JPH085682A - 電気抵抗測定方法および電気抵抗測定装置 - Google Patents

電気抵抗測定方法および電気抵抗測定装置

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JPH085682A
JPH085682A JP6159231A JP15923194A JPH085682A JP H085682 A JPH085682 A JP H085682A JP 6159231 A JP6159231 A JP 6159231A JP 15923194 A JP15923194 A JP 15923194A JP H085682 A JPH085682 A JP H085682A
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秀昭 菊地
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孝軒 車
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 活線状態のままで、導体10の抵抗測定の対
象となる区間の抵抗Rを測定する。 【構成】 導体10の抵抗測定の対象となる区間の両端
に、測定端子14,14を当接して電圧vを測定す
る。また、導体10に、矩形で同じ形状しかも同じ巻数
の第1検出コイル16と第2検出コイル18を所定寸法
だけずらして接近させ、第1と第2検出コイル16,1
8に誘起される電圧v,vを測定する。さらに、こ
れらの電圧v,vから導体10に流れる交流電流i
の実効値Iを演算する。そして、電圧vと電圧v
波形の位相差θ′を演算し、測定された電圧vと抵抗
による電圧降下eの位相差θをθ=90−θ′か
ら演算する。これらの電圧vの実効値Vと交流電流
iの実効値Iおよび位相差θから、抵抗Rを演算す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接続部等の導体の抵抗
を、交流電流が流れる活線状態で測定できるようにした
電気抵抗測定方法に関するものである。
【0002】また、上記電気抵抗測定方法を用いて導体
の抵抗を測定するための電気抵抗測定装置に関するもの
である。
【0003】
【従来の技術】導体の抵抗を測定する従来の方法の1つ
として、導体を停電状態として、抵抗測定すべき箇所の
両端に電流印加用端子と電圧測定用端子をそれぞれ設
け、測定箇所に所定直流電流を外部から印加し、この直
流電流による電圧降下を測定し、電流と電圧から抵抗値
を算出するものが知られている。
【0004】また、活線状態のまま導体の抵抗を測定す
る方法としては、測定すべき箇所の両端に電圧測定用端
子を設け、導体に流れる交流電流をクランプメータ等で
測定し、導体に流れる交流電流による電圧降下を測定し
て抵抗値を算出するものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の停電状
態として導体の抵抗を測定する方法にあっては、測定用
端子を導体に接続する部分の抵抗が測定結果に大きな影
響を与え、誤差が大きい。また、送電線路や変電所設備
等の高圧の裸導体を停電状態とすれば、電力供給等に対
する影響が極めて大きく、実際問題として容易には測定
することができない。そこで、送電線路の新規な装架や
交換等の際に用いることができるにすぎない。
【0006】また、上記した活線状態のまま導体の抵抗
を測定する方法にあっては、測定すべき抵抗による電圧
降下を正確に測定することができず、測定誤差が大き
い。これは、導体と電圧降下を測定するための回路によ
り1つの閉回路が形成され、この閉回路に、導体を流れ
る交流電流により導体の回りに生じる磁束によって誘導
起電力が生じ、この誘導起電力に電圧降下が加わった電
圧が測定されるためである。特に、導体の抵抗が小さけ
れば誘導起電力に対して相対的に抵抗による電圧降下が
小さく、誤差も大きなものとなる。
【0007】したがって、活線状態のままで、導体の抵
抗を正確に測定できる電気抵抗測定方法およびそのため
の装置の開発が要望されていた。
【0008】本発明は、上記のごとき従来の事情に鑑み
てなされたもので、活線状態のままで導体の抵抗を正確
に測定し得る電気抵抗測定方法および電気抵抗測定装置
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の電気抵抗測定方法は、活線状態にある導
体の抵抗測定の対象となる区間の両端に測定端子を接続
して電圧を測定し、2つの検出コイルを、前記導体に流
れる交流電流により生ずる磁束が鎖交するように向けて
しかも前記導体への相対距離を所定寸法だけずらした状
態で前記導体に接近させて、これらの2つの検出コイル
に誘起される誘導起電力をそれぞれ測定し、これらの2
つの誘導起電力から前記検出コイルのいずれか一方と前
記導体との接近距離を演算し、この接近距離と当該検出
コイルに誘起された誘導起電力から前記導体に流れる前
記交流電流を演算し、前記抵抗測定の対象となる区間で
測定された電圧の波形と、前記検出コイルのいずれか一
方に誘起される誘導起電力の波形とから両波形の位相差
を検出し、前記測定された電圧と前記位相差から、抵抗
測定の対象となる区間で生ずる電圧降下を演算し、この
電圧降下と前記演算された前記交流電流とから、抵抗測
定の対象となる区間の抵抗が演算される。
【0010】そして、前記2つの検出コイルが、矩形コ
イルであるとともに、同じ寸法および同じ巻数で、しか
も前記導体に流れる交流電流により生ずる磁束の方向に
コイル軸を向けて配設しても良い。
【0011】さらに、前記2つの検出コイルに代えて、
2つのホール素子を、前記導体に流れる交流電流により
生ずる磁束により電圧が生ずるように向けて、しかも導
体への相対距離を所定寸法だけずらした状態で前記導体
に接近させ、これらの2つのホール素子に生ずる電圧を
それぞれ測定してこれらの電圧から前記交流電流を演算
し、また前記ホール素子に生じる電圧の波形と前記抵抗
測定の対象となる区間の両端で測定された電圧の波形と
から両波形の位相差を検出しても良い。
【0012】また、本発明の電気抵抗測定装置は、活線
状態にある導体の抵抗測定の対象となる区間の両端に測
定端子を接続して電圧を測定する電圧測定手段と、2つ
の検出コイルを、前記導体に流れる交流電流により生ず
る磁束の方向にコイル軸を向けた姿勢でしかも前記導体
への相対距離を所定寸法だけずらした状態で、前記導体
に接近させ、これらの2つの検出コイルに誘起される誘
導起電力をそれぞれ測定する誘導起電力測定手段と、前
記電圧測定手段で測定される電圧の波形と、いずれか一
つの前記検出コイルに誘起される誘導起電力の波形とか
ら位相差を検出する位相差検出手段と、測定された2つ
の前記誘導起電力から、前記検出コイルのいずれか一方
と前記導体の接近距離を演算し、この接近距離と当該検
出コイルの誘導起電力から前記導体に流れる交流電流を
演算する電流演算手段と、前記電圧測定手段で測定され
た電圧と、前記位相差検出手段で検出された位相差から
前記抵抗測定の対象となる区間で生ずる電圧降下を演算
し、この電圧降下と前記電流演算手段で演算された前記
交流電流とから前記抵抗測定の対象となる区間の抵抗値
を演算する抵抗演算手段と、を備えて構成されている。
【0013】そして、前記2つの検出コイルに代えて、
2つのホール素子を前記導体への相対距離と所定寸法だ
けずらした状態で前記導体に接近させ、前記導体を流れ
る交流電流により生ずる磁界の強さに応じた電圧を生じ
るようにし、これらの2つのホール素子に生じる電圧を
ホール素子電圧測定手段でそれぞれ測定し、これらの電
圧から電流演算手段で前記交流電流を演算し、ホール素
子に生じる電圧の波形と前記抵抗測定の対象となる区間
の両端で測定された電圧の波形とから位相差検出手段で
両波形の位相差を検出するように構成しても良い。
【0014】さらに、装置をセンサ部と計測部の2つに
分け、前記センサ部に少なくとも前記測定端子と2つの
検出コイルまたは2つのホール素子とを備え、前記計測
部に少なくとも前記電流演算手段と抵抗演算手段を備え
て構成することもできる。
【0015】またさらに、前記センサ部に電気−光変換
手段を設け、前記計測部に光−電気変換手段を設け、前
記電気−光変換手段と前記光−電気変換手段の間を光フ
ァイバーケーブルで接続し、前記センサ部で得られたデ
ータを光信号として前記計測部に伝送するように構成す
ることもできる。
【0016】
【作 用】請求項1および3記載の電気抵抗測定方法に
あっては、活線状態のままで導体の抵抗測定ができる。
しかも、導体を流れる交流電流により生ずる誘導起電力
による測定誤差を生ずることがない。
【0017】そして、請求項2記載の電気抵抗測定方法
にあっては、導体を流れる交流電流を演算するのに、2
つの同じ寸法と巻数の矩形の検出コイルを用いているの
で、交流電流を演算するための演算式が簡単なものとな
り、それだけ演算手段が簡単となるとともに迅速に演算
がなし得る。
【0018】また、請求項4および5記載の電気抵抗測
定装置にあっては、測定端子と、2つの検出コイルまた
は2つのホール素子とを、導体に一側方から当接および
接近させることで、活線状態の導体の抵抗を測定し得
る。そこで、測定に必要となる動作が簡単であり、遠隔
操作棒等による操作を容易になし得る。
【0019】さらに、請求項6記載の電気抵抗測定装置
にあっては、装置をセンサ部と計測部とに分けたので、
センサ部のみを遠隔操作棒等の先端に設けることがで
き、操作すべき部材の軽量化が図られる。しかも、計測
部を導体から離して設けることができ、計測部が導体の
周囲に生じる磁界により受ける悪影響を少なくし得る。
【0020】またさらに、請求項7記載の電気抵抗測定
装置にあっては、光信号によってデータの伝送を行なう
ので、信号径路においてデータに電気的雑音が重畳され
ることがない。しかも、センサ部と計測部を電気的に絶
縁し得る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の電気抵抗測定方法の一実施例
を図1乃至図3を参照して説明する。図1は、本発明の
電気抵抗測定方法の原理を説明するための図であり、図
2は、抵抗測定の対象となる区間の両端に測定端子を接
続させて電圧測定したときの測定電圧の内容を説明する
図であり、図3は、測定電圧の波形と誘導起電力の波形
との位相差を説明する図である。
【0022】まず、活線状態にある導体10の抵抗R0
が測定の対象となる区間の両端に、電圧測定手段12の
測定端子14,14が接続される。また、導体10と同
一平面上で、導体10に非接触で接近させて第1検出コ
イル16と第2検出コイル18とが配設される。これら
の第1と第2検出コイル16,18は、同じ縦と横のl
1×l2の寸法の矩形形状であり、同じ巻数Nを有する。
しかも、矩形形状の長辺を導体10に平行とし、第1と
第2検出コイル16,18はギャップGだけ離れて平行
に配置される。そして、コイル軸は、導体10に流れる
交流電流iにより導体10の周囲に生じる磁束の方向と
合致する姿勢とされる。さらに、第1と第2検出コイル
16,18には、磁束により誘起される誘導起電力を測
定する第1と第2誘導起電力測定手段20,22が介装
される。なお、導体10と第1検出コイル16の距離r
は未知数である。
【0023】かかる構成において、電圧測定手段12に
より測定される電圧V0は、導体10に流れる交流電流
iと測定されるべき抵抗R0による電圧降下E0と、導体
10と測定端子14,14および電圧測定手段12によ
り形成される閉回路に交流電流iによる磁束が鎖交して
誘起される誘導起電力E1が合成されたものである。こ
こで、誘導起電力E1は、電圧降下E0に対して90度位
相がずれたものであり、図2のごとく示される。そこ
で、電圧V0と誘導起電力E1の位相差および交流電流i
の実効値Iが測定できれば、抵抗R0を正確に演算し得
る。
【0024】交流電流iの実効値Iの測定には、第1と
第2検出コイル16,18の誘導起電力V1,V2から演
算により求める。ここで、V1,V2は数1,数2で示さ
れる。
【数1】
【数2】 ここで、μ0は真空透磁率、Iは交流電流iの実効値、
fは交流電流iの周波数、Nは第1と第2検出コイルの
巻数である。
【0025】そして、第1と第2検出コイル16,18
の誘導起電力V1とV2の比を求めれば数3となる。
【数3】
【0026】ここで、コイルの寸法l1とギャップGは
既知数であるから、外挿法等によってrを演算により求
めることができる。
【0027】さらに、数1は、数4と書き直すことがで
き、この数4に演算から求められたrを挿入すること
で、交流電流iの実効値Iが演算できる。
【数4】
【0028】なお、この交流電流Iを演算する技術は、
特許出願人が先に出願した特願平5−339492号に
詳記される。
【0029】また、電圧測定手段12の電圧V0の波形
と、第1検出コイル16の第1誘導起電力測定手段20
の誘導起電力V1の波形とから、位相差が求められる。
すなわち、図3に示すごとく、電圧V0の波形が零電圧
となる点P1,P2から周期が演算され、電圧V0の波形
が正から零電圧となる点P2と誘導起電力V1が正から零
電圧となる点P3の遅れθ′から、位相差が求められ
る。
【0030】そこで、測定されるべき抵抗R0による電
圧降下E0はE0=V0・sinθ′=V0・cosθと示
せる。ここでθ=90−θ′である。さらに、この電圧
降下E0と交流電流iの実効値Iから、抵抗R0はR0
0/Iで演算し得る。
【0031】次に、上記電気抵抗測定方法の実施に用い
る電気抵抗測定装置につき、図4および図5を参照して
説明する。図4は、本発明の電気抵抗測定装置の一実施
例のブロック回路図であり、図5は、電気抵抗を測定す
るためのフローチャートの一例であり、(a)は全体の
工程を示し、(b)は位相差を演算する工程を示す。
【0032】図4において、遠隔操作棒(図示せず)の
先端部にセンサ部30が設けられる。このセンサ部30
には、導体10の抵抗R0が測定の対象となる区間の両
端に当接して電気接続される測定端子14,14が設け
られるとともに、第1検出コイル16と第2検出コイル
18が上記電気抵抗測定方法で説明したごとき形状およ
び姿勢で配設される。さらに、測定端子14,14と、
第1検出コイル16および第2検出コイル18の出力端
子がデータ変換部32に接続され、測定端子14,14
間の電圧V0の波形、第1と第2検出コイル16,18
に誘起される第1と第2誘導起電力V1,V2の波形が適
宜なデータにそれぞれ変換される。そして、データ変換
部32から出力される電気信号としてのデータが、電気
−光変換手段34に与えられ、データが光信号に変換さ
れて光ファイバーケーブル36を伝送されて計測部40
に与えられる。
【0033】そして、計測部40がセンサ部30とは別
体で構成され、光ファイバーケーブル36により接続さ
れている。計測部40には、光ファイバーケーブル36
の一端が接続される光−電気変換手段42が設けられ、
光信号として伝送されるデータが電気信号に再び変換さ
れる。さらに、電気信号に変換されたデータがデータ記
憶部44に与えられて一時的に記憶保存される。これら
のデータは、マイクロコンピュータ等からなる演算部4
6に与えられ、後述する手順で演算処理されて抵抗R0
および交流電流iの実効値I等が表示部48および測定
記憶部50に与えられる。抵抗R0および交流電流iの
実効値Iの表示および記憶保存は、操作部52の適宜な
指示等で行なわれる。
【0034】センサ部30と計測部40には、それぞれ
適宜な駆動電源(図示せず)が内蔵されている。なお、
センサ部30にあっては、さらに別のコイルを設け、そ
のコイルの誘導起電力を駆動電源として利用しても良
い。
【0035】そして、演算部46の演算処理手順の一例
は、図5(a),(b)に示すとおりである。すなわ
ち、全体の手順としては、図5(a)に示すごとく、位
相差θの演算および交流電流iの実効値Iの演算に必要
となる各演算式および演算式における定数が設定されて
初期化される(ステップ)。次いで、図5(b)で後
述するごとくして、位相差θが演算される(ステップ
)。さらに、測定端子14,14間の電圧V0および
第1と第2検出コイル16,18の第1と第2誘導起電
力V1,V2の実効値が演算される(ステップ)。そし
て、第1と第2誘導起電力V1とV2の比から、導体10
と第1検出コイル16の距離rが演算される(ステップ
)。この距離rと、第1または第2誘導起電力V1
2のいずれか一方とから、交流電流iの実効値Iが演
算される(ステップ)。また、電圧V0と位相差θと
から、抵抗R0による電圧降下E0が演算され(ステップ
)、さらにこの電圧降下E0と交流電流iの実効値I
とから、抵抗R0が演算される(ステップ)。
【0036】位相差θの演算にあっては、まず図3に示
すごとき電圧V0の零点P1,P2と第1または第2誘導
起電力V1またはV2の零点P3とが検出される(ステッ
プa)。そして、零点P1とP2の時間間隔から電圧V0
の周期が演算され(ステップb)、また零点P3の零点
2に対する遅れ時間が演算される(ステップc)。こ
れらの電圧V0の周期と、零点P3の遅れ時間から、電圧
0に対する誘導起電力V1,V2の位相差θ′が演算さ
れる(ステップd)。そして、誘導起電力V1,V2と抵
抗R0による電圧降下E0とは90度の位相差があること
から、電圧降下E0と電圧V0との位相差θがθ=90−
θ′として演算される(ステップe)。
【0037】なお、図5(a)の手順において、ステッ
プにおいて、位相差θと電圧V0および交流電流iの
実効値Iが既に演算されていれば良く、位相差θの演算
に先だって、交流電流iの実効値Iの演算がなされても
良い。また、上記説明から明らかなように、機能的に
は、電圧測定手段12は、測定端子14,14と演算部
46で構成され、誘導起電力測定手段20,22は、第
1と第2検出コイル16,18と演算部46で構成さ
れ、位相差検出手段は、測定端子14,14と第1と第
2検出コイル16,18のいずれか一方と演算部46で
構成され、電流演算手段および抵抗演算手段は、演算部
46で構成されている。
【0038】かかる構成にあっては、導体10に生ずる
磁束に晒されるセンサ部30と、ここで得られたデータ
を演算処理する計測部40を別体として離して設けるこ
とで、計測部40に対する磁界の悪影響を極力小さなも
のとすることができ、演算処理が雑音等の侵入による誤
りを生ずる虞なしに行なうことができ、それだけ測定精
度を向上させ得る。しかも、センサ部30と計測部40
を分けることで、センサ部30が先端に設けられた遠隔
操作棒の軽量化を図ることができ、操作性に優れたもの
である。また、センサ部30と計測部40を光ファイバ
ーケーブル36で接続することで、光ファイバーケーブ
ル36を伝送中のデータに対して電気的雑音の重畳がな
く、しかもセンサ部30と計測部40を電気的に絶縁で
き、安全に電気抵抗測定がなし得る。
【0039】次に、本発明の電気抵抗測定方法および電
気抵抗測定装置の他の実施例につき、図6を参照して説
明する。図6は、本発明の電気抵抗測定装置の他の実施
例のブロック回路図である。図6において、図4と同一
部材等には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0040】図6に示す電気抵抗測定装置にあって、図
4に示す装置と相違するところは、第1と第2検出コイ
ル16,18に代えて、第1と第2ホール素子60,6
2が用いられ、これらの第1と第2ホール素子60,6
2で生じた電圧が増幅部64で適宜に増幅されてデータ
変換部32に電圧V1,V2として与えられる。第1と第
2ホール素子60,62は、導体10に対して相対距離
がLだけ離されて、第1ホール素子60が導体10に近
接した状態で接近される。導体10と第1ホール素子6
0との距離rは未知数である。しかも、第1と第2ホー
ル素子60,62は、導体10に流れる交流電流iによ
り導体10の周囲に生じる磁束の方向に対して最大感度
となるような姿勢とされる。さらに、第1と第2ホール
素子60,62に生じた電圧が、増幅部64で適宜な利
得で増幅されてデータ変換部32に電圧V1,V2として
与えられる。なお、ホール素子電圧測定手段は、第1と
第2ホール素子60,62と増幅部64および演算部4
6で構成される。
【0041】ここで、第1ホール素子60の位置におけ
る磁界強度H1は数5と示され、第2ホール素子62の
位置における磁界強度H2は数6と示される。
【数5】
【数6】
【0042】数5および数6から距離rと交流電流iの
実効値Iを求めると数7および数8となる。
【数7】
【数8】
【0043】そこで、第1と第2ホール素子60,62
に加わる磁界強度と増幅部64から出力される電圧
1,V2を適宜な関係に予め設定することで、数7,数
8から導体10の交流電流iの実効値Iを演算すること
ができる。
【0044】ところで、第1と第2ホール素子60,6
2で出力される電圧は、交流電流iと同位相である。そ
こで、測定端子14,14で測定される電圧V0と、増
幅部64から出力される電圧V1,V2との位相差は、電
圧V0と抵抗R0による電圧降下E0との位相差θを示
す。
【0045】したがって、第1と第2検出コイル16,
18を用いたものと同様に、図5に示す実施例にあって
も、位相差θと交流電流iの実効値Iが演算でき、抵抗
0を演算することができる。
【0046】なお、位相差θの演算において、交流電流
iの周期が交流電流の周波数から既知であるならば、電
圧V0の零点P1,P2を測定せず、零点P2のみを検出し
ても良い。ここで電圧V0および電圧V1の零点は、零レ
ベルを波形が同方向で交叉する点を検出すれば良い。ま
た、上記実施例では、波形のデータをセンサ部30から
計測部40に伝送しているが、これに限られず、電圧V
0,V1,V2の実効電圧値および零点P1,P2,P3のデ
ータをセンサ部30から計測部40に伝送しても良い。
かかる構成では零検出手段がセンサ部30に設けられる
ことは勿論である。さらに、第1と第2検出コイル1
6,18は、矩形コイルに限られず、円形コイルや楕円
形コイルや三角形コイルであっても良い。また、第1と
第2検出コイル16,18が異なる寸法形状および巻数
であっても良い。誘導起電力を示す式が相違する等によ
り、交流電流iの実効値Iを求める演算式が相違するこ
とは勿論である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、請求項1および3記載の本発明の電気抵抗測定方法
にあっては、抵抗測定の対象となる導体を活線状態のま
まで測定を行なうことができる。しかも、導体に流れる
交流電流により誘起される誘導起電力のために測定に誤
りを生ずることがなく、正確な測定が可能である。
【0048】そして、請求項2記載の電気抵抗測定方法
にあっては、導体を流れる交流電流を、検出コイルの誘
導起電力から演算する演算式が簡単であり、それだけ演
算が容易かつ確実になし得る。しかも、演算式が簡単な
だけ演算手段も簡単なもので良い。
【0049】また、請求項4および5記載の本発明の電
気抵抗測定装置にあっては、測定端子と、2つの検出コ
イルまたは2つのホール素子とを、導体に一側方から当
接および接近させれば良く、測定のために必要となる装
置の移動操作が容易であり、遠隔操作棒等による操作に
好適である。
【0050】さらに、請求項6記載の電気抵抗測定装置
にあっては、装置をセンサ部と計測部に分けたので、遠
隔操作棒の先端にセンサ部のみを設けることができ、移
動操作する部材の軽量化が図れ、操作が容易となる。し
かも、計測部を導体から離して設けることができ、計測
部が磁界による悪影響を受ける虞が少なく、演算操作が
確実になし得る。
【0051】またさらに、請求項7記載の電気抵抗測定
装置にあっては、光信号によりデータを伝送するので、
信号径路でデータに電気的雑音が重畳されることがな
く、データを確実かつ正確に伝送し得る。また、センサ
部と計測部を電気的に絶縁することができ、高電圧によ
り計測部の演算手段等が破損する虞がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気抵抗測定方法の原理を説明するた
めの図である。
【図2】抵抗測定の対象となる区間の両端に測定端子を
接続させて電圧測定したときの測定電圧の内容を説明す
る図である。
【図3】測定電圧の波形と誘導起電力の波形との位相差
を説明する図である。
【図4】本発明の電気抵抗測定装置の一実施例のブロッ
ク回路図である。
【図5】電気抵抗を測定するためのフローチャートの一
例であり、(a)は全体の工程を示し、(b)は位相差
を演算する工程を示す。
【図6】本発明の電気抵抗測定装置の他の実施例のブロ
ック回路図である。
【符号の説明】
10 導体 12 電圧測定手段 14 測定端子 16 第1検出コイル 18 第2検出コイル 20 第1誘導起電力測定手段 22 第2誘導起電力測定手段 30 センサ部 32 データ変換部 34 電気−光変換手段 36 光ファイバーケーブル 40 計測部 42 光−電気変換手段 44 データ記憶部 46 演算部 48 表示部 60 第1ホール素子 62 第2ホール素子 64 増幅部
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接続部等の導体の抵抗
を、交流電流が流れる活線状態で測定できるようにした
電気抵抗測定方法に関するものである。
【0002】また、上記電気抵抗測定方法を用いて導体
の抵抗を測定するための電気抵抗測定装置に関するもの
である。
【0003】
【従来の技術】導体の抵抗を測定する従来の方法の1つ
として、導体を停電状態として、抵抗測定すべき箇所の
両端に電流印加用端子と電圧測定用端子をそれぞれ設
け、測定箇所に所定直流電流を外部から印加し、この直
流電流による電圧降下を測定し、電流と電圧から抵抗値
を算出するものが知られている。
【0004】また、活線状態のまま導体の抵抗を測定す
る方法としては、測定すべき箇所の両端に電圧測定用端
子を設け、導体に流れる交流電流をクランプメータ等で
測定し、導体に流れる交流電流による電圧降下を測定し
て抵抗値を算出するものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の停電状
態として導体の抵抗を測定する方法にあっては、測定用
端子を導体に接続する部分の抵抗が測定結果に大きな影
響を与え、誤差が大きい。また、送電線路や変電所設備
等の高圧の裸導体を停電状態とすれば、電力供給等に対
する影響が極めて大きく、実際問題として容易には測定
することができない。そこで、送電線路の新規な装架や
交換等の際に用いることができるにすぎない。
【0006】また、上記した活線状態のまま導体の抵抗
を測定する方法にあっては、測定すべき抵抗による電圧
降下を正確に測定することができず、測定誤差が大き
い。これは、導体と電圧降下を測定するための回路によ
り1つの閉回路が形成され、この閉回路に、導体を流れ
る交流電流により導体の回りに生じる磁束によって誘導
起電力が生じ、この誘導起電力に電圧降下が加わった電
圧が測定されるためである。特に、導体の抵抗が小さけ
れば誘導起電力に対して相対的に抵抗による電圧降下が
小さく、誤差も大きなものとなる。
【0007】したがって、活線状態のままで、導体の抵
抗を正確に測定できる電気抵抗測定方法およびそのため
の装置の開発が要望されていた。
【0008】本発明は、上記のごとき従来の事情に鑑み
てなされたもので、活線状態のままで導体の抵抗を正確
に測定し得る電気抵抗測定方法および電気抵抗測定装置
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の電気抵抗測定方法は、活線状態にある導
体の抵抗測定の対象となる区間の両端に測定端子を接続
して電圧を測定し、2つの検出コイルを、前記導体に流
れる交流電流により生ずる磁束が鎖交するように向けて
しかも前記導体への相対距離を所定寸法だけずらした状
態で前記導体に接近させて、これらの2つの検出コイル
に誘起される誘導起電力をそれぞれ測定し、これらの2
つの誘導起電力から前記検出コイルのいずれか一方と前
記導体との接近距離を演算し、この接近距離と当該検出
コイルに誘起された誘導起電力から前記導体に流れる前
記交流電流を演算し、前記抵抗測定の対象となる区間で
測定された電圧の波形と、前記検出コイルのいずれか一
方に誘起される誘導起電力の波形とから両波形の位相差
を検出し、前記測定された電圧と前記位相差から、抵抗
測定の対象となる区間で生ずる電圧降下を演算し、この
電圧降下と前記演算された前記交流電流とから、抵抗測
定の対象となる区間の抵抗が演算される。
【0010】そして、前記2つの検出コイルが、矩形コ
イルであるとともに、同じ寸法および同じ巻数で、しか
も前記導体に流れる交流電流により生ずる磁束の方向に
コイル軸を向けて配設しても良い。
【0011】さらに、前記2つの検出コイルに代えて、
2つのホール素子を、前記導体に流れる交流電流により
生ずる磁束により電圧が生ずるように向けて、しかも導
体への相対距離を所定寸法だけずらした状態で前記導体
に接近させ、これらの2つのホール素子に生ずる電圧を
それぞれ測定してこれらの電圧から前記交流電流を演算
し、また前記ホール素子に生じる電圧の波形と前記抵抗
測定の対象となる区間の両端で測定された電圧の波形と
から両波形の位相差を検出しても良い。
【0012】また、本発明の電気抵抗測定装置は、活線
状態にある導体の抵抗測定の対象となる区間の両端に測
定端子を接続して電圧を測定する電圧測定手段と、2つ
の検出コイルを、前記導体に流れる交流電流により生ず
る磁束の方向にコイル軸を向けた姿勢でしかも前記導体
への相対距離を所定寸法だけずらした状態で、前記導体
に接近させ、これらの2つの検出コイルに誘起される誘
導起電力をそれぞれ測定する誘導起電力測定手段と、前
記電圧測定手段で測定される電圧の波形と、いずれか一
つの前記検出コイルに誘起される誘導起電力の波形とか
ら位相差を検出する位相差検出手段と、測定された2つ
の前記誘導起電力から、前記検出コイルのいずれか一方
と前記導体の接近距離を演算し、この接近距離と当該検
出コイルの誘導起電力から前記導体に流れる交流電流を
演算する電流演算手段と、前記電圧測定手段で測定され
た電圧と、前記位相差検出手段で検出された位相差から
前記抵抗測定の対象となる区間で生ずる電圧降下を演算
し、この電圧降下と前記電流演算手段で演算された前記
交流電流とから前記抵抗測定の対象となる区間の抵抗値
を演算する抵抗演算手段と、を備えて構成されている。
【0013】そして、前記2つの検出コイルに代えて、
2つのホール素子を前記導体への相対距離と所定寸法だ
けずらした状態で前記導体に接近させ、前記導体を流れ
る交流電流により生ずる磁界の強さに応じた電圧を生じ
るようにし、これらの2つのホール素子に生じる電圧を
ホール素子電圧測定手段でそれぞれ測定し、これらの電
圧から電流演算手段で前記交流電流を演算し、ホール素
子に生じる電圧の波形と前記抵抗測定の対象となる区間
の両端で測定された電圧の波形とから位相差検出手段で
両波形の位相差を検出するように構成しても良い。
【0014】さらに、装置をセンサ部と計測部の2つに
分け、前記センサ部に少なくとも前記測定端子と2つの
検出コイルまたは2つのホール素子とを備え、前記計測
部に少なくとも前記電流演算手段と抵抗演算手段を備え
て構成することもできる。
【0015】またさらに、前記センサ部に電気−光変換
手段を設け、前記計測部に光−電気変換手段を設け、前
記電気−光変換手段と前記光−電気変換手段の間を光フ
ァイバーケーブルで接続し、前記センサ部で得られたデ
ータを光信号として前記計測部に伝送するように構成す
ることもできる。
【0016】
【作 用】請求項1および3記載の電気抵抗測定方法に
あっては、活線状態のままで導体の抵抗測定ができる。
しかも、導体を流れる交流電流により生ずる誘導起電力
による測定誤差を生ずることがない。
【0017】そして、請求項2記載の電気抵抗測定方法
にあっては、導体を流れる交流電流を演算するのに、2
つの同じ寸法と巻数の矩形の検出コイルを用いているの
で、交流電流を演算するための演算式が簡単なものとな
り、それだけ演算手段が簡単となるとともに迅速に演算
がなし得る。
【0018】また、請求項4および5記載の電気抵抗測
定装置にあっては、測定端子と、2つの検出コイルまた
は2つのホール素子とを、導体に一側方から当接および
接近させることで、活線状態の導体の抵抗を測定し得
る。そこで、測定に必要となる動作が簡単であり、遠隔
操作棒等による操作を容易になし得る。
【0019】さらに、請求項6記載の電気抵抗測定装置
にあっては、装置をセンサ部と計測部とに分けたので、
センサ部のみを遠隔操作棒等の先端に設けることがで
き、操作すべき部材の軽量化が図られる。しかも、計測
部を導体から離して設けることができ、計測部が導体の
周囲に生じる磁界により受ける悪影響を少なくし得る。
【0020】またさらに、請求項7記載の電気抵抗測定
装置にあっては、光信号によってデータの伝送を行なう
ので、信号径路においてデータに電気的雑音が重畳され
ることがない。しかも、センサ部と計測部を電気的に絶
縁し得る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の電気抵抗測定方法の一実施例
を図1乃至図3を参照して説明する。図1は、本発明の
電気抵抗測定方法の原理を説明するための図であり、図
2は、抵抗測定の対象となる区間の両端に測定端子を接
続させて電圧測定したときの測定電圧の内容を説明する
図であり、図3は、測定電圧の波形と誘導起電力の波形
との位相差を説明する図である。
【0022】まず、活線状態にある導体10の抵抗R
が測定の対象となる区間の両端に、電圧測定手段12の
測定端子14,14が接続される。また、導体10と同
一平面上で、導体10に非接触で接近させて第1検出コ
イル16と第2検出コイル18とが配設される。これら
の第1と第2検出コイル16,18は、同じ縦と横のl
×lの寸法の矩形形状であり、同じ巻数Nを有す
る。しかも、矩形形状の長辺を導体10に平行とし、第
1と第2検出コイル16,18はギャップGだけ離れて
平行に配置される。そして、コイル軸は、導体10に流
れる交流電流iにより導体10の周囲に生じる磁束の方
向と合致する、姿勢される。さらに、第1と第2検出コ
イル16,18には、磁束により誘起される誘導起電力
を測定する第1と第2誘導起電力測定手段20,22が
介装される。なお、導体10と第1検出コイル16の距
離rは未知数である。
【0023】かかる構成において、電圧測定手段12に
より測定される電圧Vは、導体10に流れる交流電流
iと測定されるべき抵抗Rによる電圧降下eと、導
体10と測定端子14,14および電圧測定手段12に
より形成される閉回路に交流電流iによる磁束が鎖交し
て誘起される誘導起電力eが合成されたものである。
ここで、誘導起電力eは、電圧降下eに対して90
度位相がずれたものであり、v,e,eの実効値
をそれぞれV,E,Eとしてベクトル表示すれ
ば、図2のごとく示される。そこで、電圧vと誘導起
電力eの位相差および交流電流iが測定できれば、抵
抗Rを正確に演算し得る。
【0024】交流電流iの測定には、第1と第2検出コ
イル16,18の誘導起電力により発生する電圧v
から演算により求める。ここで、式の簡略化のため
にi,v,vの実効値をそれぞれI,V,V
すれば、V,Vは数1,数2で示される。
【数1】
【数2】 ここで、μは真空透磁率、fは交流電流iの周波数、
Nは第1と第2検出コイルの巻数である。
【0025】そして、第1と第2検出コイル16,18
に発生する電圧の実効値VとVの比を求めれば数3
となる。
【数3】
【0026】ここで、コイルの寸法lとギャップGは
既知数であるから、外挿法等によってrを演算により求
めることができる。
【0027】さらに、数1は、数4と書き直すことがで
き、この数4に演算から求められたrを挿入すること
で、交流電流iの実効値Iが演算できる。
【数4】
【0028】なお、この交流電流Iを演算する技術は、
特許出願人が先に出願した特願平5−339492号に
詳記される。
【0029】また、電圧測定手段12の電圧vの波形
と、第1検出コイル16の第1誘導起電力測定手段20
の電圧vの波形とから、位相差が求められる。すなわ
ち、図3に示すごとく、電圧vの波形が零電圧となる
点P,Pから周期が演算され、電圧vの波形が正
から零電圧となる点Pと電圧vが正から零電圧とな
る点Pのずれ角θ′から、位相差が求められる。
【0030】そこで、測定されるべき抵抗Rによる電
圧降下の実効値Eは、図2の関係からE=V・s
inθ′=V・cosθと示せる。ここでθ=90−
θ′である。さらに、この電圧降下Eと交流電流iの
実効値Iから、抵抗RはR=E/Iで演算し得
る。
【0031】次に、上記電気抵抗測定方法の実施に用い
る電気抵抗測定装置につき、図4および図5を参照して
説明する。図4は、本発明の電気抵抗測定装置の一実施
例のブロック回路図であり、図5は、電気抵抗を測定す
るためのフローチャートの一例であり、(a)は全体の
工程を示し、(b)は位相差を演算する工程を示す。
【0032】図4において、遠隔操作棒(図示せず)の
先端部にセンサ部30が設けられる。このセンサ部30
には、導体10の抵抗Rが測定の対象となる区間の両
端に当接して電気接続される測定端子14,14が設け
られるとともに、第1検出コイル16と第2検出コイル
18が上記電気抵抗測定方法で説明したごとき形状およ
び姿勢で配設される。さらに、測定端子14,14と、
第1検出コイル16および第2検出コイル18の出力端
子がデータ変換部32に接続され、測定端子14,14
間の電圧vの波形、第1と第2検出コイル16,18
に誘起される電圧v,vの波形が適宜なデータにそ
れぞれ変換される。そして、データ変換部32から出力
される電気信号としてのデータが、電気−光変換手段3
4に与えられ、データが光信号に変換されて光ファイバ
ーケーブル36を伝送されて計測部40に与えられる。
【0033】そして、計測部40がセンサ部30とは別
体で構成され、光ファイバーケーブル36により接続さ
れている。計測部40には、光ファイバーケーブル36
の一端が接続される光−電気変換手段42が設けられ、
光信号として伝送されるデータが電気信号に再び変換さ
れる。さらに、電気信号に変換されたデータがデータ記
憶部44に与えられて一時的に記憶保存される。これら
のデータは、マイクロコンピュータ等からなる演算部4
6に与えられ、後述する手順で演算処理されて抵抗R
および交流電流iの実効値I等が表示部48および測定
記憶部50に与えられる。抵抗Rおよび交流電流iの
実効値Iの表示および記憶保存は、操作部52の適宜な
指示等で行なわれる。
【0034】センサ部30と計測部40には、それぞれ
適宜な駆動電源(図示せず)が内蔵されている。なお、
センサ部30にあっては、さらに別のコイルを設け、そ
のコイルの誘導起電力を駆動電源として利用しても良
い。
【0035】そして、演算部46の演算処理手順の一例
は、図5(a),(b)に示すとおりである。すなわ
ち、全体の手順としては、図5(a)に示すごとく、位
相差θの演算および交流電流iの実効値Iの演算に必要
となる各演算式および演算式における定数が設定されて
初期化される(ステップ)。次いで、図5(b)で後
述するごとくして、位相差θが演算される(ステップ
)。さらに、測定端子14,14間の電圧vおよび
第1と第2検出コイル16,18の電圧v,vの実
効値が演算される(ステップ)。そして、これらの電
圧v,vの実効値VとVの比から、導体10と
第1検出コイル16の距離rが演算される(ステップ
)。この距離rと、電圧v,vの実効値V,V
のいずれか一方とから、交流電流iの実効値Iが演算
される(ステップ)。また、電圧vの実効値V
位相差θとから、抵抗Rによる電圧降下Eが演算さ
れ(ステップ)、さらにこの電圧降下Eと交流電流
iの実効値Iとから、抵抗Rが演算される(ステップ
)。
【0036】位相差θの演算にあっては、まず図3に示
すごとき電圧vの零点P,Pと電圧vまたはv
の零点Pとが検出される(ステップa)。そして、
零点PとPの時間間隔から電圧vの周期が演算さ
れ(ステップb)、また零点Pの零点Pに対する進
み時間が演算される(ステップc)。これらの電圧v
の周期と、零点Pの進み時間から、電圧vに対する
電圧v,vの位相差θ′が演算される(ステップ
d)。そして、電圧v,vと抵抗Rによる電圧降
下eとは90度の位相差があることから、電圧降下e
と電圧vとの位相差θがθ=90−θ′として演算
される(ステップe)。
【0037】なお、図5(a)の手順において、ステッ
プにおいて、位相差θと電圧vの実効値Vおよび
交流電流iの実効値Iが既に演算されていれば良く、位
相差θの演算に先だって、交流電流iの実効値Iの演算
がなされても良い。また、上記説明から明らかなよう
に、機能的には、電圧測定手段12は、測定端子14,
14と演算部46で構成され、誘導起電力測定手段2
0,22は、第1と第2検出コイル16,18と演算部
46で構成され、位相差検出手段は、測定端子14,1
4と第1と第2検出コイル16,18のいずれか一方と
演算部46で構成され、電流演算手段および抵抗演算手
段は、演算部46で構成されている。
【0038】かかる構成にあっては、導体10に生ずる
磁束に晒されるセンサ部30と、ここで得られたデータ
を演算処理する計測部40を別体として離して設けるこ
とで、計測部40に対する磁界の悪影響を極力小さなも
のとすることができ、演算処理が雑音等の侵入による誤
りを生ずる虞なしに行なうことができ、それだけ測定精
度を向上させ得る。しかも、センサ部30と計測部40
を分けることで、センサ部30が先端に設けられた遠隔
操作棒の軽量化を図ることができ、操作性に優れたもの
である。また、センサ部30と計測部40を光ファイバ
ーケーブル36で接続することで、光ファイバーケーブ
ル36を伝送中のデータに対して電気的雑音の重畳がな
く、しかもセンサ部30と計測部40を電気的に絶縁で
き、安全に電気抵抗測定がなし得る。
【0039】次に、本発明の電気抵抗測定方法および電
気抵抗測定装置の他の実施例につき、図6を参照して説
明する。図6は、本発明の電気抵抗測定装置の他の実施
例のブロック回路図である。図6において、図4と同一
部材等には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0040】図6に示す電気抵抗測定装置にあって、図
4に示す装置と相違するところは、第1と第2検出コイ
ル16,18に代えて、第1と第2ホール素子60,6
2が用いられ、これらの第1と第2ホール素子60,6
2で生じた電圧が増幅部64で適宜に増幅されてデータ
変換部32に電圧v,vとして与えられる。第1と
第2ホール素子60,62は、導体10に対して相対距
離がLだけ離されて、第1ホール素子60が導体10に
近接した状態で接近される。導体10と第1ホール素子
60との距離rは未知数である。しかも、第1と第2ホ
ール素子60,62は、導体10に流れる交流電流iに
より導体10の周囲に生じる磁束の方向に対して最大感
度となるような姿勢とされる。さらに、第1と第2ホー
ル素子60,62に生じた電圧が、増幅部64で適宜な
利得で増幅されてデータ変換部32に電圧v,v
して与えられる。なお、ホール素子電圧測定手段は、第
1と第2ホール素子60,62と増幅部64および演算
部46で構成される。
【0041】ここで、第1ホール素子60の位置におけ
る磁界強度Hは数5と示され、第2ホール素子62の
位置における磁界強度Hは数6と示される。
【数5】
【数6】
【0042】数5および数6から距離rと交流電流iの
実効値Iを求めると数7および数8となる。
【数7】
【数8】
【0043】そこで、第1と第2ホール素子60,62
に加わる磁界強度と増幅部64から出力される電圧の実
効値V,Vを適宜な関係に予め設定することで、数
7,数8から導体10の交流電流iの実効値Iを演算す
ることができる。
【0044】ところで、第1と第2ホール素子60,6
2で出力される電圧v,vは、交流電流iと同位相
である。そこで、測定端子14,14で測定される電圧
と、増幅部64から出力される電圧v,vとの
位相差は、電圧vと抵抗Rによる電圧降下eとの
位相差θを示す。
【0045】したがって、第1と第2検出コイル16,
18を用いたものと同様に、図5に示す実施例にあって
も、位相差θと交流電流iの実効値Iが演算でき、抵抗
を演算することができる。
【0046】なお、位相差θの演算において、交流電流
iの周期が交流電流の周波数から既知であるならば、電
圧vの零点P,Pを測定せず、零点Pのみを検
出しても良い。ここで電圧vおよび電圧vの零点
は、零レベルを波形が同方向で交叉する点を検出すれば
良い。また、上記実施例では、波形のデータをセンサ部
30から計測部40に伝送しているが、これに限られ
ず、電圧v,v,vの電圧の実効値および零点P
,P,Pのデータをセンサ部30から計測部40
に伝送しても良い。かかる構成では零検出手段がセンサ
部30に設けられることは勿論である。さらに、第1と
第2検出コイル16,18は、矩形コイルに限られず、
円形コイルや楕円形コイルや三角形コイルであっても良
い。また、第1と第2検出コイル16,18が異なる寸
法形状および巻数であっても良い。誘導起電力を示す式
が相違する等により、交流電流iの実効値Iを求める演
算式が相違することは勿論である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、請求項1および3記載の本発明の電気抵抗測定方法
にあっては、抵抗測定の対象となる導体を活線状態のま
まで測定を行なうことができる。しかも、導体に流れる
交流電流により誘起される誘導起電力のために測定に誤
りを生ずることがなく、正確な測定が可能である。
【0048】そして、請求項2記載の電気抵抗測定方法
にあっては、導体を流れる交流電流を、検出コイルの誘
導電力から演算する演算式が簡単であり、それだけ演算
が容易かつ確実になし得る。しかも、演算式が簡単なだ
け演算手段も簡単なもので良い。
【0049】また、請求項4および5記載の本発明の電
気抵抗測定装置にあっては、測定端子と、2つの検出コ
イルまたは2つのホール素子とを、導体に一側方から当
接および接近させれば良く、測定のために必要となる装
置の移動操作が容易であり、遠隔操作棒等による操作に
好適である。
【0050】さらに、請求項6記載の電気抵抗測定装置
にあっては、装置をセンサ部と計測部に分けたので、遠
隔操作棒の先端にセンサ部のみを設けることができ、移
動操作する部材の軽量化が図れ、操作が容易となる。し
かも、計測部を導体から離して設けることができ、計測
部が磁界による悪影響を受ける虞が少なく、演算操作が
確実になし得る。
【0051】またさらに、請求項7記載の電気抵抗測定
装置にあっては、光信号によりデータを伝送するので、
信号径路でデータに電気的雑音が重畳されることがな
く、データを確実かつ正確に伝送し得る。また、センサ
部と計測部を電気的に絶縁することができ、高電圧によ
り計測部の演算手段等が破損する虞がない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活線状態にある導体の抵抗測定の対象と
    なる区間の両端に測定端子を接続して電圧を測定し、 2つの検出コイルを、前記導体に流れる交流電流により
    生ずる磁束が鎖交するように向けてしかも前記導体への
    相対距離を所定寸法だけずらした状態で前記導体に接近
    させて、これらの2つの検出コイルに誘起される誘導起
    電力をそれぞれ測定し、 これらの2つの誘導起電力から前記検出コイルのいずれ
    か一方と前記導体との接近距離を演算し、この接近距離
    と当該検出コイルに誘起された誘導起電力から前記導体
    に流れる前記交流電流を演算し、 前記抵抗測定の対象となる区間で測定された電圧の波形
    と、前記検出コイルのいずれか一方に誘起される誘導起
    電力の波形とから両波形の位相差を検出し、 前記測定された電圧と前記位相差から、抵抗測定の対象
    となる区間で生ずる電圧降下を演算し、 この電圧降下と前記演算された前記交流電流とから、抵
    抗測定の対象となる区間の抵抗を演算することを特徴と
    した電気抵抗測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電気抵抗測定方法におい
    て、前記2つの検出コイルが、矩形コイルであるととも
    に、同じ寸法および同じ巻数で、しかも前記導体に流れ
    る交流電流により生ずる磁束の方向にコイル軸を向けて
    配設することを特徴とした電気抵抗測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電気抵抗測定方法におい
    て、前記2つの検出コイルに代えて、2つのホール素子
    を、前記導体に流れる交流電流により生ずる磁束により
    電圧が生ずるように向けて、しかも導体への相対距離を
    所定寸法だけずらした状態で前記導体に接近させ、これ
    らの2つのホール素子に生ずる電圧をそれぞれ測定して
    これらの電圧から前記交流電流を演算し、また前記ホー
    ル素子に生じる電圧の波形と前記抵抗測定の対象となる
    区間の両端で測定された電圧の波形とから両波形の位相
    差を検出することを特徴とした電気抵抗測定方法。
  4. 【請求項4】 活線状態にある導体の抵抗測定の対象と
    なる区間の両端に測定端子を接続して電圧を測定する電
    圧測定手段と、 2つの検出コイルを、前記導体に流れる交流電流により
    生ずる磁束の方向にコイル軸を向けた姿勢でしかも前記
    導体への相対距離を所定寸法だけずらした状態で、前記
    導体に接近させ、これらの2つの検出コイルに誘起され
    る誘導起電力をそれぞれ測定する誘導起電力測定手段
    と、 前記電圧測定手段で測定される電圧の波形と、いずれか
    一つの前記検出コイルに誘起される誘導起電力の波形と
    から位相差を検出する位相差検出手段と、 測定された2つの前記誘導起電力から、前記検出コイル
    のいずれか一方と前記導体の接近距離を演算し、この接
    近距離と当該検出コイルの誘導起電力から前記導体に流
    れる交流電流を演算する電流演算手段と、 前記電圧測定手段で測定された電圧と、前記位相差検出
    手段で検出された位相差から前記抵抗測定の対象となる
    区間で生ずる電圧降下を演算し、この電圧降下と前記電
    流演算手段で演算された前記交流電流とから前記抵抗測
    定の対象となる区間の抵抗値を演算する抵抗演算手段
    と、 を備えて構成することを特徴とした電気抵抗測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電気抵抗測定装置におい
    て、前記2つの検出コイルに代えて、2つのホール素子
    を前記導体への相対距離と所定寸法だけずらした状態で
    前記導体に接近させ、前記導体を流れる交流電流により
    生ずる磁界の強さに応じた電圧を生じるようにし、これ
    らの2つのホール素子に生じる電圧をホール素子電圧測
    定手段でそれぞれ測定し、これらの電圧から電流演算手
    段で前記交流電流を演算し、ホール素子に生じる電圧の
    波形と前記抵抗測定の対象となる区間の両端で測定され
    た電圧の波形とから位相差検出手段で両波形の位相差を
    検出するように構成することを特徴とした電気抵抗測定
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の電気抵抗測定装
    置において、装置をセンサ部と計測部の2つに分け、前
    記センサ部に少なくとも前記測定端子と2つの検出コイ
    ルまたは2つのホール素子とを備え、前記計測部に少な
    くとも前記電流演算手段と抵抗演算手段を備えて構成す
    ることを特徴とした電気抵抗測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の電気抵抗測定装置におい
    て、前記センサ部に電気−光変換手段を設け、前記計測
    部に光−電気変換手段を設け、前記電気−光変換手段と
    前記光−電気変換手段の間を光ファイバーケーブルで接
    続し、前記センサ部で得られたデータを光信号として前
    記計測部に伝送するように構成することを特徴とした電
    気抵抗測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005059576A3 (en) * 2003-12-19 2005-08-18 Advanced Analysis And Integrat Loop resistance tester
CN114487563A (zh) * 2022-04-06 2022-05-13 南方电网数字电网研究院有限公司 基于相位差的非侵入式电压测量方法、装置和电压传感器

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