JPH085796B2 - 激越状態及び神経機能不全の治療用製剤 - Google Patents

激越状態及び神経機能不全の治療用製剤

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JPH085796B2
JPH085796B2 JP4182626A JP18262692A JPH085796B2 JP H085796 B2 JPH085796 B2 JP H085796B2 JP 4182626 A JP4182626 A JP 4182626A JP 18262692 A JP18262692 A JP 18262692A JP H085796 B2 JPH085796 B2 JP H085796B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、激越状態及び神経機能
不全を改善するための製剤及びその使用に係る。
【0002】
【従来技術】カテコールアミン代謝の中間産物及び最終
産物はヒトの激越状態(stateof agitat
ion)に影響することが知られている。例えば最終産
物アドレナリンは、α−及びβ−受容体にアドレナリン
作動性神経系の神経伝達物質として作用する。交感神経
興奮性物質として、アドレナリンは心臓の収縮力を増加
させる。アドレナリンは更に細胞中の酸化的代謝を増加
させるので、全体として生物の活動性を増進する。同様
に、ストレス状況ではアドレナリン放出の増加が観察さ
れる。特にアドレナリンとその前駆物質であるノルアド
レナリンの濃度が高いと、過剰激越、神経過敏症、従っ
て身体の動作能力不全を生じ得るが、ただし、これらの
アミンの値がほんの少しだけ増加する場合には非常にポ
ジティブな効果があり、脈拍数及び血圧がやや増加し、
筋肉及び脳を刺激し、感受性が高まる。
【0003】更に、アドレナリンの別の前駆物質である
ドーパミンの濃度の変動が激越状態及び神経機能不全を
生じ得ることも知られている。特に、ドーパミンが欠乏
すると鬱病が生じ得る。ドーパミン欠乏症候群の例はパ
ーキンソン病であり、その部分的症状には、無動症、硬
直及び受動性振戦が含まれる。最近の臨床結果による
と、パーキンソン病の治療時のドーパの治療作用が立証
されており、この効果は脳幹神経節におけるドーパミン
減少により説明できると考えられる。
【0004】従って、ドーパミン欠乏症の場合にはこの
カテコールアミンの濃度を自然手段により増加させるこ
とが望ましい。これは、一方ではドーパ/ドーパミン合
成を増加させることにより、他方ではドーパミン分解を
阻止することにより達成され得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自然
代謝における患者のドーパミン濃度を増加させる製剤を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明に従
って、特許請求の範囲第1項に記載するように、場合に
より慣用の添加剤と共に、ハナビシソウ属(eschs
choltzia)エキス対エンゴサク属(coryd
alis)エキスの重量比が20:1〜1:1となるよ
うに、エンゴサク属及びハナビシソウ属のアルコール抽
出(2.5:10)により得られるエキスを有効成分と
して含有することを特徴とする製剤により達成される。
【0007】特許請求の第2項〜第9項は本発明の好適
実施態様である。
【0008】本発明は更に特許請求の第10項に記載す
るように、アミンバランスの変動、特にドーパ/ドーパ
ミン濃度の低下に起因する激越状態及び神経機能不全の
改善及び/又は一時停止(suspension)のた
めの本発明の製剤の使用にも係る。
【0009】本発明は更に特許請求の第11項及び第1
2項に記載するように、アミンバランスの変動に起因す
る激越状態及び神経機能不全の治療及び/又はその治療
薬の製造のための、アルコール抽出(2.5:10)に
より得られるエキスの使用に係る。
【0010】本発明の製剤は、アルコール抽出により得
られるエキスを凍結乾燥粉末、水溶液及び/又はアルコ
ール溶液の形態で含有し得る。凍結乾燥粉末の製造は原
則として、それ自体周知の凍結乾燥法に従ってアルコー
ル抽出により得られるエキス(薬剤エキス)を凍結乾燥
することにより実施される。
【0011】エンゴサク属及びハナビシソウ属の凍結乾
燥エキスは別々に保存してもよいし、混合物として保存
してもよく、製剤の製造時に適切な医薬キャリヤー物質
/希釈剤と混合することもできる。チンキ剤を製造する
ためには、水及び/又はアルコールが特に適切である。
主に製剤はアルコール抽出(2.5:10)により得ら
れるエキスの形態の有効成分を含有し、特にこのような
薬剤エキスから構成される。
【0012】ハナビシソウ属対エンゴサク属の比(乾燥
エキスの重量に基づく)は好ましくは10:1〜2:
1、特に4:1である。
【0013】本発明によると、好ましくはエンゴサク
(corydalidis cavae rhizom
a)及びハナビシソウ(eschscholtzia
californicae herba)のエキスを有
効成分として使用する。
【0014】本発明の製剤は、従来の経口投与形態、特
に錠剤、糖衣錠、カプセル又は主にチンキ剤の形態であ
る。これらの投与形態を製造するには、場合により従来
使用されており且つ個々の投与形態に適切な医薬希釈及
び/又はキャリヤー物質を使用し、それ自体既知の方
法、例えば錠剤形成、丸剤形成技術を用いたり、凍結乾
燥形態又はそのアルコール及び/又は水溶液形態で存在
するエキスをカプセルに充填することにより行われる。
特にチンキ剤のような液体投与形態を製造するために
は、好ましくはアルコール抽出により得られるアルコー
ル薬剤エキスを直接使用する。これらのアルコールエキ
スの凍結乾燥以外には、凍結乾燥エキスの製造のために
好ましくは真空及び/又は不活性ガス雰囲気中でアルコ
ール薬剤エキスを乾燥するまで直接蒸発させ、こうして
得られた残渣を更に所望の投与形態に加工することも可
能である。
【0015】本発明の製剤中の有効成分の濃度は広い範
囲であり得る。原則として、濃度は最終医薬組成物の
0.5〜20重量%、特に1〜10重量%、主に1〜4
重量%である。アルコール抽出(2.5:10)により
得られるアルコール薬剤エキスを使用する場合には、抽
出後に直接得られる濃度で使用すると好ましく、エンゴ
サク属及びハナビシソウ属からのエキスは、特にエンゴ
サク属対ハナビシソウ属の比が上記の好適比に対応する
ような比で使用される。
【0016】エンゴサク属及びハナビシソウ属、特にエ
ンゴサク(corydalis cavae rhiz
oma)及びハナビシソウ(eschscholtzi
aecalifornicae herba)の個々の
エキスを製造するためには、DAB9の仕様に対応する
薬剤を使用する。これは、薬剤の入手時に品質検査によ
り保証される。
【0017】個々のエキスの製造は、従来の標準抽出法
に従い、例えばエタノール又はエタノール/水混合物を
使用する冷浸又は滲出によりそれ自体既知の方法で実施
される。2.5:10の薬剤−エキス比が維持され、即
ち薬剤2.5gから薬剤エキス10mlが得られる。好
ましくは抽出剤として30容量%のエタノールが使用さ
れる。製造はプロセス制御に基づいて調節され得る。
【0018】エキスの一定品質を判定及び確認するため
には、従来の品質基準を引用する。特に、抽出物質の全
体のスペクトルをこの目的のために使用し、他方、文献
から既知の2種の薬剤の主アルカロイドの分析も行う。
【0019】従って、品質検査後に販売されるエキスは
所望の投与形態及び濃度に対応し、これを液体又は凍結
乾燥エキスとして更に加工する。
【0020】投与型及び投与量は、特に患者の疾患の重
度、全身状態及び年齢に依存して決定される。原則とし
て、本発明の好適投与形態であるチンキ剤の投与量は2
滴/kg体重であり、1日1回又は数回投与する。他の
経口投与形態では、原則として対応量は好ましくは全乾
燥エキス2〜5mg/kg体重であり、1日に1回又は
数回投与する。
【0021】以下、添付図面を参考に本発明を詳細に説
明する。
【0022】第1図はカテコールアミンの代謝図であ
る。生成される化合物ドーパ及びドーパミンの濃度は、
チロシンからドーパへの転換速度と、ドーパミンが更に
反応してノルアドレナリン及びアドレナリンに転換する
速度とに依存する。更に、ドーパミンはモノアミノオキ
シダーゼ(MAO)により分解されるので、この点も代
謝系中のドーパミン濃度に著しく影響し得る。
【0023】第1図から明らかなように、フェノールオ
キシダーゼ(フェノラーゼ、チロシナーゼ)の反応が増
加し、ドーパミン−β−ヒドロキシラーゼ及びモノアミ
ノオキシダーゼの影響が減少し得るとき、高いドーパミ
ン濃度が得られる。
【0024】本発明の製剤の有効成分が3種の酵素反応
に影響する程度を示す実験を以下に実施した。
【0025】以下の研究は、特に明記しない限り、市販
の酵素とcorydalidiscavae rhiz
oma及びeschscholtziae calif
ornicae herbaを用いて実施した。
【0026】1.チロシナーゼ反応の研究:チロシンを
代謝中に酸素消費反応でL−ドーパにヒドロキシル化さ
せた。カテコールアミン合成のこの第1段階は、低特異
性の銅含有酵素を構成するチロシナーゼ又はフェノラー
ゼ又はフェノールオキシダーゼにより触媒される。
【0027】フェノラーゼは自然界に広く分布してお
り、植物、菌類及び種々の動物組織中に存在することが
知られている。フェノラーゼはモノ又はジフェノールが
酸化される場所であればいたるところで重要な役割を果
たすが、多くの場合、例えばリグニン又はメラニンの形
成のような酸化的重合段階が開始される。
【0028】フェノラーゼは以下の2つの連続的な酸化
段階を触媒する。
【0029】1)酵素の「クレゾラーゼ活性」はオルト
位でモノフェノールのヒドロキシル化をもたらし、ジフ
ェノールを形成する。
【0030】2)「カテコラーゼ活性」は、得られるo
−ジオールから対応するキノンに更に酸化するのを触媒
する。
【0031】両者の反応は直接相互に依存する。クレゾ
ラーゼ及びカテコラーゼ反応の緊密な関係は、活性中心
における銅原子の酸化状態に起因し、この状態は、D.
Kertesz及びR.Zito著、O.Hayais
hi編“Oxygenases”, Academic
Press, London (1962), Ch
apter 8, Phenolaseによると、 (Cu++)2-酵素+o-ジヒドロキシフェノール→(Cu+)2-酵
素+o-キノン+2H+; (Cu+)2-酵素+0.5 O2+2H+→(Cu++)2-酵素+H2O として示されている。
【0032】銅の上記電子平衡ではクレゾラーゼ反応は
考慮されていない。実際に、モノフェノールのヒドロキ
シル化が真性酵素反応により触媒されるのか、この反応
が以下の図式: o-キノン+モノフェノール+H2O→2 o-ジフェノール にしたがってカテキン酸化と併行して化学的に生起する
のかは明らかでない。
【0033】非酵素的反応の仮説を裏付ける証拠は主
に、フェノラーゼの存在下のモノフェノールの反応中に
誘導期が観察され、この誘導期は動物組織由来のチロシ
ナーゼの場合には1時間まで継続し得るという事実によ
り提供される。連続的酵素反応は、ジオールもしくはキ
ノンが不純物として存在するか又は「自己酸化」により
生成された場合のみに生じ得る。
【0034】エンゴサク属及びハナビシソウ属からの植
物エキスの存在下でのチロシナーゼ反応の研究:第2図
は、チロシンからドーパクロムを経てキノンイミン又は
メラニンへの転換を示す反応図式である。
【0035】この場合、チロシンからジヒドロキシフェ
ニルアラニン(ドーパ)の第1の酸化産物であるドーパ
クロムへの酸化(第2図)が実験的に観察された。ドー
パクロム自体は「ドーパクロムトートメラーゼ」の基質
であり、メラニン形成の前駆物質である。ドーパクロム
の形成もメラニン合成もドーパの分解を生じるので、ド
ーパミンの合成は減少する。
【0036】ドーパクロム濃度は、波長303〜318
nmのUVスペクトル中で追跡することができる。チロ
シンからドーパクロムの形成は調査すべきフェノラーゼ
の活性に対応すると考えられ、速度決定因子であるとみ
なされる。
【0037】研究は、2mMチロシン、100mMリン
酸緩衝液、pH6.5、20Uチロシナーゼ、又は比
1:10000に希釈したハナビシソウ属及び/又はエ
ンゴサク属のアルコールエキス(以下の実施例の基本エ
キスに由来)から構成される基質混合物で実施した。
【0038】第3図は、フェノールオキシダーゼ又はエ
ンゴサク属及びハナビシソウ属からのエキスの存在下で
UVスペクトロメトリーにより303nmで決定したチ
ロシン−ヒドロキシル化を示す。フェノラーゼの存在下
のみに約15分の「遅滞期」の出現が観察された。
【0039】エンゴサク属エキスの1:10000まで
の希釈液では、第3図に示すようにこの遅滞期又は初期
段階は明白に減少する。エンゴサク属の濃度が高いと、
「遅滞期」なしに最大転換速度の即時的な開始が観察さ
れる。
【0040】ハナビシソウ属エキスも短縮された初期段
階をもたらすが、ハナビシソウ属エキスの活性は明らか
にエンゴサク属の活性よりも低い。
【0041】対照試験の結果、対応量のエタノールの存
在は反応に何ら影響しないことが判明した。更に、ピロ
ロキノリンキノン(PQQ)で試験したところ、この生
理学的に非常に重要なキノンを加えてもフェノラーゼ反
応の初期段階に影響しないことが判明した。パラキノン
として遅滞期に影響し得るヒペリシンも、反応には影響
しない。
【0042】この試験系列では、エンゴサク属のエキス
は実際にチロシンの最大転換速度の時間を早めるが、最
大転換速度には影響しないという事実が重要である。種
々の基質濃度で試験したところ、ラインウィーバー−バ
ークプロット中にフェノラーゼ反応のKm値の変化は観
察されなかった(第4a図〜第4f図)。
【0043】特に遅滞期の短縮に関してチロシナーゼ反
応の機序を解明するために、別の物質を試験バッチに加
えた。
【0044】a)銅塩を加えても酵素反応に影響なかっ
た。
【0045】b)還元剤としてのアスコルビン酸は文献
から公知のように種々の反応型で遅滞期を阻止し得る。
しかしながら、本試験系列ではこのような現象は観察さ
れず、アスコルビン酸は実際にチロシンからL−ドーパ
への転換を開始させ得るが、同時に更にドーパクロム酸
化するのを阻止する。30分の間、アスコルビン酸の存
在下では303nmでフェノラーゼ反応を観察すること
ができず、「遅滞期」は場合によりむしろ延長された。
【0046】c)PQQをアスコルビン酸と組み合わせ
ると還元形PQQH2が得られ、ジオールとしての反応
に影響し得、同様に遅滞期の延長を生じた。
【0047】d)3,4−ジヒドロキシベンゼン及び
D,L−ドーパのような「真性」ジオールを加えると、
反応の遅滞期は短縮される(ドーパ添加の場合、ドーパ
クロム形成速度も基質が増加したことより増加す
る。)。
【0048】第5図には、3,4−ジヒドロキシベンゼ
ンの存在下でのフェノラーゼ反応を再現した。第6図
は、ドーパ濃度に依存してD,L−ドーパがフェノラー
ゼ反応に及ぼす影響を示す。遅滞期に及ぼすジオール類
の影響は、第5図及び第6図から明白である。
【0049】アルカリ性のpH値ではドーパの自己酸化
が生じるが、pH6.5では全く又はほとんど観察され
ない。
【0050】上記試験の結果、フェノラーゼ反応の初期
段階における時間の短縮は、ジオールの添加によっての
み達成できることが判明した。キノリン及びアスコルビ
ン酸は影響を示さない。従って、エンゴサク属及びハナ
ビシソウ属エキスは、チロシンからドーパへの即時的転
換を生じさせるオルト−ジオールを含有すると予想され
る。更に、エンゴサク属及びハナビシソウ属のエキスは
in vivoでチロシンの転換速度を増加させ、従っ
て、ドーパ濃度を増加させると予想される。
【0051】2.ドーパミン−β−ヒドロキシラーゼ反
応の研究:酵素ドーパミン−β−ヒドロキシラーゼは、
ドーパミンからノルアドレナリンへの転換を触媒する。
ドーパミン−β−ヒドロキシラーゼはまた銅を含有する
酵素でもある。ヒドロキシル化は酸素消費を伴い、銅原
子の酸化状態を再生するために還元剤としてアスコルビ
ン酸及びフマレートを必要とする。
【0052】酵素の活性は、分子酸素の消費に基づく電
位差測定により決定した。夫々の試験バッチには、夫々
100μlのチラミン、フマレート、アスコルビン酸塩
(各5mM)と、1mlのリン酸緩衝液、pH5(10
0mM)と、水1mlと、酵素100μl(0.1Uに
対応)を収容した。
【0053】酸素消費率は、夫々の容量で37℃溶液の
2濃度に基づいて計算した。
【0054】ハナビシソウ属エキスを加えると、酵素反
応の明らかな濃度依存性阻害が観察され、即ち側鎖ヒド
ロキシル化は大幅に阻止された。酵素活性がエタノール
により阻害されることも観察された。しかしながら、エ
キスの阻害のほうが実質的に大きく、従って明確に区別
することができる。
【0055】第7図は、ハナビシソウ属エキス(曲線
A)、及び本発明のハナビシソウ属とエンゴサク属との
比20:1の凍結乾燥エキスの1%水溶液(曲線B)に
よるドーパミン−β−ヒドロキシラーゼの阻害を示す。
【0056】第7図中、両方の曲線はいずれも酵素活性
の明らかな阻害を示す。曲線の相違は、エタノール及び
エンゴサク属エキスの有無に起因し得る(曲線B)。ハ
ナビシソウ属エキスの使用時の酵素阻害の効果の低下
は、エキスの種々の基質による酸素消費に部分的に起因
し得る。エンゴサク属及びハナビシソウ属の凍結乾燥エ
キスの水溶液は実際に、チラミン、アスコルビン酸塩及
びフマレートによる酸素消費を示すが、酵素阻害効果は
低下せず、従って効果の説明は実質的に複雑である。
【0057】上記試験は、酵素ドーパミン−β−ヒドロ
キシラーゼがハナビシソウ属のアルコールエキス(曲線
A)及びハナビシソウ属とエンゴサク属の凍結乾燥エキ
スの水溶液(曲線B)により阻害され、カテコールアミ
ン代謝におけるノルアドレナリン及びアドレナリン形成
が低下することを明示するものである。この阻害効果
は、本発明の製剤の鎮静効果を説明する。阻害によりド
ーパミンは高濃度に維持されるので、脳中のドーパミン
濃度を人工的投与により高度に維持しなければならな
い、ドーパミン作用性神経細胞が破壊される症候群であ
るパーキンソン病の症例にポジティブな影響を与える。
【0058】3.モノアミノオキシダーゼ反応の研究:
第1図から明らかなように、ドーパ及び/又はドーパミ
ンの濃度は更にモノアミノオキシダーゼによる分解によ
っても調節される。モノアミノオキシダーゼは、第一ア
ミンを酸素により水性媒体中で化学量論的比の対応する
アルデヒド、アンモニア及び過酸化水素に転換させる。
ここで使用したアミノオキシダーゼは、Sigma C
hemical社から入手した。このアミノ−オキシダ
ーゼは、基質としてベンジルアミンに高い親和性を示
す。従って、以下の調査はベンジルアミンを基質として
使用し、このモノアミノオキシダーゼの活性に及ぼすエ
ンゴサク属及びハナビシソウ属の影響を試験した。
【0059】モノアミノオキシダーゼによるベンジルア
ミンからベンジルアルデヒドへの転換を吸光度測定及び
電位差測定により立証した。
【0060】a)吸光度測定によると、ベンズアルデヒ
ドが形成された場合には241nmで高い分子吸光係数
(1.2×104)を示す。この高感度の証拠を利用す
ると、酵素の使用量を、2mlの反応容量中に0.01
及び0.02Uのモノアミノオキシダーゼ(MAO)に
相当し得る非常に少量にすることができる。
【0061】総容積2000μlを有する各試験バッチ
に、100mMベンジルアミン・HCl水溶液50μl
(2.5mMに対応)、100mMリン酸緩衝液、pH
7.4、0.01U又は0.02UのMAO(対応する
塩基性溶液に100μl部で添加)を収容させ、参照キ
ュベットには緩衝液、水及びベンジルアミンを収容させ
た。
【0062】上記試験バッチを用いた試験では、10分
間の反応時間後にハナビシソウ属及びエンゴサク属の希
釈エキスを測定用キュベット及び参照キュベットに加
え、活性の変化を決定した。第8図は、エンゴサク属濃
度(基本エキスの1:10希釈溶液20又は40μl)
に依存するベンズアルデヒド形成の阻害を示す。
【0063】第9図は、エキスの量を種々に変化させた
場合にハナビシソウ属エキスがMAO活性に与える阻害
を再現したものである。同図は、MAO活性の明白な阻
害を示す。
【0064】第10図は、ハナビシソウ属エキス(曲線
A)、エンゴサク属エキス(曲線B)及びエンゴサク属
エキスとハナビシソウ属エキスとの20:80の比の混
合物(曲線C)を種々の濃度で加えることにより得られ
るMAO活性の阻害効果を示す。第10図では、試験結
果を比較し易くするために阻害効果を百分率で示した。
MAOの活性は各試験で100%として設定した(粘稠
な硫酸アンモニウム−酵素溶液を使用すると、市販製品
の一定酵素量を得るのは困難であった)。
【0065】試験の評価の結果、エンゴサク属エキスを
使用すると中程度のMAO活性阻害が得られることが判
明した。ハナビシソウ属エキスを使用すると実質的によ
り大きい影響が観察された。80%ハナビシソウ属及び
20%エンゴサク属エキスから構成される2種のエキス
の混合物の存在下ではMAO阻害は顕著であった。
【0066】b)電位差測定によると、プラチナ−酸素
電極を使用して反応溶液の酸素濃度の低下によりベンジ
ルアミン+O2+H2O→ベンズアルデヒド+NH3+H2
2の反応を決定することができる。酸素転換を立証す
るには、より多量の基質及び酵素を必要とする。夫々の
試験バッチには、200μlの100mMベンジルアミ
ン溶液(10mMに対応)、1000μlの200mM
リン酸緩衝溶液,pH7.5(100mMに対応)、蒸
留水1000μl、0.05U MAOを収容させた。
【0067】エンゴサク属及びハナビシソウ属エキス1
00μlを加えることにより、3分間の反応時間後に種
々の酸素転換速度を計算することができる。
【0068】酸素電極の結果は、エンゴサク属及びハナ
ビシソウ属の個々のエキスによりモノアミノオキシダー
ゼ活性の低下を示した。ハナビシソウ属エキスによりM
AO活性に及ぼす強い影響が確認された。
【0069】試験の結果、エンゴサク属エキス、ハナビ
シソウ属エキス及びこれらの2種のエキスの混合物によ
りMAOの顕著な阻害が得られることが判明した。従っ
て、アミノオキシダーゼが血漿中でその活性を阻害され
るとき、ドーパミンのようなアミンは血液流中での持続
時間が長く、従って、より長時間活性に維持されると予
想することができる。従って、本発明の製剤は激越状態
及び神経機能不全、及び鬱病状態の改善、特にパーキン
ソン病のようなドーパミン欠乏症候群の症例においてポ
ジティブな効果を発揮することができる。
【0070】
【実施例】実施例1 エキスの調製 corydalis cavae rhizoma及び
eschscholtzia californica
e herbaの個々のエキスを調製した。個々のエキ
スの調製は、50℃で16時間滲出を使用する抽出によ
り実施した。2.5:10の薬剤−エキス比を維持し、
即ち対応する薬剤2.5gから薬剤エキス10mlを得
た。抽出剤として30容量%エタノールを使用した。
【0071】こうして得られたエキスを直接使用して医
薬組成物を調製することができ、又は凍結乾燥により乾
燥エキスに加工することができる。
【0072】実施例2 DL−ジヒドロキシフェニ ルアラニンがフェノラーゼ
応に及ぼす影響
【0073】
【表1】
【0074】第6図に示すように、DL−ドーパはフェ
ノラーゼの遅滞期を明白に短縮することができ、5μM
ドーパでは即時的にドーパクロム形成を開始する。50
μMドーパでは、反応は酵素による開始直後に最大反応
速度で進行する。
【0075】ドーパの自己酸化、即ち酵素の関与なしの
ドーパクロム形成は、観察時間内でpH=6.5では認
められなかった。
【0076】しかしながら、DL−ドーパはジオールで
はなく、フェノラーゼの基質であり、その産物もドーパ
クロムを生成する。従って、3,4−ジヒドロキシベン
ゼンを使用して以下の比較試験(実施例3)を実施し
た。
【0077】実施例3 3,4−ジヒドロキシベン ゼンが(開始剤として)フ
ノラーゼ反応に及ぼす影響
【0078】
【表2】
【0079】5及び50μMの濃度のo−ジヒドロキシ
ベンゼンはフェノラーゼ反応の遅滞期を短縮又は一時停
止し得ることが判明した(第5図)。
【0080】実施例4 a)フェノールオキシダーゼによるチロシン反応のミカ
エリス定数の検出
【0081】
【表3】
【0082】結果を第4c図〜第4f図に示す。
【0083】b)エンゴサク属エキスの存在下での反応
のミカエリス定数 エキス希釈比1:200のエンゴサク属エキスの存在下
に反応速度の検討を行った。このエキス量で先の試験で
は全酵素活性が即時的に開始し、初期段階は0分であっ
た。
【0084】検出値KMは、エンゴサク属エキスの存在
下でやや大きい分散を示すが、同一濃度範囲内であっ
た。
【0085】
【表4】
【0086】結果を第4a図及び第4b図に示す。
【0087】実施例5 MAO活性に及ぼす影響 a)エンゴサク属エキスの影響:下記表及び第8図に示
すように、co rydalis cavaからのエキス
はMAOの活性を阻害する。エキスの1:10希釈溶液
20又は40μl(原物質2又は4μl)を使用した。
これらの量は2mlの総反応容量に対して1:1000
又は1:500の希釈比に対応する。反応及び参照キュ
ベットのゼロバランスはもはや不可能であるので、多数
の芳香族化合物の存在による241nmでのエキス自体
の吸光度からそれ以上の量のエキスについて調査するこ
とはできない。
【0088】
【表5】
【0089】結果を第8図に示す。
【0090】b)ハナビシソウ属エキスの影響 ハナビシソウ属エキスは光透過度が高いため、この調査
では20、40及び60μlの1:10希釈溶液を使用
することができる。この場合、ハナビシソウ属エキスの
1:1000,1:500又は1:330希釈溶液が反
応バッチで検出される。
【0091】下記表及び第9図は、このエキスの高い阻
害能力を立証するものであり、1:500の希釈液では
モノアミノオキシダーゼの活性は明らかに50%未満に
維持され、1:330の希釈液では酵素の活性は元の値
の3分の1に低下する。
【0092】
【表6】
【0093】結果を第9図に示す。
【0094】実施例6 医薬調製物の製造 a.チンキ剤の製造 チンキ剤を製造するために、実施例1に従って得られた
アルコール薬剤エキス即ちcorydalis cav
ae rhizomaの薬剤エキス20ml及びesc
hscholtzia californicae h
erba薬剤エキス80mlを混合した。即使用可能な
チンキ剤100mlを得た。
【0095】b.錠剤の製造 実施例1で得たcorydalis c avae r
hizoma及びeschscholtzia cal
ifornicae herbaのエキスを乾燥(例え
ば凍結乾燥)し、乾燥エキスをハナビシソウ属/エンゴ
サク属=4/1の重量比で澱粉粉末(医薬キャリヤー物
質)と混合し、タブレットプレスで圧縮し、錠剤(0.
5g、直径0.6cm)を形成した。錠剤中の有効成分
エキスの割合は2重量%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、カテコールアミン合成の代謝図であ
る。
【図2】第2図は、チロシンからドーパ、ドーパキノン
を経てドーパクロム又はメラニンに至る反応図である。
【図3】第3図は、エンゴサク属エキス1:1000
0、ハナビシソウ属エキス1:10000又はフェノラ
ーゼ20単位の存在下でのUV−スペクトロメトリーに
より303nmで決定されるチロシンヒドロキシル化を
示す。
【図4a】第4a図は、エンゴサク属エキスの存在下に
おけるフェノラーゼ反応のラインウィーバー−バークプ
ロットを示す。
【図4b】第4b図は、エンゴサク属エキスの存在下に
おけるフェノラーゼ反応のラインウィーバー−バークプ
ロットを示す。
【図4c】第4c図は、エンゴサク属エキスの不在下に
おけるフェノラーゼ反応のラインウィーバー−バークプ
ロットを示す。
【図4d】第4d図は、エンゴサク属エキスの不在下に
おけるフェノラーゼ反応のラインウィーバー−バークプ
ロットを示す。
【図4e】第4e図は、別の基質濃度範囲でのエンゴサ
ク属エキスの不在下におけるフェノラーゼ反応のライン
ウィーバー−バークプロットを示す。
【図4f】第4f図は、別の基質濃度範囲でのエンゴサ
ク属エキスの不在下におけるフェノラーゼ反応のライン
ウィーバー−バークプロットを示す。
【図5】第5図は、3,4−ジヒドロキシベンゼン存在
下でのフェノラーゼ反応を示す。
【図6】第6図は、種々のドーパ濃度でD,L−ドーパ
がフェノラーゼ反応に及ぼす影響を示す(K=対照)。
【図7】第7図は、ハナビシソウ属エキス(曲線A)、
及びエンゴサク属とハナビシソウ属との凍結乾燥エキス
の1%水溶液(曲線B)によるドーパミン−β−ヒドロ
キシラーゼの阻害を示す。
【図8】第8図は、アミノオキシダーゼにより触媒され
てベンジルアミンからベンズアルデヒドに転換する反応
がエンゴサク属エキスにより阻害される程度を241n
mの吸光度として示す。
【図9】第9図は、ハナビシソウ属からのエキスの濃度
の関数として、241nmにおけるMAOに触媒される
ベンズアルデヒド形成反応の阻害を示すものである。
【図10】第10図は、ハナビシソウ属エキス(A)、
エンゴサク属エキス(B)及びエンゴサク属エキスとハ
ナビシソウ属エキスの20:80混合物(C)による、
241nmにおけるMAOに触媒されるベンズアルデヒ
ド形成反応の阻害を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エリーザベト・クレバー ドイツ連邦共和国、デー−8042・オーバー シユライスハイム、ハインツ・カツツエン ベルガー・シユトラーセ・6・デー (56)参考文献 特開 昭60−181023(JP,A)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミンバランスの変動に起因する激越状
    態及び神経機能不全の改善又は一時停止のための製剤で
    あって、場合により慣用の添加剤と共に、ハナビシソウ
    属エキス対エンゴサク属エキスの重量比が20:1〜
    1:1の範囲である、アルコール抽出(2.5:10)
    により得られるエンゴサク属エキス及びハナビシソウ属
    エキスを有効成分として含有する製剤。
  2. 【請求項2】 水溶液及び/又はアルコール溶液のエキ
    スを粉末形態で含有することを特徴とする請求項1に記
    載の製剤。
  3. 【請求項3】 アルコール薬剤エキスとしてエキスを含
    有することを特徴とする請求項1又は2に記載の製剤。
  4. 【請求項4】 アルコール薬剤エキスの形態で存在する
    ことを特徴とする請求項3に記載の製剤。
  5. 【請求項5】 ハナビシソウ属対エンゴサク属のアルコ
    ール薬剤エキスの比が10:1〜2:1であることを特
    徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の製剤。
  6. 【請求項6】 ハナビシソウ属対エンゴサク属の薬剤エ
    キスの比が4:1であることを特徴とする請求項1から
    4のいずれか一項に記載の製剤。
  7. 【請求項7】 エンゴサク(corydalis ca
    vae rhizoma)及びハナビシソウ(esch
    scholtzia californicae he
    rba)のエキスを有効成分として含有することを特徴
    とする請求項1から6のいずれか一項に記載の製剤。
  8. 【請求項8】 経口投与形態であることを特徴とする請
    求項1から7のいずれか一項に記載の製剤。
  9. 【請求項9】 錠剤、糖衣錠、カプセル又はチンキ剤の
    形態であることを特徴とする請求項8に記載の製剤。
  10. 【請求項10】 激越状態及び神経機能不全が、患者の
    代謝におけるドーパ/ドーパミンの濃度低下に起因する
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載
    の製剤。
  11. 【請求項11】 激越状態及び神経機能不全の状態が、
    鬱病又はパーキンソ ン病であることを特徴とする請求項
    10に記載の製剤。
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