JPH0862081A - 圧電型圧力センサ及びその製造方法 - Google Patents

圧電型圧力センサ及びその製造方法

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JPH0862081A
JPH0862081A JP6201688A JP20168894A JPH0862081A JP H0862081 A JPH0862081 A JP H0862081A JP 6201688 A JP6201688 A JP 6201688A JP 20168894 A JP20168894 A JP 20168894A JP H0862081 A JPH0862081 A JP H0862081A
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JP
Japan
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piezoelectric
piezoelectric element
temperature
pressure sensor
calcined powder
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JP6201688A
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English (en)
Inventor
Zenichi Akiyama
善一 秋山
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Ricoh Seiki Co Ltd
Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Seiki Co Ltd
Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度補償がなされ広い温度範囲に渡って高い
測定精度を得ることが可能な圧電型圧力センサ及びその
製造方法を提供する。 【構成】 第一及び第二の圧電素子3,4を温度係数が
互いに相反する温度勾配の特性をもつ材料から形成し、
これら2つの圧電素子3,4の電気容量が一定の検出感
度を補償する電気容量比となるように振動板5に並列接
続の状態で接合することによって、微少な圧力変化を確
実に検出する共に、この検出の際に一定の検出感度をも
って広い温度範囲に渡って温度補償が行えるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電型圧力センサ及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、圧電型圧力センサに用いられる
セラミックス圧電素子の材料としては、分極処理した強
誘電体セラミックスが採用されており、このような材料
は誘電率や圧電定数の値がキュリー点近傍で大きな温度
変化を示し、温度依存性の割合が大きいという特性があ
る。従って、このような圧電型圧力センサを、次世代の
ガスメータとして精力的に研究されているフルイディッ
ク型流量計に搭載する場合、ガスメータの使用温度範囲
内(一般に、−20〜60°C)において温度変化が生
じると、圧力測定に大きな誤差を発生させるおそれがあ
る。
【0003】このような温度変化の問題に対処したもの
として、圧力の加わる位置と圧力の加わらない位置とに
圧電素子をそれぞれ配置し、これら2つの圧電素子の電
荷特性における温度のみに依存する項(パイロ項)を補
償することが提案されている(実開昭63−84540
号公報参照)。すなわち、圧電素子からの出力電荷Q
は、圧力をP、温度をtとすると、 Q=K×(1+αt)×P+g(t) …(1) K:定数 α:温度係数 として表され、圧力に依存せず温度のみに依存する2項
目のパイロ項を打消すことにより温度補償を行ってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、(1)式から
わかるように、温度tに関する項は圧力項(1項目)に
も温度係数αとして含まれており、前述したような方式
では温度に関する項を完全に打消すことができず、圧力
測定に大きな問題を残す結果となる。
【0005】また、圧力項においても温度補償を可能と
したものとして、特開平5−157650号公報に「圧
電型圧力センサ」として開示されているように、2種の
圧電素子を異なった極同士が接続されるように配置さ
せ、それら2つの圧電素子の各々の面積が温度変化によ
る出力特性の変化を補償するような面積比に設定される
ことによって温度補償を行っている。しかし、この公報
に記載された圧電型圧力センサの例は、内燃機関の燃焼
室の圧力を測定するために用いられ高い圧力変化に対応
するものであり、ガス流量等の微少な圧力変化を検知さ
せるための構造とはなっていない。
【0006】また、圧電素子の温度依存性の影響をなく
すために、キュリー点(Tc)の高い圧電セラミックス
材料、例えば、BaTiO3 (Tc=120°C)、P
b(ZrTi)O3 (Tc=350°C)、PbTiO
3 (Tc=500°C)などを利用することも考えられ
ているが、温度依存性の非常に小さな圧電素子の要求に
対してはまだ不十分である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、電気容量の温度係数が互いに相反する温度勾配の特
性をもつ材料により形成され互いの電気容量が一定の検
出感度を補償する電気容量比となるように並列接続され
た第一の圧電素子及び第二の圧電素子と、この一定の電
気容量比に設定されかつ相反する電気容量の温度係数も
つ前記2つの圧電素子が接合された振動板とよって圧電
型圧力センサを構成した。
【0008】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、第二の圧電素子を、第一の圧電素子に対
して固溶体形成が可能なセラミックス材料により形成し
た。
【0009】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
発明において、第一の圧電素子をチタン酸鉛又はチタン
酸ジルコニウム酸鉛系セラミックスにより形成し、第二
の圧電素子を固溶体形成が可能なマグネシウムニオブ酸
鉛・チタン酸鉛系セラミックスにより形成した。
【0010】請求項4記載の発明では、電気容量の温度
係数が互いに相反する温度勾配の特性をもつ第一の圧電
素子材と第二の圧電素子材とをそれぞれ仮焼して第一の
仮焼粉と第二の仮焼粉とを作成し、電気容量が一定の検
出感度を補償する電気容量比に設定されるような形状で
前記第一の仮焼粉を仮加圧成形し、この仮加圧成形によ
り所定の電気容量の形状に形成された第一の仮焼粉に前
記第二の仮焼粉を加えて本加圧成形を行い、この本加圧
成形後に本焼成を行って一体化成形し、この一体化成形
して得られた第一の圧電素子と第二の圧電素子とを所望
の膜厚に切り出し、この切り出された2つの圧電素子を
振動板に接合することにより圧電型圧力センサを作成し
た。
【0011】請求項5記載の発明では、電気容量の温度
係数が互いに相反する温度勾配の特性をもつ第一の圧電
素子材と第二の圧電素子材とをそれぞれ仮焼して第一の
仮焼粉と第二の仮焼粉とを作成し、これら第一の仮焼粉
及び第二の仮焼粉の各々にバインターを加えて泥奨した
後シート状の素子を作成し、このシート状の素子を電気
容量が一定の検出感度を補償する電気容量比に設定され
るような形状に切り出して第一のシート状成形体及び第
二のシート状成形体を作成し、これら第一及び第二のシ
ート状成形体の熱圧着を行い、この熱圧着後に本焼成を
行って第一の圧電素子と第二の圧電素子とを一体化成形
し、この一体化成形された素子を所望の膜厚に切り出
し、この切り出された素子を振動板に接合することによ
り圧電型圧力センサを作成した。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明においては、振動板による
微少な圧力変化を第一及び第二の圧電素子の径方向の伸
縮に変換して応力検知を行う場合、2つの圧電素子は電
気容量の温度係数が互いに相反する温度特性をもつ材料
から構成されているため、一方の圧電素子の電気容量の
温度変化を他方の圧電素子の電気容量の温度変化によっ
て温度補償することができ、また、2つの圧電素子の電
気容量が温度変化による検出感度の変化を補償する電気
容量比となるように並列状態で接続され各圧電素子の占
有面積が設定されているため、検出感度を低下させず一
定状態に保って応力検知が行える。
【0013】請求項2記載の発明においては、第一の圧
電素子と接合される第二の圧電素子を固溶体形成が可能
なセラミックス材料から構成することによって、焼成時
に各圧電素子材の界面における接合強度を強くさせる。
【0014】請求項3記載の発明においては、第一の圧
電素子と接合される第二の圧電素子を固溶体形成が可能
なマグネシウムニオブ酸鉛・チタン酸鉛系セラミックス
から構成することによって、焼成時に各圧電素子材の界
面における接合強度を強くさせると共に、組成比を多様
に変化させ広範囲な材料設計を行える。
【0015】請求項4記載の発明においては、仮焼粉か
ら加圧成形、焼成を順次行うことによって、第一の圧電
素子と第二の圧電素子とを並列接続するための一体成形
を確実に行える。
【0016】請求項5記載の発明においては、仮焼粉か
らシート打ち抜き、熱圧着、焼成を順次行うことによっ
て、第一の圧電素子と第二の圧電素子とを並列接続する
ための一体成形を確実に行える。
【0017】
【実施例】本発明の第一の実施例を図1〜図3に基づい
て説明する。まず、圧電素子の等価回路定数と圧電定数
との基本的な関係について述べる。図3(a)は、分極
処理された厚さt、断面積Sの圧電素子1(圧電型圧力
センサ)の構造を示すものであり、今、分極軸方向に交
流電圧Vを印加し励振した場合、基本モード付近での振
動子の等価回路2は図3(b)に示すようになる。この
場合、各等価回路定数(C0 、C1 、L1 、R1 )は、
振動子のインピーダンス(又は、アドミッタンス)の周
波数特性から求められ、インピーダンスの絶対値が最
小、最大に相当する周波数はそれぞれ共振(ωr)、反
共振(ωa)であり、素子の自由容量をCfとし、Δ2
=(ωa2−ωr2)とおくと、等価回路定数は、
【0018】
【数1】
【0019】のような関係になる。この等価回路定数に
より電気−機械結合定数Kが決定され、この電気−機械
結合定数Kは圧電定数dとの間で、 d2=K2ε・Q …(2) Q:弾性定数 の関係が成り立つ。この圧電定数dと圧電定数gとの間
には、g=(d/ε)の関係があり、(2)式のQを圧
電素子1の形状(t)、密度(ρ)等により表すと、最
終的に、圧電定数g(g33:圧電素子の径方向の伸縮に
関する定数)は、
【0020】
【数2】
【0021】として表すことができる。この(3)式か
らわかるように、等価回路定数の温度変化が圧電定数g
の温度依存性に大きく寄与していることがわかる。
【0022】ここで、図3(c)に示すように、上述し
たような等価回路定数に、コンデンサ(Cp )を並列に
接続した場合における合成等価回路定数(C0’ 、
1’ 、L1’ 、R1’ )の値は、C0’ =(C0+C
p)、C1’ =C1 、L1’ =L1、R1’ =R1 とな
る。このとき、接続するコンデンサ(Cp )の温度変化
の勾配が、等価回路定数(C0 、C1 、L1 、R1 )の
温度変化の逆勾配であれば、等価回路定数の温度特性を
補償することができ、これにより温度依存性のない圧電
素子を作成することができる。ただし、このようにコン
デンサ(Cp )を並列接続した場合、合成等価回路定数
0’ はC0+Cpとなり、電気容量値が増大するため、
圧力定数gが低下し、その結果、圧力感度が低下する。
従って、このようなことから、並列接続されるコンデン
サ成分としては、圧電素子の等価回路定数の温度変化を
補償するのみでなく、圧電定数gの大きさ、すなわち、
検出感度の影響も考慮して、温度勾配と電気容量とを最
適な値に選択する必要がある。
【0023】本実施例における圧電型圧力センサは、図
1(a)(b)に示すように、電気容量Ca,Cbの温
度係数α1,α2が互いに相反する温度勾配の特性をもつ
材料により形成され、互いの電気容量Ca,Cbが一定
の検出感度を補償する電気容量比となるように並列接続
された第一の圧電素子3及び第二の圧電素子4と、この
一定の電気容量比に設定されかつ相反する電気容量の温
度係数α1,α2もつ2つの圧電素子3,4が接合された
振動板5とによって構成されている(請求項1記載の発
明に対応する)。
【0024】ここで、具体的な数値を挙げて説明する。
第一の圧電素子3として、キュリー点Tc=450°C
のPbTiO3 のセラミックス圧電素子を用いると、こ
の第一の圧電素子3の電気容量Caの温度係数はα1
+25×10~4/°Cの変化を示し、圧電定数g
(g33)は−20°C〜60°Cの温度範囲内で18%
の変化を示す。そこで、第二の圧電素子4として、温度
係数α1 と反対の温度勾配をもつ温度係数α2 =−37
×10~4/°Cのセラミックス圧電素子を用い、また、
このときの第二の圧電素子4の電気容量Cb(すなわ
ち、図3(c)のCpに相当する)をCb=20pFと
して、第一の圧電素子3に並列接続する。そして、この
ようにして互いに逆の温度勾配をもち一定の電気容量比
に設定された圧電素子3,4を振動板5上に接合する。
【0025】このような構成において、振動板5による
微少な圧力変化を、圧電素子3,4の径方向の伸縮に変
換して応力検知を行うことができる。図2は、−20°
C〜60°Cの温度範囲内における圧電定数g33の温度
依存性を調べたものである。従来のCpなしの場合(破
線)では圧電定数g33は18%の変化を示すのに対し
て、本実施例のCpを並列に接続した場合(実線)では
圧電定数g33の変化率を3.5%以内に収めることがで
きた。従って、このようなことから、圧電定数g33の温
度依存性をなくすことができるため、圧力の検出感度を
補償することができる。また、2つの圧電素子3,4を
電気容量Ca,Cbの温度係数α1,α2が互いに相反す
る温度特性をもつ材料から構成することによって、一方
の圧電素子3の電気容量Caの温度変化を他方の圧電素
子4の電気容量Cb(すなわち、Cpに相当する)の温
度変化によって広い温度範囲に渡って温度補償すること
ができるため、圧力の測定精度を向上させることがで
き、これにより信頼性の高い圧電型圧力センサを提供す
ることができる。
【0026】次に、本発明の第二の実施例を前記第一実
施例で用いた図1を参考にして説明する。本実施例は、
圧電型圧力センサの製造方法に関する(請求項4記載の
発明に対応する)。以下、加圧成形・焼成法を用いて、
圧電型圧力センサを製造する方法について述べる。ま
ず、第一の圧電素子材として、PbTiO3 のセラミッ
クス材を用い、第二の圧電素子材として、0.9Pb
(Mg1/3Nb2/3)O3 −0.1PbTiO3 のセラミ
ックス材を用いる。これら第一、第二の圧電素子材は、
電気容量Ca,Cbの温度係数α1,α2が互いに相反す
る温度勾配の特性をもっている。次に、第一の圧電素子
材を仮焼して第一の仮焼粉を作成すると共に、第二の圧
電素子材を仮焼して第二の仮焼粉を作成する。次に、そ
の第一の仮焼粉の仮加圧成形を行う。この仮加圧成形
は、後の工程で第二の仮焼粉が配置されるような空間的
領域を形成して行う。この場合、その空間的領域により
決定される第一の仮焼粉の領域と第二の仮焼粉の領域と
の面積比は、電気容量Ca,Cbが一定の検出感度を補
償するための電気容量比と等しい。この仮加圧は、通常
よりも十分低い100kg/cm2 程度で行われる。次
に、その仮加圧成形後の第一の仮焼粉に予め形成された
空間的領域内に第二の仮焼粉を十分加えて本加圧成形を
行う。この本加圧は、800kg/cm2 程度で行われ
る。次に、この本加圧成形後、1100°C、2時間の
本焼成を行うことによって、図1(a)に示すように、
第一の圧電素子3と第二の圧電素子4とを一体化成形す
る。次に、図1(b)に示すように、その一体化成形さ
れた素子を所望とする膜厚に切り出し、銀電極の焼き付
けを行う。このようにして切り出された2つの圧電素子
3,4を、42ニッケル合金、真鍮等からなる振動板5
にアクリル系UV熱硬化型樹脂により接合することによ
って、2種の圧電素子3,4が並列接続され、温度依存
性をもたない信頼性の高い圧電型圧力センサを作成する
ことができる。
【0027】次に、本発明の第三の実施例を図4に基づ
いて説明する。本実施例は、前述した第二の実施例の加
圧成形・焼成法とは異なり、グリーンシート法により圧
電型圧力センサを製造する方法に関するものである(請
求項5記載の発明に対応する)。以下、具体的な製造方
法について述べる。ここでも、第二の実施例と同様に、
第一、第二の圧電素子材として、電気容量Ca,Cbの
温度係数α1,α2が互いに相反する温度勾配の特性をも
つ材料を選択する。そして、第一の圧電素子材及び第二
の圧電素子材をそれぞれ仮焼して第一の仮焼粉及び第二
の仮焼粉を作成し、これら第一の仮焼粉及び第二の仮焼
粉の各々を泥奨する。この泥奨は、バインダーにポリビ
ニルブチラールを用い、溶媒にエチレングリコールモノ
エチルエーテルとジエチレングリコールモノ−n−ブチ
ルエーテルを用い、可塑剤としてブチルフタクリルブチ
ルギルコレートを用いることによって行う。この泥奨
後、テープキャスティングによりそれぞれグリーンシー
トを作成し、図4(a)(b)に示すように、所望とす
る形状に打ち抜き、第一のシート状成形体6及び第二の
シート状成形体7をそれぞれ作成する。ここで、その打
ち抜きにより決定される第一のシート状成形体6の領域
と第二のシート状成形体7の領域との面積比は、電気容
量Ca,Cbが一定の検出感度を補償するための電気容
量比と等しい。次に、図4(c)に示すように、第一の
シート状成形体6に対して第二のシート状成形体7が嵌
合するように、150°Cで熱圧着を行う。次に、その
熱圧着後のシートをジルコニア製のセッターに挾み、1
150°C、10時間の本焼成を行って第一の圧電素子
3と第二の圧電素子4とを一体化成形する。その後は、
前述した第二の実施例と同様にして、所望とする膜厚に
切り出し、この切り出された圧電素子3,4を振動板5
に接合することによって、温度依存性をもたない信頼性
の高い圧電型圧力センサを作成することができる。
【0028】次に、本発明の第四の実施例について説明
する。加圧成形・焼成法(第二の実施例)、グリーンシ
ート法(第三の実施例)のどちらの製造方法において
も、基本的には信頼性の高い圧電型圧力センサを作成す
ることができる。しかし、第一の圧電素子3としてチタ
ン酸鉛を用い、第二の圧電素子4としてチタン酸ビスマ
スを用い、焼結を行った場合、良好な焼結体が得られ
ず、特に、一体化成形時の境界面での機械的な接合強度
が不十分となる場合がある。この主原因としては、第二
の圧電素子4であるチタン酸ビスマスが第一の圧電素子
3と固溶体形成しないことに起因していた。
【0029】本実施例における圧電型圧力センサの第二
の圧電素子4は、第一の圧電素子3に対して固溶体形成
が可能なセラミックス材料を用いて構成されている(請
求項2記載の発明に対応する)。この固溶体形成が可能
なセラミックス材料としては、例えば、マグネシウムニ
オブ酸鉛系セラミックスを用いることができる。これに
より、第一の圧電素子3と第二の圧電素子4との間で良
好な接合強度が得られ、歩留りを向上させ、生産効率を
高めることができる。
【0030】次に、本発明の第五の実施例について説明
する。これまで述べてきたような第一の圧電素子3とし
ては、その圧電特性が良好であることが望まれ、今日ま
でに知られている材料としては、チタン酸ジルコニウム
酸鉛(PZT)、チタン酸鉛などが選択されている。一
方、第二の圧電素子4としては、第一の圧電素子3に対
して、固溶体を形成することの他に、電気容量Cbの温
度係数α2 の温度勾配が逆特性になる材料を選択するこ
とが必須要件である。また、温度係数α2 の温度勾配は
任意に設定できるほどの自由度をもつことが望ましい。
これは、逆特性の温度勾配を任意に設定できれば、第一
の圧電素子3に対する面積比を変化させることなく、最
適化が得られやすくなるからである。
【0031】本実施例における圧電型圧力センサは、第
一の圧電素子3の材料としてチタン酸鉛又はチタン酸ジ
ルコニウム酸鉛系セラミックスが用いられ、第二の圧電
素子4の材料として固溶体形成が可能なマグネシウムニ
オブ酸鉛・チタン酸鉛系セラミックス(PMN−PT)
が用いられて構成されている(請求項3記載の発明に対
応する)。この場合、第二の圧電素子4の材料であるP
MN−PTの比率を100/0から80/20に変える
ことによって、温度係数をα2 =−47×10~4/°C
〜0.7×10~4/°Cの範囲まで変化させることがで
きた。従って、このようにPMN−PTの組成比を多様
に変化させることにより、温度係数α2の温度勾配を任
意に設定できるため、設計の自由度を増加させることが
できる。
【0032】次に、本発明の第六の実施例を図5に基づ
いて説明する。本実施例は、これまでの実施例で用いた
温度補償付きの圧電型圧力センサをフルイディック型流
量計の振動検出に応用したものである。図5(a)は、
温度補償付きの圧電型圧力センサ6の構造を示すもので
あり、一体化され所定の膜厚からなる第一、第二の圧電
素子3,4は振動板5に接合されており、この振動板5
は両端部がセンサ壁面に固定されている。図5(b)
は、フルイディック型流量計7の代表的な構造例を示す
ものであり、流路拡大部8内には、ノズル9から流入し
た流体10の流れの向きを変える誘振子11と、湾曲状
に形成された2つの隔壁12a,12bとが配置されて
いる。この流路拡大部8のノズル9の近傍には、圧力導
入孔13a,13bが設けられている。
【0033】このような構成において、圧力導入孔13
a,13bからの流体圧力が圧電型圧力センサ6の左右
に設けられた圧力導入口14a,14bに導かれると、
その流体圧力の微少な変化を振動板5が検知して変形す
る。この振動板5の微少な変化を第一、第二の圧電素子
3,4の径方向の伸縮に変換して圧電効果により電荷を
発生させ、その電荷量から出力電圧を求めることによっ
て、30%程度の出力低下はあるものの、振動検出とし
ての感度が十分に確保された状態で圧力の測定を行うこ
とができる。この場合、通常の−20°C〜60°Cの
温度範囲においては全く温度依存性がなく、この流量計
をガスメータとして利用しても高い信頼性を得ることが
できる。
【0034】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、電気容量の温度
係数が互いに相反する温度勾配の特性をもつ材料により
形成され互いの電気容量が一定の検出感度を補償する電
気容量比となるように並列接続された第一の圧電素子及
び第二の圧電素子と、この一定の電気容量比に設定され
かつ相反する電気容量の温度係数もつ前記2つの圧電素
子が接合された振動板とを設けたので、微少な圧力変化
も確実に検出することができると共に、この検出の際に
一定の検出感度をもって広い温度範囲に渡って温度補償
が行えるため測定精度を向上させることができ、これに
より信頼性の高い圧電型圧力センサを提供することがで
きる。
【0035】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、第一の圧電素子と接合される第二の圧電素
子を固溶体成形が可能なセラミックス材料により形成す
るようにしたので、良好な接合強度が得られ圧電素子間
で強固な接合を行うことができ、これにより、歩留りを
向上させ生産効率を高め、振動に対しても破壊を生じな
い信頼性の高い圧電型圧力センサを作成することができ
る。
【0036】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、第一の圧電素子と接合される第二の圧電素
子を固溶体成形が可能なマグネシウムニオブ酸鉛・チタ
ン酸鉛系セラミックスにより形成するようにしたので、
圧電素子の組成比を多様に変化させ広範囲な材料設計を
行うことができ、これによりセンサ設計の自由度を一段
と高めることができる。
【0037】請求項4記載の発明は、電気容量の温度係
数が互いに相反する温度勾配の特性をもつ第一の圧電素
子材と第二の圧電素子材とを用い、仮焼粉から加圧成
形、焼成を順次行うようにしたので、それら2つの圧電
素子を一体成形して圧電素子間における並列接続を実現
することができ、これにより、広い温度範囲に渡って温
度補償が行える信頼性の高い圧電型圧力センサを作成す
ることができる。
【0038】請求項5記載の発明は、電気容量の温度係
数が互いに相反する温度勾配の特性をもつ第一の圧電素
子材と第二の圧電素子材とを用い、仮焼粉からシート打
ち抜き、熱圧着、焼成を順次行うようにしたので、それ
ら2つの圧電素子を一体成形して圧電素子間における並
列接続を実現することができ、これにより、広い温度範
囲に渡って温度補償が行える信頼性の高い圧電型圧力セ
ンサを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一及び第二の実施例を示すものであり、
(a)は加圧により一体化成形された第一及び第二の圧
電素子の構造を示す斜視図、(b)は切り出された圧電
素子を振動板に接合する様子を示す斜視図である。
【図2】温度に対する圧電定数の変化の様子を従来例と
比較して示す特性図である。
【図3】(a)は一般的な圧電素子の形状を示す斜視
図、(b)は圧電素子の等価回路を示す回路図、(c)
は圧電素子にコンデンサを並列接続したときの合成等価
回路を示す回路図である。
【図4】第三の実施例を示すものであり、(a)は第一
の圧電素子となる切り出された第一のシート状成形体を
示す正面図、(b)は第二の圧電素子となる切り出され
た第二のシート状成形体を示す正面図、(c)は熱圧着
により一体化成形された第一及び第二の圧電素子の構造
を示す正面図である。
【図5】(a)は温度補償された圧電型圧力センサの断
面図、(b)はフルイディック型流量計の断面図であ
る。
【符号の説明】
3 第一の圧電素子 4 第二の圧電素子 5 振動板 6 圧電型圧力センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気容量の温度係数が互いに相反する温
    度勾配の特性をもつ材料により形成され互いの電気容量
    が一定の検出感度を補償する電気容量比となるように並
    列接続された第一の圧電素子及び第二の圧電素子と、こ
    の一定の電気容量比に設定されかつ相反する電気容量の
    温度係数もつ前記2つの圧電素子が接合された振動板と
    よりなることを特徴とする圧電型圧力センサ。
  2. 【請求項2】 第二の圧電素子を、第一の圧電素子に対
    して固溶体形成が可能なセラミックス材料により形成し
    たことを特徴とする請求項1記載の圧電型圧力センサ。
  3. 【請求項3】 第一の圧電素子をチタン酸鉛又はチタン
    酸ジルコニウム酸鉛系セラミックスにより形成し、第二
    の圧電素子を固溶体形成が可能なマグネシウムニオブ酸
    鉛・チタン酸鉛系セラミックスにより形成したことを特
    徴とする請求項1記載の圧電型圧力センサ。
  4. 【請求項4】 電気容量の温度係数が互いに相反する温
    度勾配の特性をもつ第一の圧電素子材と第二の圧電素子
    材とをそれぞれ仮焼して第一の仮焼粉と第二の仮焼粉と
    を作成し、電気容量が一定の検出感度を補償する電気容
    量比に設定されるような形状で前記第一の仮焼粉を仮加
    圧成形し、この仮加圧成形により所定の電気容量の形状
    に形成された第一の仮焼粉に前記第二の仮焼粉を加えて
    本加圧成形を行い、この本加圧成形後に本焼成を行って
    一体化成形し、この一体化成形して得られた第一の圧電
    素子と第二の圧電素子とを所望の膜厚に切り出し、この
    切り出された2つの圧電素子を振動板に接合することに
    より圧電型圧力センサを作成したことを特徴とする圧電
    型圧力センサの製造方法。
  5. 【請求項5】 電気容量の温度係数が互いに相反する温
    度勾配の特性をもつ第一の圧電素子材と第二の圧電素子
    材とをそれぞれ仮焼して第一の仮焼粉と第二の仮焼粉と
    を作成し、これら第一の仮焼粉及び第二の仮焼粉の各々
    にバインターを加えて泥奨した後シート状の素子を作成
    し、このシート状の素子を電気容量が一定の検出感度を
    補償する電気容量比に設定されるような形状に切り出し
    て第一のシート状成形体及び第二のシート状成形体を作
    成し、これら第一及び第二のシート状成形体の熱圧着を
    行い、この熱圧着後に本焼成を行って第一の圧電素子と
    第二の圧電素子とを一体化成形し、この一体化成形され
    た素子を所望の膜厚に切り出し、この切り出された素子
    を振動板に接合することにより圧電型圧力センサを作成
    したことを特徴とする圧電型圧力センサの製造方法。
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