JPH0861136A - 内燃機関の駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の駆動制御装置

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JPH0861136A
JPH0861136A JP22098394A JP22098394A JPH0861136A JP H0861136 A JPH0861136 A JP H0861136A JP 22098394 A JP22098394 A JP 22098394A JP 22098394 A JP22098394 A JP 22098394A JP H0861136 A JPH0861136 A JP H0861136A
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JP
Japan
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fuel
misfire
internal combustion
combustion engine
diagnosis
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JP22098394A
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English (en)
Inventor
Toru Sakuma
徹 佐久間
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料不足が原因で発生する失火を失火診断の
対象から除外し、失火診断の精度を大幅に向上させる。 【構成】 エンジン1の駆動中は、通常、失火診断処理
が実行されているが、燃料タンク12内の燃料残量が少
量または零となったときには、診断停止処理によって失
火診断処理を停止させる構成とする。即ち、診断停止処
理では、燃料ポンプ13を駆動するための駆動電流の変
化に基づいて燃料ポンプ13に吸い込まれた燃料F中に
エアが混入したか否かを検出する。これにより、燃料タ
ンク12内の燃料残量が少量または零であるか否かを検
出することができ、これを基にして失火診断処理を停止
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車等のエン
ジンとして用いられる内燃機関の駆動制御装置に関し、
特に内燃機関の失火診断を行う機能を備えた内燃機関の
駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等のエンジンとして用い
られる内燃機関の駆動制御装置には、自動車の走行の安
全性を高めるために、エンジンの失火診断を行うように
なっている。
【0003】ここで、失火が生じる原因としては、エン
ジンの燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁の不調また
は故障、エンジンの燃焼室内で燃料に点火を行う点火プ
ラグの不調または故障、点火プラグに高圧電気を発生さ
せるイグニッションコイルの断線等が考えられる。
【0004】また、かかる原因から生じる失火を検出す
るには、通常、エンジンの気筒に設けられた燃焼圧セン
サによって燃焼室内の燃焼圧を監視し、この燃焼圧が異
常に低下した場合に失火と判定するようにしている。例
えば、燃料噴射弁の故障等にエンジンの燃焼室内に燃料
が十分に噴射されなかった場合には、燃焼室内の混合気
が希薄化するため、点火プラグ等による点火が良好に行
われず、燃焼室内の燃焼圧が大幅に低下する。これを失
火と判定するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、エンジンの燃焼圧に基づいて失火診断を行
っているが、エンジンの燃焼圧は、燃料タンク内の燃料
残量が少量または零(いわゆる、ガス欠)となって燃料
が燃料噴射弁に十分に供給されないことが原因して大き
く低下する場合がある。
【0006】即ち、燃料タンク内の燃料残量が少量とな
ったときに、自動車が急カーブを屈曲走行すると、燃料
タンク内の燃料の液面が傾斜するため、エンジンに向け
て供給される燃料中にエアが混入する場合がある。この
結果、燃料噴射弁からエンジンの燃焼室内に向けて噴射
される燃料が演算量(正常時の噴射量)より大幅に低下
し、エンジンの燃焼圧が大きく低下する。また、燃料タ
ンク内の燃料がほぼ零の状態でも、エアが混入した燃料
がエンジンに向けて供給されるようになるから、エンジ
ンの燃焼圧が大きく低下する。
【0007】従来技術による失火診断では、このような
ガス欠によるエンジンの燃焼圧の低下をも失火と診断し
てしまうため、単なるガス欠による失火と、燃料噴射弁
や点火プラグの不調または故障等の原因による本来的な
失火との区別がつかず、失火診断の精度が低いという問
題がある。
【0008】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、燃料タンク内の燃料残量が少量または零
となったことが原因して発生する失火を失火診断の対象
から除外でき、失火診断の精度を大幅に向上させること
ができる内燃機関の駆動制御装置を提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明による内燃機関の駆動制御装置
は、内燃機関と、該内燃機関に使用する燃料を貯留する
燃料タンクと、該燃料タンク内の燃料を前記内燃機関側
に向けて吐出する燃料ポンプと、該燃料ポンプによって
吐出された燃料を前記内燃機関に配送する燃料配管と、
該燃料配管によって配送された燃料を前記内燃機関内に
噴射する燃料噴射弁と、前記内燃機関に生じる失火の診
断処理を行う失火診断手段とからなる構成を採用してい
る。
【0010】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、失火診断手段に、前記燃料タンク内の燃料残量
が少量または零となった場合に失火診断処理を停止させ
る診断停止手段を設けたことにある。
【0011】また、請求項2の発明の如く、前記診断停
止手段は、前記燃料ポンプを駆動するために供給される
駆動電流に基づいて前記燃料タンク内の燃料残量が少量
または零であるか否かを検出することにより、失火診断
処理を停止させる構成とするのが望ましい。
【0012】一方、請求項3の発明の如く、前記診断停
止手段は、前記燃料タンク内の燃料の液面高さに基づい
て前記燃料タンク内の燃料残量が少量または零であるか
否かを検出することにより、失火診断処理を停止させる
構成としてもよい。
【0013】また、請求項4の発明の如く、前記診断停
止手段は、前記燃料タンク内の燃料残量が少量または零
であると検出した時点から、燃料が前記燃料ポンプから
燃料配管を流通して燃料噴射弁に到達するまでの所要時
間に対応する所定時間が経過した後に失火診断処理を停
止させる構成とするのが望ましい。
【0014】
【作用】請求項1の構成によれば、内燃機関の駆動中
は、失火診断手段が内燃機関の燃焼圧等を検出すること
によって失火診断処理を常時行っている。しかし、燃料
タンク内の燃料残量が少量または零となった場合には、
診断停止手段が前記失火診断手段の失火診断処理を停止
させることにより、燃料タンク内の燃料残量が少量また
は零であることが原因して発生する失火を失火診断手段
による失火診断処理の対象から除外することができる。
【0015】即ち、燃料タンク内の燃料残量が少量とな
った場合には、燃料ポンプから燃料がエアの混入した状
態で吐出されるから、燃料噴射弁から噴射される燃料が
演算量(正常時の噴射量)より大幅に減少する。このよ
うな原因による内燃機関の燃焼圧の低下を失火診断手段
が失火と診断してしまうのを防止できる。
【0016】また、燃料タンク内の燃料残量が零となっ
た場合には、燃料ポンプから燃料が吐出されず、燃料噴
射弁からも燃料が噴射されなくなる。このような原因に
よる内燃機関の燃焼圧の低下を失火診断手段が失火と診
断してしまうのを確実に防止できる。
【0017】また、請求項2の構成によれば、燃料タン
ク内の燃料残量が少量または零となると、燃料ポンプに
よって吸い込まれる燃料中にエアが混入するようになる
ため、燃料ポンプの負荷が軽減される。この結果、燃料
ポンプを駆動するために燃料ポンプに供給される駆動電
流が低下する。そして、診断停止手段は前記駆動電流の
低下を判定することにより、燃料タンク内の燃料残量が
少量または零であるか否かを確実に検出することがで
き、これに基づいて失火診断処理を停止することができ
る。
【0018】一方、請求項3の構成によれば、燃料タン
ク内の燃料残量が少量または零となると、それに対応し
て燃料の液面高さは低下する。診断停止手段は、これに
基づいて燃料タンク内の燃料残量が少量または零である
か否かを検出することができ、これに基づいて失火診断
処理を停止することができる。
【0019】また、請求項4の構成によれば、燃料タン
ク内の燃料残量が少量であると検出した時点から、燃料
が燃料ポンプから燃料配管を流通して燃料噴射弁に到達
するまでの所要時間に対応する所定時間が経過した後に
失火診断手段による失火診断処理を停止させる。
【0020】ここで、燃料残量を検出してから前記失火
診断処理を停止させるまでに前記時間差を設けたのは、
エアの混入した燃料が燃料ポンプによって吸い込まれて
から、そのエアが燃料配管を流通して燃料噴射弁に到達
し、燃料噴射弁から噴射される燃料量を大幅に低下さ
せ、これが原因して内燃機関の燃焼圧の低下を招くまで
に時間がかかることを考慮したものである。
【0021】これにより、燃料タンク内の燃料残量が少
量または零となったことが原因して内燃機関の燃焼圧が
低下し、これが基で発生する失火のみを失火診断処理の
対象から除外することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図9に基
づいて説明するに、本実施例では、内燃機関の駆動制御
装置を自動車のエンジンの駆動制御装置に用いた場合を
例に挙げる。
【0023】まず、本発明の第1の実施例を図1ないし
図6に基づいて説明するに、図中、1は自動車に搭載さ
れた内燃機関としてのエンジンを示し、該エンジン1
は、シリンダ2,ピストン3,シリンダヘッド4および
クランクケースに設けられたクランク軸(いずれも図示
せず)等によって構成され、シリンダ2内にはピストン
3とシリンダヘッド4との間に燃焼室5が画成されてい
る。また、前記シリンダヘッド4には燃焼室5内と連通
すべく吸気ポート4Aおよび排気ポート(図示せず)が
形成され、該吸気ポート4Aには吸気弁6が、排気ポー
トには排気弁(図示せず)が設けられている。さらに、
シリンダヘッド4の吸気ポート4Aには外気を吸入する
する吸気管7が設けられ、吸気管7の途中には吸気量を
測定するエアフローメータ8が配設されている。なお、
該エアフローメータ8は後述するコントロールユニット
25に接続され、吸気量の測定結果が検出信号として出
力されるようになっている。
【0024】9は燃焼室5内に臨んでシリンダヘッド4
に取付けられた点火プラグを示し、該点火プラグ9はイ
グニッションコイル(図示せず)によって高圧の電圧が
印加されることにより、燃焼室5内に吸入空気と共に吸
い込まれた燃料の混合気に点火して燃焼させることによ
って高圧の燃焼圧を発生させるようになっている。ま
た、該点火プラグ9は、コントロールユニット25に接
続され、該コントロールユニット25から出力される噴
射パルス信号によって所定のタイミングで点火するよう
になっている。
【0025】10は点火プラグ9の近傍に位置してシリ
ンダヘッド4に取付けられた燃焼圧センサを示し、該燃
焼圧センサ10は燃焼室5内の燃焼圧を検出するもので
あり、図2に示すようにコントロールユニット25に接
続されている。そして、該燃焼圧センサ10は、燃焼室
5内の燃焼圧に対応した検出信号を後述するコントロー
ルユニット25に向けて出力する。
【0026】11はエンジンのクランクケース内に設け
られたクランク角センサを示し、該クランク角センサ1
1は、エンジン1の回転数や、点火プラグ9による混合
気への点火時期を決定するためのクランク角を検出する
ものであり、図2に示すようにコントロールユニット2
5に接続されている。そして、該クランク角センサ11
は、点火プラグ9による混合気への点火時期を決定する
ためのクランク角を検出した時点で、タイミング信号を
コントロールユニット25に向けて出力するようになっ
ている。
【0027】12は燃料タンクを示し、該燃料タンク1
2内には前記エンジン1に使用するためのガソリン等の
燃料Fが貯留されている。
【0028】13は燃料タンク12内に設けられ、燃料
Fを吸い込んでエンジン1側に向けて吐出する燃料ポン
プを示し、該燃料ポンプ13はポンプケーシング13A
に内設した直流モータ部13Bによってポンプ部13C
を駆動し、吸入口13Dを介してポンプケーシング13
A内に吸い込んだ燃料Fを常時一定の吐出圧をもってエ
ンジン1側に向けて吐出するようになっている。そし
て、前記燃料ポンプ13の直流モータ部13Bはコント
ロールユニット25に接続され、コントロールユニット
25によりエンジンキー(図示せず)のON,OFFに
基づいて駆動される。
【0029】14は燃料ポンプ13の直流モータ部13
Bに印加される駆動電流を検出する燃料ポンプ駆動電流
検出部(以下、「駆動電流検出部14」という)を示
し、該駆動電流検出部14は、パワートランジスタ(図
示せず)の制御の下に直流モータ部13Bに印加される
駆動電流を検出し、コントロールユニット25に向けて
出力するものである。
【0030】15は燃料ポンプ13によって吐出された
燃料Fをエンジン1に向けて配送する燃料配管を示し、
該燃料配管15の一端は燃料ポンプ13の吐出口側に接
続され、他端はエンジン1に設けられた後述の燃料噴射
弁16と圧力レギュレータ17に接続されている。
【0031】16はシリンダヘッド4の吸気ポート4A
の近傍に位置して該吸気管7の先端側に取付けられた燃
料噴射弁を示し、該燃料噴射弁16は、前記燃料配管1
5によって配送された燃料Fをエンジン1の燃焼室5内
に噴射するものである。また、該燃料噴射弁16はコン
トロールユニット25に接続されており、コントロール
ユニット25からの駆動電流に基づいて所定タイミング
でかつ所定の弁開度で開,閉弁するようになっている。
【0032】17は圧力レギュレータ、18は吸気圧力
を該圧力レギュレータ17に導く制御圧配管を示し、圧
力レギュレータ17は制御圧配管18からの圧力に応じ
て燃圧を制御し、燃料の余剰分をリターン配管19を介
して燃料タンク12に戻すものである。
【0033】20は燃料タンク12内に設けられた燃料
ゲージを示し、該燃料ゲージ20は、燃料タンク12に
支持部材21を介して支持されたポテンショメータ22
と、該ポテンショメータ22に回動可能に取付けられた
アーム23と,該アーム23の先端側に設けられたフロ
ート24とから大略構成されている。そして、該燃料ゲ
ージ20は、フロート24が液面に応動して上,下方向
に変位するのをアーム23を介してポテンショメータ2
2で検出する。このようにして、該燃料ゲージ20は、
燃料タンク12内の燃料の液面高さを検出することによ
り、燃料タンク12内の燃料残量を測定するものであ
る。また、該燃料ゲージ20は、図2に示すように、コ
ントロールユニット25に接続され、燃料タンク12内
の燃料残量をコントロールユニット25に向けて出力す
るようになっている。
【0034】25は自動車に搭載されたコントロールユ
ニットを示し、該コントロールユニット25は、CP
U,メモリ,タイマ等が一体に組み込まれたMPU(マ
ルチプロセッシングユニット)であり、該コントロール
ユニット25の入力側には、図2に示すように、エアフ
ローメータ8,燃焼圧センサ10,クランク角センサ1
1,駆動電流検出部14および燃料ゲージ20等が接続
され、出力側には、点火プラグ9,燃料ポンプ13およ
び燃料噴射弁16等が接続されている。
【0035】一方、コントロールユニット25のメモリ
25Aには、燃料噴射弁16またはエンジン1の不調ま
たは故障等によって生じる失火の診断処理を行う失火診
断手段としての失火診断プログラムが記憶されている。
そして、該失火診断プログラムは、クランク角センサ1
1からのタイミング信号に基づくタイミングで、燃焼圧
センサ10からの検出信号を読み取り、エンジン1の燃
焼室5内の燃焼圧を検出することにより失火診断処理を
行うものである。さらに、該失火診断プログラムには、
燃料タンク12内の燃料残量が少量または零となった場
合に前記失火診断処理を停止させる診断停止手段として
の診断停止プログラム(図4)が設けられている。さら
に、コントロールユニット25のメモリ25Aには、燃
料輸送時間設定マップM(図6)が記憶されている。
【0036】本実施例によるエンジンの駆動制御装置は
上述のような構成を有するものであり、次に、失火診断
について説明する。
【0037】即ち、エンジン1の駆動中は、図3に示す
ように、コントロールユニット25により失火診断プロ
グラムによる失火診断処理と診断停止プログラムによる
診断停止処理とが並列に実行されている。そして、診断
停止処理によって停止割り込みが発生すると失火診断処
理が停止され、診断停止処理によって再開割り込みが発
生すると失火診断処理が再開される。
【0038】ここで、失火診断処理の主な動作について
説明する。まず、コントロールユニット25がクランク
角センサ11からのタイミング信号に基づいて、エンジ
ン1の燃焼室5内で点火プラグ9が点火するタイミング
を認識する。そして、このタイミングで燃焼圧センサ1
0からの検出信号を読み取り、燃焼圧が正常か否かを判
定するというものである。ここで、燃焼圧が異常に低い
と判定した場合には、点火プラグ9による点火が良好に
行われなかった場合なので、失火発生と診断する。そし
て、失火発生を診断した場合には、当該メインルーチン
は中断され、失火発生に対処するための他の処理ルーチ
ンが起動されるようになっている。また、当該失火診断
処理は、診断停止処理によって発生する停止割り込みに
よって停止し、再開割り込みによって再開するようにな
っている。
【0039】次に、診断停止プログラムについて図4の
流れ図に沿って説明する。図4中のステップ1〜ステッ
プ3では、コントロールユニット25が、燃料ポンプ1
3に設けられた前記駆動電流検出部14から出力される
駆動電流を取り込み、その電流値Iの所定時間内の変化
量ΔIを測定する。これにより、燃料ポンプ13によっ
て吸い込まれた燃料F中にエアが混入していないか否か
を検出し、この結果に基づいて燃料タンク12内の燃料
残量が少量または零か否かを判定する。
【0040】即ち、燃料タンク12内に燃料Fで十分に
満たされている場合には、燃料タンク12の底に配設さ
れている燃料ポンプ13の吸入口13Dから吸い込まれ
る燃料F中にエアが混入することはない。従って、燃料
ポンプ13は吐出量は常に安定し、駆動電流の電流値I
も、図5中の特性線Pに示すように一定である。
【0041】一方、燃料タンク12内の燃料残量が少量
または零となり、燃料の液面が燃料タンク12の底面近
くに位置するようになると、燃料ポンプ13の吸入口1
3Dから吸い込まれる燃料F中にエアが混入するように
なる。すると、燃料ポンプ13は吐出量が低下すると共
に、エアが混入したことによって燃料ポンプ13のポン
プ部13Cの負荷が軽減されるため、駆動電流の電流値
Iが図5中の特性線Qに示すように減少する。
【0042】このような燃料ポンプ13に供給される駆
動電流の電流値Iの低下、即ち、電流値Iの所定時間内
の変化量ΔIをとらえるために、ステップ1では、t1
時における駆動電流の電流値I1 とt2 時(例えばt1
時から20μs経過後の時点)における駆動電流の電流
値I2 をそれぞれ検出し、ステップ2で、電流値I1か
ら電流値I2 を減算して変化量ΔIを求め、ステップ3
で、変化量ΔIと所定量Aとを比較する。そして、変化
量ΔIが所定量A以上(ΔI≧A)の場合には、燃料ポ
ンプ13に吸い込まれた燃料F中にエアが混入している
状態であるため「YES」と判定してステップ4に移行
し、変化量ΔIが所定量Aより小さい(ΔI<A)の場
合には、エアの混入は生じていないため「NO」と判定
してステップ8に移行し、リターンする。
【0043】ここで、所定量Aは、駆動電流の電流値I
の変化量ΔIがこれ以上大きいと、燃料ポンプ13に吸
い込まれた燃料F中にエアが混入している状態であると
経験的に判断できる既知の値(例えば3A)であり、予
め設定されコントロールユニット25のメモリ25Aに
記憶されている。
【0044】次に、ステップ4では、コントロールユニ
ット25に内蔵されたタイマを利用して、現処理を燃料
輸送時間Bだけ待機させる。ここで、燃料輸送時間Bと
は、燃料Fが燃料ポンプ13から燃料配管15を流通し
て燃料噴射弁16に到達するまでの所要時間に対応する
時間である。また、この燃料輸送時間Bは、そのときの
エンジン1の回転数と燃焼室5への基本燃料噴射量等に
よって異なるため、図6に示すような燃料輸送時間設定
マップMを参照して燃料輸送時間Bを設定する。
【0045】ここで、燃料輸送時間設定マップMによる
燃料輸送時間Bの設定について図6を参照して説明す
る。まず、コントロールユニット25がクランク角セン
サ11,エアフローメータ8等からの検出信号に基づい
てエンジン1の回転数Nと基本燃料噴射量Tpとを求め
る。そして、回転数Nと基本燃料噴射量Tpとから特性
線r,r,…上のポイントを特定し、そのポイントが属
するエリアs,s,…(図6中の点線で包囲された部
分)を特定する。そして、このときのエリアsに対応し
て予め設定された燃料輸送時間Bを読み出す。
【0046】このように、燃料輸送時間Bは燃料輸送時
間設定マップMによって精密に設定されるが、大局的に
は、回転数と基本燃料噴射量が共に小さい値の場合(例
えばアイドリング時)には燃料輸送時間Bは長時間に設
定され、回転数Nと基本燃料噴射量Tpが共に大きい値
の場合(例えば、加速時)には燃料輸送時間Bは短時間
に設定される。
【0047】このステップ4で燃料輸送時間Bだけ待機
している間に、燃料ポンプ13によって吸い込まれた燃
料F中のエアは、燃料配管15を流通して燃料噴射弁1
6に到達することとなる。そして、燃料輸送時間Bが経
過した後にステップ5に移行する。
【0048】次に、ステップ5では、当該診断停止処理
と並列に実行している失火診断処理を停止させるための
停止割り込みを発生し、失火診断処理を停止させる。
【0049】次に、ステップ6では、コントロールユニ
ット25に内蔵されたタイマを利用して現処理を停止維
持時間Cだけ待機させる。ここで、停止維持時間Cだけ
待機させることとしたのは以下の理由による。
【0050】例えば、燃料タンク12内の燃料Fが外部
の強い振動によって激しく揺らされて燃料Fの液面が一
瞬だけ大きく傾いたために、燃料ポンプ13によって吸
い込まれた燃料F中に一瞬だけエアが混入した場合に
は、この一瞬のエア混入によってもエンジン1の燃焼圧
が低下し、燃焼圧が低下した状態から再びもとの正常な
燃焼圧に戻るまである程度の時間を要する。このよう
に、燃焼圧が低下してから正常な燃焼圧に戻るまでの
間、失火診断処理を停止した状態のまま維持する必要が
あるからである。このため、停止維持時間Cは、例えば
10秒程度に設定されている。そして、停止維持時間C
が経過した後、ステップ7に移行する。
【0051】次に、ステップ7では、失火診断処理を再
開させるための再開割り込みを発生し、失火診断処理を
再開させる。そして、ステップ8でリターンする。
【0052】かくして、本実施例によれば、診断停止プ
ログラムによって、燃料タンク内の燃料残量が少量また
は零となった場合には失火診断処理を停止させる構成と
したから、燃料タンク内の燃料残量が少量または零とな
った場合(いわゆる、ガス欠の場合)、燃料ポンプ13
によって吸い込まれる燃料F中にエアが混入し、これが
原因して点火プラグ9による点火が良好に行われなかっ
たときに発生する失火を失火診断処理の対象から除外す
ることができる。
【0053】例えば、燃料タンク12内の燃料残量が少
量であるときに、自動車が急カーブを屈曲走行すると、
燃料タンク12内の燃料の液面が図1中の二点鎖線で示
すように傾斜する。この結果、燃料ポンプ13によって
吸い込まれる燃料F中にエアが混入し、点火プラグ9に
よる点火が良好に行われなくなる場合がある。しかし、
かかる場合には、診断停止処理によって失火診断処理が
停止されるため、失火が発生したと判定されることはな
い。即ち、単にガス欠状態の自動車が急カーブを屈曲走
行しただけで、失火発生と診断されるのを防止すること
ができる。
【0054】従って、本実施例によれば、単なるガス欠
等による失火と、燃料噴射弁16や点火プラグ9の不調
または故障等による本来的な失火とを区別して、重大な
事故につながるおそれのある本来的な失火のみを確実に
診断することができ、失火診断の精度を大幅に向上させ
ることができる。
【0055】また、本実施例による診断停止処理によれ
ば、燃料ポンプ13が吸い込まれた燃料F中にエアが混
入した時点から燃料輸送時間Bだけ経過した後に停止割
り込みを発生させ、失火診断処理を停止させる構成とし
たため、燃料ポンプ13が吸い込まれた燃料F中に混入
したエアが実際に燃料噴射弁16に到達した時点から失
火診断処理を停止させることができる。これにより、燃
料F中にエアが混入したことが原因して点火不良が発生
する直前で失火診断処理を停止させることができるか
ら、失火診断処理を真に停止させる必要のある時点から
正確に停止させることができ、失火診断の精度を一層大
幅に向上させることができる。
【0056】次に、本発明の第2の実施例を図7および
図8に基づいて説明するに、本実施例の特徴は、失火診
断において、燃料タンク内の燃料の液面高さを測定する
ことにより燃料タンク内の燃料残量が少量または零であ
るか否かを検出し、これに基づいて失火診断処理を停止
させるようにしたことにある。なお、本実施例では、前
述した図1および図2に示す第1の実施例と同一の構成
要素同一の符号を付し、その説明を省略するものとす
る。
【0057】図中、31は自動車に搭載された本実施例
によるコントロールユニットを示し、該コントロールユ
ニット31は、第1の実施例によるコントロールユニッ
ト25とほぼ同様のMPU(マルチプロセッシングユニ
ット)であり、該コントロールユニット31の入力側に
は、エアフローメータ8,燃焼圧センサ10,クランク
角センサ11および燃料ゲージ20等が接続され、出力
側には、点火プラグ9,燃料ポンプ13および燃料噴射
弁16等が接続されている。
【0058】また、コントロールユニット31のメモリ
31Aには、第1の実施例で述べたとほぼ同様の失火診
断処理を行う失火診断プログラムが記憶され、この失火
診断プログラムには、燃料タンク12内の燃料残量が少
量または零となった場合に前記失火診断処理を停止させ
る診断停止手段としての診断停止プログラムが設けられ
ている。
【0059】しかし、本実施例による診断停止プログラ
ム(図8)は、第1の実施例で述べたものと異なり、燃
料ゲージ20からコントロールユニット25に向けて出
力される検出信号(以下、「燃料残量信号h」という)
に基づいて燃料タンク12内の燃料残量を認識するよう
になっている。
【0060】本実施例によるエンジンの駆動制御装置は
上述のような構成を有するもので、次に、本実施例によ
る診断停止プログラムによる診断停止処理について図8
に沿って説明するに、当該診断停止プログラムは、エン
ジン1の駆動中に常時に、失火診断処理プログラムによ
る失火診断処理と並列に実行されている。
【0061】まず、ステップ11で、燃料ゲージ20か
らコントロールユニット25に向けて出力されている燃
料残量信号hを読み取り、ステップ12では、該燃料残
量信号hを所定値Dと比較する。
【0062】ここで、燃料残量信号hは、燃料タンク1
2内に貯留された燃料Fの液面高さに対応した信号であ
る。これにより、燃料残量信号hの電圧値は、燃料タン
ク12内に貯留された燃料Fの液面高さの変化に対応し
て変化する。例えば、燃料タンク12内の燃料残量が零
のときの燃料残量信号hは0Vとなり、いわゆる満タン
のときの燃料残量信号hは5Vとなる。
【0063】また、前記所定値Dは、燃料タンク12内
の燃料Fの液面高さがこれより低下すると、燃料ポンプ
13が吸い込む燃料F中にエアが混入するおそれがある
状態のときに対応した燃料残量信号hの電圧値であり、
例えば、500mV程度に設定されている。また、この
所定値Dは過去に経験的に得られた既知の値であり、自
動車の振動によって燃料タンク12内の燃料Fの液面が
傾斜することによって、燃料ポンプ13が吸い込む燃料
F中にエアが混入することも考慮して設定されている。
なお、前記所定値Dは予めコントロールユニット31の
メモリ31Aに記憶されている。
【0064】従って、燃料残量信号hが所定値Dより小
さい場合は、燃料ポンプ13が吸い込む燃料F中にエア
が混入するおそれがあるので「YES」と判定し、ステ
ップ13に移行する。一方、燃料残量信号hが所定値D
以上の場合は、燃料ポンプ13が吸い込む燃料F中にエ
アが混入するおそれがないので「NO」と判定し、ステ
ップ17に移行し、リターンする。
【0065】次に、ステップ13では、コントロールユ
ニット25に内蔵されたタイマを利用して、現処理を燃
料輸送時間Bだけ待機させる。なお、燃料輸送時間Bに
ついては、第1の実施例で述べたものと同様である。即
ち、燃料輸送時間Bは、燃料Fが燃料ポンプ13から燃
料配管15を流通して燃料噴射弁16に到達するまでの
所要時間に対応する時間であり、エンジン1の回転数,
基本燃料噴射量,燃料輸送時間設定マップによって設定
される。
【0066】次に、ステップ14では、当該診断停止処
理と並列に実行している失火診断処理を停止させるため
の停止割り込みを発生し、失火診断処理を停止させる。
そして、ステップ15では、コントロールユニット25
に内蔵されたタイマを利用して現処理を停止維持時間C
だけ待機させる。
【0067】次に、ステップ16では、失火診断処理を
再開させるための再開割り込みを発生し、失火診断処理
を再開させる。そして、ステップ17でリターンする。
【0068】かくして、本実施例によれば、燃料タンク
12内に貯留された燃料Fの液面高さに対応する燃料残
量信号hを基にして燃料タンク12内の燃料残量が少量
または零であるか否かを認識し、燃料残量が少量または
零となった場合に失火診断処理を停止させる構成として
も、前記第1の実施例とほぼ同様の効果を得ることがで
きる。
【0069】なお、前記各実施例では、失火診断処理と
診断停止処理を並列に実行し、燃料タンク12内の燃料
残量が少量または零なった場合に、診断停止処理側から
失火診断処理を停止させる割り込みを発生させるものと
して述べたが、本発明はこれに限らず、図9に示すメイ
ンルーチンにおいてサブルーチンとしての失火診断処理
(ステップ21)と診断停止処理(ステップ22)とを
順次に実行するようにしてもよい。
【0070】また、前記各実施例では、燃焼圧センサ1
0を用いてエンジン1の燃焼室5内の燃焼圧を検出する
ことにより失火診断を行うものとして述べたが、本発明
はこれに限らず、クランク角センサ,燃焼温度センサ,
断線検知器等の各種センサによって失火診断を行うよう
にしてもよい。
【0071】また、本発明はガソリン自動車であるかデ
ィーゼル自動車であるかにかかわらず適用することがで
き、さらに、本発明は自動車のエンジンの駆動制御装置
に限らず、他の車両または産業機械等の内燃機関の駆動
制御装置としても広く適用できるものである。
【0072】
【発明の効果】以上詳述した通り請求項1の発明によれ
ば、失火診断手段に、燃料タンク内の燃料残量が少量ま
たは零となった場合に失火診断処理を停止させる診断停
止手段を設ける構成としたから、燃料タンク内の燃料残
量が少量または零であることが原因で発生する失火を失
火診断の対象から除外することができる。従って、燃料
噴射弁,点火系の故障等に基づく本来的な失火のみを確
実に失火診断することができ、失火診断の精度,信頼性
を大幅に向上させることができる。
【0073】特に、請求項2の発明によれば、診断停止
手段において、燃料ポンプを駆動するために供給される
駆動電流に基づき、燃料タンク内の燃料残量が少量また
は零であるか否かを検出する構成としたから、この検出
結果に基づいて、燃料タンク内の燃料残量が少量または
零となった場合にのみ、失火診断手段による失火診断処
理を確実に停止することができる。
【0074】また、請求項3の発明によれば、診断停止
手段において、燃料タンク内の燃料の液面高さに基づ
き、燃料タンク内の燃料残量が少量または零であるか否
かを検出する構成としても、この検出結果に基づいて燃
料タンク内の燃料残量が少量または零となった場合にの
み、失火診断手段による失火診断処理を確実に停止する
ことができる。
【0075】さらに、請求項4の発明によれば、燃料タ
ンク内の燃料残量が少量または零となったことが原因し
て内燃機関の燃焼圧が低下し、これが基で発生する失火
のみを失火診断処理の対象から除外することができ、失
火診断の精度を一層大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるエンジンの駆動制
御装置を示す全体構成図である。
【図2】第1の実施例によるエンジンの駆動制御装置を
示す制御ブロック図である。
【図3】失火診断プログラムと診断停止プログラムが並
列に実行されている状態を示す説明図である。
【図4】第1の実施例による診断停止処理を示す流れ図
である。
【図5】燃料ポンプに供給される駆動電流の特性を示す
特性線図である。
【図6】燃料輸送時間設定マップを示す説明図である。
【図7】第2の実施例によるエンジンの駆動制御装置を
示す制御ブロック図である。
【図8】第2の実施例による診断停止処理を示す流れ図
である。
【図9】失火診断処理と診断停止処理とを起動するメイ
ンルーチンを示す流れ図である。
【符号の説明】 1 エンジン(内燃機関) 12 燃料タンク 13 燃料ポンプ 15 燃料配管 16 燃料噴射弁 20 燃料ゲージ 25,31 コントロールユニット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関と、該内燃機関に使用する燃料
    を貯留する燃料タンクと、該燃料タンク内の燃料を前記
    内燃機関側に向けて吐出する燃料ポンプと、該燃料ポン
    プによって吐出された燃料を前記内燃機関に配送する燃
    料配管と、該燃料配管によって配送された燃料を前記内
    燃機関内に噴射する燃料噴射弁と、前記内燃機関に生じ
    る失火の診断処理を行う失火診断手段とからなる内燃機
    関の駆動制御装置において、前記失火診断手段には、前
    記燃料タンク内の燃料残量が少量または零となった場合
    に失火診断処理を停止させる診断停止手段を設けたこと
    を特徴とする内燃機関の駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記診断停止手段は、前記燃料ポンプを
    駆動するために供給される駆動電流に基づいて前記燃料
    タンク内の燃料残量が少量または零であるか否かを検出
    することにより、失火診断処理を停止させる構成として
    なる請求項1記載の内燃機関の駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記診断停止手段は、前記燃料タンク内
    の燃料の液面高さに基づいて前記燃料タンク内の燃料残
    量が少量または零であるか否かを検出することにより、
    失火診断処理を停止させる構成としてなる請求項1記載
    の内燃機関の駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記診断停止手段は、前記燃料タンク内
    の燃料残量が少量または零であると検出した時点から、
    燃料が前記燃料ポンプから燃料配管を流通して燃料噴射
    弁に到達するまでの所要時間に対応する所定時間が経過
    した後に失火診断処理を停止させる構成としてなる請求
    項1,2または3記載の内燃機関の駆動制御装置。
JP22098394A 1994-08-23 1994-08-23 内燃機関の駆動制御装置 Pending JPH0861136A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013113249A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Daihatsu Motor Co Ltd 燃料残量判定装置
JPWO2013014789A1 (ja) * 2011-07-28 2015-02-23 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

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JPWO2013014789A1 (ja) * 2011-07-28 2015-02-23 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2013113249A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Daihatsu Motor Co Ltd 燃料残量判定装置

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