JPH0861450A - 遊星ローラ式変速機構を用いた動力伝達装置 - Google Patents

遊星ローラ式変速機構を用いた動力伝達装置

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JPH0861450A
JPH0861450A JP19863394A JP19863394A JPH0861450A JP H0861450 A JPH0861450 A JP H0861450A JP 19863394 A JP19863394 A JP 19863394A JP 19863394 A JP19863394 A JP 19863394A JP H0861450 A JPH0861450 A JP H0861450A
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speed rotating
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Abstract

(57)【要約】 【目的】動力伝達装置を構成する各部材の製作誤差や芯
ズレ・傾斜角,ラジアル方向の横荷重、装着部品による
偏荷重等を許容しながら、回転動力を無理なく効率よく
伝達できるようにする。構成部材の製作精度や組付け精
度を緩和する。部品修理や交換時の分解と組立を短時間
で容易に行なえるようにする。 【構成】高速回転軸25と太陽ローラ軸29とを分割す
る。太陽ローラ軸29の雄インボリュートスプライン2
9aを、歯車型カップリング30の雌インボリュートス
プライン30dに噛合して、太陽ローラ軸29を歯車型
カップリング30に連結する。歯車型カップリング30
の雄インボリュートスプライン30aを、高速回転軸2
5の雌インボリュートスプライン25bに噛合して、歯
車型カップリング30を高速回転軸25に連結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一方の軸の回転動力
を、遊星ローラ式変速機構にて、他方の軸へ増速または
減速して伝達する動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】遊星ローラ式の変速機構を用いた動力伝
達装置として、例えば図17に示されるものがある。こ
の構造は、ユニットケース1内に保持される固定リング
2と、高速回転軸3の一端から突出して固定リング2の
中心軸上に挿通される小径の太陽ローラ軸3aと、前記
固定リング2及び太陽ローラ軸3aの間に圧接状態に配
設される複数の遊星ローラ4と、各遊星ローラ4を回転
可能に支持する遊星ローラピン5とで、遊星ローラ式変
速機構6を構成し、更に遊星ローラピン5をキャリアフ
ランジ7aで保持する低速回転軸7と、上述の高速回転
軸3とを含めて動力伝達装置8を構成している。
【0003】遊星ローラ式変速機構6は、太陽ローラ軸
3aと遊星ローラ4のいずれか一方の回転で、これらの
接触面に形成される潤滑油の油膜の剪断力により、他方
に回転を伝達するトラクション動力伝達機構を利用して
おり、遊星ローラ4の公転に同期して回転する低速回転
軸7を入力側とすれば増速装置として機能し、また高速
回転軸3を入力側とすれば減速装置として機能するよう
になっている。
【0004】このような構成にあっては、高速回転軸3
と低速回転軸7との偏心や、双方の回転軸3,7と遊星
ローラ式変速機構6の各部品の製作誤差により、遊星ロ
ーラ4に芯ズレを起こし、双方の回転軸3,7に回転ブ
レが生じて装置全体が振動することがあるため、高速回
転軸3や太陽ローラ軸3aの外周面等をラップ処理して
芯合わせを行なう必要があるが、高速回転軸3と太陽ロ
ーラ軸3aとが長尺の一体品であるため、ラップ処理を
行なうに当って取り扱いの悪いものとなっており、また
太陽ローラ軸3aや遊星ローラ4を経時的な摩耗等で交
換する場合にも、高速回転軸3を含めた全体を交換しな
ければならず、交換コストの高いものとなっていた。
【0005】そこで、例えば実開平4−39351号公
報では、太陽ローラ軸と高速回転軸とを別体に形成し、
高速回転軸と太陽ローラ軸とをねじ込みで連結すること
によって、ラップ処理を行なう際の高速回転軸を容易に
取扱うことができ、また太陽ローラ軸の使用寿命におけ
る交換コストを安く抑えることができるようにしてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
いずれの従来例も、高速回転軸や低速回転軸を、ユニッ
トケースに軸受を介してラジアル方向に拘束する構造を
基本型とするため、動力伝達装置として組立てた際に、
高速回転軸と低速回転軸、或いは太陽ローラ軸を含めた
3軸に芯ズレを生じたり、これら軸のいずれかが傾いて
傾斜角が出てしまうことは避けられなかった。また、運
転時には、高速回転軸と低速回転軸とが共振したり、高
速回転軸や低速回転軸の軸端に装着されるプーリやフラ
イスカッタ,砥石等の装着部品からのラジアル荷重が、
これら回転軸を撓ませようとする曲げモーメントとして
作用したり、装着部品自体のウエイトアンバランスによ
る強制振動によって、軸振れを招く虞がある。
【0007】更に芯ズレや各軸の傾斜角は、遊星ローラ
式変速機構の太陽ローラ軸や遊星ローラの外周面が、偏
摩耗することによっても発生することがあり、これらの
芯ズレや傾斜角,ラジアル方向の横荷重,曲げモーメン
トによる偏荷重が、遊星ローラ式変速機構や高速・低速
回転軸,軸受等に過負荷として作用し、太陽ローラ軸と
遊星ローラの外周面に剥離や変形を招いたり、運転時の
振動や騒音が大きくなったり、装置全体の損耗が早まる
等の不具合を生じる。
【0008】更に、変速機構の太陽ローラ軸や遊星ロー
ラを損傷等で交換する場合には、装置全体を分解・組立
しなければならず、多大な労力と時間を要していた。
【0009】本発明は、かかる実情を背景にしてなされ
たもので、その目的とするところは、動力伝達装置を構
成する部材の製作誤差や、組立或いは運転時に発生する
双方の回転軸の芯ズレや傾斜角,ラジアル方向の横荷重
や、装着部品による偏荷重等があっても、太陽ローラ軸
に傾きを生じることなく、回転動力を無理なくスムーズ
に伝達できるようにして、構成部材の製作精度や組付け
精度を緩和し、製作コストを低減しつつ耐久性を向上さ
せると共に、部品修理や交換時の分解と組立を、短時間
で容易に行なうことのできる遊星ローラ式変速機構を用
いた動力伝達装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、第1発明では、固定リングと、高速回転軸の一端か
ら突出して固定リングの中心軸上に挿通される太陽ロー
ラ軸と、該太陽ローラ軸と前記固定リングとの間に圧接
状態で配設される複数の遊星ローラと、該遊星ローラを
回転可能に支持する遊星ローラピンとで遊星ローラ式変
速機構を構成し、前記複数の遊星ローラにこれら遊星ロ
ーラの公転に同期して回転する低速回転軸を連結した遊
星ローラ式変速機構を用いた動力伝達装置において、前
記太陽ローラ軸と前記高速回転軸とを分割し、該高速回
転軸と太陽ローラ軸とを、歯車型カップリングや等速ボ
ールジョイント,ユニバーサルジョイント,撓み継手等
の、動力を等速で自在に伝達することのできる等速動力
自在継手で連結する。
【0011】また第2発明では、前記動力伝達装置を、
前記遊星ローラ式変速機構と、少なくとも前記高速回転
軸と、該高速回転軸の一端側を収容するハウジングと、
該ハウジングの内部で前記高速回転軸を回転可能に支持
する軸受とを含む高速回転軸機構と、少なくとも前記低
速回転軸と、該低速回転軸の一端側を収容するハウジン
グと、該ハウジングの内部で前記低速回転軸を回転可能
に支承する軸受とを含む低速回転軸機構とを、それぞれ
変速機構ユニットと高速回転軸ユニットと低速回転軸ユ
ニットの3つにユニット化して分割可能となすと共に、
前記等速自在継手を高速回転軸ユニットと変速機構ユニ
ットのいずれか一方、または高速回転軸ユニットと変速
機構ユニットの双方に分割して組込むようにする。
【0012】
【作 用】かかる構成によれば、高速回転軸と低速回転
軸を始めとする構成部材の製作誤差や、装着部品による
曲げモーメントや軸振れに伴う高速回転軸と低速回転軸
の芯ズレや傾斜角を、等速動力自在継手が吸収或いは許
容するので、太陽ローラ軸を傾斜させることなく、太陽
ローラ軸や遊星ローラの外周面の損耗を極力抑えること
ができるようになる。これにより、遊星ローラ式変速機
構自体の耐久性が向上し、回転動力を無理なく効率よく
伝達するようになる。
【0013】また、動力伝達装置を、変速機構ユニット
と高速回転軸ユニットと低速回転軸ユニットとに三分割
化したことにより、部品修理や交換のための分解と組立
が短時間で容易に行なえるようになる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の各実施例を、図面に基づいて
詳細に説明する。尚、各実施例に共通の構成部分につい
ては同一符号を付して、詳細な説明を省略するものとす
る。
【0015】図1乃至図4は、第1発明を適用した第1
実施例を示し、動力伝達装置20は、円筒ケース21の
両端を側板22,23で閉塞したユニットケース24
と、該ユニットケース24の中心軸上に、両側板22,
23を貫通して差し込まれる高速回転軸25及び低速回
転軸26と、両回転軸25,26を挟んで配設される遊
星ローラ式変速機構27と、該遊星ローラ式変速機構2
7の固定リング28の中心軸上に配設される太陽ローラ
軸29と、該太陽ローラ軸29及び高速回転軸25とを
つなぐ歯車型カップリング30とを持っている。
【0016】円筒ケース21内には、円筒状のハウジン
グ31,32が嵌着されており、高速回転軸25はハウ
ジング31に軸受33,34を介して、また低速回転軸
26はハウジング32に軸受35,36を介して、それ
ぞれ回転可能に支持されている。軸受33〜36には、
スラスト荷重の発生を考慮して、それぞれアンギュラ球
軸受が用いられている。ユニットケース24を構成する
円筒ケース21や側板22,23、ハウジング31,3
2には、給油通路37が連続形成されており、この給油
通路37を通して、高速回転軸25や低速回転軸26,
遊星ローラ式変速機構27,歯車型カップリング30及
び軸受33〜36に潤滑油が供給されるようになってい
る。
【0017】固定リング28と太陽ローラ軸29との間
には、複数の遊星ローラ38が配設されている。各遊星
ローラ38は、低速回転軸26の一端に一体形成された
キャリアフランジ26aから突出する遊星ローラピン3
9に、ニードルベアリング40を介して回転可能に支持
されており、前述の遊星ローラ式変速機構27は、固定
リング28と太陽ローラ軸29,複数の遊星ローラ38
及び遊星ローラピン39とから構成される。
【0018】上記遊星ローラ式変速機構27は、太陽ロ
ーラ軸29と遊星ローラピン39のいずれか一方からの
入力によって、太陽ローラ軸29の外周に遊星ローラ3
8を自転及び公転させて入力を変速し、太陽ローラ軸2
9と遊星ローラピン39のいずれか他方へ出力として伝
達するようになっており、遊星ローラ38の公転に同期
して回転する低速回転軸26を入力側とすれば、動力伝
達装置20が増速機として機能し、また高速回転軸25
を入力側とすれば、動力伝達装置20が減速機として機
能するようになっている。
【0019】高速回転軸25の一端面には収容凹部25
aが形成され、該収容凹部25aの内周面に、雌インボ
リュートスプライン25bが刻設されている。高速回転
軸25の内部には、軸方向及び半径方向の給油孔25c
が、高速回転軸25の外周面と収容凹部25aとを連通
して設けられており、給油通路37の潤滑油の一部を収
容凹部25aへ供給するようになっている。
【0020】太陽ローラ軸29の一端側外周には、雄イ
ンボリュートスプライン29aが刻設され、また太陽ロ
ーラ軸29の一端に球面状突部29bが設けられてい
る。高速回転軸25と太陽ローラ軸29とをつなぐ歯車
型カップリング30は、円柱体の一端側外周に、雄イン
ボリュートスプライン30aが刻設され、一端に球面状
突部30bが設けられると共に、他端面に収容凹部30
cが形成され、該収容凹部30cの内周面に、雌インボ
リュートスプライン30dが刻設されている。
【0021】太陽ローラ軸29は、雄インボリュートス
プライン29aを歯車型カップリング30の雌インボリ
ュートスプライン30dに噛合させながら、球面状突部
29bの先端を収容凹部30cの底壁に当接させて、一
端側が収容凹部30cに収容され、該収容凹部30cの
開口端にスナップリング41を嵌着して抜け止めされ
る。他端側に太陽ローラ軸29を連結した歯車型カップ
リング30は、雄インボリュートスプライン30aを高
速回転軸25の雌インボリュートスプライン25bに噛
合しながら、球面状突部30bの先端を高速回転軸25
の収容凹部25aの底壁に当接させて、一端側が収容凹
部25aに収容され、該収容凹部25aの開口端にスナ
ップリング42を嵌着して抜け止めされる。
【0022】球面状突部29b,30bの先端面には、
給油溝29c,30eが放射状或いは十字状に設けら
れ、更に歯車型カップリング30の中心軸上には、給油
孔30fが双方の給油溝29c,30eを連通して設け
られており、これらの給油溝29c,30e,給油孔3
0fを通して、給油通路37の潤滑油を、高速回転軸2
5の給油孔25cから収容凹部25a,30cの底壁へ
強制的に導入し、高速回転軸25や太陽ローラ軸29の
回転遠心力によって、雌雄のインボリュートスプライン
25b,30d,30a,29aを潤滑し、収容凹部2
5a,30aの開口端より油滴室43へ排出するように
なっている。
【0023】また、スナップリング41,42は、太陽
ローラ軸29と歯車型カップリング30の雄インボリュ
ートスプライン29a,30aからやや離間して設けら
れており、高速回転軸25と太陽ローラ軸29と歯車型
カップリング30とが、ある程度の角度を相対的に傾斜
できるように設定されている。
【0024】高速回転軸25と歯車型カップリング30
の雌インボリュートスプライン25b,30dは、それ
ぞれ歯すじ方向の両側面や歯先面が、それぞれ直線状で
あるのに対し、太陽ローラ軸29と歯車型カップリング
30の雄インボリュートスプライン29a,30aのそ
れぞれには、歯すじ方向の両側面にクラウニング加工が
施され、更に高速回転軸25と太陽ローラ軸29との偏
心量や相対的な傾斜角が大きい場合には、歯先面と歯底
面の歯すじ方向両端部に円弧状のクラウニング加工が施
される。これらクラウニング加工は、太陽ローラ軸29
と歯車型カップリング30の球面状突部29b,30b
と相俟って、高速回転軸25と太陽ローラ軸29と歯車
型カップリング30のそれぞれが、許容された範囲を相
対的に傾斜できるようにしており、歯車型カップリング
30を用いて、高速回転軸25と太陽ローラ軸29とを
インボリュートスプラインで連結した上述の構造で、本
実施例の等速動力自在継手44を構成している。
【0025】次に、高速回転軸25の一端を支承する軸
受34と、該軸受34に近接配置される歯車型カップリ
ング30の取付け位置関係を、図2を用いて説明する。
軸受34の鋼球34aと内レース34bと外レース34
cの接触点を結ぶ直線L1は、高速回転軸25や低速回
転軸26等の半径方向線に対して或る接触角αを持って
おり、この直線L1と歯車型カップリング30の中心軸
CLとの交点を作用点O1とし、該直線L1上で、歯車
型カップリング30の雄インボリュートスプライン30
aと高速回転軸25の雌インボリュートスプライン25
bの噛合いピッチ円が交差する基準接触点Pが、歯車型
カップリング30の雄インボリュートスプライン30a
の歯幅Wの中心位置となるように、軸受34と歯車型カ
ップリング30の相対位置関係を設定している。歯車型
カップリング30の球面状突部30bは、作用点O1を
中心とする曲率の球面状に形成され、後述する高速回転
軸25と低速回転軸26とが偏心や傾斜した際には、高
速回転軸25と歯車型カップリング30が、作用点O1
を近似的な支点として相対的に揺動するようになってい
る。
【0026】軸受34の接触角αが大きい場合には、軸
線方向のスラスト荷重を担持する能力が大きい。また上
述のように、直線L1と噛合いピッチ円が交差する基準
接触点Pを、雄インボリュートスプライン30aの歯幅
Wの中心位置に置くことによって、軸受34がスラスト
荷重を受けるのに最適な位置に設定されるので、高速回
転軸25や低速回転軸26等の偏心や傾斜角で発生した
スラスト荷重を、軸受34にて無理なく有効に受けるこ
とができる。
【0027】尚、高速回転軸25や低速回転軸26等に
偏心や傾斜角がない正常状態では、スラスト荷重が全く
発生しないので、軸受34と雄インボリュートスプライ
ン30aの歯幅Wとの相対位置はどのような関係にあっ
ても差支えない。また、本実施例では、軸受33〜36
に単列アンギュラ球軸受を採用しているため、軸受3
3,34と軸受35,36を対称関係に配列することに
よって、高速・低速回転軸25,26の各々の軸線方向
相互に発生するスラスト荷重に対処できて好ましい。
【0028】次に、歯車型カップリング30の作動を、
図1及び図3に基づいて説明する。ユニットケース24
の製作加工時の軸線方向の通し芯ズレ、高速回転軸25
の製作時の偏心誤差、低速回転軸26や遊星ローラ式変
速機構27全体の製作時の偏心量、或いは長期運転中
に、遊星ローラ38の外周面と固定リング28の内周面
の接触による摩耗や、同じく遊星ローラ38と太陽ロー
ラ軸29の双方の外周面の接触による摩耗によって、高
速回転軸25と太陽ローラ軸29とに偏心を生じる場合
がある。
【0029】その偏心量εは、予め強力で適度な与圧で
固定された固定リング28の内側に、複数個の遊星ロー
ラ38が内接し、更に歯車型カップリング30の中心軸
上には、太陽ローラ軸29が遊星ローラ38と強力に圧
接していて、これらが緩みのない関係にあるので、従来
の構造では、ラジアル方向の偏心量εや、高速・低速回
転軸25,26と太陽ローラ軸29の相対的な傾斜角を
許容することはできないために、太陽ローラ軸29や遊
星ローラ38の外周面に剥離や変形等の損傷の発生を免
れないが、本実施例では、偏心量εを生じても歯車型カ
ップリング30の傾斜によって、太陽ローラ軸29と歯
車型カップリング30のクラウニングを施した雄インボ
リュートスプライン29a,30aの歯幅中心間距離L
2により、歯車型カップリング30自身の傾斜角γは、
傾斜角γ=tan-1ε/L2となり、その最大傾斜は、
歯車型カップリング30のクラウニングを施した雄イン
ボリュートスプライン30aの角部が、スナップリング
42に当たるまで許容される。
【0030】歯車型カップリング30が傾斜角γ分を傾
くことにより、円弧状の雄インボリュートスプライン2
9aと直線状の雌インボリュートスプライン30dとの
噛合いと、円弧状の雄インボリュートスプライン30a
と直線状の雌インボリュートスプライン25bとの噛合
いとの2箇所において、それぞれの基準接触点Pが、歯
車型カップリング30の回転に連れて点P´へ移行する
スベリ現象を生じ、歯車型カップリング30は、作用点
O1を回転中心とし、基準接触点Pを挟んで、1回転を
2×(P−P´)の振幅で円弧を描きながら1往復する
という揺動回転を行なう。
【0031】このスベリ現象によって、僅少のスラスト
荷重が発生するが、このスラスト荷重は、雌雄のインボ
リュートスプライン25b,30d,29a,30aに
供給される潤滑油のダンパ効果によって減衰・抑制され
る。このように、高速回転軸25と太陽ローラ軸29と
の偏心量εは、歯車型カップリング30の揺動回転によ
って許容され、回転動力は太陽ローラ軸29や遊星ロー
ラ38に無理なく伝達される。
【0032】次に、高速回転軸25や低速回転軸26の
固有振動による一次,二次の共振点を通過する際の一時
的な振動や、各回転部品のウエイトアンバランスによる
強制振動で、高速回転軸25の中心軸が、低速回転軸2
6と太陽ローラ軸29の中心軸に対して、相対的に傾斜
角βで傾斜する場合について、図4で説明する。
【0033】高速回転軸25と低速回転軸26との傾斜
角βでは、軸受34の内レース34bが高速回転軸25
の傾きに追随してこれを許容し、円弧状の雄インボリュ
ートスプライン30aと直線状の雌インボリュートスプ
ライン25bとの噛合いにおいては、基準接触点Pが点
P´の位置へ移行するスベリ現象を生じ、高速回転軸2
5は、作用点O1を近似的な回転中心としながら、基準
接触点Pを挟んで、1回転を2×(P−P´)の振幅で
円弧を描きながら1往復する揺動回転を行なう。但し実
際には、歯車型カップリング30も傾斜することがあ
り、この場合には、図3のように雌雄のインボリュート
スプライン25b,30d,29a,30aの2箇所の
噛合いにスベリ現象を生じながら、高速回転軸25と歯
車型カップリング30とが、それぞれ作用点O1を略回
動支点とする別個な揺動回転をして、傾斜角βと歯車型
カップリング30の傾斜角とが許容され、太陽ローラ軸
29や遊星ローラ38に回転動力が無理なく伝達されて
行く。
【0034】図5は、第1実施例の変形例を示す本発明
の第2実施例で、本実施例では、太陽ローラ軸29と歯
車型カップリング30の雌雄のインボリュートスプライ
ンの噛合が、上述の第1実施例とは逆の関係に設定され
ている。
【0035】即ち、歯車型カップリング30の一端側に
は、雄インボリュートスプライン30aと球面状突部3
0bと給油溝30eとが、第1実施例と同様に設けら
れ、また歯車型カップリング30の他端側には、一端側
よりも1回り小さな雄インボリュートスプライン30g
と球面状突部30hと給油溝30iとが設けられてい
る。一方、太陽ローラ軸29の一端面には、収容凹部2
9dが、歯車型カップリング30の円弧状雄インボリュ
ートスプライン30gよりも大径に形成されており、該
収容凹部29dに、雄インボリュートスプライン30g
と噛合する平面状の雌インボリュートスプライン29e
が刻設されている。
【0036】歯車型カップリング30の他端側は、雄イ
ンボリュートスプライン30gを太陽ローラ軸29の雌
インボリュートスプライン29eに噛合させて挿入しな
がら、球面状突部30hの先端を太陽ローラ軸29の収
容凹部29dの底壁に当接させて収容され、該収容凹部
29dの開口端に、スペーサ50とスナップリング51
とを装着して抜け止めされるもので、本実施例では、歯
車型カップリング30と、高速回転軸25及び太陽ロー
ラ軸29の雌インボリュートスプライン25b,29e
とで等速動力自在継手52が構成される。
【0037】収容凹部29dを囲繞する太陽ローラ軸2
9の周壁には、第1実施例の歯車型カップリング30の
給油孔30fに代わる半径方向の排油孔29fが、収容
凹部29dの底部に連通して設けられており、収容凹部
25aでは、高速回転軸25の給油孔25cを通して給
油通路37の潤滑油を強制的に導入するのに対し、収容
凹部29dでは、収容凹部29d底部の潤滑油を、太陽
ローラ軸29と歯車型カップリング30の回転遠心力に
よって、排油孔29fから油滴やオイルミストの充満す
る油滴室43へ排出して、収容凹部29dの底部を負圧
にし、油滴室43の潤滑油を収容凹部29dの開口端よ
り導入して、雄インボリュートスプライン30gと雌イ
ンボリュートスプライン29eとに潤滑油を供給する。
【0038】図6,図7は、第1及び第2実施例と同様
に、歯車型カップリングを用いた第3,第4実施例を示
している。図6の第3実施例では、高速回転軸25の一
端に、別途の継手受け60がボルト61にて固着され、
該継手受け60の収容凹部60aの内周面に、歯車型カ
ップリング30の円弧状雄インボリュートスプライン3
0aと噛合する直線状の雌インボリュートスプライン6
0bが刻設されており、歯車型カップリング30と、太
陽ローラ軸29の雄インボリュートスプライン29a
と、継手受け60の雌インボリュートスプライン60b
とで、本実施例の等速動力自在継手62が構成される。
【0039】図7は、第1発明を適用した第4実施例
で、高速回転軸25と太陽ローラ軸29との接続に、歯
車型カップリング70と雄継手71とを用いている。歯
車型カップリング70は、両端に開口する円筒体72の
中央を隔壁72aで仕切って、円筒体72内に2つの収
容凹部72b,72cを画成し、収容凹部72b,72
cの内周面に、直線状の雌インボリュートスプライン7
2d,72eを刻設すると共に、円筒体72の周壁に、
排油孔72f,72gを半径方向に貫通形成して、収容
凹部72b,72cの底部に連通させている。
【0040】また雄継手71は、一端側に芯出し用の嵌
合突部71aと取付け用のフランジ71bとを備え、他
端側に太陽ローラ軸29と同様の雄インボリュートスプ
ライン71cと球面状突部71dと給油溝71eとを備
えており、雄継手71は、嵌合突部71aを高速回転軸
25の一端面中央に設けた嵌合凹部25dに嵌合し、フ
ランジ71bを高速回転軸25の一端面にボルト73に
て固着される。
【0041】太陽ローラ軸29と雄継手71は、雄イン
ボリュートスプライン29a,71cを、歯車型カップ
リング70の雌インボリュートスプライン72d,72
eに噛合させながら収容凹部72b,72cに収容さ
れ、それぞれの球面状突部29b,71dの先端を収容
凹部72b,72cの底壁に当接させて、該収容凹部7
2b,72cの開口端に嵌着されるスナップリング7
4,75にて抜け止めされる。
【0042】本実施例では、歯車型カップリング70
と、太陽ローラ軸29及び雄継手71の雄インボリュー
トスプライン29a,71cとで等速動力自在継手76
が構成され、また第3及び第4実施例のいずれもが、第
1実施例と同様の効果を奏するものである。
【0043】尚、第1〜第4実施例では、等速動力自在
継手44,52,62,76の嵌め合い要素としてイン
ボリュートスプラインを用いたが、そのほか角型スプラ
インやセレーションを用いてもよい。この場合に、雄側
のスプラインやセレーションには、歯すじ方向の両側面
にクラウニング加工が施され、更に大きな偏心量や傾斜
角を許容する場合には、歯先面と歯底面の歯すじ方向両
端部にも円弧状のクラウニング加工を施すことによっ
て、芯ズレや傾斜角を無理なく許容することができるよ
うになる。
【0044】次に、第1発明に基づく第5実施例を、図
8乃至図11に基づいて説明する。本実施例は、高速回
転軸25と太陽ローラ軸85eとをつなぐ等速動力自在
継手80として、ボールジョイントを用いている。
【0045】この等速動力自在継手80は、円筒状のト
ルクチューブ81と、該トルクチューブ81に、周方向
へ3個づつ2列で形成されたボール孔81a,81b
に、回転可能に収容される3個づつの鋼球82,83
と、トルクチューブ81の一端に3個の鋼球82を覆っ
て装着される外輪84と、該トルクチューブ81の他端
に3個の鋼球83を覆って装着される外輪85とからな
っている。
【0046】外輪84,85は、それぞれ有底円筒体に
形成され、円筒体84a,85aの中心軸上にはガイド
軸84b,85bが突設されており、該ガイド軸84
b,85bと円筒体84a,85aには、断面が円弧状
で且つ外輪84,85の軸方向へ長い窪み84c,84
d,85c,85dが、内外に対向して3組づつ設けら
れており、これらの窪み84c,84d,85c,85
dに、それぞれ鋼球82,83が収容される。
【0047】一方の外輪84の底部には、芯出し用の嵌
合突部84eと取付け用のフランジ84fとが一体形成
され、他方の外輪85の底部には、つば付の太陽ローラ
軸85eが一体に突出形成されている。また一方の外輪
84には、トルクチューブ81の一端を収容した円筒体
84aの開口部内周に、抜け止め用の止め輪86が嵌着
されるが、他方の外輪85では、この止め輪が省略され
ており、動力伝達装置20に組付けする前の等速動力自
在継手80は、トルクチューブ81と他方の外輪85と
が、引き抜き可能な仮組み状態となっている。
【0048】高速回転軸25の一端面には収容凹部25
eが形成され、更に収容凹部25eの底壁中央に嵌合凹
部25fが形成されており、等速動力自在継手80は、
一方の外輪84の嵌合突部84eを高速回転軸25の嵌
合凹部25fに嵌合し、フランジ84fを高速回転軸2
5の収容凹部25e底壁にボルト87で固着して、高速
回転軸25の端面から油滴室43へ突出配置され、外輪
85と一体の太陽ローラ軸85eが、遊星ローラ式変速
機構27の固定リング28の中心軸上に突出配置され
る。固定リング28に中心軸上に位置した太陽ローラ軸
85eの外周には、複数の遊星ローラ38が圧接状態に
配設されるため、組付け後の等速動力自在継手80は、
分離不可能な固定状態となる。
【0049】本実施例の等速動力自在継手80を用い
て、例えば高速回転軸25側の一方の外輪84から、太
陽ローラ軸85e側の他方の外輪85へ回転動力を伝達
する場合を説明すると、外輪84の回転動力は、ガイド
軸84bの窪み84cから3個の鋼球82を介して、ト
ルクチューブ81に伝えられ、更にトルクチューブ81
から、3個の鋼球83を介して、ガイド軸85bの窪み
85cより他方の外輪85へ伝えられて行く。
【0050】また、高速回転軸25と太陽ローラ軸85
eとに芯ズレや相対的な傾斜角が生じた場合には、等速
動力自在継手80のトルクチューブ81が傾斜してこれ
を許容する。その許容量は、一方の外輪84で、円筒体
84a及びガイドチューブ81間の間隙C1と、ガイド
軸84b及びガイドチューブ81間の間隙C2とで決定
され(図11参照)、また他方の外輪85で、同じく円
筒体85a及びガイドチューブ81間の間隙C3と、ガ
イド軸85b及びガイドチューブ81間の間隙C4とで
決定される(図9参照)。
【0051】本実施例では、等速動力自在継手80とし
てボールジョイントを用いたことにより、高速回転軸2
5と太陽ローラ軸85eとの芯ズレや相対的な傾斜角を
許容しながら、回転動力を無理なく円滑に伝達すること
ができる。しかも、等速動力自在継手80の慣性二次モ
ーメントが小さいので、回転動力の伝達ロスが少なく、
効率のよい伝達が図れる。
【0052】また、本実施例の等速動力自在継手80
は、他方の外輪85で止め輪を省略したから、太陽ロー
ラ軸85eと遊星ローラ式変速機構27との係合を外す
ことによって、等速動力自在継手80は再び分離可能な
仮組み状態となるので、等速動力自在継手80のメンテ
ナンスを簡便に行なうことができて好適である。
【0053】尚、図8に示すように、本実施例において
も、アンギュラ型の球軸受34の鋼球34aと作用点O
1とを結ぶ直線L1上に、等速動力自在継手80の鋼球
82の中心を位置させることにより、第1実施例と同
様、高速回転軸25と太陽ローラ軸85eとの芯ズレや
相対的な傾斜角で発生したスラスト荷重を、軸受34に
て無理なく有効に受けることができて望ましい。
【0054】次に、第1発明を適用した第6実施例を、
図12に基づいて説明する。本実施例では、高速回転軸
25と太陽ローラ軸93aとをつなぐ等速動力自在継手
90として、ダブルクロスジョイントタイプのユニバー
サルジョイントを用いている。等速動力自在継手90
は、中間体91のクロスポイントO2,O3に、2つの
軸体92,93が相対的な傾斜に対して揺動自在に枢支
されており、一方の軸体92には、嵌合軸92aとフラ
ンジ92bとが一体形成され、また他方の軸体93に
は、太陽ローラ軸93aが一体形成されている。
【0055】高速回転軸25の一端面には、大径の収容
凹部25gと小径の嵌合凹部25hとが連設されてい
る。高速回転軸25の嵌合凹部25hと軸体92の嵌合
軸92aには、雌雄のインボリュートスプラインが刻ま
れており、等速動力自在継手90は、軸体92のフラン
ジ92bが高速回転軸25の収容凹部25gの底壁に当
接する位置まで、嵌合軸92aを嵌合凹部25hへ圧入
してスプライン嵌合することにより、高速回転軸25の
端面から油滴室43へ突出配置され、軸体93と一体の
太陽ローラ軸93aが、遊星ローラ式変速機構27の固
定リング28の中心軸上に突出配置される。
【0056】また、本実施例においても、一方の軸体9
2のクロスポイントO2を、軸受34の作用点O1と一
致させると、芯ズレや相対的な傾斜角で発生したスラス
ト荷重を、軸受34にて無理なく有効に受けることがで
きて望ましい。
【0057】図13及び図14は、第1発明を適用した
第7実施例を示すもので、等速動力自在継手100に撓
み継手を用いており、この等速動力自在継手100は、
カップリング101,102と、両カップリング10
1,102の間に挟装される動力伝達材103とから構
成されている。
【0058】カップリング101,102は、金属等の
剛性体によって形成され、それぞれ交互に嵌り合う3つ
づつの爪片101a,102aを持っている。一方のカ
ップリング101には、高速回転軸25の収容凹部25
iの底壁にボルト104にて取付けされるフランジ10
1bが一体形成され、他方のカップリング102には、
太陽ローラ軸102bが一体形成されている。
【0059】動力伝達材103は、耐油性,弾力性,許
容面圧,耐熱性を備えた四フッ化エチレン樹脂,ポリウ
レタンゴム,シリコンゴム,アクリルゴム等によって、
板状の星形に形成されており、カップリング101,1
02の双方の爪片101a,102aの間で、高速回転
軸25と太陽ローラ軸102bとの芯ズレや相対的な傾
斜角に応じて圧縮変形できるようになっている。
【0060】また、この等速動力自在継手100を、動
力伝達装置20に組付けする際には、動力伝達材103
の幅中心O4を、前述の各実施例と同様の思想から、直
線L1上の作用点O1と合致させると好ましい。
【0061】次に、第2発明を適用した第8実施例を、
図15及び図16に基づいて説明する。尚、本実施例は
前述の第1実施例を応用しており、必要に応じて第1実
施例の図1〜図4を適宜参酌されたい。動力伝達装置1
10は、ユニットケース111に設けられる高速回転軸
ユニット112及び低速回転軸ユニット113と、両ユ
ニット112,113の間に組み込まれる変速機構ユニ
ット114との3つのアッセンブリユニットとからなっ
ている。
【0062】高速回転軸ユニット112は、外端を側板
115で閉塞した円筒状のハウジング116の中心軸上
に、高速回転軸25の一端側が一対の軸受33,34を
介して回転可能に支持されている。高速回転軸25一端
の収容凹部25aには、歯車型カップリング30が噛合
する雌インボリュートスプライン25bが刻設されてお
り、高速回転軸ユニット112は、この高速回転軸機構
に、歯車型カップリング30をスナップリング42で拘
束した構造までが、予め組立品としてアッセンブリされ
ている。
【0063】また、低速回転軸ユニット113は、外端
を側板117で閉塞した円筒状のハウジング118の中
心軸上に、低速回転軸26の一端側を一対の軸受35,
36を介して回転可能に支持し、低速回転軸26の一端
前方に、変速機構ユニット114を収容する収容凹部1
19を形成した構造の低速回転軸機構を、予め組立品と
してアッセンブリしている。
【0064】一方、変速機構ユニット114は、遊星ロ
ーラ式変速機構27とキャリアフランジ120とからな
っている。遊星ローラ式変速機構27は、第1実施例と
同様に、固定リング28と太陽ローラ軸29と複数の遊
星ローラ38及び遊星ローラピン39とを持っている。
固定リング28の両側には、一対のガイドリング12
1,122がボルト123にて固定されており、給油通
路37からの潤滑油を、ガイドリング121の給油噴射
孔121aを通して遊星ローラ38内周のニードルベア
リング40へ供給し、また双方のガイドリング121,
122にて、遊星ローラ38の軸方向の移動を規制して
いる。
【0065】太陽ローラ軸29の一端には、雄インボリ
ュートスプライン29aと球面状突部29bと給油溝2
9cとが設けられており、該太陽ローラ軸29は、その
段部29gと、外周を囲繞する複数の遊星ローラ38と
の当接によって、低速回転軸26側への移動を規制され
ながら、固定リング28の中心軸上に保持される。ま
た、遊星ローラ38から突出する遊星ローラピン39の
外端は、低速回転軸ユニット113から分離された板状
のキャリアフランジ120に圧入されている。
【0066】また、遊星ローラピン39の高速回転軸2
5側の軸端に、キャップ124をボルト125で固定す
ることにより、キャリアフランジ120を含めた遊星ロ
ーラピン39が変速機構ユニット114に抜止めされな
がら、一体にユニット化されている。
【0067】上述の変速機構ユニット114は、キャリ
アフランジ120を、低速回転軸26の一端に複数のボ
ルト126で固定して、低速回転軸ユニット113の収
容凹部119に組付けされ、更に高速回転軸と低速回転
軸のユニット112,113は、太陽ローラ軸29の雄
インボリュートスプライン29aを、歯車型カップリン
グ30の雌インボリュートスプライン30dに噛合させ
ながら、双方の円筒ハウジング116,118を突き合
わせ、両ハウジング116,118を複数のボルト12
7で固定して一体に連結される。
【0068】また、本実施例の等速動力自在継手128
は、高速回転軸ユニット112の高速回転軸25に形成
される雌インボリュートスプライン25bと、該スプラ
イン25bに噛合して高速回転軸ユニット112に組付
けられる歯車型カップリング30と、変速機構ユニット
114の太陽ローラ軸29に一体形成される雄インボリ
ュートスプライン29aとからなっており、高速回転軸
ユニット112と変速機構ユニット114との連結によ
って、上述の等速動力自在継手128を構成する。
【0069】本実施例の動力伝達装置110は、予め高
速回転軸ユニット112と低速回転軸ユニット113と
変速機構ユニット114との3つのアッセンブリユニッ
トに分割されているので、同一動力伝達能力の際、即ち
同一モータ容量時でも、出力回転数を変更する必要性が
生じた場合には、変速機構ユニット114を交換するこ
とによって、遊星ローラ38と固定リング28と太陽ロ
ーラ軸29との回転比,即ち変速比を極めて容易に変更
することができる。また、遊星ローラ式変速機構27で
は、遊星ローラ38と太陽ローラ軸29の外周面の故障
が比較的多いが、この場合にも変速機構ユニット114
の交換で対応することができる。更にその他の修理やメ
ンテナンスにも、動力伝達装置を容易に分解及び組立す
ることができるので、特に現地における作業性に優れて
いる。
【0070】更に、このユニット化によって、在庫・保
管管理が容易となった。また従来の場合には、緊急時に
動力伝達装置全体を交換する必要があったことから、主
要な部品や動力伝達装置の完成品を保管しておかなけれ
ばならなかったが、本実施例では、故障頻度の高いユニ
ットを在庫の重点に置けば済むようになった。
【0071】このように、上述の第1〜第8実施例によ
れば、高速回転軸が傾いて、高速回転軸と太陽ローラ軸
とが相対的に傾斜することがあっても、太陽ローラ軸と
高速回転軸との間に介装した等速動力自在継手によっ
て、太陽ローラ軸自体には傾きが生じなくなるので、回
転動力を無理なく効率よく、スムーズに伝達することが
できるようになる。
【0072】尚、図15,16を用いて第2発明を説明
した第8実施例では、等速動力自在継手を、高速回転軸
ユニットと変速機構ユニットとに分割して設けたが、等
速動力自在継手の構成によっては、その全体を、高速回
転軸ユニットまたは変速機構ユニットのいずれかに組込
むようにしてもよい。また本実施例を、第1実施例の応
用例として説明したように、前述の第2〜第7実施例も
同様に、ユニットケースを2分割して、分割ユニットケ
ースの一方を含む高速回転軸ユニットと、分割ユニット
ケースの他方を含む低速回転軸ユニットと、両ユニット
の間に組込まれる変速機構ユニットとの3つのアッセン
ブリユニットに分け、更に等速動力自在継手を、適宜高
速回転軸ユニットと変速機構ユニットの一方または双方
に分割して組込むこともできる。
【0073】更に、高速回転軸ユニットを構成する高速
回転軸機構として、少なくとも高速回転軸と、該高速回
転軸の一端側を収容するハウジングと、該ハウジングの
内部で高速回転軸を回転可能に支持する軸受とを含み、
また低速回転軸ユニットを構成する低速回転軸機構とし
て、少くとも低速回転軸と、該低速回転軸の一端側を収
容するハウジングと、該ハウジングの内部で低速回転軸
を回転可能に支承する軸受とを含むものとする。
【0074】
【発明の効果】本発明の動力伝達装置は、高速回転軸と
太陽ローラ軸とを分割し、該太陽ローラ軸と高速回転軸
とを等速動力自在継手を介して連結したことにより、高
速回転軸と低速回転軸の製作加工時の製作誤差や、装置
組立時に発生する各部品のバラツキに伴う双方の回転軸
の偏心や傾斜角、運転起動・停止時における高速回転軸
と低速回転軸の一次・二次の共振周波数の通過時の共振
に伴う軸端の撓み、或いは高速回転軸や低速回転軸の軸
端に負荷されるラジアル荷重やウエイトアンバランスに
よる軸振れ等があっても、これらの不具合な動きを等速
動力継手が吸収または許容するので、太陽ローラ軸に傾
きを与えることなく、回転動力を無理なく効率よく、ス
ムーズに伝達することができるようになる。
【0075】また、高速回転軸と低速回転軸の偏心や傾
斜による太陽ローラ軸の傾きが回避されるので、太陽ロ
ーラ軸と遊星ローラの外周面への過負荷がなく、遊星ロ
ーラ式変速機構の耐久性が向上する。更に、動力伝達装
置を構成する各部材の加工製作精度や組立精度を緩和さ
せることができるので、動力伝達装置全体の製作コスト
を大幅に低減できる。また、ラッピング等の精密な加工
精度と熱処理を必要とする箇所が少なくなり、特殊合金
鋼等の高価な材料を使用する部品も短くて済むので、製
作時のハンドリングが容易に行なえる。
【0076】更に、上述の動力伝達装置を、高速回転軸
側と低速回転軸側と遊星ローラ式変速機構との3つのユ
ニットに分割形成したことにより、故障や変速比の変更
は、ユニットを交換するだけの極めて簡単な作業で対応
することができる。また、その他の修理やメンテナンス
も頗る容易に行なうことができるので、特に現地におけ
る作業性に優れている。更に、交換頻度の高いユニット
を重点に在庫・保管管理すればよく、従来のように、主
要な部品や動力伝達装置の完成品を保管しておく必要が
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す動力伝達装置の断面
正面図
【図2】図1の要部拡大図
【図3】図1における高速回転軸と太陽ローラ軸とが偏
心した場合の要部拡大図
【図4】図1における高速回転軸が低速回転軸と太陽ロ
ーラ軸に対して傾斜した場合の要部拡大図
【図5】本発明の第2実施例を示す動力伝達装置の要部
断面図
【図6】本発明の第3実施例を示す動力伝達装置の要部
断面図
【図7】本発明の第4実施例を示す動力伝達装置の要部
断面図
【図8】本発明の第5実施例を示す動力伝達装置の断面
正面図
【図9】第5実施例に用いた等速動力自在継手の断面正
面図
【図10】図9のX−X断面図
【図11】図10の要部拡大図
【図12】本発明の第6実施例を示す動力伝達装置の断
面正面図
【図13】本発明の第7実施例を示す動力伝達装置の断
面正面図
【図14】第7実施例に用いた等速動力自在継手の分解
斜視図
【図15】本発明の第8実施例を示す動力伝達装置の断
面正面図
【図16】図15の動力伝達装置を3ユニットに分解し
た状態の断面正面図
【図17】従来の動力伝達装置を示す断面正面図
【符号の説明】
20…動力伝達装置 21…円筒ケース 24…ユニットケース 25…高速回転軸 25a…高速回転軸25の収容凹部 25b…収容凹部25aの内周面に形成された雌インボ
リュートスプライン 25e…収容凹部 25f…嵌合凹部 25g…収容凹部 25h…嵌合凹部 26…低速回転軸 27…遊星ローラ式変速機構 28…遊星ローラ式変速機構27の固定リング 29…太陽ローラ軸 29a…雄インボリュートスプライン 29b…球面状突部 29c,30e…給油溝 29d…収容凹部 29e…雌インボリュートスプライン 29f…排油孔 30…歯車型カップリング 30a…雄インボリュートスプライン 30b…球面状突部 30c…収容凹部 30d…雌インボリュートスプライン 30f…給油孔 30g…雄インボリュートスプライン 30h…球面状突部 30i…給油溝 33,34,35,36…軸受 37…給油通路 38…遊星ローラ 39…遊星ローラピン 40…ニードルベアリング 41,42…スナップリング 43…油滴室 44…等速動力自在継手 52…等速動力自在継手 60…継手受け 60a…収容凹部 60b…雌インボリュートスプライン 62…等速動力自在継手 70…歯車型カップリング 71…雄継手 72…円筒体 72a…隔壁 72b,72c…収容凹部 72d,72e…雌インボリュートスプライン 72f,72g…排油孔 71a…芯出し用の嵌合突部 71b…取付け用のフランジ 71c…雄インボリュートスプライン 71d…球面状突部 74,75…スナップリング 80…等速動力自在継手 81…トルクチューブ 81a,81b…ボール孔 82,83…鋼球 84,85…外輪 84a,85a…円筒体 84b,85b…ガイド軸 84c,84d,85c,85d…窪み 84e…嵌合突部 84f…取付け用のフランジ 86…止め輪 85e…外輪85と一体の太陽ローラ軸 90…等速動力自在継手 91…中間体 92,93…軸体 92a…嵌合軸 92b…フランジ 93a…軸体93と一体の太陽ローラ軸 100…等速動力自在継手 101,102…カップリング 103…動力伝達材 101a,102a…爪片 101b…フランジ 102b…カップリング102と一体の太陽ローラ軸 110…動力伝達装置 111…ユニットケース 112…高速回転軸ユニット 113…低速回転軸ユニット 114…変速機構ユニット 116,118…ハウジング 119…収容凹部 120…キャリアフランジ 121,122…ガイドリング 123,124,125,126,127…ボルト L1…軸受34の鋼球34aと内レース34bと外レー
ス34cの接触点を結ぶ直線 L2…雄インボリュートスプライン29a,30aの歯
幅中心間距離 α…高速回転軸25や低速回転軸26等の半径方向線に
対する直線L1の角度 CL…歯車型カップリング30の中心軸 O1…直線L1と中心軸CLとが交点する作用点 P…直線L1上で、歯車型カップリング30の雄インボ
リュートスプライン30aと高速回転軸25の雌インボ
リュートスプライン25bの噛合いピッチ円が交差する
基準接触点 W…雄インボリュートスプライン30aの歯幅 ε…高速回転軸25と太陽ローラ軸29のの偏心量 γ…歯車型カップリング30の傾斜角 β…高速回転軸25と低速回転軸26との傾斜角 C1…円筒体84aとガイドチューブ81間の間隙 C2…ガイド軸84bとガイドチューブ81間の間隙 C3…円筒体85aとガイドチューブ81間の間隙 C4…ガイド軸85bとガイドチューブ81間の間隙 O2,O3…クロスポイント O4…動力伝達材103の幅中心

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定リングと、高速回転軸の一端から突
    出して固定リングの中心軸上に挿通される太陽ローラ軸
    と、該太陽ローラ軸と前記固定リングとの間に圧接状態
    で配設される複数の遊星ローラと、該遊星ローラを回転
    可能に支持する遊星ローラピンとで遊星ローラ式変速機
    構を構成し、前記複数の遊星ローラにこれら遊星ローラ
    の公転に同期して回転する低速回転軸を連結した遊星ロ
    ーラ式変速機構を用いた動力伝達装置において、前記高
    速回転軸と前記太陽ローラ軸とを分割し、該太陽ローラ
    軸と高速回転軸とを等速動力自在継手を介して連結した
    ことを特徴とする遊星ローラ式変速機構を用いた動力伝
    達装置。
  2. 【請求項2】 前記動力伝達装置を、前記遊星ローラ式
    変速機構と、少なくとも前記高速回転軸と、該高速回転
    軸の一端側を収容するハウジングと、該ハウジングの内
    部で前記高速回転軸を回転可能に支持する軸受とを含ん
    だ高速回転軸機構と、少なくとも前記低速回転軸と、該
    低速回転軸の一端側を収容するハウジングと、該ハウジ
    ングの内部で前記低速回転軸を回転可能に支承する軸受
    とを含んだ低速回転軸機構とを、それぞれ変速機構ユニ
    ットと高速回転軸ユニットと低速回転軸ユニットの3つ
    にユニット化して分割可能となすと共に、前記等速自在
    継手を高速回転軸ユニットと変速機構ユニットのいずれ
    か一方、または双方に分割して組込んだことを特徴とす
    る請求項1記載の遊星ローラ式変速機構を用いた動力伝
    達装置。
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