【発明の詳細な説明】
近視野光学顕微鏡
本発明は、近視野光学顕微鏡、詳細には走査型近視野光学顕微鏡(SNOM)
、特にアパチャー走査型近視野光学顕微鏡(a−SNOM)に関する。
[発明の背景]
近視野光学顕微鏡は、当技術分野で周知である。E.A.シング(Synge)「A
Suggested Method for Extending Microscopic Resolution into the Ultra-Mi
croscopic Region」、Phil.Mag.,6,pp.356-362(1928年)で、初めて理論的
な提案が行われ、その後、J.A.オキーフ(O'Keefe)は「Resolving Power o
f Visible Light」、J.OPt.Soc.Am.,Vol.46,No.5,p.359(1956年5月)で
、微小距離の走査は困難であり、当時この点がまだ解決されていなかったことか
ら、前記の提案が実現には程遠いと指摘している。しかし、E.A.アッシュ(
Ash)およびG.ニコルズ(Nicholls)の論文「Super-Resolution Aperture Sca
nning Microscope」、Nature,Vol.237,No.5357,pp.510-515(1972年6月30
日)に見られるように、その基本的着想がさらに追求された。
前記の提案では、薄膜に設けたピンポールをアパチャーとして使用している。
観察対象となる表面を、薄膜アパチャー
の直径にほぼ等しい距離の所に配置しなければならないため、利用する光の波長
に比べて、表面の平坦度がはるかに高い物体しか観察できないことになる。
W.D.ポール(Pohl)は、ヨーロッパ特許EP−A−0 112401号(
1982年)で、走査型近視野顕微鏡の最初の実用化について報告している。こ
の走査型近視野顕微鏡では、先端が鋭い光学的透明体を不透明な層で覆い、この
透明体の先端に、使用する光の波長よりも直径が小さい開口部を形成してアパチ
ャーとしている。
現在、走査型近視野光学顕微鏡(SNOM)という名称は、様々な近視野装置
に使用されている。参考のため、近視野光学顕微鏡技術の理論または実際の現状
について詳細に述べている以下の論文を参照する。
F.ローナー(Rohner),J.Appl.Phys.,Vo1.59,No.10,pp.3318-3327(
1986年5月15日)
・ T.タカセ(Takase)ら、米国特許5138159号明細書
・ D.クールジヨン(Courjon),J.M.ヴィグロー(Vigoureux),M.ス
パイェ(Spajer),K.サラエッディン(Sarayeddine),S.ルブラン(Lebla
nc),Applied Optics,Vol.29,No.26,pp.3734-3740(1990年9月10日)
・ R.C.レディック(Reddick),R.J.ウォーマック
(Warmack),D.W.チルコット(chilcott),S.L.シャープ(Sharp),
T.L.フェレル(Ferrell),Rev.Sci.Instr.,Vol.61,No.12,pp.3669-
3677(1990年12月)
・ E.ベツィヒ(Betzig),J.K.トラウトマン(Trautman),Science,V
ol.257,pp.189〜195(1992年7月10日)
従来の走査型近視野光学顕微鏡では、観察対象を照明するのに、使用する光の
波長に比べて入射ひとみの直径が小さい小径アパチャーを採用している。このよ
うな顕微鏡は、SNOMの中で、アパチャー走査型近視野顕微鏡(a−SNOM
)と呼ばれている。レーザー・ビームをアパチャーに導き、そのごく一部を通過
させて観察対象の表面に当てる。観察対象が、アパチャーから光の波長に比べて
短い距離の所に、すなわち近視野にあると、観察対象で反射された光または観察
対象を透過した光を集光することができる。透過光は、試料の表面に垂直でアパ
チャーに対向した軸上で集光する。米国特許第5138159号明細書では、レ
ーザ・ビーム用の中央穴を有する凹面鏡を使って、反射光を集光して試料表面の
反対側に配置した検出器に集束させることを記載している。検出した光を処理し
て、被観察面の像を結ばせる。現在、a−SNOMの横方向分解能は、可視光線
で約λ/20となっている。
例えば、欧州特許EP−A−0 437170号明細書では、高密度記憶装置
の一部としての様々なSNOM技術の可
能性について指摘している。
しかし、干渉が原因で入射する周期的変調を受けるため、前記のa−SNOM
の検出光密度は、先端と試料との間の距離が変動しても影響を受けない。したが
って、測定した信号を使って先端とサンプルとの接近および両者間の距離を制御
するのは困難である。
別の形式のSNOM、すなわちクールジョンらの論文に記述されているような
従来の走査型トンネル光学顕微鏡(STOM)は、前記のレディックらの論文や
米国特許第5018865号明細書に記述されているように、別名を光子走査型
トンネル顕微鏡(PSTM)ともいい、通常内部で反射される光子を尖った光学
的に透明な先端にサンプル変調トンネル効果による。光子源は、試料表面からの
光ビームの内部全反射によって生じる消失場である。
内部反射は、試料表面を全反射プリズムの斜面上に配置して行う。光ビームは
プリズムの側面の一方に垂直に入射し、斜面で全反射される。欧州特許EP−A
−0 426571号明細書に記載のPSTMでは、プリズムの代わりに半球を
使用している。
消失場強度の空間的変動が結像の基礎となる。この変動により、試料表面に対
して垂直な、指数関数的に減衰する波形が得られる。内部全反射面から先端にト
ンネル効果で通過する光子は、適切な検出器に導かれ、そこで光束が電気信号に
変換される。PSTMは、先端が消失波の減衰長さの範囲内
に位置し、正確な距離制御が可能な場合にのみ信号を検出する。
PSTMの問題点の一つは、試料の照明に関するものである。a−SNOMの
場合とは対照的に、試料全体を測定時間全体にわたって照明する。したがって、
加熱またはその他の光の影響により損傷を受ける可能性が高くなる。さらに、光
プローブの先端が透明なため、PSTMは、a−SNOMに比べて横方向の分解
能が劣る。この分解能を向上させる一つの方法は、ごく小さいアパチャーを残し
てPSTMの先端を不透明な材料で覆うものであり、アパチャーはこの場合、試
料の明確に規定された点から反射される光を集光する働きをするが、検出光の強
度は低下する。
したがって、本発明の目的は、既知の近視野顕微鏡を改善することであり、詳
細には、前記の問題点を解消し、距離制御が改善されたa−SNOMを提供する
ことを狙いとする。本発明の他の目的は、近視野光学顕微鏡の利用範囲を拡大す
ることである。
[発明の開示]
本発明は、試料を透過し、試料によって規定される平面に垂直な方向と実質上
異なる角度θで、好ましくは臨界角θcよりも大きな角度θで近視野から入射す
る光の強度を検出する手段を備えた近視野光学顕微鏡を提供するものである。本
発明では、近視野顕微鏡観察に角度解像測定、特にどの顕微
鏡観察でもこれまでに採用していない角度範囲の角度解像測定を導入する。
本発明をさらに詳しく説明するにあたり、まず、臨界角の概念について述べる
。臨界角は周知の概念であるが、当技術分野でまま見られるように定義が一貫し
ていないため、誤解を生じることもある。臨界角は、屈折率が異なる2つの媒体
、例えば、屈折率がそれそれn1とn2で、n1<n2の関係にある2つの媒体の境
界を光が通過する際に観測される。密度が相対的に低い方の媒体(n1)内を進
んで境界を通過する入射光ビームは、密度が大きい方の媒体(n2)中で、臨界
角に等しいか臨界角よりも小さい角度で屈折する。臨界角θcの正弦(sinθ
c)は、n2/n1に等しい。入射角および反射角は共に境界の法線から、すな
わち、ビームが境界に当たる点を通り境界に対して垂直な軸から測定する。した
がって、古典光学の法則に従って、臨界角θcおよび2つの媒体の間の境界によ
って画定される立体角によって限定される円錐内への光の入射は禁じられること
になる。ところが、近視野光学では、この禁則はそれほど厳しくなく、本発明で
は、臨界角θcよりも大きな角度で入射する光を検出する手段を開示する。どん
な検出器にも測定を行うための有限な有感領域がある点を考慮すると、角度θに
より観察の方向が決まる。したがって、光の測定強度は、近視野からある立体角
で入射する光の強度であり、前記の立体角は検出器の有感領域によって決まり、
有感領域の中央ではθとなる。したがって、ある
方向が上に述べたような観察の立体角内に入っていない場合、その方向は、試料
表面に垂直な方向とは実質上異なる方向であると定義される。
本発明についてさらに詳しく述べると、本発明の顕微鏡は、測定時に試料を配
置する面を有する試料支持手段を備えている。本発明の好ましい実施例では、試
料支持手段は透明な材料からできており、臨界角θcよりも大きな角度θで試料
領域から入射する光が前記領域から光検出手段に向かって伝播するように形成さ
れている。古典光学的には禁じられている領域に入射する光はごくわずかである
ため、試料支持手段と光検出手段との間の境界で光の強度がさらに低下するのを
防止することが重要である。したがって、試料支持手段の境界をある角度で傾斜
させて、測定すべき角度(または角度範囲)で入射する光がほぼ直角に境界に当
たるようにし、あるいは試料キャリアの屈折率に等しいかまたはそれより大きい
屈折率を有する中間媒体を介して試料支持手段の境界を光検出手段に接続する。
好都合なことに、試料支持手段は半球部を備え、その平担面が近視野の範囲内
にある試料に接している。近視野の位置を点放射線源だと考えると、近視野の位
置が平担面の中央にある場合、半球部の他方の面が湾曲しているため、近視野か
ら入射する光は曲面に対して垂直に伝播することになる。試料キャリアが半球状
であるため、光検出手段を任意の角度θまたはφで随意に配置できることになる
。ここでφは半球部
の平担面に、すなわち試料表面に平行な平面内の任意の角度(方位角)である。
半球部を最大限に利用するには、半球部のどこにでも配置できる移動可能な光検
出器を半球部に取り付けるか、あるいは半球部の曲面の少なくとも一部を覆う検
出器列を半球部に取り付ける必要がある。
しかし、大抵の関連実施例では、測定がθおよびφの狭い範囲に制限される。
すなわち、禁止領域に入射する放射線のほとんどが、臨界角に20°を加えた範
囲に限定される。したがって、試料支持手段を半球状に成形するか、あるいは湾
曲外面をやめて、好ましい角度範囲から入射する光が検出器まで伝播できるよう
に適切に選択したプリズムとして成形することができる。より広い範囲の角度θ
またはφを対象とする必要がある場合は、本発明の上記の実施例で、検出器列ま
たは少なくとも1つの移動可能な検出器を使用する。
他の非近視野型光学顕微鏡への装置の搭載が容易になるように、前記の試料支
持手段の1つを標準型光学ステージと類似の形に、または前記標準型光学ステー
ジの一部として形成するのが特に有用であろう。
臨界角θcよりも大きな角度θで入射する光の測定を、SNOM技術から知ら
れる、試料平面に対して垂直に透過する光の測定と、または古典光学的に認めら
れる円錐内、すなわち制限角度としてθcを有する円錐内の他のどの方向にも入
射する光の測定と容易に組み合わせることができる。S偏光、p偏光などの様々
な偏光モード、すなわち、試料の表面に対
する法線の方向θおよび観察の方向φによって規定される平面に対して平行な偏
光方向と垂直な偏光方向を比較することによって、試料についての追加情報が得
られる。様々な方向で測定される光の強度を加算し(あるいは減算し)、特に、
様々な角度で入射する光を鏡、ビームスプリッタ、位相シフタ、あるいは当業者
に既知のその他の手段を使用して位相に応じて干渉させ、あるいは重ね合わせる
ことにより測定の感度はさらに向上する。
近視野から禁止領域に入射する光の強度は、明瞭に、既知のSNOM装置で検
出される透過光に比べて、近視野入射手段と試料の位置との間の距離に応じてよ
り敏感に変化する。したがって、本発明の装置で検出される光を利用して、近視
野発生手段と試料領域との間の接近制御および距離制御を行うことが好ましい。
フィードバック・ループを使用して光の強度を一定値に保つ距離制御については
、PSTM関連の発行物から知られている。
本発明の上記その他の目的、特徴および利点は、添付の図面に図示する本発明
の好ましい実施例についての下記のより詳細な説明から明らかになろう。
[図面の簡単な説明]
第1図は、既知の近視野光学顕微鏡(a−SNOM)の基本要素を示す略図で
ある。
第2A図、第2B図は、本発明の第1の好ましい実施例の
2つの変形例の基本要素を示す図である。
第3図は、本発明による別の好ましい実施例の詳細図である。
第4図は、異なる観測角度について、検出された光の強度を、試料から近視野
入射端までの距離に対してプロットしたグラフである。
[発明の好ましい実施例]
第1図に、既知の走査型近視野光学顕微鏡(SNOM)の基本構成要素を示す
。走査型近視野光学顕微鏡は、通常、ガラス製または水晶製の透明な試料支持部
1と、例えば水酸化カリウム溶液中で標準的な光ファイバをエッチングし、アル
ミニウムなど不透明な材料で被覆したテーパ付き光ファイバ2とを備えている。
ファイバ2は、被覆のない先端部を有し、この先端部がアパチャーとなる。光フ
ァイバには、強力な放射線を放出する光源3が接続されている。適当な光源とし
ては、レーザ・ダイオードを含めて、各種のレーザがある。アルゴン・レーザか
ら放出され波長488nmの光を用いて、本発明の以下の実施例に従って測定を
行う。
また、光ファイバ2には、圧電材料製の位置決め要素4および5も取り付けて
あり、これにより光ファイバ先端の三次元微細移動を行う。位置決め要素の制御
は、それぞれ距離制御回路6および走査制御回路7から入射する電気信号によっ
て行う。Z方向位置決め要素4により、試料表面上部の所定
の高さに光ファイバの先端を位置決めすることができる。X−Y方向位置決め要
素5は、光ファイバの先端を試料表面と平行方向に移動させるのに使用する。ス
テッピング・モータまたは直流モータで駆動するか、あるいは試料を大まかに位
置決めする場合には手で駆動する機械式アクチュエータ(図示せず)により、位
置決め要素は支持されている。
光電増倍管、光ダイオード、電荷結合素子などの光検出器8が、光ファイバ先
端の軸に沿って、試料支持部1の反対側配置されている。検出器8は、感光要素
の前方に取り付けた光学顕微鏡を備えている場合が多い。以下の例では、光電増
倍管を使って光の強度を測定する。光検出器は、イメージ処理/分析装置9に接
続されている。近視野光学顕微鏡の主要な制御装置のモニタリングおよびプログ
ラミングはすべて、第1図でコンピユータ・ユニット10としてまとめた適切な
マイクロプロセッシング手段と演算手段によって行う。
検査する試料を、試料支持部1上に配置する。まず大まかに位置決めしたあと
、光ファイバ2の先端を精密に試料表面の近傍まで移動して、試料を光学近視野
中に入れる。光学近視野は、光ビームを光ファイバ内に通して発生させる。光フ
ァイバ先端部の微小なアパチャーから放出された光は、近視野を形成し、アパチ
ャーの寸法(20〜50nm)に相当する長さの範囲内で崩壊する。試料および
試料支持部をほぼ垂直方向に透過した光は、光検出器8で集められて電気信号に
変換され、イメージ処理装置9により処理されてデータとな
り表示される。試料を水平方向に走査すると、試料表面の完全なピクチャーが得
られる。
近視野光学顕微鏡の一般的な要素について、本発明の以下の実施例を第1図に
より説明する。
本発明の第1の実施例によれば、第2A図に示すように、試料支持部21は半
球部211を備えている。試料25は、テーパ付き光ファイバ22の先端の下に
ある半球部211の平坦面212の中央に配置する。前述の既知の近視野顕微鏡
とは異なり、この実施例では、近視野ゾーン26から離軸角、具体的には臨界角
θcよりも大きな角度θで入射する光を集光するために検出器28を配置してい
る。図に示したように、光は、近視野ゾーン26から臨界角で限定される円錐よ
りも大きな円錐内に入射する。検出器28は様々な位置に配置することができる
。
使用する光の波長に相当する距離の所に、光の遠視野成分だけが残る。この遠
視野成分に対して、試料支持部21は、伝播媒体の役目を果たす。試料支持部が
半球状であるため、遠視野成分は境界213に直角に入射し、わずかな内部反射
だけで試料支持部を通過する。この実施例では、検出器28を境界の近くに配置
して、光の強度がさらに減衰するのを防止している。しかし、集光した光を光フ
ァイバでわずかに離れた位置にある検出器の方向に導くことによって、前記の位
置にある検出器の位置を変えることも可能である。試料支持部21の寸法の都合
上、比較的大きな検出手段28を直接接
続できない場合、このような構成が重要になる。
第2A図の斜線を施した領域27は、本発明の範囲内では、角度θの好ましい
範囲が約20°になることを示している。
第2B図に示すように、第1の実施例の変形例では、テーパ付き光ファイバの
被覆していない先端の代わりに、アルミニウム23で被覆した先端を使用する。
試料の位置で近視野を発生させるために、小さなアパチャー24は残してある。
被覆していない先端ではアパチャーの形状が不確定になるので、この実施例では
、第1の実施例に比べて分解能が高くなる。さらに、光検出器のアレイ281〜
283により、θcよりも大きい場合も小さい場合もある様々な角度θで入射す
る光を検出することができ、本発明による顕微鏡の使用範囲が同時角度分解測定
にまで拡張される。
アパチャーを備えた被覆された先端は第3A図、第3B図に示す実施例にも適
用される。第3B図は、試料の断面を示す第3A図の平面図である。円形の試料
支持部31は、従来の顕微鏡に見られる標準的なステージ311にはまるように
なっている。光検出器38および381のアレイは、試料位置35を取り巻く近
視野ゾーン36から入射する光の方位角分布、すなわち様々な角度φでの光の強
度を検出するために、試料支持部の周囲に配置されている。円周の法線上に光検
出器381を数個配置して、角θに対する光の強度の変化を測定することができ
る。
θcよりも大きな角度で入射する光は、上述の屈折の法則
に従って支持部381の対向する境界で内部全反射する。したがって、支持部は
、光ファイバの例からわかるように、後続の内部全反射によって光を導くことが
できる。斜線を施した領域37は、この光を導く効果を示している。支持部の側
壁312を透過する光の角度の範囲は、支持部の形状および物質の屈折率によっ
て決まる。側壁312が垂直な場合、41.3〜48.7°の角度で入射する光
は、屈折率n=1.515の最も一般的に使用される光学機器用ガラスであるB
K7を使用するとき透過し、屈折率1.460の水晶ガラスでは、43.2〜4
6.8°の角度で入射する光が透過する。
支持部の半径は、この結果には影響を与えない。側壁312の傾きを5°以上に
すると、当該の角度範囲約20°全体にわたって光が透過する。試料支持部の半
径は5.1mm、厚さは1.5mmである。
光学接着剤、浸漬油、または当業者にとって既知であるその他の手段により支
持部の側壁、上面、または下面あるいはその組合せに光学的に接触させることに
よって検出器38および381を透明な試料支持部31に効率よく結合し、屈折
率を考慮して急激な移行部のない境界を設けることができる。
検出器のアレイを備える支持部の寸法は、通常、1cmより小さく、テーパ付
き光ファイバ33の前端部直径は数ミクロンを超えない程度であるため、装置全
体をレンズ顕微鏡または共集点顕微鏡の通常のステージ311に組み込むことが
可能である。
臨界角θcよりも大きな角度θで近視野から入射する光の重要な利点は、その
強度が近視野を発生するアパチャーと試料表面との間の距離に明らかに大きく依
存することである。この依存関係を第4図に図示する。測定した光の強度と距離
との関係は、θ=47°の場合、曲線41となり、θ=0°の場合、すなわち試
料表面に垂直な軸に沿った透過の場合は、曲線42となる。通常の方向に透過す
る光は、著しい変調を示し、距離を制御するためにこの信号を使用することはで
きない。一方、臨界角よりも大きな角度で近視野から入射する光は、指数関数的
に滑らかに増大する。したがって、測定した光の強度41を距離制御回路6(第
1図を参照)の入力として利用すれば、フィードバック・ループを容易に実現し
、試料の走査中に先端部の高さを正確に制御することができる。
様々な角度で入射する光を位相に応じて重ね合わせれば(干渉させれば)、測
定の分解能とコントラストはさらに向上する。θ=55°でただし逆の方位角φ
で入射する光を、適切に配置した鏡とビームスプリッタを使って重ね合わせれば
、以下の式に比例した検出信号が得られる。
上式中、角出力密度は、両方の方位方向についてP、P’で表し、(ψ−ψ*
−△ψ)は追加して誘導された位相シフト△ψだけ拡大した両方の光ビームの位
相差である。位相シフト△ψ=180°を誘導すると、試料がない場合、信号は
消
滅する。したがって、試料自体の像を、光の強度しか観測しない場合よりも高い
コントラストと分解能で結ばせることができる。
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フロントページの続き
(72)発明者 ノヴォシー、ルーカス
スイス国メイレン、グルヴェスシュトラー
セ 31
(72)発明者 ポール、ヴォルフガング デイ.
スイス国アデイスヴィル、フェルゼンホー
シュトラーセ 10