JPH08510635A - B型肝炎エスケープミュータント特異的結合分子 - Google Patents
B型肝炎エスケープミュータント特異的結合分子Info
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- JPH08510635A JPH08510635A JP6511507A JP51150794A JPH08510635A JP H08510635 A JPH08510635 A JP H08510635A JP 6511507 A JP6511507 A JP 6511507A JP 51150794 A JP51150794 A JP 51150794A JP H08510635 A JPH08510635 A JP H08510635A
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Abstract
(57)【要約】
B型肝炎エスケープミュータントの抗原決定基に特異的に結合する分子としては、細胞系SMH HBs 145/G/R/I(ECACC 92122312)、SMH HBs 145/R/I(ECACC 93052626)、SMH HBs 145/G/R/II(ECACC 93033109)またはSMH HBs 145/R/II(ECACC 93033110)によって分泌されたモノクローナル抗体およびこれらの抗体と交差競合する他の特異的結合分子が挙げられる。細胞系SMH HBs 145/G/R/I及びSMH HBs 145/G/R/IIによって分泌される抗体は変異型(エスケープミュータント)のHBsAG及び野生型のHBsAGに結合する。細胞系SMH HBs 145/R/I及びSMH HBs 145/R/IIによって分泌される抗体は変異型には結合するが野生型には結合しない。
Description
【発明の詳細な説明】
B型肝炎エスケープミュータント特異的結合分子
本発明は、特定のB型肝炎ウィルス抗原に特異的な抗体および他の結合分子に
関するものである。本発明は、また、上記したような分子の診断および治療への
使用に関するものである。
B型肝炎ウィルス(HBV)による感染は、世界中の様々な所で重大な問題と
なっているが、数種のワクチンが現在利用されるのみである。HBVに対する市
販のワクチンは、通常、そのままのまたは組換体の形態を有するB型肝炎ウィル
ス表面抗原(HBsAG)からなる。スミスクライン ビーカムの製品であるエ
ンゲリックス−ビー(商標)(SmithKline Beecham product ENGERIX-BTM)は後
者の一例である。HBVの抗原のサブタイプは血清学的に定義され、HBsAG
をコード化するゲノム領域における一塩基変化によるものであることが分かって
いる。しかしながら、最近まで、すべての既知の抗原のサブタイプは、α−抗原
決定基を含み、HBsAgの124から147番目のアミノ酸から構成された。
α−抗原決定基に対する抗体によってすべての既知のサブタイプに対する保護が
得られた。近年、B型肝炎ウィルスのワクチン誘導エスケープミュータント(va
ccine-induced escape mutant)が報告された(カ
ーマン(Carman)ら、ザ ランセット(The Lancet)、336巻、ページ325
〜329(1990年))。このエスケープミュータントは、α−抗原決定基内
にある、145番目の位置でグリシンからアルギニンへの置換変異(substituti
on mutant)を含むHBsAGの変異型タンパク質を有することが示された。W
O−A−9114703号は、変異型HBsAgを基礎とするワクチンに関する
ものであり、抗変異型HBsAg抗体からなる抗体調製物をも開示するものであ
る。
しかしながら、WO−A−9114703号は、どのようにして変異型α−抗
原決定基領域のみに結合するのに必要である特異性を得るかをまたは何が野生型
および変異型α−抗原決定基領域の両方に結合するのかを何等示唆するものでは
ない。本発明が取り組むのはこれらの対をなす問題に対するものである。
本発明の第一の概念によると、B型肝炎抗原決定基に特異的に結合することが
でき、細胞系SMH HBs 145/G/R/I(ECACC 921223
12)、SMH HBs 145/R/I(ECACC 93052626)、
SMH HBs 145/G/R/II(ECACC 93033109)また
はSMH HBs 145/R/II(ECACC 93033110)によっ
て分泌されるモノクローナル抗体であるまたは上記抗体と交差競合する(cross-
compete)分子を提供するものである。
抗体等の特異的結合分子は、同じものまたは他のものとしての立体配座的に連
結した位置(conformationally linked location)に正確に結合する際には互い
に交差競合する。立体配座的に連結した位置は、抗原のポリペプチド鎖上の隣接
した位置(adjacent location)であるまたはポリペプチド鎖の二次構造によっ
て連結し、これによって隣接しない領域を隣接するように折りたたませる(adja
cent folding)ことができる。交差競合実験は、比較的容易に行える(ウォータ
ーズ(Waters)ら、ヴィールス リサーチ(Virus Research)、22巻、ページ
1〜12(1991年))ため、目的とする抗体または他の特異的な結合分子が
上記したようにモノクローナル抗体と特異的に交差競合するか否かを決定するた
めの明瞭な方法である。
少なくとも一部が特定のモノクローナル抗体と交差競合する(即ち、0%より
有意に大きい交差競合度を有する)特異的結合分子が本発明において用いられる
。全部が交差競合する(即ち、100%より有意に小さくない交差競合度を有す
る)特異的結合分子が、少なくとも場合によっては好ましい。
本発明において使用できる特異的結合分子は、それ自身が抗体であることが多
い。ポリクローナル抗体も使用できるが、特異性が非常により正確であるため、
モノクローナル抗体が通常好ましい。モノクローナル抗体技術は、ケーラー(Ke
hler)及びミルスタイン(Milstein)(ネイチャー(N
ature)、256巻、ページ495(1975年))による根本となる仕事から
かなり確立されてきており、今日ではモノクローナル抗体を定常的に生産するの
に用いるプロトコールも数多く存在する。例えば、使用できる技術としては、ゲ
フター(Gefter)ら(ソマティック セル ジェネティックス(Somatic Cell G
enetics)、3巻、ページ231(1977年))、ケーラー(Kehler)ら(ユ
ーロ ジェー イムノヴィロル(Euro.J.Immunovirol.)、ページ292〜2
95(1976年))及びゴディング(Goding)(「モノクローナル アンチボ
ディーズ:プリンシプル アンド プラクティス(Monoclonal Antibodies:Pri
nciple and Practice)」(第二版、1986年)、アカデミック プレス(Aca
demic Press)、ニューヨーク)のものが挙げられる。特に、以下のプロトコー
ルを用いる:
(a)実験動物(マウス等)を、抗体(この場合は、145番目の位置でグリ
シンからアルギニンへの置換変異を含むHBsAg)を生じさせる抗原で免疫処
置する(immunologically challenge);
(b)次に、動物の脾細胞を骨髄腫細胞系の細胞と融合させ、得られたハイブ
リドーマとしての融合細胞を選択培地にまく;
(c)特異的抗体のスクリーニングを適当な技術によって、例えば、他の種か
らの抗免疫グロブリン抗体を用いることによって、行う。
ヒトのモノクローナル抗体の使用も原則としては使用目的、特にヒトの治療及
びインビボの診断、によっては好ましいが、技術的に難しいため、従来のハイブ
リドーマ技術ではヒトのモノクローナル抗体を数多く生産するには適切ではない
。したがって、マウス由来等の、非ヒトのモノクローナル抗体を実際には用いる
ことが多い。
キメラ抗体、特にキメラモノクローナル抗体もまた、本発明の概念に含まれる
。このようなキメラ抗体としては、SMH HBs 145/G/R/I、SM
H HBs 145/R/I、SMH HBs 145/G/R/IIまたはS
MH HBs 145/R/II由来のその特徴的な特異性を有するのに十分な
アミノ酸配列が挙げられる。最小限でも、目的とする抗体の相補性決定領域は特
異性を維持するために十分な程度に存在する。全VH及びVLドメインが存在する
、または酵素学的に誘導されるFab若しくはF(ab´)2断片等の完全な抗
体結合断片が存在することを意味する。
キメラ抗体を調製するためには様々な技術が存在する。例えば、齧歯動物のV
領域に融合したヒトのC領域から構成されるキメラ抗体が報告されている(モリ
ソン(Morrison)ら、ピーナス(PNAS)、81巻、ページ6851〜6855(
1984年)、ボウリアン(Boulianne)ら、ネーチャー(Nature)、312巻
、ページ643〜646(1984年)およびノイベルガー(Neuberger)ら、
ネーチャー(Nat
ure)、314巻、ページ268〜270(1985年))。または、キメラ抗
体技術は、WO−A−9004413号及びWO−A−9116354号にも記
載されており、これらは2つ以上の共有結合したFc領域を有する抗体複合体(
conjugate)に関するものである。
十分に人体に適応した(humanised)抗体、特にモノクローナル抗体もまた本
発明の概念に含まれる。非ヒト(特にマウス)抗体を人体に適応させるには一般
的に3方法ある。ライクマン(Reichmann)ら(ネーチャー(Nature)、332
巻、ページ323〜327(1988年))は、ssDNA上の特定部位の突然
変異誘発(site-directed mutagenesis)を用いるものであった。他の方法とし
ては、ジョーンズ(Jones)ら(ネーチャー(Nature)、321巻、ページ52
2〜525(1986年))及びクィーン(Queen)ら(ピーナス(PNAS)、8
6巻、ページ10029〜10033(1989年))は、ヒトのフレームワー
ク上に齧歯動物の相補性決定領域(complementarity-determining region)(C
DR)を挿入した重複オリゴヌクレオチドを用いて全V領域を構築した。さらに
最近では、ルイス(Lewis)及びクロウ(Crowe)(ジーン(Gene)、101巻、
ページ297〜302(1991年))は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を
用いて齧歯動物のCDRをヒト免疫グロブリンのフレームワーク上に挿入した(
graft)。WO−A−9316192号は、肝炎に対する人体に一般的に適応し
た
抗体に関するものであり、上記公報の示唆によって本発明による人体に適応した
抗体を製造することができる。
モノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖の可変領域のアミノ酸配列をクローニング
された相補性DNAから決定し、さらに超可変領域(または相補性決定領域…C
DR)をカバット(Kabat)ら(「シークエンセス オブ プロテインズ オブ
イムノロジカル インタレスト(Sequences of Proteins of Immunological I
nterest)」、ユーエス デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン
サービセス(US Department of Health and Human Services)、ユーエス ガ
バメント プリンティング オフィス(US Government Printing Office)、1
987年)に従って同定した。上記いずれかの方法を用いて、これらのCDRを
ヒトフレームワーク中に挿入した。
ワード(Ward)ら(ネーチャー(Nature)、341巻、ページ544〜546
(1989年))のシングルドメイン抗体(single domain antibody)(dAb
)は、他のクラスの特異的結合分子(「抗体」とみらすのが適当であるか否かは
別にして)を示しており、これも本発明の概念に含まれる。上記アプローチによ
ると、PCRまたは他の適当な技術を用いて、VHまたはVL遺伝子をクローニン
グし、大腸菌(E.coli)等の異種の宿種でこれを発現させる。
重鎖及び軽鎖の可変領域をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いてハイブリ
ドーマから増幅させ、発現ベクター
中にクローニングする。単離された可変領域は、抗原に結合することでスクリー
ングでき、その親和性が決定される。他のシングルドメイン抗体は、免疫処置さ
れたマウスの脾臓のDNAの再配置された可変領域遺伝子によって増幅すること
によって直接得られる。増幅されたDNAはベクター中にクローニングされた後
、抗原結合活性によってスクリーニングされる。発現ベクターとしてバクテリオ
ファージを用いた精製によって、細胞表面上で発現するため、可変遺伝子を有す
るファージを抗原によって直接選択できる(マクカファーティ(McCafferty)ら
、ネーチャー(Nature)、348巻、ページ552〜554(1990年))。
dAb技術は、どのようにして組換DNA方法が特異的な結合能を有する分子
の発生を完全に変えるかを示す。他の理由がなければ上記した理由によって、一
般的に理解されるように、本発明は、(ポリクローナルであるかモノクローナル
であるかをにかかわらず)抗体に限定されると解すべきではない。通常本発明に
使用できる遺伝子操作された人工の抗体に関しては、ウィンター(Winter)及び
ミルスタイン(Milstein)、ネーチャー(Nature)、349巻、ページ293〜
299(1991年)およびマークス(Marks)ら、ジェー バイオル ケム(J
.Biol.Chem.)、267巻、ページ16007〜16010、さらには、19
94年3月7〜8日にロンドンで行われたサクセスフル エックスプロイテーシ
ョン オブ バイオメディカル リサーチ(S
uccessful Exploitation of Biomedical Research)におけるメディカル リサ
ーチ カウンセル(Medical Research Counsil)会議でのドクター グレッグ
ウィンター(Dr.Greg Winter)による発表を参照されたい。
本発明の概念に含まれる特異的結合分子は、変異型のHBsAg結合能が関係
している限りでは、大きく2つのクラスに分けられる。第一は、変異型のHBs
Agにのみ結合し野生型のHBsAgには結合しない分子である。細胞系SMH
HBs 145/R/I及びSMH HBs145/R/IIによって分泌さ
れたモノクローナル抗体、さらにはこれらと交差競合する特異的結合分子は、こ
のカテゴリーに属する。第二は、変異型のHBsAg及び野生型のHBsAgの
両方に結合する特異的結合分子である。これらの特異的結合分子が場合によって
は好ましい。具体的には、SMH HBs 145/G/R/I及びSMH H
Bs 145/G/R/IIにより分泌されるモノクローナル抗体およびこれら
と交差競合できる特異的結合分子が挙げられる。
本発明の第二の概念によると、上記した特異的結合分子を発現する、好ましく
は分泌することのできる細胞系または細胞培養物を提供するものである。
上記で詳しく述べたようなハイブリドーマ細胞系は本発明の概念に含まれる。
これらの細胞系は、ヨーロピアン コレクション オブ アニマル セル カル
チャーズ(Eur
opean Collection of Animal Cell Cultures)(ECACC)(ピーエッチエル
エス センター フォー アプライド マイクロバイオロジー アンド リサー
チ(PHLS Centre for Applied Microbiology and Research)、ディビジョン
オブ バイオロジックス(Division of Biologics)、ポートン ダウン、サリ
スバリー、ウィルトシャイアー エスピー4 0ジェージー(Porton Down,Sal
isbury,Wiltshire SP4 0JG)、イギリス)に以下の表に示される受託番号及び
受託日で寄託された:
これらの寄託はブダペスト条約に基づいて行われた。
他のモノクローナル抗体の一般的な作製方法を上記した。これらのモノクロー
ナル抗体が本発明の概念に含まれることを確かめるためには、簡単な交差競合実
験を寄託された
細胞系によって分泌された抗体を用いて反応すればよい。本発明の概念に含まれ
る他の特異的結合分子は、前記した文献および/または特許公報の示唆にしたが
って作製することができる。
本発明による特異的結合分子は、診断においておよび治療において有用である
。
診断に用いる際には、本発明は、一実施態様として、従来のB型肝炎とは異な
り変異型のB型肝炎の識別可能な診断を目的として使用できる。この場合、SM
H HBs 145/R/I若しくはSMH HBs 145/R/IIである
またはこの特異性を有する特異的結合分子は、変異型にのみ結合するので、用い
ることができる。本発明の特異的結合分子は、変異型のB型肝炎抗原にのみ結合
し野生型のものには結合しない抗体若しくは他の特異的結合分子と共に上記を目
的として使用されてもよい;好ましいモノクローナル抗体としては、EP−A−
0038642号に開示されたRF HBs 1がある。
他の実施態様としては、本発明を用いることによって、1段階で野生型または
変異型のB型肝炎の存在を検出できる。この場合では、SMH HBs 145
/G/R/I若しくはSMH HBs 145/G/R/IIであるまたはこの
特異性を有する特異的結合分子が、野生型及び変異型両方に結合するので、用い
られる。
本発明による診断方法は、インビトロにおいて行われる。
本発明の第三の概念によると、B型肝炎粒子若しくは抗原を含むことが疑われて
いるサンプルを上記した特異的結合分子と接触させることからなる、B型肝炎の
診断方法を提供するものである。
インビトロのアッセイ方法は多くの型が存在する。抗体等の標識された特異的
結合分子の使用(上記使用は本発明の概念に含まれる)による場合もある一方、
生じた沈殿を観察することによる抗体(若しくは他の特異的結合分子)及び抗原
の相互作用を検出することによる場合もある。標識された抗体によらない定性及
び定量インビトロアッセイの例としては、ゲル沈降(gel precipitation)(オ
クテルロニーの二重拡散法等)、単純放射免疫拡散法(SRID)、ロケット免
疫電気泳動や二次元免疫電気泳動等の免疫電気泳動、および入射する光源の散乱
による定量(比濁分析)が挙げられる。
実際にはしばしばあることであるが、ある形態の標識を抗原抗体相互作用を検
出するのに用いることもある。標識は、放射性であっても放射性でなくてもよい
。アッセイの型によっては、本発明の概念に含まれる特異的結合分子を標識して
も、あるいは本発明の概念に含まれる特異的結合分子に結合する他の特異的結合
分子を標識してもよい。免疫検定(ラジオイムノアッセイを含む)及び免疫測定
検定(immunometric assay)(免疫測定放射分析(immunometric radioassay)
や酵素結合イムノソルベント検定を含む)を
使用でき、さらにはイムノブロッティング技術(immunoblotting technique)を
用いてもよい。化学発光物質による標識や蛍光色素による標識も含まれる。
インビトロのアッセイはしばしばキットを用いて行われる。本発明の第四の概
念によると、上記した特異的結合分子およびこの特異的結合分子がB型肝炎粒子
若しくは抗原に結合したか否かを検出するための手段からなる、B型肝炎粒子ま
たは抗原の検出用アッセイキットを提供するものである。
このアッセイ法は、例えば、上記したアッセイのいずれに使用してもよい。競
合キット(competitive kit)および特にサンドイッチイムノアッセイキット(s
andwitch immunoassay kit)が好ましい。特異的結合分子および検出手段はキッ
ト内の別の部屋の中に入れてあってもよい。特異的結合分子は固体支持体に結合
されていてもよい。検出手段は、実際には、検出できるように標識された第二の
特異的結合分子(それ自身が抗体であってもよい)からなることが好ましく、こ
の第二の特異的結合分子は上記した抗体または他の特異的結合分子に結合する。
本発明は、また、インビボの診断にも適用できる。本発明の第五の概念による
と、B型肝炎のインビボ診断を目的とする薬剤の調製における上記した特異的結
合分子(通常標識されている)の使用を提供するものである。したがって、本発
明は、必要であれば標識された上記特異的結合分
子を、一般的には非経口手段によって、患者に投与することからなる、B型肝炎
のインビボ診断方法に関するものである。インビボで使用できる標識としては、
放射性標識及び常磁性標識が挙げられ、これらは適当な外部設備によって検出で
きる。
診断に適用できると共に、本発明は、治療、特にB型肝炎の感染の処置、また
はB型肝炎に対する受動免疫に使用できる。
本発明の第六の概念によると、B型肝炎の感染に対する治療薬または予防薬の
調製における上記特異的結合分子の使用を提供するものである。したがって、本
発明は、上記特異的結合分子を、一般的には非経口的に、患者に投与することか
らなる、B型肝炎の感染の治療または予防方法に使用できる。
本発明の第七の概念によると、上記特異的結合分子およびこれに対する製薬上
使用できる担体からなる配合物を提供するものである。
ヒトに非経口的に投与される配合物は、通常、滅菌されている。注射用水やリ
ン酸緩衝溶液等の、担体が存在する。投与量および投与時期は臨床医(clinicia
n)や医師(physician)の指示の元に決定され、投与される特異的結合分子の特
異性や結合活性によってのみならず抗原性や他の好ましくない特徴によっても決
められる。しかしながら、一般的には、具体的な予防のためのレジメとしては毎
週1〜1
0mg(例えば、約5mg)の投与が挙げられ、具体的な治療のためのレジメと
しては約1週間は毎日0.5〜5mg(例えば、約1mg)を投与した後毎週0
.5〜5mg(例えば、約1mg)を投与することが挙げられると考えられる。
本発明の各概念の好ましい態様は、若干の変更はあるものの(mutatis mutand
is)他の各概念と同様である。
本発明を以下の実施例によって説明する。実施例1−ハイブリドーマの調製 抗原
WO−A−9114703号の実施例2に記載されているようにして、酵母株
DC5 cir°をプラスミドpRIT13557で形質転換して、Y1648
株を作製した。Y1648株は、145番目の位置がGlyからArgに変異し
た、変異型HBsAgを発現する。変異型HBsAgを、アエロジル(商標)(
AEROSILTM)の吸着/脱着、限外濾過、イオン交換クロマトグラフィー、塩化セ
シウム(CsCl)による密度勾配遠心分離及び塩化セシウムによる勾配分画物(Cs
Cl gradient fraction)の透析によって、Y1648株の培養物(C1334と
称する)から単離した。精製した抗原のバッチを31M5と称した。免疫化
同系繁殖系のバルブ/シー(Balb/c)マウス(ハーランオラック リミテッド
(Harlan Orac Ltd)、ビセスター、
オクソン(Bicester,Oxon)、イギリス)を、100μlの完全フロイントアジ
ュバントで乳化されたバッチ31M5のうちの40μgの組換変異型HBsAg
で皮下投与し、免疫化した。4週間後、100μlの不完全フロイントアジュバ
ントで乳化された20μgの31M5の第二の投与物を皮下に投与した。2週間
後、マウスの静脈内に10μgの31M5を投与した。さらに4週間後、融合を
目的としてこのマウスを殺した。融合
脾細胞をそれぞれ洗浄し、細胞数を数えた。この細胞を、マウスの骨髄腫細胞
系P3−NS−1/1−Ag4−1(フロー ラボラトリーズ リミテッド(Fl
ow Laboratories limited)、イルヴィン(Irvine)、スコットランド)と10
:1の割合で融合した。融合誘導因子としてポリエチレングリコール1500を
用いた。融合を、37℃で7分間継続して行った。融合細胞を2×106/2m
lウェルでまき、ハイブリドーマをHAT培地を用いて選択した。実施例2−特異的抗体のスクリーニング
実施例1で得られたハイブリドーマ含有ウェルの上清を、組換野生型エーワイ
サブタイプ HBsAG(ay sub-type HBsAG)または31M5(変異型HB
sAg)のいずれかで被覆されたポリスチレンビーズと共にインキュベートした
。ビーズに結合した抗体を、西洋わさびのペルオキシダーゼ標識ウサギ抗マウス
免疫グロブリン(シグマ ケミ
カル カンパニー リミテッド(Sigma Chemical Company limited)製)で検出
した。実施例3−クローニングおよび寄託
3回限界希釈することによってまたは試験したすべてのウェルが特異的抗体に
対して陽性になるまで、選択されたウェルをクローニングし、モノクローナル抗
体である細胞系を得た。変異型及び野生型両方のHBsAgに対して特異性を有
するモノクローナル抗体を分泌する2細胞系を、ヨーロピアン コレクション
オブ アニマル セル カルチャーズ(European Collection of Animal Cell C
ultures)(ポートン ダウン、サリスバリー、ウィルトシャイアー(Porton Do
wn,Salisbury,Wiltshire))に下記表に示される日付および受託番号で寄託し
た:
変異型及び野生型の抗原へのSMH HBs 145/G/R/Iの結合を、
以下のようにして、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)によって測
定した。固相を変異型の抗原または野生型の抗原のいずれかで被覆し、室温で1
6時間インキュベートした。次に、この固相を洗
浄した後、37℃で2.5時間、西洋わさびのペルオキシダーゼ標識ウサギ抗マ
ウス抗体(ダコ(Dako)製)の1000希釈液と共にインキュベートした。この
固相を再度洗浄し、酵素基質を30分間かけてきれいなチューブに入った固相に
加えた。この液体のODの読取り(OD reading)を、495nmでマルチウェル
プレートリーダー(multi-well plate reader)で測定した。この値を、培地の
みのコントロール及び不適切なIgGモノクローナル抗体のコントロールを用い
たアッセイと比較した。結果を以下の表に示す。2抗原に関するODの読取りは
、コントロールの読取りに比べて有意に大きかった(データは示さず)。
変異及び野生型の抗原へのSMH HBs 145/G/R/IIの結合を同
様にして測定した。
変異型のHBsAgに対してのみ特異性を有するモノクローナル抗体を分泌す
る2細胞系を、ヨーロピアン コレクション オブ アニマル セル カルチャ
ーズ(European Collection of Animal Cell Cultures)(ポートン ダ
ウン、サリスバリー、ウィルトシャイアー(Porton Down,Salisbury,Wiltshir
e))に下記表に示される日付および受託番号で寄託した:
変異型及び野生型の抗原へのSMH HBs 145/R/I及びSMH H
Bs 145/R/IIの結合を、SMH HBs 145/G/R/Iで記載
した方法と同様にして測定した。同様の方法によって、野生型の抗原には有意な
結合はないことが示された。実施例4−変異型及び野生型両方の抗原を検出するモノクローナル抗体の使用
SMH HBs 145/G/R/IまたはSMH HBs 145/G/R
/IIによって分泌された抗体を含む血清サンプルにおける野生型または変異型
のウィルスの検出を2サイトイムノアッセイ(2 site immunoassay)を用いて行
った(グーダル(Goodal)ら、メド ラブ サイ(Med.Lab.Sci.)、38巻、
ページ349〜354(1981年))。すなわち、抗体を捕獲相(capture ph
ase)として
作用する固体支持体上に被覆する。これを最適な結合が得られる時間抗原サンプ
ルと共にインキュベートする。サンプルを固体支持体から洗浄する。抗原の結合
量を標識された抗体と共にインキュベートすることによって測定する。プロテイ
ンAアフィニティクラマトグラフィー(Protein A affinity chromatography)
によって腹水から精製した抗体を放射性核種酵素または例えばビオチンを検出す
ることが可能な他の分子で標識する。アッセイに使用した標識抗体の濃度および
インキュベーションの時間及び温度を最適な結合が得られるように調節する。遮
断タンパク質を抗体にこの段階で加え、例えば胎児ウシ血清やウシ血清アルブミ
ンの非特異的結合を防止する。過剰の標識された抗体を洗浄除去し、結合した標
識を適当な方法を用いて検出する。例えば、ビオチン−標識された抗体をアビジ
ン−西洋わさびペルオキシダーゼ複合体によって検出する。この複合体の結合を
オルトフェニレンジアミン及び過酸化水素によって検出する;上記色の変化の光
学濃度を492nmで測定する。各アッセイは陽性及び陰性のコントロールを含
む。実施例5−変異型の抗原のみを検出するモノクローナル抗体の使用
抗体を含む血清サンプルにおける変異型ウィルスのみの検出を、SMH HB
s 145/G/R/IまたはSMH HBs 145/G/R/IIによって
分泌された抗体の代わりにSMH HBs 145/R/IまたはSM
H HBs 145/R/IIによって分泌された抗体を用いる以外は、実施例
4に記載されたのと同様にして行った。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
G01N 33/576 9162−4B C12N 15/00 C
33/577 9281−4B 5/00 B
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA,
CN,CZ,FI,GE,HU,JP,KG,KP,K
R,KZ,LK,LV,MD,MG,MN,MW,NO
,NZ,PL,RO,RU,SD,SE,SI,SK,
TJ,TT,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 カーマン,ウィリアム,フレドリック
イギリス国,グラスゴウ ジー42 8キュ
ーエヌ,クイーンズパーク,クイーンズ
ドライブ 148
(72)発明者 トーマス,ホワード,クリストファー
イギリス国,ロンドン エヌ2 9エヌエ
ックス,ビーチ ドライブ 39
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.B型肝炎の抗原決定基に特異的に結合することができ、細胞系SMH HB s 145/G/R/I(ECACC 92122312)、SMH HBs 145/R/I(ECACC 93052626)、SMH HBs 145/ G/R/II(ECACC 93033109)またはSMH HBs 145 /R/II(ECACC 93033110)によって分泌されたモノクローナ ル抗体であるまたはこれらの抗体と交差競合する分子。 2.抗体である請求の範囲第1項に記載の分子。 3.モノクローナル抗体である請求の範囲第2項に記載の分子。 4.ヒトまたは少なくとも一部が人体に適応された抗体である請求の範囲第3項 に記載の分子。 5.非ヒトCDRがヒトの免疫グロブリンのフレームワーク上に挿入される請求 の範囲第4項に記載の分子。 6.シングルドメイン抗体である請求の範囲第1項から第5項のいずれかに記載 の分子。 7.変異型HBsAgには結合するが野生型HBsAgには結合しない、請求の 範囲第1項から第6項のいずれかに記載の分子。 8.細胞系SMH HBs 145/R/I(ECACC 93052626) またはSMH HBs 145/R /II(ECACC 93033110)によって分泌されるモノクローナル抗 体。 9.変異型HBsAgおよび野生型HBsAgの両方に結合する、請求の範囲第 1項から第6項のいずれかに記載の分子。 10.細胞系SMH HBs 145/G/R/I(ECACC 921223 12)またはSMH HBs 145/G/R/II(ECACC 93033 109)によって分泌されるモノクローナル抗体。 11.請求の範囲第1項から第10項のいずれかに記載の特異的結合分子を発現 することが可能な細胞系または細胞培養物。 12.ハイブリドーマである請求の範囲第11項に記載の細胞系。 13.細胞系SMH HBs 145/G/R/I(ECACC 921223 12)。 14.細胞系SMH HBs 145/G/R/II(ECACC 93033 109)。 15.細胞系SMH HBs 145/R/I(ECACC 93052626 )。 16.細胞系SMH HBs 145/R/II(ECACC 9303311 0)。 17.診断および/または治療に使用する請求の範囲第1項から第10項のいず れかに記載の特異的結合分子。 18.B型肝炎粒子または抗原を含むことが疑われているサンプルを請求の範囲 第1項から第10項のいずれかに記載の特異的結合分子と接触させることからな る、B型肝炎の診断方法。 19.請求の範囲第1項から第10項のいずれかに記載の特異的結合分子および この特異的結合分子がB型肝炎粒子または抗原に結合するか否かを検出ための手 段からなる、B型肝炎粒子または抗原の検出用アッセイキット。 20.B型肝炎のインビボ診断を目的とする薬剤の調製における請求の範囲第1 項から第10項のいずれかに記載の特異的結合分子の使用。 21.請求の範囲第1項から第10項のいずれかに記載の特異的結合分子を患者 に投与することからなるB型肝炎のインビボ診断方法。 22.B型肝炎の感染に対する治療薬または予防薬の調製における請求の範囲第 1項から第10項のいずれかに記載の特異的結合分子の使用。 23.請求の範囲第1項から第10項のいずれかに記載の特異的結合分子を患者 に投与することからなるB型肝炎の感染の治療または予防方法。 24.請求の範囲第1項から第10項のいずれかに記載の特異的結合分子および 製薬上使用できる担体からなる配合物。
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