JPH08509467A - 細菌接着のインヒビターとしてのオリゴ糖グリコシドの使用 - Google Patents
細菌接着のインヒビターとしてのオリゴ糖グリコシドの使用Info
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Abstract
(57)【要約】
ヘリコバクター・ピロリは、急性(B型)胃炎、胃および十二指腸潰瘍、胃腺癌ならびに胃リンパ腫を包含する多くの病的状態における寄与因子として関連づけられてきた。本発明は、少なくとも1個の末端L-フコース単位を含むジまたはオリゴ糖グリコシドのヒト胃粘膜におけるヘリコバクター・ピロリによる感染が関与する状態のヒトにおける処置および予防用の医薬組成物の製造のための使用ならびに少なくとも1個の末端L-フコース単位からなるジまたはオリゴ糖グリコシドの有効量をそれを必要とする患者に投与することによるジまたはオリゴ糖グリコシドを用いる上述の状態の処置方法に関する。
Description
【発明の詳細な説明】
細菌接着のインヒビターとしての
オリゴ糖グリコシドの使用
発明の分野
本発明は少なくとも1個の末端L-フコース単位を含むジまたはオリゴ糖グリ
コシドのヒト胃粘膜におけるヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)
による感染が関与する状態のヒトにおける処置および予防用の医薬組成物の製造
のための使用、ならびにこのような状態のジまたはオリゴ糖グリコシドを用いる
処置方法に関する。
発明の背景
Helicobacter pyloriは、微好気性らせん状微生物であり〔最初はキャンピロ
バクター(Campylobacter)属に分類された〕、この細菌は、胃内に見出され、
一般的にはヒト胃腸管粘膜に唯一の生息場所があるように思われる。この細菌は
60歳に達するまでに60%以上のヒト成人の胃粘膜に感染すると予測されている。
しかも、Helicobacter pyloriは急性(B型)胃炎、胃および十二指腸潰瘍なら
びに胃腺癌を含む多くの病的状態に寄与因子として関与するとされてきた。細菌
の組織向性は、一部は、その特異的生息場所における局所的化学的環境に順応す
るその細菌株の能力によって支配される.さらに、新たな生息場所からのたとえ
ば胃腸管の蠕動による排除を防止するためのコロニー形成には接着が必須の前提
条件である。哺乳動物においては、細菌は上皮細胞の表面(粘液)付近の上部ま
たは内部のタンパク質もしくは糖接合体(糖スフィンゴ脂質、糖タンパク質)に
接着し、多くの特異的な細菌アドヘシン-タンパク質
およびアドヘシン-炭水化物の相互作用が文献に報告されている。
Helicobacter pyloriに関しては、マウス副腎Y-1細胞のようなモデル系にお
ける研究〔D.G.Evans,D.J.Jr.Evans & D.Y.Graham(1989),Infect.Immun.5
7:2272-2278参照〕により、この細菌を取り囲む表面結合可撓性小線維構造がア
ドヘシンまたはコロニー形成因子抗原として機能し、Helicobacter pyloriの細
胞性シアル酸含有糖タンパク質受容体への結合を仲介することが示唆されている
。
発明の概要
Helicobacter pyloriとヒト胃粘膜上皮細胞の間の相互作用の研究を通して、
驚くべきことにまず第一に、Helicobacter pyloriは胃単位を構成する腺上皮中
のある種の分化した上皮細胞にのみ接着もしくは結合することが見出されたので
ある。腺上皮内の胃単位は様々な機能を行うように分化した細胞で内張りされて
いる。すなわち、胃単位の上方小窩領域(胃窩)は粘液産生表面上皮細胞で被覆
され、一方、胃単位の狭窄中央部分(その峡部)は増殖性および非増殖性未成熟
細胞、粘液頚細胞ならびに壁細胞から構成され、胃単位の下方部分(腺)は内因
子およびペプシノーゲン産生主細胞、酸産生壁細胞、粘液頚および腺細胞ならび
に各種の腸内分泌細胞種を含有する。本研究では、Helicobacter pyloriが上方
小窩領域における粘液産生表面上皮細胞、すなわち表面粘液細胞にのみ結合する
ことが明らかにされた。
第二に、これらの研究により、Helicobacter pyloriの粘液産生表面上皮細胞
への結合には細菌アドヘシンとシアル酸含有受容体の間の相互作用は関与せず、
L-フコース(6-デオキシ-L-ガラ
クトースとしても知られている)の末端単位を含有する炭水化物構造との相互作
用が関与することが明らかにされた。
したがって、本発明は一態様において、少なくとも1個の末端L-フコース単
位を有するジまたはオリゴ糖グリコシドの、ヒト胃粘膜におけるHelicobacter p
yloriによる感染が関与する状態のヒトにおける処置および予防用の医薬組成物
の製造のための使用に関する。さらに、本発明は、Helicobacter pyloriによる
感染によって起こるヒトでの疾患の、少なくとも1個の末端L-フコース単位か
らなるジまたはオリゴ糖グリコシドの有効量をそれを必要とする患者に投与する
ことによる処置および/または予防方法に関する。
発明の詳細な説明
本発明においては「末端L-フコース単位」の語は、1-位置を介して結合する
問題のL-フコース単位(単数または複数)がそれ自体他の炭水化物単位または
基によってグリコシル化されていないことを意味する。しかしながらこれは、L
-フコース単位によってグリコシル化される炭水化物単位がそれ自体、他の炭水
化物単位または基によりグリコシル化されることを排除するものではない。
本発明においては「オリゴ糖」の語は、グリコシドの糖部分が3個もしくはそ
れ以上の炭水化物単位、たとえば3〜10個の炭水化物単位からなることを意味す
る。
本発明に用いられる少なくとも1個の末端L-フコース単位を有するジまたは
オリゴ糖グリコシドは、Helicobacter pyloriの表面上に存在するアドヘシンに
結合できることが好ましい。
少なくとも1個の末端L-フコース単位を有するジまたはオリゴ糖グリコシド
の、Helicobacter pylori細胞の胃上皮細胞への結合
を阻害する能力を測定するのに現時点で最も有用なモデル系は、胃上皮細胞を含
有するヒト胃組織の組織学的切片の使用を包含するインビトロ組織学的モデルで
ある。
したがって、本発明の使用または方法の好ましい実施態様は、末端L-フコー
ス単位を有するジまたはオリゴ糖グリコシドがヒト胃粘膜の組織学的切片におけ
る上皮細胞へのHelicobacter pylori細胞の接着を阻害するかまたは実質的に減
少させることができるグリコシドである使用または方法である。
さらに好ましくは、本発明の使用または方法に用いられるジまたはオリゴ糖グ
リコシドは、Helicobacter pyloriの細胞を濃度500μg/mlまでのジまたはオリ
ゴ糖グリコシドとプレインキュベートした場合、上記細菌細胞のヒト胃粘膜の組
織学的切片上皮細胞への接着を相当する非プレインキュベーション細菌細胞の接
着に比べて少なくとも50%まで阻害できるグリコシドである。
現時点で好ましい組織学的モデル系においてはヒト胃粘膜の組織学的切片は、
非疾患ヒト胃粘膜組織のサンプルをフォルマリンで固定し、サンプルをパラフィ
ン中に包埋し、包埋サンプルの約5μm切片を作成し、この切片をガラススライ
ド上に載せ、キシレンおよびイソプロパノールによって洗浄して切片を脱パラフ
ィンし、その切片をリン酸緩衝食塩溶液中好ましくはそれぞれ約0.2%および0.0
5%濃度のウシ血清アルブミンおよび非イオン性ポリオキシエチレンソルビタン
モノラウレート界面活性剤(たとえばTween-20)とからなる緩衝液とインキュベ
ートすることによって調製される(実施例も参照のこと)。
Helicobacter pylori細胞の胃粘膜切片への接着の程度を測定す
る目的では、切片上の特定部位における細菌細胞の検出を可能にするある様式で
、細菌細胞を標識することが有利である。標識は、生存細菌細胞もしくは顕微鏡
サンプル上に置かれた細菌細胞の標識については、たとえば色素(たとえばグラ
ム陰性菌に特異的な色素)による染色ついで顕微鏡による観察、放射性同位元素
またはこのような同位元素を含有する化合物による標識ついでマイクロオートラ
ジオグラフィー、H.pyloriを認識する標識(酵素標識、放射標識または他の標
識)抗体による処置(上皮細胞への接着前または後)ついで接着した抗体の二次
抗体酵素接合体もしくはELISA型検出またはマイクロオートラジオグラフィーに
よる検出もしくは可視化等、任意のよく知られた方法に従って実施することが考
えられる。
しかしながら、現時点で好ましい標識原理は、蛍光標識とくにフルオレセイン
イソチオシアネートによる標識である。これは食塩および炭酸ナトリウムをそれ
ぞれ好ましくは約0.15Mおよび0.1Mの濃度で含有するpH約9.0の緩衝液中Helico
bacter pylori細胞の懸濁液を約0.1mg/mlの濃度のフルオレセインイソチオシア
ネートで処理し、この細菌細胞懸濁液を室温で1時間インキュベートし、細菌細
胞を遠心分離により分離し、ついで細菌細胞を非イオン性ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレート界面活性剤を好ましくは約0.05%濃度で含有するpH約7.
5のリン酸緩衝食塩溶液で洗浄することによって実施するのが有利である。
少なくとも1個の末端L-フコース単位を有するジまたはオリゴ糖グリコシド
がヒト上皮胃腸細胞へのHelicobacter pyloriの接着を阻害する能力を測定する
ためには、細菌を組織切片と接触させ、上皮細胞の表面に接着させる前に通常、
グリコシドとのプレインキ
ュベーションに付す。細菌細胞のプレインキュベーションを実施するのに有利な
方法の一つは、pH約7.5のリン酸緩衝食塩溶液中好ましくはそれぞれ約0.2%およ
び0.05%濃度のウシ血清アルブミンおよび非イオン性ポリオキシエチレンソルビ
タンモノラウレート界面活性剤からなる緩衝液中細菌細胞懸濁液に濃度500μg/
mlまでのジまたはオリゴ糖グリコシドを室温において約2時間を要して添加し、
細菌細胞を遠心分離し、ついで細胞を同一の緩衝液中で洗浄する方法である。
Helicobacter pyloriの細胞(プレインキュベーションを実施したか否か、ま
た標識されているか否かにかかわらず)について、ヒト胃腸粘膜中の上皮細胞に
接着する能力を試験する場合には、1mlあたり細菌細胞約106〜108個を含有する
希釈Helicobacter pylori細胞懸濁液を組織学的切片に適用し、この切片を細菌
細胞懸濁液とともに加湿チャンバー内において室温で1時間インキュベートし、
スライドをリン酸緩衝食塩溶液中で洗浄し、切片の上皮細胞への接着程度を確認
することによって実施される。細菌が蛍光標識たとえばフルオレセインイソチオ
シアネートで標識されている実施態様においては、接着の程度の確認は、切片を
蛍光顕微鏡下に検討し、切片内の表面上皮細胞に接着した蛍光性細菌の数から接
着の程度を評価することによって行うのが通例であり便利である。実施例とくに
そこに例示された図面も参照されたい。
接着試験はHelicobacter pylori株NCTC 11637、NCTC 11638、WV229またはP466
の細胞を用いて実施することができる(以下の実施例参照)。
本発明を使用して調製される医薬組成物がその処置および予防
に用いられ、また本発明の処置方法が使用される、Helicobacter pyloriの胃腸
感染が関与する状態としては、たとえば慢性活動型(B型)胃炎、胃潰瘍、十二
指腸潰瘍、胃腺癌および胃リンパ腫がある。
好ましい実施態様においては、オリゴ糖は上述のように、2個の末端フコース
単位を含有する。
好ましい実施態様においては、用いられるジまたはオリゴ糖グリコシドは糖タ
ンパク質である。用いられる化合物の興味ある例には、ヒトκ-カゼイン、ヒト
初乳IgA、およびウシ顎下腺ムチンがある。
さらに好ましい実施態様においては、オリゴ糖鎖の非還元末端における末端四
糖は、ルイスb-四糖、すなわちFucα1−2Galβ1−3(Fucα1−4)GlcNAc
β1−である。
ジまたはオリゴ糖は医薬組成物中に任意の適当量を含有させることができる。
一般的には、組成物の総重量に対して0.01%〜99重量%、または0.1%〜99重量
%を含有させる。
活性成分を含有する医薬組成物は、単回投与量単位または多重投与量単位とし
てこれらの範囲内で適宜処方することができる。
本発明に用いられる活性ジまたはオリゴ糖グリコシドおよびそれらのグリコシ
ドを含む組成物は通常、活性グリコシド成分約1mg/日〜約50g/日、好ましく
は約10mg/日〜約5g/日に相当する量でヒト患者に投与される。
ジまたはオリゴ糖グリコシドの投与量は一般的には、投与経路の選択、とくに
処置される疾患およびその重篤度、また疾患の処置もしくは予防のいずれに用い
られるか、ならびに患者の年齢および体
重に依存する。
医薬組成物は、好ましくは経口経路、非経口経路または直腸経路によって投与
される。
本発明を以下の非限定的実施例によってさらに詳細に説明する。
例1
生物学的実験
材料および方法
ヒト乳汁からのκ-カゼインの精製
ヒト乳汁は使用時まで−20℃で凍結保存した.乳汁を解凍し15,000×gで45分
間遠心分離してスキムミルクを得た。試験管の最頂部の脂肪層を注意深く除去し
、一方、可溶性分画およびペレットをプールした。このプールをHClでpH4.3の酸
性とし、CaCl2を60mMの濃度に添加した。室温で1時間インキュベートしたのち
、沈澱したカゼイン分画を18,000×gで90分間遠心分離して集めた。
カゼイン分画を20mMエタノールアミン、6M尿素、pH9.5中に溶解した。残存す
る脂肪があれば除去するため、この水性分画を4倍容量のヘキサンで3回抽出し
た。ついで水相を蒸留水で透析し、凍結乾燥した。凍結乾燥されたタンパク質を
、50mMイミダゾール塩酸塩、0.5%SDS、0.5%2-メルカプトエタノール、pH7.0
に溶解しこれを50mMイミダゾール塩酸塩、0.5%SDS、0.5%2-メルカプトエタノ
ール、pH7.0に温度37℃において平衡化したSephadex G-200カラム(1.6×120cm
、Pharmacia-LKB,Uppsala,Sweden)上クロマトグラフィーに付した。シッフ染
色により検出されたκ-カゼイン含有分画をプールし、蒸留水中40%メタノール
で3時間透析し、凍結乾燥して容量を減少させた。タンパク質を50mMイミダゾー
ル塩酸塩、
0.5%SDS、0.5%2-メルカプトエタノール、pH7.0中に再溶解し上述の場合と同
じ条件下、Sephadex G-200カラムに2回目の適用を行った。β-カゼインを全く
含まないヒトκ-カゼイン含有分画を集め、40%メタノールで透析し、凍結乾燥
した。
ウシ成熟乳汁および初乳κ-カゼインの精製
ウシ成熟乳汁ならびに出産から24時間以内に採集した初乳は、Agrisera AB(T
varaback,Sweden)から入手した。いずれも脱脂し、ヘキサンによる脱脂を必要
としなかったことを除きヒト乳汁の精製について上述したようにして、各カゼイ
ン分画を調製した。カゼインペレットを10mMイミダゾール塩酸塩、3.3M尿素、1
0mM 2-メルカプトエタノール、pH7.0に溶解しQ-Sepharoseカラム(2.6×15cm,P
harmacia-LKB,Sweden)に適用した。洗浄後、カラムを同じ緩衝液中0.1〜0.5M
NaClの直線勾配で溶出した。ウシκ-カゼイン含有分画を水で透析し、凍結乾燥
した。ウシカゼインの同一性はキモシン切断によって確認した。
H.pyloriのインシトゥ接着アッセイ
ヒト成人の食道、胃、十二指腸、結腸、腎臓、子宮頚部、子宮内膜、および中
脳の多重非疾患組織サンプルは、Washington大学病理部門の外科病理および解剖
ファイルから入手した。250gのSpragueDawleyラットおよび6〜12週齢のFVB/
Nマウスを頚椎脱臼によって屠殺後、胃腸管を摘出し、Sweetser,D.A.,Birke
nmeier,E.H.,Hoppe,P.C.,McKeel,D.W.,& Gordon,J.I.,GenesDevel.
2(1988),1318-1332の記載に従って領域ごとに切り分けた。成犬からの胃はSt.
Louis大学医療センター外科部門から入手した。組織はすべて10%フォルマリン
中もしくはピクリン酸/フォルムア
ルデヒド/氷酢酸の溶液(15:5:1;ブーアン液)中で固定して、ついで、パ
ラフィン中に包埋した(Sweetser,D.A.,Birkenmeier,E.H.,Hoppe,P.C.
,McKeel,D.W.& Gordon,J.I.:GenesDevel.2(1988),1318-1332参照)。
ガラススライド上に載せた厚さ5μmの切片を調製して、ヘマトキシリンおよび
エオジン染色(胃単位中に存在する細胞種の同定および組織サンプルに病理学的
変化がないことの確認のため)ならびに/または以後の接着、組織化学的および
/もしくは免疫細胞化学的アッセイに使用した。
H.pyloriは、以前に性質が明らかにされている5つの臨床単離株を使用した
。NCTC 11637およびNCTC 11638は1982年に活動型慢性胃炎患者から単離された対
照株である〔Warren,J.R.& Marshall,B.:Lancet1(1983),1273-1275参照
〕。WV229株は胃潰瘍の患者から回収され〔Westblom,T.U.,Madan,E.,Subik
,M.A.,Buriex,D.E.& Midkiff,B.R.:Scand.J.Gastroenterol.27(1992
),249-252参照〕、P466株(Johns Hopkins大学医学部、Baltimoreから入手)
は急性胃炎の患者から得られた。M019株は、無症候性のキャリアーから単離され
た〔Barthel,J.S.,Westblom,T.U.,Havey,A.D.,Gonzalez,F.& Everet
t,E.D.:Arch.Intern.Med.148(1988),1149-1151〕。H.pyloriの株は10%
ウシ血液および1%IsoVitalex(Becton Dickinson Microbiology Systems,Coc
keyville,MD)を補充したブルセラ寒天培地上、微好気条件下(5%O2、10%CO2
、85%N2)、湿度98%において37℃で増殖させた。接種5日後にプレートから
細菌約1μlを滅菌ループによって採取し、pH9.0の0.15M NaCl/0.1M炭酸ナト
リウム1ml中に、ピペットで穏やかに再懸濁した。ジメチルスルホキシド中フル
オレセインイソ
チオシアネート(FITC,Sigma Chemical Co.)10mg/ml溶液を新たに調製し、そ
の10μlを上記懸濁液に加え、これをついで室温、暗所で1時間インキュベート
した.細菌細胞を5分間、3,000×gで遠心分離して回収し、ついで0.2%ウシ血
清アルブミンおよび0.05%ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート含有リ
ン酸緩衝食塩溶液、pH7.4(ブロック緩衝液1、BB1)1ml中にピペットで穏や
かに再懸濁し、上述のように遠心分離してペレット化した。洗浄操作は3回繰り
返した.すべての細菌株のFITC標識の強度は、相当数の生物体の蛍光顕微鏡によ
る検査で判定して同様であった。A600nmで測定して光学密度1.00 O.D./mlの最
終懸濁液から100μlのアリコートを採取し、そのまま使用するか、または使用時
まで−20℃に保存した。標識してそのまま使用した細菌と凍結して使用前に再び
解凍した細菌の間で結合パターンの差は認められなかった。
スライドに載せた組織切片をキシレンおよびイソプロパノール中で脱パラフィ
ンし(キシレン、10分;キシレン、3分;イソプロパノール、3分;イソプロ
パノール、3分;イソプロパノール、3分)、水、ついでPBS中で3回すすいだ
のち、ブロック緩衝液1(PBS中0.2%ウシ血清アルブミンおよび0.05%ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレート)中で30〜60分間インキュベートした。FI
TC標識細菌懸濁液をブロック緩衝液1で20倍に希釈し、そのアリコート200μlで
スライド上に載せた組織切片を被覆し、ついで、加湿チャンバー中室温で1時間
インキュベートした。ついで、処理した組織切片が置かれたスライドをPBSで4
〜6回洗浄したのち、蛍光顕微鏡で検査した。
各種糖タンパク質または遊離オリゴ糖の結合阻害能を解析するた
め、FITC標識細菌懸濁液のアリコート200μlを、ウシ顎下腺ムチン(Sigma、最
終濃度500μg/ml、PBS、pH7に溶解)、フェチュイン(Sigma、100μg/ml、PB
S、pH7に溶解)、アシアロフェチュイン(Sigma、100μg/ml、PBS、pH7に溶
解)、ヒトシアリルラクトース(NeuAcα2→6Ga1β1→4Glc)(Sigma、5μ
g/ml、PBS、pH7に溶解)、ウシシアリルラクトース(NeuAcα2→3Galβ1→
4Glc)(Sigma、5μg/ml、PBS、pH7に溶解)、精製ヒトκ-カゼイン(濃度1
000、500、250、50、10および1μg/ml、PBS、pH7に溶解)または精製ウシ成
熟もしくは初乳κ-カゼイン(濃度1,000μg/ml、PBS、pH7に溶解)と2時間、
ヒト血清IgA(Cappel Research Products,500μg/ml、PBS、pH7に溶解)、ま
たはヒト初乳分泌IgA(Cappel Research Products,15μg/ml,PBS、pH7に溶
解)と室温で2時間プレインキュベートした。細菌は、混合物を組織切片に添加
する前に、ブロック緩衝液1で1回洗浄した。
ヒトκ-カゼインまたはヒト初乳分泌IgAはついでMr=10,000カットオフCentri
conフィルター(Amicon)を用いてPBSで洗浄した。ヒトκ-カゼインとヒト初乳
分泌IgAはまた、細菌とインキュベートする前に100mUのウシ腎臓α-L-フコシダ
ーゼまたはVibriocoleraeノイラミニダーゼ(Boehringer-Mannheim,Germany)
と37℃で2時間インキュベートした。リン酸緩衝食塩溶液、pH7.4中でインキュ
ベートしたκ-カゼインを対照とした。グリコシダーゼ処理サンプルおよび対照
はすべて80℃で20分間インキュベートしてκ-カゼインを細菌とインキュベート
する前に酵素を不活性化した。PBS中でインキュベートしたIgAを対照とした。グ
リコシダーゼ処理したサンプルおよび対照はすべて80℃で20分間インキュベート
して
IgAを細菌とインキュベートする前に酵素を不活性化した。
ヒトκ-カゼインおよびヒト初乳分泌IgAそれぞれの受容体活性ドメインの性質
をさらに明らかにするため、以下に記述するように、過ヨード酸酸化を実施した
。
組織切片中の細菌受容体の性質を確認するため他の2実験を実施した。第一に
脂肪族および/または芳香族アミノ酸の-COOH部位へのペプチド結合の加水分解
を触媒できるセリンプロテアーゼである、Trichiratum albusからのプロテイナ
ーゼ〔Ebelingら、Eur.J.Biochem.4(1974),91-97;Boehringer-Mannheim,G
ermany〕をPBS中1mg/mlの保存溶液として調製し、その200mUによって脱パラフ
ィン切片を37℃で2時間処理した。ついでそれらをPBS中で3回洗浄し、ブロッ
ク緩衝液1で処理し、次にFITC標識H.pylori株P466またはWV229の懸濁液を上
述のようにして被覆した。第二に、脱パラフィン切片を10mM過ヨード酸ナトリウ
ム/50mM酢酸ナトリウム、pH4.5により0℃で10分間処理して末端シアル酸の非
置換側鎖の炭素原子位置8および9を選択的に切断するか〔Manz,A.E.,Dell
,A.,Azadi,A.& Varki,A.:J.Biol.Chem.265(1990),8094-8107〕、また
は10mM過ヨード酸ナトリウム/50mM酢酸ナトリウム、pH4.5により室温で1時間
処理して3位に遊離ヒドロキシル基を有する大部分の炭水化物の隣接ヒドロキシ
ル基間の炭素-炭素結合を切断した〔これにより単糖の環構造は破壊され、その
結果、炭水化物のエピトープは消失するが、一方、ペプチドは無傷のまま残る。
Woodward,M.P.,Young,W.W.Jr.& Bloodgood,R.A.:J.Immunol.Meth.
78(1985),143-153参照〕。対照切片は50mM酢酸ナトリウム緩衝液単独とインキ
ュベートした。PBSで2回洗浄後、pH
7.6のPBS中に調製した50mM水素化ホウ素ナトリウムを加えて切片を還元した。PB
Sでさらに数回洗浄したのち、FITC標識株WV229、P466またはM019の懸濁液を適用
し、スライドを前述のように処理した。
対照実験は、胃上皮細胞系列中に存在するタンパク質の抗原性がpH4.5におけ
る「苛酷な」過ヨード酸酸化下にも保存されたことを確認するために使用された
。すなわちラット胃の過ヨード酸処理切片を内因子(IF)に対して産生された
ウサギポリクローナル抗血清とインキュベートし(10μgタンパク質/ml、4℃
、一夜)、ついで抗原-抗体複合体をTexas Rad接合ロバ抗-ウサギIgGで検出した
〔使用した染色プロトコールおよびこの血清の特異性の詳細については、Roth,
K.A.,Cohn,S.M.,Rubin,D.C.,Trahair,J.F.,Neutra,M.R.& Gordon
,J.I.:Am.J.Physiol.(Gastrointest.Liver Physiol.)263(1992),G18
6-G187およびLee,E.Y.,Seetharam,B.,Alpers,D.H.& DeSchryver-Kecske
meti,K.:Gastroenterol.97(1989),1171-1180〕。過ヨード酸処理切片におけ
る主細胞のIF染色の強度は緩衝液単独とインキュベートした切片での主細胞の染
色強度と同様であったが、表面粘液細胞に対するα-L-フコース特異的Ulex eur
opaeus1型レクチンの結合は同一条件下に完全に消失した。
免疫組織化学的研究
シアリル化オリゴ糖の細胞内分布は、酵素原腺を含むヒト胃の脱パラフィン切
片において、(i)ガラクトースに連結した内部配列NeuAcα2→3残基を認識
するフルオレセイン、ローダミン(LISTBiological Laboratories Inc.)あるい
はペオキシダーゼ(Sigma)接合コレラ毒素Bサブユニット〔Holmgren,J.,Loe
nnroth,I.,
Mansson,J.E.,& Svennerholm,L.:Proc.Natl.Acad.Sci.USA 72(1975)
,2520-2524参照。ブロック緩衝液1中、最終濃度5μgタンパク質/mlに溶解し
た〕、(ii)NeuAcα2→6Gal/GalNAcを認識するジゴキシゲニン(DIG)接合
Sambucus nigraレクチン(SNA)〔Knibbs,R.N.,Goldstein,I.J.,Ratcliff
e,R.M.& Shibuya,N.:J.Biol.Chem.266(1991),83-88参照。ブロック緩
衝液1中、最終濃度10μgタンパク質/mlに溶解〕、およびNeuAcα2→3Galβ
1→4GlcNAcと反応するDIG接合Maackia amurensisレクチン(MAA)〔Knibbs,R
.N.,Goldstein,I.J.,Ratcliffe,R.M.& Shibuya,N.:J.Biol.Chem.
266(1991),83-88参照。ブロック緩衝液1中、最終濃度10μgタンパク質/mlに
溶解〕とのインキュベーションによって調べた。DIG接合レクチンはペルオキシ
ダーゼ接合モノクローナルマウス抗DIG抗体(ブロック緩衝液1中500mUペルオキ
シダーゼ/mlに溶解した)により、組織をPBS中で3回洗浄し、組織上に二次抗
体を室温で2時間被覆し、ついで標準H2O2/DAB検出を用いて検出した。
フコシル化血液型抗原は、まず、組織血液型抗原A、BおよびH(Dakopatts
A/S,Glostrup,Denmark)(ブロック緩衝液1中最終濃度1μgタンパク質/ml
に溶解)またはLea およびLeb(Immucor,Norcross,GA)(ブロック緩衝液1中
最終濃度10μgタンパク質/mlに溶解)に対するマウスモノクローナル抗体で切
片を処理して検出した。抗原-抗体複合体は、FITC、TRITCあるいはHRP接合(フ
ルオレセイン、ローダミンあるいはペルオキシダーゼ接合)ウサギ抗-マウス免
疫グロブリン(Dakopatts A/S,Glostrup,Denmark)(ブロック緩衝液1中最終
濃度30μgタンパク質/mlに溶解)の二次被覆
によって可視化し、切片を蛍光顕微鏡下に検査して検出した。さらに。フコシル
化糖接合体の分布はα-L-フコース基を認識してそれに結合するFITC接合Ulex e
ropaenus1型レクチン(UEA1、ブロック緩衝液1中5μgタンパク質/mlに溶解
)で切片を同様に処理し可視化することにより評価した。
結果および考察
インシトゥ接着アッセイを用いるH.pyloriの細胞系統特異的結合の解析
Helicobacter pyloriの5つの臨床単離株をフルオレセインイソチオシアネー
トで標識したのち、濃厚寒天培地上にて5日間微好気条件下に増殖させ、ついで
フォルマリン固定ヒト胃切片上に被覆した。すべて消化不良症状の患者から回収
された株NCTC 11637、NCTC11638、WV229およびP466は、上方小窩および管腔表面
に位置する表面粘液細胞に結合した(図2AおよびB参照)。特記すべきは、胃
単位の腺セグメントの上方部分に位置する粘液頚細胞は陰性で、これはこれらの
細菌が胃に存在する2種の分化された粘液産生細胞系統を識別できることを示し
ている〔Ota,H.,Katsuyama,T.,Ishii,K.Nakayama,J.,Shiozawa,T.& T
sukahara,Y.:Histochem.J.23(1991),22-28〕。酵母原腺においては、壁ま
たは主細胞への結合は認められなかった。無症候性(「健康」)キャリアーから
回収された唯一の単離株、MO 19の試験では、ヒト胃上皮細胞系統のいずれにも
検知可能なレベルでの結合はみられなかった(図2C参照)。
株WV229およびP466はヒト食道の鱗屑様上皮細胞には接着しなかったが、採用
した反応条件下で、食道粘膜下腺およびそれらの管、ならびに十二指腸の絨毛結
合腸細胞には接着した(図2D参照)。
小腸絨毛の結腸同族体に位置する腸細胞から各陰窩口を囲む表面上皮細胞カフ(
図2E参照)に弱い結合が観察された。染色の強度したがって接着生物の濃度は
胃上皮の場合よりも腸の頭尾軸を通してかなり低下した(腸方向への低下勾配)
。対照実験ではHelicobacter pylori P466およびWV229は、近位もしくは遠位ネ
フロン、子宮頚部または子宮内膜に現れるいずれの上皮細胞集団にも結合しなか
った。中脳を含む中枢神経系の検査でも、バックグランド以上のシグナルを生成
することはなかった。
インシトゥ接着アッセイはヒト胃腸で認められた細胞系統に特異的な結合およ
びHelicobacter pylori株に特異的な結合が他の哺乳動物種でも起こるか否かを
確認するために用いられた。上述のようにして増殖させ、FITCで標識した株WV22
9、P466およびMO19を、ラットおよびマウスの胃腸管の切片ならびにイヌの胃と
インキュベートした。MO19株はこれらの3種のいずれかから調製された組織切片
にも検知できる量の結合を示さなかった。ヒト胃の場合と同様、WV229およびP46
6株はラットで胃粘膜小窩領域に結合したが、酵素原もしくは純粋粘液領域に位
置する他のいずれの分化上皮細胞集団にも結合しなかった(図2F参照)。類似
のヒトプレパレーションの場合とは異なり、ラット食道および前胃の層状鱗屑様
上皮細胞はインシトゥ接着アッセイにおいて陽性の結果を生じたが、小腸上皮細
胞はブルンネル腺を除いて陰性であった。マウスの前胃は接着性細菌との高密度
の結合を示したが、一方、胃の残部、すなわち酵素原、粘液壁および純粋粘液領
域〔Lee,E.R.,Trasler,J.,Dwivedi,S.& leBlond,C.P.:Am.J.Anat.
164(1982),187-207〕、ならびに腸の上皮細胞および間葉成分にはFITC標識株WV
229
およびP466によるシグナルを生じなかった。最後に、イヌ胃ではこの2株のいず
れの結合も認められなかった。
Helicobacter pyloriと胃上皮細胞系統の間の相互作用の生化学的研究
Helicobacter pyloriと表面粘液細胞の間の相互作用の性質を特徴づけるため
に、一連の化合物の、FITC標識株P466およびWV229のヒト胃および近位小腸の切
片への結合を阻害する能力を試験した。
ウシ血清フェチュイン、アシアロフェチュイン、ウシ乳汁から調製した可溶性
シアリルラクトース(85%のシアル酸はα2→3結合、15%はα2→6結合を介
してガラクトースに連結している。すなわちNeuAcα2→3/6Galβ1→4Glc
)またはヒト乳汁シアリルラクトース(15%NeuAcα2→3;85%NeuAcα2→6
)を上述の2つのHelicobacter pylori株とプレインキュベートした場合、以後
の接着の低下はインシトゥアッセイで判定して認められなかった。これ
Blaser,M.J.:Microb.Pathog.9(1990),427-439の結果と一致する。
しかしながら、細菌を、フコシル化およびシアリル化炭水化物の両者に富む材
料である0.5%ウシ顎下腺ムチン〔Savage,A.V.,D'Arcy,S.M.T.& Donoghue
,C.M.:Biochem.J.279(1991),95-103および33〕とプレインキュベートす
ると、表面粘液細胞(図1AおよびB参照)および十二指腸絨毛連結上皮細胞へ
の細菌の結合は完全に阻止された。ヒトκ-カゼインおよびヒト初乳分泌IgAも強
力なインヒビターであり、ヒトκ-カゼイン250μg/ml(図3A参照)およびヒ
ト初乳分泌IgA、15μg/mlはそれぞれ、Helicobacter
pyloriの接着を完全に阻害した。
ヒトκ-カゼインオリゴ糖はN-アセチルグルコサミンへのα1→4結合を介し
てフコシル化され、この点でウシκ-カゼインとは異なっている。ヒト初乳分泌I
gAは高度に変動するN-およびO-連結オリゴ糖のセットをもっている。
したがって、ヒトκ-カゼインとヒト初乳分泌IgAのみが、ヒト胃表面粘液細胞
へのHelicobacter pyloriの細胞系統特異的付着を防止できることは興味がある
。いくつかの観察は、Helicobacter pyloriの結合のヒト初乳分泌IgAによるこの
阻害が、Fabフラグメントの可変性低下の関与する細菌のFc受容体または古典的
免疫グロブリン認識作用によって仲介されなかったことを示唆している。すなわ
ち、(i)ヒトκ-カゼインまたはヒト初乳分泌IgAをメタ過ヨード酸で前処置し
た場合には阻害は消失したこと、(ii)PBS中85℃における30分のプレインキュ
ベーションは2種の糖タンパク質の阻害活性には影響しなかったこと、(iii)
ヒトκ-カゼイン(図3C参照)またはヒト初乳分泌IgAのα-L-フコシダーゼ処
置は阻害活性を著しく低下させたが、ノイラミニダーゼ処理がヒトκ-カゼイン
の阻害活性に及ぼす影響はそれ程ではなく、ヒト初乳分泌IgAの阻害活性には検
知可能な作用は示さなかったことが観察されている。
これに対してウシ成熟乳汁および初乳からのκ-カゼイン(図3B参照)では1
000μg/mlまでの濃度でHelicobacter pyloriの結合の阻害は認められず、ヒト
血清IgAは100μg/mlまでの濃度でその結合を阻害しなかった。ヒト胃切片をプ
ロテイナーゼKで前処置しても2種のHelicobacter pylori株P466およびWV229の
結合に著しい低下を生じた。
これらの結果を考え合わせると、結合は表面粘液細胞上に発現するシアリル化
糖タンパク質受容体よりもむしろフコシル化糖タンパク質受容体に仲介されてい
ることが強く示唆される。
ヒト胃の表面粘液細胞集団へのHelicobacter pyloriアドヘシンの結合が細胞
受容体中のシアル酸エピトープに依存しないことの指摘は、さらに他の2つの実
験結果によって支持される。
第一に、ヒト胃粘膜におけるシアル酸含有複合炭水化物の分布はインシトゥア
ッセイにおいて観察された接着の細胞パターンと相関しない。この分布の測定は
NeuAcα2→3Galβ1→4GlcNAcエピトープ(シアリル化N/O−グリカンおよ
び糖スフィンゴ脂質上)に特異的なMaackia amurensisアグルチニン(MAA)〔Kn
ibbs,R.N.,Goldstein,I.J.,Ratcliffe,R.M.& Shibuya,N.:J.Biol.
Chem.266(1991),83-88参照〕およびNeuAcα2→6Gal/GalNAc構造を認識する
Sambucus nigraアグルチニン〔Shibuya,N.,Goldstein,I.J.,Broekaert,W
.F.,Nsimba-Lubaki,M.,Peeters,B.& Peumans,W.J.:J.Biol.Chem.2
62(1987),1596-1602参照〕を用いる実験で実施した。MAAおよびSNAレクチンの
結合はヒト胃の粘膜下組織コンパートメントに限定されることが明らかにされた
。すなわち、それらは胃上皮細胞系統のいずれのメンバーとも反応しなかった(
図1Cおよび1D参照)。
同様に、コレラ毒素Bサブユニットは糖タンパク質および糖スフィンゴ脂質、
とくにGalNAcβ1→4(NeuAcα2→3)Gal-β-構造中の内部結合シアル酸を認
識する〔Holmgren,J.,Loennroth,I.,Mansson,J.E.,& Sven-nerholm,L.
:Proc.Natl.Acad.Sci.USA 72(1975),2520-2524参照〕。このレクチンは表
面粘液細
胞には結合せず、むしろその結合は胃単位の上方腺ドメインに位置する粘膜頚細
胞に限定されることが明らかにされた(図1E参照)。イヌ胃による対照実験で
は、(i)MAAは表面粘液細胞に結合すること、(ii)SNAは表面粘液細胞および
壁部細胞に結合すること、ならびに(iii)コレラ毒素Bサブユニットはこの種
ではいずれの胃上皮細胞系統にも結合しないことが示された。これは、これらの
レクチンが、イヌとヒトの間の表面粘膜細胞系統の分化プログラムにおける基本
的な差、すなわちHelicobacter pyloriへの明らかな結合能の差を解明するため
に使用できることを示唆している。
第二に、組織切片を10mMメタ過ヨード酸/酢酸ナトリウム、pH5.5と0℃でイ
ンキュベートした場合、イヌ胃における表面粘液細胞へのSNAの結合の喪失によ
り明らかであったように、末端シアル酸の非置換側鎖の炭素8と9の間の選択的
切断が達成できる〔Manzi,A.E.,Dell,A.,Azadi,P.& Varki,A.:J.Bio
l.Chem.265(1990),8094-8107参照〕。これらの過ヨード酸酸化条件を用いて
も、酢酸ナトリウム緩衝液単独で処理した対照切片と比較して、いずれの結合株
にもヒト胃または小腸上皮細胞集団への接着の低下は認められなかった。
他の観察が、ヒト胃における表面粘液上皮細胞へのHelicobacter pyloriの結
合を仲介する糖タンパク質(単数または複数)におけるフコシル化エピトープの
役割を支持している。3種の血液型抗原のいずれかに特異的なモノクローナル抗
体とプレインキュベートした酵素原腺を含むヒト胃切片では、細菌の結合が低下
した(図1F〜H参照)。α-L-フコースに特異的なUlex europaeus1型アグル
チニン(UEAl)も、Helicobacter pyloriアドヘシンの受容体を含む
同一細胞に結合した(図1I参照)。上に使用した「緩和な」メタ過ヨード酸酸
化反応条件は、UEA1の結合には影響を与えなかった(図1J参照)。この処置
はまた、Helicobacter pyloriの結合にも影響しなかった(図1KおよびL)。
ヒト表面粘液細胞へのUEA1の結合およびモノクローナル血液型H抗体の結合を
排除するためには、より苛酷な切断条件(すなわち、pHを4.5に低下させ、イン
キュベーション時間を1時間に延長し、インキュベーション温度を20℃に上昇さ
せる)が要求された。これらの条件はまた、コレラ毒素Bサブユニットの結合の
喪失、ならびにHelicobacter pylori株WV229およびP466の接着の喪失を生じた。
上述の多重標識免疫組織化学的研究により、FITC標識株P466ならびにWV229の
受容体部位がフコシル化組織血液型抗原H、BおよびLebとともに、この上皮細
胞系統のメンバー中に共発現されることが示された(図1F〜1H参照)。
これらの結果を考え合わせると、ヒト胃におけるUEA1−陽性、フコシル化血
液型抗原-陽性、表面粘液細胞へのHelicobacter pyloriの結合が末端非置換シア
ル酸残基に依存しないことが強く暗示される。さらに、MAAおよびSNAレクチンな
らびにコレラ毒素Bサブユニット結合部位の分布、さらにフェチュインおよび可
溶性シアリルラクトースが結合を阻害し得ないことは、これまでの研究〔Evans
,D.G.,Evans,D.J.Jr.& Graham,D.Y.:Infect.Immun.57(1989),227
2-2278;Evans,D.G.,Evans,D.J.Jr.,Moulds,J.J.,& Graham,D.Y.
:Infect.Immun.56(1988),2896-2906;およびSaitoh,T.,Natomi,H.,Zhao
,W.,Okuzumi,K.,Sugano,K.,Iwamort,M.& Nagai,Y.:FEBS Lett.282
(1991),385-387参照〕、インビボにおいて生体に対し未知の標的である細胞を
使用した研究〔Evans,D.G.,Evans,D.J.Jr.& Graham,D.Y.:Infect.I
mmun.57(1989),2272-2278;およびEvans,D.G.,Evans,D.J.Jr.,Moulds
,J.J.& Graham,D.Y.:Infect.Immun.56(1988),2896-2906参照〕におい
て喚起されてきたα2→3連結シアル酸の関与を強く否定するものである。
図1は、シアリルラクトースを欠く糖タンパク質としての推定Helicobacter p
yloriアドヘシン受容体の特性を示す。
図1Aおよび1B:酵素原腺を有する胃単位を含むヒト胃切片を、FITC標識He
licobacter pylori株WV229(1A)またはウシ顎下腺ムチンの0.5%溶液で処理
した細菌(1B)とインキュベートした。ムチンプレパレーションは結合の著し
い低下を生じる。
図1Cおよび1D:表面粘液、粘液頚、壁部および主上皮細胞系統のメンバー
を含有するヒト胃の切片を、ジゴキシゲニン標識Maackia amurensisアグルチニ
ン(MAA,1C)またはSambucus nigraアグルチニン(SNA,1D)とインキュベ
ートした。DIG接合レクチンは、ペルオキシダーゼ接合モノクローナルマウス抗-
DIG抗体プレパレーションで検出した。シアル酸含有炭水化物エピトープを認識
するこれらレクチンとインキュベートした場合、いずれの上皮細胞系統もバック
グランドを越えるシグナルを生成することはない。モノクローナル抗体単独を用
いた対照実験では染色は生じなかった(データは示していない)。
図1E:ヒト胃の隣接切片をローダミン接合コレラ毒素Bサブユニットとイン
キュベートした。胃単位の峡部または腺ドメインの上方部分に位置する粘液産生
細胞は、糖タンパク質および糖スフィン
ゴ脂質中の内部連結シアル酸を認識するこの毒素と反応する。サブユニットは、
小窩内に位置する表面粘液細胞に結合しない。
図1F〜1H:ヒト胃切片を、FITC標識Helicobacter pylori株P466(1F)
およびフコシル化血液型抗原Hに対するマウスモノクローナル抗体とインキュベ
ートした(図1Gではローダミン接合ウサギ抗-マウスIgGで可視化した)。図1
Hは,表面粘液細胞が細菌アドヘシン受容体ならびに血液型抗原を共発現するこ
とを示す二重暴露である。このモノクローナル抗体で処理しなかった切片(たと
えば図1A)と比較した場合、表面粘液細胞への細菌の接着の著しい低下が認め
られた(1F)。類似の結合低下が,フコシル化血液型抗原BおよびLebに対す
るマウスモノクローナル抗体を用いた場合にも得られた(データは示していない
)。非免疫マウスIgGではこの作用は生じなかった(データは示していない)。
図1I:ヒト胃切片をα-L-フコースを認識するFITC接合Ulex europaeusアグ
ルチニン(UEA1)とインキュベートした。レクチンは表面粘液細胞に結合する
。
図1J:ヒト胃切片をメタ過ヨード酸ナトリウム、pH5.5によって0℃で10分
間前処置しても、UEA1の結合に感知できる低下は生じない。
図1Kおよび1L:Helicobacter pyloriの小窩粘液細胞への結合(1K)も
メタ過ヨード酸ナトリウム前処置で影響されなかった(1L)。
図2は、Helicobacter pyloriの胃腸上皮細胞系統への結合のインシトゥアッ
セイを示す。
図2A:ヘマトキシリンおよびエオジン染色したヒト胃切片。酵素原領域にお
ける胃単位の最上部を示す。表面粘液細胞(M)および壁細胞(P)が示されて
いる。
図2Bおよび2C:微好気条件下に血液寒天培地上で5日間増殖させたのちの
FITC標識Helicobacter pylori株、WV229(2B)およびMO19(2C)とともにヒ
ト成人の胃切片をインキュベートした。胃潰瘍疾患患者から回収された株WV229
は胃単位の上方小窩内に位置する表面粘液細胞およびそれらに伴う管腔表面に結
合している。健康なキャリアーから単離された株MO19はいずれの細胞系統にも結
合しない。
図2Dおよび2E:株WV229を、ヒト成人の十二指腸(2D)および結腸(2
E)の切片とインキュベートした。胃の切片の染色に使用したFITC標識細菌プレ
パレーションはまた、絨毛結合上皮細胞(腸細胞を含む)も染色し、結腸陰窩の
上方部分およびそれらの表面上皮カフに位置する結腸細胞をきわめて弱く染色し
た。小腸および大腸陰窩に位置する分化程度の低い増殖性および非増殖性細胞に
は接着細菌は含まれていなかった。間葉コンパートメント内に位置する細胞集団
も陰性であった。ヒト胃、腸および結腸切片を株NCTC11637、NCTC11638およびP4
66とインキュベートすると図2B、2Dおよび2Eに示した結果に匹敵する結果
が生じた(データは示していない)。
図2F:成熟Sprague Dawleyラットからの胃の酵素原領域の切片を、微好気条
件下に血液寒天培地上で5日間増殖させたFITC標識WV229株とインキュベートし
た。Helicobacter pyloriはラット表面粘液細胞に結合したが、ラット胃単位の
峡部または腺ドメイン関連細
胞系統には結合しなかった。
図3は、インシトゥでのヒト胃粘膜へのHelicobacter pyloriの付着に対する
各種κ-カゼインの阻害活性の評価を示す。
図3A:Helicobacter pylori株P466は,ヒト胃切片上に被覆する前に、ヒト
κ-カゼイン(250μg/ml)とプレインキュベートした。
図3B:Helicobacter pylori株P466は、ヒト胃切片上に被覆する前に、ウシ
初乳κ-カゼイン(1000μg/ml)とプレインキュベートした。
図3C:ヒトκ-カゼインを、ヒト胃切片上に被覆する前にα-L-フコースで
前処置。被覆は同一のパラフィン包埋組織からの隣接切片上に行った。
例2
糖タンパク質のSDS-PAGE
細菌の標識は例1の記載と同様に実施し、細菌株としてはH.pylori株P466を
使用した。H.pyloriのインシトゥ接着アッセイおよび免疫組織化学的試験は例
1に記載の操作によって行った。
ヒト初乳サンプル、ヤギおよびウシ乳汁、ヒト初乳の硫酸アンモニウム沈澱分
画、およびネオ複合糖質のSDS−PAGEは4〜20%または12%プレキャストゲル(B
io-Rad,Meiville,NY)で実施した。タンパク質はSDS-2-メルカプトエタノー
ル中100℃で3分間変性させた。ゲルはクーマッシーブリリアントブルーで染色
した。分子量標準はSigma,St.Louis,MOから入手した。
イムノブロット解析
SDS-PAGE上で分離されたタンパク質を、半乾燥Multiphore Nova
Blotシステムによって1.5時間を要してニトロセルロース上に移した。タンパク
質はPonceau S溶液(Sigma,St.Louis,MO)で染色し、ついでブロットを1〜
3時間、1%Tris緩衝食塩溶液(TBS)、1%ブロック試剤(Boehringer Mannhe
im,Indianapolis,IN)、1mM MnCl2、1mM MgCl2、1mM CaCl2、0.05%ポリオ
キシエチレンソルビタンモノラウレート、0.1%NaN3からなるブロック緩衝液2
(BB2)中でインキュベートした。以下の血液型特異的モノクローナル抗体を使
用した。すなわち抗-Lea(CBM-LA1)および抗-Leb(CBM-LB1)(Immucor,Norcr
oss,GAより);抗−Lex(630/7H1)、抗−Ley(672/7E3)、抗−Leb,y(64/4
D8)、抗−H-2(92FR A2)(これらはAccurat Chemical & Scientific Corporat
ion,Westbury,NYより入手した);抗-1型鎖(LNT)(K21)、抗-H-1(17-20
6)、および抗-Leb(T218)(Signet Laboraories,Dedham,MAより入手)であ
る。レクチンには、ビオチン標識Ulex europaeus1型、Lotustetragonolobus、
ならびにH-抗原を認識するAnguilla anguilla(Sigma,St.Louis,MO);複合
糖質中の分岐Fucα1−6GlcNAcを認識するジゴキシゲニン(DIG)標識Aleuria
aurantia(Boehringer Mann-heim)を使用した。ブロットはBB2中5〜10μg/ml
濃度の抗体またはレクチンと6時間インキュベートし、ついでTBS中で7回洗浄
した。モノクローナル抗体はアルカリホスファターゼ(AP)接合ヤギ抗-マウス
抗体(Boehringer Mannheim)によって検出した。ジゴキシゲニンもしくはビオ
チン標識レクチンはAP接合ヒツジ抗-DIGもしくは抗-ビオチンFabフラグメント(
Boehringer Mannheim)でそれぞれ検出した。ブロットはTBS中で5回、0.1M Tr
is-HCl、pH9.5、0.1M NaCl、5mM MgCl2(APBIII)中で1回洗浄し、BCIP/
NBTで展開した。
レクチンのビオチン標識
Anguilla anguillaレクチンはCalbiochem Immunochemicals,La Jolla,CA製
のビオチン-NHSキットを用いてビオチン標識した。ビオチン化の程度(n=7)
はSDS-PAGE上での分子量シフトによって測定した。
ヒト分泌IgAプレパレーションのサイズ分画化
プールしたヒト初乳から500μgのヒト分泌IgA(Cappel Laboratories,West C
hester,PA)をSuperose 6HR 10/30に適用し、PBS、pH6.8により0.2ml/分で溶
出した。400μlのサンプルを集め、各UV−吸収分画のアリコート20μlをSDS-PAG
Eに付した。分泌IgAおよび120〜150kDaの糖タンパク質それぞれに相当する大ピ
ークおよび小ピークの分画を別個にプールし、インシトゥ接着アッセイによって
細菌接着の阻害性について試験した(下記参照)。
ヒト分泌IgAプレパレーションのPNGアーゼF消化
50μgの分泌IgAを100μlの0.1Mリン酸緩衝液、pH8.0、10mM β-MSH、20mM ED
TAおよび6単位のPNGアーゼF(Boehringer Mann-heim)中でインキュベートす
るか(天然条件)、または50μgの分泌IgAを最初0.2%SDS、10mMβ-MSH中100℃
で3分間インキュベートし、ついで0.1Mリン酸緩衝液、pH8.0で100μlに希釈し
た(変性条件)。変性サンプルにn-オクチルグルコシド(0.5%)を加えてPNG
アーゼF酵素のSDSとの干渉を減弱させた。インキュベーションは37℃で行い、
サンプルは0時間、1.5時間、4時間、7時間、18時間後に採取し、SDS-PAGEお
よびイムノブロットで解析した。
ヒト初乳および乳汁サンプルの調製
ヒト初乳サンプルはChildren's Hospital,St.Louis,MOから入手した。初乳
、ヤギおよびウシ乳汁は脱脂し、Sorvall SS-34ローター中20krpmで30分間遠心
分離して細胞屑を除去したのちの材料を、阻害実験またはSDS-PAGE上での解析に
使用した。
複合糖質の阻害試験
複合糖質がインシトゥにおいてヒト胃への細菌の接着を阻害する能力は、BB1
中標識細菌懸濁液200μlを室温において1.5時間、以下に掲げる複合糖質とプレ
インキュベートして解析した。細菌は1回洗浄し、200μlのBB1中に再懸濁し、
切片に添加した。接着は非阻害性細菌とインキュベートした切片と比較した。以
下の複合糖質を使用した。(n)は、総炭水化物アントローンアッセイによって
測定された、ネオ糖タンパク質に化学的に結合した炭水化物鎖の数を示す。すな
わち、分泌IgA、ラクト-N-テトラオース(LNT)-ヒト血清アルブミン(HSA)(
n=26)、ラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)-HSA(n=26)、ラクト-N-フ
コペンタオースI(H-1)-HSA(n=35)、ラクト-N-フコペンタオースII(Lea
)-HAS(n=30)、ラクト-N-フコペンタオースIII(Lex)-HSA(n=30)、ラ
クト-N-ジフコヘキサオースI(Leb)-HSA(n=32)、Ley-四糖(Ley)-HSA(
n=26)、ラクト-N-ネオフコペンタオースI(H-2)-ウシ血清アルブミン(BS
A)(n=29)、GlcNAcβ1−4(Fucα1−6)GlcNAcβ-BSA(すべてIsoSep A
B,Tullinge,Swedenから)である。H1-HSAはまたAccurate Chemical & Scienti
fic Corporationから入手した。ネオ複合糖質プレパレーション用のオリゴ糖は
すべてHPLCによって精製され,構造的に同定され特性づけられ、NMRスペクトル
により純度95%以上であることが製造業者によって示され
ていた。ネオ糖タンパク質の同一性は、LNT(非フコシル化前駆体鎖)を認識す
るモノクローナル抗体K21、抗-H-1(17-206)(ラクト系の1型鎖にH-抗原)
、抗-H-2(92FR A2)(ラクト系2型鎖上にH-抗原)、抗-Lea(CBM-LA1)(モ
ノフコシル化1型鎖)、(抗−Leb CBM-LB1)(ジフコシル化1型鎖)、抗−Leb
(T218)(入手できた交差反応性のより低いクローン)、抗−Lex(630/7H1)
(モノフコシル化2型鎖)、抗−Ley(672/7E3)(ジフコシル化2型鎖)、抗-
Leb,y(64/4D8)(ジフコシル化1および2型鎖を認識)ならびにH-抗原特異
的レクチンUlex europaeus1型およAnguillaanguillaを用いるイムノブロットに
より確認した。
オリゴ糖阻害試験
複合糖質がインシトゥにおいて細菌の接着を阻害する能力は標識細菌をBB1中
に希釈した以下のオリゴ糖と室温で3.5時間プレインキュベートすることによっ
て解析した。すなわち、ラクト-N-フコペンタオースI(H-1)、ラクト-N-フ
コペンタオースII(Lea)、ラクト-N-ジフコヘキサオースI(Leb)、ラクト-
N-フコペンタオースIII(Lex)、ラクト-ジフコテトラオース、2'-フコシルラ
クトース、3-フコシルラクトース(以上すべてIsoSep ABから)、H-ジ糖(Acc
urate Chemical & Scientific Corporation)、Fucα1-4-GlcNAcβO-TMSE(Sy
mbicom AB,Umea,Sweden)、およびL-フコース(Sigma,St.Louis,MO)であ
る。
インシトゥ接着アッセイにおける細菌結合の抗体阻害
抗-Lebおよび抗-H-2モノクローナル抗体の2倍逐次希釈物をBB1中ヒト胃粘膜
の別個の切片に適用し、室温で一夜インキュベートした。切片をPBS中で5回洗
浄し、結合した抗体はBB1中に1:
100に希釈し、室温で1時間インキュベートしたFITC接合ウサギ抗マウス免疫グ
ロブリンで検出した。同じ蛍光強度を生じる抗体希釈物を細菌阻害実験に選択し
た(それぞれ1:2000および1:5000)。切片は上述のように、モノクローナル
抗体とプレインキュベートし、ついで上述のように細菌を被覆した。
細菌のウエスタンブロット被覆アッセイ
SDS-PAGEは、それぞれ20μgの未分画ヒト初乳、ヤギ乳汁、ウシ乳汁または各
種ネオ複合糖質それぞれ1μgについて実施した。ニトロセルロースに移したの
ち、フィルターをBB2と一夜インキュベートし、TBS中で2回洗浄した。細菌懸濁
液(0.1 OD600)を加え(BB2中0.2ml/cm2)、回転ボトル中室温で一夜インキュ
ベートした。フィルターをTBS中で6×5分間洗浄し、ウサギ抗血清1:100を加
え、1時間インキュベートした。ブロットをTBSで5回洗浄した。細菌の結合物
はついで、1:200×に希釈したAP接合抗体と1時間インキュベートし、BB2中で
5回、APBIII中で1回洗浄し、BCIP/NBTで展開するか、または金-標識抗体とイ
ンキュベートし、BB2中で5回、ddH2O中で洗浄し、ついで銀増強IntenSE BL(Am
ersham,Arlington Heights,IL)で展開した。
糖脂質プレパレーション
免疫染色および細菌のHPTLC被覆解析
モノクローナル抗体、抗Lea(CBM-LA1)ならびに抗−Leb(CBM-LB1)を用い、
糖脂質中の相当する抗原の存在を、イムノブロット解析と題した項の材料および
方法の欄に記載のように、二次抗体と展開で検出した。
結果および考察
レクチンおよびモノクローナル抗体によるヒト分泌IgAおよび血清IgA中のフコシ
ル化血液型抗原の解析
H-抗原を認識するレクチンUlex europaeus1型およびAnguillaanguillaを用
いたイムノブロットにより、分泌IgAおよび血清IgAの両者の重鎖および軽鎖中に
H-抗原の存在することが明らかにされた。複合糖質中の分岐Fucα1−6GlcNAc
を認識するAleuriaaurantiaでも、共通のフコシル化構造が同定された。これら
の観察を考え合わせると、H-抗原中に提示される末端α-1.2連結フコースまた
はα-1.6連結フコースはそれだけではH.pylori受容体が構成されないことを示
している。ルイス血液型抗原Lea、Leb、LexおよびLeyに対するモノクローナル抗
体は、両IgA型の重鎖中におけるLeXおよびLeyの存在を認識したが、Lebは分泌Ig
Aの分泌成分に限定された。Leaは2つのIgA型のいずれにも見出されなかったが
、分泌IgAと共精製された120〜150kD糖タンパク質中に検出された。この糖タン
パク質はさらに10倍高いLeb/タンパク質比に相当する分泌成分に等しい強度のL
eb抗原を提示する。
分泌IgAプレパレーションのサイズ分画化
ヒト分泌IgAをFPLC-Superose6のカラムに適用し、優位の分泌IgA成分をわず
かな成分120〜150kD糖タンパク質から分離した。ピークはSDS-PAGEによって同定
して、別個にプールした。ついで精製された分画について、H.pylori阻害性を
分析した。2μg/mlの120〜150kDタンパク質に匹敵する前述のような(PNAS)
効率的細菌阻害には15μg/mlの分泌IgAを必要としたことから、2つの成分はそ
れらの各タンパク質含量に関連した接着阻害活性は仲介せず、むしろLeb含量を
反映した。
N-およびO-連結炭水化物鎖中のLeb抗原の分布の解析
未分画分泌IgAプレパレーションを、N-鎖放出酵素PNGアーゼFによって、変
性および天然条件下に消化した。天然条件時には、消化はきわめて限定され、炭
水化物含量の微少部分のみが除去されたが、SDS変性後には分泌成分のオリゴ糖
鎖は容易に放出され、これはSDS-PAGEでの分子量低下、およびイムノブロットに
より検出されるLeb抗原の不存在によって可視化された。しかしながら、120〜15
0kD糖タンパク質のLeaまたはLeb含量はいずれもPNGアーゼF処理によって影響さ
れず、これはこのタンパク質のO-連結炭水化物鎖におけるこれらの血液型抗原
の呈示を示すものである。
ヒト初乳サンプルによるH.pylori接着の阻害
ヒト脱脂初乳サンプルについて、LeaおよびLe-モノクローナル抗体を用いSDS-
PAGE移送イムノブロットで、ルイス血液型活性をスクリーニングした。低レベル
Lea、高レベルLebの初乳糖タンパク質を発現するLea-Leb+の個体(A)が見出さ
れた。さらに、Lea高レベル、Lebレベルは検出不能のLea+Leb-の個体(B)も同
定された。これらの個体はいずれも、Ulex europaeus1型およびAleuriaauranti
aレクチンで認識されるように、それぞれH-抗原およびFucα1-6GlcNAcを発現し
た。初乳タンパク質の阻害レベルの滴定により、Lea-Leb+初乳タンパク質は、10
μgタンパク質/mlにおいて細菌の接着を完全に排除することが明らかにされた
(図)。これに反して、Lea+Leb-初乳タンパク質では100μg/mlでも細菌の結合
にはわずかな低下を生じたのみであった。
ヤギおよびウシ乳汁抗原によるH.pylori接着の阻害
脱脂ヤギおよびウシ乳汁中には、LeaまたはLeb抗原活性は検出さ
れなかった。これらの非ヒト乳汁サンプルはいずれも100μg/mlの濃度で、阻害
活性を示さなかった。
フコシル化ネオ糖タンパク質の接着阻害性の解析
天然のHPLC精製または合成炭水化物鎖を有しNMRスペクトルによって血清アル
ブミンへの化学的結合の特徴を示す以下のネオ糖タンパク質が得られた。すなわ
ち、ラクト-N-テトラオース(LNT)-HSA、ラクト-N-ネオテトラオース(LNnT
)-HSA、ラクト-N-フコペンタオースI(H-1)-HSA、ラクト-N-フコペンタオ
ースII(Lea)-HSA、ラクト-N-フコペンタオースIII(Lex)-HSA、ラクト-N-
ジフコヘキサオースI(Leb)-HSA、Ley-四糖(Ley)-HSA、ラクト-N-ネオフコ
ペンタオースI-(H-2)-BSA、GlcNAcβ1−4(Fucα1−6)GlcNAcβ-BSAで
ある。ネオ糖タンパク質の同一性はモノクローナル抗体を用いるイムノブロット
によって確認した。抗-Lebモノクローナル抗体を除きすべての抗体が相当するネ
オ複合糖質を選択的に染色したことから、結果はネオ糖タンパク質のオリゴ糖鎖
の高い純度を確認するものであった。抗-Leb(CBM-LB1)クローンは、H-1-HSA
と、また程度は低いがLey-HSAと交差反応した。同一の感度でLeb-HSAを認識する
抗-Leb(T218)クローンは、Ley-HSAとは交差反応しなかったが、H-1-HSAを弱く
認識した。結果としてこれは、Ley-HSAとの反応性はCBM-LB1クローンの真の交
差反応性であることを指示している。これはまた、Ley-オリゴ糖が化学的に合成
され、したがってLebを夾雑する可能性はほとんどないので、IsoSep ABからの情
報によっても確認された。しかしながら、H-1-HSA接合体との残りの反応性は、L
eb-オリゴ糖の低レベル(5%未満)での夾雑として解釈できるも
のと考えられる。
フコシル化ネオ糖タンパク質の接着阻害性の解析のためには、細菌を20μg/m
lのネオ複合糖質と上述のようにしてプレインキュベートし、阻害活性は前述の
分泌IgAの20μg/mlと比較した。分泌IgAに加えて、Lebネオ糖タンパク質はこの
濃度で、H.pyloriの結合を完全に排除できた唯一の複合糖質であったが、結合
の低下はH-1-ネオ複合糖質でも観察できた。しかしながら、これは前述のように
、H-1-ネオ複合糖質における低レベルのLebの夾雑による低下としての解釈が可
能であろう。複合糖質の濃度を100μg/mlに上昇させてもH-2-BSA、Lea-HSA、Lex
-HSA、Ley-HSAまたはGlcNAcβ1−4(Fucα1−6)GlcNAcβ-BSAによる阻害
は生じなかった(データは示していない)。細菌結合のほとんど完全な低下を生
じたLeb−複合糖質および分泌IgAのレベルはそれぞれ5μg/mlおよび20μg/ml
と評価された。なお、前者では1μg/ml未満の濃度で部分的な阻害作用を認め
ることができた。
フコシル化オリゴ糖の接着阻害性の解析
フコシル化オリゴ糖の細菌阻害の分析のためには、細菌を一連の濃度のH-1、L
ea、Leb、LexおよびLeyオリゴ糖、0.25mM、2.5mMおよび25mM濃度のものと一緒に
プレインキュベートした。H-1、LebおよびLeyオリゴ糖は2.5mMの濃度で細菌の結
合を低下させ、25mMの濃度では結合はほとんど消失した。LeaおよびLexオリゴ糖
は25mMの濃度でも結合の阻害は示さなかった。H-ジ糖および2'-フコシルラクト
ースは20mMの濃度で細菌の結合を50〜75%低下させた。Fucα1−4GlcNAcβO-
TMSEおよび3-フコシルラクトースプレパレーションは50mMの濃度で細菌の結合
を低下させた。単糖α-L-フコー
スは175mMの濃度でも不活性であった。
乳汁タンパク質へのH.pyloriのウエスタンブロット被覆
ヒト初乳、ヤギ乳汁およびウシ乳汁をSDS-PAGE上で分離し、ニトロセルロース
上に移し、フィルターを細菌と共にインキュベートした。固定化糖タンパク質へ
の結合はヒト初乳の場合90kDタンパク質に検出されたが、一方、ヤギおよびウシ
乳汁サンプルは全く結合を示さなかった。
ネオ糖タンパク質へのH.pyloriのウエスタンブロット被覆
一連のネオ糖タンパク質をSDS-PAGEに付して、ニトロセルロース上に移した。
フィルターを細菌とインキュベートし、固定化した糖タンパク質への結合を金接
合抗体で検出した。金接合抗体シグナルは銀増強によって増幅した。H.pylori
のLeb-HSAへの特異的結合およびH-1-HSAへの弱い結合が証明された。
糖脂質へのH.pyloriのHPTLC被覆
一連の糖脂質をHPTLC−プレート上クロマトグラフィーに付して、細菌とイン
キュベートし、固定化された糖脂質への結合をAP接合抗体で検出した。クロマト
グラムを限界まで展開したのちにも、H.pyloriの結合はどの糖脂質にも検出で
きなかった。LeaおよびLeb抗原は相当するモノクローナル抗体により、それぞれ
の糖脂質中に検出された。
比較のためすべての5つの初乳サンプルおよび精製分泌IgAならびに50%およ
び80%AmSO4分画へのmabおよび細菌の被覆(計8個のサンプルとLeb接合体およ
び分子量対照)の実施
ヒト胃上皮細胞へのHelicobacter pyloriの付着は、インシトゥ接着アッセイ
を用いて、ヒト初乳分泌IgA、N-およびO-連結オ
リゴ糖のきわめて可変性のセットを有する分子によって阻害されること、一方、
血清IgAにはこのような阻害性はないことを例1に示した。分泌IgAのこの阻害活
性は、分泌IgAのα-L-フコシダーゼ処理によって著しく低下させることができ
た。H.pyloriのフコシダーゼ感受性受容体の構造を解明する努力は、分泌IgA分
子中のフコース残基の分布に集中された。モノクローナル抗体およびレクチンで
のイムノブロットにより、両IgA型は共通して、H-抗原、分岐Fucα1-6GlcNAc、
ならびにLexおよびLey血液型抗原のようなフコシル化炭水化物構造を有すること
が明らかにされた。これらの観察は、H-抗原に提示されるような末端のα-1、
2-連結フコース、分岐α-1、6-連結フコース、または2型鎖上の血液型抗原
(Galβ1、3GlcNAcを含有)は、それらだけではH.pylori受容体を構成しない
ことを指示している。Leb血液型抗原は分泌IgAの分泌成分に限定された炭水化物
構造であることが見出された。遊離の分泌成分はLex-抗原およびGlcNAcβ1−4
(Fucα1−6)GlcNAcβ(Mizoguchi/Kobata、1982)ならびにFucα1−3Fuc
およびGalβ14(Fuc1-6)GlcNAcのような稀なフコシル化炭水化物構造(Purkaya
stha/Lamm、1979)を示すことが以前に記載されている。しかし、Lea-血液型抗
原は2種類のIgA型のいずれにも見出されず、120〜150kD糖タンパク質中に分泌I
gAと共精製されて検出された。
分泌IgAプレパレーションのサイズ分画化クロマトグラフィーでは120〜150kD
タンパク質から分泌IgAが分離された。この高分子量糖タンパク質はさらに、分
泌成分と等しい強度の、10倍高いLea対タンパク質比に相当するLeb-抗原を示す
。
分離されたタンパク質分画をついでインシトゥ接着アッセイに付
したところ、120〜150kDタンパク質はそのLeb-抗原含量を反映する阻害力価を有
するHelicobacter pyloriの結合の有効なインヒビターとして明らかにされた。
この観察から指摘されるのは、分泌IgA分子およびH.pylori接着阻害活性をも
つ分画の両方に独特な唯一のフコシル化炭水化物構造としてのLeb-抗原であった
。
分泌成分の炭水化物鎖はもっぱらN-連結鎖であると報告されてきた。その後
の分泌IgAおよび120〜150kDタンパク質のLeb-抗原分布の解析では、分泌成分のL
eb-提示炭水化物鎖のみが、グリコシダーゼの最大処理活性のための糖タンパク
質のSDS変性後にも、PNGアーゼFによって放出されたことから、これらの抗原は
N-およびO-連結炭水化物鎖の両者に提示可能であることが明らかにされた。こ
れはLeb−血液型抗原が、糖脂質に加えて、糖タンパク質中の多数の複合炭水化
物鎖上に存在し得て、受容体の表現における変動が多分、ヒト胃上皮細胞におけ
る機能性受容体としてのそれらの効率に影響できるものと思われる(G1,PANS)
。
Leb-陽性およびLeb-陰性糖タンパク質の天然源として、ヒト初乳サンプルにつ
いて細菌接着阻害性を解析した。イムノブロットによって証明されたようにLea-
抗原に富むがLeb-抗原を欠く糖タンパク質を有する初乳の細菌結合阻害は弱いが
、一方、Leb-抗原に富みLea-抗原含量は低い初乳は、インシトゥ接着アッセイに
おいて、細菌接着の強力なインヒビターであった。これに対して、プールされた
ヤギ乳汁およびウシ乳汁はいずれもインシトゥ接着アッセイにおいて陰性であり
、これは、イムノブロットにより証明されたようにそれらがLea-およびLeb-抗原
を欠くことと相関関係があっ
た。
特定のフコシル化構造をもつ糖タンパク質の詳細な阻害性を解析するために、
ネオ糖タンパク質のライブラリーについてそれらの阻害作用をインシトゥ接着ア
ッセイで解析した。もっぱらLeb-血液型抗原をもつネオ糖タンパク質接合体が1
μg/mlの濃度で細菌の接着を妨害できる唯一の構造であることが見出され、一
方、Lea-、Lex-およびLey-ネオ糖タンパク質は100μg/mlの濃度でも何ら阻害活
性を発揮しなかった。これは、1型鎖上に提示される末端フコースに加えて更な
るフコース残基の存在を、H.pyloriに対する受容体類似体の重要な性質として
示すものである。H.pyloriの受容体特異性が無傷のジフコシル化糖鎖であるが
、Ley-(ジフコシル化2型鎖)が四糖として合成されていることから、無傷の2
型鎖に比較して、H.pyloriの相互作用においてその結合性に影響する可能性が
考えられるGlcNAcβ1−3Galβ1−4Glcの配列を欠いている場合には別の説明
を考えることもできる。このきわめて高度な特異性は、糖接合体中におけるオリ
ゴ糖の提示によって説明できるし、これを検討するために、一連の遊離フコシル
化オリゴ糖についてインシトゥ接着アッセイにより接着阻害性を解析した。興味
あることに、H.pyloriはモノフコシル化H-1ならびにジフコシル化Leb-およびLey
-オリゴ糖の両者を20mMの濃度で有効な細菌接着のインヒビターとして受け入れ
ている。複合糖質に比較して遊離オリゴ糖に対する受容体特異性が緩和されるこ
とは、立体的自由度により分岐フコース残基の重要性が減少することを示してい
る。この観察は、糖の特異性が複合糖質に比較して遊離オリゴ糖に対してはしば
しば識別性が低いというレクチンの挙動に類似している。2型鎖由来の
2-フコシルアミンおよびFucα1−2Gal(H)-ジ糖もわずかに高い濃度ででは
あるが同じく有効であった。これは2型鎖に比較して1型鎖が好ましいことを指
摘するものであり、および/または炭水化物鎖の長さが上述のように重要なパラ
メーターであることをさらに指示すると考えられる。2-フコシルラクトースが
わずかに低い受容体活性を示すと思われることから、ジフコシル化Ley中の分岐
フコース残基には受容体-アドヘシンの相互作用への何らかの寄与がある可能性
も考えられる。Fucα1−4GlcNAcβO−TMSEオリゴ糖鎖が驚くべきことにある
程度高い濃度で阻害性を示し、特定の結合は重要ではないかもしれず、さらに、
Fucα1−3末端をもつモノフコシル化3-フコシルラクトース(短いLex)が高
い濃度で細菌の結合を低下させるものの、末端フコース残基の重要性が強調され
る。これは、遊離オリゴ糖においては、好ましくは完全長1型鎖上の末端Fucα
1−2Gal結合がH.pyloriの受容体類似体の最も効率的な構造であることを示す
ものであるが、このコンフィギュレーションは阻害活性を保持しながらもH-ジ
糖まで最小化することが可能である。
Lea-抗原は多かれ少なかれ複雑な構造の多くの複合糖質中に存在しうるので、
Leb-エピトープに対するモノクローナル抗体がヒト胃上皮細胞への細菌の接着を
阻害できるか否かを調べることはきわめて興味があった。適当な陰性対照として
は2型鎖上のH-抗原を認識するモノクローナル抗体を使用した。胃上皮細胞の
切片にFITC-接合抗-マウス抗体により検出された量と同量のモノクローナル抗体
を添加することにより、細菌の被覆前に切片をLeb-モノクローナル抗体とプレイ
ンキュベートした場合には、H-2モノクロ
ーナル抗体に比較して、結合の実質的な低下が認められた。これは天然の可溶性
受容体の類縁体またはクリアランス因子たとえば初乳の受容体構造に加えて、Leb
-抗原はまた、宿主標的組織のH.pylori受容体構造であり得ることを示すもの
である。しかしながら、可溶性Leb−含有糖タンパク質とH.pyloriの相互作用は
、それが細胞表面上に提示された固定化受容体の場合とは異なる可能性がある。
固定化された糖受容体との相互作用の詳細な特異性を検討するために、2つの固
相アッセイ系を使用した。すなわちウエスタンブロット上で分離されたネオ糖タ
ンパク質への細菌の被覆およびHPTLCプレート上で分離した糖脂質への細菌の被
覆である。細菌のウエスタンブロット被覆によりLeb-ネオ糖タンパク質との特異
的相互作用とさらに1型鎖上のH-抗原への一部の弱い結合が証明された(LNF1
)。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA,
CN,CZ,CZ,DE,DE,DK,DK,FI,F
I,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ,LK
,LV,MD,MG,MN,MW,NO,NZ,PL,
RO,RU,SD,SK,SK,TJ,UA,US,U
Z,VN
(72)発明者 フアールク,ペル
アメリカ合衆国ミズーリ州 63105.クレ
イトン.デマン 911
(72)発明者 ボレーン,トーマス
アメリカ合衆国ミズーリ州 63105.セン
トルイス.サウス ウツドアベニユー6300
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.少なくとも1個の末端L-フコース単位からなるジまたはオリゴ糖グリコシ ドの、ヒト胃粘膜のヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)による感 染が関与する状態のヒトにおける処置および予防用の医薬組成物の製造のための 使用。 2.グリコシドがヘリコバクター・ピロリの表面上に存在するアドヘシンに結合 することができる請求項1に記載の使用。 3.少なくとも1個の末端L-フコース単位を有するジまたはオリゴ糖グリコシ ドはヒト胃粘膜の組織学的切片の上皮細胞へのヘリコバクター・ピロリの細胞の 接着を阻害または実質的に低下できる、請求項1または2に記載の使用。 4.少なくとも1個の末端L-フコース単位を有するジまたはオリゴ糖グリコシ ドはヘリコバクター・ピロリの細胞のヒト胃粘膜の組織学的切片の上皮細胞への 接着を阻害することが可能で、この場合細菌細胞は500μg/mlまでの濃度でグリ コシドとプレインキュベートされ、阻害は相当する非プレインキュベート細菌細 胞の接着に比較して少なくとも50%である、請求項1〜3のいずれかに記載の使 用。 5.ヒト胃粘膜の組織学的切片が非疾患ヒト胃粘膜組織のサンプルをフォルマリ ンで固定し、該サンプルをパラフィン中に包埋し、包埋サンプルの約5μm切片 を作成し、この切片をガラススライド上に載せ、キシレンおよびイソプロパノー ルによって洗浄して切片を脱パラフィンし、その切片をリン酸緩衝食塩溶液中好 ましくはそれぞれ約0.2%および0.05%濃度のウシ血清アルブミンおよび非イオ ン性ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート界面 活性剤からなる緩衝液とインキュベートすることによって調製される、請求項3 または4のいずれかに記載の使用。 6.ヘリコバクター・ピロリの細胞が標識され、好ましくは蛍光色素によって標 識され、とくにフルオレセインイソチオシアネートによって標識される、請求項 3〜5のいずれかに記載の使用。 7.細菌細胞は、食塩および炭酸ナトリウムをそれぞれ好ましくは約0.15Mおよ び0.1M濃度で含有するpH約9.0の緩衝液中の細菌細胞懸濁液を約0.1mg/ml濃度 のフルオレセインイソチオシアネートで処理し、室温で1時間インキュベートし 、細菌細胞を遠心分離により分離し、ついで細菌細胞を非イオン性ポリオキシエ チレンソルビタンモノラウレート界面活性剤を好ましくは約0.05%の濃度で含有 するリン酸緩衝食塩溶液で洗浄することによって標識される、請求項6に記載の 使用。 8.細菌細胞のグリコシドとのプレインキュベーションは、リン酸緩衝食塩溶液 中好ましくはそれぞれ約0.2%および0.05%濃度のウシ血清アルブミンおよび非 イオン性ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート界面活性剤からなる緩衝 液中細菌細胞懸濁液に500μg/mlまでの濃度のグリコシドを好ましくは室温にお いて約2時間かけて添加し、細菌細胞を遠心分離によって分離し、ついで細胞を 同一の緩衝液中で洗浄することによって行う、請求項4〜7のいずれかに記載の 使用。 9.プレインキュベートしたまたはしない細菌細胞の接着は、1mlあたり細菌細 胞約106〜108個を含有する希釈細菌細胞懸濁液を組織学的切片に適用し、この切 片を細菌細胞の懸濁液と加湿チャンバー内において室温で1時間インキュベート し、スライドをリン 酸緩衝食塩溶液中で洗浄し、切片の上皮細胞への接着度を確立することにより測 定される、請求項4〜8のいずれかに記載の使用。 10.用いられる細菌細胞は請求項7に記載のようにして調製され、切片の上皮細 胞への接着度は蛍光顕微鏡下の検査により確立される、請求項9に記載の使用。 11.用いられる細菌細胞は、ヘリコバクター・ピロリ株NCTC11637、NCTC11638、 WV229およびP466の細胞から選択される、請求項1〜10のいずれかに記載の使用 。 12.ヘリコバクター・ピロリによる胃腸感染が関与する状態は慢性活動型(B型 )胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃腺癌および胃リンパ腫からなる、請求項1〜 11のいずれかに記載の使用。 13.ジまたはオリゴ糖グリコシドは糖タンパク質である、請求項1〜12のいず れかに記載の使用。 14.糖タンパク質はヒトκ-カゼイン、ヒト初乳IgA、およびウシ顎下腺ムチンか ら選択される、請求項1〜13のいずれかに記載の使用。 15.オリゴ糖グリコシドが、2個の末端L-フコース単位を有する、請求項1〜 13のいずれかに記載の使用。 16.オリゴ糖グリコシドの糖鎖の非還元末端の末端四糖が、ルイスb−四糖、Fu cα1−2Galβ1−3(Fucα1−4)GlcNAcβ1-である、請求項15に記載の使 用。 17.ヒト胃粘膜のヘリコバクター・ピロリによる感染によって起こるヒト疾患の 処置および/または予防方法において、少なくとも1個の末端L-フコース単位 からなるジまたはオリゴ糖グリコシ ドの有効量をそれを必要とするヒト患者に投与することからなる方法。 18.少なくとも1個の末端L-フコース単位からなるジまたはオリゴ糖グリコシ ドはヘリコバクター・ピロリの表面上に存在するアドヘシンに結合できる、請求 項17に記載の方法。 19.少なくとも1個の末端L-フコース単位を有するジまたはオリゴ糖グリコシ ドはヘリコバクター・ピロリ細胞のヒト胃粘膜の組織学的切片の上皮細胞への接 着を阻害または実質的に低下させうる、請求項17または18に記載の方法。 20.少なくとも1個の末端L-フコース単位を有するジまたはオリゴ糖グリコシ ドはヒト胃粘膜の組織学的切片の上皮細胞へのヘリコバクター・ピロリの細胞の 接着を阻害することができ、細菌細胞は、500μg/mlまでの濃度でグリコシドと プレインキュベートし、阻害は相当する非プレインキュベート細菌細胞の接着に 比較して少なくとも50%である、請求項17〜19のいずれかに記載の方法。 21.ヒト胃粘膜の組織学的切片は非疾患ヒト胃粘膜組織のサンプルをフォルマリ ンで固定し、このサンプルをパラフィン中に包埋し、包埋サンプルの約5μm切 片を作成し、この切片をガラススライド上に載せて、キシレンおよびイソプロパ ノールによって洗浄して切片を脱パラフィンし、その切片をリン酸緩衝食塩溶液 中好ましくはそれぞれ約0.2%および0.05%濃度のウシ血清アルブミンおよび非 イオン性ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート界面活性剤からなる緩衝 液とインキュベートすることによって調製される、請求項19または20のいずれか に記載の方法。 22.ヘリコバクター・ピロリの細胞が標識され、好ましくは蛍光色素によって標 識され、とくにフルオレセインイソチオシアネートによって標識される、請求項 19〜21のいずれかに記載の方法。 23.細菌細胞は食塩および炭酸ナトリウムをそれぞれ好ましくは約0.15Mおよび 0.1M濃度で含有するpH約9.0の緩衝液中の細菌細胞懸濁液を約0.1mg/ml濃度の フルオレセインイソチオシアネートで処理し、室温で1時間インキュベートし、 細菌細胞を遠心分離により分離し、ついで細菌細胞を非イオン性ポリオキシエチ レンソルビタンモノラウレート界面活性剤を好ましくは約0.05%の濃度で含有す るリン酸緩衝食塩溶液で洗浄することによって標識される、請求項22に記載の使 用。 24.細菌細胞のグリコシドとのプレインキュベーションは、リン酸緩衝食塩溶液 中好ましくはそれぞれ約0.2%および0.05%濃度のウシ血清アルブミンおよび非 イオン性ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート界面活性剤からなる緩衝 液中細菌細胞懸濁液に500μg/mlまでの濃度のグリコシドを室温において約2時 間かけて添加し、細菌細胞を遠心分離によって分離して、ついで細菌細胞を同一 の緩衝液中で洗浄することによって行う、請求項20〜23のいずれかに記載の方法 。 25.プレインキュベートしたまたはしない細菌細胞の接着は1mlあたり細菌細胞 約106〜108個を含む希釈細菌細胞懸濁液を組織学的切片に適用し、この切片を細 菌細胞の懸濁液と加湿チャンバー内において室温で1時間インキュベートし、ス ライドをリン酸緩衝食塩溶液中で洗浄し、切片の上皮細胞への接着度を確立する ことにより測定する、請求項20〜24のいずれかに記載の方法。 26.用いられる細菌細胞は請求項23に記載のようにして調製され、切片の上皮細 胞への接着度は蛍光顕微鏡下の検査により確立される、請求項25に記載の方法。 27.用いられる細菌細胞は、ヘリコバクター・ピロリ株NCTC11637、NCTC11638、 WV229およびP466の細胞から選択される、請求項17〜26のいずれかに記載の方法 。 28.ヘリコバクター・ピロリによる胃腸感染が関与する状態は慢性活動型(B型 )胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃腺癌、および胃リンパ腫からなる、請求項17 〜27のいずれかに記載の方法。 29.ジまたはオリゴ糖グリコシドが、糖タンパク質である、請求項17〜28のいず れかに記載の方法。 30.糖タンパク質はヒトκ-カゼイン、ヒト初乳IgA、およびウシ顎下腺ムチンか ら選択される、請求項17〜29のいずれかに記載の方法。 31.オリゴ糖グリコシドが2個の末端フコース単位を有する、請求項17〜29のい ずれかに記載の方法。 32.オリゴ糖グリコシドの糖鎖の非還元末端の末端四糖が、ルイスb-四糖Fucα 1-2Galβ1-3(Fucα1-4)GlcNAcβ1-である、請求項31に記載の方法。
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