JPH08510376A - 新規な抗−ガン胎児性抗原キメラ抗体一族 - Google Patents
新規な抗−ガン胎児性抗原キメラ抗体一族Info
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- JPH08510376A JPH08510376A JP6519130A JP51913094A JPH08510376A JP H08510376 A JPH08510376 A JP H08510376A JP 6519130 A JP6519130 A JP 6519130A JP 51913094 A JP51913094 A JP 51913094A JP H08510376 A JPH08510376 A JP H08510376A
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Abstract
(57)【要約】
本発明はヒト癌腫抗原に対する抗原−特異的可変領域を有する新規キメラモノクローナル抗体を開示する。本発明の新規抗体を含んで成る軽鎖および重鎖可変領域のためのDNA構築物も開示する。キメラ抗体を発現でき、そして新規抗体−コーディングDNA構築物を含んで成る真核宿主細胞も開示する。
Description
【発明の詳細な説明】
新規な抗−ガン胎児性抗原キメラ抗体一族
本発明はヒトガン胎児性抗原に対する新規キメラ抗体、およびそのような抗体
をコードするDNA構築物に関する。
ガン胎児性抗原(CEA)は最もよく特性決定されたヒト腫瘍−関連抗原であり
、そしてヒト結腸ガンのインビトロ診断のために最も広く使用されている腫瘍マ
ーカーである。CEAは正常糞抗原、非−特異的交差反応性抗原、胎便抗原および
胆汁糖タンパク質を含む遺伝子産物に親密に関連した一族である。例えばMuraro
ら、Cancer Research,45:5769-5780(1985);およびRodgers、Biochim.Biophys. Acta
,695:227-249(1983)を参照にされたい。
インビトロおよびインビボ診断ならびに治療のための抗原−特異的モノクロー
ナル抗体(MAbs)の開発により、CEAに対して約2.6X1010M-1の親和性定数を有す
るMAbが生産された(米国特許第5,075,432号明細書:T84.666 ATCC寄託番号BH874
7)、そしてこれらは他のCEA遺伝子族の員との交差反応性が少ないか、または無
い。
しかし、最も利用しやすいMAbはネズミハイブリドーマ由来のものである。ネ
ズミ抗体を免疫アッセイに使用するインビトロの応用では、血清成分とネズミ免
疫グロブリンとの反応に起因する偽陽性を生じる潜在的な問題がある。しかし、
より重要なことは、ヒトの医薬品においてネズミ抗体を生体内投与することが、
しばしばそれらの固有の免疫原性故に制限されるということである。ネズミ抗体
の投与は、多くの患者に多回の投薬を処方する間に抗体の効能の漸減をもたらす
免疫応答を誘発するだろう。この効能の低下は少なくとも一部は患者の免疫応答
によるネ
ズミ抗体の、血液循環からの迅速なクリアランスまたは薬物動態の変化に起因し
ている。したがって、このような免疫原性なより、ネズミモノクローナル抗体の
長期間にわたる多回投与、あるいはすでに暴露されている場合には、単回投与で
さえも不可能にし、そして抗体の潜在的な臨床値に相当の衝撃を与える。
1つの種由来の抗体の結合または可変領域が別の種由来の抗体の定常領域と結
合しているキメラ抗体が、組換えDNA法により構築されてきている。腫瘍−関
連抗原に対するキメラ抗体を記載している。例えば、Sahagenら、J.Immunol.,13
7:1066-1074(1986);Sunら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:214-218(1987);Nis
himuraら、Cancer Res.,47:999-1005(1987);およびLieら、Proc.Natl.Acad.Sc i.USA
,84:3439-3443(1987)を参照にされたい。典型的にはネズミ抗体の可変領
域がヒト抗体の定常領域に連結している。キメラ抗体それ自体は組成のほとんど
がヒトであり、ネズミ抗体よりも実質的に免疫原性が低いように思われる。した
がってキメラ抗体がインビボの投与にはきわめて望ましい。
キメラ抗体の一般的概念は記載されているが、抗体分子の機能はその3次元構
造に依存し、次にその一次アミノ酸構造に依存している。したがって抗体のアミ
ノ酸配列の変化はその活性に悪影響を及ぼすかもしれない(例えばHorganら、J. Immunology
,149:127-135(1992)を参照にされたい)。さらに抗体をコードする
DNA配列の変化は、抗体を発現、分泌または構成するためのDNA配列を含有
する細胞能力に影響するかもしれない。
腫瘍に対するキメラ抗体は記載されているが、ヒトCEA抗原に対し特異性を有
する新規キメラ抗体の開発の必要性が存在する。
本発明はネズミ可変領域およびヒト定常領域遺伝子を使用する、CEAに対する
キメラCOL-1(ChCOL-1)またはキメラCOL-1 R'(ChCOL-1 R')抗体およびその一
部をコードするDNA配列を含有する発現ベクターを提供する。特に本発明は配列
番号1のヌクレオチド配列によりコードされるものと実質的に同じ軽鎖可変領域
を有するキメラネズミ−ヒトCOL-1またはCOL-1R'抗体である。別の態様では本発
明は配列番号3のDNA配列によりコードされるものと実質的に同じ重鎖可変領
域を有するキメラネズミ−ヒトCOL-1抗体、または配列番号5のDNA配列によ
りコードされるものと実質的に同じ重鎖可変領域を有するキメラネズミ-ヒトCOL
-1R'抗体である。
本発明はキメラCOL-1またはキメラCOL-1R'抗体をコードするDNA配列を含有
する発現ベクターで形質転換された細胞も提供する。
別の態様では、本発明は配列番号2のアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配
列を有する軽鎖可変領域を含んで成るChCOL-1またはChCOL-1 R'モノクローナル
抗体を提供する。さらに本発明は配列番号4または配列番号6のアミノ酸配列と
実質的に同じアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含んで成るChCOL-1またはChC
OL-1R'モノクローナル抗体を提供する。さらに別の態様では本発明は配列番号2
のアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、および配列
番号4のアミノ酸配列と実質的に同じまたは配列番号6のアミノ酸配列と実質的
に同じアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含んで成るキメラモノクローナル抗
体を提供する。
さらに本発明はインビトロおよびインビボ診断アッセイならびにインビボ治療
に使用するための新規キメラ抗体を提供する。図面の説明
第1図はpCOL-1γ1のプラスミドマップを具体的に説明する。ネズミCOL-1重鎖
可変領域は点棒で表し、そしてヒトγ1定常領域は黒棒で示す。
第2図はpCOL-1γ4のプラスミドマップを具体的に説明する。ネズミCOL-1重鎖
可変領域は点棒で表し、そしてヒトγ4定常領域は黒棒で示す。
第3図はpRL1003のプラスミドマップを具体的に説明する。これはpRL1003の相
当部位中にクローン化された任意のBamHI−HindIII VL DNA断片がキメラ軽鎖ポ
リペプチドを与えることができるユニバーサル軽鎖発現ベクターである。
第4図はpRL301のプラスミドマップを具体的に説明する。ネズミCOL-1軽鎖可
変領域は中抜き棒で示し、ヒトκ定常領域は黒棒で示し、そしてヒトサブグルー
プIVプロモーター領域は点棒で示す。
第5図はDNA断片a-x、y-b1およびy-b2を作成するために使用したヒト重鎖定常
領域およびオリゴヌクレオチドプライマー(ワッギング テイル:wagging tail
を持つ)を具体的に説明する。
本明細書で参照にするすべての文献の全教示内容は、引用により本明細書に編
入する。モレキュラークローニングの方法はSambrookら、Molecular Cloning、
コールドスプリングハーバー出版(Cold Spring Harbor Press)、ニューヨーク
、第二版(1989)およびAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology
、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley and Sons)、ニューヨーク(19
92)に記載されている。
核酸、アミノ酸、ペプチド、保護基、活性基等が略称される場合はIUPAC IUB
(生物学命名法委員会)または関連する分野の慣習に従い略称される。
本明細書で使用する“可変領域”という用語は抗原に対する結合認識特異性に
関する決定基およびMAbの全体の親和性を含む軽鎖(VL)および重鎖(VH)
抗体分子の領域またはドメインを言う。各々の軽鎖および重鎖対のさまざまなド
メインは抗原決定部位を形成する。軽鎖および重鎖のドメインは同じ一般構造を
有し、そしてそれぞれのドメインは4つの枠組み構造(framework:FR)領域を有
し、その配列は比較的保存され、3つの相補性決定部位(CDR)により結合して
いる。FR領域は可変ドメインの構造的完全性を維持している。CDRは抗原の結合
を媒介する可変領域内のポリペプチドセグメントである。
本明細書で使用する“定常領域”という用語は、構造的安定性および他の生物
的機能(抗体鎖結合、分泌、経胎盤移動および相補的結合のような)を提供する
が、CEA結合には関与しない軽(CL)鎖および重(CH)鎖抗体分子のドメイン
を言う。定常領域のアミノ酸配列および遺伝子中の対応するエキソン配列はそれ
が派生した種に依存するであろうが、アロタイプを導くアミノ酸配列の変異は、
種内で特定の定常領域に比較的限定されている。
各々の鎖の可変領域は連結ポリペプチド配列により定常領域に結合している。
連結配列は軽鎖遺伝子中の“J”配列、ならびに重鎖遺伝子中の“D”配列およ
び“J”配列の組み合わせによりコードされる。
本発明の目的のための“キメラ抗体”’とは、重および軽鎖中にネズミ免疫グ
ロブリン遺伝子由来のヌクレオチド配列によりコードされる可変領域アミノ酸配
列を有し、そしてヒト免疫グロブリン遺伝子由来のヌクレオチド配列によりコー
ドされる定常領域アミノ酸配列を有する抗体を言う。
本明細書で使用する“形質転換”という用語は、受容宿主細胞中にDNAを導
入することにより宿主細胞のゲノムに起こる変化を言う。“宿主細胞”という用
語は組換えDNA法を使用して構築されたベクターで形質転換することができる
細胞を言い、そのベクターは組換えタンパク質産物の発現のために細胞中に存続
する。
本明細書で使用する“抗体”または“免疫グロブリン”という用語は、抗体分
子がタンパク質分解的に開裂または組換え的に調製された部分のセグメントを含
み、これらは選択的に特定の抗原または抗原一族と反応することができる。その
ようなタンパク質分解かつ/または組換え断片の例は制限するわけではないが、
Fab、F(ab')2、Fab'、Fv、断片およびペプチドリンカーに結合したVLおよびVHド
メインを含有する単鎖抗体(scFv)を含む。このscFv'は共有的または非−共有
的に結合して2つ以上の結合部位を持つ抗体を形成することができる。
本発明のDNAコード配列はCEAに特異性を有する軽鎖または重鎖可変ドメイ
ンをコードする第一DNA配列、ならびにキメラ抗体の軽鎖または重鎖定常ドメ
インをコードする第二DNAを有する。
本発明により、CEAに対するキメラ抗体の軽鎖のためのDNA構築物は配列番
号1と実質的に同じ軽鎖可変領域をコードする第一DNA配列を含んで成る。
また、本発明によりCEAに対するキメラ抗体の重鎖のためのDNA構築物は配
列番号3または配列番号5と実質的に同じ重鎖可変領域をコードする第一DNA
配列を含んで成る。
本発明の新規キメラ抗体を含んで成るキメラポリペプチドのアミノ酸配列は、
本明細書に開示されたDNA配列から決定することができる。
したがって、CEAに対する本発明のCOL-1およびCOL-1 R'キメラ抗体は、実質的に
配列番号2と同じアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含んで成る。さらに本発
明の新規キメラ抗体は配列番号4または配列番号6と実質的に同じアミノ酸配列
を有する重鎖可変領域を含んで成る。
“実質的に同じ”とはCEAとの結合において実質的に均等である可変領域を生
じる、本明細書に開示されたキメラポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
またはアミノ酸配列のわずかな修飾を意味する。これらの修飾はCEAに対する必
須の特異性が保持されるかぎり本発明に包含される。
COL-1およびCOL-1 R'抗体の可変領域由来のCDRはヒトFR領域に移植することが
できる(例えば欧州特許出願公開第0239400号明細書を参照にされたい)。これ
らの新しい抗体はヒト化された抗体と呼ばれ、そしてネズミ抗体をCDRとヒトFR
とを組み合わせることによりヒト抗体中に転換する方法はヒト化と呼ばれる。ヒ
ト化抗体は、もとの抗体と同じ抗原に結合するが、その上、ヒトに注入されたと
きにはキメラ抗体のように免疫原性が低いので重要である。COL-1軽鎖可変ドメ
インのCDRは配列番号2に表され、CDR1は24位から38位のアミノ酸により、CDR2
は54位から60位、そしてCDR3は93位から100位のアミノ酸により表される。COL-1
およびCOL-1 R'重鎖可変ドメインは配列番号4に表され、そして配列番号6の31
位から35位のアミノ酸配列によりCDR1が、50位から66位によりCDR2が、そして99
位から113位によりCDR3が表される。
好ましくは、軽鎖および重鎖可変領域に関する第−DNAコーディング配列は、
ポリペプチドを発現そしてこれらの真核宿主細胞により分泌するためのリーダー
ペプチドをコードするDNA配列を含んで成る。リー
ダーペプチドのDNA配列は翻訳開始シグナル(即ち機能的ポリペプチドの翻訳
を開始する転写mRNA配列の中にある配列)を含む。当業者はこのリーダーペ
プチドが成熟タンパク質中には存在せずCEAの結合には機能しないので、リーダ
ーペプチドをコードする様々なDNA配列が本発明に適当に使用できることを認
識するであろう。成熟ポリペプチドを分泌する前に、新生軽鎖および重鎖ポリペ
プチドはシグナルペプチド開裂部位で切断され、これにより各々の鎖からリーダ
ーペプチドまたはシグナル配列を遊離する。
当業者は、本発明のDNA構築物を含んで成る第一のDNAコーディング配列
を当該技術分野の多くの方法(例えば部位−特異的突然変異誘発法により実質的
に均等なDNA構築物を提供する)により修飾することができると考えるだろう
。これらの修飾DNAコーディング配列は、本明細書に記載されたものと実質的
に同じキメラポリペプチドに翻訳されることができるかぎり本発明に含まれる。
部位−特異的突然変異誘発法を使用すると、生成するキメラポリペプチドのCEA
に対する親和性を改変できる場合がある。
好ましくは本発明のDNA構築物の第一DNAコーディング配列は、CEAに対
するモノクローナル抗体を発現しているネズミハイブリドーマのゲノムDNA由
来であり、COL-1と命名されている(例えばMuraroら、同上を参照にされたい)
。
本発明に使用するゲノムDNAは従来の技術および様々な方法により得、そし
てクローン化することができる。そのような技術はBasic Methods in Molecular Biology
、Davisら編集、エルセビアー(Elsevire)、ニューヨーク(1986);Sa
mbrookら、Molecular Cloning、コールドスプリ
ングハーバー出版、ニューヨーク、第二版(1989)、およびAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology
、ジョン ウィリー アンド サンズ、ニューヨ
ーク(1992)に記載されている。例えば、ハイブリドーマ細胞DNAを標準的手
法により単離し、ゲノムDNAを制限エンドヌクレアーゼで断片に消化し、そし
て生成した断片を適当な組換えDNAクローニングベクター中にクローン化し、
そして本明細書に開示されたDNA配列の存在を放射線標識または酵素的に標識
したプローブでスクリーニングすることができる。
キメラ抗体の軽鎖および重鎖可変領域であるポリペプチドをコードする本発明
のDNA構築物の第一のDNA配列も、ハイブリドーマmRNA由来のcDNA
から得ることができる。cDNAを得、そしてクローン化する手法は周知であり
、そしてSambrookら、同上およびAusubelら、同上により記載されている。した
がってcDNAを標準的手法でクローン化することができ、そして生成クローン
を本明細書で定めた可変領域をコードするcDNA用の適当なプローブでスクリ
ーニングする。所望のクローンを単離した後、cDNAはゲノムDNAと本質的
に同じように操作することができる。
さらに配列は定常領域のプライマーを使用することによりcDNAからmRN
Aの配列を決定した後に、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により得ることもで
きる。可変領域エキソンのcDNA配列から、PCRプライマーを使用して可変
領域エキソンを増幅させる。これらのPCRプライマーは、適当な発現ベクター
中に挿入できる非−ホモロガス伸長物を有するであろう。
あるいはCEAに対する軽鎖および重鎖可変領域特異性に関して必須な
遺伝情報を含む第一のDNA配列は、従来の方法により合成的に調製することが
できる。
ベクター中のMAb DNA配列の確認、真核宿主細胞中へのトランスフェクショ
ン、そしてキメラ抗体の発現後、上清をCEAの結合に関して抗体のヒト定常領域
を検出することによりスクリーニングする。
キメラ抗体の軽鎖および重鎖定常領域をコードする本発明のDNA構築物の第
二のDNA配列は、ゲノムDNAおよびcDNAからクローン化することができ
、あるいは合成的に調製できる。ヒト定常領域をコードするDNA配列の使用は
、免疫原性を最小にするキメラ軽鎖および重鎖ポリペプチドを生成するものと期
待される。好適な使用はヒト軽(カッパおよびそのアロタイプ)鎖およびヒト重
(ガンマまたは他のクラス;および様々なそのイソタイプまたはアロタイプ)鎖
遺伝子である。さらに好適なのはヒトガンマイソタイプγ1およびγ4であり、
それぞれが生成キメラ抗体に独自の生物学的特性を付与する。ヒト ガンマ イソ
タイプに関する総説は、例えば“ヒトIgGサブクラス(Human IgG Subclasses
)”R.G.Hamilton,Doc.No.CB0051-289、カルビオケム社(Calbiochem Corporati
on)(1989)を参照にされたい。
本発明のキメラDNA構築物を調製し、そしてこれらの構築物を適当な組換え
DNAクローニングベクターおよびDNA発現ベクターに導入するために必要な
組換えDNA技法は当該技術分野で周知である。例えばSambrookら、同上および
Ausubel、同上を参照にされたい。
軽鎖および重鎖キメラポリペプチドをコードする遺伝子を含む本発明のDNA
構築物を、適当な真核宿主細胞に発現ベクターの一部として導入する。一般的に
そのようなベクターは宿主細胞と適合性のある種由来
の制御配列を含む。ベクターは通常、形質転換細胞の表現型の選択を提供するこ
とができる特定遺伝子(1つまたは複数)を持つ。これらの構築物は単一の真核
発現ベクター上に含まれるか、あるいは各々が単一のキメラ遺伝子構築物を含ん
で成る別個の発現ベクターに、分離して維持されることができる。キメラポリペ
プチドの発現のためには、選択された真核宿主細胞で機能する転写および翻訳調
節配列を含む必要がある。
真核細胞用の広範な様々の組換え宿主−ベクター発現システムが知られており
、そして本発明に使用できる。例えばサッカロミセス セルビシエ(Saccharomy ces cerevisiae
)または通常のパン酵母は、真核微生物の中で最も普通に使用さ
れているが、例えばピチア パストリス(Pichia pastoris)のような他の多くの
株も利用できる。ATCCから入手できるSp2/0またはチャイニーズハムスター卵巣
(CHO)のような多細胞生物由来の細胞系も宿主として使用できる。真核細胞の
形質転換に適する典型的なベクタープラスミドは、例えばpSV2neoおよびpSV2gpt
(ATCC)、pSVLおよびpSVK3(ファルマシア:Pharmacia)、ならびにpBPV-1/pML2
d(インターナショナル バイオテクノロジー社:International Biotechnology I
nc.)である。
本発明の有用な真核宿主細胞は、好ましくはハイブリドーマ、ミエローマ、プ
ラスマ細胞腫またはリンパ腫細胞である。しかし哺乳類宿主細胞がキメラタンパ
ク質の発現のための転写および翻訳DNA配列を認識でき;リーダー配列の開裂
によりリーダーペプチドをプロセッシングし、そしてキメラタンパク質を分泌で
き;そしてキメラタンパク質の翻訳−後修飾(例えばグリコシル化)を提供する
ことができれば、他の真核宿主細胞も適当に使用することができる。
したがって本発明は本明細書に開示されたキメラ遺伝子構築物を含んで成る組
換え発現ベクターにより形質転換され、かつ本発明のキメラタンパク質を発現で
きる真核宿主細胞を提供する。それゆえに本発明の形質転換宿主細胞は、本明細
書に記載されたキメラ軽鎖および重鎖遺伝子ならびにこれらのキメラタンパク質
の発現を支配するための軽鎖および重鎖−コーディングDNA配列に関連して位
置する転写および翻訳配列を含んで成る少なくとも1つのDNA構築物を含んで
成る。
本発明で使用する宿主細胞は、当該技術分野で周知の標準的なトランスフェク
ション法による様々な方法で形質転換させることができる。使用できる標準的な
トランスフェクション法には電気穿刺法、プロトプラスト融合法およびカルシウ
ム−リン酸沈殿法がある。そのような技術は一般的にF.Toneguzzoら、Moll.Cell .Biol
.,6:703-706(1986);G.Chuら、Nucleic Acids Res.,15:1311-1325(1987
);D.Riceら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79:7862-7865(1979);およびV.Oiら、P roc.Natl.Acad.Sci.USA
,80:825-829(1983)に記載されている。
本発明のキメラ構築物を含んで成る組換え発現ベクターは宿主細胞中で連続的
にトランスフェクションされる。例えばキメラ軽鎖DNA構築物を含んで成る発
現ベクターは始めに宿主細胞中にトランスフェクトされ、そしてキメラ軽鎖ポリ
ペプチドを発現している形質転換した宿主細胞を当該技術分野で周知の標準的手
法により選択される。キメラ重鎖DNA構築物を含んで成る発現ベクターは、そ
の後に選択した軽鎖を発現している宿主細胞中にトランスフェクトされる。ある
いはキメラ軽鎖および重鎖の両方の発現ベクターを同時に宿主細胞中に導入する
こともできる。
本発明が提供する新規キメラ抗体はインビトロおよびインビボの両用途で有用
である。例えば本発明のキメラ抗体は、CEAの検出および腫瘍−関連抗原(例え
ば治療中の)を検出するためのインビトロ免疫アッセイに利用できる。さらに免
疫原性が相当に減少しているか、あるいは欠失されていると思われるので、本発
明のキメラ抗体はインビボ診断および治療への応用にきわめてに望ましい。した
がって本発明により提供されるキメラ抗体はインビボでの画像形成、ならびに結
腸および乳癌腫ならびに消化管、肺、卵巣および膵臓に関連した腫瘍の治療に非
常に有用である。
本発明のキメラ抗体は非修飾抗体として使用でき、または適当な診断または治
療薬と結合して使用することもできる。診断または治療薬の例としては125I、1 31
I、123I、111In、105Rh、153Sm、67Cu、67Ga、166Ho、177Lu
、186Re、188Re、99mTc、90Yおよび47Scのような放射性核種;メトト
レキセートおよびアドリアマイシンのような薬剤;インターフェロンおよびリン
ホカインのような生物反応モディファイアー;およびリシンのようなトキシン類
である。
抗体を放射性核種で標識する有用な方法は、二官能性キレート剤による。二官
能性キレート剤は化合物であり、金属を封鎖またはキレート化することができる
金属キレート部分、およびキレート剤がタンパク質に共有的に結合する反応基を
有する。二官能性キレート剤は当該技術分野で周知であり、例えば欧州特許出願
公開第292689号明細書、国際特許出願公開第WO89/12631号明細書(1989年12月18
日公開)、米国特許第4,678,667号、同4,831,175号および同4,882,142号明細書
に開示されている。
さらに、本発明のキメラ抗体の本質的な結合機能を保持する抗体断片、
または抗体を含む混合物は本発明の特定の臨床的応用に応じて使用することがで
きる。
さらに本発明の新規キメラ抗体を、生理食塩溶液または無−毒性の緩衝液のよ
うな医薬的に許容できる、無−毒性の、滅菌キャリアー中に含んで成る医薬組成
物も可能である。
本発明はさらに純粋に本発明の例示を意図する以下の実施例を考察することに
より一層明確になるであろう。実施例
実施例1−COL-1中のマウス定常領域の置換
A.COL-1重鎖および軽鎖可変領域の調製
1.COL-1重鎖可変領域の単離
a.COL-1重鎖可変領域RNAの配列決定
COL-1細胞(ネズミIgG2a,κ)[Muraroら、同上]由来の全RNAをChirgwin
ら、Biochemistry,18:5294-5299(1979)のグアニジニウム イソチオシアネー
ト/CsCl法により抽出した。PolyA+RNAをoligo dT-セルロースカラムを通して
精製した。RNAの配列決定はGeliebter、ベセスダリサーチラボラトリーズ(B
ethesda Research Laboratories)FOCUS 9:5-8(1987)に従い行った。
RNAの配列決定は始めに4つのすべてのJH領域に相補的なオリゴヌクレオ
チドを使用して行ったが、JH 1だけは合成をプライムした。JH 1オリゴヌクレオ
チド(配列番号7)の配列は次のとおり:
得られたRNA配列データは、5'非翻訳領域の41ヌクレオチド、全リー
ダーペプチドコーディング領域および全可変領域に対応した。このRNA配列デ
ータは可変領域をコードするゲノムDNAクローンを獲得したことの陽性の確認
として使用した。
b.COL-1重鎖可変領域のゲノムクローニング
COL-1 DNAをCOL-1ハイブリドーマ系から、Sambrookら、同上に記載されたよう
に精製した。EcoRIで消化したCOL-1 DNAのゲノムDNAサザンブロットハイ
ブリダイゼーションではネズミ重鎖JH-Cμイントロンハイブリダイゼーションプ
ローブとハイブリダイズする唯一の5.6kb断片を示した。ゲノムDNAライブラ
リーを制限酵素−消化、サイズ−分画DNAから、ラムダ バクテリオファージ
クローニングベクター、λ-ZAP(ストラタジーン:stratagene、ラジョラ、カリ
フォルニア州)をライゲーションおよびバクテリオファージパッケージングに関
して製造元のプロトコールに従い使用して構築した。ゲノムライブラリースクリ
ーニングはSambrookら、同上に記載されたように、同じ重鎖JH-Cμイントロンハ
イブリダイゼーションプローブをゲノムブロットハイブリダイゼーションに使用
して行った。このハイブリダイゼーションプローブは直接定常領域遺伝子配列に
連結した免疫グロブリン中の生産的に再配置した可変領域遺伝子配列を検出する
。90万個のプラークをスクリーニングし、そして3つの陽性にハイブリダイズし
たプラークを精製した。λ-ZAPバクテリオファージからのプラスミドの回収はス
トラタジーンにより記載されたように行った。COL-1からの重鎖領域遺伝子を約5
.6キロベース対(kb)のEcoRI断片として単離した。すべての3つのラムダバク
テリオファージが5.6kbのEcoRI断片を含有した。
c.COL-1重鎖可変領域遺伝子の配列
プラスミドDNAは、米国バイオケミカルズ(USB)(クリーブランド、オハ
イオ州)から得たSequenase(商標)DNAシークエンシングキットを製造元の手法
に従い使用して配列決定した。陽性を確認するためにDNA配列は始めにJH 1オ
リゴヌクレオチドを使用して、RNAシークエンシングにより得た配列との比較
を通して行った。
JH 1オリゴヌクレオチドに加えて、以下のオリゴヌクレオチドを使用してCOL-
1重鎖可変領域遺伝子(配列番号3)の配列を完全に決定した:
COL-1重鎖可変領域はその生産的再配置においてSP2.2Dセグメント[Kabatら、免
疫学的に興味深いタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest
)、第4版、米国健康およびヒューマンサービス部、国立健康研究所
(U.S.Department of Health and Human Services,National Institutes of He
alth(1991)]を利用した。COL-1の重鎖可変領域は、配列の基準がKabatら、同 上
によるマウス重鎖サブグループII(C)の構成員に、そしてDildrop,Immunol. Today
,5:85-86(1984)によるグループ1の構成員に適合して分類される。その予
想されるアミノ酸配列は配列番号4である。
上記に得られたmRMA配列とDNA配列との間の比較を行った。この比較に
基づき、プラスミドクローンはCOL-1重鎖可変領域をコードするために正しいD
NA配列を含むことが確認された。
COL-1重鎖可変領域のヌクレオチド配列をGenBank(バージョン62)D
NA配列データベースと比較し、そして前駆体生殖系列遺伝子を同定した。この
遺伝子はVH2b-3と命名された[Schiffら、J.Exp.Med.,163:57 3-587(1986)]
。VH2b-3に由来する生産的再配置遺伝子はGenBank(商標)データベース(バー
ジョン65)にはない。COL-1重鎖可変領域およびVH2b-3の可変領域のヌクレオチ
ド配列の比較では3つのアミノ酸置換を導く3つの体細胞突然変異があることを
示す。
2.COL-1軽鎖可変領域の単離
a.COL-1軽鎖可変領域mRNAの配列決定
COL-1細胞(ネズミIgG2a,κ)由来の全RNAを上記1.A.1.aに記載し
たように調製した。
COL-1の軽鎖可変領域についての初めの配列データは、Cκと命名されたネズ
ミκ特異的オリゴヌクレオチドを使用して集めた。Cκ(配列番号12)のヌク
レオチド配列は次の通りである:
さらにデータを、ネズミJ1に特異的なJ1オリゴヌクレオチドおよび枠組み構
造3領域から設計されたCOL1LFR3オリゴヌクレオチドを使用して得た。J1(−
)(配列番号13)およびCOL1LFR3(−)(配列番号14)のヌクレオチド配列
は次の通りである:
上記オリゴヌクレオチドをプローブとして使用して得た配列は5'非翻訳配列の
19ヌクレオチド、全リーダーペプチドコーディング領域および
全可変領域に対応した。このRNA配列データを可変領域をコードするDNAク
ローンを得たことの陽性の確認として使用した。
b.COL-1軽鎖可変領域のPCR-媒介クローニング
COL-1軽鎖可変領域cDNAを単離するために、COL-1軽鎖RNAのシークエン
シングから得た配列情報を使用して、オリゴヌクレオチドプライマーを設計し、
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅[Saikiら、Science,239:487-491(1989)
]に使用した。プライマー、COL1L5PCRと命名された5'プライマーおよびCOL1L3P
CRと命名された3'プライマーは、ヒトκ定常領域遺伝子配列を含む発現ベクター
中に直接クローン化できるDNA産物を作成するように設計した。使用したプラ
イマーの配列は次の通りである:
二重下線のヌクレオチドはイントロン中のスプライスアクセプターおよびドナ
ー部位を示す。
PCR増幅の前に、始めに逆転写酵素cDNA合成工程を行った。簡単に説明
すると、1マイクログラムのCOL-1 polyA+RNAをCOL1L3PCRおよび13.5単位のAMV
逆転写酵素(ベーリンガーマンハイム:Boehringer Mannheim、インディアナポ
リス、インディア州)でプライムした(primed)。引き続きPCR増幅で397bp
断片を生成した。この断片をBamHIおよびHindIIIで消化し、そしてヒトκ定常
領域遺伝子発現ベクターpRL1003(以
下の実施例I.B.3を参照にされたい)中にクローン化した。正しい制限酵素プロ
フィールを有する幾つかのクローンを得た。
c.COL-1軽鎖可変領域の配列
DNAシークエンシングは、Sequenase(商標)DNAシークエンシングキット(
米国バイオケミカルズ、クリーブランド、オハイオ州)を製造元のプロトコール
に従い使用してプラスミドDNAを直接配列決定した。
DNA配列はプライマーHindIII Ck(-)およびCOL1LFR3(1-)を使用して2
つのクローンについて決定した。HindIII Ck(-)の配列(配列番号17)は次の
通りである:
2つのクローン配列は同一であった。
COL-1軽鎖可変領域のヌクレオチドおよび予想されるアミノ酸配列はそれぞれ
配列番号1および配列番号2に与えられている。この軽鎖可変領域配列はRNA
シークエンシングから決定した配列と一致し、そしてクローンがCOL-1軽鎖可変
領域配列の生産的再配置を含むことを示した。
COL-1軽鎖可変領域のヌクレオチド配列をGenBank(バージョン62)DNA配列
データベースと比較した。この比較によりCOL-1軽鎖可変領域が生殖系列Vk-21E
1.5Kb遺伝子(Heinrich,J.Exp.Med.,159:417-435(1984)から派生していること
が明らかになった。データベースにはVk-21Eから派生した他の生産的再配置可変
領域遺伝子は無かった。COL-1軽鎖可変領域およびVK-21E 1.5Kb遺伝子との間の
ヌクレオチドおよび予想されるアミノ酸配列の比較により、COL-1軽鎖可変領域
中に5つのアミノ酸置換を導く5つの体細胞突然変異があることが示される。CO
L-1の軽
鎖可変領域は配列基準がKabatら、同上によるマウス カッパ軽鎖IIIの員に分類
されることが適する。
B.キメラCOL-1遺伝子構築物
1.ヒト定常領域遺伝子
a.ヒト重鎖定常領域遺伝子
γ1およびγ4ヒト重鎖定常領域(pγ1およびpγ4)を含むプラスミド構
築物はメリーランド州、ベセスダの国立ガン研究所のIlan R.Kirsch博士から提
供された。制限酵素地図をこれらの遺伝子についてその同一性の確認するために
作成した。
γ1の詳細はEllisonら、Nucleic Acids Res.,10:4071-4079(1982)およびTa
kahashiら、Cell,29:671-679(1982)に説明されている。
γ4の詳細はEllisonら、DNA,1:11-18(1981)、KrawinkelおよびRabbits、EM BO J
.,1:403-407ならびにTakahashiら、同上に説明されている。
b.ヒト軽鎖定常領域遺伝子
ヒトCk定常領域遺伝子を含むプラスミドpHumCkをカナダ、オンタリオ州、ト
ロントのMt.シナイ 調査研究所(Mt.Sinai Research Institute)のJohn Rode
r博士から得た。Ckの詳細はHieterら、Cell,22:197-207(1980)に説明されて
いる。
2.キメラCOL-1重鎖
キメラ重鎖構築物を保持するために使用したプラスミドベクターをpSV2gptと
命名し、MulliganおよびBerg,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),78:2072-2076(1981
)に説明されている。pSV2gptは選択可能なマーカー遺伝子グアニンホスホリボ
シルトランスフェラーゼ(gpt)を含有するプラスミド由来であり、これはマイ
コフェノール酸含有培地中での選択的成長の
ために使用することができる。pSV2gptをヒトCγ1およびCγ4エキソンの受
容体として調製するために、EcoRIおよびBamHIで消化した。この消化DNAを
4パーセントポリアクリルアミドゲルで分画し、そして4.5kbベクター断片をゲ
ルからSambrookら、同上に記載されたように電気溶離により回収した。この直線
化プラスミドはEcoRI−BamHI末端化断片を受け入れることができる。
pSV2gptのEcoRI-BamHI部位に直接クローニングするために、ヒトγ1定常領
域エキソン断片上に存在する5'HindIII部位をEcoRI部位にリンカー転換し、一方
γ1エキソンの3'に位置するPvul部位をBamHI部位にリンカー転換した。γ4定
常領域エキソンについては、HindIII部位をEcoRI部位に、そして3'部位をBamHI
部位にリンカー転換する代わりに、pBR322由来ベクター配列中に存在するEcoRI
およびBamHI部位をPSV2gptのECoRI−BamHI部位に直接クローニングするために
使用した。生成したプラスミドをそれぞれpSV2-gpt γ1-2.3およびpSV2-gptγ4
と命名した。
COL-1重鎖可変領域を含む約5.6kbのEcoRI断片をヒトγ1およびγ4定常領域発
現ベクター、それぞれpSV2gpt γ1-2.3およびpSV2-gpt γ4のEcoRI部位に連結し
、それぞれプラスミドpCOL-1 γ1(第1図)およびpCOL-1 γ4(第2図)に含ま
れるキメラCOL-1重鎖可変領域-ヒト定常領域遺伝子を生成した。電気穿刺の前に
、これら両方のプラスミドを制限エンドヌクレアーゼPvuIにてキメラ遺伝子転写
単位が妨害されない部位で直線化した。これらのプラスミドはプラスミドpSV2gp
t(Mulliganら、同上)に由来し、そして形質転換哺乳動物細胞中のこれらの存
在はマイコフォノール酸の存在下での成長により陽性として選択できる。
3.キメラ軽鎖
COL-1軽鎖可変領域のクローニングは第3図に表す“ユニバーサル”軽鎖クロ
ーニング/発現ベクター(上記A.2.bを参照にされたい)を使用して行った
。このプラスミドをpRL1003と命名する。このベクターは抗体軽鎖可変領域を迅
速にクローニングできるだけでなく、ヒト軽可変領域プロモーター(サブグルー
プIV由来)、ヒトKイントロンエンハンサーおよびヒトK定常領域を利用して転写
的に完全なキラメ軽鎖遺伝子を生成することもできる。この“ユニバーサル”軽
鎖クローニング/発現ベクターはpSV2neo[SouthernおよびBerg,J.Mol.App.Gen.
,1:327 341(1982)]から派生したものであり、そしてその形質転換した哺乳動
物細胞中の存在はネオマイシンの類似体、G-418(ニューヨーク州、グランドア
ルランドのライフテクノロジーからGeneticinという商品名で市販されている)
の存在中での成長により陽性として選択できる。キラメCOL-1軽鎖を含有するプ
ラスミドはpRL301と命名され、そして第4図に表されている。電気穿刺の前にこ
のプラスミドを制限酵素Clalでキラメ軽鎖遺伝子が完全性を保つように消化した
。
C.キメラ遺伝子プラスミドのマウスミエローマ細胞中への形質転換
1.標的形質転換法
標的形質転換(targeted transformation)と命名された方法を使用して、軽
鎖および重鎖キメラ免疫グロブリン遺伝子を含む構築物をSp2/Oマウスプラスマ
細胞腫細胞中に連続的に形質転換した。この方法は、例えばネオマイシンホスホ
トランスフェラーゼ(neor )のような薬剤−耐性遺伝子を含むキメラ軽鎖ベクタ
ーで細胞を形質転換し、そして次に遺伝子を包含した細胞を薬剤(この場合はジ
ェネテシン(Geneticin)を1mg
/mLの濃度)を含有する培地を使用することにより選択することを必要とする。
第二形質転換はキメラ重鎖ベクターに別の薬剤耐性遺伝子、gptを組み込む。次
に選択はジェネテシン(Geneticin)および0.3μg/mLマイコフェノール酸、250
μg/mLキサンチンならびに10μg/mLヒポキサンチンを含有する培地をneor およびgpt
の選択に使用して行う。
2.キメラCOL-1軽鎖遺伝子構築物を保持するneo耐性形質転換Sp2/O細胞系の 調製
Sp2/Oマウスプラスマ細胞腫細胞(ATCC番号 CRL 1581、ロックビル、メリーラ
ンド州)を、初めに軽鎖−含有ベクター(pRL301)で以下のように形質転換した
。細胞を5パーセントウシ胎児血清を含むRPMI1640培地(ライフ テクノロジーズ
、グランドアイランド、N.Y.)中で増殖させた。細胞をリン酸緩衝化生理食塩液
(PBS)で洗浄し、そして1X107生存可能細胞/mL PBS濃度に懸濁した。約0.8mLの
細胞を20μgの軽鎖-含有ClaI線状化pRL301を含有する電気穿刺キュベット(氷上
)に移した。氷上で15分後、キャパシタンス エクステンダー(バイオラッド:
BioRad、リッチモンド、カリフォルニア州)を付加したジーンパルサーエレクト
ロポレーション装置(Gene Pulser Electroporation apparatus)を使用して0.2
キロボルトおよび960μFで電気穿刺を行った。
形質転換後、細胞を15分間、氷上に回収し、不安定化した膜を弛緩させた。そ
の後、細胞を5パーセントのウシ胎児血清を含有する24mLのRPMI 1640培地に懸濁
し、そして96または24ウェルの組織培養プレートに移した。細胞を37℃および5
パーセントCO2雰囲気でインキューベーションした。
48時間後(薬剤耐性遺伝子の発現を可能にする)、培地を取り出し、
そして1mg/mLのジェネテシンを含有する培地と交換した。
10-14日後、ジェネテシン−耐性クローンをκ軽鎖の生産について、K酵素結合
免疫アッセイ(ELISA)により評価した。キメラ軽鎖発現の検出はヤギ抗-ヒトK
(GAHK)トラップおよびGAHKプローブを使用して行った。ELISAの検出に使用し
た抗体はサザン バイオテック アソシエイツ(Southern Biothech Associates)
(バーミンガム、アラバマ州)から購入した。アルカリホスファターゼ基質系は
カーケガート&ペリーラボズ(Kirkeg gard & Perry Labs、ゲチスバーグ、メリ
ーランド州)から得た。2つの別個のκELISAでの一定した高い値に基づいたサ
ブクローンを確認した。サブクローンCOL-1KD4/F2をキメラ重鎖遺伝子を受容す
る標的細胞系として選択した。
3.キメラCOL-1軽鎖および重鎖遺伝子構築物を保持するneoおよびgpt耐性の 形質転換されたSp2/O細胞系の調製
COL-1kD4/F2をキメラ重鎖構築物の標的として使用した。COL-1kD4/F2細胞を直
線化pCOL-1 γ1およびpCOL-1 γ4で別個に電気穿刺した。電気穿刺の条件は上記
と同じであるが、電気穿刺後に細胞を5パーセントのウシ胎児血清および1mg/mL
のジェネテシンを含有する24mLのRPMI 1640培地に懸濁し、そして96または24ウ
ェルの組織培養プレートに移したことが異なる。細胞を37℃で、かつ5パーセン
トCO2雰囲気下でインキューベーションした。
48時間後(新しく導入された薬剤耐性遺伝子gptの発現を可能とする)、培地
を取り出し、そしてさらに0.3μg/mLのマイコフェノール酸、250μg/mLのキサン
チンおよび10μg/mLのヒポキサンチンを含有する同じ培地と交換した。
10から14日後、非−マイコフェノール酸感受性コロニーをIgG ELISAを使用し
て抗体産生についてアッセイした。全キメラ免疫グロブリンの検出はヤギ抗−ヒ
トIgG(GAHIgG)トラップおよびGAHIgGプローブを使用して行った。トラップ抗
体はヤギ抗−ヒトIg(GAHIg)の場合もあった。サブクローンが一定して高いIgG
ELISA結果を与えるように維持した。キメラCOL-1抗体を発現するChCOL-1 γ1と
命名された細胞系を確認した。
D.キメラCOL-1のインビトロ特性決定
1.ChCOL-1 γ1タンパク質の精製
研究用タンパク質を精製するための抗体を生産するために細胞系ChCOL-1 γ1
を選択した。選択可能薬剤を含有するRPMI1640を含む1リットルのスピナーフラ
スコに約108細胞を植菌し、そして5日間増殖させた。増殖期間の終了時に、ス
ピナーフラスコにはおよそ6パーセントの生存能力の約2×109個の細胞が含まれ
た。キメラ抗体を含有する培養物上清を8,000×gで20分間遠心することにより得
た。最後に0.2μm Gelman(アン:Ann、アーバー、ミシガン州)ディスクフィル
ターを通して清澄化した。ChCOL-1をNygene(ヨンカーズ:Yonkers、ニューヨー
ク州)プロテインAカートリッジ(50mg IgG容量)に製造元のプロトコールに従
い結合させた。抗体を0.1Mクエン酸ナトリウム(pH3.0)で溶離し、そして回収
した画分のpHをpH9.0の1M Trizma塩基(シグマ:Sigma、セントルイス、モンタ
ナ州)を加えて直ちに中性に上げた。抗体画分をプールし、そしてCentriprep 3
0マイクロ濃縮デバイス(アミコン:Amicon、ダンバース、マサチューセッツ州)
を使用して約200μLに濃縮した。最終的な精製はファルマシア(Pharmacia)のS
uperose 12 HR16/50ゲル濾過カラム(ピスカタウェイ、ニュージャージー州)を
0.2M リン酸をカラム緩衝液として使用
して行った。約6.8mgの精製タンパク質を得た。
2.ChCOL-1 γ1のドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動 (SDS-PAGE)および等電点電気泳動(IEF)ゲル分析
ChCOL-1 γ1(7.5μg)のタンパク質試料をレムリー、Nature,277:630-685(1
970)の方法による変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析した。勾配
ゲル(3-12パーセントポリアクリルアミド)はインテグレイティッド セパレー
ションシステムズ(Integrated Separation SystemS、ハイドパーク、マサチュ
ーセッツ州)から購入した。ゲルをクーマシーブリリアントブルーR-250(バイ
オラッドラボラトリーズ、リッチモンド、カリフォルニア州)で染色した。
非-変性条件下での精製COL-1 γ1のSDS-PAGE分析では、約150,00ダルトンの分
子量が得られた。還元条件下では重鎖に対応するChCOL-1は約50,000ダルトンの
バンドを、そして軽鎖に対応する約25,000ダルトンのバンドを生じた。これらの
結果はキメラ軽鎖および重鎖(γ1)ポリペプチドに対して期待される大きさに
よく匹敵する。SDS-PAGE分析では重鎖および軽鎖を持つ完全な抗体が形質転換し
たSp2/O細胞系ChCOL-1 γ1により発現したことを示した。
等電点電気泳動については、タンパク質試料(15から20μgの間)をCentricon
-30(アミコン、ダンバーズ、マサチューセッツ州)を1パーセントグリシン緩
衝液を3回交換して使用し脱塩した。脱塩タンパク質試料を、pH勾配が3-10であ
るFMCバイオプロダクツ(Bioproducts、ロックランド、メリーランド州)のアガ
ーロスIEFゲルに添加した。等電点電気泳動は始めの10分は10ワットの一定電力
で、そして次にさらに90分間、10ワットで続行した。ゲルをクーマシーブリリア
ントブルーR-250で染
色し、そしてバイオメッド インスツルメンツ(Biomed Instruments、フラート
ン、カリフォルニア州)走査デンシトメーターを使用して等電点を決定した。タ
ンパク質標準はバイオラッドラボラトリーズ(リッチモンド、カリフォルニア州
)およびシグマ(セントルイス、モンタナ州)から得た。
このChCOL-1 γ1のIEFゲル分析は、ネズミCOL-1 MAbと比較して独自なバンド
パターンを表した。クーマシーブリリアントブルーで染色したゲルのデンシトメ
ータースキャンニングは、ChCOL-1 γ1試料の主要バンドが全体の約81パーセン
トを表し、そしてすぐ上のかすかな、少ないバンドが全体の約18パーセントを表
すことを示した。タンパク質標準に与えられた既知のpI値に基づき、2つの主要
ChCOLO-1 γ1等電点状態は7.8および7.6と算出した。pH7.6の少ない形態は、哺
乳動物細胞で生産されたタンパク質に起こるグルタミンまたはアスパラギン残基
の翻訳後の脱アミド化の結果と思われる[Wilsonら、J.Biol.Chem.,257:14830-1
4834(1982)]。
3.ChCOL-1 γ1 NH2末端タンパク質配列
80マイクログラムのChCOL-1 γ1を還元、アルキル化し、そして重鎖および軽
鎖を逆相高圧液体クロマトグラフィーで分離した。分離した重鎖および軽鎖を、
G.Tarr(1986)により“手動 エドマンシークエンシングシステム(Manual Edma
n Sequencing System)”、ポリペプチドの微細特性決定:実験マニュアル(Mic rocharacterization of Polypeptides:A Practical Manual
)(John E.Shively
編集、ヒューマナ(Humana)出版社、クリフトン、ニュージャージー州、第155-
194頁)に変更されたようなエドマン分解法を使用するアミノ末端アミノ酸配列
分析に供した。
10アミノ酸残基を軽鎖および重鎖から決定した。この配列は成熟タンパク質に
ついて予想される配列をコードするDNAに一致し、キメラタンパク質が両方の
鎖中で正しくプロセス(process)されることを実証している。
4.CEAおよびLS174T ELISAs
ChCOL-1 γ1がCEAに結合する能力を2つの異なるELISA法により試験した。第一
のELISAはCEA ELISAであった。この場合、精製CEA(ケミコン:Chemicon、E1セガ
ンド、カリフォルニア州)をトラップとして、そしてGAHIgGをプローブとして使
用した。さらにChCOL-1 γ1抗体もLS174T 細胞への結合に関して試験した。LS17
4T細胞(ATCC番号 CL 188)はCEAおよび他の腫瘍抗原を発現するヒト結腸ガン細
胞系である[Muraroら、CancerRes.,45:5769-5780(1985);Muraroら、CancerRe s.
,48:4588-4596(1988)]。両方のELISAでChCOL-1 γ1がそれぞれCEAおよびLS
174T細胞に結合し、そして抗-ヒト免疫グロブリン試薬により認識されることが
示された。
E.キメラCOL-1抗体のインビボ特性決定
以下の表IおよびIIに表した動物実験に使用したキメラ抗体を、ヨウ素化試薬
として、1,3,4,6-テトラクロロ-3a-6a-ジフェニルグリコラウリル(IODO-GEN(
商標)、ピアス化学社、ロックホールド、イリノイ州)を使用してNa125Iで標
識した。さらに詳細には約0.5-2mgのキメラ抗体を約0.5mL-0.1Mのリン酸ナトリ
ウム緩衝液(pH7.2)に調整し、そして50μgのIODO-GEN(商標)で被覆した12cm
×75cmのガラス管に加えて、続いて0.1-0.5mCiのNa125I(ニューイングランドヌ
クレアー、ボストン、マサチューセッツ州)を添加した。室温でインキューベー
ションした2分後、タ
ンパク質を不溶性IODO-GEN(商標)から取り出し、そして取り込まれなかった12 5
Iを、PBSを緩衝液として使用して10mLのSephadexG-25カラムを通してゲル濾過
することにより抗体から分離した。ヨウ素化法により0.05-0.2μCi/μgの比活性
を持つ放射性標識IgGキメラ抗体を生成した。
CD1経歴を持つ、およそ4週齢のメス無胸腺マウス(nu/nu)をチャールズリバ
ーから得た。9日後、マウスにLS174T細胞(1×106細胞/動物)を皮下接種(0.
1mL/マウス)した。
体重が70-400mgの癌腫を有する無胸腺マウス(LS174T細胞接種後およそ12-13
日後)に、PBS中に0.5-2.0μCi(10-50μgタンパク質)のキメラ抗体(すでに上
記のようにヨウ素化した)を静注した。5兎のマウス群を放血により時間を変え
て屠殺した。癌腫および正常組織を切除し、そして重量を測定し、分あたりのカ
ウント(cpm)をガンマカウンターで測定した。各組織のcpm/mgを次に測定し、
そして癌腫に見いだされたものと比較した。
ChCOL-1 γ1に関する生物分布結果を表IおよびIIに表す。
表Iに表されるように、注入後約120時間で腫瘍に対するChCOL-1 γ1の1グラ
ム当たりの注入用量は26.44パーセントであった。ChCOL-1 γ1はヒト腫瘍をイン
サイチューで標的とするのに有効であった。これは本発明のキメラ抗体がインビ
ボ癌腫標的法に有効であることを実証するものである。
表IIに示されるように、注入後120時間で腫瘍の器官当たりのChCOL-1 γ1の注入
用量は4.54パーセントであった。キメラモノクローナル抗体はヒト腫瘍をその場
で標的にするのに有効であった。これは本発明のキメラモノクローナル抗体がイ
ンビボ癌腫標的法に有効であり、すなわち癌のインビボ治療に有用であることを
実証するものである。
F.キメラ抗体を産生細胞系の寄託
上記実施例で作成した両方ともカッパ軽鎖を有するキメラ抗体を分泌する2つ
の細胞系を、1992年12月9日にアメリカンタイプカルチャーコレクションに寄託
した。具体的には以下の細胞系を寄託した:
(1)ChCOL-1 γ1:COL-1 VH、COL-1 VLおよびヒトIgG1の定常領域を有する細
胞系(ATCC番号CRL 11217);ならびに(2)ChCOL-1 γ4:COL-1 VH、COL-1 VL
およびヒトIgG4の定常領域を有する細胞系(ATCC番号CRL 11214)。
寄託した態様は本発明の1の態様の単一の具体例の説明を意図しているので、
本発明は寄託された細胞系により範囲を制限されるものではなく、そして機能的
に均等であるすべての細胞系は本発明の範囲内にある。
実施例2−キメラCOL-1の遺伝的変性体
A.重鎖遺伝子構築物の短縮
キメラCOL-1の短縮された重鎖遺伝子構築物、FabおよびF(ab')2を、γ1または
γ3ヒト重鎖のC-末端ドメインを連続的に除去することにより遺伝的に生成した
。このF(ab')2−様構築物はヒトγ1重鎖のCγ2およびCγ3の両ドメインを除去
し、ヒンジおよびCγ1ドメインを残こすことにより生成した。このγ1イソタイ
プをF(ab')2分子の構築に使用した。しかしFabの大きさの分子を設計する場合(
この大きさは完全な抗体の1/3である)、ヒンジドメインの除去は軽鎖の結合部
位を除去するであろう。それゆえにヒトγ3重鎖をFab構築物に使用した。ヒトγ
3重鎖のCγ1ドメインはヒトγ1重鎖のCγ1ドメインとは98アミノ酸のうちの
4つが異なるだけである。γ1Cγ1のSer-127をγ3中のCys-127(これは軽鎖の結
合部位を提供する)に交換する。γ1とγ3の間の他の3つのアミノ酸差異のうち
、2つが保存的置換(LysからArg)である(Huckら、Nucleic Acids Res.
,14:1779-1789(1986))。
1.PCRおよびSOE法
PCRはSaikiら、Science,239:487-491(1988)に記載された方法により、そし
てスプライシングはHoら、Gene,77:51-59(1989)およびHortonら、Gene,77:61-
68(1989)により記載された方法による重複伸長(overlap extension :SOE)に
より行った。
鋳型およびプライマー濃度はそれぞれ0.1mL中に0.1-1.0ng/mLおよび1nmole/mL
であった[Saikiら、同上]。PCRおよびSOE条件は、変性:92℃−96℃で2分間、
アニーリング:50℃で3分間、そして伸長:71°-74℃で10分間(30サイクル)。
2.PCR/SOEのオリゴヌクレオチドプライマーの設計
VDJエキソン、γ3のCγ1エキソンおよびγ1のヒンジおよびCγ2エキソンは、
すべてそれらの3'末端に次のエキソンの第一コドンの第一ヌクレオチドを有する
。オリゴヌクレオチドプライマーを設計するときにはこの部分コドンは省略した
。短縮された重鎖遺伝子構築物の生成に使用したプライマーは次の通りである:
プライマーyの配列はPSV2gptのEcoRI部位の5'DNA配列に由来するものであっ
た[Mulliganら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,78:2072-2076(1981)]。プライマ
ーxの配列はpSV2gptのBamHI部位の3'DNA配列に由来するものであった(Mullig
anら、同上)。これらの配列が派生した領域はもともとpBR322からクローン化さ
れた。プライマーaはヒトγ1のCγ3エキソンの最後の2つのコドン(Gly-Lys
)から始まる。
プライマーb1およびb2の配列は、5'半分が非-アニーリングとなり、そしてプ
ライマーaの5'18ヌクレオチドに正確に相補的であるように設計された。プライ
マーb1の3'半分はヒトγ3のCγ1エキソンの6つの完全なC-末端のコドンに相補的
である。プライマーb2の3'半分はヒトγ1のヒンジエキソンの6つの完全なC-末端
のコドンに相補的である。
1.キメラCOL-1軽鎖および短縮化重鎖遺伝子構築物(FabおよびF(ab')2を保持 するneoおよびgpt耐性形質転換Sp2/O細胞系の調製
SOEを利用して本発明の短縮化された重鎖を構築するための一般法を第5図に
図示する。断片a−x(〜404塩基対(bp))を、オリゴヌクレオチドプライマ
ー、aおよびx、ならびにNdel−直線化鋳型、pγ1−gpt(これはヒトγ1遺伝
子を含む)を使用してPCRにより作成した。断片y−b1(544bp)を、pSV2gpt
のγ3鋳型上のプライマーyおよびb1、pSV2gpt
γ3およびpSV2gptγ4(これはヒトγ3遺伝子をヒトγ1またはγ4遺伝子の代わり
に有する)と同様なプラスミド構築物を使用してPCRにより作成した。断片y−b2
(977bp)は、プライマーyおよびb2を使用してpSV2gptγ1-2.3鋳型上に作
成した。断片y−b1−x(〜948bp)およびy−b2−x(〜1381bp)は、SOE
法により断片y−b1およびy−b2をそれぞれ断片a−xとアニーリングさせ
、そして続いてプライマーyおよびaでPCR伸長により作成した。
精製後、2つのDNA断片を混合、変性および非−アニーリングセグメント由
来の重複領域を再−アニール化する。より外側のオリゴヌクレオチドプライマー
(aおよびb)を使用してもう1回のPCRを行った後、重複断片を単一断片とし
て伸長させ、そして増幅させる。
重鎖構築物領域の遺伝子はすべてグリシンの後、かつ終止コドンの前に最終ア
ミノ酸としてリシンをコードする[Dunnickら、Nucleic Acids Res.,8:1475-148
4(1980);Kabatら、免疫学的に興味深いタンパク質の配列、米国ヘルスおよび
ヒューマンサービス部、国立健康研究所、第5版(1991)]。しかし、分泌され
た成熟重鎖タンパク質のC−末端はグリシンであると判明し(Kabatら、同上)
、末端リシンの翻訳後プロセッシングを指示している。この翻訳後プロセッシン
グが効率的な発現に必須であるかもしれないという可能性から、各々の短縮化構
築物をヒトγ1重鎖のCγ3ドメインの最後の2つのアミノ酸で終結した。すな
わち404bpDNA断片a−xはGly-Lysおよび終止コドンから始まり、そしてポリア
デニレーションシグナル配列を含む。この断片をすべての構築物の3'連結断片と
して使用した。この190bp断片のもっとも3'-のDNA配列は未知なので、PCRは既知
であり、かつ断片のBamHI制限部位を含む隣接ベク
ター配列由来の3'プライマーから行った。
第一の2つのPCRの初めの生成物、断片y−b1およびa−xを精製し、Fabベ
クター構築物のy−b1−x断片を生じるSOE反応に供した。遺伝的F(ab')2断片
を3'プライマーb2およびヒトγ1鋳型を使用して同様な方法で構築し、y−b 2
−x断片をSOE反応後に得た。SOE反応のフェノール/クロロホルム抽出および
エタノール沈殿後、断片をEcoRIおよびBamHIで消化し、そしてゲル精製した。各
断片をpSV2-gptベクターのEcoRI/BamHI断片と連結した。
COL-1重鎖可変領域を含むEcoRI断片を各々の短縮化重鎖ベクターのEcoRI部位
に実施例1に記載したように正しい方向で連結した。
実施例1のようにCOL-1重鎖可変領域を含むEcoRI断片を短縮化した各々の重鎖
ベクターのEcoRI部位に、正しい方向で連結した。
4.選択および発現
各々のキメラCOL-1短縮化重鎖ベクターをPvulで直線化し、そしてCOL-1軽鎖を
発現する標的細胞(COL-1κD4/F2)中に電気穿刺した。短縮化重鎖COL-1抗体の
発現については、マイコフェノール酸−耐性コロニーをELISAによりCEAを被覆し
たプレート(AMAC社、ウェストブロック、メリーランド州)に結合し、そしてア
ルカホスファターゼ-結合ヤギ抗-ヒトカッパ抗体(サザンバイオテクノロジーア
ソシエイツ社、バーミンガム、アラバマ州)で検出したものについて選択した。
B.キメラCOL-1 FabおよびF(ab')2のインビボ特性決定
培養物上清から精製した後、ChCOL-1 FabをNa125Iで放射性標識して動物実験
に使用し、そしてその生物分布を実施例1に記載したように検出した。
ChCOL-1 Fabに関する生物分布の結果は表IIIおよびIVに表す。
表IIIに示すように、注入後およそ24時間に腫瘍に対するChCOL-1 Fabグラム当
たりの注入用量は0.98パーセントであった。ChCOL-1 Fabはヒト腫瘍をその場で
標的するのに効率的である。結果は本発明のキメラ抗体断片がインビボ癌腫標的
法に効果的であることを実証する。
表IVに示されるように注射24時間後に腫瘍に対するChCOL 2D1 Fabの器官当た
りの注入用量は0.17パーセントであった。キメラ抗体断片はヒト腫瘍をその場で
標的するのに効率的である。これらの結果は本発明のキメラ抗体断片がインビボ
癌腫標的法に効果的であることを実証する。
C.突然変異体キメラCOL-1(ChCOL-1 R')
1.JHの遺伝的突然変異
COL1x-R'(3')と命名されたオリゴは、COL-1重鎖からのmRNA配列データに基
づき設計された。このオリゴのヌクレオチド配列は遺伝系JH1配列との差異が無
いという仮定に基づく。COLlx-R7(3')(配列番号23)のヌクレオチド配列は
次の通り:
ブラケット中のヌクレオチドは遺伝系JH1配列からのクローン化COL-1 VHゲノム
DNA配列の差異を示す。はじめのTの違いはサイレント突然変異であるが、二
番目のTの差異はAla110からTr110への突然変異の結果である。二重下線のヌク
レオチドはイントロンのスプライスドナー部位を示す。
a.mRNA由来のCOLlx-R'重鎖のPCR増幅
逆転写酵素反応は(90μL中)1μgのCOL-1 polyA+mRNA、10pmoleのCOL1x-R'
(3')および9μLの10X緩衝液(1X=50mM Tris(pH=8.2)、6mM MgCl2、100mM N
aCl)、0.22mM dNTPsを使用した。試料を80℃に3分間加熱し、次に45℃に冷却し
た。次に0.5μL(12.5単位)のAMV逆転写酵素(ベーリンガーマンハイム:Boehri
nger Mannheim、インディアナポリス、イリノイ州)を加え、30分間伸長させた
。PCRを1μL 10X緩衝液、100pmoleのCOL1-y、90pmoleのCOL1x-R'、0.5μL(2.5
単位)のTaqポリメラーゼ(ストラタジーン:stratagene、ラジョラ、カリフォル
ニア州)を加えることにより続行した。COL1-yのヌクレオチド配列(配列番号2
4)は次の通りである:
二重下線のヌクレオチドはイントロン中のスプライスアクセプター部位を示す。
2滴の鉱物油で被覆した後、94℃、37℃および72℃(それぞれ30秒)間の熱循環
を100μLの反応容量を使用して25回行った。405bp のPCR産物をゲル精製した。
このDNA挿入物の末端をSalIおよびNotI制限酵素で整えた後、断片をホスファ
ターゼ処理した、ゲル−精製pV−γ1
ベクター(すでにSalIおよびNotIで消化したもの)に連結した。
2.キメラCOL-1軽鎖および突然変異体(R')重鎖遺伝子構築物を有するNeo およびGpt耐性形質転換SP2/O細胞系の調製
キメラpCOL1-R'重鎖ベクターをChCOL-1軽鎖(COL-1kD4/F2)を発現する細胞系
中に、PvuIで直線化した後に電気穿刺した。
96ウェルプレート中の薬剤耐性コロニーを、CEΛ抗原トラップおよびヤギ抗-
ヒトカッパまたはヤギ抗-ヒトIgG抗体トラップ(サザン バイオテクノロジー ア
ソシエイツ、バーミンガム、アラバマ州)を使用してELISAでスクリーニングし
た。これらのトラップに結合したキメラ抗体をアルカリホスファターゼを結合し
たヤギ抗−ヒトカッパ抗体で標準的なELISAアッセイにより検出した。すべての
3つのトラップで陽性の個々の主要クローンをサブクローン化し、最高の抗体を
発現している細胞系をそれぞれ冷凍容器中て凍結した。ChCOL-1 R'抗体をカルチ
ャー上清からプロテインAクロマトグラフィーを使用して実施例1に記載された
ように精製した。
D.ChCOL-1 R'のインビボ特性決定
動物実験に使用するために、ChCOL-1 R'をNa125Iで標識し、そして実施例1に
記載したように癌腫組織を検出するために使用した。ChCOL-1R'の生物分布の結
果を表VおよびVIに表す。
表Vに示すように、注入後およそ120時間に腫瘍に対するChCOL-1 R'グラム当
たりの注入用量は42.34パーセントであった。ChCOL-1 R'はヒト腫瘍をその場で
標的するのに効率的であり、本発明のChCOL-1 R'がインビボ癌腫標的法に効果的
であることを実証する。
表VIに示されるように、ChCOL-1 R'について注入120時間後の器官当たりの注
入用量は5.63パーセントであった。ChCOL-1と比較してChCOL-R'は注入120時間後
におよそ50パーセントより高い蓄積を示した。
E.遺伝学的に変化したキメラ抗体を生産する細胞系の寄託
上記実施例で作成した、すべてカッパ軽鎖を有する遺伝学的に変化したキメラ
抗体を分泌する3つの細胞系を、1992年12月8日にアメリカンタイプカルチャー
コレクションに寄託した。具体的には以下の細胞系を寄託した:
(1)ChCOL 2D1 Fab:COL-1 VH、COL-1 VLおよびヒトIgG3 Fabの定常領域を有
する細胞系(ATCC番号CRL 11218);(2)ChCOL 2D1 F(ab')2:COL-1 VH、COL-
1 VLおよびヒトIgG1 F(ab')2の定常領域を有する細胞
系(ATCC番号CRL 11216)、そして;(2)ChCOL-1 R':唯一のアミノ酸突然変
異を含むCOL-1 VH、COL-1 VLおよびヒトIgG1の定常領域を有する細胞系(ATCC番
号CRL 11215)。
寄託した態様は本発明の1の態様の単一の具体例の説明を意図しているので、
本発明は寄託された細胞系により範囲を制限されるものではなく、そして機能的
に均等であるすべての細胞系は本発明の範囲内にある。
本発明を詳細に説明したが、そしてその特別な態様に関しては今後記載する請
求の範囲の精神および範囲から逸脱することなく当業者は様々な変更および修飾
を行うことができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C12R 1:91)
(72)発明者 リクソン,マーク・ダブリユー
アメリカ合衆国ミシガン州48640ミドラン
ド・キヤツスルドライブ4110
(72)発明者 メゼス,ピーター・エス
アメリカ合衆国コネチカット州06371オー
ルドライム・シルレイン25
(72)発明者 キヤプラン,ドナルド・エイ
アメリカ合衆国オハイオ州45202シンシナ
テイ・セイントポールプレイス1106
(72)発明者 シユロム,ジエフリー
アメリカ合衆国メリーランド州20854ポト
マク・タイラーテラス10525
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.第一のDNA配列が配列番号2と実質的に同じアミノ酸配列をコードする、 キメラモノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコードする第一のDNA配列を含ん で成るDNA構築物。 2.第一のDNA鎖コーディング配列が実質的に配列番号1の配列と同じである 請求の範囲第1項記載のDNA構築物。 3.DNA構築物がキメラモノクローナル抗体の軽鎖定常領域をコードする第二 のDNA鎖配列をさらに含んで成る請求の範囲第1項記載のDNA構築物。 4.第一のDNA配列が配列番号4または配列番号6と実質的に同じアミノ酸配 列をコードする、キメラモノクローナル抗体の重鎖可変領域をコードする第一の DNA配列を含んで成るDNA構築物。 5.実質的に配列番号4の配列と同じアミノ酸配列をコードする請求の範囲第4 項記載のDNA構築物。 6.第一のDNA鎖コーディング配列が実質的に配列番号3の配列と同じである 請求の範囲第5項記載のDNA構築物。 7.DNA構築物がキメラモノクローナル抗体の重鎖定常領域をコードする第二 のDNA鎖配列をさらに含んで成る請求の範囲第5項記載のDNA構築物。 8.実質的に配列番号6の配列と同じアミノ酸配列をコードする請求の範囲第4 項記載のDNA構築物。 9.第一のDNA鎖コーディング配列が実質的に配列番号5の配列と同じである 請求の範囲第8項記載のDNA構築物。 10.DNA構築物がキメラモノクローナル抗体の重鎖定常領域をコー ドする第二のDNA鎖配列をさらに含んで成る請求の範囲第8項記載のDNA構 築物。 11.実質的に配列番号2の配列と同じアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含 んで成るキメラモノクローナル抗体。 12.実質的に配列番号4または配列番号6の配列と同じアミノ酸配列を有する 重鎖可変領域を含んで成るキメラモノクローナル抗体。 13.実質的に配列番号4の配列と同じアミノ酸配列を有する請求の範囲第12 項記載のキメラモノクローナル抗体。 14.実質的に配列番号6の配列と同じアミノ酸配列を有する請求の範囲第12 項記載のキメラモノクローナル抗体。 15.実質的に配列番号2の配列と同じ軽鎖可変領域および実質的に配列番号4 または配列番号6の配列と同じアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含んで成る キメラモノクローナル抗体。 16.軽鎖可変領域が実質的に配列番号2の配列と同じであり、そして重鎖可変 領域が実質的に配列番号4の配列と同じである請求の範囲第15項記載のキメラ モノクローナル抗体。 17.抗体が細胞系ATCC No.CRL 11214、ATCC No.CRL 11216、ATCC No.CRL 1121 7およびATCC No.CRL 11218により生産される請求の範囲第16項記載のキメラモ ノクローナル抗体。 18.軽鎖可変領域が実質的に配列番号2の配列と同じであり、そして重鎖可変 領域が実質的に配列番号6の配列と同じである請求の範囲第15項記載のキメラ モノクローナル抗体。 19.抗体が細胞系ATCC No.CRL 11215により生産される請求の範囲第18項記 載のキメラモノクローナル抗体。 20.医薬的に許容できる無−毒性の滅菌キャリアー中の請求の範囲第15項記 載の抗体を含んで成る組成物。 21.抗体中、配列番号2の軽鎖可変領域または配列番号4の重鎖可変領域から のCDRがヒト抗体の枠組み構造部位中に移植される変更抗体。
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