JPH085600A - カーボン電極およびその製造方法 - Google Patents

カーボン電極およびその製造方法

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JPH085600A
JPH085600A JP6135968A JP13596894A JPH085600A JP H085600 A JPH085600 A JP H085600A JP 6135968 A JP6135968 A JP 6135968A JP 13596894 A JP13596894 A JP 13596894A JP H085600 A JPH085600 A JP H085600A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アニオン性化学種の濃度測定を簡便で安価
に、かつ、精度良く実施できるカーボン電極およびその
製造方法を提供する。 【構成】 カーボン電極は、基材上にカーボン材料で形
成されたカーボン電極部を有して成り、カーボン電極部
の少なくとも電極として有効に作用する部分がカチオン
界面活性剤により処理されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カーボン電極、特に各
種医療用センサあるいは化学分析用センサに用いられる
カーボン電極およびその製造方法に関する。更に、本発
明は、上記のカーボン電極を用いた、血液など種々の試
料中の特定成分についてその濃度等を迅速かつ簡便に測
定することのできるバイオセンサおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】血液などの試料中の特定成分について迅
速かつ簡便に濃度等を測定する方法として、電気化学的
検出手段によるバイオセンサが実用化されている。本発
明者等は、従来から、これらのバイオセンサに利用され
ているアンペロメトリックセンサにカーボン材料からな
るカーボン電極を利用することを検討してきた。
【0003】カーボン材料は、一般に、貴金属材料と比
較して安価であり電位窓が広く、また、化学的に安定で
ある等、電極材料として好ましい性質を有している。し
かしながら、カーボン電極表面には−COOH、−C=
O、−OH等の含酸素官能基が存在しており、カーボン
電極表面は、中性およびアルカリ性溶液中において、こ
れらの含酸素官能基の解離によりアニオン性表面となっ
ている。そのため、Fe(CN)6 3-/4-(即ち、式
(I):Fe(CN)6 3-+e-←→Fe(CN)6 4-
のようなアニオン性化学種とカーボン電極との反応は、
双方のアニオン性のため静電的反発が起こり、電極反応
の抑制が起こり、過電圧が大きくなってしまう。従っ
て、カーボン電極上でのFe(CN)6 3-/4-のようなア
ニオン性化学種の電極反応において十分な電流値を得る
ためには、大きな印加電圧が必要となる。
【0004】式(I)に示すFe(CN)6 3-/4-(以
下、単にFe(CN)6 3-/4-という。)のようなアニオ
ン性化学種の測定において、カーボン電極を用い、アン
ペロメトリによってそれらの濃度の測定を行なう際に、
印加電圧以下の電解電圧値を有する電解質が被測定液に
共存している場合、この共存物質の電解電流により測定
が妨害を受ける。また、不安定な残余電流も流れ、S/
N比(信号量(S)/雑音量(N))が悪くなり、実用
上、多種の電解質を含む被測定液の測定においては,測
定精度が悪くなるという問題点がある。また、電池を用
いる携帯型センサでは、大きな印加電圧を必要とする場
合、消費電力が大きくなり、電池寿命が短くなるという
別の問題もある。
【0005】このような問題点の解決策として、カーボ
ン電極の活性化を行う目的で以下に示すような方法が提
案されている。 (1)研磨材による研磨法として、例えばダイヤモンド
を研磨材として用い、グラッシーカーボン電極を研磨す
ることによって、電極でのFe(CN)6 3-/4-の酸化還
元反応速度が増加する(D.C.Thomtonら、アナリティカ
ル・ケミストリー(Analytical Chemistry)、第57巻
第150頁(1985))。しかしながら、この方法で
は、多くの電極を一度に均一に処理するのは困難であ
り、コストが高くなり、量産化には不適当である。
【0006】(2)電気化学的処理法として、例えば熱
分解グラファイト電極に1.5Vの電圧を印加して15
分間電気化学的に酸化することによって、電極でのFe
(CN)6 3-の還元反応 速度が増加する。また、熱分解
グラファイト電極に1.4Vの電圧を印加して20分間
電気化学的に酸化することによって、電極でのアスコル
ビン酸の酸化反応速度が増加する。(R.M.Wightmanら、
ジャーナル・オブ・ディ・エレクトロケミカル・ソサエ
ティ(Journal of the Electrochemical Society)、第
131巻第1578頁(1984))。しかしながら、
この方法は操作が煩雑で、コストが高くなり、量産化に
は不適当である。
【0007】(3)熱処理法として、例えばグラッシー
カーボン電極を2×10-6Torr以下の高真空下にて72
5℃の高温で熱処理法することによって、電極でのFe
(CN)6 3-/4-の酸化還元反応速度やアスコルビン酸の
酸化反応速度が増加する(D.T.Faganら、アナリティカ
ル・ケミストリー(Analytical Chemistry)、第57巻
第2759頁(1985))。しかしながら、この方法
は操作が煩雑であり、また、絶縁性の基板上にカーボン
電極を設けた系では,耐熱性の絶縁性基板を使用する必
要があり、コストが高くなり、量産化には不適当であ
る。
【0008】(4)化学的な処理方法として、例えばカ
ーボン電極表面を、縮合試薬とポリアミノ酸を用いてポ
リアミノ酸修飾することによって、カーボン電極表面と
Fe(CN)6 3-/4-との静電的反発が解消され、速い電
子移動が観測される(谷口ら,電気化学協会第60回大
会,講演要旨集,第242頁,1993)。しかしなが
ら、この方法は操作が煩雑であり、また、高価なポリア
ミノ酸を用いるので、コストが高くなり、量産化には不
適当である。
【0009】更に、電極上に界面活性剤層を形成した例
が、特開平第4−212050号公報が記載されてい
る。しかしながら、この場合では、電極上の濡れ性を良
くし、電極上に溶液を展開した際に溶液が電極上ではじ
かれることを防ぎ、また、乾燥後の層の剥離を防ぐこと
が目的であり、本発明のアニオン性化学種を小さな印加
電圧で精度よく測定する目的とは全く異なるものであ
る。また、使用している電極もカーボン電極に限定され
ておらず、界面活性剤もカチオン界面活性剤に限定され
ていない。使用できる界面活性剤の例として、ノニオン
界面活性剤やアニオン界面活性剤が挙げられているが、
カーボン電極上に、これらのノニオン界面活性剤やアニ
オン界面活性剤を形成しても、以下に説明するような本
発明の作用効果は得られない。従って、特開平第4−2
12050号公報に記載の技術は、本願発明と全く異な
る技術である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】カーボン電極とFe
(CN)6 3-/4-のようなアニオン性化学種との電極反応
においては、双方のアニオン性のため静電的反発を生
じ、電極反応の抑制が起こり、過電圧が大きくなるの
で、十分な電流値を得るためには大きな印加電圧が必要
となる。従って、カーボン電極を用いてFe(CN)6
3-/4-のようなアニオン性化学種の濃度の測定等を行う
場合には、上述のように、共存物質の電解電流により妨
害を受けて測定精度が悪くなり、また、消費電力も大き
くなるという問題点がある。
【0011】このような問題点の解決策として、上述の
ような処理方法が提案されていが、いずれの方法も操作
が煩雑で、コストが高くなり、従って、量産化には不適
当である。そこで、本発明が解決しようとする課題は、
アニオン性化学種の濃度測定を簡便で安価に、かつ、精
度よく測定できる電気化学センサに用いるカーボン電極
およびその製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決すべく鋭意検討を進めた結果、カーボン材
料を有して成るカーボン電極の表面を、カチオン界面活
性剤で処理することによりアニオン性化学種、例えばF
e(CN)6 3-/4-の濃度測定を簡便で安価に、かつ、精
度よく測定できることを見出した。本発明において、ア
ニオン性化学種とは、溶液中で負に帯電した原子または
原子団を意味し、例えばヒドロキシスルホン酸、アント
ラキノン−2,6−ジスルホン酸、シュウ酸鉄、フェロ
センジカルボン酸、ヘキサシアノルテニウム酸などを例
示できる。
【0013】従って、第1の要旨において、本発明は、
基材上にカーボン材料で形成されたカーボン電極部を有
して成るカーボン電極であって、カーボン電極部の少な
くとも電極として有効に作用する部分(以下、有効電極
部とも呼ぶ)がカチオン界面活性剤により処理されてい
るカーボン電極を提供する。
【0014】また、第2の要旨において、本発明は、上
記第1の要旨のカーボン電極の製造方法であって、カー
ボン電極のカーボン電極部の少なくとも有効電極部をカ
チオン界面活性剤溶液に浸漬し、その後、必要に応じて
洗浄するか、または少なくとも有効電極部にカチオン界
面活性剤溶液を塗布し、溶液を乾燥することを特徴とす
るカーボン電極の製造方法を提供する。従って、本発明
の方法は、きわめて簡便であり、また、安価にカーボン
電極を製造できる。
【0015】本発明において、カーボン電極とは、電極
材料にカーボンを含む材料を用いた電極を意味する。カ
ーボン電極の電極部に使用されるカーボン材料は、特に
限定されるものではなく、従来からカーボン電極におい
て使用されているものであればよく、例えば、グラファ
イト、パイロリティックグラファイト、グラッシーカー
ボン、カーボンペースト、カーボンファイバーを使用で
きる。
【0016】このようなカーボン材料は、常套の方法に
よって基材(例えばポリエチレンテレフタレート製)上
に電極部として、好ましくは層状の電極部として、配置
される。通常、カーボン材料を樹脂バインダー等により
ペースト状にしたものをスクリーン印刷し、それを乾燥
することにより電極部を形成できる。更に、電極部を電
流測定装置に接続するためのリード線を、例えばスクリ
ーン印刷により銀リードを、カーボン電極部と接触する
ように配置する。典型的には、カーボン電極部を形成し
た後に、電極部は、電極として作用する部分(即ち、有
効電極部)のみを露出させた状態で絶縁材料を、例えば
絶縁性ペーストの層を、例えば積層することにより、配
置して絶縁してカーボン電極が完成する。
【0017】本発明のカーボン電極の製造方法におい
て、カチオン界面活性剤溶液による処理は、絶縁材料を
配置した後に、または、カーボン材料および場合により
リード線材料を配置した後であって、絶縁材料を配置す
る前に、実施してよいが、製造工程上簡便であるので、
特に好ましいのは絶縁材料を配置した後に処理する方法
である。
【0018】このようなカーボン電極の構造およびその
製造方法は、公知であり、例えば、特開平5−1647
24号公報を参照でき、本明細書においてもこれを参照
できる。本発明においては、電極部の全面をカチオン界
面活性剤により処理する必要は必ずしもなく、少なくと
も実際に電極として作用する部分のみを処理するだけで
十分である。
【0019】本発明において、使用できるカチオン界面
活性剤とは、溶解または分散したときに、イオンに解離
してカチオン性を示す界面活性剤を意味し、例えば、ア
ミン塩、第4級アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホス
ホニウム塩のような種類の界面活性剤であり、具体的に
はヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、アル
キルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルア
ンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニム塩、ア
ルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−
1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジ
アルキルモルホリニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂
肪酸アミド塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドの
尿素縮合物の塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド
尿素縮合物の第4級アンモニウム塩、酸性溶液中でカチ
オン界面活性剤となる両性界面活性剤であるN,N−ジ
メチル−N−アルキル−N−カルボキシアルキレンアン
モニウムベタイン、N,N−ジアルキル−アミノアルキ
レンカルボン酸塩、N,N,N−トリアルキル−N−ス
ルホアルキレンアンモニウムベタインを例示することが
できる。
【0020】本発明において、カチオン界面活性剤によ
る処理とは、カチオン界面活性剤の界面活性基をカーボ
ン電極の電極部の表面に付着させるためのいずれの処理
であってもよい。具体的には、カチオン界面活性剤の溶
液中に電極部を浸漬する処理、カチオン界面活性剤の溶
液を電極部に塗布する処理などを例示できる。
【0021】カチオン界面活性剤を溶解する溶媒は、特
に限定されないが、通常、水、メタノール、エタノー
ル、イソロプロピルアルコール、アセトンである溶媒を
使用でき、特に、水、エタノールを使用するのが好まし
い。また、溶液中の界面活性剤の濃度も特に限定される
ものではなく、使用する界面活性剤に応じて適当に選択
できるが、通常、0.01〜10wt/v%、好ましくは0.
1〜2wt/v%、例えば1wt/v%の濃度の溶液を使用すれ
ば十分である。更に、処理温度も、使用する界面活性剤
に応じて適当に選択できるが、通常、5〜50℃、好ま
しくは10〜30℃、例えば20℃にて処理すれば十分
である。通常、溶液で処理した後、必要に応じて洗浄、
例えば水洗し、これを、使用するカチオン界面活性剤に
応じて適当な温度、通常、20〜100℃にて、例えば
室温にて乾燥する。例えば、浸漬による処理の場合に
は、一般的に、浸漬後に洗浄するのが好ましい。また、
例えば、塗布による処理の場合には、一般的に、塗布の
後には洗浄せずに、そのまま乾燥するのが好ましい。
【0022】第3の要旨において、本発明は、上述の本
発明の第2の要旨のカーボン電極の電極部の少なくとも
有効電極部上に、少なくとも酵素および電子伝達体(メ
ディエータ)、例えばフェリシアン化カリウムを含んで
成る固相化された反応層を有するバイオセンサを提供す
る。
【0023】本発明において反応層とは、測定すべき成
分と酵素反応する層を意味し、酵素反応およびその後の
電子伝達体との反応の結果として生じる酸化電流または
還元電流を測定できるようにする層を意味する。本発明
のバイオセンサにおいて使用できる酵素は、一般的にバ
イオセンサに使用されているものであれば特に限定され
るものではなく、酸化還元酵素のような酵素であり、具
体的には、グルコースオキシダーゼ、アルコールオキシ
ダーゼ、乳酸オキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナー
ゼなどを例示できる。
【0024】本発明のバイオセンサは、カーボン電極の
有効電極部を上述のようにカチオン界面活性剤により処
理することを除いて、カーボン電極を有して成るバイオ
センサを製造する常套の方法により製造できる。このバ
イオセンサの常套の製造法については、例えば特開平5
−164724号公報に記載され、本明細書においても
これを参照できる。例えば、本発明のバイオセンサは、
上述のようにして得られた本発明のカーボン電極におい
て、作用する電極部上に少なくとも酵素および電子伝達
体を含んで成る溶液、例えばりん酸緩衝溶液を塗布し
て、その後、乾燥することにより製造することができ
る。
【0025】
【作用】−COOH、−C=O、−OH等の含酸素官能
基の解離によりアニオン性表面になっているカーボン電
極表面をカチオン界面活性剤で処理してカーボン電極表
面のアニオン性を消失させることによって、Fe(C
N)6 3-/4-のようなアニオン性化学種とカーボン電極と
の静電的反発が解消し、過電圧を小さくすることがで
き、従って、アニオン性化学種を小さな印加電圧で精度
よく測定することが可能となる。更に、Fe(CN)6
3-/4-のようなアニオン性化学種を電子伝達体として用
いるアンペロメトリックセンサやバイオセンサにおいて
は、このようなカチオン界面活性剤処理電極を用いるこ
とにより電子伝達体を小さな印加電圧で精度よく測定す
ることが可能となるので、測定精度の向上が可能とな
る。
【0026】前記の方法によりカチオン界面活性剤で処
理したカーボン電極では、カチオン界面活性剤はカーボ
ン電極に吸着しており、電極の表面状態が均一化されて
性能が一定なカーボン電極を得ることができる。また、
毛糸くずのような、いわゆる空気中のほこり成分には、
正の電荷に帯電している物質が多く存在し、それらがカ
ーボン電極表面のアニオン性に引きつけ,られて吸着
し、電極表面が汚染される現象が起こるという問題があ
る。しかしながら、カチオン界面活性剤によりカーボン
電極表面の作用部分を処理することによって、カーボン
電極表面のアニオン性は消失し、前記の電極表面が汚染
される現象を防ぐことができ、保存安定性に優れたカー
ボン電極を得ることができる。
【0027】
【実施例】添付図面を参照して、本発明を実施例により
更に具体的に説明する。実施例1 (電極の作製) 本発明の電極を上から見た図(平面図)の一例を図1に
示す。ポリエチレンテレフタレートからなる絶縁性の基
板1上に、スクリーン印刷法によって、銀リード線5付
きカーボン電極2(測定極)および3(対極)を形成し
た(斜線部分)。次に、その上に絶縁性ペーストを印刷
し、絶縁層6を形成して所定の作用電極部のみを露出さ
せた。図示した態様では、円6内で有効電極部が露出し
ている。得られた電極を、カチオン界面活性剤であるヘ
キサデシルトリメチルアンモニウムブロミドの1%水溶
液中に常温で1分間浸漬した後、流水で洗浄し、60℃
で10分間乾燥機で乾燥してカチオン界面活性剤処理カ
ーボン電極を得た。
【0028】実施例2(電極反応の測定) カーボン電極のカチオン界面活性剤による処理効果をF
e(CN)6 3-/4-の電極反応により調べた。実施例1に
おいて作製したカチオン界面活性剤処理カーボン電極
を、5mMのフェロシアン化カリウムおよび5mMのフ
ェリシアン化カリウムを含む0.1Mりん酸緩衝液(p
H7.4)に入れ、サイクリックボルタモグラムを測定
し、その結果を図2の曲線(a)で示す。尚、カチオン
界面活性剤で処理していないカーボン電極を用いて同様
の測定を行なった結果を図2の曲線(b)に示した。処
理していないカーボン電極の場合、曲線(b)のピーク
電位の分離幅(ΔE)が大きく電流値が小さい波形であ
るに対して、カチオン界面活性剤で処理した電極の場
合、曲線(a)のピーク電位の分離幅(ΔE)が小さく
電流値の大きい波形が得られた。即ち、小さな印加電圧
で大きな電流を得ることが可能であることがわかる。
【0029】実施例3(フェロシアン化カリウムの測
定) 実施例1において作製した電極を用いて、フェロシアン
化カリウムの濃度を変えて、100mVの電圧を印加し
て、5秒後の電流値を測定した結果を図3に示す。図3
の(a)がカチオン界面活性剤処理カーボン電極を用い
た時の測定結果であり、図3の(b)がカチオン界面活
性剤で処理していないカーボン電極を用いた時の測定結
果である。図3(b)に対して図3(a)では3倍以上
の高い感度が得られた。また、カチオン界面活性剤で処
理していないカーボン電極を用いて、300mVの電圧
を印加して同様に測定した結果を図3にて(c)により
示した。カチオン界面活性剤で処理していないカーボン
電極を用いた場合に、図3(a)と同様の感度を得るた
めには、3倍以上の大きな印加電圧が必要であることが
判る。
【0030】実施例4(グルコースの測定) 実施例1にて作製したカーボン電極2および3上に50
mMのフェリシアン化カリウム及び500U/mlのグ
ルコースオキシダーゼ(GOD)を含むpH7.4のり
ん酸緩衝溶液を滴下して乾燥し、フェリシアン化カリウ
ム及び酵素を電極上に固相化した。次に、前記のように
して作製した電極上に試料液としてグルコース溶液を滴
下し、25秒後に、対極3を基準にして測定極2に10
0mVの電圧を印加して、5秒後の電流値を測定し、そ
の結果を図4に示す。図4において(a)はカチオン界
面活性剤処理カーボン電極を用いた時の測定結果であ
る。グルコースオキシダーゼを触媒として、試料液中の
グルコースが酸化されると同時にフェリシアン化カリウ
ムが還元されフェロシアン化カリウムになる。そして、
上記電圧の印加により、フェロシアン化カリウムの濃度
に基づく酸化電流が得られ、この電流値は基質であるグ
ルコース濃度に対応していることが判る。
【0031】図4において(b)はカチオン界面活性剤
で処理していないカーボン電極を用いた時の測定結果で
ある。図4において、(b)に対して(a)では3倍以
上の高い感度が得られた。また、カチオン界面活性剤で
処理していないカーボン電極を用いて300mVの電圧
を印加して同様に測定した結果を図4にて(c)により
示した。従って、カチオン界面活性剤で処理していない
カーボン電極を用いた時では、図4(a)と同様の感度
を得るためには3倍以上の大きな印加電圧が必要であ
る。尚、前記実施例では、カチオン界面活性剤としてヘ
キサデシルトリメチルアンモニウムブロミドを用いた
が、先に例示した他のカチオン界面活性剤を上述のよう
な実施例において使用できるのは言うまでもなく、ヘキ
サデシルトリメチルアンモニウムブロミドに制限される
ことはない。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば,カーボン電極表面を,
カチオン界面活性剤で処理することによって、Fe(C
N)6 3-/4-のようなアニオン性化学種とカーボン電極と
の静電的反発が消失し、小さな印加電圧でFe(CN)
6 3-/4-のようなアニオン性化学種を精度よく測定するこ
とが可能となり、しかも、保存安定性に優れたカーボン
電極を簡便で安価に量産することができる。よって、F
e(CN)6 3-/4-のようなアニオン性化学種を電子伝達
体として用いるアンペロメトリックセンサやバイオセン
サにおいては、このようなカチオン界面活性剤処理電極
を用いることにより、高性能なセンサを簡便で安価に量
産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のカーボン電極の模式的平面
図である。
【図2】 図2は、実施例にて測定したサイクリックボ
ルタモグラムの結果を示すグラフである。
【図3】 図3は、実施例のフェロシアン化カリウム応
答の結果を示すグラフである。
【図4】 図4は、実施例のグルコース応答の結果を示
すグラフである。
【符号の説明】
1…基板、2…カーボン電極(測定極)、3…カーボン
電極(対極)、4…絶縁層、5…リード線。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上にカーボン材料で形成されたカー
    ボン電極部を有して成るカーボン電極であって、カーボ
    ン電極部の少なくとも電極として有効に作用する部分が
    カチオン界面活性剤により処理されていることを特徴と
    するカーボン電極。
  2. 【請求項2】 絶縁性の基板上にカーボン電極を設け、
    次いで、この電極の少なくとも電極として有効に作用す
    る部分をカチオン界面活性剤により処理することを特徴
    とするカーボン電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 カーボン電極のカーボン電極部の少なく
    とも電極として有効に作用する部分をカチオン界面活性
    剤溶液に浸漬し、その後、必要に応じて洗浄することを
    特徴とする請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 カーボン電極のカーボン電極部の少なく
    とも電極として有効に作用する部分にカチオン界面活性
    剤溶液を塗布し、溶液を乾燥することを特徴とする請求
    項2記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 絶縁性の基板上にカーボン電極を設け、
    次いで、この電極をカチオン界面活性剤により処理し、
    その後、電極上に少なくとも酵素および電子伝達体を含
    む溶液を塗布、乾燥して反応層を形成したことを特徴と
    するバイオセンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のカーボン電極におい
    て、処理された電極として有効に作用する部分上に、酵
    素および電子伝達体を含んで成る反応層が形成されてい
    るバイオセンサ。
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