JPH08512291A - 血栓溶解の増強方法 - Google Patents

血栓溶解の増強方法

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JPH08512291A JP6524399A JP52439994A JPH08512291A JP H08512291 A JPH08512291 A JP H08512291A JP 6524399 A JP6524399 A JP 6524399A JP 52439994 A JP52439994 A JP 52439994A JP H08512291 A JPH08512291 A JP H08512291A
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ゴレキ、マリアン
パネット、アモス
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バイオ−テクノロジー・ジェネラル・コーポレーション
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Abstract

(57)【要約】 血小板糖タンパク質Ib(GPIb)結合ドメインを含むフォン・ビルブラント因子(vWF)の断片を公知の治療方法と併用して、血栓に対する防御の増強、血栓溶解の向上、血栓溶解治療後の再閉塞などの症状の低減を達成する方法が提供される。加えて、該vWF断片およびアスピリンの使用により、外傷性血管損傷後の合併症を防止する方法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 血栓溶解の増強方法 〔発明の背景〕 本出願は、血栓に対する防御の増強、血栓溶解の改善および血栓溶解治療後の 再閉塞傾向の低減を達成するために、公知の治療法と組合わせて、血小板糖タン パク質Ib(GPIb)結合ドメインを含むフォン・ビルブラント因子(vWF )の断片を使用することを志向するものである。 括弧内のアラビア数字で参照される参照文献は、本明細書の末尾、請求の範囲 の直前に記されている。 フォン・ビルブラント因子(vWF)は、血管壁の内側表面の裏打ち層を形成 する内皮細胞内において、血小板の前駆体である巨核球により合成される大きな 血漿タンパク質である。 成熟したvWFは、数種類のタンパク質への結合部位を構成するドメインを含 んだ多価分子である。ドメインの一つは、血小板糖タンパク質Ib(GPIb) への結合部位を構成する。タンパク質の分解消化を用いることによって、この部 位は成熟したvWFのアミノ酸残基449から728の間の領域の位置と決定さ れた。加えて、vWFは、少なくとも2つのコラーゲン結合部位、少なくとも2 つのヘパリン結合部位、一つの第VIII因子結合部位、および血小板GP・I Ib/IIIaレセプターに結合する一つのRGD部位を有している。 フォン・ビルブラント因子は、止血において重要な役割を果たし(24)、そ の欠如は遺伝性出血性障害のフォン・ビルブラント病(VWD)をもたらす。最 近の研究により、フォン・ビルブラント因子は、特に狭窄冠状動脈において発生 するような強い剪断応力を特徴とする血流条件の下での血小板血栓の形成に必須 であることが分かった(24)。フォン・ビルブラント因子は、血小板膜上の糖 タンパク質であるIbレセプターと相互作用して血小板粘着を開始させ(13− 15)、血小板凝集および血栓形成を起こさせるADP、トロンボキサンおよび セロトニンの血小板からの放出を活性化させる(16−20)。このため、血小 板糖タンパク質であるIbレセプターをブロックすることによって、血小板粘着 および血栓形成を防止する努力がなされてきた。例えば、アウリントリカルボン 酸は、フォン・ビルブラント因子の血小板糖タンパク質Ib認識部位をブロック し、抗血栓治療に有益ではある(25)。 vWF(特にvWFのGPIbレセプターへの結合)が正常な血小板粘着にと って必須であることの根拠は、臨床上の観察および試験管内での研究の両方に基 づいている。フォン・ビルブラント病(vWD)の出血性障害の患者は、vWF のレベルが低いか、またはvWFを完全に欠損している。或いは、それらの患者 は欠陥のあるvWFを有しているのであろう。別の障害である、ベルナールース ーリエ症候群(Bernard-Soulier Syndrome:BSS)は、GPIbレセプターを欠失し ている血小板を特徴とする。 止血は、動的かつ継続的なプロセスである。このプロセスは、一方では出血を 防止するための凝血塊形成が含まれ、他方では全身の血流を維持するためには望 ましくないフィブリン沈着および血小板凝集の溶解および分解が含まれる。 研究により、ほとんどの急性経壁心筋梗塞は、アテローム硬化症の冠状動脈内 の血栓形成により引き起こされることが分かっている(1−4)。血管壁を覆う 保護内皮の断裂は、血小板粘着、血小板凝集および血栓をもたらし、これにより 心筋への血液供給がブロックされる(5−7)。組織プラスミノーゲンアクチベ ーターおよびストレプトキナーゼのような血栓溶解剤は、急性経壁心筋梗塞(「 Q波梗塞」)の患者の血栓の治療に有効であることが示されており(8−10) 、例えばヘパリンおよびアスピリンなどの抗凝固剤のような補助薬と共にしばし ば投与される。しかしながら、患者の15−20%は再灌流に至らない。加えて 、冠状動脈の再閉塞によって、ある数の患者においては血栓溶解治療の効果が制 限あれている(11−12)。 したがって、血栓溶解に至る時間を短くし、かつ血栓溶解後の再閉塞の発生を 減少させることにより血栓溶解治療法を強化することは、血栓溶解治療の分野に おいて著しい進歩であろう。 冠状動脈の血栓症および再閉塞の両方において、血小板粘着は開始事象である 。血小板粘着において、多価タンパク質のフォン・ビルブラント因子(vWF) は、内皮下の細胞外マトリックスと循環している血小板表面上の糖タンパク質I bとの間に架橋を形成する(13−15)。内皮下層への血小板の粘着は血小板 の活性化をもたらし、またアデノシン2リン酸(ADP)、トロンボキサンおよ びセロトニンの放出を導く。これらのことが今度は、さらに別の血小板を活性化 する。最終的に、血小板の栓が形成される(16−20)。従って、血小板粘着 を防止することは、冠状動脈の血栓および再閉塞を防止する上で有益であろう( 21)。 フォン・ビルブラント因子から単離された数種のペプチドは、血小板膜糖タン パク質Ibレセプターに結合して、フォン・ビルブラント因子と糖タンパク質I bレセプターとの相互作用を阻害する。この阻害によって、血小板粘着および血 小板凝集の阻害が導かれている(22,23)。 その様なペプチドの一つで、VCLと称するものは、単鎖内でのジスルフィド 結合により連結するCys509残基およびCys695残基を有する、フォン・ビル ブラント因子の組換え断片Leu504−Lys728である(23)。 VCLは、本出願とともに譲渡された国際特許出願公開番号WO91/139 03号に開示されており、これにも、患者が血管形成術、血栓溶解治療または冠 状動脈バイパス手術をうける前または後に、vWF断片を単独で用いることによ り、該患者における血小板凝集を阻害して望ましい効果を得る方法が開示されて いる。 今回、GPIb結合ドメインを含むvWFのポリペプチド断片を血栓溶解療法 と併用して投与することにより、著しい治療上の改善が得られることが発見され たことは驚くべきこ とであり、かつ予期し得ないことであった。一つの側面において、再灌流までの 時間短縮から明らかなように、血栓溶解に要する時間は著しく短くなる。別の側 面では、血栓溶解治療後の再閉塞の発生は顕著に少なくなる。例えば心臓血管手 術等の外科手術のように、血栓発生が予測される場合には、vWFのポリペプチ ド断片による予備治療によって血栓の発生を減少させ得るであろう。 加えて、vWFのGPIb結合ドメインポリペプチドおよびアスピリンは、外 傷性血管損傷後の合併症を相乗的に防止することが発見された。 〔発明の概要〕 本発明は、血栓溶解までの時間を短縮し、かつ血栓溶解後の再閉塞の発生を低 減する血栓溶解剤および抗凝固剤と併用して、vWFのGPIb結合ドメインポ リペプチドを投与することを具備した、血栓溶解を増強する方法を提供する。 さらなる態様において、本発明は、患者における外傷性血管損傷後の合併症を 防止するための方法であって、協同して前記合併症の防止に有効である、所定量 のvWFのGPIb結合ドメインポリペプチドと、所定量のアスピリンとを併用 して、前記患者に対して投与することを具備した方法を提供する。 〔図面の簡単な説明〕 図1: pvWF−VC3プラスミド この図は、deo12プロモーターの制御の下でvWFのGPIb結合ドメ インポリペプチドを発現する、pvWF−VC3プラスミドを示す。このプラス ミドは、E.coli(大腸菌)Sφ930株に導入して、ATCC受付番号6 8241号として寄託された。 図2: pvWF−VCLプラスミド この図は、λPLプロモーターおよびdeoリボゾーム結合部位の制御下にあ り、pvWF−VC3の場合と同じvWFのGPIb結合ドメインポリペプチド を発現するpvWF−VCLプラスミドを示す。このプラスミドは、E.col (大腸菌)4300(F-)株に導入して、ATCC受付番号68242号と して寄託された。 図3A−3C: pvWF−VC3プラスミドおよびpvWF−VCLプラス ミドにより発現されたvWFのGPIb結合ドメインポリペ プチドの翻訳された配列 この図は、pvWF−VC3プラスミド(ATCC受付番号68241号)お よびpvWF−VCLプラスミド(ATCC受付番号68242号)により発現 された、フォン・ビルブラント因子のGPIb結合ドメインポリペプチドの翻訳 された配列を示す。この配列は、N末端メチオニンを含む226アミノ酸からな る。 1から始まるヌクレオチドおよびアミノ酸の番号表示は欄外に示される。Me t1はイニシエーターのメチオニンである。配列Leu2−Lys226は、国際特 許出願公開番号W 091/13903号の図12に示された、フォン・ビルブラント因子の配列L eu504−Lys728と同一である。 図4: 前処置した犬における閉塞時間 生理食塩水、VCLおよびアスピリン(ASA)の静脈内投与により前処置し た動物の冠状動脈において、電気的な傷害から閉塞型血栓が形成されるまでの経 過時間(プロトコー 0.001。 図5: 前処置した犬における血栓溶解時間 生理食塩水、VCLおよびアスピリン(ASA)の静脈内投与により前処置し た動物の冠状動脈において、t−PA投与から血栓溶解に至るまでの経過時間( プロトコール1)。 図6: 前処置しない犬における血栓溶解時間 前処置しない動物の冠状動脈において、血栓溶解剤の静脈内投与から血栓溶解 に至るまでの経過時間(プロトコール2)。 図7: 前処置した犬における再閉塞時間 生理食塩水、VCLおよびアスピリンにより前処置した動物の冠状動脈におい て、血栓溶解から再閉塞が生じるまでの経過時間(プロトコール1)。生理食塩 水にt−PAを組合わせたもの、およびアスピリンにt−PAを組合わせたもの 図8: 前処置しない犬における再閉塞時間 t−PA、ヘパリン、VCLおよびアスピリンにより処置 した動物の冠状動脈において、血栓溶解から再閉塞が生じるまでの経過時間(プ ロトコール2)。t−PAにヘパリンを組合わせたもの、並びにt−PAにヘパ リンおよびアスピリ 0.001。 図9: 血栓溶解治療後のヘマトクリット値 t−PA、ヘパリン、VCLおよびアスピリンによる治療の前後でのヘマトク リット値の変化(プロトコール2)。 図10: 血栓溶解治療後の凝固時間 t−PA、ヘパリン、VCLおよびアスピリン(ASA)による処置の前(時 間0)、並びに5、60、120および180分後の活性化凝固時間(activate d clotting time;ACT)(プロトコール2)。それぞれの処置以前の対照のレ 図11: VCL治療後の血小板凝集 VCLの静脈内投与による治療前(対照)および治療後の間の、ADPに誘導 された体外での血小板凝集の変化(分図A)およびボトロセチン(botrocetin)に 誘導された血小板凝 図12: アスピリン治療後の血小板凝集 アスピリンの静脈内投与による治療前(対照)および治療後の間の、ADPに 誘導された体外での血小板凝集の変化(分図A)およびアラキドン酸に誘導され た体外での血小板 図13: GPIb結合ドメインポリペプチドとアスピリンとの相乗作用 この図は、例3に記載された実験の結果を、経時的な血小板沈着量として示す 。■−アスピリン+VCL@1mg/kg+2mg/kg/hr;●−VCL単 独@4mg/kg+8mg/kg/hr;▲−対照;▼−VCL単独@1mg/ kg+2mg/kg/hr;◆−アスピリン単独。 〔発明の詳細な説明〕 本発明は、患者における血栓溶解治療を増強する方法であって、血栓溶解剤お よび抗凝固剤と併用して、前記血栓溶解治療の増強に有効な量の、フォン・ビル ブラント因子の血小板糖タンパク質Ib結合ドメインポリペプチドを患者に投与 することを具備した方法に向けられている。 血栓溶解治療を増強するとは、本明細書中では、血栓溶解および再灌流までの 時間を短縮すること、並びに血栓溶解後の再閉塞の発生を減少させることとして 定義される。 「併用して(in conjunction)」の語は、『事前』、『最中』または『事後』の 併用を意味することとして定義される。 血栓溶解剤は、当業者に公知のいずれの血栓溶解剤であってもよい。血栓溶解 剤の例には、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)およびストレプト キナーゼが含まれる。本発明の複合治療もまた、封鎖された血管を血管再生する ため、および血管の開放性を維持するための他の公知の方法(例えば血管形成術 )と併用して用い得ると考えられる。 本発明の血栓溶解治療には、血栓溶解剤に加えて他の薬学的物質、例えば、別 々にまたは併用して用いるヘパリンおよびアスピリンのような抗凝固剤が含まれ る。当業者が血栓溶解治療のために投与する、上記以外の公知の抗凝固剤を用い てもよい。 本発明の特別の態様においては、当該ポリペプチドは静脈内投与される。 本発明の好ましい態様においては、静脈投与は、1回の注射、継続的点滴、ま たは1回の注射に続く継続的点滴によりなされる。 本発明の特別の態様においては、当該ポリペプチドは、1回当り0.4−40 mg/kg体重の適用量で静脈内に投与される。 本発明のさらに好ましい態様においては、当該ポリペプチドは、1回当り1− 20mg/kg体重の適用量で静脈内に投与される。 本発明の特に好ましい態様においては、当該ポリペプチドは、1回当り2−1 0mg/kg体重の適用量で静脈内に投与される。 本発明の特定の態様においては、当該ポリペプチドは、毎時0.2−20mg /kg体重の速度で継続的点滴により静脈内に投与される。 本発明の特に好ましい態様においては、当該ポリペプチドは、毎時1−10m g/kg体重の速度で継続的点滴により静脈内に投与される。 本発明の最も好ましい態様においては、当該ポリペプチドは、0.4−4mg /kg体重の適用量で1回の静脈内に投与の後、毎時0.2−20mg/kg体 重の速度で継続的点滴される。 別の側面において、本発明は、例えば心臓血管手術のような外科手術の間に起 こり得るように、血栓症の発生が予見される状況にも関連する。この様な状況下 で、vWFのGPIb結合ドメインポリペプチドによる予備治療は、血栓症の発 生を減少させ得るであろう。 他の側面において、本発明は、患者における外傷性血管損傷後の合併症を防止 するための方法であって、所定量のvWFのGPIb結合ドメインポリペプチド を、所定量のアスピリンとともに、両者合わせて合併症の防止に有効な量で、患 者に対して投与することを具備する方法を提供する。 外傷による血管破損の原因の例としては、冠状動脈バイパス手術、血管形成術 、血栓溶解または不安定狭心症が例としてあげられるが、これらに限定されるも のではない。その他の治療的または臨床的作為を原因とする、外傷性血管損傷も また包含される。外傷性血管損傷の結果としてもたらされる合併症の例としては 、心筋梗塞、虚血症、冠状動脈バイパス手術、血管形成の反復または死が挙げら れるが、これらに限定されるものではない。その他の外傷性血管損傷の結果とし ての合併症もまた包含される。 vWFのGPIb結合ドメインポリペプチドの有効量は、注射1回の適用量で 約0.1−20mg/kgおよび継続的 点滴で0.1−20mg/kg/hrの範囲にあり、また、アスピリンの有効量 は約0.1−50mg/kg範囲にある。正確な投与量は、治療の当該事例の詳 細に基づいて、当業者が容易に決定することであろう。 vWFのGPIb結合ドメインポリペプチドは、当業者に公知のいずれかの適 切な臨床的手段により投与され得るが、静脈投与が本発明の好ましい態様である 。 アスピリンは、経口的または非経腸的投与のような、いずれかの臨床上許容し 得る方法により投与することができ、単回投与、多回投与または継続的投与によ り投与することができる。非経腸的投与には、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投 与または筋肉内投与が該当する。 フォン・ビルブラント因子の糖タンパク質Ib(GPIb)結合ドメインは、 天然のフォン・ビルブラント因子または、例えば細菌、真菌、植物、昆虫または 哺乳類の細胞内での組換えタンパク質の産生のような多くの供給源から得ること ができる。 「フォン・ビルブラント因子の糖タンパク質Ib結合ドメインポリペプチド」 という術語は、GPIb結合機能を有するという条件で、本発明の方法に用い得 るGPIb結合ドメインの同族体(homolog)をも包含する。 ここで用いる場合、ポリペプチドの同族体とは、当該ポリペプチドと実質的に 等しいアミノ酸配列および実質的に等しい生物学的活性を有するポリペプチドで ある。従って、もし結果として得られる同族体ポリペプチドが本発明のポリペプ チドの生物学的作用を保持しているのであれば、前記同族体は、1以上の非本質 的なアミノ酸残基の付加、欠失または置換により、本発明のポリペプチドとは異 なるものであり得る。当業者であれば、例えば、問題のポリペプチドのポリペプ チド同族体のバクテリアによる発現をコードするDNA配列の設計及び製造、部 位指向性突然変異誘発技術(site-directed mutagenesis techniques)によるcD NAおよびゲノム配列の改変(modification)、組換えタンパク質及び発現ベクタ ーの構築、ポリペプチドのバクテリアによる発現、および従来の生化学的定量法 を用いたポリペプチドの生化学的活性の測定について従来の方法を含む確立され た周知の手法を用いて、どのアミノ酸残基が付加、欠失または置換(いずれのア ミノ酸で置換され得るかも含めて)され得るかを容易に決定できる。 本発明のポリペプチドの同族体の例は、本発明のポリペプチドにおいて特定さ れた全てのアミノ酸残基よりも少ないアミノ酸残基を含む欠失同族体、1または それ以上の特定の残基が他の残基で置き換えられている置換同族体、および1以 上のアミノ酸残基がポリペプチドの末端または中間の位置に付加されている付加 同族体であって、それら同族体はすべて、本発明のポリペプチドの生物学的活性 を同様に有するものである。 実質的に同じアミノ酸配列とは、ここでは、当該ポリペプチドのアミノ酸配列 のN末端において4アミノ酸未満の付加または欠失を包含するものとして定義さ れる。さらに、当該 タンパク質の生物学的活性を欠落させない、配列における置換および/または欠 失も存在し得る。置換の例は、cys(システィン)の代りにser(セリン) およびgly(グリシン)の代りにala(アラニン)である。その他の置換は 、当業者に公知である。置換は、例えば、次の文献に記載された相同基または等 価基に従って、10残基までを包含し得る。(Lehninger,Biochemistry,lnd ed. Worth Pub.,N.Y.(1975);Creighton,Protein Structure,a Pratical Approach, IRL Press al Oxford Univ.Press,Oxford,England(1989);and Dayhoff,Atlas of Protein sequence and structure 1972 ,National Biomedical Research Foun dation,Maryland(1972)) 実質的に同じ生物学的活性とは、当業者が同じ生物学的活性と認める程度にわ ずかに異なり得るような、当該ポリペプチドの生物学的活性と同じ活性をいう。 「フォン・ビルブラント因子の糖タンパク質Ib結合ドメインポリペプチド」 という術語には、異なるアミノ酸配列を有するけれども実質的に同じ生物学的活 性を有する、vWFのGPIb結合ドメインの様々な変異体および変種(mutants and variants)をもまた包含される。 本発明の意味するポリペプチドの生物学的活性とは、血小板の糖タンパク質I bへの結合能力または内皮下マトリックスへの血小板粘着を阻害する能力である 。 vWFのGPIb結合ドメインを含んでいる組換えポリペプチドを産生するた めのプラスミドおよび宿主の例は、特許 手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の規定に従い、且つ これを満たして、ZIP番号20852、メリーランド州ロックビルのパークロ ーン・ドライブ12301のアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション( ATCC)に、それぞれ、ATCC受付番号68241号および68242号の 下に1990年2月26日に寄託された、Escherichia coli(大腸菌)Sφ93 0株中のpvWF−VC3プラスミドおよびEscherichia coli(大腸菌)430 0(F-)株中のpvWF−VCLプラスミドである。 実施例 下記の例は、本発明の理解を助けるために記載されており、いかなる意味にお いても、その範囲を限定することを意図したものではなく、かつそのように解釈 されるべきではない。以下の例には、ベクターの構築、問題のポリペプチドをコ ードする遺伝子の該ベクターへの挿入、または得られたプラスミドのバクテリア 宿主への導入に採用されている従来の方法についての詳細な記載は含まれていな い。その様な方法は当業者に周知であり、かつ、次の文献を含む多くの出版物に 記載されている。(Sambrook,Fritsch and Maniatis,Molecular Cloning:A Lab olatory Manual ,2nd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,USA(19 89)) 一般にはvWF、特にGPIb結合ドメインポリペプチドに関する種々の方法 および他の側面は、本出願と共に譲渡され、共に係属中の、1991年9月3日 に出願された米国特 許出願第753,815号、および共に譲渡されたPCT公開公報WO91/1 3093号に開示されており、両者はともに参照として本出願に組み込まれてい る。 λPLプロモーターにより制御されたプラスミドで形質転換されたE.col (大腸菌)による組換えタンパク質の発現に関係する方法は、特に本出願と共 に譲渡され、1992年6月30日に特許された米国特許5,126,252号 に開示されており、これは参照として本出願に組み込まれている。例1酸化され、かつ折り畳まれた生物学的に活性なvWFのGPIb結合ド メインポリペプチドの産生および精製 pvWF−VCLプラスミド(図2)は、本出願と共に譲渡され共に係属中の 、1991年9月3日に出願された米国特許出願第753,815号に記載され たように構築され、かつATCC受付番号68242号の下に、E.coli( 大腸菌)4300(F-)株に維持されている。この宿主/プラスミド系は、λ PLプロモーターの制御の下で発現される遺伝子を保有するベクターについて、 基本的に当該技術で知られているようにして培養される。すなわち、基本的に米 国特許5,126,252号に記載されているように、対数増殖中間段階(mid-l og stage)まで30℃で増殖させ、次いで42℃で約2時間、ペプチドの誘導を 行った。培養および誘導に続いて、培地は遠心分離され、得られた細胞塊(cel l cake)は、さらに後の処理を行うまで凍結保存された。 これ以降の手順の一般的図式は、下記の工程Aから工程Hからなっている。 A.封入体の単離 上記の培養に続いて、細胞塊を、50mMトリス−HCl(pH8),50m MのNaCl,1mMのEDTA,1mMのDDT,1mMのPMSF,および 10%グリセロールを含有する緩衝液中に再懸濁する。次いで、懸濁液に、超音 波処理を施して細胞を破砕し、遠心分離して、不溶性の封入体(inclusion bodie s)を含むペレットを得る。 封入体を含む得られたペレットは、最終濃度が8M尿素,20mMのDDT, 20mMのHEPES(pH8),および100mMのNaClであるような溶 液に、約10%(w/v)となるように溶解する。この溶液は、下記のようにし てイオン交換クロマトグラフィーによりさらに精製され得る。或いは、封入体を 、6M塩酸グアニジンを含む緩衝液中で可溶化し、続いて尿素への緩衝液交換を 行ってもよい。また、封入体は異なる濃度の尿素、塩酸グアニジンもしくは他の いずれかの変性剤の存在下で、または変性剤の非存在下、例えば極端なpHにお いて溶解してもよい。 B.陽イオン交換クロマトグラフィー この工程で汚染物質のほとんどを除去し、90%より高い純度のvWFのGP Ib結合ドメインポリペプチドを調製する。例示すれば、CM(カルボキシメチ ル;carboxymethyl)−セファロース高速(fast flow)クロマトグラフィー(ファ ルマシア社製)のような、いかなる陽イオン交換クロマトグラフィーもこの工程 で用いることができる。その官能基は、カルボキシメチル基、リン酸基、または スルホプロピル基のようなスルホン酸基が可能である。そのマトリックスは、無 機化合物、合成樹脂、多糖、または有機高分子を基材とすることができ、使用可 能な素材としては、アガロース、セルロース、トリスアクリル(trisacryl)、デ キストラン、ガラスビーズ、オキシランアクリルビーズ(oxirane acrylic beads )、アクリルアミド、アガロース/ポリアクリルアミド・コポリマー(ウルトロ ジェル;Ultrogel)または親水性ビニルポリマー(フラクトジェル;Fractogel) がある。具体的な態様において、該ポリペプチドは、8M尿素,1mMのDDT ,20mMのHEPES(pH8),100mMのNaCl緩衝液にて平衡にさ れたCM−セファロースFFカラムにロードされる。純粋なポリペプチドは、8 M尿素,1mMのDDT,20mMのHEPES(pH8),200mMのNa Cl緩衝液に溶出する。mlあたりのCM−セファロースFFに、OD280が約 30単位までの量として可溶化封入体をロードできる。この比率では、溶出する ポリペプチドは、典型的には4−5 OD280/mlの濃度を有する。 C.酸化/再生(Refolding) 上記の陽イオン交換工程で溶出されたポリペプチド溶液は、いかなる凝集体を も破壊するために、6M塩酸グアニジン(GuCl)で処理される。次いで、こ のポリペプチドは、好ましくは20mMのHEPES(pH8),0.1mMの GSSG(酸化型グルタチオン)を含有するpH5−11の2MのGuCl水溶 液にて、0.05 OD280/mlに希釈される。この混合液を室温で1夜放置 する。その生成物は処理の前に、シューペローズ(Superose)12のような高速タ ンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)を用いたゲル濾過により分析され る。この分析により、このタンパク質濃度では、約30%の正確に(correctly) 酸化された単量体と、約70%の、S(スルフィド)結合した二量体および多量 体並びに還元された単量体および不正確に(incorrectly)酸化された単量体が再 現性をもって得られることが示される。より高いタンパク質濃度にすれば、より 大きな絶対産生量で正確に酸化された単量体を得られるが、S結合した二量体お よび多量体の形成が増加することにより、正確に酸化された単量体の生成パーセ ンテージはより低いものとなる。たとえば、0.1 OD280/ml濃度のタン パク質からは、収率20%でしか正確に酸化された単量体は生成されない。濃度 を0.025 OD280/mlに低下させることにより、正確に酸化された単量 体の収率は35−40%となるが、1リットルの酸化当りの絶対生成量はより低 くなる。酸化は、GuClの代りに尿素もしくは他のいずれかの変性剤中で行っ てもよく、或いは変性剤の非存在化、例えばpH、イオン強度および疎水性を様 々に設定した適切な緩衝液条件の下で行ってもよい。尿素の好ましい濃度は、0 .5Mから10Mの範囲、好ましくは4Mであり、また好ましい酸化剤はGSS Gであり、その使用濃度範囲は0.01mMから5mM、好ましく は0.1mMである。CuCl2のような上記以外の酸化剤を用いることもでき 、或いは酸化剤を添加せずに空気酸化だけを利用してもよい。スケールアップを するためには、現在のところ、4M尿素がこの酸化工程にとって好ましい酸化溶 液である。 D.濃縮 酸化生成物は、ミリポア(Millipore)社の「ミニタン(MINITAN)」または「ペ リコン(PELLIC0N)」装置のような、カットオフ値が30Kの膜を備えた接線流(t angential flow)限外濾過システムにより、好ましくは約OD280=1まで濃縮さ れる。濾液は全く透明である。というのは、物質は比較的純粋であり、汚染物質 のほとんどは、30K膜を通過できないくらいに大きいからである。従って、こ の濾液は酸化を行うために再使用することができる。新たに調製された2MのG uClを用いた酸化と、再使用品を用いた酸化とでは、両者の酸化生成物におい て、FPLC分析による差異は検出されなかった。 E.透析 GuClまたは尿素の濃度を10mM未満に低くするために、20mMのHE PES(pH8),100mMのNaCl緩衝液に対する透析が、緩衝液を2− 3回交換して、透析チューブ内で行われ、或いは、10KのMWカットオフ値を 有する膜を備えた接線流限外濾過装置内において、上記と同じ緩衝液に対する透 析濾過(diafiltration)により行われる。 透析の間に、GuCl(もしくは尿素またはその他の変性 剤)の濃度は減少し、白色沈殿が形成される。この沈殿には、陽イオン交換工程 でともに溶出したジスルフィド結合二量体、還元された単量体、不正確に酸化さ れた単量体および幾らかの汚染物質が含まれる。上清は、0.2 OD280/m lの濃度の、ほとんど100%正確に酸化されて再生された(relolded)単量体で あり、これは、D工程のタンパク質収量の約20%である。 F.ペレットの回収 正確に酸化された単量体の収率は、沈殿から、正確に酸化された単量体をさら に回収することにより、飛躍的に増大することができる。正確に酸化された単量 体を含む溶液は、遠心分離によって清澄化される。正確に酸化された単量体を含 む上清は貯蔵される。ジスルフィド結合二量体、還元された単量体、および不正 確に酸化された単量体を含むペレットをDTT処理して、ジスルフィド結合を還 元する。続いて、ペレットを最小容量の6MのGuCl,20mlのHEPES (pH8),150mMのNaCl,20mMのDDT緩衝液に溶解する。この 溶解液は、DTTを(20mMの代りに)1mMしか含まないこと以外は上記の 溶解用緩衝液と同様の緩衝液中のセファデックス(Sephadex)G25に通される。 次いで、その溶出液はOD280=0.05まで希釈され、工程C、工程Dおよび 工程Eのように処理される。この操作は、追加の精製単量体が得られるかぎり、 2回以上繰り返してもよい。次いで、上清すべてを一緒に合わせても良い。 G.陽イオン交換 工程Eおよび工程Fの透析物(dialysate)の上清を集めて一緒にしたものを、 20mMのHEPES(pH8),100mMのNaCl緩衝液中において、C Mセファロースに結合させて濃縮する。溶出は、20mMのHEPES(pH8 ),400mMのNaCl緩衝液で行う。溶出液は、高い塩濃度にもかかわらず 、全く単量体で占められる。この方法により、濃度は3mg/mlにまで達した が、これが上限ではない。この工程は、上記とは別にヘパリン−セファロースで も行うことができ、これもまた、10mMのトリス(pH7.4),150mM のNaCl緩衝液中において精製単量体と結合する。ヘパリン−セファロースか らの溶出は、10mMのトリス−HCl(pH7.4),500mMのNaCl 緩衝液を用いて行われる。 H.透析 前工程の精製物は、20mMのHEPES(pH8),150mMのNaCl 緩衝液に対して透析される。 I.保存 この段階で、精製されたvWFのGPIb結合ドメインポリペプチドを凍結乾 燥してもよい。凍結乾燥前の液量と等しい量の水に再溶解すると、得られる溶液 は専ら単量体タンパク質のみを含み、FPLC上には二量体またはその他の多量 体の微量残留は見られない。 上記方法の特定の態様において、下記の操作がなされた。 a)10gm(正味乾燥重量0.43g)の封入体を、最終容積が100ml となるように8M尿素,20mMのDT T,20mMのHEPES(pH8),100mMのNaCl緩衝液に溶解した 。 b)タンパク質を、8M尿素,1mMのDTT,20mMのHEPES(pH 8),100mMのNaCl緩衝液で平衡化されたCMセファロースカラム上に ロードした。200mMのNaCLを含む8M尿素,20mMのHEPES(p H8),1mMのDTT緩衝液で溶出されたタンパク質は貯蔵された。 c)貯蔵された前工程の溶出液は、凝集体を除去するために6MのGuClで 処理され、次いで2MのGuCl,20mMのHEPES(pH8),0.1m MのGSSG緩衝液で、0.05 OD280/mlにまで希釈された。酸化は室 温で一夜行われた。(酸化工程は、GuClの代りに尿素の存在下でも実施でき ることに留意されたい。) d)酸化生成物は、30K膜を含んでいる「ミニタン」ユニット上で限外濾過 により、OD280=1まで濃縮された。 e)前工程の濃縮物は、20mMのHEPES(pH8),100mMのNa Cl緩衝液に対して、3回の緩衝液交換を行いながら透析された。透析の間に、 GuCl濃度の低下に伴って白色沈殿が形成され、これは遠心分離で除かれ、も う一度上記のように再処理された。上清は一緒にされた。 f)一緒にされた上清は、20mMのHEPES(pH8),100mMのN aCl緩衝液中において、CMセファロースに結合させることにより濃縮された 。ポリペプチドは、20mMのHEPES(pH8),400mMのNaCl緩 衝 液で溶出され、4℃で保存された。 g)前工程の保存された溶出液は、20mMのHEPES(pH8),150 mMのNaCl緩衝液に対して4℃で透析された。 h)透析後、VCLと称する精製されたvWF−GPIb結合ドメインポリペ プチドは凍結乾燥された。 VCLの分析 1.上記のように精製されたVCLのアミノ酸配列分析から、N末端配列が、 図3A−3Cに従って予測された配列であるMet−Leu−His−Asp− Pheであることが明らかとなった。 2.ポリアクリルアミドゲルによるVCLの検討から、VCLは、還元状態( β−メルカプトエタノール)の下でよりも、非還元状態の下での方が、より低い 見掛けの分子量の位置に移動することが明らかとなった。コンパクトな形状から よりコンパクトでない形状へのこの変化は、ジスルフィド結合の還元に一致する 。この様な分子内結合は、509および695の位置のシスティンの間に形成さ れる。(分子量の変化は十分に大きくなく、分子間結合の還元には一致しない。 )例2再閉塞防止のための、血栓溶解治療と共同させたvWFのGPIb結合 ドメインの使用 概要 vWFのGPIb結合ドメインポリペプチド断片の、再灌 流までの時間を短縮することによる血栓溶解強化能力および血栓溶解後の再閉塞 防止能力が研究された。試験されたGPIb結合ドメイン断片は、例1に記載さ れたVCLポリペプチドであった。イヌモデルにより、(1)冠状動脈内血栓の 形成、(2)血栓溶解の持続時間、および(3)t−PAによる血栓溶解後の冠 状動脈再閉塞の発生に対するVCLの効果が評価された。その結果は、VCLが 血栓形成を遅らせ、血栓溶解の持続時間を短縮し、血栓溶解後の冠状動脈再閉塞 の発生を減少させることを示唆している。 このイヌモデルにおいて、血栓形成は、電気的刺激により冠状動脈内に誘発さ れる。血栓形成に続いて、血栓溶解が組織プラスミノーゲンアクチベーター(t PA)の注入により誘発される。血栓形成の防止、および血栓溶解後の再閉塞の 発生減少におけるGPIb結合ドメインポリペプチドの影響が試験された。それ によれば、GPIb結合ドメインポリペプチドは、電気的刺激による血栓形成の 開始を遅延させることに有効であることが立証された。加えて、GPIb結合ド メインポリペプチドは、血栓溶解に際して再灌流までの時間を短縮し、ヘパリン およびアスピリンと併用して血栓溶解治療に用いたときに再閉塞の発生を減少さ せた。 方法 この研究に用いられた手順はすべて、アメリカ生理学会(American Physiologi cal Society)の原理にしたがって指導されたものであり、且つテキサス州ヒュー ストンのテキサス心臓学会の動物の管理および使用制度委員会(the Instltution al Animal Care and Use Committee at the Texas Heart Institute)により公認 されたものであった。 外科的準備 体重が25kgから35kgの雑種犬(n=57)にペントバルビタールナト リウムによる麻酔(静脈内に30mg/kg)をかけ、挿管し、かつ機械的人工 呼吸装置(マサチューセッツ州ナティック(Natick)、ハーバードモデル(Harvard Model)60)に接続した。プラスチックカテーテルが、大動脈圧を監視するた めに頚動脈に設置され、且つ、薬物および流体の投与のために頚部および末梢の 静脈に設置された。左第5肋間隙開胸術が施術され、心臓は心膜離被架に掛けら れた。左前方下行冠状動脈の1cmから2cmの部分が注意深く露出され、且つ 付近の分枝血管が結紮された。超音波ドプラ型血流プローブ(テキサス州ヒュー ストン、ハートリー.インストルメンツ(Hartley Instruments)社製)を、露出 された左前方下行冠状動脈の近位に設置して、血流速度を計測した。心拍数、収 縮期および弛緩期の大動脈圧、並びに位相性及び平均冠状動脈血流速度を含む、 基準血液動力学値が、8チャンネル・レコーダー(オハイオ州クリーブランド、 グールド(Gould)、モデル3000)に記録された。 針状電極(テフロンで絶縁化された10cm長の30番(gauge)銀ワイヤの終 端にひだ付けされた25番針の8mmの針端(tip))が、ドプラ型血流プローブ に対して遠位の部位において、露出された左前方下行冠状動脈の管腔に斜めに約 4mm挿入された。この針状電極を、6−0絹縫合糸で血管 上に固定した。電流が周囲の組織に傷害を与えないように、熱収縮管を針/ワイ ヤの半田接続部に対して用いた。アース線(ground wire)を内皮下組織に接続し て電気回路を完成させた。血栓症を誘発するため、150μAの電流を電極を通 して通電した。この電極は、9Vバッテリーの陽極、50kΩポテンシオメータ ー、マルチメーター(a multimeter)、およびアース線に直列に連結されたもので あった。血栓形成は、冠状動脈血流速度の減少から測定され、この減少は、外部 に位置するドプラ型血流プローブによりモニターされた。電流は、持続的な血栓 性閉塞の発生後30分間まで維持された。 実験的手法 2つの別個のプロトコールが、VLCに関する本研究に採用された。そのうち の一つにおいては冠状動脈の血栓形成に対する効果が試験され、もう一方では血 栓溶解および再閉塞に対する効果が試験された。 プロトコール1. 冠状動脈内の血栓形成に対するVLCの効果を評価するた めに、治療は、上記のイヌに対して、それらの冠状動脈への電気的刺激の30分 前に開始された。3種類の異なる動物群で研究が行われた。対照群(n=12) においては、生理食塩水が1ml/minで静脈内に投与された。被験群の一つ (n=7)においては、VLCを、1回の注射で4mg/kg体重を投与し、ま た研究の終了まで継続的点滴で2ml/(kg−h)の量を静脈内に投与した。 もう一つの被験群(n=8)においては、アスピリンが、1回の注射により、5 ml/kg体重の量で静脈内に投与された。電気的刺激の前後の冠状動脈血流の 変化が注意深くモニターされた。電気的刺激の開始から、冠状動脈の完全な閉塞 までに経過した時間の総計が記録された。冠状動脈の完全な閉塞の3時間後、実 験動物すべてに対して、1回の注射により80μg/kg体重のt−PA(カリ フォルニア州サンフランシスコ、ジェネンテック社製)を静脈内投与し、また継 続的点滴により8μg/(kg−min)の量でt−PAを90分間静脈内に投 与した。この処置は、冠状動脈に形成された血栓の溶解誘発を意図したものであ る。 冠状動脈の血流速度が血栓形成前に示した値の少なくとも70%まで回復した 時点をもって、血栓は溶解し(、かつ動脈は再灌流し)たものとみなされた。t −PA投与から再灌流までに経過した時間の総計は、血栓溶解時間すなわち再灌 流時間として記録された。t−PA点滴の90分後に再灌流が起きなかったイヌ は、その後の研究から除外した。再灌流が起きたイヌは、冠状動脈が再閉塞する か、または再閉塞せずに180分が経過するまでさらにモニターされた。再灌流 から再閉塞までの時間は、再閉塞時間として記録された。再灌流の180分後に 冠状動脈が再閉塞しなかったイヌは、再閉塞しないものとみなされた。再閉塞が 起きたイヌについては、それが持続的な再閉塞であることを確かめるために30 分間モニターした。 プロトコール2. 血栓溶解および再閉塞に対するVCLの効果をさらに詳し く検討するため、実験動物を追加して研究し、冠状動脈の閉塞3時間後に治療を 行った。それらの動物は次の追加の4群の1つに振り分けられた。4群はそれぞ れ、t−PAおよびヘパリン(n=7);t−PA、ヘパリンおよびVCL(n =7);t−PA、ヘパリンおよびアスピリン(n=8);t−PA、ヘパリン 、VCL、およびアスピリン(n=8)である。ヘパリンは、1回の静脈注射で 200U/kgが投与された。t−PA、VCL、およびアスピリンは、プロト コール1.と同様の処方で投与された。血栓溶解および再閉塞の追跡調査もまた プロトコール1.と同様に行われた。 ヘマトクリット、凝固および血小板凝集の研究 ヘマトクリット値は、プロトコール2.のすべてのイヌについて、t−PA投 与の終了時及びその前に検査された。活性化全血凝固時間が、それらのイヌにつ いて、自動血液凝固時間測定装置(コロラド州エングルウッド(Englewood)のヘ モテック(HemoTec)社製2001370)を用いて、t−PA投与前および5分 後、60分後、120分後および180分後に測定された。 プロトコール1.のイヌにおけるVCLおよびアスピリンの投与前および投与 10分後に、体外での血小板凝集が分析された。血液試料を、クエン酸ナトリウ ムの3.8%溶液を含むプラスチック管に採集した(血液9容:クエン酸ナトリ ウム1容)。血液試料を200×gで20分間遠心分離して富血小板血漿(plate let-rich plasma)を得、その残りの血液を3000×gで10分間遠心分離して 貧血小板血漿(platelet-poor plasma)を得た。富血小板血漿中の血小板数は、3 00,000/mm3に調整された。4チャンネル血小板凝集計(ペンシルバニ ア州ホーシャム(Horsham)のバイオデータ(Bio-Data)社製、PAP−4モデル) を定量に用いた。作用薬(アゴニスト)およびその最終濃度は、ADP(ミズー リ州セントルイス、シグマ社製)では5μM、10μMおよび20μM;ボトロ セチン(botrocetin;Fujimuraら、Biochemistry 30:1957-1964(1991)の記載に従 って調製された)では1.1μg/ml、2.2μg/mlおよび4.4μg/ ml;並びにアラキドン酸(ミズーリ州セントルイス、シグマ社製)では12. 5μg/ml、25μg/mlおよび50μg/mlであった。イヌの血小板は アラキドン酸に反応して凝集しないので、アラキドン酸の前に、10μmol/ l濃度のエピネフリンが血小板懸濁液に加えられた。血小板凝集の程度は、富血 小板血漿で増加した光透過の、貧血小板血漿での光透過に対するパーセンテージ の最大値として報告された。 統計的解析 すべての値は、「平均±平均の標準誤差(SEM;standard error of mean) 」として表現される。フイッシャーの完全検定(Fisher′s exact test)が、異な る動物群における再灌流および再閉塞の頻度の比較に用いられた。反復測定につ いての一方向の分散分析(ANOVA;analysis of variance)が、異なる動物 群における再灌流および再閉塞までの、異なる時間間隔及び異なる持続時間で得 られた血液動力学値および活性化凝固時間を比較するために用いられた。スチュ ーデントの検定が、それぞれの動物群における治療前後の血小板凝集およびヘ マトクリット値のパーセンテージを比較するために用いられた。0.05未満の 値は、有意であるとみなされた。 結果 冠状動脈内の血栓形成 基準レベルの約65%まで血流速度が減少したことから判定されるように、冠 状動脈への電極針の挿入が原因となって実験動物すべての動脈に何等かの狭窄症 が発生した(表1および表2)。電気的刺激の後、すべての実験動物において、 傷害を受けた冠状動脈に完全な閉塞が発生した。プロトコール1において、電気 的刺激から冠状動脈の完全な閉塞までの経過時間は、生理食塩水で処置されたイ ヌにおけるよりも、VCLで処置されたイヌ(<0.001)およびアスピリ ンで処置されたイヌ(<0.05)における方が有意に長かった(図4)。す べての実験動物において、冠状動脈の閉塞の後に大動脈血圧および心拍数が僅か に変化した。しかしながら、アスピリンで処置した実験動物においては、心拍数 及び平均大動脈血圧がそれぞれの計測時点で増加した(表1)。 血栓溶解 プロトコール1において、冠状動脈閉塞の3時間後に、t−PAのみが実験動 物に投与された。t−PAの投与により、生理食塩水処置したイヌ12個体の中 の4個体(33%)、VCL処置したイヌ7個体の中の5個体(71%)、およ びアスピリン処置したイヌ8個体の中の4個体(50%)に血栓溶解が起きた。 t−PA処置から血栓溶解までの平均経過時間(血栓溶解時間)は、生理食塩水 処置したイヌにおいてよりも、VCL処置したイヌにおいての方が有意に短かっ た(<0.05、図5)。 プロトコール2においては、イヌは、冠状動脈が閉塞する前に前処置を施され ず、冠状動脈閉塞の3時間後に血栓溶解治療を受けた。t−PAおよびヘパリン は、イヌ7個体の中の5個体(71%)で血栓溶解を誘発し;t−PA、ヘパリ ンおよびVCLは、イヌ7個体の中の6個体(86%)で血栓溶解を誘発し;t −PA、ヘパリンおよびアスピリンは、イヌ8個体の中の7個体(85%)で血 栓溶解を誘発し;並びにt−PA、ヘパリン、VCLおよびアスピリンは、イヌ 8個体の中の8個体(100%)で血栓溶解を誘発した。t−PA、ヘパリン、 VCLおよびアスピリンで処置したイヌの平均血栓溶解時間は、t−PAおよび ヘパリンのみで処置したイヌにおける平均血栓溶解時間の半分よりも僅かに大き かった(23.5±4分 vs 45±12分)。しかしながら、その差異は、 統計的には有意ではなかった(図6)。 再閉塞 血栓溶解後、3時間のモニタリング時間の間に、多くの実験動物で冠状動脈の 再閉塞が発生した。プロトコール1において、再閉塞の頻度は、生理食塩水で前 処置したイヌ(4個体の中の4個体)、アスピリンで前処置したイヌ(4個体の 中の4個体)またはVCLで前処置したイヌ(5個体の中の4個体)の間で有意 に異ってはいなかった。しかしながら、血栓溶解から再閉塞までの平均時間(再 閉塞時間)は、生理食塩水、およびアスピリンで前処置したイヌにおいてよりも 、VCLで事前処置したイヌにおいて有意に長かった(図7)。 プロトコール2において、冠状動脈の再閉塞は、t−PAおよびヘパリンで処 置したイヌ5個体の中の5個体において発生し、また、それらにアスピリンを追 加したものでも再閉塞の頻度(7個体の中の7個体)は変化しなかった。t−p AおよびヘパリンにVCLを加えることにより、イヌの再灌流された冠状動脈に おける再閉塞の頻度が有意に減少した(6個体の中の2個体;t−PAおよびヘ パリンの群と比較して、<0.05)。VCLおよびアスピリンを加えること によってもまた、再閉塞の頻度が有意に減少した(8個体の中の1個体;t−P A、ヘパリン、VCLの群と比較して、<O.01)。平均再閉塞時間もまた 、VCL処理受けなかったイヌにおいてよりも、VCLで処置したイヌにおいて 有意に長かった(図8)。 ヘマトクリット、凝固および血小板凝集の研究 t−PA単独で処置されたイヌにおいて、手術部位周辺の 出血は顕著ではなかった。VCLまたはアスピリンを加えることによって、切開 部に沿って軽度の(mild)出血が起きた。t−PA、ヘパリン、VCLおよびアス ピリンを組み合わせた結果、手術部位周辺に中程度から重度の(moderate to sev ere)出血が起きた。しかしながら、ヘマトクリット値は、t−PA、ヘパリン、 VCLおよびアスピリンによる処置の後、いかなる群においても有意に変化しな かった(図9)。 活性化凝固時間は、t−PAおよびヘパリンの投与直後に顕著に延長した(図 10)。この値は、処置の1h後には基準値の1.5倍に、また処置の3h後に は基準値より若干大きい値にまで回復した。アスピリンもしくはVCL、または アスピリンとVCLとの組み合わせを加えても、活性化凝固時間には影響がなか った。 ADPにより誘発された体外での血小板凝集は、VCL点滴の影響を受けなか った(図11A)が、アスピリン注射により僅かに減少した(図12A)。ボト ロセチンで誘発された血小板凝集は、VCL処置により完全に阻害され(図11 B)、且つアラキドン酸で誘導された血小板凝集は、アスピリン注射により完全 に阻害された(図12B)。 結論 本発明における研究から得られたデータは、VCLが、冠状動脈内血栓形成の 時間を延長し、t−PAにより誘発される血栓溶解を強化し、且つ冠状動脈再閉 塞を遅延することを例証している。 冠状動脈への電気的傷害の前にVCLを静脈投与すること により、体内での閉塞性血栓の形成に必要な時間は顕著に長くなる。ボトロセチ ンで誘発された体外での血小板凝集は、該処置により完全に阻害された。これら のデータは、フォン・ビルブラント因子と血小板糖タンパク質Ibとの間の相互 作用をブロックすることにより、冠状動脈の狭窄部位及び内皮の傷害部位のいず れにおける血小板凝集をも減少させ、また閉塞性血栓の形成をも低減することを 示唆する。 閉塞性血栓が冠状動脈内に形成された後で、t−PA点滴をすると血栓溶解が 起きる。血栓溶解時間は、対照の実験動物においてよりもVCLで前処置した実 験動物において有意に短く、このことは、VCLでの前処置により、冠状動脈に おけるt−PAで誘発される血栓溶解が増強され得ることを示唆する。しかしな がら、血栓の形成の後に投与されたVCLは、t−PAによる血栓溶解を有意に は促進しなかった。 冠状動脈の再閉塞は、急性心筋梗塞患者の血栓溶解治療の有効性を制限してき た(11、12、29−31)。ほとんどの臨床試験では、再閉塞を防ぐための 抗血小板治療薬(例えばアスピリン)による補助的な治療が採用されてきた(3 2−33)。本発明における研究では、VCLとt−PA、またはVCLとt− PAおよびヘパリンの投与の際に、血栓溶解から冠状動脈再閉塞までの時間が有 意に延長され、場合によっては再閉塞が防止された。VCLは、同一条件におい てはアスピリンよりも有効であった。これらのデータは、VCLが、冠状動脈再 閉塞に対する将来の血栓溶解治療において、t−PAに対する補助剤として有益 であろうことを示唆 する。 出血は、血栓溶解治療の一般的な合併症である。本発明における研究では、V CLにt−PAおよびヘパリンを併用した治療により、手術の切開部位周辺に軽 度から中程度の出血がおきた。また、VCL、アスピリン、t−PAおよびヘパ リンの組み合わせでは、幾つかの症例において重度の出血が起きる結果に至った 。 したがって、血小板糖タンパク質IbレセプターをVCLでブロックすること は、損傷を受けた冠状動脈における血栓の形成を低減させる上で有効であろう。 血栓溶解後の冠状動脈の再閉塞を遅延させることについては、VCLは、t−P Aおよびヘパリンについての補助的な治療法として、アスピリンに匹敵するか、 それよりも優れている。t−PAおよびヘパリンに加えて、VCLおよびアスピ リンで治療することのよって、再閉塞を完全に防止できるであろう。 例3GPIb結合ドメインポリペプチドのアスピリンとの相乗作用 GPIb結合ドメインポリペプチドの効果が、外傷性血管損傷のモデルを用い て研究された。このモデルは、基本的にはケリーら(Kelly et al.)が記載したも の(34)である。このモデルでは、2mmのコラーゲンで被覆されたポリテト ラフルオロエチレン(e−PFTE)チューブの断片が、伸長片(extension pie ces)として、ヒヒの慢性動静脈導通短絡路に挿入された。ヒヒには、111Inで ラベルされた自己由 来の血小板が注射され、それから研究対象である治療薬の一つが投与された。特 定の時点で、沈着した(deposited)血小板の量が、シンチレーション・カメラを 用いて測定された。 3個体の実験動物における一連の研究が、GPIb結合ドメインポリペプチド (VCL)単独、及びアスピリンの存在下でのVCLの作用の研究を目的として 行われた。GPIb結合ドメインポリペプチドは、例1に記載されたようにして 調製された。 最初の一組の研究は、該モデルにおけるGPIb結合ドメインポリペプチド単 独の効果についてのものであった。この研究のための基準は、先に実施された投 与量に対する応答の研究で得た最低投与量、すなわち1回の注射で1mg/kg 、継続的点滴では2mg/kg/hrで1時間であった。図13にみられるよう に、この投与量によるチューブの閉塞は、対照においては約20分であるのに比 べて、約60分にまで遅延した。 第2の一組の研究は、該モデルにおけるアスピリン単独の効果を測定すること に向けられた。3個体の実験動物が試験された。35mg/kgのアスピリンが 研究の2時間前に経口投与された。全ての検体が研究開始から30分未満で閉塞 を生じた。定性的にも定量的にも、アスピリンでの曲線は、抗凝固剤処理をされ ていない純粋な血液を用いて得られた対照曲線に近似していることが分かった。 血小板の計数は両群で同様であった。 最後の一組の研究には、アスピリンの存在下での、GPI b結合ドメインポリペプチドの活性の研究が含まれる。3個体の実験動物で研究 された。実験動物には、35mg/kgのアスピリンが研究の2時間前に経口投 与された。GPIb結合ドメインポリペプチドの投与に用いられた量は、1回の 注射による1mg/kg、及び継続的点滴による2mg/kg/hrで1時間で あった。 GPIb結合ドメインポリペプチドの継続的点滴の間は、装置はすべて開放状 態を維持した。その期間が過ぎると閉塞し始める。研究開始80分後には2つの 装置が閉塞し、4つは開放状態のままであった。 継続的点滴を停止したとき、血小板沈着速度の増加が観察された。こうして、 予想されなかったことだが、GPIb結合ドメインポリペプチドおよびアスピリ ンは、血小板沈着の遅延及び/または防止に関して相乗作用を示す。 血小板沈着におけるGPIb結合ドメインポリペプチドおよびアスピリンの相 乗効果は、単独で投与した場合のGPIb結合ドメインポリペプチドの投与量の 4倍、即ち1回の注射による4mg/kg、および継続的点滴による8mg/k g/hrの投与量に等しいことが分かった。 追加のパラメーターとして、出血時間が上記の実験において測定された。それ を表3に示す。出血時間は、GPIb結合ドメインポリペプチドの最低投与量で の6分間から、GPIb結合ドメインポリペプチドの最高投与量での22.5分 間まで投与量に依存する形で増加する。アスピリン単独では、出血時間は6分間 の結果が得られた。アスピリンに、低投与 量のGPIb結合ドメインポリペプチドを組み合わせると、7分間まで僅かに増 加する結果が得られた。しかしながら、この組み合わせは、出血時間が16.5 分であるような、4倍高いGPIb結合ドメインポリペプチドの投与量(1回の 注射当り4mg/kgおよび点滴8mg/kg/hr)の場合と同等の抗血小板 沈着効果を有する。かくして、GPIb結合ドメインポリペプチドにアスピリン を組み合わせることによって、出血時間の増加を伴うこと無く有効性の劇的な向 上が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI // C12N 9/64 9455−4C A61K 37/54 15/09 ZNA 9162−4B C12N 15/00 ZNAA (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 パネット、アモス イスラエル国、エルサレム、ハラブ・シュ リム・ストリート 11

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.患者における外傷性血管損傷後の合併症を防止するための方法であって、 協同して前記合併症の防止に有効な、所定量のフォン・ビルブラント因子の糖タ ンパク質Ib結合ドメインポリペプチドと、所定量のアスピリンとを併用して、 前記患者に対して投与することを具備する方法。 2.前記の外傷性血管損傷が、冠状動脈バイパス手術、血管形成術、血栓溶解 または不安定狭心症を原因とする請求項1に記載の方法。 3.前記の外傷性血管損傷後の合併症が、心筋梗塞、虚血症、冠状動脈バイパ ス手術、血管形成の反復または死である請求項1に記載の方法。 4.有効量が、1回の注射による0.1−20mg/kgおよび継続的点滴に よる0.1−20mg/kg/hrのvWF・GPIb結合ドメインポリペプチ ドと、0.1−50mg/kgのアスピリンである請求項1に記載の方法。 5.前記のvWF・GPIb結合ドメインポリペプチドが静脈内投与される請 求項4に記載の方法。 6.前記のアスピリンが経口的または非経腸的に投与される請求項5に記載の 方法。 7.前記のアスピリンが単回投与、多回投与または継続的投与により投与され る請求項6に記載の方法。 8.前記の非経腸的投与が静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与または筋肉内投 与である請求項7に記載の方法。 9.患者における血栓溶解治療を増強する方法であって、 血栓溶解剤および抗凝固剤と併用して、血栓溶解治療の増強に有効な所定量のフ ォン・ビルブラント因子の血小板糖タンパク質Ib結合ドメインポリペプチドを 患者に投与することを具備する方法。 10.前記の血栓溶解剤がtPAである請求項9に記載の方法。 11.前記の抗凝固剤がヘパリンである請求項10に記載の方法。 12.前記の血栓溶解治療剤が、更に、アスピリンをも含んでいる請求項11 に記載の方法。 13.フォン・ビルブラント因子の糖タンパク質Ib結合ドメインポリペプチ ドが静脈内投与される請求項9に記載の方法。 14.前記の静脈内投与が注射である請求項13に記載の方法。 15.前記の静脈内投与が継続的点滴による請求項13に記載の方法。 16.前記の静脈内投与が1回注射に続いて継続的点滴により行われる請求項 13に記載の方法。 17.前記の1回注射の適用量が0.4−40mg/kg体重の範囲の量であ る請求項14に記載の方法。 18.前記の1回注射の適用量が1−20mg/kg体重の範囲の量である請 求項17に記載の方法。 19.前記の1回注射の適用量が2−10mg/kg体重の範囲の量である請 求項18に記載の方法。 20.前記の点滴が毎時0.2−20mg/kg体重の速度である請求項15 に記載の方法。 21.前記の点滴が毎時1−10mg/kg体重の速度である請求項20に記 載の方法。 22.前記の1回注射の適用量が0.4−40mg/kg体重であり、且つ前 記の継続的点滴が毎時0.2−20mg/kg体重である請求項16に記載の方 法。 23.前記のポリペプチドが手術に先立って投与される請求項13に記載の方 法。 24.前記の手術が心臓血管系の手術である請求項23に記載の方法。
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