JPH086111B2 - 多硫化オレフィン組成物の調製法 - Google Patents

多硫化オレフィン組成物の調製法

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JPH086111B2
JPH086111B2 JP61248256A JP24825686A JPH086111B2 JP H086111 B2 JPH086111 B2 JP H086111B2 JP 61248256 A JP61248256 A JP 61248256A JP 24825686 A JP24825686 A JP 24825686A JP H086111 B2 JPH086111 B2 JP H086111B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、特に潤滑剤の極圧諸性質の改良に利用され
る有機硫化物添加剤の分野に関するものである。更に詳
しくは本発明は多硫化オレフィン組成物の調製法に関す
るものである。
従来技術及びその問題点 公知の如く、先行技術には潤滑剤用の極圧添加剤とし
て利用しうる多硫化オレフィンの調整を目的として幾つ
かの方法について述べられている。
特に、米国特許第3471404号と同第3697499号には次の
ような主要工程からなる方法について述べられている。
即ち(1)アダクトを生成するように、20から80℃の温
度で一塩化硫黄を、炭素原子2から5のオレフィン、特
にイソブテンの過剰と反応せしめ、(2)第一工程のア
ダクトをアルカリ金属硫化物(好ましくは硫化ソーダ)
及び元素状硫黄と反応せしめ、これらの使用割合は硫黄
1グラム原子につき金属硫化物1.8から2.2モルとし、ア
ルカリ金属硫化物の割合は、更に、アダクト1モルにつ
き0.8から1.2モルとし、この反応は還流するアルコール
又はアルコール水溶液の存在において実施し、かつ
(3)塩素を1から3%含む得られた製品を、還流する
無機塩基の水溶液と、製品の塩基の残留含有量が0.5%
以下になるまで反応させる。
これらの先行特許に示されているように、得られた製
品の硫黄含有量は40から60重量%にもなろう。実際、こ
の含有量は大抵の場合、約46重量%である。これらの生
成物は潤滑油、伝動液又はグリース用の極圧添加剤とし
て利用することができ、当該潤滑油のベースは無機質油
や或種の合成油で構成されている。
更に、米国特許第4204969号には潤滑油用極圧添加剤
として利用できる多硫化オレフィンの極めて類似した調
製法が述べてあり、この方法は次のような主要工程から
成立っている。即ち、 (1) 約30から100℃で一塩化硫黄を、好ましくは下
級アルコールからなる促進剤の存在においてC3からC
6(一般にはイソブテン)の脂肪族モノオレフィンと反
応せしめて「アダクト」を生成するようにする。
(2) この「アダクト」を還流する50℃以上の温度の
アルコール水媒体中で、硫化ソーダ1モル当り硫黄0.1
から0.4グラム原子の割合の硫黄と硫化ソーダ(例えばN
aOH、NaSH及びH2Sから調製したもの)と反応せしめ、得
られた生成物を、無処理で、或塩基を用いて回収する。
この独特な例に示されているように、調製された物質
の硫黄分は49重量%であり、37.8℃(100゜F)におけ
る粘度は8.6mm2/s(cSt)である。
これらの先行技術に述べられている各方法を用いて、
関与する硫化物又はアルカリ性水硫化物に対して元素状
硫黄の関与割合を増加して行くことによって添加剤の硫
黄分を増加せしめようとする場合、合成潤滑油(例えば
ポリアルファオレフィン型のもの)中には、或は無機潤
滑油中にさえも、極圧添加剤として利用しうるほどには
十分に可溶性でない物質が得られる。更に、こうして求
めた物質の動粘度は一般に高すぎる。
フランス特許FR−B−2563231号では、本出願人は既
に、主として次のような工程で定義される多硫化オレフ
ィンの調製法について述べている。即ち、 1) 一塩化硫黄と二塩化硫黄の内から選んだ少なくと
も一つの化合物を炭素原子2から5の少なくとも一つの
モノオレフィンと、一塩化硫黄及び/又は二塩化硫黄の
1モルにつきモノオレフィン1.5から2.5モルの割合で反
応せしめて、付加物即ち「アダクト」を生成する。
2) 前記「アダクト」と、C1からC12のアルキル、C5
からC12のシクロアルキル又は置換シクロアルキル、及
び、C6からC12アリルアルキル又は置換アリルアルキル
の夫々の塩化物、臭化物又は沃化物の内から選んだ少な
くとも一つのハロゲン化炭化水素(前記「アダクト」と
前記ハロゲン化炭化水素化合物で構成された全体に含ま
れるハロゲンのグラム原子数につきハロゲンのグラム原
子が2から40%に相当するようにしたもの、即ち、100g
の「アダクト」に対して、ハロゲン化物、0.015から0.5
5グラム原子)とを、アルカリ金属、アルカリ土金属、
アンモニウムの硫化物、水硫化物及び多硫化物の内から
選んだ少なくとも一つの硫化物(前記「アダクト」と前
記ハロゲン化炭化水素化合物で構成された全体に含まれ
るハロゲンのグラム原子数につき約0.4から0.8モルの割
合)と、元素状硫黄(前記硫化物1モルにつき0から4
グラム原子の割合)とに、水又は水と脂肪族の一価アル
コールの混合物からなる媒体中で接触せしめる。
3) 生じた混合物を加熱して2相に分離した後、有機
相において多硫化オレフィンを回収する。
(4) そして、工程3)で得られた物質を無機塩基の
ような塩基性化合物によって処理する場合もある。
この先行特許に示してあるように、このように調製し
た製品は多硫化オレフィンであって、一般には45から55
重量%にも及び、場合によってはそれ以上(約60重量
%)にもなる硫黄分を示すこともあろう。100℃でのそ
れらの動粘度はその硫黄分次第で変動する。これは約4
から20mm2/sであろう。それらのハロゲン分(主として
塩素分)は、一般に、約1重量%以下で、大抵の場合約
0.6重量%以下である。
調製に当ってその関与する元素状硫黄の割合が最も高
い製品は金属加工用(切断、成形等)の油の調製に利用
することができる。調製に際して0.3/1といった低い硫
化物/元素状硫黄モル比が関与してくる多硫化オレフィ
ンをこの用途に利用することができ、これらの製品(非
常に硫黄リッチ)が金属加工用の潤滑剤(例えば160Neu
tral Solvent)の生成に使われる無機起源のベース油に
も十分溶解することが示されている。
この場合に、使用する添加剤の濃度は一般に約0.5か
ら2重量%である。
上記フランス特許に対する最初の追加フランス出願FR
−A−2571380号において本出願人は、工程2)におい
て、工程1)から到来する「アダクト」と前記ハロゲン
化物のグラム原子数に対してハロゲンのグラム原子で約
40から70%の間にある前記ハロゲン化炭化水素の割合
と、関与する硫化物1モル当り7グラム原子にまで及び
うる元素状硫黄の割合を関与せしめる場合にまで、多硫
化オレフィンの調製法の定義を布延した。
この方法によれば、この際、特に元素状硫黄のグラム
原子/硫化物モルの比が最高の場合(例えば約3.3/1か
ら7/1)、硫黄が非常にリッチで(約60から65重量%に
も及ぶ)、金属加工用の油において溶解度が更に高まる
(例えば100Neutoral Solvent又はナフテン系スピンド
ル型の)物質を得ることができる。
上記の2資料は特に、欧州特許出願EP−A−0159936
号中にまとめられた。
問題点の解決手段 今や、潤滑油用添加剤として有利に利用できる多硫化
オレフィンの新組成物の調製が可能なことが判明した。
本発明の多硫化オレフィンの組成物は、第一工程から
発生する付加物(即ち「アダクト」)と協同したそれら
の調製の第二工程において、少なくとも一つのヒドルカ
ルベニルのモノハロゲン化物、即ちモノハロゲン化不飽
和炭化水素化合物を関与せしめるという相違点を除い
て、一般的には前掲のフランス特許FR−B−2563231号
と、FR−A−2571380号追加特許出願に示すように定義
することができる。
かくして、本発明の組成物は次のことからなる方法で
求められるものと定義される。即ち、 1) 例えば20から80℃の温度で、一塩化硫黄と二塩化
硫黄の内から選んだ少なくとも一つの化合物を炭素原子
2から5の少なくとも一つのモノオレフィンと、一塩化
硫黄及び/又は二塩化硫黄の1モルにつきモノオレフィ
ン1.5から2.5モルの割合で反応せしめて、付加物即ち
「アダクト」を生成する工程。
2) 前記「アダクト」と、後で定義する少なくとも一
つのモノハロゲン化不飽和炭化水素化合物とを、アルカ
リ金属、アルカリ土金属、アンモニウムの硫化物、水硫
化物及び多硫化物の内から選んだ少なくとも一つの硫化
物と、場合によっては元素状硫黄とに、例えば各種反応
体導入の間、20から100℃の温度に保った水又はアルコ
ール水媒体中で、接触せしめる工程、 3) 生じた混合物を、例えば50℃から還流温度までの
或温度に加熱し、傾瀉せしめ、下部の水相を除去し、上
部の有機相中に多硫化オレフィンを回収する工程、及び 4) 場合によっては、得られた製品を無機塩基のよう
な塩基化合物で処理する工程。
出発のオレフィンは2から5の炭素原子を含んでいて
もよく、単独に、或は混合して使用してもよい。大抵の
場合、イソブテンが利用される。又、これらのオレフィ
ンを少量の割合の炭素原子5以上のオレフィン(例えば
ジイソブテン)と混合して利用することもできる。
一塩化硫黄及び/又は二塩化硫黄の1モル当りの使用
割合は1.5から2.5モル、好ましくは1.8から2.2モルとす
ることができる。これは一般に、20から80℃、更に特定
すれば30から50℃の温度の液状一塩化硫黄及び/又は二
塩化硫黄中に装入される。
本方法の2)工程では、1)工程の後に得られる「ア
ダクト」と共に利用されるモノハロゲン化不飽和炭化水
素化合物は、C2からC12のアルケニル、C5からC12のシク
ロアルケニル又はC6からC12のアリルアルケニルの夫々
の塩化物、臭化物又は沃化物で構成される。この化合物
は、C2からC12(好ましくはC2からC4)の直鎖状又は側
鎖状のアルケニル、又はC5からC12(好ましくはC6)の
シクロアルケニル、場合によってはアルキル置換シクロ
アルケニル、又はC6からC12(好ましくはC8またはC9
のアリルアルケニル、場合によってはアリル基における
アルキル置換アリルアルケニルの夫々の塩化物、臭化物
又は沃化物で構成することができる。
操作上の理由から、例えば沸点が約100から150℃にも
及ぶモノハロゲン化不飽和炭化水素化合物が特に有利で
あると考えられる。
例示として、特に、1−クロロエチレン、1−クロロ
プロペン、2−クロロプロペン、3−クロロプロペン、
1−クロロ−1−ブテン、1−クロロ−2−ブテン、2
−クロロ−2−ブテン、3−クロロ−1−ブテン、1−
クロロ−2−メチルプロペン3−クロロ−2−メチルプ
ロパン及び3−クロロ−1−フェニル−1−プロペンを
挙げることができる。
使用するモノハロゲン化不飽和炭化水素化合物の割合
は、最終製品の諸性質が著しく改善されるのを見るため
には、十分なものとしなくてはならない。この割合は一
般的には「アダクト」+モノハロゲン化化合物の全体に
含まれるハロゲンのグラム原子の総数に対して、ハロゲ
ンのグラム原子が1から70%に相当する値である。この
割合は、特に出発のモノオレフィンがイソブテンである
場合、100gの「アダクト」の場合、モノハロゲン化化合
物のモル数として約0.015から1.9に相当する。
本発明の枠内において、上に定義したようなモノハロ
ゲン化不飽和炭化水素化合物の例えば90モル%、更に詳
しくは50モル%に及ぶ部分を、下記に定義するような少
なくとも一つのモノハロゲン化飽和炭化水素化合物及び
/又は一つ又は幾つかの酸素及び/又は窒素及び/又は
硫黄のようなヘテロ原子を含む少なくとも一つの官能基
も有する少なくとも一つのモノハロゲン化炭化水素化合
物の等モル量で置換することができる。
モノハロゲン化飽和炭化水素化合物は、直鎖形又は側
鎖状の例えばC1からC8のアルキル、又は例えばC6のシク
ロアルキル、場合によってはアルキル置換シクロアルキ
ル、又は例えばC7又はC8のシクロアルキル、場合によっ
てはアリル基におけるアルキル置換アリルアルキルの夫
々の塩化物、臭化物又は沃化物で構成することができ
る。
例示としてメチル、エチル、イソプロピル、n−プロ
ピル、第三ブチル、イソブチル、n−ブチル、第三アミ
ル、イソアミル、n−アミル、n−ヘキシル、2−エチ
ルヘキシル、n−オクチル、シクロヘキシル及びベンジ
ルの夫々の塩化物、臭化物及び沃化物及びそれらの混合
物を挙げることができる。塩化イソプロピル、塩化及び
臭化n−ブチル、塩化n−オクチル、塩化シクロヘキシ
ル又は塩化ベンジルを使用すれば有利である。
各官能性モノハロゲン化炭化水素化合物は主として一
塩化又は一臭化化合物で構成してもよく、これらは下記
のものの内から選ぶのが有利であろう。即ち、 ・少なくとも一つのアルキル基と、特に、 ☆ 例えば2から18の炭素原子を含む脂肪族又は脂環式
又は芳香脂肪族のハロゲン化一価アルコール、 ☆ ハロゲン化多価アルコール(及び対応するエポキシ
誘導体)、及び ☆ オキシアルキレン一価アルコール(多価アルコー
ル)のハロゲン化物 を含むモノハロゲン化化合物、 ・少なくとも一つのフェノール基を有するモノハロゲン
化化合物、 ・少なくとも一つのカルボキシル基を有するモノハロゲ
ン化化合物、 ・少なくとも一つのアミノ基を有するモノハロゲン化化
合物、特に脂肪族又は脂環式又は芳香脂肪族化合物、 ・少なくとも一つのアミド基を有するモノハロゲン化化
合物、 或は又、 ・少なくとも一つのチオール基を有するモノハロゲン化
化合物。
各種各様の基を有する官能性モノハロゲン化化合物の
内で引用できるものは、 ・ヒドロキシル基とカルボン酸基をもつ化合物と、 ・アミノ基とカルボン酸基を有する化合物、或は又、 ・ヒドロキシル基とアミノ基を有する化合物である。
このような各化合物のより特定な例は本出願人の欧州
特許出願EP−A−0159936号に示されている。
工程2)に使用する硫化物は、アルカリ金属(例えば
ナトリウム又はカリウム)又はアルカリ土金属(例えば
マグネシウム又はカルシウム)又はアンモニウムの硫化
物、水硫化物及び多硫化物の内から選ぶことができる。
大抵の場合、硫化ソーダ、水硫化ソーダ(例えば苛性ソ
ーダの存在において)及び多硫化ナトリウムが利用され
る。この化合物は「アダクト」+モノハロゲン化炭化水
素の全体に含まれるハロゲンの1グラム原子につき約0.
4から0.8モルの割合で持込まれる。
硫化物と同時に工程2)に持込まれる元素状硫黄の硫
化物に対するモル比は約7/1に至らしめることができる
(更に詳しくは0.4/1から7/1)。この比は約0.14/1(更
に詳しくは0.14/1から2.5/1)という低い値でもよい逆
比に相当する。
工程2)において、水中に、又は好ましくは水と軽質
脂肪族一価アルコール(例えば炭素原子が1から4含ま
れているもの)の混合物中に、一般に硫化物を導入し
(又は生成し)、かつ場合によっては元素状硫黄を導入
する。
軽質脂肪族一価アルコールとして挙げることができる
のは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール及び
第三ブタノールであり、イソプロパノールが好ましい。
使用する水・アルコール混合液は、水の重量に対して例
えば2から60重量%のアルコール(好ましくは5から45
%)を含んでいてもよい。
このような構成で、絶えず攪拌している温度20から10
0℃の媒体中に、数分から数時間という時間で、例えば1
0分から3時間で、工程1)による付加物とモノハロゲ
ン化炭化水素を同時に添加する。
工程3)では、(50℃から還流温度までの温度で)例
えば3から24時間加熱する。
場合によっては、例えば無機塩基(苛性ソーダ又は苛
性カリ)の水溶液であってもよい塩基性化合物を用い
て、工程3)の結果得られた物質を処理する工程4)を
採用することができる。使用するこれらの水溶液の濃度
は、例えば苛性ソーダ又は苛性カリとして、約0.5から2
0重量%とすることができる。
本発明の方法の工程2)の反応と、その後の各処理は
連続的に実施することができる。この際、各操作は好ま
しくは、向流よりもむしろ並流かつ多重接触による反応
体供給法によって行なわれ、これは最終時に得られる製
品の諸性質に関して有利である。
上に定義されているような本発明の組成物は、一般的
に硫黄分が約40から65重量%である多硫化オレフィン混
合物で構成されている。これらの100℃での動粘度は硫
黄分によって変動し、約4から20mm2/sであろう。これ
らのハロゲン分(主として塩素)は一般に1重量%以下
で、大抵の場合約0.6重量%以下である。
これらの製品は一般に無機油及び第部分の合成油にか
なりの濃度まで可溶であり、ある物についてはあらゆる
割合で可溶ですらある。硫黄分が最も高い製品の潤滑油
への溶解度はより小さいものとなるだろう。しかしこの
溶解度は、これらを応用することができる幾つかの用途
(前に示したような金属加工油用の添加剤)には十分で
ある。
本発明の製品は歯車潤滑用の油の処方には特に有用で
ある。
ベースの油は無機質のものでも合成によるものでもよ
い。合成油は特に、ルイス酸の存在においてオリゴマー
化によって得られた1−デセンの三量体、四量体及び五
量体のようなオレフィンのオリゴマーを含んでいる。別
のα−オレフィン、例えばC6からC14のα−オレフィン
も勿論、利用可能である。
又、モノ又はジアルキルベンゼンのようなアルキルベ
ンゼン、又は更にモノ又はポリカルボン酸(セバチン
酸、脂肪酸等)による各合成エステルや、一価アルコー
ル又は多価アルコールによるもの(2−エチルヘキサノ
ール、トリメチロールプロパン等のようなもの)を利用
することができる。
この用途において、調製にあたって比較的低い硫黄比
(元素状硫黄/硫黄化合物の分子比が例えば0.4/1から
0.55/1)も、より高めの硫黄比も関与させる多硫化オレ
フィンを利用することができる。選定した潤滑剤中の溶
解度と添加剤の腐食性のため元素状硫黄/硫黄化合物の
分子比の値は、無機油で利用可能な添加剤の場合は約2.
5/1に、又合成油中で利用可能な添加剤の場合は約0.7/1
にも及ぶことになろう。
これらの多硫化オレフィンの硫黄分は一般に40から50
重量%である。
当該多硫化オレフィンはこの場合、例えば0.5から7
重量%の濃度で潤滑油に添加することができる。
これらの添加剤は金属のジアルキル又はジアリルジチ
オ燐酸塩や有機亜燐酸塩や燐酸塩のような燐化添加剤と
併用することができる。
酸化防止剤、防錆剤、銅の不働態化剤、発泡防止剤、
摩擦低下剤のような従来の別の添加剤を普通の割合で添
加することができる。
本発明の製品は又、金属加工用の油の処方(切断、成
形等)に利用すれば有利である。
この用途では、調製時に元素状硫黄/硫黄化合物の分
子比が2.5/1にもなる硫黄の割合(歯車用油の場合上記
に示した)が関与してくる多硫化オレフィンの他に、調
製時に関与する元素状硫黄/硫黄化合物のモル比がもっ
と高く約7/1になるような多硫化オレフィンを利用する
こともでき、硫黄分が一般には少なくとも50%であるも
のが60から65重量%にもなりうるこれらの製品は、金属
加工用潤滑剤の処方に使用される無機質のベース油(例
えば100Neutral Solvent)に驚くほど十分可溶である。
この場合、使用する添加剤の濃度は潤滑油に対して、
一般に約0.1から10重量%、好ましくは、0.5から5重量
%である。この用途においては塩化パラフィン類のよう
な従来の別の添加剤を、例えば潤滑油に対して2から10
重量%の塩素に相当する割合で添加することができる。
発明の効果 この発明によれば、歯車油や金属加工油のような潤滑
油用添加剤として有利に利用できる多硫化オレフィンの
新組成物を得ることができる。
実 施 例 次の実施例は本発明を例証している。これらは制限的
なものとみなしてはならない。実施例1は比較のために
示してある。
実施例1(比較用) 40から45℃に加熱した5の反応器に、1900gの一塩
化硫黄S2Cl2(14.07モル)を導入し、次に導入管を介し
て、絶えず攪拌しているS2Cl2の表面下に、17.8gのメタ
ノールを溶かした1780gのイソブテン(34.27モル)を導
入する。反応媒体の温度は、イソブテン導入の全時間に
わたって(3時間)45から50℃に維持する。こうして35
20gの付加物が得られる。これを「アダクト」という言
葉で表示する。
耐圧性のグリニアール型のステンレス鋼製の1の第
二の反応器に、296gの水と、159.3gの片状の60%のNa2S
(1.225モル)と、19.5gの微粉化した硫黄(0.609グラ
ム原子)と、31mlのイソプロパノールを順次に導入す
る。テストに使用する分子比Na2S/Sは2に等しい。混合
物を1時間、攪拌しながら80℃に加熱し、温度を45℃に
戻す。
次に、定量ポンプを用いて絶えず攪拌している水媒体
中に、前に求めた付加物250gを導入し、この導入に0.75
時間かける。反応媒体温度は徐々に45℃から75℃へ上昇
する。次に、この混合物を激しく攪拌しながら105℃で1
5時間攪拌加熱する。
混合物を80℃付近まで冷却し、攪拌を停止し、0.5時
間傾瀉させ、下部水相を除去する。次に、有機相に10重
量%苛性ソーダ水溶液を200ml添加する。混合物を改め
て6時間105℃とする。
傾瀉の後回収された有機相と200cm3の水で3回洗浄す
る。この相を1時間、100℃で2666Paの真空下で乾燥
し、次に、珪藻土の存在において濾過する。こうして18
7gの黄橙色の液体を得る。その特性は次の通りである。
S(重量%)=47.6 Cl(重量%)=0.45 100℃での粘度(mm2/s)=11.9 実施例2 実施例1の操作条件と全く等しい条件で操作を行い、
定量ポンプを用いてアルカリ性の多硫化物溶液中に、20
0gの付加物S2Cl2/イソブテンと25.31g(0.405モル)の
塩化エチレン(塩化ビニル)からなる混合物を導入す
る。処理後、黄橙色の流体物質172gを回収する。その特
性は次の通りである。
S(重量%)=45.8 Cl(重量%)=0.54 100℃での粘度(mm2/s)=6.8 実施例3から7 実施例2の場合のように、アルカリ性多硫化物溶液中
に付加物S2Cl2/イソブテン200gと0.405モルの各種塩化
不飽和炭化水素からなる混合物を導入する。即ち、 実施例3: 3−クロロプロペン(塩化アリル)=31g 実施例4: 3−クロロ−1−ブテン=36.65g 実施例5: 1−クロロ−2−ブテン(塩化クロチル)=36.65g 実施例6: 3−クロロ−2−メチルプロペン(塩化メタリル)=3
6.65g 実施例7: 3−クロロ−1−フェニル−1−プロペン(塩化シンナ
ミル)=61.8g 得られた物質の各特性は次の表Iにまとめてある。
実施例8 200gの付加物S2Cl2/イソブテンと48gの2−クロロチ
オフェン(0.405モル)からなる混合物を用いて、実施
例1の実験を繰返す。処理後、黄橙色の液状物質187gが
回収された。その特性は下記の通りである。即ち、 S(重量%)=47.5 Cl(重量%)=0.55 100℃での粘度(mm2/s)=6.1 PAO(SAE90)における20℃での溶解性=可溶 実施例9 鱗片状の60%のNa2S159.3g(1.225モル)と、196gの
微粉状硫黄(6.115グラム原子)と、31mlのイソプロパ
ノール(このテストで使用されたNa2S/Sのモル比は0.2
である)と、93.65gの付加物S2Cl2/イソブテンと、114.
3gの塩化クロチル(1.263モル)からなる混合物を使用
して、実施例1の実験を繰返す。105℃での反応と、傾
瀉と、水相の除去の後、有機相を強く攪拌しつつ、105
℃で6時間200mlの4重量%苛性ソーダ水溶液で処理す
る。
傾瀉後回収された有機相を200cm3の水で3回洗浄す
る。この相を1時間、100℃で、2666Paの真空で乾燥
し、次に、珪藻土の存在のもとで濾過する。こうして、
274gの黄橙色液が得られる。その特性は次の通りであ
る。
S(重量%)=64.2 Cl(重量%)=0.25 100℃での粘度(mm2/s)=5.6 実施例10 本発明の添加剤の銅に対する腐食性は、硫化添加剤を
5重量%含む無機油SAE90によるASTMD130(NFM07−01
5)なる規格に従って銅板上の腐食テストで評価され
る。
得られた結果を表IIにまとめてある。これらは数字
(1から4)による表示で表わしてあり、この数字の次
に銅板の腐食の度合いを明確にする文字が書いてある。
3以下又は3に等しい表示に該当する製品つまり実施
例2から8の製品は、更に詳しくは歯車油の処方に利用
することができる。これより高い腐食表示に該当するも
の、即ち、実施例9の製品は、更に詳しくは金属加工用
油の処方に利用されるだろう。
実施例11と12(本発明による添加剤の極圧諸性質の評
価) 前実施例で調製した添加剤の或ものについて、歯車油
型の処方における極圧性質および加工油型の処方におけ
る極圧性質を明らかにするテストを実施した。
実施例11 第一のテストにおいて、実施例2、4、5、6、7の
製品を、無機油SAE90中の濃度1.5重量%で、ASTM法D226
6及びD2783に従って四球機(machine 4 billes)を用い
て調べた。求めた結果は表IIIにまとめてある。
これらの結果の示すところでは、本発明による添加剤
によれば、ボールの溶接荷重(Charge de Soudure)の
荷重・摩耗指数は極めて顕著に増加し、ボールの摩耗は
著しく低下する。これらの腐食性が弱いことを考慮する
と、これらの添加剤は工業用又は自動車用の歯車用の極
圧油の処方に利用すれば有利となるだろう。
実施例12 第二の実験において、実施例9で得られた添加剤の極
圧性質は、ASTM法D2783により四球機を用いて、金属切
断油型の処方によって評価される。
調査した潤滑剤処方は塩化パラフィンとして3%の塩
素と、実施例9の硫化物添加剤として1%の硫黄を含む
無機油100 Neutral Solventで構成されている。求めた
結果は下記の第IV表にまとめてある。
これらの結果の示すところでは、本発明による硫黄分
の非常に高い添加剤によれば、球の溶接荷重がかなり増
大することになる。このためにこれは金属切断油の調製
に奨めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C10M 159/12 (C10M 159/12 125:22 127:02 131:02) C10N 30:06 40:04 40:20 Z (72)発明者 ギー・パルク フランス国リュエイユ・マルメゾン (92500)・リュ・デュ・シャトー 27番 地 (56)参考文献 特公 平5−86836(JP,B2)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1) 多硫化オレフィンの組成物におい
    て、一塩化硫黄と二塩化硫黄の内から選んだ少なくとも
    一つの化合物を炭素原子2から5の少なくとも一つのモ
    ノオレフィンと、一塩化硫黄及び/又は二塩化硫黄の1
    モルにつきモノオレフィン1.5から2.5モルの割合で反応
    せしめて、付加物即ち「アダクト」を生成する工程、 2) 前記「アダクト」と、少なくとも一つのモノハロ
    ゲン化不飽和炭化水素化合物(前記「アダクト」と前記
    モノハロゲン化不飽和炭化水素化合物で構成された全体
    に含まれるハロゲンのグラム原子数につきハロゲンのグ
    ラム原子が1から70%に相当するようにしたもの)と
    を、アルカリ金属、アルカリ土金属、アンモニウムの硫
    化物、水硫化物及び多硫化物の内から選んだ少なくとも
    一つの硫化物(前記「アダクト」と前記モノハロゲン化
    不飽和炭化水素化合物で構成された全体に含まれるハロ
    ゲンのグラム原子数につき約0.4から0.8モルの割合)
    と、元素状硫黄(前記硫化物1モルにつき0から7グラ
    ム原子の割合)とに、水又は水と脂肪族の一価アルコー
    ルの混合物からなる媒体中で接触せし、前記モノハロゲ
    ン化不飽和炭化水素化合物は、C2からC12のアルケニ
    ル、C5からC12のシクロアルケニル又はC6からC12のアリ
    ルアルケニルの夫々の塩化物、臭化物又は沃化物で構成
    される工程、及び 3) 生じた混合物を加熱して2相に分離した後、有機
    相において多硫化オレフィンを回収する工程 からなることを特徴とする多硫化オレフィン組成物の調
    製法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項による組成物の調製
    法において、工程2)において考慮された前記モノハロ
    ゲン化不飽和炭化水素化合物が、C2からC12の直鎖状又
    は側鎖状のアルケニル、C5からC12のシクロアルケニル
    又は置換シクロアルケニル、C6からC12のアリルアルケ
    ニル又は置換アリルアルケニルの夫々の塩化物、臭化物
    又は沃化物で構成されていることを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項又は第2項による組
    成物の調製法において、前記モノハロゲン化不飽和炭化
    水素化合物が1−クロロエチレン、1−クロロプロペ
    ン、2−クロロプロペン、3−クロロプロペン、1−ク
    ロロ−1−ブテン、1−クロロ−2−ブテン、2−クロ
    ロ−2−ブテン、3−クロロ−1−ブテン、1−クロロ
    −2−メチルプロペン、3−クロロ−2−メチルプロペ
    ン及び3−クロロ−1−フェニル−1−プロペンの内か
    ら選ばれることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項から第3項の内いず
    れか一つによる組成物の調製法において、前記硫化物
    が、硫化ナトリウム、水硫化ナトリウム及び多硫化ナト
    リウムの内から選ばれることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項から第4項の内いず
    れか一つによる組成物の調製法の調製法において、元素
    状硫黄が硫化物1モルにつき0.4/1から7/1グラム原子で
    あることを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項から第5項の内いず
    れか一つによる組成物の調製法において、工程2)にお
    いて、前記「アダクト」及び前記モノハロゲン化炭化水
    素化合物を、前記硫化物と場合によっては元素状硫黄を
    含む温度20から100℃に保った媒体中に、10分から3時
    間の間添加しておくことと、工程3)において、50℃か
    ら還流までの温度に、3から24時間加熱することを特徴
    とする方法。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第1項から第6項の内いず
    れか一つによる組成物の調製法において、更に、工程
    3)による製品が或塩基性化合物で処理される工程4)
    をも含むことを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第1項から第7項の内いず
    れか一つによる組成物の調製法において、工程2)から
    各操作が連続的に実施され、工程2)に関与する各反応
    体が並流でかつ多重接触過程に従って接触せしめられる
    ことを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲第1項から第8項の内いず
    れか一つによる組成物の調製法において、工程2)に関
    与するモノハロゲン化不飽和炭化水素化合物の約90モル
    %に及ぶ部分が、少なくとも一つのモノハロゲン化飽和
    炭化水素化合物及び/又はアルキル基、フェノール基、
    カルボン酸基、アミノ基、アミド基及びチオール基の内
    から選んだ官能基の少なくとも一つを有する少なくとも
    一つのモノハロゲン化炭化水素化合物の等モル量で置換
    されることを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】特許請求の範囲第1項から第9項の内い
    ずれか一つによる組成物の調製法において、得られた組
    成物は歯車油の添加剤として使用されるものであり、歯
    車油はその大部分の無機又は合成潤滑油と、少なくとも
    一つの多硫化オレフィン組成物0.5から7重量%とから
    なることを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】特許請求の範囲第1項から第9項の内い
    ずれか一つによる組成物の調製法において、得られた組
    成物は金属加工油の添加剤として使用されるものであ
    り、金属加工油はその大部分の無機潤滑油と、少なくと
    も一つの多硫化オレフィン組成物0.1から10重量%とか
    らなることを特徴とする方法。
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