JPH0864614A - ヘテロ接合バイポーラトランジスタ、AlGaAsエピタキシャル成長層及び結晶成長方法 - Google Patents

ヘテロ接合バイポーラトランジスタ、AlGaAsエピタキシャル成長層及び結晶成長方法

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JPH0864614A
JPH0864614A JP6202362A JP20236294A JPH0864614A JP H0864614 A JPH0864614 A JP H0864614A JP 6202362 A JP6202362 A JP 6202362A JP 20236294 A JP20236294 A JP 20236294A JP H0864614 A JPH0864614 A JP H0864614A
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JP
Japan
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algaas
layer
emitter
bipolar transistor
crystal
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Application number
JP6202362A
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English (en)
Inventor
Moichi Izumi
茂一 和泉
Kyozo Kanemoto
恭三 金本
Toshiro Isu
俊郎 井須
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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  • Bipolar Transistors (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体ソース分子線エピタキシーを用いて、電
流増幅率βが高くて安定、かつ BE の温度依存係数|φ
|が小さい。ヘテロ接合バイポーラトランジスタを得る
ことを目的とする。 【構成】 結晶成長速度を適切に設定するなどによって
エミッタ層の結晶中の酸素濃度を低減し、結晶中の酸素
濃度に反比例する電流増幅率βを向上させる。また BE
の温度依存係数|φ|を低く抑える。 【効果】 固体ソースエピタキシーによる膜厚の均一性
及び制御性のよいエピタキシャル成長層をヘテロ接合バ
イポーラトランジスタのエミッタ層として用いることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ヘテロ接合バイポー
ラトランジスタ(Heterojunction Bipolar Transisto
r、以下HBTという。)に関し、特に、AlGaAs
/GaAs系HBTに関するものである。また、この発
明は、固体ソース分子線エピタキシー(Molecular Beam
Epitaxy、以下MBEという。)によるAlGaAsエ
ピタキシャル成長層に関し、特に、AlGaAsエピタ
キシャル成長層中の酸素濃度に関するものである。ま
た、この発明は、固体ソース分子線エピタキシーによる
AlGaAsの結晶成長方法に関し、特に、HBTのエ
ミッタ層に用いるn−AlGaAsの結晶成長方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は、HBTの断面の構成を示す模
式図である。図において、LEC GaAs Sub.は(100)
面を有するガリウム砒素基板、Buffer2及びBuffer1はガ
リウム砒素基板LEC GaAs Sub.上に形成されたバッファ
層、Sub Collectorはバッファ層Buffer2の上に形成され
たサブコレクタ層、Collectorはサブコレクタ層Sub Col
lector上に形成されたコレクタ層、Baseはコレクタ層Co
llector上に形成されたベース層、Emitterはベース層Ba
seの上に形成されたエミッタ層、Emitter Cont.2及びEm
itter Cont.1はエミッタ層Emitterとの電気的接続のた
めに設けられた層である。
【0003】そして、それぞれの層の構成を表1に、ま
た、一般的な成長条件を表2に示す。
【0004】
【表1】
【0005】
【表2】
【0006】一般に、バイポーラトランジスタの性能を
表すパラメータに電流伝送率αと電流増幅率βがある。
そして、電流伝送率αと電流増幅率のβには数1の関係
がある。
【0007】
【数1】
【0008】またαは、数2のように示される。
【0009】
【数2】
【0010】ここで、αEは注入効率、αTは輸送効率
(LB>1WBであればαTは1にほぼ等しい)、αCはコ
レクタ効率である。コレクタ効率は、ほぼ1に等しい。
ここでエミッタからの電流の注入効率αEが99%程度
であれば電流増幅率βは100程度の値になる。バイポ
ーラトランジスタではエミッタ接地を考える場合が多
く、ベース電流IBでコレクタ電流ICを制御する場合が
多くなるので、電流増幅率βで論議するのが一般的であ
る。
【0011】電流増幅率βの決定要因について実測を踏
まえて以下のように考察する。まず、電流増幅率βはお
およそ数3の通り表記できる。
【0012】
【数3】
【0013】ここで、IBhは、エミッタ側に逆注入され
るベース電流(真性要因)、IBrsは、エミッタとベー
スの接合界面での再結合電流、IBrbは、ベース層内で
の再結合電流である。
【0014】理想的にはベース電流IBhのみで電流増幅
率βが決定されるが、実際には再結合電流IBrs、Brb
が支配的になる。各IPの項を分解すると数4のように
近似できる。
【0015】
【数4】
【0016】真性要因であるベース電流βBhは数5のよ
うに示される。
【0017】
【数5】
【0018】実際の結晶に於いては、再結合電流成分の
寄与が大きく、電流増幅率βはβBhでは決まらない。
【0019】次に界面再結合電流IBrsの電流増幅率β
への寄与分を見積もる。エミッタ・ベース接合部でのI
C,IBrsはそれぞれ数6,数7のように考えることがで
きる。
【0020】
【数6】
【0021】
【数7】
【0022】
【数8】
【0023】数7におけるIC0、IB0、VBE、nC、nB
はベース−エミッタ接合におけるI−V測定(ガンメル
・プロット)から求めることができるので、各条件下で
のエミッタ・ベース接合部での再結合電流成分βBrs
見積もることができる。
【0024】一般的には、Al組成xが高くなることで
エミッタ・ベース接合部での再結合電流成分βBrsが低
くなり、AlGaAsに起因した再結合中心がエミッタ
・ベース接合部での再結合電流成分βBrsに寄与してい
る可能性が高い。
【0025】従って、Al組成xを高くすることはベー
ス電流βBhを理想的には高くできるが、実際にはエミッ
タ・ベース接合部での再結合電流成分βBrsを低くする
観点で不利になる。
【0026】最後にベース層内再結合電流の電流増幅率
βへの寄与分を見積もる。電流増幅率βのベース・エミ
ッタ間電圧VBE依存性は、コレクタ電流ICが大きくな
る(ほぼ100mA)と飽和傾向を示す。
【0027】これは一位的に決定するベース層内再結合
電流によるβBrbが支配的になるためである。この様な
場合βBrbは、電流増幅率βにほぼ等しく、ベース・エ
ミッタ間電圧VBEに対して一定の傾きを持つ領域(注入
領域)から飽和傾向に移行する。このような場合ベース
層内での再結合電流成分βBrbは以下のように示され
る。
【0028】
【数9】
【0029】ここで、WBはベース層厚、LBはベース層
中での拡散長を示す。
【0030】βBrbはVBEに対してβが飽和する値
をもっておおよそ近似できる。また、数10、数11に
示す関係式より各数値についても求まる。なお、DB
拡散係数、τBは時定数、μeは電子の移動度、qは電子
の持つ電荷の大きさ、Kはボルツマン定数、Tは絶対温
度である。
【0031】
【数10】
【0032】
【数11】
【0033】以上の計算方法を用いることで電流増幅率
βの各要素を概算できる。その結果、固体ソースMBE
で成長した結晶で構成されたHBTに於ける電流増幅率
βの決定要因を3つに分類した場合、数12の関係が成
り立つ。但し、この関係は後述するようにβBrbがn−
AlGaAsエミッタ層中酸素濃度に依存するので、1
/βBrs>1/βBrbとなる場合もあり得る。
【0034】
【数12】
【0035】エミッタ層Al組成xによって決定する理
想的な電流増幅率β(βBh)は実測値からは得られず、
現状のHBT結晶ではベース層内再結合電流成分βBrb
及びエミッタ・ベース接合部での再結合電流成分βBrs
の寄与が支配的である。ベース層内での再結合電流成分
βBrbはβの最も支配的な決定要因ではあるが、エピタ
キシャル層構造(ベース濃度やベース層厚)に大きく依
存する。
【0036】次に、実際に酸素が、HBT結晶中にどの
ように含まれているかを2次イオン質量分析法(SIM
S)を用いて調べた結果を図13に示す。MOCVDで
成長した試料には全領域で酸素は検出限界以下であり
(AlGaAsの検出限界は1/1017cm-3より大き
い範囲,GaAsの検出限界は1×1016cm-3より大
きい範囲である。これらの検出限界の違いはマトリクス
の違いによる。)、電流増幅率βは52.60が得られ
た。これに対してMBEで成長した結晶にはAlGaA
sで形成されているエミッタ層全域に酸素が1018cm
-3程度検出された。
【0037】特に、エミッタ・ベース接合部に著しい偏
析が観察された。電流増幅率βはAlGaAsの組成で
決まる真性要因のように大きな差はなく、これらのDC
測定結果を結晶中混入酸素量と対比させたものを表3に
まとめる。結晶中酸素濃度と電流増幅率βについて相対
関係があることが以下の表から類推される。
【0038】
【表3】
【0039】MOCVDを用いて結晶成長した場合の方
がMBEを用いるよりも混入酸素の濃度が低い理由とし
ては、(1)成長温度が高い(MOCVDではAlGaA
s成長時の成長温度がほぼ750℃に対してMBEでは
ほぼ640℃)、(2)AsH3等から生じる活性な水素
(H*)の影響が考えられる。
【0040】以上に示すデータから、酸素の混入量低減
化といった観点では、MOCVDのMBEに対する優位
性が認知される。しかし、膜厚の均一性、制御性ではM
BEが結晶成長方法として最も優れている。従って、M
BEを用いてMOCVDと同等の電流増幅率βを有する
HBTを製造可能にすることで、膜厚の均一性及び制御
性の良いHBTの製造方法の提供が可能になる。
【0041】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来のH
BTの再重要パラメータの一つである直流電流増幅率β
は、AlGaAs/GaAs系HBTにおいてはエミッ
タ・ベース接合部での再結合電流成分βBrsの寄与が大
きい。しかし、再結合電流成分βBrsを十分に制御する
ことができず、高い電流増幅率βを得ることができない
という問題点があった。
【0042】また、固体ソースMBEによって作成され
たHBTにおける問題点の一つに、ベース・エミッタ間
電圧VBEの温度依存係数φが高くなると、エミッタフィ
ンガーを数十本集積して高出力素子等を構成した場合
に、各フィンガー毎のVBEの違いが助長され結果として
あるフィンガーに電流が集中し、素子破壊の原因とな
る。
【0043】その値が結晶成長毎に安定しない場合、高
出力素子を設計する場合の耐圧が低くなる等の問題も生
じる。
【0044】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、つまり電流増幅率βは高く且つ
安定であることが好ましく、より高い電流増幅率βを安
定に得ることを目的としている。
【0045】また、ベース・エミッタ間電圧VBEの温度
依存係数φを低く抑えて安定した高出力動作を可能とす
るHBTを提供することを目的とする。
【0046】また、高電子移動度トランジスタにおい
て、電子供給層のキャリアの活性化率を向上させ、シー
トキャリア濃度Nsの増化に伴う、相互コンダクタンス
gmの増化、雑音指数NFの低減、出力特性等の改善を
目的とする。
【0047】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るヘテロ
接合バイポーラトランジスタは、固体ソース分子線エピ
タキシーを用いて形成したn−AlGaAsを含むエミ
ッタ層を備えるヘテロ接合バイポーラトランジスタであ
って、前記エミッタ層の前記n−AlGaAs中の酸素
濃度が6×1017cm-3以下になるようにしている。
【0048】第2の発明に係るヘテロ接合バイポーラト
ランジスタは、固体ソース分子線エピタキシーを用いて
形成したn−AlGaAsを含むエミッタ層を備えるヘ
テロ接合バイポーラトランジスタであって、前記エミッ
タ層の前記n−AlGaAs中の酸素濃度を3×1017
cm-3より小さくなるようにしている。
【0049】第3の発明に係るヘテロ接合バイポーラト
ランジスタは、固体ソース分子線エピタキシーを用いて
形成したn−AlGaAsを含むエミッタ層を備えるヘ
テロ接合バイポーラトランジスタであって、前記エミッ
タ層の前記n−AlGaAs中の酸素濃度を2×1017
cm-3より小さくなるようにしている。
【0050】第4の発明に係るエピタキシャル成長層
は、固体ソース分子線エピタキシーによって結晶成長さ
せたAlGaAsエピタキシャル成長層であって、含有
する酸素の濃度を6×1017cm-3以下にするようにし
ている。
【0051】第5の発明に係るエピタキシャル成長層
は、固体ソース分子線エピタキシーによって結晶成長さ
せたAlGaAsエピタキシャル成長層であって、含有
する酸素の濃度を3×1017cm-3よりも小さくするよ
うにしている。
【0052】第6の発明に係るエピタキシャル成長層
は、固体ソース分子線エピタキシーによって結晶成長さ
せたAlGaAsエピタキシャル成長層であって、含有
する酸素の濃度を2×1017cm-3よりも小さくしてい
る。
【0053】第7の発明に係る結晶成長方法は、固体ソ
ース分子線エピタキシーを用いたAlGaAsの結晶成
長方法であって、成長速度を0.5μm/hour以上
で結晶成長するようにしている。
【0054】第8の発明に係る結晶成長方法は、第7の
発明の結晶成長方法において、成長速度を1.0μm/
hour以下で結晶成長するようにしている。
【0055】第9の発明に係る結晶成長方法は、固体ソ
ース分子線エピタキシーによるAlGaAsの結晶成長
用基板としてGaAs基板の(311)A面あるいは
(311)B面を用いるようにしている。
【0056】第10の発明に係る結晶成長方法は、第7
乃至第9の発明のいずれかにおいて、前記AlGaAs
はn−AlGaAsを含み、前記n−AlGaAs中の
酸素濃度を6×1017cm-3以下に制御しつつ、ヘテロ
接合バイポーラトランジスタのエミッタ層として結晶成
長させるものである。
【0057】第11の発明に係る結晶成長方法は、第7
乃至第9の発明のいずれかにおいて、前記AlGaAs
はn−AlGaAsを含み、前記n−AlGaAs中の
酸素濃度を2×1017cm-3より小さく制御しつつ、ヘ
テロ接合バイポーラトランジスタのエミッタ層として結
晶成長させるものである。
【0058】第12の発明に係る結晶成長方法は、第7
乃至第9の発明のいずれかにおいて、前記AlGaAs
はn−AlGaAsを含み、前記n−AlGaAs中の
酸素濃度を2×1017cm-3より小さく制御しつつ、ヘ
テロ接合バイポーラトランジスタのエミッタ層として結
晶成長させるものである。
【0059】第13の発明に係る結晶成長方法は、固体
ソース分子線エピタキシーでAlGaAs/GaAs系
あるいはAlGaAs/InGaAs疑似整合系高電子
移動度トランジスタの電子供給層に用いるn−AlGa
Asまたはi−GaAsの成長用にGaAs基板に(3
11)A面または(311)B面のものを用いるように
する。
【0060】
【作用】第1の発明におけるエミッタ層は、それを構成
しているn−AlGaAs中の酸素濃度が6×1017
-3以下で、そのため、エミッタ・ベース接合部での再
結合電流成分の影響をベース層内での再結合電流成分の
影響より小さくする。
【0061】第2の発明におけるエミッタ層は、それを
構成しているn−AlGaAs中の酸素濃度が3×10
17cm-3より小さく、そのため、エミッタ・ベース接合
部での再結合電流成分の影響をベース層内での再結合電
流成分の影響より十分に小さくする。
【0062】第3の発明におけるエミッタ層は、それを
構成しているn−AlGaAs中の酸素濃度が2×10
17cm-3より小さく、そのため、温度依存係数φを|
1.2mV|以下に抑えることができる。
【0063】第4の発明におけるエピタキシャル成長層
は、固体ソース分子線エピタキシーによって結晶成長さ
れた膜厚の均一性及び制御性の良いAlGaAsエピタ
キシャル成長層で、含有する酸素の濃度が6×1017
-3以下で、例えば、エミッタ・ベース接合部での再結
合電流成分の影響をベース層内での再結合電流成分の影
響より小さくできるなどヘテロ接合バイポーラトランジ
スタのエミッタ層の材料として適したものである。
【0064】第5の発明におけるエピタキシャル成長層
は、固体ソース分子線エピタキシーによって結晶成長さ
れた膜厚の均一性及び制御性の良いAlGaAsエピタ
キシャル成長層で、含有する酸素の濃度が3×1017
-3よりも小さく、例えば、エミッタ・ベース接合部で
の再結合電流成分の影響をベース層内での再結合電流成
分の影響より十分に小さくできるなどヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタのエミッタ層の材料として適したもの
である。
【0065】第6の発明におけるエピタキシャル成長層
は、固体ソース分子線エピタキシーによって結晶成長さ
れた膜厚の均一性及び制御性の良いAlGaAsエピタ
キシャル成長層で、含有する酸素の濃度が2×1017
-3よりも小さく、例えば温度依存係数φを|1.2m
V|以下に抑えることができるなどヘテロ接合バイポー
ラトランジスタのエミッタ層の材料として適したもので
ある。
【0066】第7の発明における結晶成長の成長速度
は、0.5μm/hour以上で、固体ソース分子線エ
ピタキシーでも含有する酸素の濃度を、例えばHBTの
電流増幅率を改善できる程度に低く抑えることができ
る。
【0067】第8の発明における結晶成長の成長速度
は、1.0μm/hour以下で、良好な結晶状態を保
ちつつ、固体ソース分子線エピタキシーでも含有する酸
素の濃度を、例えばHBTの電流増幅率を改善できる程
度に低く抑えることができる。
【0068】第9の発明におけるGaAs基板の(31
1)A面あるいは(311)B面は、固体ソース分子線
エピタキシーの結晶成長用基板として用いることで、得
られるAlGaAsエピタキシャル成長層の酸素含有量
を(100)面を用いるのに比べて少なくすることがで
きる。
【0069】第10の発明におけるn−AlGaAs
は、含有する酸素濃度が6×1017cm-3以下で、ヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタのエミッタ層として、エ
ミッタ・ベース接合部での再結合電流成分の影響をベー
ス層内での再結合電流成分の影響より小さくする。
【0070】第11の発明におけるn−AlGaAs
は、含有する酸素濃度が2×1017cm-3より小さく、
ヘテロ接合バイポーラトランジスタのエミッタ層とし
て、エミッタ・ベース接合部での再結合電流成分の影響
をベース層内での再結合電流成分の影響より十分に小さ
くする。
【0071】第12の発明におけるn−AlGaAs
は、含有する酸素濃度が2×1017cm-3より小さく、
ヘテロ接合バイポーラトランジスタのエミッタ層とし
て、温度依存係数φを|1.2mV|以下に抑えること
ができる。
【0072】第13の発明におけるGaAs基板に(3
11)A面または(311)B面は、成長したAlGa
As/GaAs系あるいはAlGaAs/InGaAs
疑似整合系高電子移動度トランジスタの電子供給層に用
いるn−AlGaAsの酸素の含有量を小さく抑える。
【0073】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の第1実施例を図について説
明する。図1及び図2は、固体ソース分子線エピタキシ
ーを用いて形成したn−AlGaAs中の混入酸素量と
電流増幅率βとの関係を定量的に対応を示すグラフであ
る。図1のグラフにおいて、横軸はエミッタ層中に混入
した酸素濃度、縦軸は電流増幅率β及びエミッタ・ベー
ス接合部での再結合電流成分βBrsである。図2のグラ
フにおいて、横軸はエミッタ・ベース接合部に偏析した
酸素濃度、縦軸は電流増幅率β及びエミッタ・ベース接
合部での再結合電流成分βBrsである。
【0074】また、エミッタ層中の混入酸素濃度(平均
値)とエミッタ・ベース接合部偏析酸素濃度(ピーク
値)との関係を図3に示す。
【0075】なお、これらのデータを得るための実験
は、成長速度はAs圧一定下でGaフラックスのみを変
化させて行っているが、その際にV/III比も変化す
る。実験では、標準的な成長条件以外にエミッタ・ベー
ス接合部での成長速度を変化させている。
【0076】成長前処理は真空中加熱350℃,30
分,As圧下650℃,10分とした。成長条件の詳細
については、S.Izumi, N.Yoshida, H,Takano, Nishitan
i, M.Otsubo,J.Cryst.Growth 133, 123-131に記載され
ているのと同様に行った。Asのクラッキング(cracki
ng)は700℃一定とした。
【0077】そして、エピタキシャル成長させた結晶を
用いてHBTを試作した。試作したHBTのエミッタサ
イズは50×50μm2である。電流増幅率βの測定点
は、コレクタ電流Ic=100mA/(50×50μm
2),電流密度にして4×103A/cm2である。ガン
メルプロットにおけるエミッタ−コレクタ間電圧VCE
3 .0Vとし、この条件下でnC,nBを実測した。酸
素の定量はAlGaAs定量用校正標準試料を用いて、
2次イオン質量分析法(SIMS)で行った。
【0078】以上の関係から明らかなように、酸素の混
入量の低減が電流増幅率βの向上に対してリニアに影響
していることがわかる。また、1/β及び1/βBrsの酸
素濃度に対する変化量が等しいことから、エピタキシャ
ル成長層の同一構造での電流増幅率βの違いはエミッタ
・ベース接合部での再結合電流成分βBrsの寄与の違い
と考えられ、ベースからエミッタ層へのAlGaAs層
の結晶性(混入酸素量の多少)が電流増幅率βの初期値
を決定する重要な要因であることが分かる。
【0079】数12で示したように現状のMBEで成長
したHBTの結晶ではベース層内での再結合電流成分β
Brbが支配的であり、このパラメータは結晶構造(ベー
ス濃度,ベース層厚等)でほとんど決まってしまう。従
って、まず、エミッタ・ベース接合部での再結合電流成
分βBrsをベース層内での再結合電流成分βBrbに比較し
て小さくできればよいことになる。
【0080】そこで、ベース層内での再結合電流成分β
Brbについて考察する。拡散長LBが2900〜3100
オングストロームとばらついて求まる。そこで、ベース
濃度が1.2×1019cm-3で、ベース層厚が700オ
ングストロームとすると、数9によれば、LB=290
0オングストロームの場合は、βBrb=2.927×1
-2であり、LB=3100オングストロームの場合
は、βBrb=2.56×10-2である。
【0081】これに対して図1からβBrbを求めると、
1/βBrbが1/β−1/βBrsにほぼ等しい。これは図
1より求められる。1/βBrbは常に一定であると仮定
しているので、1/βBrb=0となるx切片での1/β
の値が1/βBrbになる。
【0082】これは直線をどのように引くかに依存する
が、大きく見積もっても2.0×10-2程度で、数9か
ら求められるβBrb一致しない。これは数9でβBrb=β
と仮定したVBEが十分にβを飽和させていない値であっ
たことが主な原因であり、正確にはVBEに対してβが飽
和した値はもう少し高く、1/βBrb(=1/β)は
2.69×10-2より低くなるのは妥当と考えられる。
従って、図1より求めた1/βBrb=1.9×10-2(ベ
ース層内での再結合電流成分βBrbが主要因とした場合
の電流増幅率βは52.6である。)の方がより正確な
値といえる。
【0083】エミッタ・ベース接合部での再結合電流成
分βBrsをベース層内での再結合電流成分βBrbより小さ
くすることによって、エミッタ・ベース接合部での再結
合電流成分βBrsの寄与を効果的に減少させることがで
きる。このことから、好ましくは、1/βBrs<1.9
×10-2 とすればよい。そのためには、図1に示した
グラフから酸素濃度が6×1017cm-3程度以下にする
ことが望ましいことがわかる。
【0084】さらに好ましくは、エミッタ・ベース接合
部での再結合電流成分βBrsをベース層内での再結合電
流成分βBrbに比較して十分に小さくできればよい。そ
こで、1/βBrsを十分小さな値である2×10-3(ベ
ース層内での再結合電流成分βBrsが主要因とした場合
の電流増幅率βは500である。)程度より小さくする
には、図1を用いて逆算すると、低減すべき酸素濃度は
AlGaAsで形成されたエミッタ層中で3×1017c
-3より小さいと見積もることができる。
【0085】一般に、成長条件パラメータとしては、
(1)成長温度,(2)V/III比、(3)成長速度がある。更
に、4番目の項目として、Kazuo Watanabe, Hazime Yam
azaki, and Kazumi Wada,Appl.Phys. Lett. 59, 3407-3
409(1991)に記載されている成長開始からの経時変化
(Alメルトのガスだし状況に対応する。)がある。
【0086】これらの項目の中で最も大きくデバイスパ
ラメータに影響するファクターは、成長速度が該当す
る。成長速度を変えてエピタキシャル成長層の形成を行
った実験結果の一例を図4に示す。図4は成長速度とフ
ォトルミネッセンスの発光寿命との関係を示すグラフで
ある。
【0087】また、評価した単一量子井戸(以下SQW
という。)のエピタキシャル成長層の構造は図5に示
す。図5において、50はGaAsで形成された井戸
層、51,52は井戸層50を挟むAl0.3Ga0.7As
で形成された層である。固体ソースMBEにより形成れ
たエピタキシャル成長層の成長速度依存性については、
井戸層50であるGaAs層のみ励起し、その際に発せ
られる蛍光寿命によって評価した。そして、SQWの蛍
光寿命は、数13のような関係式で示される。
【0088】
【数13】
【0089】ここで、τはSQWの蛍光寿命、τrは輻
射再結合寿命、τnrは非輻射再結合寿命でバルク再結合
成分と界面再結合成分に分類できる。τnrbは非輻射再
結合寿命でバルク再結合成分を示し、Sは界面再結合速
度である。AlGaAs/GaAsヘテロ界面での再結
合速度は、ほぼ104cm/secオーダーと一般的に
大きく、GaAs井戸層40が薄い場合には蛍光寿命が
極端に短くなるため、井戸層厚は1000オングストロ
ームとする。
【0090】成長速度が0.3μm/hのが最も蛍光寿
命が短く、成長速度を増すに従い蛍光寿命が長くなり、
成長速度0.7μm/hで最大値を得ることができる。
【0091】成長速度を増加させることで蛍光寿命が長
くなるのは、雰囲気中に残存する酸素取り込み量が単位
時間当たり一定であるので、成長時間が短くなることで
酸素取り込みの絶対値が減少することによると考えられ
る。また、成長速度が1.0μm/hで蛍光寿命が短く
なるのは、成長モードがステップフローモードから2次
元成長モードに移行するための結晶性の劣化ではないか
と考えられる。
【0092】ステップフローの成長をより完全に行うこ
とで不純物の取り込み(特にII,VI族)が低減すること
は、M.Kondo, C.Anayama, T.Tanahashi, and S.Yamazak
i, J.Cryst.Growth 124, (1992)449に記載されている。
【0093】同様の傾向が井戸層を100オングストロ
ームとした場合の第一準位からのPL測定からも観察さ
れる。
【0094】MBEの成長速度を変化させた場合のSQ
W第一準位からのPL発光の依存性を図6にまとめる。
図6は、GaAs/AlGaAs単一量子井戸第一準位
からのフォトルミネッセンス発光の半値幅、発光波長及
び発光強度の成長速度依存性を示すグラフである。図6
において、横軸は成長速度、縦軸はそれぞれ半値幅、発
光波長、発光強度を示す。また、評価した単一量子井戸
(SQW)のエピタキシャル成長層の構造は図7に示
す。図7において、70はGaAsで形成された井戸
層、71,72は井戸層70を挟むAl0.3Ga0.7As
で形成された層である。それぞれの層の厚さは、井戸層
70が100オングストローム、井戸層を挟むAl0.3
Ga0.7As層71,72が2000オングストローム
である。
【0095】図6は、第一準位からのPL発光は成長速
度が0.7μm/hの場合に半値幅が最小値(3.89
meV)になる。
【0096】また、井戸層厚100オングストロームの
場合、第一準位からの発光波長は計算では7970オン
グストロームになるが、実測値はこの波長よりも長く、
また成長速度が遅いほどより長波側にシフトする。これ
らの結果は成長速度が0.7μm/hでAlGaAs/
GaAsヘテロ界面の品質が最も良好であることを示
し、時分解PLの結果と同様な傾向を示す。
【0097】以上の実験結果より、成長速度を現状の
0.3μm/hから0.7μm/hまで増大させること
で、再結合に寄与する成分の低減化が可能であると推測
できる。この成長条件の寄与をHBTの成長条件に適用
し、電流増幅率βとの対応を調べた。
【0098】成長速度0.3μm/hと0.5μm/h
で成長したHBT結晶中酸素濃度の深さ方向プロファイ
ルを図8に示す。同様な結晶でHBTを試作し、DC測
定の結果と対応付けた結果を表4にまとめる。
【0099】
【表4】
【0100】HBT結晶の成長速度を上げることで結晶
中混入酸素濃度が低減され、電流増幅率βも向上してい
ることが分かる。
【0101】なお、上記第1実施例では、成長速度を変
えることによって結晶中の酸素濃度を変化させたが、他
の要素、例えば、成長温度やV/III比等を変えて結晶
中の酸素濃度を変化させても良く上記実施例と同様の効
果を奏する。
【0102】実施例2.次に、この発明の第2実施例を
図について説明する。図9は、複数のHBT間の結晶中
の酸素濃度のばらつきを示すグラフである。図におい
て、縦軸にはHBTの結晶中の酸素濃度、横軸には表面
からの深さを目盛っている。図には、試料からにつ
いての酸素濃度が示されており、酸素濃度以外の因子に
ついては、製造工程上同じと思われる。
【0103】ベース・エミッタ間電圧VBEの温度依存係
数φのばらつきとHBTの結晶中の酸素濃度との関係を
明らかにするために、試料から試料について、HB
Tの結晶中の酸素濃度と温度依存係数φとの関係を示す
グラフを図10に示す。図において、横軸にはHBTの
結晶中の酸素濃度、縦軸には温度依存係数φを目盛って
いる。
【0104】図10から分かるように、HBTの温度依
存係数φと結晶中の酸素濃度との間には、明瞭な相関が
あり、HBT結晶中酸素濃度の低下に伴い、ベース・エ
ミッタ間電圧VBEの温度依存係数|φ|が低下してい
る。ベース・エミッタ間電圧VBEの温度依存係数φを結
晶中酸素濃度により制御できる。ベース・エミッタ間電
圧VBEの温度依存係数|φ|は、1.2以下に抑えるこ
とが望ましく、従って、酸素濃度を2×1017cm-3以
下に抑えることが望ましい。|φ|<1.2はHBTで
高出力素子を形成する場合に実用化する上で一つの目安
となる数値である。
【0105】次に、エミッタ抵抗の温度及びバンドギャ
プの温度を考慮した場合のベース・エミッタ間電圧VBE
の温度依存係数φについて検討する。エミッタ電流IE
は数14で与えられる。
【0106】
【数14】
【0107】エミッタ電流IEの温度依存性を考慮して
式を変形すると数15が得られ、それを数14を用いて
さらに変形して数16が与えられる。
【0108】
【数15】
【0109】
【数16】
【0110】∂IE/∂T=0(但し、IEは一定)とい
う条件のもとでは、数17が成り立つ。
【0111】
【数17】
【0112】∂RE/∂T=0の時、ベース・エミッタ
間電圧VBEの温度依存係数φの値は、IEを増加させる
と飽和することから数18が導かれる。
【0113】
【数18】
【0114】ここで、I0がTnに比例するとすると数1
9が導かれる。
【0115】
【数19】
【0116】そして、nが3程度、Eg−qVBEが0.
1V程度、∂Eg/∂Tが−0.4mV/K程度とする
と、数19からベース・エミッタ間電圧VBEの温度依存
係数φがほぼ−1.1mV/Kから−1.2mV程度と
なる。エミッタ電流IEの増加に伴う温度上昇によるH
BTの破壊を防止するためには、ベース・エミッタ間電
圧VBEの温度依存係数φの絶対値を1.2mV/Kより
小さくするのが望ましいことがわかる。
【0117】実施例3.次に、この発明の第3実施例を
図について説明する。実施例1にもあるように、PL蛍
光寿命の長短は酸素混入による再結合準位の形成と深い
係わりがある。従って蛍光寿命の長い状態をHBTの結
晶成長に適用することが高い電流増幅率βを得ることに
つながり、その寿命を一定にすることが電流増幅率βを
安定にすることを意味する。
【0118】図11にAl0.3Ga0.7As/In0.1G
0.9As/Al0.3Ga0.7As単一量子井戸(SQ
W)からのPL蛍光寿命の成長基板面方位依存性を示
す。
【0119】図11から実施例1で用いている結晶成長
用の(100)面基板に対して、(311)A面基板を
用いると、蛍光寿命が約3倍と長くなることがわかる。
そのことから、各成長速度でのn−AlGaAs中酸素
濃度は約1/4に低減されることがわかる。
【0120】この(311)A面基板を用いてHBTを
成長した場合、成長速度が0.3μm/hの場合で酸素
濃度は、エミッタ層中平均値で2×1017cm-3以下に
なる。この場合電流増幅率βはベース層内での再結合電
流成分βBrbで決定される領域に至り、電流増幅率βで
40程度の値が得られる。成長速度が0.5μm/hの
場合には酸素濃度がAlGaAs層中で1×1017cm
-3以下に至り、同様に電流増幅率βで40の値が得られ
る。
【0121】上記のように(311)A面上にHBTを
成長することで少数キャリアの寿命が(100)面上に
成長した場合に比較して長くなることで、電流増幅率β
で40とベース層内での再結合電流成分βBrbによって
決まる値に安定する。これはn−AlGaAs中混入酸
素量を低減できたことに起因する。
【0122】(311)B面上においても(100)面
上に成長した場合に比較して電流増幅率βが改善され
る。
【0123】実施例4.次に、この発明の第4実施例に
よる高電子移動度トランジスタの製造方法について説明
する。図14は、InGaAs/GaAs系疑似整合系
高電子移動度トランジスタの構造を示す断面図である。
図において、101はソース、102はゲート、103
はドレイン、104はソース101の下に形成されたn
+−GaAs層、105はドレイン105の下に形成さ
れたn+−GaAs層、106はゲート102及びn+−
GaAs層104,105の下に形成され電子供給層と
して働くn−AlGaAs層、107はn−AlGaA
s層106から電子の供給を受けるアンドープInGa
As層、108はアンドープInGaAs層107中に
形成される2次元電子ガス層、109はアンドープIn
GaAs層107の下に形成されたアンドープGaAs
層、110はアンドープGaAs層109の下に形成さ
れた半絶縁性のGaAs基板である。
【0124】半絶縁性のGaAs基板110の(31
1)A面上に高電子移動度トランジスタ(High Electro
n Mobility Transistor、以下HEMTという)を成長
した場合にも、次のような効果が期待される。
【0125】HEMTのキャリアはn−AlGaAsキ
ャリア供給層からアンドープInGaAs層に供給され
る。固体ソースMBEを用いて形成したキャリア供給層
であるn−AlGaAs層107中に酸素が混入されて
いる。しかし、(311)A面上に成長することで酸素
が低減され、キャリアの活性化率が向上し、素子特性
(シートキャリア濃度Nsの増化に伴い、相互コンダク
タンスgmが増化,雑音指数NFが低くなる。またシー
トキャリア濃度Nsの増化に伴い出力特性等の向上が期
待される。)も向上する。
【0126】なお、半絶縁性のGaAs基板として(3
11)B面を有するものを用い、その(311)B面上
にエピタキシャル成長層を形成する場合においても同様
の効果を奏する。
【0127】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明のヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタによれば、エミッタ層の
n−AlGaAs中の酸素濃度を6×1017cm-3以下
にしたので、エミッタ・ベース接合部での再結合電流成
分の影響を減らすことができ、固体ソース分子線エピタ
キシーを用いて、高い電流増幅率βを安定に得ることが
できるという効果がある。
【0128】請求項2記載の発明のヘテロ接合バイポー
ラトランジスタによれば、エミッタ層のn−AlGaA
s中の酸素濃度を3×1017cm-3より小さくしたの
で、VBEのベース層内での再結合電流成分に比べてエミ
ッタ・ベース接合部での再結合電流成分の影響を無視で
きる程度に小さくすることができ、固体ソース分子線エ
ピタキシーを用いて、高い電流増幅率βを安定に得るこ
とができるという効果がある。
【0129】請求項3記載の発明のヘテロ接合バイポー
ラトランジスタによれば、エミッタ層のn−AlGaA
s中の酸素濃度を2×1017cm-3より小さくしたの
で、温度依存係数φを低く抑えることができ、固体ソー
ス分子線エピタキシーを用いて、高出力ヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの高性能化を図ることができるとい
う効果がある。
【0130】請求項4記載の発明のAlGaAsエピタ
キシャル成長層によれば、含有する酸素の濃度を6×1
17cm-3以下にしたので、例えば、ヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタのエミッタ層の材料として用いること
により、ヘテロ接合バイポーラトランジスタの動作特性
を向上させることができるなど、トランジスタの材料に
適した、固体ソース分子線エピタキシーによって形成さ
れるエピタキシャル層を提供できるという効果がある。
【0131】請求項5記載の発明のAlGaAsエピタ
キシャル成長層によれば、含有する酸素の濃度を3×1
17cm-3よりも小さくしたので、例えば、ヘテロ接合
バイポーラトランジスタのエミッタ層の材料として用い
ることにより、ヘテロ接合バイポーラトランジスタの動
作特性を向上させることができるなど、トランジスタの
材料に適した、固体ソース分子線エピタキシーによって
形成されるAlGaAsエピタキシャル層を提供できる
という効果がある。
【0132】請求項6記載の発明のAlGaAsエピタ
キシャル成長層によれば、含有する酸素の濃度を2×1
17cm-3よりも小さくしたので、例えば、ヘテロ接合
バイポーラトランジスタのエミッタ層の材料として用い
ることにより、ヘテロ接合バイポーラトランジスタの動
作特性を向上させることができるなど、トランジスタの
材料に適した、固体ソース分子線エピタキシーによって
形成されるAlGaAsエピタキシャル成長層を提供で
きるという効果がある。
【0133】請求項7記載の発明の結晶成長方法によれ
ば、成長速度を0.5μm/hour以上でAlGaA
sを結晶成長するので、例えば、ヘテロ接合バイポーラ
トランジスタのエミッタ層に結晶成長させることによっ
て、ヘテロ接合バイポーラトランジスタの電流増幅率を
向上させることができるなど、ヘテロ接合バイポーラト
ランジスタの特性を向上させることができるという効果
がある。
【0134】請求項8記載の発明の結晶成長方法によれ
ば、成長速度を1.0μm/hour以下で結晶成長す
るので、例えば、ヘテロ接合バイポーラトランジスタの
エミッタ層に結晶成長させることによって、ヘテロ接合
バイポーラトランジスタの電流増幅率を向上させること
ができるなど、ヘテロ接合バイポーラトランジスタの特
性を向上させることができるという効果がある。
【0135】請求項9記載の発明の結晶成長方法によれ
ば、AlGaAsの結晶成長用基板としてGaAs基板
の(311)A面あるいは(311)B面を用いること
で、成長させた結晶中の酸素濃度を減少させることがで
き、例えば、ヘテロ接合バイポーラトランジスタのエミ
ッタ層の材料として用いることにより、ヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの動作特性を向上させることができ
るなど、トランジスタの材料に適した、固体ソース分子
線エピタキシーによって形成されるAlGaAsエピタ
キシャル成長層を提供できるという効果がある。
【0136】請求項10記載の発明の結晶成長方法によ
れば、n−AlGaAs中の酸素濃度を6×1017cm
-3以下に制御しつつ、固体ソース分子線エピタキシーを
用いて、ヘテロ接合バイポーラトランジスタのエミッタ
層として結晶成長させるので、エミッタ・ベース接合部
での再結合電流成分の影響を減らすことができ、膜厚の
均一性及び制御性の良い製造方法によって安定で高い電
流増幅率βを有するヘテロ接合バイポーラトランジスタ
を得ることができるという効果がある。
【0137】請求項11記載の発明の結晶成長方法によ
れば、n−AlGaAs中の酸素濃度を3×1017cm
-3より小さく制御しつつ、固体ソース分子線エピタキシ
ーを用いて、ヘテロ接合バイポーラトランジスタのエミ
ッタ層として結晶成長させるので、ヘテロ接合バイポー
ラトランジスタにおいて、ベース層内での再結合電流成
分に比べてエミッタ・ベース接合部での再結合電流成分
の影響を無視できる程度に小さくすることができ、膜厚
の均一性及び制御性の良い製造方法によって安定で高い
電流増幅率βを有するヘテロ接合バイポーラトランジス
タを得ることができるという効果がある。
【0138】請求項12記載の発明の結晶成長方法によ
れば、n−AlGaAs中の酸素濃度を2×1017cm
-3より小さく制御しつつ、固体ソース分子線エピタキシ
ーを用いて、ヘテロ接合バイポーラトランジスタのエミ
ッタ層として結晶成長させるので、温度依存係数φを低
く抑えることができ、膜厚の均一性及び制御性の良い製
造方法を用いて高性能な高出力ヘテロ接合バイポーラト
ランジスタを得ることができるという効果がある。
【0139】請求項13記載の発明の結晶成長方法によ
れば、n−AlGaAsまたはi−GaAsの成長用に
GaAs基板に(311)A面または(311)B面の
ものを用いるので、高電子移動度トランジスタにおいて
シートキャリア濃度Nsを向上して、相互コンダクタン
スgmの向上、ノイズ指数NFの低減化、出力特性の向
上等が改良できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施例によるエミッタ層中の
混入酸素濃度と1/β及び1/βBrsとの関係を示すグ
ラフである。
【図2】 この発明の第1実施例によるエミッタ・ベー
ス接合部偏析酸素濃度と1/β及び1/βBrsとの関係
を示すグラフである。
【図3】 この発明の第1実施例によるエミッタ層中の
酸素濃度とエミッタ・ベース接合部酸素濃度との関係を
示すグラフである。
【図4】 この発明の第1実施例による成長速度と寿命
との関係を示すグラフである。
【図5】 図4に示したグラフを得るために用いた試料
の構成を示す模式図である。
【図6】 この発明の第1実施例による成長速度とGa
As/AlGaAs単一量子井戸の第一準位からのPL
発光の半値幅、発光波長及び発光強度の関係を示すグラ
フである。
【図7】 図6に示したグラフを得るために用いた試料
の構成を示す模式図である。
【図8】 この発明の第1実施例によるヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの結晶中の酸素濃度と結晶の深さと
の関係を示すグラフである。
【図9】 この発明の第2実施例によるヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの結晶中の酸素濃度と結晶の深さと
の関係を示すグラフである。
【図10】 この発明の第2実施例によるエミッタ層中
の酸素濃度とVBEの温度依存係数φとの関係を示すグラ
フである。
【図11】 この発明の第3実施例による単一量子井戸
構造PL蛍光寿命の成長基板面方位依存性を示すグラフ
である。
【図12】 ヘテロ接合バイポーラトランジスタの構成
を示す断面図である。
【図13】 従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の結晶中の酸素濃度と結晶の深さとの関係を示すグラフ
である。
【図14】 高電子移動度トランジスタの構成を示す断
面図である。
【符号の説明】
101 ソース、102 ゲート、103 ドレイン、
104,105 n+−GaAs層、106 n−Al
GaAs層、107 アンドープInGaAs層、10
9 アンドープGaAs層、110 GaAs基板。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正内容】
【0077】そして、エピタキシャル成長させた結晶を
用いてHBTを試作した。試作したHBTのエミッタサ
イズは50×50μm2である。電流増幅率βの測定点
は、コレクタ電流Ic=100mA/(50×50μm
2),電流密度にして4×103A/cm2である。ガン
メルプロットにおけるエミッタ−コレクタ間電圧VCE
3.0Vとし、この条件下で C B を実測した。酸素
の定量はAlGaAs定量用校正標準試料を用いて、2
次イオン質量分析法(SIMS)で行った。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正内容】
【0078】以上の関係から明らかなように、酸素の混
入量の低減が電流増幅率βの向上に対してリニアに影響
していることがわかる。また、1/β及び1/β Brs の酸
素濃度に対する変化量が等しいことから、エピタキシャ
ル成長層の同一構造での電流増幅率βの違いはエミッタ
・ベース接合部での再結合電流成分β Brs の寄与の違い
と考えられ、ベースからエミッタ層へのAlGaAs層
の結晶性(混入酸素量の多少)が電流増幅率βの初期値
を決定する重要な要因であることが分かる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正内容】
【0079】数12で示したように現状のMBEで成長
したHBTの結晶ではベース層内での再結合電流成分β
Brb が支配的であり、このパラメータは結晶構造(ベー
ス濃度,ベース層厚等)でほとんど決まってしまう。従
って、まず、エミッタ・ベース接合部での再結合電流成
β Brs をベース層内での再結合電流成分β Brb に比較し
て小さくできればよいことになる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正内容】
【0080】そこで、ベース層内での再結合電流成分β
Brb について考察する。拡散長LBが2900〜3100
オングストロームとばらついて求まる。そこで、ベース
濃度が1.2×10 19cm -3 で、ベース層厚が700オ
ングストロームとすると、数9によれば、 B =290
0オングストロームの場合は、β Brb =2.927×1
-2 であり、 B =3100オングストロームの場合
は、β Brb =2.56×10 -2 である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正内容】
【0081】これに対して図1からβ Brb を求めると、
1/β Brb が1/β−1/β Brs にほぼ等しい。これは図
1より求められる。1/β Brb は常に一定であると仮定
しているので、1/β Brb =0となるx切片での1/β
の値が1/β Brb になる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】これは直線をどのように引くかに依存する
が、大きく見積もっても2.0×10 -2 程度で、数9か
ら求められるβ Brb一致しない。これは数9でβ Brb
βと仮定した BE が十分にβを飽和させていない値であ
ったことが主な原因であり、正確には BE に対してβが
飽和した値はもう少し高く、1/β Brb (=1/β)は
2.69×10 -2 より低くなるのは妥当と考えられる。
従って、図1より求めた1/β Brb =1.9×10 -2 (ベ
ース層内での再結合電流成分β Brb が主要因とした場合
の電流増幅率βは52.6である。)の方がより正確な
値といえる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正内容】
【0083】エミッタ・ベース接合部での再結合電流成
β Brs をベース層内での再結合電流成分β Brb より小さ
くすることによって、エミッタ・ベース接合部での再結
合電流成分β Brs の寄与を効果的に減少させることがで
きる。このことから、好ましくは、1/β Brs <1.9
×10 -2 とすればよい。そのためには、図1に示した
グラフから酸素濃度が6×10 17cm -3 程度以下にする
ことが望ましいことがわかる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正内容】
【0084】さらに好ましくは、エミッタ・ベース接合
部での再結合電流成分β Brs をベース層内での再結合電
流成分β Brb に比較して十分に小さくできればよい。そ
こで、1/β Brs を十分小さな値である2×10 -3 (ベ
ース層内での再結合電流成分β Brs が主要因とした場合
の電流増幅率βは500である。)程度より小さくする
には、図1を用いて逆算すると、低減すべき酸素濃度は
AlGaAsで形成されたエミッタ層中で3×10 17
-3 より小さいと見積もることができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正内容】
【0087】また、評価した単一量子井戸(以下SQW
という。)のエピタキシャル成長層の構造は図5に示
す。図5において、50はGaAsで形成された井戸
層、51,52は井戸層50を挟むAl 0.3Ga 0.7As
で形成された層である。固体ソースMBEにより形成れ
たエピタキシャル成長層の成長速度依存性については、
井戸層50であるGaAs層のみ励起し、その際に発せ
られる蛍光寿命によって評価した。そして、SQWの蛍
光寿命は、数13のような関係式で示される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正内容】
【0089】ここで、τはSQWの蛍光寿命、τ r は輻
射再結合寿命、τ nr は非輻射再結合寿命でバルク再結合
成分と界面再結合成分に分類できる。τ nrb は非輻射再
結合寿命でバルク再結合成分を示し、Sは界面再結合速
度である。AlGaAs/GaAsヘテロ界面での再結
合速度は、ほぼ10 4 cm/secオーダーと一般的に
大きく、GaAs井戸層40が薄い場合には蛍光寿命が
極端に短くなるため、井戸層厚は1000オングストロ
ームとする。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正内容】
【0094】MBEの成長速度を変化させた場合のSQ
W第一準位からのPL発光の依存性を図6にまとめる。
図6は、GaAs/AlGaAs単一量子井戸第一準位
からのフォトルミネッセンス発光の半値幅、発光波長及
び発光強度の成長速度依存性を示すグラフである。図6
において、横軸は成長速度、縦軸はそれぞれ半値幅、発
光波長、発光強度を示す。また、評価した単一量子井戸
(SQW)のエピタキシャル成長層の構造は図7に示
す。図7において、70はGaAsで形成された井戸
層、71,72は井戸層70を挟むAl 0.3Ga 0.7As
で形成された層である。それぞれの層の厚さは、井戸層
70が100オングストローム、井戸層を挟むAl 0.3
Ga 0.7As層71,72が2000オングストローム
である。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正内容】
【0103】ベース・エミッタ間電圧 BE の温度依存係
数φのばらつきとHBTの結晶中の酸素濃度との関係を
明らかにするために、試料から試料について、HB
Tの結晶中の酸素濃度と温度依存係数φとの関係を示す
グラフを図10に示す。図において、横軸にはHBTの
結晶中の酸素濃度、縦軸には温度依存係数φを目盛って
いる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正内容】
【0104】図10から分かるように、HBTの温度依
存係数φと結晶中の酸素濃度との間には、明瞭な相関が
あり、HBT結晶中酸素濃度の低下に伴い、ベース・エ
ミッタ間電圧 BE の温度依存係数|φ|が低下してい
る。ベース・エミッタ間電圧 BE の温度依存係数φを結
晶中酸素濃度により制御できる。ベース・エミッタ間電
BE の温度依存係数|φ|は、1.2以下に抑えるこ
とが望ましく、従って、酸素濃度を2×10 17cm -3
下に抑えることが望ましい。|φ|<1.2はHBTで
高出力素子を形成する場合に実用化する上で一つの目安
となる数値である。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正内容】
【0105】次に、エミッタ抵抗の温度及びバンドギャ
プの温度を考慮した場合のベース・エミッタ間電圧 BE
の温度依存係数φについて検討する。エミッタ電流 E
は数14で与えられる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正内容】
【0107】エミッタ電流 E の温度依存性を考慮して
式を変形すると数15が得られ、それを数14を用いて
さらに変形して数16が与えられる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正内容】
【0110】∂ E /∂T=0(但し、 E は一定)とい
う条件のもとでは、数17が成り立つ。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0112
【補正方法】変更
【補正内容】
【0112】∂ E /∂T=0の時、ベース・エミッタ
間電圧 BE の温度依存係数φの値は、 E を増加させる
と飽和することから数18が導かれる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0114
【補正方法】変更
【補正内容】
【0114】ここで、 0 n に比例するとすると数1
9が導かれる。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正内容】
【0116】そして、nが3程度、 g −q BE が0.
1V程度、∂ g /∂Tが−0.4mV/K程度とする
と、数19からベース・エミッタ間電圧 BE の温度依存
係数φがほぼ−1.1mV/Kから−1.2mV程度と
なる。エミッタ電流 E の増加に伴う温度上昇によるH
BTの破壊を防止するためには、ベース・エミッタ間電
BE の温度依存係数φの絶対値を1.2mV/Kより
小さくするのが望ましいことがわかる。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正内容】
【0118】図11にAl 0.3Ga 0.7As/In 0.1
0.9As/Al 0.3Ga 0.7As単一量子井戸(SQ
W)からのPL蛍光寿命の成長基板面方位依存性を示
す。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0120
【補正方法】変更
【補正内容】
【0120】この(311)A面基板を用いてHBTを
成長した場合、成長速度が0.3μm/hの場合で酸素
濃度は、エミッタ層中平均値で2×10 17cm -3 以下に
なる。この場合電流増幅率βはベース層内での再結合電
流成分β Brb で決定される領域に至り、電流増幅率βで
40程度の値が得られる。成長速度が0.5μm/hの
場合には酸素濃度がAlGaAs層中で1×10 17cm
-3 以下に至り、同様に電流増幅率βで40の値が得られ
る。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0121
【補正方法】変更
【補正内容】
【0121】上記のように(311)A面上にHBTを
成長することで少数キャリアの寿命が(100)面上に
成長した場合に比較して長くなることで、電流増幅率β
で40とベース層内での再結合電流成分β Brb によって
決まる値に安定する。これはn−AlGaAs中混入酸
素量を低減できたことに起因する。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正内容】
【0123】実施例4.次に、この発明の第4実施例に
よる高電子移動度トランジスタの製造方法について説明
する。図14は、InGaAs/GaAs系疑似整合系
高電子移動度トランジスタの構造を示す断面図である。
図において、101はソース、102はゲート、103
はドレイン、104はソース101の下に形成された
+ −GaAs層、105はドレイン105の下に形成さ
れた + −GaAs層、106はゲート102及び +
GaAs層104,105の下に形成され電子供給層と
して働くn−AlGaAs層、107はn−AlGaA
s層106から電子の供給を受けるアンドープInGa
As層、108はアンドープInGaAs層107中に
形成される2次元電子ガス層、109はアンドープIn
GaAs層107の下に形成されたアンドープGaAs
層、110はアンドープGaAs層109の下に形成さ
れた半絶縁性のGaAs基板である。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0127
【補正方法】変更
【補正内容】
【0127】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明のヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタによれば、エミッタ層の
n−AlGaAs中の酸素濃度を6×10 17cm -3 以下
にしたので、エミッタ・ベース接合部での再結合電流成
分の影響を減らすことができ、固体ソース分子線エピタ
キシーを用いて、高い電流増幅率βを安定に得ることが
できるという効果がある。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0128
【補正方法】変更
【補正内容】
【0128】請求項2記載の発明のヘテロ接合バイポー
ラトランジスタによれば、エミッタ層のn−AlGaA
s中の酸素濃度を3×10 17cm -3 より小さくしたの
で、 BE のベース層内での再結合電流成分に比べてエミ
ッタ・ベース接合部での再結合電流成分の影響を無視で
きる程度に小さくすることができ、固体ソース分子線エ
ピタキシーを用いて、高い電流増幅率βを安定に得るこ
とができるという効果がある。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0129
【補正方法】変更
【補正内容】
【0129】請求項3記載の発明のヘテロ接合バイポー
ラトランジスタによれば、エミッタ層のn−AlGaA
s中の酸素濃度を2×10 17cm -3 より小さくしたの
で、温度依存係数φを低く抑えることができ、固体ソー
ス分子線エピタキシーを用いて、高出力ヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの高性能化を図ることができるとい
う効果がある。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0130
【補正方法】変更
【補正内容】
【0130】請求項4記載の発明のAlGaAsエピタ
キシャル成長層によれば、含有する酸素の濃度を6×
17cm -3 以下にしたので、例えば、ヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタのエミッタ層の材料として用いること
により、ヘテロ接合バイポーラトランジスタの動作特性
を向上させることができるなど、トランジスタの材料に
適した、固体ソース分子線エピタキシーによって形成さ
れるエピタキシャル層を提供できるという効果がある。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0131
【補正方法】変更
【補正内容】
【0131】請求項5記載の発明のAlGaAsエピタ
キシャル成長層によれば、含有する酸素の濃度を3×
17cm -3 よりも小さくしたので、例えば、ヘテロ接合
バイポーラトランジスタのエミッタ層の材料として用い
ることにより、ヘテロ接合バイポーラトランジスタの動
作特性を向上させることができるなど、トランジスタの
材料に適した、固体ソース分子線エピタキシーによって
形成されるAlGaAsエピタキシャル層を提供できる
という効果がある。
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0132
【補正方法】変更
【補正内容】
【0132】請求項6記載の発明のAlGaAsエピタ
キシャル成長層によれば、含有する酸素の濃度を2×
17cm -3 よりも小さくしたので、例えば、ヘテロ接合
バイポーラトランジスタのエミッタ層の材料として用い
ることにより、ヘテロ接合バイポーラトランジスタの動
作特性を向上させることができるなど、トランジスタの
材料に適した、固体ソース分子線エピタキシーによって
形成されるAlGaAsエピタキシャル成長層を提供で
きるという効果がある。
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0136
【補正方法】変更
【補正内容】
【0136】請求項10記載の発明の結晶成長方法によ
れば、n−AlGaAs中の酸素濃度を6×10 17cm
-3 以下に制御しつつ、固体ソース分子線エピタキシーを
用いて、ヘテロ接合バイポーラトランジスタのエミッタ
層として結晶成長させるので、エミッタ・ベース接合部
での再結合電流成分の影響を減らすことができ、膜厚の
均一性及び制御性の良い製造方法によって安定で高い電
流増幅率βを有するヘテロ接合バイポーラトランジスタ
を得ることができるという効果がある。
【手続補正31】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0137
【補正方法】変更
【補正内容】
【0137】請求項11記載の発明の結晶成長方法によ
れば、n−AlGaAs中の酸素濃度を3×10 17cm
-3 より小さく制御しつつ、固体ソース分子線エピタキシ
ーを用いて、ヘテロ接合バイポーラトランジスタのエミ
ッタ層として結晶成長させるので、ヘテロ接合バイポー
ラトランジスタにおいて、ベース層内での再結合電流成
分に比べてエミッタ・ベース接合部での再結合電流成分
の影響を無視できる程度に小さくすることができ、膜厚
の均一性及び制御性の良い製造方法によって安定で高い
電流増幅率βを有するヘテロ接合バイポーラトランジス
タを得ることができるという効果がある。
【手続補正32】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0138
【補正方法】変更
【補正内容】
【0138】請求項12記載の発明の結晶成長方法によ
れば、n−AlGaAs中の酸素濃度を2×10 17cm
-3 より小さく制御しつつ、固体ソース分子線エピタキシ
ーを用いて、ヘテロ接合バイポーラトランジスタのエミ
ッタ層として結晶成長させるので、温度依存係数φを低
く抑えることができ、膜厚の均一性及び制御性の良い製
造方法を用いて高性能な高出力ヘテロ接合バイポーラト
ランジスタを得ることができるという効果がある。
【手続補正33】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】 この発明の第1実施例によるエミッタ層中の
混入酸素濃度と1/β及び1/β Brs との関係を示すグ
ラフである。
【手続補正34】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】 この発明の第1実施例によるエミッタ・ベー
ス接合部偏析酸素濃度と1/β及び1/β Brs との関係
を示すグラフである。
【手続補正35】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】 この発明の第2実施例によるエミッタ層中
の酸素濃度と BE の温度依存係数φとの関係を示すグラ
フである。
【手続補正36】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 101 ソース、102 ゲート、103 ドレイン、
104,105 + −GaAs層、106 n−Al
GaAs層、107 アンドープInGaAs層、10
9 アンドープGaAs層、110 GaAs基板。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/205 29/778 21/338 29/812 9171−4M H01L 29/80 H

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体ソース分子線エピタキシーを用いて
    形成したn−AlGaAsを含むエミッタ層を備えるヘ
    テロ接合バイポーラトランジスタにおいて、 前記エミッタ層の前記n−AlGaAs中の酸素濃度を
    6×1017cm-3以下にしたことを特徴とする、ヘテロ
    接合バイポーラトランジスタ。
  2. 【請求項2】 固体ソース分子線エピタキシーを用いて
    形成したn−AlGaAsを含むエミッタ層を備えるヘ
    テロ接合バイポーラトランジスタにおいて、 前記エミッタ層の前記n−AlGaAs中の酸素濃度を
    3×1017cm-3より小さくしたことを特徴とする、ヘ
    テロ接合バイポーラトランジスタ。
  3. 【請求項3】 固体ソース分子線エピタキシーを用いて
    形成したn−AlGaAsを含むエミッタ層を備えるヘ
    テロ接合バイポーラトランジスタにおいて、 前記エミッタ層の前記n−AlGaAs中の酸素濃度を
    2×1017cm-3より小さくしたことを特徴とする、ヘ
    テロ接合バイポーラトランジスタ。
  4. 【請求項4】 固体ソース分子線エピタキシーによって
    結晶成長させたAlGaAsエピタキシャル成長層にお
    いて、 含有する酸素の濃度を6×1017cm-3以下にしたこと
    を特徴とする、AlGaAsエピタキシャル成長層。
  5. 【請求項5】 固体ソース分子線エピタキシーによって
    結晶成長させたAlGaAsエピタキシャル成長層にお
    いて、 含有する酸素の濃度を3×1017cm-3よりも小さくし
    たことを特徴とする、AlGaAsエピタキシャル成長
    層。
  6. 【請求項6】 固体ソース分子線エピタキシーによって
    結晶成長させたAlGaAsエピタキシャル成長層にお
    いて、 含有する酸素の濃度を2×1017cm-3よりも小さくし
    たことを特徴とする、AlGaAsエピタキシャル成長
    層。
  7. 【請求項7】 固体ソース分子線エピタキシーを用いた
    AlGaAsの結晶成長方法において、成長速度を0.
    5μm/hour以上で結晶成長することを特徴とす
    る、結晶成長方法。
  8. 【請求項8】 成長速度を1.0μm/hour以下で
    結晶成長することを特徴とする、請求項7記載の結晶成
    長方法。
  9. 【請求項9】 固体ソース分子線エピタキシーを用いた
    AlGaAsの結晶成長方法において、AlGaAsの
    結晶成長用基板としてGaAs基板の(311)A面あ
    るいは(311)B面を用いることを特徴とする、結晶
    成長方法。
  10. 【請求項10】 前記AlGaAsはn−AlGaAs
    を含み、 前記n−AlGaAs中の酸素濃度を6×1017cm-3
    以下に制御しつつ、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ
    のエミッタ層として結晶成長させることを特徴とする、
    請求項7ないし請求項9のうちのいずれか一項に記載の
    結晶成長方法。
  11. 【請求項11】 前記AlGaAsはn−AlGaAs
    を含み、 前記n−AlGaAs中の酸素濃度を3×1017cm-3
    より小さく制御しつつ、ヘテロ接合バイポーラトランジ
    スタのエミッタ層として結晶成長させることを特徴とす
    る、請求項7ないし請求項9のうちのいずれか一項に記
    載の結晶成長方法。
  12. 【請求項12】 前記AlGaAsはn−AlGaAs
    を含み、 前記n−AlGaAs中の酸素濃度を2×1017cm-3
    より小さく制御しつつ、ヘテロ接合バイポーラトランジ
    スタのエミッタ層として結晶成長させることを特徴とす
    る、請求項7ないし請求項9のうちのいずれか一項に記
    載の結晶成長方法。
  13. 【請求項13】 固体ソース分子線エピタキシーでAl
    GaAs/GaAs系あるいはAlGaAs/InGa
    As疑似整合系高電子移動度トランジスタの電子供給層
    に用いるn−AlGaAsまたはi−GaAsの成長用
    にGaAs基板に(311)A面または(311)B面
    のものを用いることを特徴とする、結晶成長方法。
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