【発明の詳細な説明】
TH非依存性細胞障害性T細胞の産生において使用するための
ハイブリッド遺伝子 技術分野
本発明は、免疫治療において使用するための材料に関し、より詳細には、発現
するときに成長または増殖を促進する組換え遺伝子を含むリンパ球に関する。背景
Tリンパ球は、主に、細胞内病原体および悪性物に対する保護と関係する。T細
胞免疫が甚だしく不完全な個体はしばしば、サイトメガロウイルス、Pneumocyst is carinii
、Candida、および細菌、ウイルスおよび菌類を含むその他の明らか
な「日和見」病原体のような生物体による圧倒的な感染に屈する。これらの個体
はまた、B細胞リンパ腫のような悪性物に屈し得、特定の腫瘍の抑制または排除
におけるT細胞免疫の重要性を示す。免疫抑制は、化学療法の結果としての、ウ
イルス感染(例えば、HIVウイルスによる)、および(特に造血系に影響するタ
イプの)悪性物を含む、種々の原因の結果であり得る。
すべての成熟Tリンパ球は、CD3細胞表面分子を発現するが、それらの互いの細
胞表面分子CD4およびCD8の排他的発現を基に2種の基礎的なサブタイプからなる
。CD4+T細胞とCD8+T細
胞との間の機能的差別は、CD4+細胞がクラスII MHC分子と関連して存在する抗原
を認識し、そしてCD8+細胞がクラスI MHC分子と関連して存在する抗原を認識す
る能力に基づく。CD8+細胞は、外来抗原を保持する標的細胞の直接の細胞障害性
破壊のような、免疫応答における「エフェクター」機能に関係し、そしてウイル
ス感染および腫瘍に対する重要なメカニズムを代表する。この細胞溶解機能を仲
介するCD8+細胞は、細胞障害性Tリンパ球(CTL)と呼ばれる。CD4+T細胞は一般
に、免疫応答において「ヘルパー」機能に関係し、そしてサイトカイン分子、特
に細胞障害性CD8+T細胞が依存するIL-2を分泌する。CD4+T細胞は、しばしばTヘ
ルパー(TH)細胞と呼ばれる。大部分のCTLは、CD8+表現型であるが、CD4+表現
型のいくつかのCTLが知られている。一般に、個々のCTL(CD8+またはCD4+のいず
れも)抗原特異的である。
リンパ球のクラス、例えば、CTLは、外来抗原に対する応答で成長および増殖
に、IL-2のような、ヘルパーT(TH)細胞由来のサイトカインに依存する。(Zin
kernagelおよびDoherty、Adv.Immunol.27:51,1979;Maleら、Advanced Immunlog
y、第7章、Gower Publ.、London、1987;Jacobsonら、J.Immunol.133:754、198
4)。IL-2は、例えば、細胞障害性Tリンパ球に対して潜在的なマイトジェンであ
り(GillisおよびSmith、Nature 268:154、1977)、そして抗原およびIL-2の組
み合わせはインビトロで一次CD8+T細胞の増殖を引き起こす。インビボにおけるC
D8+CTLの成長および維持に対するIL-2の重要性は、移植
された抗レトロウイルスCD8+細胞の治療効率が、引き続くIL-2の投与に際し増強
される、養子免疫治療のモデルで証明されている(Cheeverら、J.Exp.Med.155:
968、1982;Reddehaseら、J.Virol.61:3102、1987)。IL-4およびIL-7はまた
、成熟CD8+CTLの増殖を促進し得る(Aldersonら、J.Exp.Med.172:577、1990)。
かなり多くの研究が悪性腫瘍およびウイルス感染の治療におけるT細胞の使用
に集中している。特定のタイプの腫瘍に特異的な細胞障害性T細胞が単離され、
そして腫瘍を有する患者にCTLが腫瘍を改善する効果を伴って投与され得る。例
えば、腫瘍特異的なT細胞がマウスにおける実験腫瘍に対して生成され得るのみ
ならず、外見上腫瘍特異性を有するT細胞がヒト腫瘍から単離され得ることが示
されている。そのようなヒト腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)をインビトロで増殖さ
せ、そして癌患者を治療するために使用されることは、腫瘍特異的T細胞を用い
たヒト養子免疫治療に対する顕著な熱狂をもたらした(Rosenbergら、N.Engl.J.
Med.319:1767、1988)。
ウイルス抗原に特異的な細胞障害性T細胞を用いる同様の研究がまた、動物モ
デルで行われた。CD8+(Walkerら、Nature 328:345、1987;Plataら、Nature 328
:348、1987)およびCD4+(Silicianoら、Cell 54:561、1988)表現型両者のヒト
HIV特異的CTLが単離されそして特徴付けられた。HIV特異的CD8+CTLは、特徴付け
られ、ウイルス、腫瘍または同種特異的(allospecific)抗原に特異的である多
くのマウスおよびヒトCTLクローン
と同様に、それらの増殖性および細胞障害性応答が抗原特異的およびMHC限定的
である点で古典的CTLである(Walkerら、前述;Chencinerら、Eur.J.Immuno.19:
1537、1989;Walkerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:9514、1989)。
免疫を確立するための抗原(Ag)特異的T細胞の養子移植(adoptive transfer
)は、マウス動物モデル系で特定のウイルス感染および腫瘍に対して有効な治療
であるようである。(レビューのために、P.D.Greenberg、Advances in Immuno
logy F.Dixon編、Academic Press,Inc.Orlando Fla.(1991)、280-355頁を参
照)。しかし、養子移植法の成功した結果は、移植クローンの寿命および移植細
胞の宿主に対する毒性の欠如を含む、多くの因子に依存する。多くの抗原特異的
T細胞クローンが単離されているが、インビトロで生成された腫瘍特異的T細胞ク
ローンの使用は腫瘍治療においてはっきりとした限界があることが示された。い
くつかの治療モデルにおいて細胞溶解性CD8+T細胞の効率が、(TH細胞により産
生される)外因性IL-2に対する依存性により制限されることが示され、知見は、
外因性IL-2の投与が最適治療効率に必須であるように見えるヒト養子治療試行に
おいて確証された(Rosenbergら、N.Engl.J.Med.319:1767;,1988;Klarnetら、R
ole of Interleukin-2 Activated Killer Cells ln Cancer、LutzovaおよびHerb
erman(編)、CRC Press、Florida、第14章、199-218頁、1990)。従って、イン
ビトロT細胞クローニング技法は腫瘍またはウイルス特異性を示し得る多数のT細
胞を生成する手段を提供する
が、治療でそのような抗原特異的T細胞を用いる十分な可能性は、それらのTH細
胞依存性により制限されるようである。
ある限定された例で、TH依存性の問題は、TH細胞に依存せずに機能することが
知られている特定クラスの細胞を用いることにより克服し得る。これらの細胞は
、ヘルパー非依存性細胞障害性CD8+細胞(HIT)(Klarnetら、J.Immunol.142:21
87、1989)として知られ、そして一次(即ち、インビボ供給源から新規に単離さ
れた)CD8+CTL(SprentおよびSchaefer、J.Exp.Med.162:21068、1985;Andrusら
、J.Exp.Med.159:647、1984)の集団中で同定された。HIT細胞は、CD4+が独立に
成長しそしてそれらがサイトカインを産生するに十分なIL-2を産生する。HIT細
胞はまた、原形質膜IL-1レセプター(IL-1R)を発現し、そしてそれらのIL-2非
依存性増殖にIL-1を必要とすることが知られている(Klarnetら、1989、前述)
。このことは、それら表面に検出可能なIL-1Rを発現しない通常のCD8+CTL(Lowe
nthalおよびMacDonald、1987)と対照的である。HIT細胞は、腫瘍、ウイルスお
よび同種抗原を含む、所定の範囲の抗原に特異的に生成する(von Boehmerら、J
.Immunol.133:59、1984;Klarnetら、J.Immunol.138:4012、1987;およびAndrus
ら、J.Exp.Med.149:647、1984;Mizouchiら、J.Immunol.142:270、1989)。レ
トロウイルスで形質転換された腫瘍に特異的なHITが腫瘍細胞を根絶し、それら
が移植後インビボで長期間存続することが示された(Klarnetら、1989、前述)
。不運にも、HIV抗原または腫瘍抗原のような多くの重要な抗原に対する特異
性を有するHIT細胞は、いまだ単離されていない。
治療において、抗原特異的なT細胞の十分な可能性を実現するために、TH細胞
依存性が低下したCTLのより完全なレパートリーを開発する必要がある。1つの
アプローチは、サイトカインレセプター、例えばIL-1レセプターを発現する組換
えベクターをTH依存性CTL中に導入し、TH細胞および/またはそれらの刺激因子に
対する要求が低下した細胞に転換することである。(PCT/US91/06921、1992年4
月16日に公開されたWO 92/05794)。以下の記載される本願発明は、TH細胞およ
び/またはそれらが産生する促進因子に対する依存性が低下したリンパ球を産生
する別のアプローチを示す。発明の要旨
本発明は、ベクターなしの親細胞に比べ、制限された量のTH細胞またはTHアク
セサリー細胞により提供される刺激因子(例えばサイトカイン)の存在下で、高
められた成長または増殖を行い得るリンパ球を産生するベクターを提供する。
このベクターは組換え遺伝子を含み、そこから成長または増殖を促進し得る所
望の遺伝子産物の発現が、少なくとも部分的に異種転写制御領域により制御され
る。転写制御領域は、標的細胞のMHCに関連するコグネイト(cognate)抗原の存
在によるリンパ球活性化に応答性の遺伝子由来である。従って、本発明は、刺激
因子の発現を調節する利点を提供し、その結果それらはリンパ球の抗原活性化と
同等になる。
本発明はまた、上記ベクターを含むリンパ球、および上記ベクターを用いてTH
細胞および/またはそれらが産生する刺激因子に対する依存性の小さくなったリ
ンパ球を作成する方法を提供する。
従って、本発明の1つの実施態様は、異種(heterologous)転写制御領域に作
動可能に連結された刺激因子ポリペプチドをコードする領域を含む組換えポリヌ
クレオチドであり、ここで活性化されたリンパ球における刺激因子ポリペプチド
の発現がリンパ球Tヘルパー細胞(TH細胞)依存性を減少し、そしてリンパ球が
そのコグネイト抗原により活性化されるとき、転写制御領域が、刺激因子コード
領域の転写を引き起こす。
本発明の他の実施態様は宿主細胞およびその子孫であり、ここで宿主細胞は、
異種転写制御領域に作動可能に連結された刺激因子ポリペプチドをコードする領
域を含む組換えポリヌクレオチドで形質転換され、活性化されたリンパ球におけ
る刺激因子ポリペプチドの発現がTヘルパー細胞(TH細胞)依存性を減少させ、
そしてリンパ球がそのコグネイト抗原により活性化されるとき、転写制御領域が
刺激因子コード領域の転写を引き起こす。
本発明のさらに別の実施態様は、上記ポリヌクレオチドでリンパ球を形質転換
する工程を包含する上記ポリヌクレオチドの使用法であり、ここでリンパ球の形
質転換の結果として増殖に対するTH細胞依存性が小さくなる。
本発明のその他の実施態様は、上記の方法により産生され
た細胞、およびその子孫である。図面の簡単な説明
図1は、HyTK/hIL-3/CATおよびHyTK/hIL-4/CATと名付けたレトロウイルスベク
ターのプロウイルス構造の略図である。
図2は、ベクターHyTK/hIL-3/CATまたはHyTK/hIL-4/CATでトランスフェクトし
た非刺激および刺激ジャーカット細胞における発現からのCAT活性に対するアッ
セイ結果をハーフトーンで再生した図である。
図3は、サイトカインコード配列に作動可能に連結された異種転写制御領域を
含む非ウイルスベクターの略図である。
図4Aおよび図4Bは、HyTKコード領域、および異種転写制御領域に作動可能
に連結されたhIL-2配列を含むレトロウイルスベクターのプロウイルス構造の略
図である。図4Cおよび図4Dは、HyTKコード領域、および異種転写領域に作動
可能に連結された遺伝子(それは、例えば、CAT遺伝子またはIL-2遺伝子であり
得る)を含むレトロウイルスベクターのプロウイルス構造の略図である。図4D
で示されたレトロウイルスベクターにおいて、異種エンハンサー配列(それは、
例えば、CMVエンハンサーであり得る)が異種転写制御領域の上流に挿入されて
いる。
図5は、サイトカインコード領域に作動可能に連結された異種転写制御領域を
含むAAVベクターの略図である。
図6から23までは実施例10〜27に記載される実験の結果を
示すグラフである。
発明の詳細な説明
本発明は、リンパ球の増殖を促進する少なくとも1つのポリペプチド(その発
現は、親のTH依存性リンパ球では通常極微量(de mininis)である)をコードす
る組換えポリヌクレオチドの存在によって、親のTH依存性リンパ球と異なる抗原
特異的リンパ球を提供する。このコード配列は、それに対して異種である転写制
御領域に作動可能に連結される。転写制御領域は、標的細胞のMHCに関連するコ
グネイト抗原の存在によりリンパ球活性化の原因となる遺伝子由来である。従っ
て、リンパ球の抗原活性化はまた、コードされたポリペプチド配列の転写にシグ
ナルを与える。組換えポリヌクレオチドを含む細胞は、好適にはCD8+CTLである
。
本明細書で使用される用語「リンパ球」は、非自己または自己抗原を特異的に
認識および応答する細胞であり、そして特異的免疫の発現の原因となる。用語「
リンパ球」には、種々のタイプのBリンパ球およびTリンパ球が含まれる。
用語「細胞障害性Tリンパ球」または「CTL」は、CD3細胞表面決定基を有しそ
してコグネイト抗原を有する標的細胞の溶解を仲介するT細胞である。CTLはCD8+
またはCD4+表現型のいずれかであり得る。CTLは一般に、それらが標的細胞表面
上の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子に関連してのみ抗原ペプチドを認識
するという点で、抗原特異的およびMHC限定的であ
る。CTLは、HIV、EBV、CMVおよび広範な腫瘍抗原を含む、広範なウイルス、腫瘍
または同種特異的抗原に対して特異的であり得る。しかし、いくつかのCTLは抗
原特異的ではない。例えば、いくつかのクローン化されたCTLは誘導されて異常
に高い濃度のIL-2での培養によりそれらのコグネイト抗原に対する特異性のある
部分を失い得る(Brookら、Immunol.Rev.72:43、1983)。
用語「TH非依存性」CTLまたはリンパ球または「TH細胞依存性が小さくなった
リンパ球」は、このリンパ球が由来する親リンパ球に比べて、限定された量のCD
4+Tヘルパー(TH)細胞および/または1つまたはそれより多い由来するTH細胞サ
イトカインまたはそれらの相当物の存在下で、高められた成長または増殖をし得
るリンパ球をいう。成長または増殖は、例えば、任意のインビトロ増殖または成
長アッセイによりまたはインビボでCTLが存続する能力を測定する任意のアッセ
イにより測定され得る。適切なアッセイの特定の例は当該技術分野で公知である
。高められた成長または生存率を有し得るCTLは、外来抗原を有する標的細胞を
破壊する増大された能力を有しまたは長期にわたる免疫学的記憶を提供し得る。
本明細書で使用され用語「刺激因子」または「成長因子」または「刺激ポリペ
プチド」または「刺激ポリペプチド因子」は、リンパ球増殖を含む、細胞増殖を
刺激するポリペプチドをいう。この用語には、例えば、サイトカイン、刺激ポリ
ペプチド転写因子、レセプター(改変および組換えおよびハイブ
リッド形態を含む)、腫瘍遺伝子、およびサイトカインではない他のホルモン(
例えば成長ホルモン、プロラクチンおよびIGF-1)が含まれる。
用語「サイトカイン」は、例えば、インターロイキン、インターフェロン、コ
ロニー刺激因子およびTNFを含む、可溶性細胞内シグナル分子であるポリペプチ
ドをいう。
用語「ポリペプチド」はアミノ酸のポリマーをいい、そしてこの産物の特定の
長さについては言及されない;従って、ペプチド、オリゴペプチド、およびタン
パク質は、ポリペプチドの定義内に含まれる。この定義内には、例えば、グリコ
シル化、アセチル化、リン酸化などのポリペプチドの翻訳後の改変については言
及せず、または排除しない。この定義には、例えば、アミノ酸の1つまたはそれ
より多いアナログ(例えば、非天然アミノ酸などを含む)を含むポリペプチド、
置換された結合、ならびに天然および非天然の両方で生じる当該技術分野で公知
の改変を有するポリペプチドが含まれる。
本明細書で使用される用語「形質転換」は、挿入に使用される方法、例えば、
直接取り込み、形質導入、f-交配またはエレクトロポーレーションにかかわらず
、宿主細胞中への外因性ポリヌクレオチドの挿入をいう。外因性ポリヌクレオチ
ドは、非組込みベクター、例えば、プラスミドとして維持され得、あるいは宿主
細胞ゲノム中に組み込まれ得る。
本明細書で使用される用語「処理」は、予防および/または治療をいう。
「ヘルパーT細胞」または「ヘルパー細胞」または「TH細胞」は、細胞障害性T
細胞を生成することを補助および抗体応答の生成においてB細胞と共動し得るT細
胞の機能的サブクラスである。ヘルパー細胞は、通常、クラスII MHC分子に関連
する抗原を認識する。
「抗原特異的T細胞クローン」は単一細胞の子孫を含み;このタイプのクロー
ンは、同じ表現型であり、そしてすべてが同一抗原に向けて標的される。抗原特
異的T細胞クローンを調製する方法は当該技術分野で公知である。
用語「組換え発現ベクター」は、形質転換、エレクトロポーレーション、形質
導入またはウイルス感染により標的細胞中に導入され得、そして遺伝子発現にお
いて調節役割を有する要素の制御下でmRNAに転写されそしてタンパク質に翻訳さ
れる異種構造コード配列、例えば、サイトカインの発現をコードする形態のDNA
またはRNAの複製可能な単位をいう。そのようなベクターは、好適には、コード
配列に作動可能に連結された開始配列を含む、適切な転写および翻訳制御配列を
また含み得る。
本明細書で使用される用語「組換え」は、天然系で見い出される相同配列から
区別され得る構造コード配列を有する構築物を得る、クローニング、制限、およ
びライゲーション(ligation)工程の種々の組み合わせの産物である特定のDNA
配列を意味する。一般に、構造コード配列、例えば、サイトカインをコードする
DNA配列は、cDNAフラグメントおよび短いオリ
ゴヌクレオチドリンカーから、または一連のオリゴヌクレオチドからアセンブル
され得、組換え転写単位で発現され得る合成遺伝子を提供する。そのような配列
は、好適には、代表的には真核生物遺伝子に存在する内部非翻訳配列、またはイ
ントロンにより中断されない読み取り枠(open reading frame)の形態で提供さ
れる。相応する配列を含むゲノムDNAがまた使用され得る。翻訳されないDNA配列
が読みとり枠の5'または3'側に存在し得、そこではそのような配列は、コード領
域の操作または発現を妨害しない。従って用語「組換え」ポリヌクレオチドまた
は核酸は、天然に存在しない、または2種の別々の配列のセグメントの人工的組
み合わせにより作成される物質をいう。この人工的組み合わせはしばしば、化学
合成手段、または単離された核酸のセグメントの人工的操作により、例えば遺伝
子工学技法により達成される。そのような操作は、代表的には配列認識部位を導
入または除去すると同時に、通常、コドンを、同一または保存アミノ酸をコード
する重剰性(redundant)コドンで置き換えるためになされる。あるいは、所望
の機能の核酸セグメントを一緒に結合するためになされ機能の所望の組み合わせ
を生成する。
「組換え宿主細胞」、「宿主細胞」、「細胞」、「細胞株」、「細胞培養物」
、および単細胞実体として培養される微生物または高等真核細胞株を示すその他
のそのような用語は、組換えベクターまたはその他の転移ポリヌクレオチドに対
する受容体として使用され得、または使用された細胞をいい、そ
してトランスフェクトされた当初の細胞の子孫を含む。単一細胞の子孫は、自然
の、偶然の、または意図的な変異のため、元の親と、形態においてまたはゲノム
または全DNA補足物において必ずしも完全に同一である必要のないことが理解さ
れる。
CTLが腫瘍またはウイルス抗原を保有する細胞を選択的に認識および溶解し得
る場合、CTLは、腫瘍またはウイルス抗原を発現する細胞に対して「細胞溶解特
異的」である。CTLが腫瘍またはウイルス抗原を保有する細胞を、そのような細
胞を選択的に認識するためのその能力なしに溶解する場合、CTLは、腫瘍または
ウイルス抗原を発現する細胞に対して「細胞溶解反応性」である。
「活性化誘導発現」は、T細胞が、コグネイト抗原による刺激、T細胞レセプタ
ーと抗CD3抗体との架橋による刺激、およびホルボールミリスチン酸(「PMA」)
とイオノマイシン(ionomycin)との組み合わせのような化学薬剤による刺激を
含む(これらに限定されない)、当該技術分野で公知の任意の多くの方法により
刺激されるとき生じる発現についていう。
「抗原誘導発現」または「抗原特異的発現」は、T細胞がそのコグネイト抗原
を認識するとき生じる発現をいう。
「コグネイト」抗原は、MHC分子と会合するとき、それを認識するリンパ球に
結合するリガンドを形成し、そして細胞のエフェクター機能および/または増殖
に対するシグナルの引き金になる抗原、ペプチドをいう。
「活性化リンパ球」は、コグネイト抗原による刺激、T細胞
レセプターと抗CD3抗体との架橋による刺激、およびホルボールミリスチン酸(
「PMA」)とイオノマイシン(ionomycin)との組み合わせのような化学薬剤によ
る刺激を含む(これらに限定されない)、当該技術分野で公知の任意の多くの方
法により刺激の結果として、そのように活性化されないリンパ球に比べ高められ
たレベルで遺伝子産物(例えば、サイトカインを含む)を発現するリンパ球であ
る。
「転写制御領域」(しばしば「転写調節領域」ともいう)は、転写に必要なす
べての要素を包含し、そして調節および細胞特異的転写に必要な制御要素を含み
得る。従って、転写制御領域は、少なくともプロモーター配列を含み、そしてま
た、エンハンサーのようなその他の調節配列、および転写因子結合部位を含み得
る。
「コード領域に異質な(heterologous)転写制御領域」は、天然には、通常、
コード領域とまったく関連していない領域をいう。
「作動可能に連結される」は、そのように記載された成分がそれらが意図され
た様式で機能することを可能にする関係にある並置をいう。例えば、プロモータ
ーがその転写または発現に影響する場合、プロモーターはコード配列に作動可能
に連結している。
「調節配列」は、遺伝子の発現(遺伝子の転写、およびメッセンジャーRNAの
翻訳、スプライシング、安定性など)に影響する遺伝子座のコード領域と通常関
連する配列(例えば50kb以
内の)をいう。
本明細書で使用される用語「個体」は、脊椎動物、特に哺乳類の種のメンバー
をいい、そして限定されないが、家畜動物、スポーツ動物(sports animal)、
ヒトを含む霊長類を含む。
本発明の実施には、他に別様に示されなければ、当業者に公知の分子生物学、
微生物学、組換えDNA、および免疫学の従来技法を使用し得る。そのような技法
は、以下の文献中に十分に説明されている。例えば、Sambrook,Fritsch,およ
びManlatis,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,第2版(1989),OLIGON
UCLEOTIDE SYNTHESIS(M.J.Gait編、1984),ANIMAL CELL CULTURE(R.I.Fresh
ney,編、1987),METHODS IN ENZYMOLOGY(Academic Press,Inc.)のシリーズ
;GENE TRANSFER VECTORS FOR MAMMALIAN CELLS(J.M.MillerおよびM.P.Calos編
、1987),HANDBOOK OF EXPERIMENTAL IMMUNOLOGY,(D.M.WeirおよびC.C.Blac
kwell編);CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,(F.M.Ausubel,R.Brent
,R.E.Kingston,D.D.Moore,J.G.Siedman,J.A.Smith,およびK.Struhl編、198
7);およびCURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY(J.E.Coligan,A.M.Kruisbeek,D
.H.Margulies,E.M.ShevachおよびW.Strober編、1991)を参照。本明細書で述べ
られるすべての特許、特許出願、および刊行物は、前述および後述を含め、参考
として援用される。
TH非依存性CTLは、TH依存性CTLから、異種コード配列に作動可能に連結された
少なくとも1つの刺激因子をコードする
配列を含む組換えポリヌクレオチドの挿入により作成される。刺激因子は、CTL
、特に抗原活性化CTLの増殖を刺激または高める因子である。好適な実施態様で
は、刺激因子は、例えばインターロイキン(IL)、インターフェロン(IFN)、T
GF-β、腫瘍壊死因子(TNF)、コロニー刺激因子(CSF)、および成長因子(GF
)のファミリーのメンバーを含むサイトカインである。多くのサイトカインコー
ド配列が単離されそして配列決定されている。(サイトカインのレビューのため
に、例えば、Annual Reviews in Biochemistry 59:783-836(1990)を参照)。好
適な実施態様では、TH非依存性細胞に転換された細胞はCD8+細胞であり、そして
刺激因子は優先的にIL-2である。CTLの増殖について刺激因子の影響を測定する
方法は当該技術分野で公知である。
刺激因子をコードする領域が作動可能に連結される転写制御領域は、調節可能
で、しかもT細胞(そして好適にはCD8+CTL)で機能する領域である。好適には、
転写制御領域は、そのコグネイト抗原により、Tリンパ球、特にCD8+CTLの活性
化に答える。このことは、活性化CTLの増殖を刺激することが望ましいときの条
件下で、転写制御領域の活性化および刺激因子遺伝子の発現を引き起こす。
転写制御領域は当該技術分野で公知であり、そして例えば、以下から単離され
た領域を含む:ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)IE94遺伝子(M.Boshartら(1
985),Cell 41:521-530);ヒトIL-2遺伝子(T.FUJitaら(1986),Cell46:401-4
07);ヒトIFN
-γ遺伝子(V.C.Ciccaroneら(1990),J.Immunol.144:725-730);ヒトIL-3遺伝
子(S.G.Shoemakerら(1990),Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:9650-9654);ヒトI
L-4遺伝子(N.Araiら(1989),J.Immunol.142:274-282;ヒトリンホトキシン遺
伝子(G.E.Nedw1n,S.L.Naylor,A.Y.Sakaguchi,D.Smith,J.Jarrett-Nedwin,D
.Pennica,D.V.Goeddel,およびP.W.Gray(1985),Nucl.Acids.Res.13:6361-637
3);ヒト顆粒球マクロファージCSF(GM-SCF)遺伝子(S.Miyatakeら(1985),E
MBO J.4:2561-2568;ヒトパーフォリン(perforin)遺伝子(M.G.Lictenheldら
(1989),J.Immunol.143:4267-4274);ヒト519遺伝子(W.C.Manningら(1992
),J.Immunol.148:4036-4042);ヒトグランザイムB(granzyme B)(CTLA-1)
遺伝子(P.Haddadら(1990),Gene 87:265-271;ヒトCTLA-4遺伝子(K.Harperら
(1991),J.Immunol.147:1397-1044);ヒトCGL-2遺伝子(J.W.Heuselら(1991
),J.Biol.Chem.266:6152-6158);ヒトグランザイムH遺伝子(P.Haddadら(199
0),Int.Immunol.3:57-66;ヒトIL-2レセプター、α鎖遺伝子(S.L.Crossら(19
87),Cell 49:47-56);マウスT細胞活性化3(TCA-3)遺伝子(S.D.Wilsonら(
1988),J.Immunol.141:1563-1570);マウスCD69遺伝子(F.Zieglerら(1994),
J.Immunol.152:1228-1236);およびヒトCD69遺伝子。
転写制御領域の中で、活性化CD4+ヘルパーT細胞(TH細胞)で優先的に活性な
領域は、IL-2およびIL-4遺伝子からの領域である。活性化CD8+CTLで優先的に活
性な領域は以下の遺伝子からの領域である;リンホトキシン、パーフォリン、51
9、グ
ランザイムH、CTLA-1、およびCGL-2。特に興味深いのは、活性化CD4+TH細胞およ
びCD8+CTLの両方で活性な領域であり、とりわけ、以下の遺伝子からの転写制御
配列を含む;IFN-γ、IL-3、GM-CSF、CTLA-4、IL-2レセプターα鎖、TCA-3およ
びCD69。
本発明のいくつかの実施態様では、転写制御領域はハイブリッドである。例え
ば、エンハンサー領域(例えば、HCMV IE転写制御領域からのおよび/またはSV40
初期転写制御領域からの)が、転写制御領域の上流、下流、またはその中に挿入
され得る。あるいは、さらにマルチマー転写因子結合部位(例えば、NF-ATおよ
び/またはNF-KB)が、転写制御領域の上流、下流、またはその中に挿入され得る
(例えば、C.L.Verwe1jら(1990)J.Biol.Chem.265:15788-15795(NF-ATを記載
する);およびK.Briegelら(1991)Nucl.Acids Res.19:5929-5936(NF-KBを記
載する)を参照)。1つの転写制御領域の上流領域はまた、別の近接領域と組み
合わされ得る。
刺激因子(例えば、リンホカインまたはサイトカイン)の過剰発現、または多
数の抗原特異的CTLの注入は、処理される個体に毒性であり得ることが予期され
る。従って、本発明のT細胞クローンがインビボでネガティブ選択を受けるよう
にする遺伝子セグメントを含むことが本発明の範囲に入る。「ネガティブ選択」
は、注入された細胞が個体のインビボ状態における変化の結果として排除され得
ることを意味する。ネガティブ選択可能な表現型は、投与された薬剤、例えば、
ある種
の化合物に対する感受性を付与する遺伝子の挿入の結果であり得る。ネガティブ
選択可能な遺伝子(「ネガティブ選択可能なマーカー」または「自殺遺伝子」と
も呼ばれる)は、当該技術分野で公知であり、そしてとりわけ以下を含む:ガン
シクロビル(ganciclovir)感受性を付与するI型単純ヘルペスチミジンキナーゼ
(HSV-I TK)遺伝子(Wiglerら、Cell 11:223,1977);細胞性ヒポキサンチン
ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)遺伝子、細胞性アデニンホスホリボ
シルトランスフェラーゼ(APRT)遺伝子、および細菌性シトシンデアミナーゼ(
Mullenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.89:33(1992))。
さらに、ネガティブ選択可能な表現型細胞のインビトロでの選択を可能にする
ポジティブマーカーをT細胞中に含むことが有用である。ポジティブ選択可能な
マーカーは、宿主細胞中に導入される際、この遺伝子を担持する細胞のポジティ
ブ選択を可能にする優勢表現型を発現する遺伝子であり得る。このタイプの遺伝
子は当該技術分野で公知であり、そしてとりわけ、ハイグロマイシン-B(hygro
mycin-B)に対する耐性を付与するハイグロマイシン-Bホスホトランスフェラー
ゼ遺伝子(hph)、抗生物質G418に対する耐性をコードするTn5由来のアミノグリ
コシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子(neoまたはaph)、ジヒドロ葉酸レダク
ターゼ(DHFR)遺伝子、アデノシンデアミナーゼ遺伝子(ADA)、および多剤耐
性(MDR)遺伝子を含む。
好ましくは、ポジティブ選択可能なマーカーおよびネガテ
ィブ選択可能な要素は、ネガティブ選択可能な要素の獲得または損失がポジティ
ブ選択可能なマーカーの獲得または損失を伴うように連鎖される。より好ましく
は、ポジティブおよびネガティブ選択可能なマーカーは融合され、1つの獲得ま
たは損失が他方の獲得または損失を余儀なくさせる。上記の所望のポジティブお
よびネガティブ選択の特徴の両者を付与する発現産物としてポリペプチドを生成
する融合ポリヌクレオチドの例は、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ
-チミジンキナーゼ融合遺伝子(HyTK)である。この遺伝子の発現は、インビト
ロでポジティブ選択のためにヒグロマイシンB耐性を、およびインビボでネガテ
ィブ選択のためのガンシクロビル感受性を付与するポリペプチドを生じる。Lupt
on S.D.ら、Mol.and Cell.Biology 11:3374-3378,1991を参照。また、Lupton,S
.D.らによる「二官能性の選択可能な融合遺伝子」WO 92/08796(国際公開日1992
年5月29日)の明細書を参照。
核酸操作の技法は一般に、例えば、Sambrook(1989)ら、前述、Ausubel(198
7)ら、前述、およびAnnual Reviews of Biochemistry(1992)61:131-156、に
記載されている。そのような技法を適用するにおいて有用な、制限酵素などの試
薬は、当該技術分野で広く知られており、多くのベンダーから商業的に入手可能
である。
本発明の細胞を作成するために使用される大量のポリヌクレオチドは、適切な
宿主細胞中の複製により生成され得る。所望のフラグメントをコードする天然ま
たは合成ポリヌクレ
オチドフラグメントは、組換え核酸構築物、代表的には原核または真核細胞中に
導入し得そして複製し得るポリヌクレオチド構築物中に取り込まれ得る。通常、
この構築物は、酵母または細菌のような単細胞宿主中での複製に適切であり得る
が、ゲノム内に組み込まれ、また組み込まれることなく、培養哺乳類または植物
またはその他の真核細胞株に導入されることが意図され得る。本発明の方法によ
り生成される核酸の精製は、例えば、Sambrookら(1989)に記載されている。
本発明で使用されるポリヌクレオチドはまた、部分的にまたは全部が化学合成
、例えば、BeaucageおよびCarruthers(1981)Tetra.Letts.22:1859-1862により
記載されるホスホルアミダイト(phosphramidite)法により、またはMatteucci
ら(1981)J.Am.Chem.Soc.103:3185によるトリエステル法により生成され得、そ
して市販の自動化オリゴヌクレオチド合成機上で実施され得る。二本鎖フラグメ
ントは、相補鎖を合成しそしてこのストランドを適切な条件下で一緒にアニール
することにより、または適切なプライマー配列とともにDNAポリメラーゼを用い
ることによるいずれかで、化学合成一本鎖産物から得られ得る。
複製のために原核生物または真核生物宿主細胞に導入するために調製されるポ
リヌクレオチド構築物は、代表的には、所望のポリペプチドをコードする意図さ
れた組換えポリヌクレオチドフラグメントを含んで、宿主により認識される複製
系を含み得る。そのようなベクターは、当該技術分野で周知
であり、例えば、Sambrookら(1989)またはAusubelら(1987)で論議された標
準の組換え技法により調製され得る。
好適には、クローニング相の間、このポリヌクレオチド構築物は選択可能なマ
ーカー、ベクターで形質転換された宿主細胞の生存または成長に必要なタンパク
質をコードする遺伝子を含み得る。この遺伝子の存在は、挿入物を発現するこれ
ら宿主細胞のみの成長を確実にする。代表的な選択遺伝子は、(a)抗生物質ま
たはその他の毒性物質、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセー
ト(methotrexate)などに対する耐性を付与する;(b)栄養要求性欠陥を相補
する、または(c)複合培地から利用できない重要な栄養物を供給する、例えばB
acilliに対するD-アラニンラセマーゼをコードする遺伝子であるタンパク質をコ
ードする。適切な選択可能なマーカーの選択は、宿主細胞に依存し、そして異な
る宿主に対する適切なマーカーは当該技術分野で周知である。
ポリヌクレオチドが付与するCTLのTH非依存性は、例えば、形質転換、エレク
トロポーレーション、リポフェクション、および形質導入、当該技術分野で公知
のアデノ関連性ウイルス(AAV)ベクターの使用、および特にレトロウイルス遺
伝子転移の方法の使用を含む、当該技術分野で周知の方法により、所望のタイプ
のAg特異的T細胞中に導入され得る。
遺伝子導入のための組換え感染性ウイルス粒子を利用する種々の感染技法が開
発されている。このことは本願発明への好適なアプローチを示す。この方法で使
用され得るウイルス
ベクターは、シミアンウイルス40由来のウイルスベクター(SV40;Karlssonら、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84 82:158,1985)、アデノウイルス(Karlssonら、EMB
O J.5:2377,1986)、アデノ関連性ウイルス(AAV)(B.J.Carter,Current Opini
on in Biotechnology 1992,3:533-539),およびレトロウイルス(Weissら(編)
,RNA Tumor Viruses,第2版、第2巻、Cold Spring Harbor Laboratory,New Y
ork、中のCoffin,1985,17-71頁)を含む。従って、遺伝子転移および発現方法は
多くあるが、本質的に哺乳類細胞中に遺伝物質を導入および発現するために機能
する。上記の技法のいくつかは、造血細胞およびリンパ球系細胞を形質導入する
ために使用され、リン酸カルシウムトランスフェクション(Bermanら、前述、19
84)、プロトプラスト融合(Deansら、前述、1984)、エレクトロポーレーショ
ン(Cannら、Oncogene 3:123、1988)、および組換えアデノウイルス(Karlsson
ら、前述;Reutherら、Mol.Cell.Biol.6:123,1986)、アデノ関連ウイルス(LaF
aceら、前述)およびレトロウイルスベクター(Overellら、Oncogene 4:1425,19
89)感染を含む。一次Tリンパ球は、エレクトロポーレーションにより(Cannら
、前述、1988)およびレトロウイルス感染により(Nishiharaら、Cancer Res.48
:4730,1988;Kasidら、前述、1990)首尾良く形質導入された。
レトロウイルスベクターは、真核生物細胞中への遺伝子移入の高度に効率的な
方法を提供し、そしてTH依存性CTL中に本発明のポリヌクレオチドの好適な導入
方法である。さらに、
レトロウイルス組み込みは制御された様式で起こり、そして細胞あたり1コピー
または数コピーの新規遺伝情報の安定な組込みをもたらす。
レトロウイルスは、ウイルスにコードされた、RNA指向性DNAポリメラーゼ、ま
たは逆転写酵素を用いて複製し、ウイルスRNAゲノムを複製し、鳥類または哺乳
類宿主細胞の染色体DNA中に取り込まれる二本鎖DNA中間体を提供するクラスのウ
イルスである。大部分のレトロウイルスベクターは、マウスレトロウイルス由来
である。本発明による使用に適合可能なレトロウイルスは、しかしながら、任意
の鳥類または哺乳類細胞供給源に由来し得る。これらのレトロウイルスは好適に
は両栄養性であり、それらはヒトを含むいくつかの種の宿主細胞に感染し得るこ
とを意味する。レトロウイルスゲノム(および本明細書で記載されるように使用
するレトロウイルスベクター)の特徴的な特色は、レトロウイルスゲノムの5'お
よび3'末端でわずかに改変された形態で見い出される約600塩基対の非翻訳領域
である、レトロウイルスの長い末端繰返し、すなわちLTRである。プロウイルス
としてDNA中に取り込まれたとき、レトロウイルスLTRは、各末端に短い直接繰返
し配列、ならびにRNAポリメラーゼIIによる転写の開始のためのおよびRNA転写物
の3'切断およびポリアデニル化のためのシグナルを含む。LTRは、ウイルス複製
に必要なすべての他のシスに作用する配列を含む。
「プロウイルス」は、適切な宿主細胞中で染色体DNA中に安
定に組み込まれているレトロウイルスのDNA逆転写物、またはそのクローン化さ
れたコピー、またはレトロウイルスDNAの組み込まれていない中間体形態のクロ
ーン化コピーをいう。プロウイルスの前方方向転写および感染ウイルスへのアセ
ンブリは、適切なヘルパーウイルスの存在下で、または汚染するヘルパーウイル
スの同時産生なしにキャプシド化を可能にする適切な配列を含む細胞株中て生じ
る。Mannら(Cell 33:153,1983)は、組換えレトロウイルスのヘルパー不用のス
トックを産生するために使用され得る細胞株(例えば、Ψ2)の開発を記載する
。これらの細胞株は、キャプシド化にシスに必要な配列を欠くが、インタクトの
ビリオンを産生するために必要な遺伝子産物のすべてをトランスで提供する組み
込まれたレトロウイルスゲノムを含有する。組み込まれた変異体プロウイルスか
ら転写されたRNAは、それ自身でパッケージ化され得ないが、これらの細胞は、
同じ細胞中に導入された組換えレトロウイルスから転写されたRNAをキャプシド
化し得る。得られるウイルス粒子は感染性であるが、複製できず、これらを、キ
ャプシド化を可能にする相補的遺伝情報を欠く細胞中への導入の後の感染性ウイ
ルスを産生し得ない有用なベクターにする。環境栄養性ウイルスエンベロープ(
例えば、Ψ2)をコードするトランスに作用する要素を有する細胞株のキャプシ
ド化は、環境栄養性(宿主範囲が限られる)子孫ウイルスを提供する。あるいは
、両栄養性パッケージ化遺伝子を含む細胞株におけるアセンブリ(例えば、PA31
7,ATCC CRL 9078;Miller
およびButtimore,Mol.Cell.Biol.6:2895,1986)は、両栄養性(宿主範囲が広い
)子孫ウイルスを提供する。そのようなパッケージ化細胞株は、必要なレトロウ
イルスgag、polおよびenVタンパク質をトランスで提供する。この戦略は、哺乳
類細胞に対しては高度に感染性であるが、それらが標的細胞のゲノム中に組み込
まれた後はさらに複製できないレトロウイルス粒子を生成する結果を生じる。en
v遺伝子の産物は、標的細胞の表面上にあるウイルスレセプターへのレトロウイ
ルスの結合の原因となり、それによってレトロウイルスの宿主範囲を決める。PA
317細胞は、ヒトおよびその他の種起源の細胞に形質移入し得る、両栄養性エン
ベロープタンパク質を有するレトロウイルス粒子を産生する。その他のパッケー
ジ化細胞株は、環境栄養性エンベロープタンパク質を有する粒子を産生し、マウ
スおよびラット細胞のみを形質導入し得る。
多くのレトロウイルスベクター構築物が多くの外来遺伝子を首尾良く発現する
ために使用された(例えば、Weissら(編),RNA Tumor Viruses,第2版、第2
巻、Cold Spring Harbor Laboratory,New York、中のCoffin,1985,17-71頁を参
照)。挿入された配列を有するレトロウイルスベクターは一般に機能的であり、
そしてレトロウイルス感染に対し一致して阻害的である配列はほとんど同定され
ていない。機能的ポリアデニル化配列(motif)は、レトロウイルスRNA合成をブ
ロックすることによりレトロウイルス複製を阻害し、そしてレトロウイルス粒子
にパッケージ化され得る配列には約11kbの上限サ
ィズ限界がある(Coffin、上述、1985);しかし、多重内部プロモーターの存在
は、初期には問題であると考えられていたが(Coffin、上述、1985)、いくつか
のレトロウイルス構築物では良く耐え得ることが見い出された(Overellら、Mol
.Cell.Biol.8:1803,1983)。
レトロウイルスベクターは、いくつかのグループにより、インビトロでレトロ
ウイルスベクターで形質移入されそして受容マウス中に移植されたマウス造血幹
細胞の発達を追跡するための遺伝的タグとして使用した(Williamsら、Nature 3
10:476,1984;Dickら、Cell 42:71,1985;Kellerら、Nature 318:149,1985)。
これらの研究は、感染造血細胞が受容動物の造血およびリンパ球系組織を再構築
し、そして細胞がインビボで正常な発達能力を示すことを証明した。マークした
細胞は、レトロウイルスベクター配列の存在を示す、多くの分子生物学的技法の
いずれかを用いて可視化され得、最も有名な技法はサザン分析およびPCR(ポリ
メラーゼ連鎖反応)である。レトロウイルスベクターを用いて遺伝的に細胞をマ
ークする能力はまた、この技法が自己由来細胞の移植片を追跡するために使用さ
れ得る臨床環境で有用である。このアプローチはすでに、Rosenbergら(N.Engl.
J.Med.323:570,1990)による末期癌治療のTIL(腫瘍浸潤リンパ球)治療を受け
た患者でTILを追跡するために使用されている。マーカー遺伝子を有するこれら
細胞の形質導入は、インビトロ細胞機能不全に関係しなかった(Kasidら、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 87:473,1990)。
多くの遺伝子産物がレトロウイルスベクター中で発現されている。これは、発
現されるべき配列を、レトロウイルスLTR中に取り込まれたプロモーターの転写
制御下に置くことにより、またはLTR間に挿入された異質プロモーターの制御下
にそれらを置くことによるいずれかにより達成され得る。後者の戦略は、ベクタ
ー中の優性の選択可能なマーカー遺伝子を同時発現する方法を提供し、従って、
特定のベクター配列を発現する細胞の選択を可能にする。
本発明のリンパ球クローン、即ち、TH細胞により産生される1つまたはそれ以
上の刺激因子に対する依存性が低下したクローンは、個体に免疫を与えるために
使用され得る。用語「免疫」は、病原体による感染に対する応答に伴う1つまた
はそれ以上の身体の症状、および/または悪性に伴う症状(それに対しT細胞が向
かう)が低下することを意味する。投与される細胞の量は、通常、病原体および
/または悪性に対する免疫を有する正常個体に存在する範囲にある。従って、CD8
+CD4-細胞は、通常、注入により投与され、各注入は少なくとも106〜1010細胞/m2
の範囲、好適には少なくとも107〜109細胞/m2の範囲である。クローンは、単一
注入により、またある時間範囲にわたる複数注入により投与され得る。しかし、
異なる個体は応答性が変動すると予想されるので、注入される細胞のタイプおよ
び量、ならびに注入の回数および複数注入が与えられる時間範囲は、付き添う医
師または獣医師により決定され、そしてルーチンの検査により決定され得る。
実施例10-27で言及される以下の刊行物は、その全体が参考として本明細書に
援用される:
以下に示す実施例は、当業者である実施者に対してさらなる指針を提供し、そ
していかなる方法においても本発明を限定するとして解釈されるべきでない。
実施例1 CD3+、CD8+、CD4-CMV特異的T細胞クローンの調製
細胞を本質的にS.R.Riddell,M.Rabin,A.P.Geballe,W.J.Britt,およびP.D.
Greenberg、J.Immunol.146、2795(1991)に記載のように調製する。より詳細に
は、CD3+、CD8+、CD4-CMV特異的T細胞クローンの単離のために、自己由来の線維
芽細胞をAD169のCMV株で6時間感染し、次いて25mM HEPES、11%のヒトCMVセロネ
ガティブAB血清、4mMのL-グルタミンおよび25μMの2-MEを添加したRPMI 1640培
地(JRH Biosciences)中で自己由来のPBLと7日間培養した。培養を自己由来CM
V感染線維
芽細胞およびフィーダー細胞としてγ線照射(3300rad)PBLで再刺激し、そして
2日後、2-5U/mlのIL-2を添加する。再刺激の7日後、CD8+T細胞を濃縮し、そし
て自己由来γ線照射フィーダー細胞、自己由来のCMV感染線維芽細胞、および50U
/mlのIL-2とともに、0.3-0.8細胞/ウェルで、96ウェル丸底ウェルにプレート化
される。10-14日で成長について陽性のウェルが明らかである。クラスIMHC制限
CMV特異的細胞溶解反応性を示すクローンは、間接免疫蛍光法により、CD3+CD8+
およびCD4-であることが確認される。これらのクローンは、12ウエルプレートま
たは75cm2組織培養フラスコ中で、7-10日毎の自己由来CMV感染線維芽細胞および
γ線照射フィーダー細胞を用いた再刺激、および再刺激2日後と4日後の25-75U
/mlのIL-2の添加により多数に増殖させる。
実施例2 CD8+HIV gag特異的T細胞クローンの生成
末梢血単核細胞(PBL)を、HIVセロポジティブ骨髄移植受容体から、60cc容量
の静脈穿刺次いでFicoll Hypaque密度勾配遠心分離により得る。PBLを殺菌リン
酸緩衝生理食塩水で2回洗浄し、RPMI 1640培地、25mM Hepes、および4mMグルタ
ミンからなる培養培地に懸濁し、次いで37℃で2時間の培養により粘着および非
粘着集団に分離するために殺菌組織培養皿に置く。粘着細胞を、ワクチニアHIVg
ag組換えウイルス(vac/gag)を用い、RPMI 1640培地、25mM Hepes、10%のヒトA
B血清、
および4mMのL-グルタミン中で、感染の多重度5で感染する。12〜14時間のイン
キュベーション後、vac/gag感染粘着細胞を殺菌ランプの下でUV照射しワクチニ
アを不活性化し、次いで刺激剤として使用する前にγ線照射(3000rad)する。
分離された非粘着細胞は、37℃でRPMI 1640培地、25mM Hepes、10%のヒトAB血清
、および4mMのL-グルタミン中1晩培養し、そしてUV不活性化、γ線照射vac/gag
感染粘着細胞に、30/1の応答者/刺激剤の比率で添加する。培養をForma Stericu
ltインキュベーター中で5.5%CO2中37℃でインキュベートする。
7日後、培養を供給者由来のUV不活性化、γ線照射vac/ga感染粘着細胞で再刺
激し、そしてフィーダー細胞としてγ線照射(3000rad)供給者PBLを添加する。
再刺激後48〜96時間後、培養に組換えIL-2(2〜5U/ml)を供給し、そして再刺
激後7日間インキュベートする。
これらの細胞株を、T細胞クローニングに先立って、供給者由来およびHLAミス
マッチvac/gag、vac、およびモック(偽物)感染線維芽細胞に対する溶解活性に
ついて、クロム放出アッセイで試験し、クラスIMHC制限gag特異的細胞溶解活性
の存在を確認する。
CD8+HIVgag特異的Tcをクローン化するために、細胞株を、モノクローナル抗体
OKT4(Ortho)プラスウサギ補体を用いてCD4+T細胞を枯渇化し、そして、濃縮し
たCD8+T細胞を96ウェル丸底プレート中で限界希釈でプレート化する。各ウェル
には、1mlあたり25〜50単位のIL-2を含む0.2mlの培養培地中に、
刺激剤として1.5×103UV不活性化およびγ線照射vac/gag感染供給者由来の粘着
細胞またはEBV LCL、フィーダー細胞として、5×104のγ線照射(3000rad)供
給者由来PBLおよび1×104のγ線照射(8000rad)供給者由来LCLを入れた。
生育が陽性のウェルは、プレート化の10〜14日後に同定され、そして微小細胞
障害性アッセイでスクリーニングし、HIVgag発現標的細胞に対するクラスIMHC
制限細胞溶解活性を有するクローンを同定する。陽性クローンを、24ウエルプレ
ートに移し、そしてUV不活性化およびγ線照射vac/gag感染LCLを用い、フィーダ
ー細胞として照射供給者由来PBLを添加して再刺激する。この培養に、再刺激の4
8〜96時間後、IL-2 50U/mlを添加する。T細胞クローンは7日毎に再刺激され、
そして増殖のために6ウェルプレートおよび75cm2フラスコに移される。すべて
のクローンは、クラスIMHC制限gag特異的細胞溶解活性、および細胞表面表現型
(CD3、CD4、CD8およびCD16)について再試験される。インビトロ成長の早い、
クラスIMHC制限gag特異的細胞溶解活性、およびCD3+、CD8+、CD4-、CD16-表現
型を示すT細胞クローンを、抗原調節転写制御領域の制御下にある刺激因子遺伝
子を含むHyTKレトロウイルスを用いた感染に対して選択される。
実施例3 レトロウイルスベクターを用いたヒトCD8+HIVgag特異的Tcクローンの形質導入お よび選択
上記で述べたように生成されたHIVgag特異的CD8+Tcクローンを、UV不活性化、
γ線照射vac/gag感染LCLを用いて刺激する。24時間後、50U/mlのIL-2を添加して
T細胞増殖を誘導する。24時間後、細胞を回収し、ペレット化し、そして100U/ml
のIL-2を含む、1mlのRPMI1640培地、25mM Hepes、10%のヒトAB血清、および4mM
のL-グルタミン中、1x106細胞で懸濁する。1mlのレトロウイルス上清液をポリ
ブレン(5μg/ml)とともに添加し、そして細胞を5.5%CO2中37℃で48時間イン
キュベートする。T細胞クローンを次いでペレット化し、25U/mlのIL-2を含む新
鮮培地中に再懸濁する。4日間のインキュベーションの後、T細胞を96ウェル丸
底プレート中で限界希釈することによりサブクローン化する。この時点で、本質
的にはRiddell,SRおよびGreenberg PD,J.Immunol.Methods 128:189(1990)で記
載される手順を使用し、抗CD3モノクローナル抗体をクローニング培養中で用い
てT細胞成長を刺激する。照射供給者由来PBL(5x104/ウェル)、およびLCL(1x104/
ウエル)をフィーダー細胞として用い、そしてすべてのウェルには50U/mlの組換
えIL-2を添加する。7日目に、すべてのウェルにハイグロマイシンBを最終濃度
300μg/mlまで添加する。14日目に、成長クローンを抗CD3モノクローナル抗体
を用い、アクセサリー細胞として供給者由来PBLおよびLCLの存在下で再刺激する
。刺激の48〜96時間後、50U/mlの組換えIL-2を添加し、そして7日毎に再刺激す
る。適切な選択薬剤をその活性濃度で刺激の48時間後培養に添加し、そして次の
再刺激化まで維持する。
実施例4 リンパ球遺伝子からの転写制御調節領域により制御されたレポーター遺伝子のT 細胞における調節発現(ヒトジャーカットTリンパ球中のIL-3およびIL-4転写制 御領域により仲介される活性化誘導発現)
クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)をコードするレポ
ーター遺伝子に作動可能に連結されたヒトIL-3(hIL-3)またはヒトIL-4(hIL-4)か
らの転写制御領域を含むプラスミドをHyTKを含むベクター中で調製した。以下は
HyTK/hIL-3/CATおよびHyTK/hIL-4/CATの構築である。HyTK/hIL-3/CATを、以下の
ように標準技法(Ausubelら、1987)を用いて構
を用いてPCRによりヒトゲノムDNAから直接増幅した。PCR産物をHindIIIおよびBa
mHIを用いて切断し、そしてCAT遺伝子、およびCAT遺伝子の5'側に唯一のHindIII
およびBamHI部位を含むtgLS(+)HyTKの誘導体(Luptonら、1991)中に連結した。
HyTK/hIL-4/CATは、以下のように標準技法(Ausubelら、1987)を用いて構築し
た:ヒトIL-4プロモーターを、オリゴヌクレオチド
を用いてPCRによりヒトゲノムDNAから直接増幅した。PCR産物をHindIIIおよびBa
mHIを用いて切断し、そしてCAT遺伝子、およびCAT遺伝子の5'側に唯一のHindIII
およびBamHI部位を含むtgLS(+)HyTKの誘導体(Luptonら、1991)中に連結した。
得られるベクター(HyTK/hIL-3/CATおよびHyTK/hIL-4/CATと呼ぶ)は、図1で
図式的に示されるような構造を有する。図において「LTR」は、レトロウイルス
ベクターの長い末端繰返しセグメントを意味し、そしてHyTKは、LTR転写制御領
域に作動可能に連結されたハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ−チミジ
ンキナーゼ融合遺伝子を意味する。hIL-4およびhIL-3はそれぞれ、CAT遺伝子に
作動可能に連結されたhIL-4およびhIL-3からの転写制御領域である。矢印は転写
制御領域からの転写の方向を示す。
プラスミドDNA(各50μg)を、0.8mlの完全培地中のジャーカット細胞(4x1
08細胞)の別々の調製物中に、0.4cmのキュベットおよび300Vおよび960μFにセ
ットされたBiorad Gene Pulserを用いてエレクトロポーレーションにより導入し
た。ジャーカット細胞を、10%ウシ胎児血清、0.1mMの非必須アミノ酸、50μMの2
-メルカプトエタノール、2mMのL-グルタミン、50U/mlのペニシリン、および50
μg/mlのストレプトマイシンを添加したRPMI 1640培地中、37℃、5%CO2を補填し
た湿潤化雰囲気中で成長させた。エレクトロポーレーションに次いで、細胞を培
養に戻し、そして刺激のないまま(-)、または10ng/mlのホルボールミリスチン
酸(PMA)および500ng/mlのイオノマイ
シンで刺激した(+)。培養中で72時間後、細胞を回収し、そして抽出物を調製
し、そして標準技法(Ausubelら、1987)を用い以下のようにCAT活性についてア
ッセイした:トランスフェクト細胞を遠心分離により回収し、100μlの0.25M Tr
is(pH8.0)中に再懸濁し、そして凍結(-20℃、5分間)および融解(37℃、5分
間)のサイクルを3回行った。細胞残渣を遠心分離によりペレット化し、そして
上清液をきれいなチューブに移した。抽出物の50μlのアリコートを78μlの0.5M
Tris(pH8.0)、20μlの24mMアセチルコエンザイムA、および2μlの[14C]標
識クロラムフェニコールと混合し、そしてこの混合物を37℃で20-24時間インキ
ュベートした。反応物を、1mlの酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル抽出物をエバ
ポレートして乾燥し、そして30μlの酢酸エチルに再懸濁した。次いで抽出物を
薄層クロマトグラムにかけ、95%クロロホルム/5%メタノールの混合液中で展開
した。クロマトグラムを次いで、X線フィルムに感光し、またはホスホルイメー
ジャーを用いて可視化した。
図2に示されるCATアッセイの結果は、hIL-4およびhIL-3転写制御領域がヒトT
リンパ球における発現を付与し、しかもレポーター遺伝子の発現のレベルがT細
胞活性化に際し増加することを示す。この結果はさらに、hIL-4およびhIL-3転写
制御領域がレトロウイルスベクター中に挿入されたとき機能することを示す。
実施例5 TH非依存性CD8+CTLの調製
CATコード配列をhIL-2コード配列により置き換えたことを除いて、実施例4の
ように調製されたプラスミドを用いてレトロウイルスベクターを生成する。これ
らのベクターを、実施例1および2で調製されたように、CMV特異的およびHIV特
異的CD8+CTL中に挿入する。形質移入されたCTLおよび対照CTLをTH細胞の非存在
下および対照CTLの増殖に必要な量のIL-2の存在下および非存在下で増殖につい
てモニターする。添加IL-2の限られた量の存在下での、対照CTLではなく形質移
入CTLの増殖は、TH細胞刺激因子、即ち、IL-2に関する依存性が小さくなったこ
とを示す。
実施例6 サイトカインコード配列および異種転写制御領域を含む非ウイルスベクターの構 造
図3は、サイトカインコード配列に作動可能に連結された異種転写制御領域を
含む非ウイルスベクターの略図である。図において、「TCR」は異種転写制御領
域を示す。サイトカインコード配列はhIL-2のそれである。hIL-2コード配列に作
動可能に連結されるのは、イントロンおよびポリアデニル化シグナル配列を提供
するヒト成長ホルモン(hGH)遺伝子からのセグメントである。矢印は転写制御
領域からの転写の方向を示す。
実施例7 サイトカインコード配列および異種転写制御領域を含むレトロウイルスベクター の構造
図4は、サイトカインコード配列に作動可能に連結された異種転写制御領域を
含む2つのタイプのレトロウイルスベクターの略図を示す。ベクターは、hIL-2
遺伝子の転写の方向が異なる。図において、「TCR」は異種転写制御領域を示す
。サイトカインコード配列はhIL-2のそれである。記号LTRおよびhGHは、先の実
施例で記載されたのと同じである。
実施例8 サイトカインコード配列および異種転写制御領域を含むAAVベクターの構造
図5は、サイトカインコード配列に作動可能に連結された異種転写制御領域を
含む1つのタイプのAAVベクターの略図を示す。図において、「TCR」は異種転写
制御領域を示す。サイトカインコード配列はhIL-2のそれである。「ITR」は、AA
V反転(Inverted)末端繰返し配列である。「hGH」は、先の実施例で記載された
のと同じである。
実施例9 IFN-γ転写制御領域を含むAベクターを有するTH非依存性CD8+CTLの調製
CATコード配列をhIL-2コード配列により置き換えそしてコード領域が作動可能
に連結する転写制御領域がヒトIFN-γ遺伝子由来であることを除いて、実施例4
で記載されたプラスミドからレトロウイルスベクターを調製する。好適には、転
写制御領域はまた、CMVエンハンサーのような異種エンハンサーを取り込む。こ
れらのベクターを、実施例1および2で調製されたように、CMV特異的およびHIV
特異的CD8+CTL中に挿入する。形質移入されたCTLおよび対照CTLをTH細胞の非存
在下および対照CTLの増殖に必要な量のIL-2の存在下および非存在下で増殖につ
いてモニターする。添加IL-2の限られた量の存在下での、対照CTLではなく形質
移入CTLの増殖は、TH細胞刺激因子、即ち、IL-2に関する依存性が小さくなった
ことを示す。
上記の原理および教示は、さらなる実施態様を生成するために適用され、その
いくつかは以下に記載され、さらに本発明の有用性を証明する。例えば、種々の
Tリンパ球における活性化誘導発現の有用性を示す多くの付加的なベクター、お
よび本発明のベクターを用いた形質導入に次いで、外因的に添加されたIL-2の非
存在下で、ウイルス特異的細胞障害性Tリンパ球の成長の例示を含む。
実施例10 ヒトジャーカットTリンパ球におけるリンホトキシン転写制御領域およびCMVエ ンハンサーと組み合わせたリンホトキシン 転写制御領域により仲介される活性化誘導発現
プラスミド構築:
レトロウイルスベクターHyTK.lck-7.CATのプロウィルス構造を図4Cに示し、
ここで「TCR」は、マウスlck遺伝子からの転写開始部位を取り囲む小領域を表し
、そして「遺伝子」はCAT遺伝子を表す。HyTK.lck-7.CATを標準技法(Ausubelら
、1987;以下に全部を引用)を用いて以下のように構築した:1対の重複オリゴ
ヌクレオチド
をアニールし、マウスlck遺伝子の転写開始部位(Allenら、1992)にまたがる50
bpのフラグメントを形成し、そしてpBluescript II KS+(Stratagene)のXhoIとBa
mHI部位との間で連結しpKS/lck-7を作成する。このフラグメントを次いでXhoIお
よびBamHIを用いてpKS/lck-7から切除し、そして、HyTK遺伝子の下流に挿入され
たCAT遺伝子およびCAT遺伝子の5'側に唯一のHindIII、XhoIおよびBamHI部位を含
むtgLS(+)HyTKの誘導体(Luptonら、1991)のXhoIとBamHI部位との間で連結し、
HyTK.lck-7.CATを作成した。HyTK.lck-7.CAT中に挿入された最小配列は、機能的
な転写制御領域を構成せず、そしてこのベクターはCAT活性のバックグラウンド
レベルを規定するネガティブ対照として含まれた。
レトロウイルスベクターHyTK.CMV.CATのプロウイスル構造を図4Cで示すよう
に配置され、ここで「TCR」はCMV転写制
御領域を表し、そして「遺伝子」はCAT遺伝子を表す。HyTK.CMV.CATを標準技法
(Ausubelら、1987)を用いて以下のように構築した:HCMV IE94転写制御領域に
またがるフラグメント(Boshartら、1985)を、HyTK.CMV.IL-2(HyTK遺伝子の下
流に挿入されたHCMV IE94転写制御領域およびヒトIL-2cDNAを含むtgLS(+)HyTK(
Luptonら、1991)の誘導体で、そこではHindIIIおよびNheI部位がHCMV IE94転写
制御領域に近接する)からHindIIIおよびNheIを用いて切除し、DNAポリメラーゼ
Iのクレノウフラグメントで処理して末端を平滑にし、そしてHyTK.lck-7.CATのH
indIIIとBamHI部位(これはまた、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントで
処理した)との間で連結し、それによってHyTK.CMV.CATを作成した。CMV転写制
御領域の向きは制限酵素切断により確認した。CMV転写制御領域は、Tリンパ球を
含む広範な細胞タイプで構成的に活性である。さらに、Tリンパ球におけるCMV転
写制御領域の活性は、T細胞活性化に際し増加する。したがってHyTK.CMV.CATは
ポジティブ対照として含まれた。
レトロウイルスベクターHyTK.LT.CATのプロウイルス構造を図4Cに示すよう
に配置し、ここで「TCR」はリンホトキシン転写制御領域を表し、そして「遺伝
子」はCAT遺伝子を表す。HyTK.LT.CATは標準技法(Ausubelら、1987)を用いて
以下のように構築した:ヒトLT転写制御領域(Nedwinら、1985)を、オリゴヌク
レオチド
を用いるPCRにより、NotI切断ヒトゲノムDNAから直接増幅した。PCR産物をBamHI
で切断し、そしてHyTK.lck-7.CATのBamHI部位に連結し、HyTK.LT.CATを作成した
。LT転写制御領域の向きは制限酵素切断により確認した。
レトロウイルスベクターHyTK.CMVe.LT.CATのプロウイルス構造を図4Dに示す
ように配置し、ここで「TCR」はリンホトキシン転写制御領域を表し、「遺伝子
」はCAT遺伝子を表し、そして「ENH」はCMVエンハンサーを表す。HyTK.CMVe.LT.
CATは、標準技法(Ausubelら、1987)を用い以下のように構築したHCMV IE94エ
ンハンサーにまたがるフラグメントを、最初に、オリゴヌクレオチド
を用いるPCRにより、HCMV IE94転写制御領域を含むプラスミド(Boshartら、198
5)から増幅した。PCR産物をHindIIIを用いて切断し、そしてHyTK.hPerf.CAT(
ヒトパーフォリン(perforin)転写制御領域およびHyTK遺伝子の下流に挿入され
たCAT遺伝子、およびパーフォリン転写制御領域の5'側に唯一のHindIII部位を含
むtgLS(+)HyTK(Luptonら、1991)の誘導体)中の唯一のHindIII部位中に連結し
HyTK.CMVe.hPerf.CATを作成した。HCMV IE94エンハンサーにまたがるフラグメン
トを次いでHyTK.CMVe.hPerf.CATからHindIIIを用いて切除し、そしてLT転写制御
領域の上流のHyTK.LT.CATのHindIII部位中に連結して、HyTK.CMVe.LT.CATを作成
した。エンハンサーの向きは制限酵
素切断により確認した。
ヒトジャーカットTリンパ球を、10%ウシ胎児血清、0.1mM非必須アミノ酸、50
μM 2-メルカプトエタノール、2mMのL-グルタミン、50U/mlのペニシリン、およ
び50μg/mlのストレプトマイシンを添加したRPMI 1640中、37℃で、5%CO2を補
填した湿潤雰囲気下成長させた。細胞のアリコート(4x106)に、0.4cmのキュベ
ットならびに300Vおよび960μFにセットしたBiorad Gene Pulserを用いて、0.8m
lの完全培地中で、10μgのHyTK.CMV.CAT、HyTK.lck-7.CAT、HyTK.LT.CATまたはH
yTK.CMVe.LT.CATプラスミドDNAをエレクトロポーレーションにより導入した。エ
レクトロポーレーションに次いで、細胞を培養に戻しそして18時間インキュベー
トした。培養に次いで350μg/mlのハイグロマイシンBを添加しトランスフェク
ト細胞を選択した。細胞を遠心分離により収集し、そして3〜4日毎に350μg/m
lのハイグロマイシンBを含む新鮮培地に再懸濁した。21〜28日後、選択された
細胞を活性化しそして以下のようにCAT活性をアッセイした。
トランスフェクトされた細胞を活性化するために、培養に10ng/mlのPMAおよび
500ng/mlのイオノマイシンを添加した。活性化後、0時間、4時間、8時間、24
時間、32時間および48時間に細胞を回収し、そしてCAT抽出物を調製し標準技法
(Ausubelら、1987)を用いて以下のようにアッセイした:トランスフェクトさ
れた細胞を遠心分離により回収し、100μlの0.25M Tris(pH8.0)に再懸濁し、そ
して凍結(-20℃、5分間)
および融解(37℃、5分間)のサイクルを3回行った。細胞残渣を遠心分離によ
りペレット化し、そして上清液をきれいなチューブに移した。抽出物の50μlの
アリコートを、78μlの0.5M Tris(pH8.0)、20μlの24mMアセチルコエンザイムA
、および2μlの[14C]標識クロラムフェニコールと混合し、そしてこの混合物
を37℃で20-24時間インキュベートした。反応液を1mlの酢酸エチルで抽出し、
酢酸エチル抽出物をエバポレートして乾燥し、そして30μl酢酸エチルに再懸濁
した。次いで抽出物を、薄層クロマトグラムにかけ、95%クロロホルム/5%メタ
ノール混合液中で展開した。クロマトグラムを次いでX線フィルムに感光させ、
またはホスホルイメージャーを用いて可視化した。
図6に示すように、ネガティブ対照ベクターHyTK.lck-7.CATでトランスフェク
トした細胞は、顕著なレベルのCAT活性を発現しなかった。ポジティブ対照ベク
ターHyTK.CMV.CATでトランスフェクトした細胞は、CAT活性を構成的に発現し、
そして発現のレベルは、T細胞活性化に際し増加した。HyTK.LT.CATまたはHyTK.C
MVe.LT.CATでトランスフェクトし、活性化されないままの細胞は、顕著なレベル
のCAT活性を発現しなかった。しかしながら、HyTK.LT.CATまたはHyTK.CMVe.LT.C
ATでトランスフェクトした細胞は、PMAおよびイオノマイシンを用いた活性化に
次いで顕著なレベルのCAT活性を発現した。HyTK.CMVe.LT.CATは、PMAおよびイオ
ノマイシンによる活性化に次いで、HyTK.LT.CATに比べ実質的により多いCAT活性
を発現し
た。
これらの結果は、LT転写制御領域およびCMVエンハンサーと組み合わせたLT転
写制御領域が、ヒトTリンパ球における活性化誘導発現を仲介すること、およびC
MVエンハンサーがヒトTリンパ球においてLT転写制御領域からの活性化誘導発現
のレベルを増強するために使用し得ることを示す。これらの結果はさらに、LT転
写制御領域およびCMVエンハンサーと組み合わせたLT転写制御領域が、レトロウ
イルスベクター中に挿入されたとき、ヒトTリンパ球において機能的であること
を示す。
実施例11 ヒトジャーカットTリンパ球におけるCMVエンハンサーと組み合わせたIL-2Rα転 写制御領域により仲介される活性化誘導発現
プラスミド構築:
プラスミドHyTK.lck-7.CATおよびHyTK.CMV.CATを実施例10のように構築した。
レトロウイルスベクターHyTK.IL-2α.CATのプロウイルス構造は図4Cのよう
に配置され、ここで、「TCR」は、IL-2Rα転写制御領域を表し、そして「遺伝子
」はCAT遺伝子を表す。HyTK.IL-2Rα.CATは以下のように標準の技法(Ausubelら
、1987)を用いて構築した:ヒトIL-2Rα転写制御領域(Crossら、1987)を、オ
リゴヌクレオチド
を用いるPCRにより、NotI切断ヒトゲノムDNAから直接増幅した。PCR産物をHindI
IIおよびBamHIで切断し、そしてHyTK.lck-7.CATのHindIIIとBamHI部位との間に
連結し、HyTK.IL-2Rα.CATを作成した。IL-2Rα転写制御領域の向きは制限酵素
切断およびDNA配列決定により確認した。
レトロウイルスベクターHyTK.CMVe.IL-2Rα.CATのプロウイルス構造は図4D
で示されるように配置され、ここで「TCR」は、IL-2Rα転写制御領域を表し、「
遺伝子」はCAT遺伝子を表し、そして「ENH」はCMVエンハンサーを表す。HyTK.CM
Ve.IL-2Rα.CATを、標準技法(Ausubelら、1987)を用いて以下のように構築し
た:HCMV IE94エンハンサーにまたがるフラグメントを、HindIIIを用いて、HyTK
.CMVe.hPerf.CAT(実施例10参照)から切除し、そしてIL-2Rα.CATの上流のHyTK
.IL-2Rα.CATのHindIII部位に連結した。エンハンサーの向きは制限酵素切断に
より確認した。
細胞を10μgのHyTK.CMV.CAT、HyTK.lck-7.CAT、HyTK.IL-2Rα.CATまたはHyTK.
CMVe.IL-2Rα.CATプラスミドDNAでトランスフェクトしたことを除いて、実施例1
0に記載のようにヒトジャーカットTリンパ球を成長させそしてトランスフェクト
した。CAT抽出物の調製およびアッセイを実施例10に記載のように行った。
図7に示すように、ネガティブ対照ベクターHyTK.lck-7.CATでトランスフェク
トした細胞は顕著なレベルのCAT活性を発現しなかった。ポジティブ対照ベクタ
ーHyTK.CMV.CATでトラ
ンスフェクトした細胞は、CAT活性を構成的に発現し、そして発現のレベルはT細
胞活性化に際し増加した。HyTK.IL-2Rα.CATまたはHyTK.CMVe.IL-2Rα.CATでト
ランスフェクトされ、そして活性化されないままの細胞は、顕著なレベルのCAT
活性を発現しなかった。HyTK.IL-2Rα.CATでトランスフェクトした細胞は、PMA
およびイオノマイシンを用いた活性化に次いで顕著なレベルのCAT活性を発現し
なかった。しかし、HyTK.CMVe.IL-2Rα.CATでトランスフェクトした細胞は、PMA
およびイオノマイシンを用いた活性化に次いで顕著なレベルのCAT活性を発現し
た。
これらの結果は、CMVエンハンサーと組み合わせたIL-2Rα転写制御領域が、ヒ
トTリンパ球における活性化誘導発現を仲介すること、およびCMVエンハンサーが
ヒトTリンパ球においてIL-2Rα転写制御領域からの活性化誘導発現のレベルを増
強するために使用され得ることを示す。これらの結果はさらに、CMVエンハンサ
ーと組み合わせたIL-2Rα転写制御領域が、レトロウイルスベクター中に挿入さ
れたとき、ヒトTリンパ球において機能的であることを示す。
実施例12 ヒト末梢血Tリンパ球における、CMVエンハンサーと組み合わせたリンホトキシン 転写制御領域、およびCMVエンハンサーと組み合わせたIL-2Rα転写制御領域によ り仲介される活性化誘導発現
プラスミドを実施例10および実施例11のように構築した。
ヒト末梢血Tリンパ球を以下のように調製した。ヒト末梢血を健康なボランテ
ィアから静脈穿刺により採集し、そして等量のRPMI 1640培地と混合した。35ml
のアリコートを、50mlのコニカルチューブ中の14mlのアイソリンホ(isolymph)
の上に重層し、そしてSorvall RT6000Dベンチトップ遠心分離器中、20℃で20分
間2000rpmで遠心分離した。界面の細胞を、Sorvall RT6000Dベンチトップ遠心分
離器中、4℃で1600rpm10分間遠心分離することによりペレット化し、完全培地
(10%ウシ胎児血清、0.1mM非必須アミノ酸、50μM 2-メルカプトエタノール、2m
MのL-グルタミン、50U/mlのペニシリン、および50μg/mlのストレプトマイシン
を添加したRPMI 1640培地)中に再懸濁することにより3回洗浄し、そしてSorva
ll RT6000Dベンチトップ遠心分離器中、4℃で10分間1600rpmで遠心分離し、次
いで10mlの完全培地中に再懸濁した。0.3mlのAET-SRBC(Immunology,J.E.Colig
anら編、1991のCurrents Protocolsに記載されたように、AET処理されたヒツジ
赤血球細胞)のアリコートを添加し、懸濁液を穏やかに混合し、Sorvall RT6000
Dベンチトップ遠心分離器中、20℃で5分間最も遅い速度で遠心分離し、そして
室温で20分間インキュベートした。細胞ペレットを次いで穏やかに振盪すること
により再懸濁し、そして混合液を50mlのコニカルチューブ中の14mlのアイソリン
ホの上に重層し、そしてSorvall RT6000Dベンチトップ遠心分離器中、20℃で20
分間2000rpmで遠心分離した。上清液を取り出しそし
て細胞を10mlの完全培地中に再懸濁した。0.3mlのAET-SRBCの第2のアリコート
を添加し、懸濁液を穏やかに混合し、Sorvall RT6000Dベンチトップ遠心分離器
中、20℃で5分間最も遅い速度で遠心分離し、そして室温で20分間インキュベー
トした。細胞ペレットを次いで穏やかに振盪することにより再懸濁し、そして混
合液を50mlのコニカルチューブ中の14mlのアイソリンホの上に重層し、そして37
℃に予熱されたNH4Cl溶解培地中20℃で20分間2000rpmで遠心分離し、赤血球細胞
の溶解が明らかになるまでインキュベートした。この混合液を次いで、Sorvall
RT6000Dベンチトップ遠心分離器中、20℃で8分間1400rpmで遠心分離した。ペレ
ット化した細胞を完全培地中に再懸濁することにより2回洗浄し、そしてSorval
l RT6000Dベンチトップ遠心分離器中、4℃で10分間1600rpmで遠心分離し、完全
培地中5x105細胞/mlの密度で再懸濁した。PHAを1%の濃度まで添加しそして細
胞をT-75フラスコ中に置きそして37℃で5%CO2を補填した湿潤雰囲気下で8日間
インキュベートした。細胞を次いで、Sorvall RT6000Dベンチトップ遠心分離器
中、4℃で10分間1600rpmで遠心分離することによりペレット化し、完全培地中
に再懸濁することにより1回洗浄し、そしてSorvall RT6000Dベンチトップ遠心
分離器中、4℃で10分間1600rpmで遠心分離し、そして完全培地中5x106細胞/ml
の密度で再懸濁した。細胞のアリコート(4x106)に、10μgのHyTK.CMV.CAT、
または50μgのHyTK.lck-7.CAT、HyTK.CMVe.LT.CATまたはHyTK.CMVe.IL-2Rα.CAT
プラスミドDNAを、0.4c
mのキュベットならびに350Vおよび960μFにセットしたBiorad Gene Pulserを用
いて、0.8mlの完全培地中で、エレクトロポーレーションにより導入した。エレ
クトロポーレーションに次いで、細胞を培養に戻しそして1-2時間インキュベ
ートした。
トランスフェクトされた細胞を活性化するために、培養に10ng/mlのPMAおよび
500ng/mlのイオノマイシンを添加した。活性化の24時間後、細胞を回収し、そし
てCAT抽出物を調製しそして標準技法(Ausubelら、1987)を用いて以下のように
アッセイした:トランスフェクトされた細胞を遠心分離により回収し、100μlの
0.25M Tris(pH8.0)に再懸濁し、そして凍結(-20℃、5分間)および融解(37℃
、5分間)のサイクルを3回行った。細胞残渣を遠心分離によりペレット化し、
そして上清液をきれいなチューブに移した。抽出物の50μlのアリコートを、78
μlの0.5M Tr1s(pH8.0)、20μlの24mMアセチルコエンザイムA、および2μlの
[14C]標識クロラムフェニコールと混合し、そしてこの混合物を37℃で20-24時
間インキュベートした。反応液を1mlの酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル抽出物
をエバポレートして乾燥し、そして30μl酢酸エチルに再懸濁した。次いで抽出
物を、薄層クロマトグラムにかけ、95%クロロホルム/5%メタノール混合液中で
展開した。クロマトグラムを次いでX線フィルムに感光させ、またはホスホルイ
メージャーを用いて可視化した。
図8に示すように、ネガティブ対照ベクターHyTK.lck-7.C
ATでトランスフェクトされそして活性化されないまま(-)または活性化された
(+)細胞は、顕著なレベルのCAT活性を発現しなかった。ポジティブ対照ベクタ
ーHyTK.CMV.CATでトランスフェクトされそして活性化されないまま(-)の細胞
は、CAT活性を構成的に発現し、そして発現のレベルは、T細胞活性化(+)に際
し増加した。HyTK.CMVe.LT.CATまたはHyTK.CMVe.IL-2Rα.CATでトランスフェク
トされ、活性化されないまま(-)の細胞は、顕著なレベルのCAT活性を発現しな
かった。しかしながら、HyTK.CMVe.LT.CATまたはHyTK.CMVe.IL-2Rα.CATでトラ
ンスフェクトされた細胞は、24時間の活性化(+)の後、顕著なレベルのCAT活性
を発現した。
これらの結果は、CMVエンハンサーと組み合わせたLT転写制御領域、およびCMV
エンハンサーと組み合わせたIL-2Rα転写制御領域が、ヒトTリンパ球における活
性化誘導発現を仲介することを示す。これらの結果はさらに、CMVエンハンサー
と組み合わせたLT転写制御領域、およびCMVエンハンサーと組み合わせたIL-2Rα
転写制御領域が、レトロウイルスベクター中に挿入されたとき、ヒトTリンパ球
において機能的であることを示す。
実施例13 ヒトジャーカットTリンパ球における、CMVエンハンサーと組み合わせたIL-4転写 制御領域により仲介される活性化誘導発現
プラスミドHyTK.lck-7.CATおよびHyTK.CMV.CATを実施例10のように構築した。
プラスミドHyTK.IL-4.CATは実施例4のように構築した。レトロウイルスベク
ターHyTK.CMVe.IL-4.CATのプロウイルス構造は図4Dのように配置され、ここで
「TCR」は、IL-4転写制御領域を表し、「遺伝子」はCAT遺伝子、そして「ENH」
はCMVエンハンサーを表す。HyTK.CMVe.IL-4.CATは以下のように標準の技法(Aus
ubelら、1987)を用いて構築した:HCMV IE94エンハンサーにまたがるフラグメ
ントを、HyTK.CMVe.hPerf.CAT(実施例10参照)から、HindIIIを用いて切除し、
そしてIL-4転写制御領域の上流のHyTK.IL-4.CATのHindIII部位中に連結し、HyTK
.CMVe.IL-4.CATを作成した。エンハンサーの向きは制限酵素切断により確認した
。
ヒトジャーカットTリンパ球を実施例10に記載のように成長させた。細胞のア
リコート(4x106)を、25μgのHyTK.CMV.CAT、HyTK.lck-7.CAT、HyTK.IL-4.CAT
またはHyTK.CMVe.IL-4.CATプラスミドDNAを、0.4cmのキュベットならびに300Vお
よび960μFにセットしたBiorad Gene Pulserを用いて、0.8mlの完全培地中で、
エレクトロポーレーションにより導入した。エレクトロポーレーションに次いで
、細胞を培養に戻しそして2日間インキュベートした。培養に次いで、350μg/m
lのハイグロマイシンBを添加し、トランスフェクトされた細胞を選択した。細
胞を遠心分離により収集し、そして3−4日毎に、350μg/mlのハイグロマイシ
ンBを含む新鮮培地に再懸濁した。
14−21日後、選択された細胞を活性化しそしてCAT活性についてアッセイした。
CAT抽出物は、細胞をPMAおよびイオノマイシンで0時間、3時間、6時間、ま
たは24時間活性化したことを除いて、実施例10に記載のようにアッセイした。
図9に示すように、ネガティブ対照ベクターHyTK.lck-7.CATでトランスフェク
トした細胞は顕著なレベルのCAT活性を発現しなかった。ポジティブ対照ベクタ
ーHyTK.CMV.CATでトランスフェクトした細胞は、CAT活性を構成的に発現した。H
yTK.IL-4.CATまたはHyTK.CMVe.IL-4.CATでトランスフェクトされ、そして活性化
されないままの細胞は、PMAおよびイオノマイシンを用いた活性化の後で顕著な
レベルのCAT活性を発現しなかった。しかし、HyTK.CMVe.IL-4.CATでトランスフ
ェクトした細胞は、PMAおよびイオノマイシンを用いた活性化に次いで顕著なレ
ベルのCAT活性を発現した。
これらの結果は、CMVエンハンサーと組み合わせたIL-4転写制御領域が、ヒトT
リンパ球における活性化誘導発現を仲介すること、およびCMVエンハンサーがヒ
トTリンパ球においてIL-4転写制御領域からの活性化誘導発現のレベルを増強す
るために使用され得ることを示す。これらの結果はさらに、CMVエンハンサーと
組み合わせたIL-4転写制御領域が、レトロウイルスベクター中に挿入されたとき
、ヒトTリンパ球において機能的であることを示す。
実施例14 ヒトジャーカットTリンパ球における、IL-3転写制御領域およびCMVエンハンサー と組み合わせたIL-3転写制御領域により仲介される活性化誘導発現
プラスミドHyTK.lck-7.CATおよびHyTK.CMV.CATは実施例10のように構築された
。
プラスミドHyTK.hIL-3.CATは実施例4のように構築された。
レトロウイルスベクターHyTK.CMVe.hIL-3.CATのプロウイルス構造は、図4D
に描かれるように配置され、ここで、「TCR」はIL-3転写制御領域を表し、「遺
伝子」はCAT遺伝子を表し、そして「ENH」はCMVエンハンサーを表す。HyTK.CMVe
.hIL-3.CATは以下のように標準技法(Ausubelら、1987)を用いて構築された:H
CMV IE94エンハンサーにまたがるフラグメントをHindIIIを用いてHyTK.CMVe.hPr
ef.CAT(実施例10を参照)から切除し、そしてIL-3転写制御領域の上流のHyTK.I
L-3.CATのHindIII部位に連結し、HyTK.CMVe.IL-3.CATを作成した。エンハンサー
の方向を制限酵素の切断により確認した。
ヒトジャーカットTリンパ球を、細胞が10μgのHyTK.CMV.CAT、HyTK.lck-7.CA
T、HyTK.IL-3.CATまたはHyTK.CMVe.IL-3.CATプラスミドDNAでトランスフェクト
されたことを除いて、実施例13に記載のように成長させた。
CAT抽出物の調製およびアッセイを実施例13に記載のように行った。
図10に示すように、ネガティブ対照ベクターHyTK.lck-7.C
ATでトランスフェクトされた細胞は、顕著なレベルのCAT活性を発現しなかった
。ポジティブ対照ベクターHyTK.CMV.CATでトランスフェクトされた細胞は、CAT
活性を構造的に発現し、そして発現のレベルは、T細胞活性化に際し増加した。
HyTK.hIL-3.CATまたはHyTK.CMVe.hIL-3.CATでトランスフェクトされそして活性
化されないままの細胞は、顕著なレベルのCAT活性を発現しなかった。しかし、H
yTK.hIL-3.CATまたはHyTK.CMVe.hIL-3.CATでトランスフェクトされた細胞は、PM
Aおよびイオノマイシンを用いた活性化に続き、顕著なレベルのCAT活性を発現し
た。HyTK.CMVe.hIL-3.CATは、PMAおよびイオノマイシンによる活性化に次いで、
HyTK.hIL-3.CATに比べ実質的により多いCAT活性を発現した。
これらの結果は、hIL-3転写制御領域およびCMVエンハンサーと組み合わせたhI
L-3転写制御領域がヒトTリンパ球における活性化誘導発現を仲介すること、お
よびCMVエンハンサーがヒトTリンパ球においてIL-3転写制御領域からの活性化
誘導発現のレベルを増強するために用いられ得ることを示す。これらの結果はさ
らに、IL-3転写制御領域およびCMVエンハンサーと組み合わせたIL-3転写制御領
域が、レトロウイルスベクターに挿入されたとき、ヒトTリンパ球において機能
的であることを示す。
実施例15 ヒトジャーカットTリンパ球における、CTLA-1転写制御域 およびCMVエンハンサーと組み合わせたCTLA-1転写制御領域により仲介される活 性化誘導発現
プラスミドHyTK.lck-7.CATおよびHyTK.CMV.CATを実施例10のように構築した。
レトロウイルスベクターHyTK.CTLA-1.CATのプロウイルス構造は、図4Cに描
かれるように配置され、ここで、「TCR」はCTLA-1転写制御領域を表し、そして
「遺伝子」はCAT遺伝子を表す。HyTK.CTLA-1.CATは以下のように標準技法(Ausu
belら、1987)を用いて構築された:ヒトCTLA-1転写制御領域(Heuselら、1991
)を、オリゴヌクレオチド
を用いてPCRによりヒトゲノムDNAから直接増幅させた。PCR産物をHindIIIおよび
BamHIで切断し、そしてHyTK.lck-7.CATのHindIIIおよびBamHI部位の間に連結し
、HyTK.CTLA-1.CATを作成した。CTLA-1転写制御領域の方向を制限酵素の切断お
よびDNA塩基配列決定により確認した。
レトロウイルスベクターHyTK.CMVe.CTLA-1.CATのプロウイルス構造は、図4D
に描かれるように配置され、ここで、「TCR」はCTLA-1転写制御領域を表し、「
遺伝子」はCAT遺伝子を表し、そして「ENH」はCMVエンハンサーを表す。HyTK.CM
Ve.CTLA-1.CATは以下のように標準技法(Ausubelら、1987)を用いて構築された
:HCMV IE94エンハンサーにまたがるフラグ
メントをHindIIIを用いてHyTK.CMVe.hPref.CAT(実施例10を参照)から切除し、
そしてCTLA-1転写制御領域の上流のHyTK.CTLA-1.CATのHindIII部位に連結し、Hy
TK.CMVe.CTLA-1.CATを作成した。エンハンサーの方向を制限酵素の切断により確
認した。
ヒトジャーカットTリンパ球を、細胞が10μgのHyTK.CMV.CAT、HyTK.lck-7.CA
T、HyTK.CTLA-1.CATまたはHyTK.CMVe.CTLA-1.CATプラスミドDNAでトランスフェ
クトしたことを除いて、実施例13に記載のように成長させそしてトランスフェク
トした。
CAT抽出物の調製およびアッセイを実施例13に記載のように行った。
図11に示すように、ネガティブ対照ベクターHyTK.lck-7.CATでトランスフェ
クトされた細胞は、顕著なレベルのCAT活性を発現しなかった。ポジティブ対照
ベクターHyTK.CMV.CATでトランスフェクトされた細胞は、CAT活性を構造的に発
現し、そして発現のレベルは、T細胞活性化に際し増加した。HyTK.CTLA-1.CAT
またはHyTK.CMVe.CTLA-1.CATでトランスフェクトされそして活性化されないまま
の細胞は、顕著なレベルのCAT活性を発現しなかった。しかし、HyTK.hCTLA-1.CA
TまたはHyTK.CMVe.CTLA-1.CATでトランスフェクトされた細胞は、PMAおよびイオ
ノマイシンを用いた活性化に続き、顕著なレベルのCAT活性を発現した。
これらの結果は、CTLA-1転写制御領域およびCMVエンハンサ
ーと組み合わせたCTLA-1転写制御領域がヒトTリンパ球における活性化誘導発現
を仲介することを示す。これらの結果はさらに、CTLA-1転写制御領域およびCMV
エンハンサーと組み合わせたCTLA-1転写制御領域がレトロウイルスベクターに挿
入されたとき、ヒトTリンパ球において機能的であることを示す。
実施例16 ヒト末梢血Tリンパ球における、CMVエンハンサーと組み合わせたIL-3転写制御 領域およびCMVエンハンサーと組み合わせたCTLA-1転写制御領域により仲介され る活性化誘導発現
プラスミドは実施例14および15のように構築された。
ヒト末梢血Tリンパ球は、細胞が50μgのHyTK.CMV.CAT、HyTK.lck-7.CAT、HyT
K.CMVe.IL-3.CATまたはHyTK.CMVe.CTLA-1.CATプラスミドDNAでトランスフェクト
されたことを除いて、実施例12に記載のように調製されそしてトランスフェクト
された。
トランスフェクトされた細胞を活性化前の3時間インキュベートしそして抽出
物を活性化20時間後に調製したことを除いて、トランスフェクトされた細胞を活
性化しそしてCAT抽出物を実施例12に記載したように調製およびアッセイした。
図12に示すように、ネガティブ対照ベクターHyTK.lck-7.CATでトランスフェ
クトされそして活性化されないまま(-)または活性化された(+)細胞は、顕著
なレベルのCAT活性を発現
しなかった。ポジティブ対照ベクターHyTK.CMV.CATでトランスフェクトされそし
て活性化されないまま(-)の細胞は、CAT活性を構造的に発現し、そして発現の
レベルはT細胞活性化(+)に際し増加した。HyTK.CMVe.IL-3.CATまたはHyTK.CM
Ve.CTLA-1.CATでトランスフェクトされそして活性化されないまま(-)の細胞は
、顕著なレベルのCAT活性を発現しなかった。しかし、HyTK.CMVe.IL-3.CATまた
はHyTK.CMVe.CTLA-1.CATでトランスフェクトされた細胞は、24時間の活性化(+
)に続き、顕著なレベルのCAT活性を発現した。
これらの結果は、CMVエンハンサーと組み合わせたIL-3転写制御領域およびCMV
エンハンサーと組み合わせたCTLA-1転写制御領域がヒトTリンパ球における活性
化誘導発現を仲介することを示す。これらの結果はさらに、CMVエンハンサーと
組み合わせたIL-3転写制御領域およびCMVエンハンサーと組み合わせたCTLA-1転
写制御領域が、レトロウイルスベクターに挿入されたとき、ヒトTリンパ球にお
いて機能的であることを示す。
実施例17 ヒトジャーカットTリンパ球における、CMVエンハンサーと組み介わせたγ-IFN 転写制御領域により仲介される活性化透導発現
プラスミド構築:
プラスミドHyTK.CMV.CATは実施例10のように構築された。
レトロウイルスベクターHyTK.CMVe.γ-IFN.CATのプロウイルス構造は、図4D
に描かれるように配置され、ここで、「TCR」はγ-IFN転写制御領域を表し、「
遺伝子」はCAT遺伝子を表し、そして「ENH」はCMVエンハンサーを表す。HyTK.CM
Ve.γ-IFN.CATは以下のように標準技法(Ausubelら、1987)を用いて構築された
:プラスミドtgγ-IFNcatを最初に構築した。このプラスミドは、ポリアデニル
化シグナルを提供するために、レトロウイルスLTR配列に続くCAT遺伝子に連結し
たヌクレオチド-541〜+128のヒトγ-IFN転写制御領域(Ciccaroneら、1990;Gra
yおよびGoeddel,1982)を含有し、そしてγ-IFN転写制御領域のXhoI部位5’を
含有する。HCMV IE94エンハンサーにまたがるフラグメントをXhoIおよびHindIII
を用いてHyTK.CMVe.CTLA-1.CAT(実施例15を参照)から切除し、そしてT4DNAポ
リメラーゼを用いて、HindIII付着末端を平滑にした。次いで、このフラグメン
トを、T4 DNAポリメラーゼを用いてXhoI付着末端の1つを平滑にした後、tgγ-I
FNcatのXhoI部位に連結し、tgCMVe.γ-IFNcatを作成した。エンハンサーの方向
を制限酵素の切断により確認した。CMVエンハンサー、γ-IFN転写制御領域およ
びCAT遺伝子の5’末端にまたがるフラグメントをXhoIおよびEcoRIを用いて切除
し、そしてHyTK.CMV.CAT(実施例10を参照)のXhoIおよびEcoRI部位の間に連結
し、HyTK.CMVe.γ-IFN.CATを作成した。
HyTK.CMV.CATまたはHyTK.CMVe.γ-IFN.CATの両栄養性ウイルス粒子を生産する
安定したPA317細胞株を誘導するために、
レトロウイルスのプラスミドDNAをψ2環境栄養性パッケージング細胞にトランス
フェクトした。ψ2細胞(Mannら、1983)を10%仔ウシ血清、2mM L-グルタミン
、50U/mlペニシリン、および50μg/mlストレプトマイシンを添加したDMEM中37℃
で10%CO2を補填した湿潤化雰囲気中で成長させた。トランスフェクトのために
、指数関数的に成長する細胞をトリプシン化により収穫し、血清がなくなるまで
洗浄し、そして107細胞/mlの濃度でDMEMに再懸濁した。プラスミドDNA(5〜20μ
g)を800μlの細胞懸濁液(8×106細胞)に添加し、そして混合物をBiorad Gene
PulserおよびCapacitance Extender(200〜300V、960μF、0.4cmの電極ギャッ
プ、周囲の温度にて)を用いてエレクトロポレーションした。次いで、トランス
フェクトされたψ2細胞を10mM酪酸ナトリウム(sodium butyrate)を添加した10
mlの完全成長培地を含む10cm組織培養皿に移し、一晩で付着させた。15時間後、
培養液を除去し、そして新鮮な培養液と入れ替えた。さらに24時間後、過渡的に
生産された両栄養性ウイルス粒子を含有する培養液を収穫し、2000rpmで10分間
遠心分離し、そしてPA317環境栄養性パッケージング細胞(MillerおよびButtimo
re、1986)を感染するために用いた。PA317細胞を、10%ウシ胎児血清、2mM L-
グルタミン(L-glutamine)、50U/mlペニシリン、および50μg/mlストレプトマ
イシンを添加したDMEM中37℃で10%CO2を補填した湿潤化雰囲気中で成長させた
。指数関数的に分裂するPA317細胞を106細胞/10cm組織培養皿の濃度でプレート
し、一晩で付着させた。次の日、
培養液を除去し、そして4μg/mlポリブレンを添加した培地でウイルス含有上清
の一連の希釈液(6ml/皿)と入れ替えた。感染を一晩で行い、そして次いで上清
を完全成長培地と入れ換えた。感染細胞を最終濃度500μg/mlまでハイグロマイ
シンBを添加することによりさらに8〜24時間の成長後、薬剤抵抗性について選
択した。Hmr細胞のコロニーを12〜14日後クローニングシリンダーを用いて単離
し、そして個々に増殖し、またはポリクローナル培養としてプールしそして増殖
した。細胞をサザン分析し、レトロウイルスプロウイルスの完全さを決定し、そ
してレトロウイルス粒子の産生を標準技法(Ausubelら、1987)を用いてNIH3T3
細胞の滴定(titering)により測定した。再配置されないレトロウイルスプロウ
イルスを含有しそして高力価の感染性レトロウイルス粒子を生産する培養物をヒ
トジャーカットTリンパ球を感染するために用いた。
ジャーカット細胞を、10%ウシ胎児血清、0.1mM非必須アミノ酸、50μM 2-メ
ルカプトエタノール、2mM L-グルタミン、50U/mlペニシリン、および50μg/mlス
トレプトマイシンを添加したRPMI 1640培養液中37℃で5%CO2を補填した湿潤化
雰囲気中で成長させた。細胞のアリコート(5×106)を4μg/mlのポリブレンを
添加した両栄養性PA317レトロウイルス生産細胞からの5mlの上清とともに24時間
インキュベートした。次いで、細胞をSorvall RT6000Dベンチトップ遠心器で160
0RPMで10分間4℃での遠心分離により回収し、そして20mlの完全培地に再懸濁し
た。24時間のインキュベーションの後、細胞を0.2ml/
ウェルの完全培地の1容積中に50、10、1または0.1細胞/ウェルの密度で96ウエ
ルトレイにプレートした。7日間のインキュベーションの後、0.1mlの培地を各
ウェルから除去し、そして400μg/mlのハイグロマイシンBを添加した0.1mlの完
全培地と置き換えた。さらに7〜14日間のインキュベーション後、細胞のHmrコロ
ニーを24ウェルトレイに移し、そして分析のために増殖した。
CAT抽出物の調製およびアッセイのために、感染した細胞のアリコート(4×106
)は、活性化されないままか、またはT細胞レセプターと表面結合性抗CD3モノ
クローナル抗体との架橋結合により活性化されるかのいずれかであった。抽出を
活性化の後24時間で、細胞を収穫し、そしてCAT抽出物は、この抽出物を60μlの
0.25M Tris(pH8.0)中で調製したことを除いて、実施例12に記載のように調製し
そしてアッセイした。
図13に示すように、ポジティブレトロウイルス対照ベクターHyTK.CMV.CATに
感染しそして活性化されないままの細胞は、CAT活性を構造的に発現し、そして
発現のレベルは、T細胞活性化に際し増加した。HyTK.CMVe.γ-IFN.CATレトロウ
イルスベクターに感染しそして活性化されないままの細胞は、顕著なレベルのCA
T活性を発現しなかった。しかし、HyTK.CMVe.γ-IFN.CATレトロウイルスベクタ
ーに感染した細胞は、24時間の活性化に続き、顕著なレベルのCAT活性を発現し
た。
これらの結果は、CMVエンハンサーと組み合わせたγ-IFN転写制御領域がヒト
Tリンパ球における活性化誘導発現を仲介
することを示す。これらの結果はさらに、CMVエンハンサーと組み合わせたγ-IF
N転写制御領域が、レトロウイルスベクターに挿入されそしてレトロウイルス感
染を介して転移した場合、ヒトTリンパ球において機能的であることを示す。
実施例18 ヒト末梢血Tリンパ球における、CMVエンハンサーと組み合わせたγ-IFN転写制 御領域およびCMVエンハンサーと組み合わせたIL-3転写制御領域により仲介され る活性化誘導発現
プラスミドHyTK.lck-7.CATおよびHyTK.CMV.CATは実施例10のように構築された
。プラスミドHyTK.hIL-3.CATおよびHyTK.CMVe.hIL-3.CATは実施例4および実施
例14の記載のように構築された。プラスミドHyTK.CMVe.γ-IFN.CATを実施例17の
記載のように構築された。
レトロウイルスベクターHyTK.γ-IFN.CATのプロウイルス構造は、図4Cに描
かれるように配置され、ここで、「TCR」はγ-IFN転写制御領域を表し、「遺伝
子」はCAT遺伝子を表す。HyTK.γ-IFN.CATは以下のように標準技法(Ausubelら
、1987)を用いて構築された:γ-IFN転写制御領域およびCAT遺伝子の5’末端
にまたがるXho1-EcoRIフラグメントをtgγ-IFNcat(実施例17参照)から切除し
、そしてHyTK遺伝子にまたがるBstE2-Xho1フラグメントをHyTK.CMV.IL-2(実施
例10参照)から切除した。2つのフラグメントをHyTK.CMV.CAT(実施例10参照)
のBstE2およびEcoRI部位の間に連結し、HyTK.γ-IFN.CATを作成
した。
ヒト末梢血T細胞は、細胞が50μgのHyTK.lck-7.CAT、HyTK.CMV.CAT、HyTK.γ
-IFN.CAT、HyTK.CMVe.γ-IFN.CAT、HyTK.IL-3.CAT、またはHyTK.CMVe.IL-3.CAT
プラスミドDNAでトランスフェクトされたことを除いて、実施例12に記載のよう
に調製されそしてトランスフェクトされた。
トランスフェクトされた細胞は、活性化されない(-)か、またはトランスフ
ェクト後直ぐにT細胞レセプターと表面結合性抗CD3モノクローナル抗体との架
橋結合により活性化される(+)かのいずれかであった。活性化の後20時間で、
細胞を収穫し、そしてCAT抽出物を、HyTK.CMV.CATでトランスフェクトされた細
胞から調製した抽出物の5μlアリコートをアッセイしたことを除いて、実施例1
2に記載のように調製しそしてアッセイした。
図14に示すように、ネガティブ対照ベクターHyTK.lck-7.CATでトランスフェ
クトされそして活性化されないまま(-)または活性化された(+)細胞は、顕著
なレベルのCAT活性を発現しなかった。ポジティブ対照ベクターHyTK.CMV.CATで
トランスフェクトされそして活性化されないまま(-)の細胞は、CAT活性を構造
的に発現し、発現のレベルはT細胞活性化(+)に際し増加した。HyTK.CMVe.γ-
IFN.CATまたはHyTK.CMVe.IL-3.CATでトランスフェクトされそして活性化されな
いまま(-)の細胞は、顕著なレベルのCAT活性を発現しなかった。しかし、HyTK
.CMVe.γ-IFN.CATまたはHyTK.CMVe.IL-3.CATでトランスフ
ェクトされた細胞は、20時間の活性化に続き、顕著なレベルのCAT活性を発現し
た(+)。
これらの結果は、CMVエンハンサーと組み合わせたγ-IFN転写制御領域およびC
MVエンハンサーと組み合わせたIL-3転写制御領域がヒトTリンパ球における活性
化誘導発現を仲介すること、およびCMVエンハンサーは、ヒトTリンパ球におけ
るγ-IFNおよびIL-3転写制御領域からの活性化誘導発現のレベルを増強するため
に用いられ得ることを示す。これらの結果はさらに、CMVエンハンサーと組み合
わせたγ-IFN転写制御領域およびCMVエンハンサーと組み合わせたIL-3転写制御
領域が、レトロウイルスベクターに挿入された場合、ヒトTリンパ球において機
能的であることを示す。
実施例19 マウスTリンパ球における活性化誘導発現
プラスミドHyTK.lck-7.CAT、HyTK.CMV.CATおよびHyTK.CMVe.CATは実施例10の
ように構築された。プラスミドHyTK.CMVe.IL-2Rα.CAT、HyTK.CMVe.hIL-3.CAT、
HyTK.CMVe.CTLA-1およびHyTK.CMVe.γ-IFN.CATは実施例11、14、15および17のそ
れぞれの記載のように構築された。
マウスTリンパ球の調製およびトランスフェクションを以下のように行った。
脾臓をC57B1/6マウスおよびDBA/2マウスから取り出し、そして完全培地(10%ウ
シ胎児血清、0.1mM非必須アミノ酸、50μM 2-メルカプトエタノール、2mM L-グ
ル
タミン酸、1mMピルビン酸ナトリウム(sodium pyruvate)、50U/mlペニシリン
、および50μg/mlストレプトマイシンを添加したIscove培地)で分解し、単一細
胞懸濁液を形成した。次いで、細胞を50mlコニカル管にアイソリンホ上に重層し
、そしてSorvall RT6000Dベンチトップ遠心器で2000RPMで20分間20℃で遠心分離
した。界面での細胞をSorvall RT6000Dベンチトップ遠心器で1600RPMで10分間4
℃での遠心分離によりペレット化し、完全培地に再懸濁およびSorvall RT6000D
ベンチトップ遠心器で1600RPMで10分間4℃での遠心分離および完全培地に再懸濁
することにより2回洗浄した。次いで、DBA/2細胞を3500radで照射し、そして混
合白血球培養物(MLC)を7.5×107の照射されたDBA/2細胞と7.5×107のC57B1/6
細胞をT-75培養フラスコにて20mlの容積で混合することにより開始した。37℃で
5%CO2を補填した湿潤化雰囲気中で3日間インキュベートした後、細胞をMLCか
ら収穫し、Sorvall RT6000Dベンチトップ遠心器で1600RPMで10分間4℃での遠心
分離によりペレット化し、そして次いで、30mlの完全培地に再懸濁した。次いで
、細胞を50mlコニカル管にアイソリンホ上に重層し、そしてSorvall RT6000Dベ
ンチトップ遠心器で2000RPMで20分間20℃で遠心分離した。界面での細胞をSorva
ll RT6000Dベンチトップ遠心器で1600RPMで10分間4℃での遠心分離によりペレッ
ト化し、完全培地に再懸濁およびSorvall RT6000Dベンチトップ遠心器で1600RPM
で10分間4℃での遠心分離することにより2回洗浄し、そして次いで、7.5×106
細胞をT-75フラスコ中
の5ng/mlの組換えヒトIL-2を添加した30mlの完全培地に再懸濁した。37℃で5%C
O2を補填した湿潤化雰囲気中でのさらに3日間のインキュベート後、T細胞を標
準手順を用いて、CD3+T細胞精製カラム(Biotecx)を用いた親和性クロマトグ
ラフィーにより精製した。細胞のアリコート(1×107)に、0.4cmのキュベット
および300Vおよび960μFにセットされたBiorad Gene Pulserを用いて、0.8mlの
完全培地中で、50μgのHyTK.lck-7.CAT、HyTK.CMV.CAT、HyTK.CMVe.γ-IFN.CAT
、HyTK.CMVe.hIL-3.CAT、HyTK.LT.CMVe.CAT、HyTK.CMVe.CTLA-1.CAT、HyTK.CMVe
.IL-2Rα.CATプラスミドをエレクトロポレーションにより導入した。
CAT抽出物の調製およびアッセイのために、トランスフェクトされた細胞は、
活性化されないまま、またはトランスフェクトの後直ぐにT細胞レセプターと表
面結合性抗CD3モノクローナル抗体との架橋結合により活性化されるかのいずれ
かであった。活性化の後24時間で、細胞を収穫し、そしてCAT抽出物は、この抽
出物を60μlの0.25M Tris(pH8.0)中で調製しそしてHyTK.CMV.CATでトランスフェ
クトされた細胞から調製された抽出物の5μlのアリコートをアッセイしたこと
を除いて、実施例12に記載のように調製しそしてアッセイした。
図15に示すように、ネガティブ対照ベクターHyTK.lck-7.CATでトランスフェ
クトされそして活性化されないまま、または活性化されたかのいずれかである細
胞は、顕著なレベルのCAT活性を発現しなかった。ポジティブ対照ベクターHyTK.
CM
V.CATでトランスフェクトされそして活性化されないままの細胞は、CAT活性を構
造的に発現し、そして発現のレベルはT細胞活性化に際し増加した。HyTK.CMVe.
γ-IFN.CATまたはHyTK.CMVe.IL-3.CATでトランスフェクトされそして活性化され
ないままの細胞は、顕著なレベルのCAT活性を発現しなかった。しかし、HyTK.CM
Ve.γ-IFN.CATまたはHyTK.CMVe.IL-3.CATでトランスフェクトされた細胞は、24
時間の活性化に続き、顕著なレベルのCAT活性を発現した。少量の活性化誘導発
現はまた、HyTK.CMVe.LT.CATまたはHyTK.CMVe.CTLA-1.CATでトランスフェクトさ
れた細胞に見られた。
これらの結果は、CMVエンハンサーと組み合わせたγ-IFN転写制御領域およびC
MVエンハンサーと組み合わせたIL-3転写制御領域がマウスTリンパ球における活
性化誘導発現を仲介することを示す。これらの結果はさらに、CMVエンハンサー
と組み合わせたγ-IFN転写制御領域およびCMVエンハンサーと組み合わせたIL-3
転写制御領域が、レトロウイルスベクターに挿入された場合、マウスTリンパ球
において機能的であることを示す。
実施例20 マウスTリンパ球におけるCMVエンハンサーと組み合わせた-IFN転写制御領域に より仲介される抗原誘導発現
プラスミド構築:
プラスミドHyTK.lck-7.CATおよびHyTK.CMV.CATは実施例10
のように構築された。プラスミドHyTK.CMVe.γ-IFN.CATは実施例17のように構築
された。
マウスTリンパ球の調製およびトランスフェクションを実施例19に記載のよう
に行った。
CAT抽出物の調製およびアッセイのために、トランスフェクトされた細胞は、
照射されたC57B1/6脾臓細胞の存在下でインキュベートすることにより活性化さ
れないまま、または抗原性刺激を提供するために照射された同種DBA/2脾臓細胞
の存在下でインキュベートすることによるトランスフェクションの後直ぐに活性
化されるかのいずれかであった。活性化の後24時間で、細胞を収穫し、そしてCA
T抽出物を実施例19記載のように調製しそしてアッセイした。
図16に示すように、ネガティブ対照ベクターHyTK.lck-7.CATでトランスフェ
クトされそして活性化されないまま、または抗原で活性化された細胞は、顕著な
レベルのCAT活性を発現しなかった。ポジティブ対照ベクターHyTK.CMV.CATでト
ランスフェクトされそして活性化されないままの細胞は、CAT活性を構造的に発
現し、そして発現のレベルは抗原の活性化に際し増加した。HyTK.CMVe.γ-IFN.C
ATでトランスフェクトされそして活性化されないままの細胞は、顕著なレベルの
CAT活性を発現しなかった。しかし、HyTK.CMVe.γ-IFN.CATでトランスフェクト
された細胞は、抗原を用いた24時間の活性化に続き、顕著なレベルのCAT活性を
発現した。
これらの結果は、CMVエンハンサーと組み合わせたγ-IFN転
写制御領域がマウスTリンパ球における抗原誘導発現を仲介することを示す。こ
れらの結果はさらに、CMVエンハンサーと組み合わせたγ-IFN転写制御領域が、
レトロウイルスベクターに挿入された場合、マウスTリンパ球において機能的で
あることを示す。
実施例21 CD8+マウスTリンパ球における活性化誘導発現
プラスミド構築:
プラスミドHyTK.lck-7.CAT、HyTK.CMV.CATおよびHyTK.CMVe.LT.CATは実施例10
のように構築された。プラスミドHyTK.CMVe.IL-2Rα.CAT、HyTK.CMVe.hIL-3.CAT
、HyTK.CMVe.CTLA-1.CATおよびHyTK.CMVe.γ-IFN.CATは実施例11、14、15および
17のそれぞれの記載のように構築された。
CD8+マウスTリンパ球の調製およびトランスフェクションのために、CD8+T
リンパ球は、CD8+細胞が、CD3+T細胞精製カラムの代わりに、CD8+T細胞精製
カラムを用いて精製されることを除いて、実施例19に記載されるように調製され
、そしてトランスフェクトされた。
CAT抽出物の調製およびアッセイは、実施例19に記載のように行った。
図17に示すように、ネガティブ対照ベクターHyTK.lck-7.CATでトランスフェ
クトされ、そして活性化されないまま、または活性化された細胞は、顕著なレベ
ルのCAT活性を発現しな
かった。ポジティブ対照ベクターHyTK.CMV.CATでトランスフェクトされそして活
性化されないままの細胞は、CAT活性を構造的に発現し、そして発現のレベルは
T細胞の活性化に際し増加した。HyTK.CMVe.γ-IFN.CATまたはHyTK.CMVe.IL-3.C
ATでトランスフェクトされそして活性化されないままの細胞は、顕著なレベルの
CAT活性を発現しなかった。しかし、HyTK.CMVe.γ-IFN.CATまたはHyTK.CMVe.IL-
3.CATでトランスフェクトされた細胞は、24時間の活性化に続き、顕著なレベル
のCAT活性を発現した。少量の活性化誘導発現はまた、HyTK.CMVe.LT.CATでトラ
ンスフェクトされた細胞に見られた。
これらの結果は、CMVエンハンサーと組み合わせたγ-IFN転写制御領域およびC
MVエンハンサーと組み合わせたIL-3転写制御領域がマウスCD8+Tリンパ球におけ
る活性化誘導発現を仲介することを示す。これらの結果はさらに、CMVエンハン
サーと組み合わせたγ-IFN転写制御領域およびCMVエンハンサーと組み合わせたI
L-3転写制御領域が、レトロウイルスベクターに挿入された場合、マウスCD8+T
リンパ球において機能的であることを示す。
実施例22 CD8+マウスTリンパ球における、CMVエンハンサーと組み合わせたγ-IFN転写制 御領域により仲介される抗原誘導発現
プラスミド構築:
プラスミドHyTK.lck-7.CATおよびHyTK.CMV.CATは実施例10
のように構築された。プラスミドHyTK.CMVe.γ-IFN.CATは実施例17のように構築
された。
マウスTリンパ球の調製およびトランスフェクションを実施例21に記載のよう
に行った。
CAT抽出物の調製およびトランスフェクションのために、トランスフェクトさ
れた細胞は、照射されたC57B1/6脾臓細胞の存在下でインキュベートすることに
より活性化されないままか、または抗原性刺激を提供するために照射された同種
DBA/2脾臓細胞の存在下でインキュベートすることによるトランスフェクション
の後直ぐに活性化されるかのいずれかであった。活性化の後24時間で、細胞を収
穫し、そしてCAT抽出物を実施例19記載のように調製しそしてアッセイした。
図18に示すように、ネガティブ対照ベクターHyTK.lck-7.CATでトランスフェ
クトされ、そして活性化されないまま、または抗原で活性化される細胞は、顕著
なレベルのCAT活性を発現しなかった。ポジティブ対照ベクターHyTK.CMV.CATで
トランスフェクトされそして活性化されないままの細胞は、CAT活性を構造的に
発現し、そして発現のレベルは抗原活性化に際し増加した。HyTK.CMVe.γ-IFN.C
ATでトランスフェクトされそして活性化されないままの細胞は、顕著なレベルの
CAT活性を発現しなかった。しかし、HyTK.CMVe.γ-IFN.CATでトランスフェクト
された細胞は、抗原を用いた24時間の活性化に続き、顕著なレベルのCAT活性を
発現した。
これらの結果は、CMVエンハンサーと組み合わせたγ-IFN転
写制御領域がマウスCD8+Tリンパ球における抗原誘導発現を仲介することを示す
。これらの結果はさらに、CMVエンハンサーと組み合わせたγ-IFN転写制御領域
が、レトロウイルスベクターに挿入された場合、マウスCD8+Tリンパ球において
機能的であることを示す。
実施例23 ヒト末梢血Tリンパ球における活性化誘導発現
プラスミド構築:
プラスミドHyTK.lck-7.CAT、HyTK.CMV.CATおよびHyTK.CMVe.LT.CATは実施例10
のように構築された。プラスミドHyTK.CMVe.IL-2Rα.CAT、HyTK.CMVe.hIL-3.CA
T、HyTK.CMVe.CTLA-1.CATおよびHyTK.CMVe.γ-IFN.CATは実施例11、14、15およ
び17のそれぞれの記載のように構築された。
ヒト末梢血T細胞は、これらの細胞を、0.4cmのキュベットおよび400Vおよび9
60μFにセットされたBiorad Gene Pulserを用いて、100μgのHyTK.lck-7.CAT、H
yTK.CMV.CAT、HyTK.γ-IFN.CAT、HyTK.CMVe.γ-IFN.CAT、HyTK.IL-3.CAT、また
はHyTK.CMVe.IL-3.CATプラスミドDNAでトランスフェクトしたことを除いて、実
施例12に記載のように調製され、そしてトランスフェクトされた。
CAT抽出物の調製およびアッセイのために、トランスフェクトされた細胞は、
活性化されないままか、またはトランスフェクションの後すぐに、T細胞レセプ
ターと表面結合性CD3モ
ノクローナル抗体との架橋結合により活性化されるかのいずれかであった。活性
化の後24時間で、細胞を収穫し、そしてCAT抽出物は、この抽出物を60μlの0.25
M Tris(pH8.0)中で調製したことおよびHyTK.CMV.CATでトランスフェクトされた
細胞から調製した抽出物の5μlアリコートをアッセイしたことを除いて、実施例
12に記載のように調製しそしてアッセイした。
図19に示すように、ネガティブ対照ベクターHyTK.lck-7.CATでトランスフェ
クトされ、そして活性化されないまま、または活性化される細胞は、顕著なレベ
ルのCAT活性を発現しなかった。ポジティブ対照ベクターHyTK.CMV.CATでトラン
スフェクトされそして活性化されないままの細胞は、CAT活性を構造的に発現し
、そして発現のレベルはT細胞の活性化に際し増加した。HyTK.CMVe.γ-IFN.CA
TまたはHyTK.CMVe.IL-3.CATでトランスフェクトされそして活性化されないまま
の細胞は、顕著なレベルのCAT活性を発現しなかった。しかし、HyTK.CMVe.γ-IF
N.CATまたはHyTK.CMVe.IL-3.CATでトランスフェクトされた細胞は、24時間の活
性化に続き、顕著なレベルのCAT活性を発現した。少量の活性化誘導発現はまた
、HyTK.CMVe.LT.CATまたはHyTK.CMVe.IL-2Rα.CATでトランスフェクトされた細
胞に見られた。
これらの結果は、CMVエンハンサーと組み合わせたγ-IFN転写制御領域およびC
MVエンハンサーと組み合わせたIL-3転写制御領域がヒトTリンパ球における活性
化誘導発現を仲介する
ことを示す。これらの結果はさらに、CMVエンハンサーと組み合わせたγ-IFN転
写制御領域およびCMVエンハンサーと組み合わせたIL-3転写制御領域が、レトロ
ウイルスベクターに挿入された場合、ヒトTリンパ球において機能的であること
を示す。
実施例24 CD4+ヒト末梢血Tリンパ球における活性化誘導発現
プラスミド構築:
プラスミドHyTK.lck-7.CAT、HyTK.CMV.CATおよびHyTK.CMVe.LT.CATは実施例10
のように構築された。プラスミドHyTK.CMVe.IL-2Rα.CAT、HyTK.CMVe.hIL-3.CAT
、HyTK.CMVe.CTLA-1.CATおよびHyTK.CMVe.γ-IFN.CATは実施例11、14、15および
17のそれぞれの記載のように構築された。
ヒト末梢血T細胞を実施例12に記載のように調製した。次いで、CD8+細胞をCD
8結合マグネットビーズ(Dynal)を用いることにより集団から取り出した。精製
した細胞のアリコート(4×106)を0.4cmのキュベットおよび400Vおよび960μF
にセットされたBiorad Gene Pulserを用いて、0.8mlの完全培地中で100μgのHyT
K.lck-7.CAT、HyTK.CMV.CAT、HyTK.γ-IFN.CAT、HyTK.CMVe.γ-IFN.CAT、HyTK.I
L-3.CAT、またはHyTK.CMVe.IL-3.CATプラスミドDNAでトランスフェクトした。
CAT抽出物の調製およびアッセイは、実施例23に記載のように行った。
図20に示すように、ネガティブ対照ベクターHyTK.lck-7.CATでトランスフェ
クトされ、そして活性化されないまま、または活性化される細胞は、顕著なレベ
ルのCAT活性を発現しなかった。ポジティブ対照ベクターHyTK.CMV.CATでトラン
スフェクトされそして活性化されないままの細胞は、CAT活性を構造的に発現し
、そして発現のレベルはT細胞活性化に際し増加した。HyTK.CMVe.IL-3.CATでト
ランスフェクトされそして活性化されないままの細胞は、顕著なレベルのCAT活
性を発現しなかった。しかし、HyTK.CMVe.IL-3.CATでトランスフェクトされた細
胞は、24時間の活性化に続き、顕著なレベルのCAT活性を発現した。活性誘導発
現のより低いレベルはまた、HyTK.CMVe.γ-IFN.CATまたはHyTK.CMVe.LT.CAT、Hy
TK.CMVe.CTLA-1.CATまたはHyTK.CMVe.IL-2Rα.CATでトランスフェクトされた細
胞に見られた。
これらの結果は、CMVエンハンサーと組み合わせたIL-3転写制御領域がヒトCD4
+Tリンパ球における活性化誘導発現を仲介することを示す。これらの結果はさ
らに、CMVエンハンサーと組み合わせたIL-3転写制御領域が、レトロウイルスベ
クターに挿入された場合、ヒトCD4+Tリンパ球において機能的であることを示す
。
実施例25 CD8+ヒト末梢血Tリンパ球における活性化誘導発現
プラスミド構築:
プラスミドHyTK.lck-7.CAT、HyTK.CMV.CATおよびHyTK.CMVe.LT.CATは実施例10
のように構築された。プラスミドHyTK.CMVe.IL-2Rα.CAT、HyTK.CMVe.hIL-3.CAT
、HyTK.CMVe.CTLA-1.CATおよびHyTK.CMVe.γ-IFN.CATは実施例11、14、15および
17のそれぞれの記載のように構築された。
ヒト末梢血T細胞は、CD4+細胞を次いでCD4結合マグネットビーズ(Dynal)を
用いることにより集団から取出することを除いて、実施例24に記載のように調製
した。
CAT抽出物の調製およびアッセイは、実施例23に記載のように行った。
図21に示すように、ネガティブ対照ベクターHyTK.lck-7.CATでトランスフェ
クトされ、そして活性化されないまま、または活性化される細胞は、顕著なレベ
ルのCAT活性を発現しなかった。ポジティブ対照ベクターHyTK.CMV.CATでトラン
スフェクトされそして活性化されないままの細胞は、CAT活性を構造的に発現し
、そして発現のレベルはT細胞の活性化に際し増加した。HyTK.CMVe.γ-IFN.CAT
、HyTK.CMVe.IL-3.CATまたはHyTK.CMVe.LT.CATでトランスフェクトされそして活
性化されないままの細胞は、顕著なレベルのCAT活性を発現しなかった。しかし
、HyTK.CMVe.γ-IFN.CAT、HyTK.CMVe.IL-3.CATまたはHyTK.CMVe.LT.CATでトラン
スフェクトされた細胞は、24時間の活性化に続き、顕著なレベルのCAT活性を発
現した。活性化誘導発現のより低いレベルはまた、HyTK.CMVe.CTLA-1.CATまたは
HyTK.CMVe.IL-2Rα.CATでトランスフェクトされた細
胞に見られた。
これらの結果は、CMVエンハンサーと組み合わせたγ-IFN、IL-3、LT、CTLA-1
およびIL-2Rαからの転写制御領域がヒトCD8+Tリンパ球における活性化誘導発
現を仲介することを示す。これらの結果はさらに、CMVエンハンサーと組み合わ
せたγ-IFN、IL-3、LT、CTLA-1およびIL-2Rαからの転写制御領域が、レトロウ
イルスベクターに挿入された場合、ヒトCD8+Tリンパ球において機能的であるこ
とを示す。
実施例26 レトロウイルス感染したヒトCMV特異的CD8+細胞障害性Tリンパ球クローンにお ける活性化誘導発現
プラスミドHyTK.CMV.CATおよびHyTK.CMVe.LT.CATは実施例10のように構築され
た。プラスミドHyTK.CMVe.γ-IFN.CATは実施例17のように構築された。
両栄養性PA317生産体クローンを実施例17のように生成しそして特徴づけた。
CMV特異的ヒトCD8+細胞障害性T細胞クローンMRL 1A3を、前記の方法(Riddel
lら、1991)を用いてボランティア(volunteer)CMVセロポジティブ供給者から
生成した。このクローンは、FACS分析によりCD3+、CD8+、CD4-の表現型を有し、
そして自己由来のCMV感染線維芽細胞に特異的な細胞融解活性を制限するクラス
IMHCを仲介した。MRL 1A3を、前記のように(RiddellおよびGreenberg、1990)
、自己由来のCMV感染線維芽細胞ま
たは抗CD3モノクローナル抗体を用いた周期的な刺激により増殖し、T細胞レセ
プター刺激およびγ線照射フィーダー細胞を提供する。
CMV反応性ヒトCD8+CTLクローンMRL 1A3の感染を以下のように行った。レトロ
ウイルスの形質導入のために、5×105MRL1A3T細胞のアリコートを抗CD3モノク
ローナル抗体およびγ線照射フィーダー細胞で刺激し、そして培養物に、刺激の
後1日目で、30U/mlの濃度でIL-2を添加した。刺激の後3日目で、細胞を、1:
1体積/体積の割合で、HyTK.CMV.CAT、HyTK.CMVe.γ-IFN.CAT、またはHyTK.CMVe
.LT.CATレトロウイルス粒子を含有する上清に曝した。培地に5μg/mlの濃度でポ
リブレンおよび20U/mlの濃度でIL-2を添加した。レトロウイルス上清に曝した後
1日目(刺激後4日目)、T細胞を洗浄し、そして新鮮な培地中にプレートした
。5日目、細胞を感染3日目と同一の条件下でレトロウイルス上清に曝した(2
回目)。6日目、細胞を洗浄しそして250μg/mlの濃度でハイグロマイシンBお
よび20U/mlの濃度でIL-2を含有する培地中にプレートした。14日目、残存する生
存可能な細胞を抗CD3モノクローナル抗体およびγ線照射フィーダー細胞で再度
刺激し、そして濃度250μg/mlのハイグロマイシンBの存在下で増殖させた。ハ
イグロマイシンB選択の第二サイクルの後、各形質導入した培養物のアリコート
をサザンブロッティングにより分析し、形質導入の成功を確認した。形質導入し
た培養物を、前記のように(RiddellおよびGreenberg、1990)、自己由来のCMV
感染
線維芽細胞または抗CD3モノクローナル抗体を用いた周期的な刺激により増殖し
、T細胞レセプター刺激およびγ線照射フィーダー細胞を提供した。
CAT抽出物を以下のように調製しそしてアッセイした。形質導入細胞のアリコ
ート(1×104細胞)をフィーダー細胞として25×106γ線照射PBLおよび5×106γ
線照射EBV形質転換LCL、および抗CD3モノクローナル抗体を有する30mlの培地中
に移し、T細胞レセプター刺激を提供する。翌日、培養物に25U/mlのIL-2を添加
した。培養の4日後、細胞を洗浄し、そして25U/mlのIL-2を含有する30mlの新鮮
な培地中に再懸濁した。培養のさらに3日後、細胞を再度洗浄し、そして25U/ml
のIL-2を含有する30mlの新鮮な培地中に再懸濁した。1〜3日後、細胞を洗浄し
、そして新鮮な培地中に1×106T細胞/mlの密度で再懸濁し、そして2×106γ線
照射PBLとともに1×106T細胞/ウェルで24ウェルプレートに移し、休息させた
。休息の14日後、細胞を活性化せずにCATアッセイのために収穫するか、または
以下のように活性化するかのいずれかであった:形質導入T細胞をフィーダー細
胞として5×106γ線照射PBLおよび5×105γ線照射EBVトランスフェクトLCL、お
よび表面結合抗CD3モノクローナル抗体とともに5×106T細胞/ウェルで24ウェル
プレートに移し、T細胞レセプター刺激を提供した。活性化後の24時間、48時間
、または96時間で抽出物をCATアッセイのために調製した。細胞を収穫しそしてC
AT抽出物を、抽出物を60μlの0.25M Tris(pH8.0)中で調製したことを除いて、実
施例12に記載のように調製しそしてアッセィした。
図22に示すように、ポジティブな対照レトロウイルスベクターHyTK.CMV.CAT
で感染されそして活性化されないままの細胞は、CAT活性を構造的に発現し、そ
して発現のレベルはT細胞の24時間活性化に際し増加した。HyTK.CMVe.LT.CATレ
トロウイルスベクターで感染されそして活性化されないままの細胞は、顕著なレ
ベルのCAT活性を発現しなかった。しかし、HyTK.CMVe.LT.CATレトロウイルスベ
クターで感染された細胞は、活性化後48時間で顕著なレベルのCAT活性を発現し
た。HyTK.CMVe.γ-IFN.CATレトロウイルスベクターで感染されそして活性化され
ないままの細胞は、顕著なレベルのCAT活性を発現しなかった。しかし、HyTK.CM
Ve.γ-IFN.CATレトロウイルスベクターで感染した細胞は、活性化後の48時間ま
たは96時間で顕著なレベルのCAT活性を発現した。
これらの結果は、CMVエンハンサーと組み合わせたγ-IFN転写制御領域、また
はCMVエンハンサーと組み合わせたLT転写制御領域がCMV反応性ヒトCD8+CTLクロ
ーンにおける活性化誘導発現を仲介することを示す。これらの結果はさらに、CM
Vエンハンサーと組み合わせたγ-IFN転写制御領域、またはCMVエンハンサーと組
み合わせたLT転写制御領域が、レトロウイルスベクターに挿入されそしてレトロ
ウイルス感染を介して転移した場合、CMV反応性ヒトCD8+CTLクローンにおいて機
能的であることを示す。
実施例27 外因的に添加したIL-2の非存在下における、HyTK.CMVe.IL-3.IL-2、HyTK.CMVe. γ-IFN.IL-2、およびHyTK.CMVe.IL-2Rα.IL-2で形質導入されたCMV反応性ヒトCD 8+CTLの成長
レトロウイルスベクターtgLS(+)HyTKの構築およびプロウイルスの構造は、Lup
tonら、1991年に充分に記載されている。
レトロウイルスベクターHyTK.CMVe.IL-3.IL-2のプロウイルス構造は、図4D
に描かれるように配置され、ここで、「TCR」はIL-3転写制御領域を表し、「遺
伝子」はヒトIL-2 cDNAを表し、そして「ENH」はCMVエンハンサーを表す。プラ
スミドHyTK.CMVe.IL-3.LI-2は以下のように標準技法(Ausubelら、1987)を用い
て構築された:5’末端のBamHI部位および3’末端のSa1I部位を配置すること
により改変されたヒトIL-2 cDNAクローンは、CAT遺伝子の代わりにHyTK.CMVe.IL
-3.CAT(実施例14参照)のBamHIおよびSa1I部位の間に挿入した。
レトロウイルスベクターHyTK.CMVe.γ-IFN.IL-2のプロウイルス構造は、図4
Dに描かれるように配置され、ここで、「TCR」はγ-IFN転写制御領域を表し、
「遺伝子」はヒトIL-2 cDNAを表し、そして「ENH」はCMVエンハンサーを表す。
プラスミドHyTK.CMVe.γ-IFN.IL-2は以下のように標準技法(Ausubelら、1987)
を用いて構築された。プラスミドHyTK.γ-IFN.IL-2を最初に構築した。この構築
物は、HyTK遺伝子の下流に挿入されたヒトIL-2 cDNAに連結したヒトγ-IFN転写
制御領域(Ciccaroneら、1990;GrayおよびGoeddel,1982)のヌクレ
オチド-541〜+128、およびヒトγ-IFN転写制御領域の5’側の即時型XhoI部位を
含有するtgLS(+)HyTK(Luptonら、1991)の誘導体である。次いで、CMVエンハン
サーおよびγ-IFN転写制御領域の5’部分を包含するXhoI-BstX1フラグメントは
、tgCMVe.γ-IFN.CAT(実施例17に記載)から切除され、そしてHyTK.γ-IFN.IL-
2のXhoIおよびBstX1の間に連結され、HyTK.CMVe.γ-IFN.IL-2を設計した構築物
を生成した。
レトロウイルスベクターHyTK.CMVe.CTLA-1.IL-2のプロウイルス構造は、図4
Dに描かれるように配置され、ここで、「TCR」はCTLA-1転写制御領域を表し、
「遺伝子」はヒトIL-2 cDNAを表し、そして「ENH」はCMVエンハンサーを表す。
プラスミドHyTK.CMVe.CTLA-1.IL-2は以下のように標準技法(Ausubelら、1987)
を用いて構築された:5’末端のBamHI部位および3’末端のSalI部位を配置す
ることにより改変されたヒトIL-2 cDNAクローンは、CAT遺伝子の代わりにHyTK.C
MVe.CTLA-1.CAT(実施例15参照)のBamHIおよびSa1I部位の間に挿入した。
レトロウイルスベクターHyTK.CMVe.IL-2Rα.IL-2のプロウイルス構造は、図4
Dに描かれるように配置され、ここで、「TCR」はIL-2Rα転写制御領域を表し、
「遺伝子」はヒトIL-2 cDNAを表し、そして「ENH」はCMVエンハンサーを表す。
プラスミドHyTK.CMVe.IL-2Rα.IL-2は以下のように標準技法(Ausubelら、1987
)を用いて構築された:5’末端のBamHI部位および3’末端のSa1I部位を配置
することにより改変されたヒトIL-2cDNAクローンは、CAT遺伝子の代わりにHyTK.
CMVe.IL-2R
α.CAT(実施例11参照)のBamHIおよびSalI部位の間に挿入した。
PA317両栄養性レトロウイルス生産体クローンは実施例17のように生成され、
そして特徴づけられた。
CMV特異的ヒトCD8+細胞障害性T細胞クローンMRL 3C11を実施例26に記載のよ
うに生成し、実施例26の記載のようにtgLS(+)HyTK、HyTK.CMVe.IL-3.IL-2、HyTK
.CMVe.γ-IFN.IL-2、HyTK.CMVe.CTLA-1.IL-2またはHyTK.CMVe.IL-2Rα.IL-2レト
ロウイルス粒子で形質導入した。
下記のように、形質導入CMV特異的ヒトCD8+CTLを外因性IL-2の非存在下で成長
させた。tgL(S)(+)HyTK、HyTK.CMVe.IL-3.IL-2、HyTK.CMVe.γ-IFN.IL-2、HyTK.
CMVe.CTLA-1.IL-2またはHyTK.CMVe.IL-2Rα.IL-2で形質導入された培養物のアリ
コートを抗原刺激を提供するためのAD169株CMVに感染した1×105自己由来の線維
芽細胞、およびフィーダー細胞として1×106γ線照射PBLおよび1×105γ線照射E
BV形質転換LCLとともに1×106T細胞/ウエルで24ウエルのプレートに移した。外
因性IL-2は、培養物に添加しなかった。7日後、細胞を収穫し、そして生存可能
な細胞の数をトリパンブルー排除により測定した。次いで、T細胞を同様の再刺
激条件下で24ウェルプレートに再度移した。さらに7日後、生存可能な細胞数を
再度トリパンブルー排除により測定した。
図23に示すデータは、2回の7日間の刺激サイクルにわたる細胞数の累積変化
を表す。これらの結果は、対照tgLS(+)HyTKベクターで形質導入された細胞に比
べ、HyTK.CMVe.IL-3.
IL-2、HyTK.CMVe.γ-IFN.IL-2、およびHyTK.CMVe.IL-2Rα.IL-2で形質導入され
た細胞が外因的に添加されたIL-2の非存在下で増殖することが可能であることを
示す。有用性
本発明のベクターは、TH細胞、および/またはTH細胞により提供された刺激
因子、例えばサイトカインに対する依存性が小さくなったリンパ球、特に抗原特
異的CTLを作ることに有用である。これらのベクターを含有する細胞、特に、こ
れらのベクターにコードされた刺激因子の発現により引き起こされたTH細胞に
対する依存性が小さくなったCLTは、免疫応答を調節するために養子移入治療に
役立つ。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G
B,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ,LK
,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO,
NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI,S
K,TJ,TT,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 アレン,ジェイムス エム.
アメリカ合衆国 ワシントン 98103,シ
アトル,エヌ.47ティーエイチ ストリー
ト 1814
(72)発明者 フェルドホウズ,アンドリュー エル.
アメリカ合衆国 ワシントン 98036,リ
ンウッド,エス.ダブリュー.,189ティ
ーエイチ プレイス 6903