルをハイブリドー
マ上清と共にインキュベートした。特定腫瘍組織との反応性を示した上清は、該
特定上清が由来したウエル内のハイブリドーマ細胞が腫瘍特異的抗体を産生した
ことを示す。同じ上清が、十分なスクリーニング後に正常組織のサンプルとの反
応性を示さなかった場合、該特定ウエル内のハイブリドーマは腫瘍特異的である
と考えてよかった。狭い特異性を確認するために、更にこれらの腫瘍特異的上清
を癌胎児性抗原(CEA)に対して試験した。
腫瘍特異的抗体を産生したハイブリドーマ細胞に加えて、腫瘍特異的抗体を産
生した形質転換ヒトB細胞(二倍体細胞)もこれらの手順によって作製した。形
質転換B細胞を腫瘍特異的抗体産生ハイブリドーマと同様にして検出した。即ち
、試験において腫瘍組織との反応がポジティブであり正常組織及びCEAとの反
応がネガティブであったウエル上清はハイブリドーマまたは形質転換B細胞を含
んでいた。
形質転換B細胞は46個のヒト染色体を含むが、ハイブリドーマは必ずしもヒト
型の染色体ではないより多い数の染色体を含むという観察によって2つの細胞型
を識別した。
自然発生的に形質転換したB細胞がin vivoでまたは末梢血採取後の手
順中に形質転換用物質に接触したことは明らかである。このような作用物質の1
つがエプスタイン・バールウイルス(EBV)である。連続培養で生き残る抗体
産生細胞を作製するためにEBV形質転換を使用した。この方法によれば、B細
胞をEBVと共にウイルスが吸着されるべく十分な時間インキュベートし、次に
細胞をEBV含有培地から分離し、再懸濁させ、ハイブリドーマをスクリーニン
グするために上記と同様にしてスクリーニングする。癌の診断及び治療におけるモノクローナル抗体の使用
88BV59抗体を、放射線医学的走査(radiologicalscanning)に典型的に
使用される放射性同位体または金属トレーサーを用いる慣用の方法で標識する。
これらの同位体の非限定例としては、ヨウ素-131、ヨウ素-125、インジウ
ム-111及びテクネチウム-99mがある。放射性標識抗体の比活性は特に制限
されないが、抗体1mgあ
たり約2〜約4mCiが許容されることが知見された。約15〜約41mCiの99m
TC-88BV59を30分間で静脈内に注入すると、優れた造影効果が得ら
れた。しかしながらこの量は、患者の体重及び安全性のような要因に基づいて増
減し得る。放射性標識抗体を体内に導入するために、リンパ管内投与及び腹腔内
投与のような別の導入方法も使用し得る。放射性標識した88BV59抗体によ
る免疫検出の詳細は、雑誌掲載論文、DeJagerら,“放射性標識ヒトモノ
クローナル抗体による癌免疫検出の現状(Current Status of Cancer Immunodet
ection with Radiolabeled Human Monoclonal Antibodies)”,Seminar s in Nuclear Medicine
,Volume XXIII,No
.2(April),1993:165−179頁に記載されている。該論文は
参照によって本明細書に含まれるものとする。放射性標識した88BV59の投
与は安全で十分に許容でき、副作用の報告も殆どない。これまでに収集されたデ
ータは、平面法及び断層撮影法の双方を用いた99mTC-88BV59による抗体
スキャニングが腹部及び骨盤の癌転移を検出するためにCTスキャニングよりも
優れていることをはっきりと示す。2つの方式の併用
が最適検出を与えると考えられる。ネズミの抗体に比べて88BV59が優れて
いる利点は、免疫原性が欠如しており、従って繰り返し投与が可能なことである
。
実施例1:感作B細胞の調製
A.患者の選択
特異的能動免疫療法の無作為抽出試験の対象は、結腸癌または直腸癌を外科手
術によって切除した患者から選択した。病理期に応じた層別化によって患者を無
作為抽出し、臨床基準を満たすすべての患者から腫瘍を採取した。以前に癌履歴
がなく、以前に化学療法も放射線治療も受けたことがなく、外来患者治療プロト
コルに従う適当な医学的状態にある結腸直腸癌患者を試験の候補者とした。腸壁
に延びる腫瘍(Astler-Coller B2)、陽性リンパ節(C1期、
C2期)の患者、または転移性疾患(D期)の患者が望ましい試験対象であった
。これらの分類に当てはまる患者から、治療グループ及び非治療グループに参加
する患者を無作為に選択した。無作為抽出カードをコンピューターで作製し、続
いてオペレーション後に各カテゴリーから引き出した。
B.腫瘍獲得
外科切除後の腸標本を病院の病理学部門に直ちに運び、無菌条件下に切開した
。腫瘍組織を摘出し、50μg/mlのゲンタマイシンを含むハンクの平衡塩類
溶液(HBSS)を収容した滅菌管に入れ、氷に載せて、処理及び冷凍用の実験
室に直ちに運んだ。
C.固形腫瘍及び結腸粘膜の解離
層流フード下に終始維持し乍ら滅菌技術を用い、Petersら(Cance r Research
,39:1353-1360,1979)の組織解離手順
を使用した。腫瘍組織を遠心管内でHBSS及びゲンタマイシンによって3回洗
浄し、氷上のシャーレに移した。メスで解剖して付着した組織を除去し、腫瘍を
直径約2〜3mmの切片に薄切りした。組織フラグメントを、37℃に予熱した
20〜40mlの0.14%(200単位/ml)のコラゲナーゼ1型(Sig
ma C-0130)及び0.1%(500Kunitz単位/ml)のデオキ
シリボヌクレアーゼ1型(Sigma D-0876)(DNAアーゼ1、Si
gma D-0876)を収容した75mlのフラスコに入れた。回転を生じさ
せるが発泡を生じさせない速度の水中磁気撹拌機を備えた37℃の水浴にフラス
コを配置した。30分間のインキュ
ベーション後、滅菌培地で湿潤した3層のナイロンメッシュ(166t:Mar
tin Supply Co.,Baltimore,Maryland)を介
して遊離細胞を50mlの遠心管に傾瀉した。冷却遠心機中で細胞を1200r
pm(250×g)で10分間遠心した。上清を傾瀉し、細胞を5〜10mlの
DNAアーゼ(HBSS中に0.1%)に再懸濁させ、37℃で5〜10分間維
持した。管にHBSSを充填し、遠心によって洗浄し、HBSS中で15mlに
再懸濁させ、氷上に維持した。十分な数の細胞、腫瘍細胞の場合には通常は3倍
の細胞が得られるまで手順を繰り返した。次に、種々の消化物から得られた細胞
をプールし、カウントし、トリパンブルー排除試験によって細胞生存率を評価し
た。冷凍保存する前に最終洗浄のために細胞を遠心した。
D.冷凍保存
最初に重要な問題は最適な冷凍保存であった。ワクチン調製のために、解離し
た腫瘍細胞をHBSS中で5〜8×107/mlに調整し、15%のジメチルス
ルホキシド(DMSO)と4%のヒト血清アルブミン(HSA)とを含む冷凍用
の等量の2×冷凍用培地に添加した。2〜4×107
細胞/mlの最終懸濁液を1.2mlのNuncフリーザーバイアルに導入した
。DCH細胞試験の場合にもHSAを使用しないことを除いては同じ手順で処理
した。いずれの場合の冷凍調製及び調整速度で冷凍するために、氷に載せたNu
ncバイアルを、モデル700のコントローラーとモデル500の温度記録計と
を備えたCryo-Medモデル990の生物学用フリーザーに移した。モニタ
ーバイアルを含む個々のバイアルの温度が冷凍プロセスの起点で均一になるよう
に配慮した。バイアルを−1℃/分の調整速度で−80℃の最終温度まで冷却し
た。液体窒素中のバイアルを液体窒素保管庫に移した。
E.臨床プロトコル
自己腫瘍細胞-BCGワクチンを接種する患者またはそれ以上の治療を加えな
い患者を、適当な病理期の腫瘍をもつ患者から無作為抽出した。D期の患者全員
は5-フルオウラシル化学療法を受けており、腹膜反転部下方に病巣(直腸癌)
をもつ患者全員は、免疫療法終了後2週間にわたる5040ラドの骨盤X線照射
を受けていた。麻酔及び外科手術によっ誘発された免疫抑制を回復する十分な時
間を与えるために、腫瘍切除の4〜5週後にワクチン接種を開
始した。切除3〜4週後の対照患者及び処置患者を、標準リコール(recall)抗
原及び段階的用量の自己腫瘍細胞によって皮膚試験した。使用したリコール抗原
は、ムンプス皮膚テスト抗原、USP,Eli Lilly,Indianap
olis,Indiana;Aplisol,PPD,(ツベルクリン精製タン
パク質誘導体),Parke-Davis,Detroit,Michigan
;1:30に希釈した白癖菌,Center Laboratories,Po
rt Washington,New York;及び1:100に希釈したカ
ンジダ・アルビカンス,Center Laboratories,Port
Washington,New Yorkであった。夫々の各0.1mlを前腕
に皮下注射し、24及び48時間後に紅斑及び硬結を検査した。
治療プロトコルに選択した患者に毎週1回ずつ合計3回の皮下ワクチンを注射
した。最初の2回のワクチンは107の照射自己腫瘍細胞と107のBCGから
成り、最後のワクチンは107の腫瘍細胞だけから成る。生で冷凍したTice
のBCGを−70℃で保存した(Organon,Inc.,West Oran
ge,N.J.、Universi
ty of Illinois Medical Center,Chicag
o,IL.から予め提供されたもの)。1回目のワクチンを左脚大腿前部の鼠蹊
部の付け根から約10cm下方、2回目のワクチンを右脚大腿の同様の場所、3
回目のワクチンを右側の三角域(deltoid area)に注射した。
F.ワクチンの調製
1回目及び2回目のワクチン接種の当日に、バイアルを37℃の水浴中で急速
解凍し、腫瘍細胞をHBSS中でゆっくりと15mlに希釈し、1200rpm
で遠心して1回洗浄し、HBSS中で15mlに再懸濁させた。トリパンブルー
排除試験を用いて細胞数をカウントし、生存率を測定した。生存率は70〜90
%の範囲であり、平均80%であった。細胞を1200rpmで遠心することに
よって1回洗浄し、HBSS中で15mlに再懸濁させた。腫瘍細胞の懸濁液を
氷に載せ、4020ラド/分で合計20,000ラドまで照射した。細胞懸濁液
の量を、107の生存腫瘍細胞が管に残存する(管及び注射器中の細胞損及びリ
ンパ球様細胞の約20%の誤同定の可能性を見込んで1.3×107の生存細胞
が含まれる)ように調整した。細胞を遠心し、上清を除去し、107のBCGを
0.1ml容量で
添加した。最終容量を0.2mlにするために十分な量のHBSSを添加した。
3回目のワクチンはBCGを削除して同様に調製した。
ワクチン懸濁液を20ゲージの針で1.0mlのツベルクリン注射器に吸引し
た。20ゲージの針を27ゲージの皮下注射針と交換し、注射器を氷に載せて診
療所に運んだ。
各ワクチン接種後に、患者の注射部位の紅斑及び硬結、発熱、リンパ節障害ま
たは何らかの副作用を注意深く観察した。最初の2回のワクチン接種部位は2〜
3週後に潰瘍化したが、10〜12週間で必ず治癒した。
G.免疫感作の結果 標準リコール抗原に対する反応性
最初は患者全員が標準リコール抗原の少なくとも1つに反応性であった。第1
グループでは、29人中2人がカンジダに反応性であり、29人中26人がムン
プスに反応性であり、29人中16人がPPDに反応性であり、29人中3人が
白癬菌に反応した。2人を除いて全員の免疫感作患者がPPD陽性に変わった以
外は、追跡期間中に反応性の有意な変化はなかった。
H.腫瘍細胞に対する遅延型皮膚過敏性(DCH)
免疫感作以前には24人中4人の患者(17%)が106腫瘍細胞に対して陽
性DCHを示していた。これは11人中1人の患者(9%)が陽性を示した非免
疫対照グループの結果と有意な差はない。注目すべきは(p<0.1)、最初は
4人の陽性応答者と12人の陰性応答者とを生じた免疫感作グループの全員が免
疫治療後にはDCH反応性が増加したことである(67%が陽性になった)。こ
のうち7人の患者を1年後に検査すると、3人が陽性応答を維持していた。目的
通りに免疫感作された患者では、16人中3人だけが6週後に105腫瘍細胞に
対して陽性のDCH応答を示し、104細胞に対する応答を示した患者はいなか
った。
実施例II:ヒトモノクローナル抗体産生細胞の作製
A.患者由来の免疫感作B細胞の採取及びプロセシング
1回目の免疫感作の1週後の2回目の免疫感作のとき、及び、2回目の免疫感
作の1週後の3回目のワクチン接種のときに、患者から採血した。保存剤非含有
のヘパリン(O’Neill,Jones & Feldman,St.Lou
is,Missouri)の最終濃度17単位/mlの存在下に静脈血を無菌的
に採取した。血液を室温に維持し、採取後数時間以内に急いで実験室に運んだ。
カルシウム及びマグネシウム非含有のHBSSで1:2に希釈した血液を、3
mlのリンパ球分離培地(LSM,Litton Bionetics)に重層
し(4ml)、15mlの遠心管で400×gで30分間遠心した。界面の細胞
を採取し、3倍量のHBSSで希釈し、ペレット化した(1000rpmで10
分間)。末梢血リンパ球を10mlの無血清Hepes緩衝ダルベッコMEM(
DMEM)に再懸濁させ、カウントし、生存率を測定した。
免疫感作B細胞を回収するために代替方法も使用した。AET処理したヒツジ
赤血球とのロゼット形成によってTリンパ球を除去した。ヒツジ赤血球(Als
everの溶液中)を平衡塩類溶液(BSS)で3回洗浄し、0.14MのAE
T(Sigma)によってパックされた細胞容量の4倍にして37℃で20分間
インキュベートした。次に、処理した細胞をHBSSで3回洗浄し、10%の懸
濁液に再懸濁させた。処理した赤血球をLSMに重層し、2500rpmで遠心
し、ペレットを収集した。HBSSで3回洗浄後、ヒツジ赤血球を非希釈のウシ
胎仔血清中に10%懸濁液として再懸濁させ、2週間以内に使用した。PBL(
8千万個までの細胞)を1mlのAET処理したヒツジ赤血
球と混合し、4℃で1000rpmで10分間ペレット化した。ペレットを氷上
で45分間インキュベートし、口径の広いピペットで静かに再懸濁させ、3ml
のLSM上に重層した。ロゼット形成した細胞を400×gで室温で40分間遠
心した。T細胞欠失PBLを界面で収集し、3倍量のHBSSで洗浄し、ペレッ
ト化した。細胞数をカウントし、生存率を測定した後、B細胞が富化したPBL
を使用してハイブリドーマを作製した。
B.ヒトハイブリドーマの作製
8-アザグアニン(20μg/ml)の存在下にマウスミエローマ細胞(NS
−1)を増殖させた。融合3日前に、細胞をペレット化し、8-アザグアニン非
含有培地中で継代させた。融合前日に細胞を再度継代させ、対数増殖期に維持し
た。ミエローマ細胞を無血清培地で1回洗浄し、細胞数をカウントし、生存率を
測定した。PBLとミエローマ細胞とを3:1の割合で混合し、1000rpm
で10分間一緒にペレット化した。上清を完全に除去し、細胞ペレットを100
μl未満の無血清培地に再懸濁させた。37℃に予熱した1mlのポリエチレン
グリコール(50%w/v)を、管を断えず撹拌しながら1分間で細胞ペレット
に
滴下した。50mlの管が充満するまで先の2倍量の予熱無血清培地を1分間で
細胞懸濁液に添加した。細胞を800rpmで15分間でペレット化した。細胞
をHT培地(20%のウシ胎仔血清、13.6μg/mlのヒポキサンチン及び
3.9μg/mlのチミジン含有のDMEM)中で2.5×106細胞/ml(
融合前カウント数)の濃度で静かに再懸濁させ、100μlを各マイクロタイタ
ーウエルに導入した。24時間後、100μlのHAT培地(0.18μg/m
lのアミノプテリン含有のHT培地)を各ウエルに添加した。3日毎に半量の培
地を新しいHAT培地に交換した。HAT培地に14日間維持後、細胞をHT培
地に更に2週間維持し、ここで細胞を20%ウシ胎仔血清含有のDMEM培地で
増殖させた。
または、PBLとミエローマ細胞との共生培養を使用して、形質転換された二
倍体B細胞を作製してもよい。PBLとミエローマ細胞とを(3:1の割合で)
混合し、800rpmでペレット化し、上述のように、HAT培地中で選択した
。
C.ハイブリドーマのスクリーニング
ハイブリドーマを先ず定量し、ヒト免疫グロブリン(I
gA、IgG及びIgM)合成用の捕獲エンザイムリンクトイムノアッセイ(E
LISA)によってアイソタイプ化した。10〜300ng/mlの範囲で感受
性の標準Bio-EnzaBead法を使用した。ハイブリドーマ上清を、3〜
9μg/mlの有効範囲で1:30に希釈した。1μg/ml以上の濃度のヒト
免疫グロブリンを合成したハイブリドーマだけを、抗体のアイソタイプ(IgA
、IgGまたはIgM)を決定した後で組織上の間接イムノペルオキシダーゼに
よって試験した。
ポリカーボネート被覆金属ビーズ(Bio−EnzaBeadTM、Litto
n Bionetics)をヒト免疫グロブリン(IgG+IgA+IgM)に
対するヤギ抗体と共に4℃で一夜インキュベートし、次いで非特異的結合を阻止
するために2.5%のBSAでブロックした(室温で30分間)。次にビーズを
風乾し4℃で保管した。免疫グロブリン検出用のELISAを以下のごとく実施
した。96ウエル培養プレートからの上清を希釈し、抗体捕獲ビーズと共に37
℃で1時間インキュベートし、洗浄し、次に、ヒト免疫グロブリン(IgG+I
gA+IgM)に対するペルオキシダーゼ標識アフィニティ精製ヤギ抗体と共に
37℃
で1時間インキュベートした。洗浄したビーズを次に、2,2’-アジノ-ジ〔3
-エチル-ベンズチアゾリン-6-スルホン酸〕と共にインキュベートし(室温で1
0分間)、405nmの光学濃度を測定した。免疫グロブリン濃度を、ヒトガン
マグロブリンの標準曲線(30〜1000ng/ml)の直線部分から数学的に
補間した。>1μg/mlを含有する上清を次に、このELISAを用いてヒト
γ、α及びμ鎖に対するペルオキシダーゼ標識ヤギ抗体によってアイソタイプ化
した。以後の定量的アッセイでは、モノクローナル抗体アイソタイプに適した免
疫グロブリン標準を使用した。マウス免疫グロブリンをヤギ抗マウスIgG+I
gM(H+L)及びペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウスIgG+IgM(H+L
)で被覆したBio-EnzaBeadsによって検定した。他の実験では、上
清を抗ヒトIgビーズ及びペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウスIgG+IgM(
H+L)と共にインキュベートした。
−30℃に保存した正常組織及び腫瘍組織の低温保持の切片を、PLP(0.
5%のp−ホルムアルデヒド、0.075MのL−リシン、0.01Mの過ヨウ
素酸ナトリウム)中で4℃で20分間後固定した。次に切片を洗浄した。10
%ホルマリン固定組織のパラフィン切片を使用直前に脱パラフィン化した。低温
保持の切片及びパラフィン切片を次に、0.075MのL−リシン含有のPBS
中の1%ウシ血清アルブミン中で室温で20分間インキュベートした。切片をハ
イブリドーマ上清と共に4℃で一夜インキュベートした。PBSで3回洗浄後、
切片を適当な抗ヒトペルオキシダーゼ標識試薬と共に37℃で60分間インキュ
ベートし、洗浄し、0.1%の過酸化水素含有のPBS中のジアミノベンジジン
(0.5mg/ml,pH7.6)と共に室温で15分間インキュベートした。
切片をPBSで洗浄し、ヘマトキシリンで染色し、脱水し、スライドを用いて検
鏡標本を作製した。
これらの方法によれば、最大スペクトルの組織反応性抗体(即ち、表面抗原ま
たは細胞質抗原に対する抗体)を検出し得る。
広い反応性の抗体を単離するために、上清を腫瘍切片のパネルに対してスクリ
ーニングした。次に、モノクローナル抗体を産生する細胞系を限界希釈法によっ
てクローニングした。10人の患者から得られた末梢血リンパ球によって22の
融合物を調製し、免疫感作以前の患者のリンパ球
によって2つの融合物を調製した。2回目の免疫感作の1週後に採取したリンパ
球によって最適結果が得られた。2回目の免疫感作後に単離された免疫グロブリ
ン産生クローンの頻度は、1回目の免疫感作後の頻度のほぼ2倍であった。36
個の組織陽性モノクローナル抗体中の7個が低温保持の切片と反応したが、パラ
フィン包埋組織とは反応しなかった。この知見は広いスクリーニング手順の必要
性を強調する。2/3を上回るクローンがIgMを産生し、これはリンパ球ソー
ス(末梢血)を使用した結果であろうと考えられる。
D.二倍体細胞の同定
1/3の細胞系がハイブリドーマの典型的な形態を有し、分散細胞として増殖
した。6つの代表的ハイブリッドの核型分析は、これらがヒト-マウスヘテロハ
イブリドーマであることを示した。対照的に、大多数(36中24)のモノクロ
ーナル抗体合成細胞系は非定型の外観を有していた。これらの細胞は、主として
不規則な形態を有し、大きい凝塊として増殖した。10人中7人の結腸患者のP
BLを用いて得られた7つの融合物からこれらのクラスター形成細胞が単離され
た。従って、このような細胞は極めて普遍的
であると考えられる。4人の患者からの5つの融合物を表す6つの細胞系を核型
分析すると、46の染色体を含むことが判明した。染色体のGバンド分析によっ
て、これらがヒト起原であることが確認された。従って、細胞形態学の基準に基
づくと、大多数のモノクローナル抗体合成細胞系は、ハイブリドーマでなく、む
しろ形質転換されたヒトB細胞(二倍体細胞)であると考えられる。
これらの細胞型間で、分泌された免疫グロブリンのアイソタイプまたは染色さ
れた組織型などの明白な差異は存在しなかった。双方の細胞型から分泌される免
疫グロブリンの量(1〜60μg/ml)は、5〜20μg/mlを産生する大
部分のヒト細胞と本質的に同等であった。予想されたように、二倍体細胞は免疫
グロブリン産生に関してより安定であると考えられる。これらの細胞を連続培養
して9カ月まで増殖させたが、抗体産生の寿命が有限であるという徴候はなかっ
た。実際、ある種の二倍体細胞系では長期培養中に抗体産生の増加が観察された
。その後、長い細胞継代中に非産生体になったクローンは、ハイブリドーマの典
型的な増殖特性を有していた。しかしながら、殆どのハイブリッドは、有用な量
の抗体を産生し得る十分な安定性
を有していた。例えば、ヒト-マウスヘテロハイブリドーマ7a2は、最近クロ
ーニングされた5×106細胞の接種原液から抗体産生の減少を伴うことなく2
0世代以上継代した。従って、細胞は理論的には7×1013細胞まで膨張した。
このハイブリッドは約30μg/ml/106の細胞を産生し、従って7×101 3
細胞が2kg以上の抗体を産生すると考えられた。
E.EBV形質転換手順
ハイブリダイゼーションの代替方法として、免疫感作した患者からの末梢血B
細胞を計画的に形質転換用物質に接触させると、モノクローナル抗体を産生する
連続増殖細胞系が得られる。形質転換用物質としてEBVを使用したが、有効な
リンパ趨向性ウイルス、または、B細胞を形質転換させて連続培養で増殖させ且
つ腫瘍関連抗原に特異的なモノクローナル抗体を産生させ得る他の形質転換用物
質を使用し得る。
本発明の方法では、ヘパリン化した血液をLSM勾配上で分離し、単核細胞分
画を界面で収集した。単核細胞分画をこの時点で使用してもよく、または将来の
形質転換のために冷凍保存してもよい。
いくつかの場合には、形質転換に先立ってマクロファージ及び形質転換を阻害
する他の細胞を単核細胞分画から欠失させた。使用した2つの技術は、プラスチ
ック付着及びL-ロイシンのメチルエステルによる処理であった。プラスチック
付着法では、20%のウシ胎仔血清(2×106/ml)含有の細胞培養培地(
RPMI1640培地、Gibco,Grand Island,N.Y.)中
に細胞を懸濁させ、プラスチック細胞培養皿で一夜インキュベートした。非付着
細胞をピペット吸引によってプラスチックから除去し、リンパ球を残した。また
は、細胞をメチルエステルL-ロイシン(無血清細胞培養培地中に5mM)中で
室温で40分間インキュベートし、次に洗浄した。
生のまたは冷凍保存した、非B細胞非分別のまたは非B細胞がある程度欠失し
たリンパ球をカウントし、2〜5×106細胞をペレット化した。ペレット化し
た細胞を、B95-8細胞の4〜6日培養物から採取した非希釈のB95-8上清
の形態の5mlの新しく採取したエプスタイン・バールウイルスに再懸濁させ、
2,000rpmで4℃で15分間遠心することによって清澄化し、全部の細胞
を確実に除去するために0.8μフィルターで濾過した。B9
5-8細胞系は、Division of Biologics,FDAのDr
.G.Tostadoから提供された。ウイルス吸着のために細胞及びEBVを
37℃で90分間インキュベートした。ウイルス吸着中に、細胞を定期的に撹拌
した。
ウイルス吸着後、細胞を室温でペレット化し、20%のウシ胎仔血清含有の細
胞培養培地に再懸濁させ、カウントした。次に、細胞を約5×104細胞/ml
に希釈し、約100μlを96ウエルプレートの各ウエルに平板培養した。更に
、100μlの細胞培養培地を各ウエルに添加した。または、照射した養育細胞
(例えばJ774)を収容したウエルで細胞を平板培養してもよい。マウスのマ
クロファージ系J774(ATCC,Rockville,Md.)を照射し(
20,000ラド)、次に冷凍保存した。細胞を解凍し、EBV形質転換の前日
に96ウエルプレートで(5×103細胞/ウエルで)平板培養した。
6〜8週目まで毎週2回の割合で細胞培養培地を交換した。ヒト免疫グロブリ
ンを合成する細胞を選択するために、大量の細胞増殖を示すウエルから上清をス
クリーニングした。モノクローナル抗体産生細胞を選択及び培養する上記
の手順に従って、選択された細胞系を培養した。
F.モノクローナル抗体の産生
ヒトモノクローナル抗体産生細胞を、10%のウシ胎仔血清、3mMのL-グ
ルタミン及び5μg/mlのゲンタマイシンを補充したRPMI1640培地(
Gibco,Grand Island,New York)中で増殖させた。
いくつかの場合には25%のD-グルコース(最終濃度0.25%)を培地に更
に補充した。空気中に7.5%CO2を含む湿潤雰囲気下に細胞を37℃(35
〜38℃)に維持した。無細胞培地をペレット化することによって(例えば、5
00rpmで15分間遠心することによって)高度に代謝された使用済み培地か
ら抗体を採取した。
実施例III:正常組織及び腫瘍組織に対するモノクローナル抗体の反応性
多くの抗体では、正常結腸粘膜に対する結合が実質的に減少していた。パラフ
ィン切片に反応性の抗体についても正常組織との反応性を試験した。88BV5
9は、卵巣、子宮、精巣、膣、副腎、前立腺、甲状腺、胸腺、リンパ節、脾臓、
骨髄、心筋、大脳皮質細胞、皮膚、筋肉及び造血細胞などの正常ヒト組織に対し
て陰性の反応性を示した。8
8BV59は、結腸(刷子縁及び表面腺)、小腸(刷子縁及び表面腺)、胃(胃
小窩及び表面腺)、食道(腺)、膵臓(いくつかの管性及び外分泌腺性上皮)、
腎臓(集合細管の50%)、頸部(上皮ライニング(2/3組織が陽性であった
)、乳房(腺房及び管性上皮)、肺(いくつかの肺胞及び気管支細胞)、脳(星
状細胞(2/3の組織が陽性であった))、脊髄(神経繊維網)、皮膚(真皮中
の腺の50%)及び肝臓(胆管)などの組織に若干の反応性を示した。88BV
59とヒト腫瘍細胞系との反応性を表2に示す。表3は、88BV59と腫瘍細
胞組織標本との反応性を示す。
実施例IV:放射性標識88BV59抗体による癌免疫検出
放射性標識88BV59抗体によって癌を検出するための臨床試験を行った。
フェーズIの造影試験では、5人の患者に対して、5〜13mCiの99mTc(
1.1〜1.7mCi/mg)で標識した4.0〜8.8mgの88BV59抗
体を30分間で静脈内注入した。どの患者にも重い副作用は生じなかった。血清
クリアランスは、平均T1/2αが0.9時間及びT1/2βが14時間の2相性であ
った。平面性シングルフォトン放射コンピューター断層撮影(SPECT)像を
4時間及び20〜24時間で撮影した。SPE
CTとラジオイムノシントグラフィー(RIS)との併用によれば、標準コンピ
ューター断層撮影法(CT)または磁気共鳴造影法(MRI)よりも精密に転移
性の病巣が観察された。血清中のヒト抗ヒト抗体応答は検出されなかった。
68人の患者がフェーズIIの試験に参加した。これらの患者のうち36人が外
科手術を受けていた。造影特性を評価し、腫瘍局在に関する抗体スキャンとCT
スキャンとを比較するために、外科手術患者のデータを使用した。試験は、RI
S試薬としての99mTc-88BV59の有効性と安全性とを評価する非無作為抽
出シングルアームオープンフェーズII(nonrandomized,single-arm,open-phas
e II)試験であった。免疫組織化学または皮膚試験反応性に基づいて患者を予め
選択することはしなかった。患者は、慣用の診断法によって証明された少なくと
も1つの腫瘍部位を含むか、または、CEAの上昇に基づくと再発性疾患の疑い
があった。ペルテクネテート(pertechnetate)の甲状腺吸収及び胃分泌をブロ
ックするために、51人の患者に対しては、注入前、注入4時間後及び24時間
後に400mgのカリウムプロクロレート(potassium prochlorate)を投与し
た。17人の患者には、カリウムプロクロレート
非投与で88BV59を投与した。還元剤として塩化第一スズを用いる直接標識
法によって88BV59を99mTcで標識した。99mTc-88BV59の特異性
は、抗体1mgあたり2〜4mCiであり、90%を上回る抗体が99mTcに結
合した。300μgの静注試験用量に従って、68人の患者に15〜41mCi
の99mTc-88BV59を30分間を要して静脈内注入で投与した。
正常器官内の99mTc-88BV59の分布を、抗体投与後3〜4時間及び16
〜24時間の2つの造影時点で評価した。早いほうの造影時点では、心臓、大血
管、肝臓、脾臓、腎臓、及び膀胱排泄物中の同位体の濃度によって血管性血液プ
ールスキャン(vascular blood-pool scan)を観察した。16〜24時間の造影
時点にはバックグラウンド活性がまだかなり残ってはいたが減少していた。算出
された骨髄線量は、骨髄内で抗体のターゲッティングまたは99mTcの蓄積が存
在しないことを示唆した。40mCi以下の用量のテクネチウム-99m-88B
V59は診断目的で安全に投与され得る。
テクネチウム-99m-88BV59を用いるSPECT造影では、既知の腹部
及び骨盤の病巣の75%が検出され
た。99mTc-88BV59の造影特性は、造影の組織病理学的確認が得られる3
6人の外科手術患者のサブセット中で最も詳細に定義される。検出された最小の
結節は直径0.5cmであった。外科手術した患者において、抗体スキャンの感
度はCTスキャンの感度を上回り、肝臓を除く腹部及び骨盤の腫瘍に対する双方
の検出率は68%対40%であった。この差は統計的に有意である(McNem
ar試験、P>0.05)。抗体スキャン及びCTスキャンは、腹部の異なる腫
瘍サブセットを検出すると考えられた。抗体スキャンとCTスキャンとの併用に
よって最も精密な検出が得られた。CTスキャン単独による40%の検出率に比
べて、併用の場合には外科的に証明された病巣の80%が検出された(McNe
mar試験、P>0.01)。肝性転移の場合には目視による分析を行った。C
Tスキャンは13例中10例の転移性肝臓を正確に認識した。抗体スキャンは1
3例中9例を認識し、CTスキャンと抗体スキャンとの併用では13例中11例
が認識された。これらの差は統計的に有意ではない。
腹部及び骨盤の疾患を検出するためには抗体スキャンがCTスキャンよりも優
れていることは明らかである。抗体
スキャンはCTスキャンの2倍も多い数の病巣を認識する。一次腫瘍はCTスキ
ャンによる37%に比べて抗体スキャンによって84%が正確に検出された。再
発性及び転移性の腫瘍の場合は、CTスキャン単独による43%に比べて抗体ス
キャンは病巣の52%を認識した。しかしながら、抗体スキャンとCTスキャン
との併用は81%の感度を示した。これらのデータを更に評価するために、造影
感度に対する同位体線量効果を分析した。腹部及び骨盤の病巣の分析によれば、
線量効果が明白であり、最適範囲は30〜35mCiであった。30〜35mC
iの線量で、抗体スキャンの感度は78%、特異性は67%、陽性予想値は82
%、陰性予想値は60%及び正確度は74%であった。これらの試験は、全ネズ
ミまたはキメラのIgGを用いる他のRIS試験と同等であった。
マウスの免疫感作のためにタンパク質抽出物の調製と免疫吸着レクチンの使用
とを用いる技術は、結腸腫瘍に由来のタンパク質抗原に対するモノクローナル抗
体を産生するために必要である。従って、ヒトの自己免疫感作は、マウスに対す
る免疫原性が通常は乏しい抗原群に対する抗体を誘発する。従って、ヒト及びマ
ウスが種々の腫瘍関連抗原
に応答することが可能となる。精製CEAは結腸腫瘍細胞に対して生じたネズミ
のモノクローナル抗体によって高頻度で見出される抗原であるが、本発明者らの
今日までの試験ではこの方法によって調製した異なる28種のモノクローナル抗
体のうちに精製CEAと反応するものがなかったという知見はこの仮説と一致す
る(Koprowskiら,Somat.Cell Genet.,5:957−
972,1979及びMorganら、前出)。
癌のin vivo診断用及び免疫治療用の腫瘍細胞表面抗原と反応性のモノ
クローナル抗体を提供することに加えて、本発明は、ヒト癌の免疫性に関する抗
原を単離及び特性決定するためのプローブとして有用なモノクローナル抗体を提
供する。これらの抗原は最終的に腫瘍ワクチンとして有用であろう。更に、抗体
を産生する二倍体細胞の作製は、腫瘍細胞表面抗原と反応性のヒトモノクローナ
ル抗体の産生に大きい遺伝的安定性を加える。
上記では、ある種の腫瘍に特異的な新規なモノクローナル抗体の形成、モノク
ローナル抗体を産生する細胞系及びそれらの調製方法を記載した。新規なモノク
ローナル抗体、ハイブリドーマ、及び二倍体細胞の作製方法を特に、実施
例として含まれる特定実施態様に基づいて詳細に記載した。本発明の産生物及び
技術が癌の検出及び治療の分野で遠大な意義を有することは理解されよう。本文
中に開示された技術はこのような個々のケースの抗体作製に使用できるので、こ
れらは腫瘍形成癌の個々の株上に見出される決定基に各々が特異的な広範囲のモ
ノクローナル抗体を包含する。更に、本文中に開示された技術の多くの変更及び
修正は関連業界の通常の知識をもつ技術者によって利用可能であり、このような
変更及び修正が本発明の範囲内に包含されることは理解されよう。
本発明を例示するために与えられた実施例は、癌腫、特に十分に分化した直腸
結腸腺癌に関する。しかしながら、本発明が、肺癌、乳癌、及び同型の胚組織か
ら生じる領域の他の悪性腫瘍のようなすべての癌腫に適用されることは明らかで
ある。更に、必要な場合には本発明を他の型の癌に応用するために当業者は記載
の手順を調整し得る。
IgG-3ヒトモノクローナル抗体88BV59を産生する細胞系を1990
年12月13日及び1994年1月31日にAmerican Type Cu
lture Collection,12301 Parklawn Dr
ive,Rockvil le,Maryland 20852,USAに寄託
した。寄託された細胞系は以下の認識記号を有している。認識記号
受託番号
ヒトB細胞由来細胞系 CRL10624
CO88BV59−1
ヒトB細胞由来細胞系 CRL11538
CO88BV59H21−2
ヒトB細胞由来細胞系 CRL11539
CO88BV59H21−2V67−66
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C12R 1:91)
(72)発明者 フーバー,ハーバート・シー
アメリカ合衆国、メリイランド・20243、
ヒンガム、サマー・ストリート・123
(72)発明者 フレーリー,マリー・エレナ・エイ
アメリカ合衆国、メリイランド・21701、
フレデリツク、フラツグストーン・コー
ト・6081
(72)発明者 コブリン,バリー・ジエイ
アメリカ合衆国、メリイランド・20902、
シルバー・スプリング、ホートン・ドライ
ブ・710
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.88BV59H21-2と命名されたATCC受託番号#CRL11538 を有する形質転換されたヒトリンパ球細胞系。 2.88BV59H21-2V67-66と命名されたATCC受託番号#CRL 11539を有する形質転換されたヒトリンパ球細胞系。 3.ヒトモノクローナル抗体88BV59の可変L鎖及び可変H鎖を含む抗体。 4.CH2領域が欠失していることを特徴とするヒトモノクローナル抗体88B V59。 5.形質転換されたヒトリンパ球細胞系の産生能力を増加させる方法であって、 前記リンパ球細胞系をミエローマと融合させ、 融合産物をエプスタイン・バールウイルスによって形質転換させる段階を含む 方法。
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US19208994A | 1994-02-04 | 1994-02-04 | |
| US08/192,089 | 1994-02-04 | ||
| PCT/US1995/001440 WO1995021244A1 (en) | 1994-02-04 | 1995-02-03 | Monoclonal antibody 88bv59, subclones and method of making |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08508893A true JPH08508893A (ja) | 1996-09-24 |
Family
ID=22708201
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7520778A Pending JPH08508893A (ja) | 1994-02-04 | 1995-02-03 | モノクローナル抗体88bv59、サブクローン及び作製方法 |
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| JP (1) | JPH08508893A (ja) |
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-
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