JPH0859218A - りん酸鉄及び/又はりん酸塩スラッジからの無機顔料の製造方法 - Google Patents

りん酸鉄及び/又はりん酸塩スラッジからの無機顔料の製造方法

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JPH0859218A
JPH0859218A JP21664794A JP21664794A JPH0859218A JP H0859218 A JPH0859218 A JP H0859218A JP 21664794 A JP21664794 A JP 21664794A JP 21664794 A JP21664794 A JP 21664794A JP H0859218 A JPH0859218 A JP H0859218A
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iron
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sludge
mol
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Hiroki Taguchi
寛樹 田口
Takashi Kojima
隆司 小嶋
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Nihon Parkerizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無機顔料の製造方法の提供。 【構成】 りん酸鉄及び金属材料のりん酸塩化成処理に
おいて発生するりん酸塩スラッジのうち少なくとも1種
を50重量%以下含有するpH7未満の水性懸濁液と鉄
分とを密閉圧力容器内に充てんし、加熱加圧処理した
後、沈殿物を含む生成物を濾過し、該沈殿物を採取し、
水洗し、乾燥し、無機顔料を製造するりん酸鉄及び/又
はりん酸塩スラッジからの無機顔料の製造方法。 【効果】 緑色〜黒緑色の新規な無機顔料が得られ、り
ん酸塩スラッジの有効利用が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無機顔料の製造方法、更
に詳しく述べるならばりん酸鉄及び/又は金属材料のり
ん酸化成処理において発生するりん酸塩化成処理スラッ
ジから新規な無機顔料を製造する方法に関し、且つ、り
ん酸塩スラッジの再利用に関する。
【0002】
【従来技術】一般にりん酸亜鉛及びりん酸鉄顔料等のり
ん酸塩顔料は防錆性に優れていることから、各種の塗
料、例えば防錆プライマー、中塗り用塗料及び下塗り用
塗料等の顔料に利用されている。りん酸亜鉛顔料の製造
方法としては、特開昭49−26291号に亜鉛イオン
を含むりん酸塩処理液を鉄材に作用させてりん酸亜鉛を
主成分とする沈殿物を生成させることが開示されてい
る。この製造過程において沈殿物は、初期にはコロイド
状で微細なものであるが時間の経過と共に粒径が大きく
なっていき、その制御は難しいとされている。このよう
に製造したりん酸塩顔料は平均粒径が10μm〜数10
μmと大きく、特公昭49−2005号に開示されてい
るように塗料に配合するには特別の粉砕機で微細にする
必要がある。なお、特公昭46−12289号にはりん
酸鉄顔料に関してはその均一微細な粒径のものが既に製
造されている。しかしながら、これらのりん酸亜鉛顔料
やりん酸鉄顔料は高価であるという欠点がある。また、
特開昭52−69898号においてはりん酸塩処理液を
鉄材に作用させてりん酸亜鉛及びりん酸鉄を主成分とす
る沈殿物を生成し、これを採取、乾燥し、りん酸塩顔料
を製造しているが、得られた顔料は耐アルカリ性に劣
り、色も限定され、使用されるところも限られている。
また、緑色顔料として、特公昭30−4339号には
アルミナークロム等の製造方法が開示されているが、環
境問題からクロムの使用はできるだけ避ける必要があ
る。以上のように、現状ではりん酸鉄及びりん酸塩スラ
ッジから色をコントロールでき分散性も良好で低コスト
で環境上問題のない無機顔料は得られていない。
【0003】また、金属材料のりん酸塩処理の際発生す
るりん酸塩スラッジの廃棄については、最近の産業廃棄
物処理に関する法規制の強化、例えばロンドンダンピン
グ条約締約国においては1995年末廃棄物の海洋投棄
禁止があり、今後の廃棄物処理を不可能とし、その対応
を迫られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような現状から、
本発明はりん酸鉄及び/又はりん酸塩スラッジから無機
顔料を製造する新規な方法を提供し、かつりん酸塩スラ
ッジの再有効利用を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するための手段について鋭意研究を進めた結
果、りん酸鉄及び/又は金属材料のりん酸塩化成処理に
おいて発生するりん酸塩化成処理スラッジと鉄分とを密
閉圧力容器内で加熱加圧処理することにより新規な無機
顔料が得られることを新たに見いだし、本発明を完成す
るに至った。
【0006】即ち、本発明はりん酸鉄及び金属材料のり
ん酸塩化成処理において発生するりん酸塩スラッジのう
ち少なくとも1種を50重量%以下含有するpH7未満
の水性懸濁液と鉄分とを密閉圧力容器内に充てんし、加
熱加圧処理した後、沈殿物を含む生成物を濾過し、該沈
殿物を採取し、水洗し、乾燥し、無機顔料を製造するこ
とを特徴とするりん酸鉄及び/又はりん酸塩スラッジか
らの無機顔料の製造方法を提供する。
【0007】また、前記りん酸鉄と金属材料のりん酸塩
化成処理において発生するりん酸塩化成処理スラッジの
うち少なくとも1種に添加する鉄分の割合が、りん酸鉄
及び金属材料のりん酸塩化成処理スラッジ中の3価の鉄
イオン1モルに対して0価の鉄として0.001モル以
上、又は2価の鉄イオンとして0.0005モル以上で
あることが好ましい。
【0008】以下、本発明の構成を詳しく説明する。本
発明に適用できるりん酸鉄は一般に市販されている試薬
や合成された製品であれば特に限定されない。例えば以
下の商品名のものが挙げられる。 1)りん酸第一鉄八水和物(純正化学(株)製8414
0−1501) 2)りん酸鉄(II)八水和物((株)高純度化学研究所
製FE150113) 3)o−りん酸鉄(II)((株)高純度化学研究所製P
120213) 4)りん酸鉄(II)八水和物(関東化学(株)製160
37−01) 5)りん酸第一鉄八水和物(DR PAUL LOHMAN GmbH 製) 6)りん酸鉄(III)二水和物((株)高純度化学研究
所製FE150114) 7)o−りん酸鉄(III)((株)高純度化学研究所製
P120214) 8)りん酸第二鉄四水和物(純正化学(株)製8414
5−1501、1553) 9)りん酸鉄(III)四水和物(関東化学(株)製) 10)りん酸鉄(III)n水和物(関東化学(株)製1
6028−01) 11)りん酸鉄(III)n水和物(和光純薬工業(株)
製090−02702) 12)りん酸鉄(III)焼成顆粒状(関東化学(株)
製) 13)ピロりん酸第二鉄(結晶)(関東化学(株)製5
8214−43) 14)ピロりん酸第二鉄液(2.5〜3.5%含有)
(関東化学(株)製58214−43) 15)二りん酸鉄(III)溶性(和光純薬工業(株)製
090−02405) 16)Iron(III)phosphate calci
nedgranular GR(MERCK社製393
5) 17)Ferric Pyrophosphate S
olubleCrystals (SIGMA CHEM
ICAL社製)
【0009】また、りん酸塩化成処理におけるりん酸塩
化成処理液としては、その処理対象金属の種類及び目的
(例えば耐食性、塗膜密着性、塑性加工用潤滑処理の下
地処理等)によりいろいろな種類のものが考えられる
が、代表的なものとしてはりん酸亜鉛系皮膜処理液、り
ん酸マンガン系皮膜処理液、りん酸鉄系皮膜処理液及び
りん酸亜鉛カルシウム系皮膜処理液等が挙げられる。
【0010】また、りん酸塩化成処理の対象となる金属
材料としては鉄、亜鉛、アルミニウム及びその合金が挙
げられる。それらの金属材料をりん酸塩化成処理する際
に発生する副産物のりん酸塩スラッジもまた本発明に適
用できる。このりん酸塩スラッジの代表的な組成(乾燥
状態)を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】表1に示すように乾燥したりん酸塩スラッ
ジの組成中には、りん酸イオンが最も多く含まれ、つい
で鉄イオンが多く含まれる。そして、そのほとんどがり
ん酸第二鉄の形でりん酸塩化合物を形成している。
【0013】本発明における無機顔料の製造において
は、りん酸鉄及び/又はりん酸塩スラッジに必要に応じ
て水を添加する。添加する水は水道水、工業用水、脱イ
オン水、蒸留水でもよいが、脱イオン水、蒸留水がより
好ましい。なお、りん酸塩スラッジにおいては含水率が
50重量%以上であれば水を添加せずに処理可能であ
る。
【0014】本発明においてはりん酸鉄及び金属材料の
りん酸塩化成処理において発生するりん酸塩スラッジの
うち少なくとも1種を50重量%以下含有するpH7未
満の水性懸濁液が用いられる。従ってりん酸鉄と金属材
料のりん酸塩化成処理において発生するりん酸塩スラッ
ジの両方を含有する水性懸濁液も使用可能であり、特に
その混合比率に制限はない。りん酸鉄及び/又はりん酸
塩スラッジの含有量が50重量%を超えると無機顔料の
生成率が極めて低下するので好ましくない。また、pH
が7以上では水熱反応が起こらず無機顔料の製造はでき
ない。ただし、りん酸鉄及び/又はりん酸塩スラッジを
含む水性懸濁液のpHは通常4以下であるためそのまま
使用できる。
【0015】本発明における鉄分とは、金属鉄又は2価
の鉄イオンの総称である。金属鉄は不純物のできる限り
少ない鉄が好ましいが、鉄管、鉄粉、鉄棒、砂鉄、鉄
線、鋼板、スチールウール及び鉄屑等でもよい。また2
価の鉄イオンを添加しても良い。
【0016】この鉄分の添加は無機顔料の色の調整に関
係する。例えば、りん酸鉄またはりん酸塩スラッジ中の
3価の鉄イオン1モルに対して0価の鉄0.001モル
もしくは2価の鉄イオン0.0005モルの添加で淡緑
色に、0価の鉄0.05モルもしくは2価の鉄イオン
0.001モルで緑色に、0価の鉄0.1モルもしくは
2価の鉄イオン0.05モルで黒緑色に、それ以上の鉄
分の添加でさらに黒味の強い黒緑色に調整できるため、
要求する色によって鉄分の添加量を変化させる。鉄分の
割合がりん酸鉄及びりん酸塩スラッジ中の3価の鉄イオ
ン1モルに対して0価の鉄として0.001モル未満、
又は2価の鉄イオンとして0.0005モル未満では目
的の色の調整ができない。
【0017】りん酸鉄及び/又はりん酸塩スラッジを含
む前記水性懸濁液に、所定の色を出すのに必要な鉄分を
添加した液を密閉圧力容器に投入し、密閉し、加熱加圧
処理する。密閉圧力容器は耐熱温度は300℃以上、耐
圧は30kg/cm2G以上のものを使用するのが好ま
しい。加熱加圧条件は特に限定はしないが、加熱温度は
150℃以上が好ましく、より好ましくは170℃以上
である。加圧力は4kg/cm2G以上が好ましく、よ
り好ましくは7kg/cm2G以上である。前記のよう
にりん酸鉄またはりん酸塩スラッジの含有量、pH、鉄
分添加量、加熱温度及び加圧力を調整した後に2時間以
上保持する。2時間未満では水熱反応が進みにくい。
【0018】2時間以上保持した後、例えば100℃以
下まで冷却し、大気圧まで圧力抜きするような冷却操作
をおこなった後、密閉圧力容器を開封し、生成物を取り
出す。この生成物を濾過して沈殿物を採取し、この沈殿
物を水洗し、乾燥して平均粒径が3〜5μmの無機顔料
を得る。
【0019】このようにして採取した無機顔料をX線回
折により分析した結果、塩基性りん酸鉄で主成分がFe
3(PO42(OH)2であることが判明した。この無機
顔料と比較としてりん酸鉄(II)八水和物のX線回折結
果を図1に示す。
【0020】本発明の方法によれば、りん酸鉄及び/又
はりん酸塩スラッジから製造した無機顔料は、塩酸、硫
酸、硝酸及びりん酸等の酸に溶解しないため、非常に耐
酸性に優れている。水酸化ナトリウム水溶液による耐ア
ルカリ性はpH12.5まで安定である。表2に本発明
の方法で製造した無機顔料の代表的なものの特性と、赤
色顔料である酸化鉄の特性を比較として示す。
【0021】
【表2】
【0022】表2に示すように、本発明の製造方法で得
られる無機顔料は、 原料として金属材料のりん酸塩化成処理をする際に発
生するりん酸塩スラッジを利用できるため、産業廃棄物
の公害問題の対策として非常に有益であり、顔料を低価
格で供給することができる。 製造時に添加する鉄分は鉄屑等の代用が可能であるた
め鉄系廃棄物の再利用ができる。 得られた無機顔料は濾過性が非常に良いため、不純物
が濾過と水洗で容易に除去できる。 粒子径が3μm〜5μmと微細であり、表2の吸油量
から判断されるように、分散性も良好なため、多種の塗
料の顔料として使用できる。 りん酸鉄又はりん酸塩スラッジから緑色系の無機顔料
が得られ、成分がりん酸鉄系のものなので防錆性に優れ
ている。
【0023】
【実施例】以下に本発明の実施例を比較例とともに示す
が、本発明は、これらの実施例によって何ら限定される
ものではない。
【0024】実施例1 市販試薬のりん酸鉄(II)八水和物(Fe3(PO42
・8H2O)40g、鉄粉0.67g(3価の鉄イオン
1モルに対して0価の鉄0.05モル)、脱イオン水3
59.33gを密閉圧力容器(容量500ml、耐熱温
度300℃、耐圧300kg/cm2G)に投入した。
このりん酸鉄(II)八水和物の含有量は10重量%、p
Hは4.85であった。密閉圧力容器内容物を200r
pmで撹拌しながら、温度170℃、圧力7.2kg/
cm2Gまで加熱加圧処理し、その状態で8時間保持し
た。冷却後密閉圧力容器を開封し、生成物を取り出し
た。生成物を濾過し、水洗し、乾燥させ、黒緑色である
無機顔料を30.65g採取した。この無機顔料のX線
回折結果を図2に示す。
【0025】図2より無機顔料は塩基性りん酸鉄で主成
分がFe3(PO42(OH)2であることが判明した。
【0026】実施例2 市販試薬にりん酸第二鉄n水和物(FePO4・nH
2O)40g、鉄屑(切り粉)2.87g、脱イオン水
360mlを密閉圧力容器(容量500ml、耐熱温度
300℃、耐圧300kg/cm2G)に投入した。こ
のりん酸第二鉄n水和物の含有量は9.93重量%、p
Hは4.56であった。密閉圧力容器内容物を200r
pmで撹拌しながら、温度170℃、圧力7.2kg/
cm2Gまで加熱加圧処理し、その状態で8時間保持し
た。冷却後密閉圧力容器を開封し、生成物を取り出し
た。生成物を濾過し、水洗し、乾燥させ、青緑色である
無機顔料を24.37g採取した。この無機顔料のX線
回折結果を図3に示す。
【0027】図3より無機顔料は塩基性りん酸鉄で主成
分がFe3(PO42(OH)2であることが判明した。
【0028】実施例3 次に実際の自動車ボディーのりん酸塩化成処理ラインか
ら採取した化成処理スラッジ(含水率55.5%)18
0kg、工業用水239.32kg、スチールウール
0.68kg(3価の鉄イオン1モルに対して0価の鉄
0.05モル)を密閉圧力容器(容量0.5m3、耐熱
温度300℃、耐圧30kg/cm2G)に投入した。
この化成処理スラッジ含有量は20重量%、pHは3.
05であった。密閉圧力容器内容物を250rpmで撹
拌しながら、温度190℃、圧力12.8kg/cm2
Gまで加熱加圧処理し、その状態で6時間保持した。冷
却後密閉圧力容器を開封し、生成物を取り出した。生成
物を濾過し、水洗し、乾燥させ、緑色である無機顔料を
53.6kg採取した。この無機顔料のX線回折結果を
図4に示す。
【0029】図4より無機顔料は塩基性りん酸鉄で主成
分がFe3(PO42(OH)2であることが判明した。
【0030】実施例4 また、無機顔料の色を変えるため、実施例3で用いた化
成処理スラッジ(含水率55.5%)180kg、工業
用水218.6kg、スチールウール1.4kg(3価
の鉄イオン1モルに対して0価の鉄0.1モル)を密閉
圧力容器(容量0.5m3、耐熱温度300℃、耐圧3
0kg/cm2G)に投入した。この化成処理スラッジ
含有量は20重量%、pHは3.1であった。密閉圧力
容器内容物を250rpmで撹拌しながら、温度190
℃、圧力12.8kg/cm2Gまで加熱加圧処理し、
その状態で6時間保持した。冷却後密閉圧力容器を開封
し、生成物を取り出した。生成物を濾過し、水洗し、乾
燥させ、黒緑色である無機顔料を55.8kg採取し
た。この無機顔料のX線回折結果を図5に示す。
【0031】図5より無機顔料は塩基性りん酸鉄で主成
分がFe3(PO42(OH)2であることが判明した。
【0032】実施例5 次に、鋼の冷間加工に利用されているりん酸亜鉛カルシ
ウム処理から発生する化成処理スラッジから顔料を製造
した。この化成処理スラッジは乾燥状態でPO4;5
5.4重量%、Fe;18.8重量%、Zn;11.2
重量%、Ni;0.01重量%、Mn;0.2重量%、
Na;0.8重量%、Ca;0.7重量%、の組成であ
った。そして、化成処理スラッジ(含水率30%)11
4kg、工業用水284.5kg、スチールウール1.
5kg(3価の鉄イオン1モルに対して0価の鉄イオン
0.1モル)を密閉圧力容器(容量0.5m3、耐熱温
度300℃、耐圧30kg/cm2G)に投入した。こ
の化成処理スラッジ含有量は19.95重量%、pHは
3.02であった。密閉圧力容器内容物を250rpm
で撹拌しながら、温度190℃、圧力12.8kg/c
2Gまで加熱加圧処理し、その状態で6時間保持し
た。冷却後密閉圧力容器を開封し、生成物を取り出し
た。生成物を濾過し、水洗し、乾燥させ、黒緑色である
無機顔料を52.6kg採取した。この無機顔料のX線
回折結果を図6に示す。
【0033】実施例1、2、3、4及び5で採取した無
機顔料の特性及び組成を表3に示した。表3中の分散性
は、顔料を塗料に配合し、グラインドゲージ粒度計で分
散粒度を測定し、分散性粒度10μm以下を優、10〜
20μmを良とした。
【0034】
【表3】
【0035】また、本発明方法で製造した実施例3の無
機顔料を表4に示す配合比で塗料を試作した。そして、
SPCC−SDテストパネル上にワンコートスプレー塗
装し、次に示す塗膜性能試験方法にて評価した。その評
価結果を表5に示す。ここで、塗膜性能試験方法につい
て説明する。 鉛筆硬度 塗膜に傷が付かない限界点の鉛筆硬度で示した。 ゴバン目 1cm角に1mm間隔でカッターナイフで塗膜に切り込
みを入れ、セロテープで急激に塗膜を剥離させ、残存し
たゴバン目の数を数えた。 屈曲性試験 20φの心棒を軸に180度折り曲げて、塗膜の剥離の
ないものを合格とした。
【0036】耐水性試験 水温40℃の水中に120時間塗膜を浸漬した後、と
同様にゴバン目試験をおこない、残存したゴバン目の数
を数えた。 耐湿性試験 温度50℃、98%の湿度の雰囲気中で120時間塗板
を放置し、と同様にゴバン目試験をおこない、残存し
たゴバン目の数を数えた。 耐摩耗性試験 塗板上に1,000gの荷重を加えて、1,000回摺
動した時の剥離量を測定した。 塩水噴霧試験 SST120Hr後のクロクカット部の剥離幅(mm)
を測定した。
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】実施例1〜5及び表5の塗膜性能試験結果
から次のことが言える。 (1)実施例1〜6の本発明の無機顔料は黒緑色、青緑
色又は緑色の色合を有し、平均粒径は3〜5μmで、分
散性にも優れている。 (2)実施例3で得られた無機顔料は、緑色であるがこ
の色を変更するため、添加するスチールウールの量を実
施例3より増加して製造した結果、実施例4では実施例
3と異なった黒緑色の無機顔料が得られた。このよう
に、本発明の製造条件を一部変更することにより、得ら
れる無機顔料の色を緑色から黒緑色まで調整できる。 (3)表5の結果から、実施例3の本発明の無機顔料を
用いた塗料について、鉛筆硬度、ゴバン目試験、屈曲性
試験、耐水性試験、耐湿性試験、耐摩耗試験及び塩水噴
霧試験においても、その性能は優れている。
【0040】
【発明の効果】本発明の製造方法によって製造された無
機顔料は、緑色、青緑色又黒緑色の色合を有し、平均粒
径3〜5μmの分散性の良い新規な無機顔料である。ま
た、本発明の製造方法によって、その色も緑色から黒緑
色迄調整できる。さらに、金属材料のりん酸塩化成処理
において発生するりん酸塩スラッジを原料とすることに
より本発明の製造方法により、無機顔料として、りん酸
塩スラッジの有効利用が図られ、産業廃棄物としての廃
棄処分の必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によって製造された無機顔料とり
ん酸鉄(II)八水和物のX線回折図である。
【図2】りん酸鉄(II)八水和物から本発明の方法によ
り製造された無機顔料のX線回折図である。
【図3】りん酸第二鉄水和物(FePO4・nH2O)か
ら本発明の方法により製造された無機顔料のX線回折図
である。
【図4】自動車ボディーりん酸塩化成処理スラッジから
本発明の方法により製造された無機顔料のX線回折図で
ある。
【図5】色を調整した場合の本発明の方法により製造さ
れた無機顔料のX線回折図である。
【図6】りん酸亜鉛カルシウム化成処理スラッジから本
発明の方法により製造された無機顔料のX線回折図であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 りん酸鉄及び金属材料のりん酸塩化成処
    理において発生するりん酸塩スラッジのうち少なくとも
    1種を50重量%以下含有するpH7未満の水性懸濁液
    と鉄分とを密閉圧力容器内に充てんし、加熱加圧処理し
    た後、沈殿物を含む生成物を濾過し、該沈殿物を採取
    し、水洗し、乾燥し、無機顔料を製造することを特徴と
    するりん酸鉄及び/又はりん酸塩スラッジからの無機顔
    料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記りん酸鉄及び金属材料のりん酸塩化
    成処理において発生するりん酸塩化成処理スラッジのう
    ち少なくとも1種を50重量%以下含有するpH7未満
    の水性懸濁液に添加する鉄分の割合がりん酸鉄及び/又
    はりん酸塩スラッジ中の3価の鉄イオン1モルに対して
    0価の鉄として0.001モル以上、又は2価の鉄イオ
    ンとして0.0005モル以上である請求項1に記載の
    製造方法。
JP21664794A 1994-08-18 1994-08-18 りん酸鉄及び/又はりん酸塩スラッジからの無機顔料の製造方法 Pending JPH0859218A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115537042A (zh) * 2022-11-04 2022-12-30 河北工业大学 利用铁尾矿制备环境友好型绿色复合颜料的方法
CN115863608A (zh) * 2023-01-04 2023-03-28 清华大学深圳国际研究生院 一种磷酸铁锂碳包覆材料及其制备方法和应用
CN119525258A (zh) * 2024-12-23 2025-02-28 浙江威尔森新材料有限公司 一种磷化渣化学综合利用处理方法

Cited By (4)

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CN115537042A (zh) * 2022-11-04 2022-12-30 河北工业大学 利用铁尾矿制备环境友好型绿色复合颜料的方法
CN115537042B (zh) * 2022-11-04 2023-08-18 河北工业大学 利用铁尾矿制备环境友好型绿色复合颜料的方法
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