【発明の詳細な説明】
サイクリック油圧ポンプ
本発明は、油圧ポンプの改良に関する。特にサイクリック(cyclic)油圧ポンプ
に関する。
従来技術の記述
比較的低圧力での比較的多量な流れと比較的高圧力での比較的少量の流れを産
み出すことができるタイプの2段階油圧ポンプは公知であり、出願も多くなされ
ている。例えば、米国特許第3,053,186号、3,992,131号及び4,105,369号がこの
ようなポンプを開示している。
これらの特許に開示されているポンプにおいて、低圧力での比較的多量の流れ
を分担する第1段階は、米国特許第3,053,186号におけるギアタイプのポンプで
あり、米国特許第3,992,131号及び4,105,369号におけるジェロータタイプのポン
プである。ギアポンプとジェロータポンプは当業者には良く知られており、一般
的に、ポンプの流入口から流出口へ圧油を圧送するために噛み合わせギアの動作
を使用している。これらの特許におけるポンプの第2、すなわち、高圧力段階は
、往復動するピストンタイプポンプによって提供されている。これらのタイプの
ポンプに共通のことであるが、負荷圧力が或るバイパス圧力に達すると、第1段
階の比較的多量の流れがタンクにバイパスされる。
第1段階ギア及びジェロータタイプポンプは、それらが2段階ポンプにおいて
意図する機能を果たすとき、往
復動するピストンタイプポンプと比較してエネルギーを効率的に転換することが
できない。ポンプを作動させるモータ又は他の原動機によって伝達されるエネル
ギーを非効率的に利用することは、第1段階ポンプからの流れがタンク圧に解放
される時の圧力であるバイパス圧力が、より効率的なポンプを具えているときよ
りも低いことを要求することになる。
また、ギア及びジェロータタイプポンプはそれらの適当な操作ため、少なくと
も2つの精密なギアの噛み合わせが必要である。その結果、ポンプで送られる油
圧流体の汚染やキャビテーションによって引き起こされる損傷等の影響を受けや
すい。また、ギア及びジェロータタイプポンプは、いくつかの使用例において、
不快なレベルの騒音を発生することがある。
また、第1段階のギア又はジェロータタイプポンプと第2段階の往復動するピ
ストンタイプポンプの2つの段階を具えている2つの異なる段階を作動させるた
めに使用される機構は、多くの場合、共通シャフトが用いられるのにもかかわら
ず、通常、互いに全く異なっている。しかし、2つの段階において2つの異なる
タイプのポンプを作動させるために用いられなければならない異なるタイプの機
構には、比較的複雑で、比較的多くの部品や2つの段階を収納する比較的大きな
パッケージが必要となる問題がある。
加えて、圧力がサイクリックポンプを通過して変化す
る往復動する油圧式ポンプのようなサイクリック油圧ポンプにおいて、圧力流体
は相対的には圧縮不可能であるので、圧力がサイクルの圧縮フェーズにおいて非
常に容易に流体に発生させられる。同様に、圧力は、サイクルの吸引、すなわち
、流入のフェーズで非常に素早く低下する。このような圧力の素早い変化は、ポ
ンプにおける有効なエネルギー使用の妨げとなる。
さらに、流体の非圧縮性は、サイクリックポンプの馬力容量が比較的低い圧力
で達せられてしまう原因となる。バイパス圧力は、原動機の馬力容量が達せられ
る前に生じるようにセットされなければならない。バイパス圧力が達成されると
、バイパスバルブが開いて比較的大きく流量が低下する。この結果、バイパスバ
ルブが開いた後、比較的少ない割合のエネルギーしか広範囲の圧力にわたって利
用できないことになる。
発明の概要
本発明は、比較的大きな容積で低圧力の圧油の流れを送る第1段階ポンプと、
上記に述べた不利な点を克服する比較的小さな容積で高圧力の圧油の流れを送る
第2段階ポンプを有する2段階の油圧ポンプを提供する。本発明のポンプにおい
て、第1段階ポンプは第1段階シリンダにおいて往復動可能な第1段階ピストン
を有する往復動ピストンポンプである。また、第2段階ポンプは第2段階シリン
ダにおいて往復動可能な第2段階ピストンを有する往復動ピストンポンプである
。
この構成は、比較の対象たる単一段階(single stage)ポンプよりもあまり大き
くなく比較的小さな、そして比較の対象たる第1段階ギア又はジェロータタイプ
ポンプよりも少なく安価な部品を具えたユニット完成品として構成可能な効率的
なポンプを提供する。また、その結果、高圧のバイパス圧力に対応して、より効
果的な全体的操作を可能にし、ギア又はジェロータタイプのポンプに対して、第
1段階の効率が改良される。また、本発明のポンプはギア又はジェロータタイプ
のポンプよりも汚染やキャビテーションによって引き起こされる損傷にあまり敏
感ではなく、典型的なギア又はジェロータタイプのポンプよりもその操作におい
て、騒音がかなり少なくなる可能性がある。
有用な側面においては、第1,第2段階ポンプは実質的に同軸上にあり、第1
、第2段階ポンプの複数のセットが提供され、複数セットの第1段階ピストンは
共通シャフトによって駆動され、そのシャフトは複数の第1段階ピストンを駆動
する1つの偏心ローブを有している。これらの側面は、効率的にそして経済的に
製造され得る比較的少ない部品で非常に小型なユニットを提供するのに役立つ。
他の選択可能な有用な側面において、第2段階シリンダが戻りストロークにお
いて戻るように、加圧された流体が過給(supercharge)され、第1、第2段階ピ
ストンは、その戻りストロークにおいて、第2段階ピストンが
第1段階ピストンの後に続いて駆動されるように、又は第2段階ピストンが第1
段階ピストンにばね付勢されるように連結されている。第1の選択肢は、ポンプ
の数多い部品を減らし、第2段階ピストンが戻るために簡単な構成にするのに特
に有用であるが、配管系が、第2段階シリンダを過給すべく第1段階の出力を利
用可能である場合にのみ有用である。そうでない場合は、後者の2つの選択肢の
1つを利用することができる。
他の側面においては、アキュムレータが油圧式ポンプのポンプ室との連結に用
いられてもよい。この側面においては、アキュムレータは、単一段階ポンプに適
用されてもよいが、好適態様においては、アキュムレータは、複数セットの第1
、第2段階ポンプを有する2段階ポンプの第1段階シリンダの各々に用いられる
。アキュムレータは、第1段階ポンプの出力圧力が増加するに従って、第1段階
シリンダからの出力流れを減少させる。流れの出力がこのようにして減少させら
れるので、第1段階ピストンを駆動させる原動機が必要とするエネルギー要求が
、第1段階ピストンの圧縮ストロークにおける最初の部分の減少されたポンプ送
り室圧力により、、且つ、アキュムレータが第1段階シリンダに圧力を放出する
ときに、吸入ストロークの当初の段階においてクランクシャフトにエネルギーが
戻されることによって減少させられることになる。
アキュムレータは、所与の如何なる原動機についても、
バイパス圧力に近い範囲で、原動機の利用可能な高い割合のエネルギーを利用可
能にする。ギア又はジェロータタイプポンプと比較して、効率は特にバイパス圧
力を下回るところ(特に高圧バイパス圧力)において改良される。何故なら、ギ
ア又はジェロータ歯からの漏れによって流れの出力を減少させるというよりも、
むしろ、アキュムレータの動作によって減少させられ、アキュムレータをチャー
ジするエネルギーの多くが、第1段階ピストンの吸引ストロークにおけるクラン
クシャフトへ戻されるからである。
加えて、アキュムレータを利用するポンプの性能曲線は、アキュムレータを付
勢するばね、アキュムレータプランジャの表面面積及び/又はアキュムレータプ
ランジャのストロークの適当な選択によって、出力流量を最大に維持しながら、
或る圧力範囲において、原動機の馬力限界内において、容易に調整することがで
きる。
図面の簡単な説明
図1は、図2の1−1線断面図であり、本発明の2段階油圧ポンプの断面図で
ある。
図1Aは、図1に示されているポンプの第1段階シリンダの高速作動吸込チェ
ックバルブの拡大断面図である。
図2は、図1の2−2線から見た図1のポンプの底面図である。
図3は、図1のポンプのバイパスバルブの断面図である。
図4は、本発明の好適実施例を示した部分断面図である。
図5は、本発明のポンプのもう1つの好適実施例を示した部分断面図である。
図6は、図1のポンプの変形実施例を示した部分断面図である。
図7は、アキュムレータがどのようにレシプロポンプの性能特性を変えるかを
示したグラフである。
好適実施例の詳細な説明
図1を参照すると、ポンプ10は、リザーバタンク12、マニフォールドプレ
ート14、マニフォールドプレート14に固定された3つのシリンダブロック1
6、シリンダブロック16に固定されたカバー18及びマニフォールドプレート
14に固定されたバイパスバルブ20を含んでいる。プレート14は、比較的低
いタンク圧でタンク12内の供給すべき油を貯えるように開口部端部を閉じてい
る。ポンプ10は、タンク12内に貯えられている流体から負荷へポンプで圧送
されるように、油圧流体を汲み上げる。
各々のシリンダブロック16は、他のものと同一であり、シリンダにはプレー
ト14にブロック16を設けるための4つのボルト孔が開けられており、カバー
18にもプレート14にカバー18とブロック16を固定するためのボルトに対
応する孔が設けられている。各々のシリンダは、比較的大きな直径の第1段階シ
リンダ22と、
第1段階シリンダ22と同軸上にある第2段階シリンダ24を有している。第1
段階ビストン26は各々の第1段階シリンダ22に滑動可能に収納されており、
第1段階ピストン26は、クランクシャフト28によって、対応するシリンダ2
2に相対的に軸方向に往復動させられる。
クランクシャフト28は、マニフォールドプレート14に支持されているベア
リング27と、カバー18に支持されているベアリング31及び33によって、
マニフォールドプレート14に支持されている。クランクシャフト28は、シャ
フト28と原動機、例えば、ポンプ10を駆動させる電動モータの間の駆動結合
をもたらすようにスプライン又はその他の適当な手段が施された内部孔29を有
している。或いは、外部ギア、プーリ又はその他の手段を設けて、クランクシャ
フト28を駆動することができる。クランクシャフト28は、ラジアルベアリン
グ32、環状スラストワッシャ34及びピストン駆動スリーブ36によって支持
されている偏心ローブ30を有している。各々のピストン26は、円錐状圧縮ば
ね38によってスリーブ36に対して付勢されている。シャフト28が回転する
と、ピストン26は120°位相の関係をもって、順次、往復動される。
各々のピストン26の吸引ストロークにおいて、例えば、ピストン26が関連
するシリンダ22から引っ込むとき、圧油はシリンダ22に連結されている吸い
込みパ
イプ40(各々のシリンダ22につき1つのパイプ40がある。)及び高速作動
一方方向チェックバルブ42から吸引される。好ましくは、パイプ40はその下
部吸い込み端部に、スクリーン、すなわち、フィルター44を有している。
チェックバルブ42は、図1Aに最もよく示されているが、シート状金属キャ
ップ50によって適当な位置に保持されているばね43を有する基底部48に圧
縮ばね43によって付勢されている平坦プレート46を有している公知のタイプ
のものである。キャップ50の上部分は、プレート46が基底部48から移動す
るときに吸い込みパイプ40から流れてくる流体が基底部48とプレート46か
ら、又はキャップ50の穿孔51からシリンダ22に流れ込むことができるよう
に穿孔51が設けられている。Oリング52(図1)は、各々のブロック16と
カバー18間のシールをもたらし、油路64が、チェックバルブ42とシリンダ
22の内部端部間を連結するように、ブロック16に形成されている。
ピストン26の圧縮ストロークにおいて、チェックバルブ42は閉じており、
円錐状圧縮ばね62によって基底部60に付勢されているボール58を有してい
る公知のボールタイプの一方向チェックバルブ56は、シリンダ22においてピ
ストン26によって圧縮されている流体が流れるようにチェックバルブ56を通
って流れ油路64に流れるように開いている。油路64は、3つの第
1段階シリンダ22の各々のチェックバルブ56の各々の流出口と共通で且つこ
れらに連結されており、下記に詳細に述べるように、バイパスバルブ20と3つ
の第2段階シリンダ24の各々のチェックバルブ65の流入口に連通されている
。
Oリング66は、マニフォールドプレート14と第1段階シリンダ流出ポート
間の接触面をシールしており、Oリング68は、マニフォールドプレート14と
第2段階シリンダ24への流出ポート間の接触面をシールしている。各々の第2
段階シリンダ24について、チェックバルブ56と基本的に同タイプの流入チェ
ックバルブ65が流入ポートに設置されており、基底部72に着座しているボー
ル70を有している。そして、チェックバルブ56は、円錐状圧縮ばね74によ
って、基底部72に付勢されている。第1段階ピストン26よりも小さい直径の
第2段階ピストン76が各々のシリンダ24に収納されており、その中において
滑動往復動が可能である。ピストン76は、第1段階シリンダ22内に延びてい
る端部77に接している第1段階のピストン26によって、圧縮ストロークで駆
動される。
第2段階ピストン76は、油路64のピストン26によって生じる圧力による
戻りストロークにおいて第1段階ピストン26に向って駆動される。油路64内
の流体圧力は、チェックバルブ65を開くのに十分であり、ピストン76を戻す
ように、シリンダ24に入り込む。
ピストン76の圧縮ストロークにおいては、第2段階シリンダ24内の流体圧
力はチェックバルブ65を閉じ且つチェックバルブ78を開くように増加する。
チェックバルブ78は各々の第2段階シリンダ24の流出ポートに収納されてい
る。チェックバルブ78は、基底部84に円錐状圧縮ばね82によって付勢され
るボール80を有している公知のものである。基底部84は、基底部72から離
れるボール70の運動を制限するように、ボール70に向って延びる先端部を有
している。そのため、ボール70がピストン76の圧縮ストロークにおいて再び
元の位置に戻るのを確実にしている。Oリング88は、各々のシリンダ24の流
出ポートとカバー18間の接触面をシールしている。流出ポート90が各々の第
2段階流出ポートのカバー18に形成されており、図1に点線92で模試的に示
しているように、全ての流出油路90は、互いに且つニップル91及び適当な配
管によって、バイパスバルブ20に連結されている。
第1段階ポンプ、第2段階ポンプの両方の全ての出力が、チェックバルブ78
を通って流れることに注意すべきである。ライン92が低圧の場合、第1段階ポ
ンプの出力(シリンダ22とピストン26)はチェックバルブ56,65及び7
8を開かせ、そして、単に、それらから噴き出し、一方で、第2段階シリンダ2
4から第2段階ピストン76を引っ込めるように、第2段階シリンダ24を昇圧
させる。3セットの第1,第2段階ピストン
は互いに120°位相の関係にあるので、油路64から線92へ開かれている流
路が常に少なくとも1つある。このように、例えば、図1の左側に示されている
ピストン26と76が圧縮ストロークを始めたとき、少なくとも1つの他のピス
トンのセットのどちらかが引っ込んだ状態にあるか、引っ込みつつある。いずれ
にしても、図1の左側に示されている第1段階ピストン26からの流れは、油路
64から図1の左側に示されているチェックバルブ78以外のチェックバルブ7
8の1つから出力されるようになる。第1段階ピストンのいずれか1つからの流
れは、当該第1段階ピストンと関連のない2つの第2段階ピストンが戻るのを助
けるということに注意されたい。このことは、いずれかの第1段階ピストンのほ
とんどの圧縮ストロークにおいて、関連する第2段階シリンダの流入チェックバ
ルブ65が閉じているのに対して、他の2つの流入チェックバルブ65の、少な
くとも一方が開いているためである。
図3に示されているバイパスバルブ20の操作の説明に移ると、バイパスバル
ブ20は、マニフォールドプレート14にボルトで締められているバルブブロッ
ク100を有している。図3のバルブブロック100の頂部側面において、低圧
力流入ポート102は油路64に連結されている。カウンタボア104は、プレ
ート14にシールされるOリング(図示せず)を収納するように流入ポートに形
成されている。そして、適当な油路(図示せ
ず)が、流入ポート102と油路64間を連結するようにプレート14に設けら
れている。流出ポート106もまたバルブブロック100の頂部表面に開いてお
り、適当な油路(図示せず)が、ポンプ10の外部へ流出ポート106を通るポ
ンプからの出力を連結させるように、プレート14のパッド108を具えている
プレート14とバルブを通って設けられている。典型的には、バルブ(図示せず
)がパッド108に設けられ、流出口106に連結されるであろう。このような
バルブは、従来技術として公知であり、典型的には、ポンプ10が供給しようと
する圧油の流れをコントロールするための、手動又は自動のオン・オフコントロ
ール装置を有している。
図3に示されているブロック100の下部表面に開口しているのは、流入ポー
ト110とタンクポート112である。流入ポート110は、配管92を経由し
て3つの第2段階シリンダ24の3つの流出ポート90と連結されており、流出
ポート112はタンク12の内部と連通されている。
上記に述べたように、バルブ20によって設定されるバイパス圧力を下回ると
、第1(シリンダ22とピストン26)、第2(シリンダ24とピストン76)
段階ポンプの出力は、配管92を通り、それ故に、バルブ20の流入ポート11
0へ流れる。その結果、パイパス圧力を下回ると、第1、第2段階ポンプの両方
の出力は、全て流出ポート106を通って流れ、この流出ポート10
6は流入ポート110と連結している。バイパス圧力以上では、ポート110か
らポート106へ流れる流体によるバルブ20内の圧力は、ボールホルダ118
とばね120によって基底部116に付勢されているボール114をはずすよう
に、図3の右側方向にピン113を移動させるように作用する。ばね120は、
バルブブロックにねじ込まれているばねホルダ122の右側端部に当接している
。ボール114がはずれる時の圧力は、ホルダー122によって調節可能であり
、ホルダー122はボール114に作用する力が調節されるようにねじ込んだり
ゆるめたりすることが可能である。かくして、ピン113がボール114の着座
をはずすように、右側方向に移動させる時の圧力が調整できる。
ボール114が着座していないときは、流路が、低圧力流入ポート102とタ
ンク流出ポート112間に開かれる。しかし、流入ポート102と流出ポート1
12間の連結の程度は、流入ポート110にあるピン113に作用する流入圧力
と、流入ポート102と流出ポート112間のピン113とブロック100間の
間隙の大きさに依存しており、その間隙は、絞りを形成する程小さい(例えば、
.09インチ直径のピンは、0.123インチ直径の穴内で滑動可能である。)
故に、流入ポート102、従って、油路64の圧力は、たとえボール114が着
座をはずれていても、上記絞りによって、タンク圧力を越える圧力に保持される
。このことは、ポンプ10
においては必要なことである。何故なら、油路64の圧力は、第2段階ピストン
76がその圧縮ストロークの準備のために戻ってくるように、第2段階シリンダ
24を過給すべく、充分なレベル(例えば、150psi)に保持されなければ
ならないからである。
滑動シールは、ピン113の大径の中間部分127の周りに具えられているパ
ッキング126によってピン113とブロック100の間に作られる。パッキン
グ126は、ブロック100の孔129に押し込まれているスチールリングによ
って挟まれているOリングとバックアップリングを含んでいる。それ故に、パッ
キング126を通る流出ポート106,110と流入ポート102,112の間
の実質的な流体連結はない。さらに、ピンキーパ118がピン113の左側の小
径端部130を取り囲んでおり、圧縮ばね132によってブロック100に対し
て付勢されている。キーパ128は、ピン113をその中で滑動可能にするが、
パッキング126内にピン113を保持するように、ピン113の肩部134と
隣接している。
ポート124は、また突出部125がばね132を含むように突き通されるブ
ロック100内に具えられており、バイパスバルブ20といずれかの適当なタイ
プのリリーフバルブ(図示せず)の間を連結している。ポンプの圧力出力の最大
限を制限するために、リリーフバルブが、このタイプのポンプには通常具えられ
ている。リリ
ーフ圧力において、リリーフバルブは、良く知られているように、出力ポート1
06からタンクに戻すように、流れの向きを変える。
図4を参照すると、ここには、本発明の第2実施例が開示されている。この実
施例は、第2段階ピストンが過給圧力によって戻って来るのではなく、第2段階
ピストンと第1段階ピストン間の緩い連結によって戻ってくることを除いて、実
質的には、ポンプ10と同一である。図4に示されている第2実施例200にお
いて、第1、第2段階ポンプの複数セットが、ポンプ10の場合の3セットのよ
うに、クランクシャフトの軸の周りに設けられることが可能である。また、ポン
プ200において、ポンプ10と対応する要素がダッシュを加えられた同一の参
照数字によって示されている。
ポンプ200において、第2段階ピストン76’は第1段階ピストン26’に
隣接しているその端部77’にフランジ202を有しており、フランジ202は
、第2段階ピストン26’の表面に対応する形状で設けられている凹部に収納さ
れている。ピストン26’の端部表面の凹部204の直径は、第1、第2段階の
ピストン26’と76’間の剛体連結ではなく、いくらかの相対移動を可能にす
るように、フランジ202の直径よりも少し大きくなっている。シリンダの加工
において、第1段階シリンダ24の軸を第2段階シリンダ24の軸と正確に同軸
にするということは、実際的でも経済的でもないので、
この相対移動は重要である。故に、第1、第2段階ピストン間の相対移動を可能
にすることによって、第1、第2段階シリンダとピストン間において、或る程度
の軸心の不一致があっても、これを吸収することができる。凹部204内にフラ
ンジ202を保持するために、良く知られた方式で、凹部204の内部環状溝に
係合する内部スナップリング206が利用される。
実施例200は、又、第2段階シリンダ24’からの流れが逆向きになるとい
う点で実施例10と異なる。このことは必要なことではないが、ポンプ200で
は、第2段階ピストン76’の戻りが過給に依存していないので、第2段階シリ
ンダ24を通る流れの向きを変えることがオプションとなる。
これは、単に、チェックバルブ65と78の方向を入れ替え、同じタイプの吸
い込みパイプ40’と第2段階シリンダ24’に流入するように導く高速作動チ
ェックバルブ42’を具えることによって実施することができる。かくして、タ
ンク12のからの流体は、吸い込みパイプ40’と高速作動チェックバルブ42
’から吸引され、ボール70’から第2段階シリンダ24’に吸引される。第2
段階ピストン76’の圧縮ストロークにおいて、ボール70’は再び着座し、ボ
ール80’ははずれ、流体はチェックバルブ78’を通って第2段階シリンダ2
4’から油路92’へ圧縮される。油路64’は第1段階シリンダ22’の出力
を受けるが、油路64’から
油路92’への一方通行の流れを可能にする一方向チェクバルブ(図示せず)を
経由して油路92’と連結される位置に配置されることに注意すべきである。油
路92’は、それからバイパスバルブ20のポート110と連結される位置に配
置され、油路64’はバイパスバルブ20の流入ポート102と連結される位置
に配置される。バイパスバルブ20への他の連結状態は、ポンプ10と同様であ
る。
図5に示されているポンプ300は本発明のポンプの第3実施例である。ポン
プ300は、第2段階ピストン76”が第1段階ピストン26”に隣接する端部
に固定されているフランジ302を具えており、また、円錐形圧縮ばね304に
よってその戻りストロークのために付勢されている点を除いては、本質的には、
ポンプ200と同様である。
図6に示されている実施例400は、第1段階シリンダ22’の吸引作動のた
めに、吸引パイプ40と高速作動チェックバルブ42の替わりに、アキュムレー
タ402が具えられている点を除いては、本質的には、ポンプ10と同様である
。アキュムレータ402は、カバー18にシール係合で固定されているキャニス
タ404を有している。プランジャ406は、軸408に沿って具えられている
キャニスタ404内で往復動可能である。プランジャ406は、カバー18の穴
405に滑動シールされており、アキュムレータ内の作動容量を減少させる
べく付勢されるように、カバー18に2つの同軸上にあるばね410と412に
よって付勢されている。プレート414には、キャニスタ404に圧油を流入さ
せるための中央穴418があり、スクリーン、すなわち、フィルターの他のタイ
プのもの又はストレーナ420が流入口418を覆っている。
第1段階ピストン26の吸引ストロークにおいて、プランジャ406の下部か
らのオイルは、プランジャ406の上部端部によって形成された基底台を有して
いることを除いて、高速作動チェックバルブ42と同様のタイプの高速作動チェ
ックバルブ422を通ってプランジャ406のルーメン421から第1段階シリ
ンダ22に流入する。第1段階ピストン26の圧縮ストロークにおいて、プラン
ジャ406(この時、チェックバルブ422は着座している)は、図6に見られ
るように下方に移動し、ばね410と412を圧縮する。プランジャ406は、
第1段階シリンダ22内の圧力が油路64の圧力を越えるまで、ばね410と4
12を圧縮し続ける。その点において、及び第1段階ピストン26の圧縮ストロ
ークの残りの部分のために、圧油は第1段階シリンダ22から油路64へ圧送さ
れる。ピストン26の戻り、すなわち、吸引ストロークにおいて、プランジャ4
06は、より多くのオイルがシリンダ22を再び満たし次の圧縮ストロークの準
備のために、チェックバルブ422を通過してプランジャ406の下方からシリ
ンダ22に吸引
され、図6に示されている位置に到達するまで上方に移動する。
ピストン26の圧縮ストロークの始めにおいて、チェックバルブ56を通過し
て送られるオイルはなく、シリンダ22が油路64内の圧力を越えない圧力にな
るまでその状態は続く。この間、アキュムレータ402は充填されて行く。例え
ば、油路64内の圧力が1,000psiであると、1,000psiに到達す
るまで、ばね410と412が圧縮されるので、シリンダ22内が1,000p
siになるには、ピストン26のストロークの1/3を要するであろう。1,0
00psiに到達した後、ピストン26の圧縮ストロークの残る2/3のために
、オイルは油路64に、チェックバルブ56を通過して圧送される。その後、ピ
ストン26の吸引ストロークが始まると、当初の1/3の吸引ストロークのため
に、プランジャ406は図6に示される位置に到達するまで上昇し、残りの2/
3の吸引ストロークのために、オイルがチェックバルブ422を通過してシリン
ダ22に吸引されることになる。
上述した例において、1/3吸引ストロークのため、ばね410と412によ
って図6に示される位置にプランジャ406が戻されるとき、ばね410と41
2の力による圧力の下にある圧力流体は、ばね38がピストン26を戻すのに役
立つことに加えて、ピストン26に力を伝える。ピストン26に伝えられる力は
、次に、クラ
ンクシャフト28に伝達され、その力は、ピストン26のストロークの吸引部分
に伝達されるので、駆動方向にクランクシャフト28を回転させるように機能す
る。このように、ポンプ400におけるピストン26の吸引ストロークの当初の
部分においては、動力は、クランク軸28の駆動を助けるピストン26によって
クランク軸28に戻されるようになっている。アキュムレータ402のようなア
キュムレータは、いくつかの利用例においてシングルステージの油圧式ポンプに
効果的に利用され得ることを理解すべきである。また、ばね付勢されるプランジ
ャが開示されているけれども、他のタイプのアキュムレータ、例えば、空気付勢
されるタイプのものなども利用可能であることを理解すべきである。さらに、ア
キュムレータが、ピストン26と分離しているように示されているけれども、ア
キュムレータはピストン26の中に具えられることも可能である。最後に、流入
チェックバルブ422は、プランジャ406の部品として必要ではないが、ピス
トン26の吸引ストロークにおいて、タンク12からシリンダ22へ流体を流入
させるために、どこかに具えられることが可能である。
アキュムレータ402は、より高い圧力がばね410と412のより多くの変
形を引き起こし、その結果、アキュムレータ402の作動室により多くの流体を
圧送するので、油路64内の圧力(例えば、シリンダ22の出力圧力)が増加す
るような出力の流れを減少させ、その
ことは、シリンダ22から油路64へ出力する流れを減少させる。出力される流
量は、このようにして減少させられるので、クランクシャフト28を駆動する原
動機から必要とされるエネルギーは、圧縮ストロークの当初の部分からの減少さ
れたポンプ室圧力の効果と吸引、すなわち、吸い込みストロークの当初の段階で
上記に説明されたようなクランク軸にエネルギーを戻すことによって減少される
。圧縮ストロークの当初の部分でポンプ圧力を減少させることは重要である。何
故なら、この部分こそ、ローブ30とピストン26間の駆動角が最も高いモーメ
ントアームを作り出す位置であり、これは、ピストン26がクランクシャフト2
8に発生させる反作用トルクに比例しているからである。
アキュムレータ402のようなアキュムレータを使用することによって得られ
る高効率のために、油路64内の圧力を逃がすバルブ20におけるバイパス圧力
は、アキュムレータ402を有していないポンプに比して、所定の馬力に対して
高くすることができる。ギア又はジェロータ型ポンプと比較してみると、効率は
、特にパイパス圧力を下回るところ(特に高バイパス圧力)で改良されている。
何故なら、出力としての流れがギア又はジェロータ歯から漏れることによって減
少されるよりも、むしろ、アキュムレータの作動によって減少され、アキュムレ
ータにチャージされるエネルギーのより多くが、第1段階ピストンの吸引ストロ
ークにおいて、クランクシ
ャフトに戻ってくるからである。また、アキュムレータ402を使用したポンプ
400の性能曲線グラフを、ばね410と412、アキュムレータプランジャ4
06の表面面積及び/又はアキュムレータプランジャ406のストロークの適当
な選択によって出力流量を最大に維持しながら、或る圧力範囲において原動機の
馬力限界内において、容易に調整することができるということを記しておくべき
である。
図7は、圧力・流量曲線に対する効果を、アキュムレータのあるポンプ(曲線
450)と、アキュムレータのないポンプ(曲線452)の間で、グラフとして
比較したものである。曲線454は、馬力が一定の曲線、すなわち、流量と圧力
の積が一定である点をプロットした曲線を表わしている。曲線452を参照する
と、約700psiにおいてバイパスバルブが開き、その結果、約700psi
から1200psiへの圧力範囲にわたって約570in3/minから約70
in3/minに出力流量が大きく落ち込んでいることがわかる。この圧力の範
囲においては、曲線452と454の間には比較的大きな面積があり、利用可能
なエネルギーが効率的に使用されていないことを示している。これと対比的に、
曲線450は、約750psiを越えると曲線454にかなり近いものである。
そのため、かなり高い割合の利用可能な馬力がこの圧力を越えた範囲で、300
0psiに至るまで使用され、この3000psiでアキュムレー
タを具えたポンプのバイパスバルブが開くことがわかる。この圧力以上では、曲
線450と452は同じであり、一方、約750psiを下回ると、アキュムレ
ータを具えていないポンプは、利用可能な馬力を、アキュムレータを具えている
ポンプよりわずかに多く使用する。故に、アキュムレータは、かなりの圧力範囲
において、ポンプの利用可能馬力を高い割合で使用可能にし、バイパス圧力を増
加させることが理解できよう。
このように、本発明は比較的小さなユニット完成品であり、比較可能な単一段
階ポンプよりあまり大きくなく比較可能な第1段階ギア又はジェロータタイプポ
ンプよりも少なく安価な部品を具えた効率的なポンプを提供する。2段階ポンプ
を使用する典型的なギア又はジェロータ型ポンプより1段階において効果的な改
良は高バイパス圧力を可能にし、それ故に、より効果的な全体操作が可能になる
。要するに、馬力のより効果的な利用は、バイパスバルブが開く前の低圧力範囲
において達成される。また、本発明のポンプは、ギア又はジェロータ型ポンプよ
りも、汚染又はキャビテーションによって引き起こされる損傷を受けにくい。
本発明の好適実施例をかなり詳細に説明した。これらの実施例の多くの修正や
変形が当業者には容易に思い浮かぶであろうが、それらは、やはり本発明の思想
を用いるものである。故に、本発明は説明された実施例に限定されるべきではな
く、下記に示す請求の範囲によって限
定されるべきである。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年11月20日
【補正内容】
請求の範囲
1.それぞれのセットが比較的大きな容積で低圧力の油圧流体の流れを送るた
めの第1段階ポンプと比較的小さな容積で高圧力の油圧流体の流れを送るための
第2段階ポンプを有する複数のセットの2段階ポンプを有するタイプの2段階油
圧ポンプにおいて、
各前記第1段階ポンプが第1段階シリンダにおいて往復動可能な第1段階ピス
トンを有する往復動ピストンポンプであり、
各前記第2段階ポンプが第2段階シリンダにおいて往復動可能な第2段階ピス
トンを有する往復動ピストンポンプであって、
各前記第2段階ピストンが前記第2段階シリンダ内の前記流体を圧縮するよう
に前記第1段階ピストンによって駆動され、さらに、
マニフォールドと、
少なくとも2つの前記第1シリンダから前記マニフォールドに一方向連通をも
たらす少なくとも1つのバルブと、
前記マニフォールドから少なくとも2つの前記第2段階シリンダに一方向連通
をもたらす少なくとも1つのバルブを有し、
前記マニフォールドは、前記第1段階ポンプにより前記マニフォールドを通じ
て送られる流体によって前記第2段階ポンプに過給するように、前記少なくとも
2つの
第1段階ポンプから前記少なくとも2つの第2段階ポンプに、流れを配分するよ
うになっている、
2段階油圧ポンプの改良。
2.前記第1,第2段階ポンプが実質的に同軸上にある、第1項の改良。
3.前記第1、第2段階ピストンが別々であり、互いに区別できる、第1項の
改良。
4.前記複数組の中の第1段階ピストンが共通シャフトによって駆動される、
第3項の改良。
5.前記シャフトが前記第1段階ピストンを駆動する偏心ローブを有する、第
4項の改良。
6.第2段階ポンプが3セット具えられ、各セットの往復動軸が隣りのセット
の往復動軸からほぼ120°ずれており、すべての3セットの第1、第2段階ポ
ンプが前記マニフォールドと前記バルブを通じて連通している、第1項の改良。
9.さらに、前記シリンダの少なくとも1つに連通しているアキュムレータを
有している、第1項の改良。
10.前記アキュムレータが第1段階シリンダに連通している、第9項の改良。
11.前記アキュムレータが、プランジャと、前記アキュムレータ内の作動容積
を減らすように前記プランジャを付勢する手段を有する、第9項の改良。
12.圧縮された油圧流体の流れを送るためのポンプ室を有するタイプのサイク
リック油圧ポンプにおいて、前記
ポンプ室と連通しているアキュムレータを有しており、前記アキュムレータは前
記ポンプの圧縮段階の間、前記室からポンプで送られる油圧流体の容積で満たさ
れ、前記ポンプの流入段階の間前記室へ戻る流体の容積が流出する、改良。
13.前記アキュムレータがプランジャと前記アキュムレータ内のワーク容積を
減らすために前記プランジャを付勢する手段を有する、第12項の改良。
14.前記ポンプ室の流入チェックバルブが前記プランジャに具えられている、
第13項の改良。
15.前記ポンプ室が往復動ポンプのシリンダである、第12項の改良。
16.前記ポンプ室が2段階往復動ポンプの第1段階シリンダである、第12項
の改良。
17.前記アキュムレータへポンプで送られる流体容積が前記ポンプ室の出力圧
力が増加するにつれて増加するようになっている、第12項の改良。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
F04B 11/00
(72)発明者 フィッシャー、マーク・ジェイ
アメリカ合衆国ウィスコンシン州 53051
メノモニー・フォールズ、メイプルクレ
スト・ドライブ、エヌ50・ダブリュー
17000