JPH0864847A - 光起電力素子の作製方法 - Google Patents

光起電力素子の作製方法

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JPH0864847A
JPH0864847A JP6198844A JP19884494A JPH0864847A JP H0864847 A JPH0864847 A JP H0864847A JP 6198844 A JP6198844 A JP 6198844A JP 19884494 A JP19884494 A JP 19884494A JP H0864847 A JPH0864847 A JP H0864847A
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JP
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gas
shaped member
film
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photovoltaic element
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JP6198844A
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Sunao Yoshisato
直 芳里
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大面積にわたって、光電変換効率が均一で、
かつ欠陥の少ない光起電力素子を製造できる作製方法を
提供する。 【構成】 帯状部材が複数の成膜空間の中を連続的に通
過するとき、プラズマCVD法により該帯状部材の表面
上に複数の異なる薄膜を積層形成してなる光起電力素子
の作製方法において、前記帯状部材の表面上に複数の異
なる薄膜を積層形成する前に、前記複数の成膜空間の中
にH2、He、Ne、Ar、Xe及びKrのうち少なく
とも1種類のガスを導入し、該ガスの圧力を成膜圧力よ
り高く設定して、前記複数の成膜空間より該ガスを排気
しつつ、前記複数の成膜空間内の部材を加熱処理する工
程を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光起電力素子の作製方
法に係る。より詳細には、帯状部材に堆積膜を形成する
前に、成膜空間の中にある部材を加熱処理する工程を設
けた光起電力素子の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光起電力素子の作製方法として
は、次の技術が知られている。
【0003】例えば、a−Si膜等を用いた光起電力素
子の作製には、一般的には、プラズマCVD法が広く用
いられており、企業化されている。しかしながら、光起
電力素子を電力需要を賄うものとして確立させるために
は、使用する光起電力素子が、光電変換効率が充分に高
く、特性安定性に優れたものであり、且つ大量生産し得
るものであることが基本的に要求される。そのために
は、a−Si膜等を用いた光起電力素子の作製において
は、電気的、光学的、光導電的あるいは機械的特性及び
繰り返し使用での疲労特性あるいは使用環境特性の向上
を図るとともに、大面積化、膜厚及び膜質の均一化を図
りながら、しかも高速成膜によって再現性のある量産化
を図らねばならないため、これらのことが、今後改善す
べき問題点として指摘されている。
【0004】その中で、これまでマイクロ波プラズマC
VD法による堆積膜形成方法については多くの報告がな
されている。
【0005】例えば、“Chemical Vapor Deposition of
a-SiGe:H films utilizing a microwave-excited plas
ma” T.Watanabe, M.Tanaka, K.Azuma, M.Nakatani, T.
Sonobe, T.Simada, Japanese Journal of Applied Phys
ics, Vol.26, No.4, April,1987, pp.L288-L290, “Mic
rowave-excited plasma CVD of a-Si:H films utilizin
g a hydrogen plasma stream or by direct excitation
of silane” T.Watanabe, M.Tanaka, K.Azuma, M.Naka
tani, T.Sonobe, T.Simada, Japanese Journal of Appl
ied Physics, Vol.26, No.8, August, 1987, pp.1215-1
218等にECRを使用したマイクロ波プラズマCVD法
が記述されている。
【0006】また特開昭59−16328号公報にはマ
イクロ波プラズマCVD法で半導体膜を堆積する方法が
示されている。更に特開昭59−56724号公報にも
マイクロ波プラズマCVD法で半導体膜を堆積する方法
が示されている。
【0007】さらに、光起電力素子を用いる発電方式に
あっては、単位モジュールを直列または並列に接続し、
ユニット化して所望の電流、電圧を得る形式が採用され
ることが多く、各モジュールにおいては断線はショート
が生起しないことが要求される。加えて、各モジュール
間の出力電圧や出力電流のばらつきのないことが重要で
ある。こうしたことから、少なくとも単位モジュールを
作製する段階でその最大の特性決定要素である半導体層
そのものの特性均一性が確保されていることが要求され
る。そして、モジュール設計をし易くし、且つモジュー
ル組立工程の簡略化できるようにする観点から大面積に
亘って特性均一性の優れた半導体堆積膜が提供されるこ
とが光起電力素子の量産性を高め、生産コストの大幅な
低減を達成せしめるについて要求される。
【0008】光起電力素子については、その重要な構成
要素たる半導体層は、いわゆるpn接合、pin接合等
の半導体接合がなされている。a−Si等の薄膜半導体
を用いる場合、ホスフィン(PH3)、ジボラン(B2
6)等のドーパントとなる元素を含む原料ガスを主原料
ガスであるシラン等に混合してグロー放電分解すること
により所望の導電型を有する半導体膜が得られ、所望の
基板上にこれらの半導体膜を順次積層作製することによ
って容易に前述の半導体接合が達成できることが知られ
ている。そしてこのことから、a−Si系の光起電力素
子を作製するについて、その各々の半導体層作製用の独
立した成膜室を設け、該成膜室にて各々の半導体層の作
製を行う方法が提案されている。
【0009】因みに米国特許4,400,409号特許
明細書には、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)方
式を採用した連続プラズマCVD装置が開示されてい
る。この装置によれば、複数のグロー放電領域を設け、
所望の幅の十分に長い可撓性の基板を、該基板が前記各
グロー放電領域を順次貫通する径路に沿って配置し、前
記各グロー放電領域において必要とされる導電型の半導
体層を堆積しつつ、前記基板をその長手方向に連続的に
搬送せしめることによって、半導体接合を有する素子を
連続作製することができるとされている。なお、該明細
書においては、各半導体層作製時に用いるドーパントガ
スが他のグロー放電領域へ拡散、混入することを防止す
るためにガスゲートが用いられている。具体的には、前
記各グロー放電領域同志を、スリット状の分離通路によ
って相互に分離し、さらに該分離通路に例えばAr,H
2等の掃気用ガスの流れを作製させる手段が採用されて
いる。こうしたことからこのロール・ツー・ロール方式
は、半導体素子の量産に適する方式ではあるものの、前
述したように、光起電力素子を大量に普及させるために
は、さらなる光電変換効率、特性安定性や特性均一性の
向上、及び製造コストの低減が望まれている。
【0010】特に、光電変換効率や特性安定性の向上の
ためには、各単位モジュールごとの光電変換効率は高い
ほど良く、特性劣化率は低いほど好ましい。更には、単
位モジュールを直列または並列に接続し、ユニット化し
た際には、ユニットを構成する各単位モジュールの内の
最小の電流または電圧特性の単位モジュールが律速して
ユニットの特性が決まるため、各単位モジュールの平均
特性を向上させるだけでなく、特性バラツキも小さくす
ることが非常に重要となる。そのために単位モジュール
を作製する段階でその最大の特性決定要素である半導体
層そのものの特性均一性を確保することが望まれてい
る。また、製造コストの低減のために、各モジュールに
おいては断線やショートが生起しないように、半導体層
の欠陥を減らすことにより、歩留りを向上させることが
強く望れている。
【0011】したがって、連続して移動する帯状部材上
への半導体層の堆積において、特性の均一性を確保し、
欠陥を減らすための成膜方法の早期の提供が望まれてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のロール
・ツー・ロール方式のプラズマCVD法による堆積膜の
連続形成方法においては、例えば非単結晶半導体膜(1
例としてはアモルファスシリコンa−Si:H)等を1
ロール堆積し終え、大気開放し再度ロールをセットす
る。その後、成膜空間を真空引きし、成膜空間をヒータ
ー等により加熱することによって、成膜空間内の残留不
純物を除去する工程(ベーキング)が存在していた。
【0013】この工程において、成膜空間内へのガス導
入をロール・ツー・ロール装置群の中央の真空容器か
ら、ガス排気を両端の真空容器から行い、圧力を成膜圧
力である1〜100mTorrで行うと成膜空間を構成
する部材への熱伝導が不十分であるため、該部材に吸着
している残留不純物の除去に長時間要するばかりだけで
はなく、該残留不純物の除去が不十分となり、光起電力
素子の特性を劣化させたり特性の不均一性を生じる原因
となっていた。
【0014】そして、このような連続形成においては、
残留不純物を除去するための時間を短縮し実質的な成膜
時間を長くすることが生産性、製品コスト削減に必要と
され、且つ、残留不純物の除去が光起電力素子の特性の
向上に必要とされていた。
【0015】本発明は上記問題点を解決することを目的
としている。
【0016】すなわち、本発明はロール・ツー・ロール
による光起電力素子を連続的に作製するに際し、特に成
膜開始直後の半導体膜の層厚や特性の不安定、及びムラ
を低減し、その結果として光起電力素子のデバイス特性
や歩留まりを向上させ、生産性の向上をもたらし、これ
らの光起電力素子の作製コストを低減する方法を提供す
ることを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の光起電力素子の
作製方法は、帯状部材が複数の成膜空間の中を連続的に
通過するとき、プラズマCVD法により該帯状部材の表
面上に複数の異なる薄膜を積層形成してなる光起電力素
子の作製方法において、前記帯状部材の表面上に複数の
異なる薄膜を積層形成する前に、前記複数の成膜空間の
中にH2,He,Ne,Ar,Xe及びKrのうち少な
くとも1種類のガスを導入し、該ガスの圧力を成膜圧力
より高く設定して、前記複数の成膜空間より該ガスを排
気しつつ、前記複数の成膜空間内の部材を加熱処理する
工程を設けることを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明では、帯状部材に堆積膜を形成する前
に、複数の成膜空間の中に、H2,He,Ne,Ar,
Xe及びKrのうち少なくとも1種類のガスを導入し、
成膜圧力より高い圧力にて、成膜空間の中にある部材を
加熱処理する工程を設けたため、成膜開始初期に成膜空
間を通過する帯状部材の温度が上げ易くなる。
【0019】この結果、帯状部材の温度は、短時間で上
昇させることができ、目標とする温度で安定に保持する
迄に要する時間の短縮も図れる。特に、成膜開始初期の
成膜空間を通過する帯状部材の温度を安定化させて、初
期堆積膜の層厚ムラ、光電変換効率のバラツキおよび光
起電力素子の欠陥密度の低減を可能としたものである。
【0020】その結果として、光起電力素子等のデバイ
ス特性や歩留まりをさらに改善できるとともに、生産性
の向上をはかることが可能となる。
【0021】
【実施態様例】以下では、本発明の光起電力素子を作製
する装置について、図1〜図3に基づき説明する。図1
は、本発明の光起電力素子を連続的に作製する方法にお
いて、i型層作製用容器の模式的説明図である。図2
は、本発明の光起電力素子を連続的に作製する方法にお
いて、n型層またはp型層作製用容器の模式的説明図で
ある。図3は、本発明の光起電力素子を連続的に作製す
る製造装置の一例の模式的説明図である。
【0022】図1は、i型層作製用容器であり、概ね直
方体形状のi型半導体作製用の成膜容器101と帯状部
材104とで構成される、第1、第2、第3の成膜空間
102,103,140からなる。このi型層作製用容
器は、図3におけるi型層作製真空容器100の中に配
置してある。真空容器100及び成膜容器101は、そ
れぞれ金属性であって電気的に接続されている。
【0023】堆積膜が形成される帯状部材104は、真
空容器100の図示左側、即ち搬入側の側壁に取付けら
れたガスゲート129(図3)を経て、この成膜容器1
01内に導入され、第1、第2、第3の成膜空間10
2,103,140をそれぞれ貫通し、真空容器100
の図示右側、即ち搬出側の側壁に取り付けられたガスゲ
ート130(図3)を通って真空容器100の外部へ排
出されるようになっている。
【0024】成膜空間102,103,140の側壁に
は、第1、第2、第3のアプリケータ105,106,
107が、帯状部材104の移動方向に沿って並ぶよう
に取り付けられている。各アプリケータ105,10
6,107は、マイクロ波エネルギーを成膜空間に導入
するためのものであり、マイクロ波電源(図示せず)に
一端が接続された導波管111,112,113(図
3)の他端が、それぞれ接続されている。また、アプリ
ケータ105,106,107の成膜空間への取り付け
部位は、それぞれマイクロ波を通過する材料からなるマ
イクロ波透過性部材108,109,110とから成っ
ている。
【0025】また、成膜容器101の底面には、原料ガ
スを放出する第1、第2、第3のガス導入手段117,
118,119がぞれぞれ取り付けられ(図3)、原料
ガスを放出するための多数のガス放出孔が帯状部材10
4に向けられ配設されている。これらのガス放出手段
は、ガス供給設備(図示せず)に接続されている。
【0026】さらに、アプリケータの対向側、即ち図示
手前側の側壁には、排気パンチングボード120,12
1,122が取り付けられ、マイクロ波エネルギーを成
膜空間内に閉じこめるとともに排気管125,126
(図3)に接続された排気スロットバルブ127,12
8を介して真空ポンプ等の排気手段(図示せず)に接続
されている。
【0027】図2は、n(p)型層作製用容器であり、
概ね直方体形状のn(p)型半導体作製用の成膜容器1
01n(p)と帯状部材104とで構成される、成膜空
間102n(p)からなる。このn(p)型層作製用容
器は、図3におけるn(p)型層作製真空容器100n
(p)の中に配置してある。真空容器100n(p)及
び、成膜容器101n(p)は、それぞれ金属性であっ
て電気的に接続されている。上記のn(p)型層作製真
空容器100n(p)は、先に説明したi型層作製用の
真空容器100内の構造に対し、アプリケータを一台と
してある点が異なる。
【0028】図3は、本発明の光起電力素子を連続的に
作製する製造装置であり、帯状部材104の送り出し及
び巻き取り用の真空容器301及び302、第1の導電
型層作製用の真空容器100n、i型層作製用の真空容
器100、第2の導電型層作製用の真空容器100pを
ガスゲートを介して接続した装置から構成されている。
【0029】303は帯状部材104の送り出し用ボビ
ン、304は帯状部材104の巻き取り用ボビンであ
り、図中の矢印方向に帯状部材が搬送される。但し、こ
の帯状部材は逆転させて搬送することもできる。また、
真空容器301、302の中には、帯状部材104の表
面保護用に用いられる合紙の巻き取り、及び送り込み手
段を配設しても良い。前記合紙の材質としては、耐熱性
樹脂であるポリイミド系、テフロン系及びグラスウール
等が好適に用いられる。305、306は張力調整及び
帯状部材の位置出しを兼ねた搬送用ローラーである。3
14,315は圧力計、127n,127,128,1
27p,307,308はコンダクタンス調整用のスロ
ットルバルブ、125n、125、126、125p、
310、311は排気管であり、それぞれ排気ポンプ
(図示せず)に接続されている。
【0030】129n,129,130,129pはガ
スゲートであり、131n、131,132,132p
はゲートガス導入管で、それぞれガス供給設備(図示せ
ず)に接続されている。105n,105,106,1
07,105pはマイクロ波導入のためのアプリケータ
であり、それらの先端部にはマイクロ波透過性部材10
8n,108,109,110,108pがそれぞれ取
り付けられており、導波管111n,111,112,
113,111pを通じて、マイクロ波電源(図示せ
ず)に接続されている。
【0031】各成膜容器101n,101,101pの
中においては、帯状基体104を挟んで成膜空間と反対
側の空間に、多数の赤外線ランプヒーター124n,1
24,124pと、これら赤外線ランプヒーターからの
放射熱を効率よく帯状部材104に集中させるためのラ
ンプハウス123n,123,123pがそれぞれ設け
られている。また、帯状部材104の温度を監視するた
めの熱電対134n,134,134pがそれぞれ帯状
部材104に接触するように接続されている。さらに、
133n,133,133pは排気管、312,313
は温度調節機構である。
【0032】本発明において成膜空間内で生起するマイ
クロ波プラズマのプラズマ電位を制御するためにバイア
ス電圧を印加しても良い。バイアス電圧としては直流、
脈流及び交流電圧を、単独またはそれぞれを重畳させて
印加させることが好ましい。マイクロ波プラズマのプラ
ズマ電位を制御することによってプラズマの安定性、再
現性、及び膜特性の向上、欠陥の低減が図られる。
【0033】上述した本発明の光起電力素子を連続的に
作製する装置を用いて、光起電力素子を作製することに
より、前述の諸問題を解決するとともに前述の諸要求を
満たし、連続して移動する帯状部材上に、高品質で優れ
た均一性を有し、欠陥の少ない光起電力素子を作製する
ことができる。
【0034】以下では、本発明の実施態様例を説明す
る。
【0035】(帯状部材)帯状部材としては、半導体膜
製作時に必要とされる温度において変形、歪みが少な
く、所望の強度を有し、また、導電性を有するものであ
ることが好ましく、具体的にはステンレススチール、ア
ルミニウム及びその合金、鉄及びその合金、銅及びその
合金等の金属の薄板及びその複合体、及びそれらの表面
に異種材質の金属薄膜及び/またはSiO2,Si
34,Al23,AlN等の絶縁性薄膜をスパッタ法、
蒸着法、鍍金法等により表面コーティング処理を行った
もの。また、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテ
レフタレート、エポキシ等の耐熱性樹脂製シート、また
はこれらとガラスフイバー、カーボンファイバー、ホウ
素ファイバー、金属繊維等との複合体の表面に金属単体
または合金、及び透明導電性酸化物(TCO)等を鍍
金、蒸着、スパッタ、塗布等の方法で導電性処理を行っ
たものが挙げられる。
【0036】また、前記帯状部材の厚さとしては、前記
搬送手段による搬送時に作製される湾曲形状が維持され
る強度を発揮する範囲内であれば、コスト、収納スペー
ス等を考慮して可能な限り薄い方が望ましい。具体的に
は、好ましくは0.01mm乃至5mm、より好ましく
は0.02mm乃至2mm、最適には0.05mm乃至
1mmであることが望ましいが、金属等の薄板を用いる
場合、厚さを比較的薄くしても所望の強度が得られやす
い。
【0037】前記帯状部材の幅については、特に制限さ
れることはなく、半導体膜作製手段、あるいはその容器
等のサイズによって決定される。
【0038】前記帯状部材の長さについては、特に制限
されることはなく、ロール状に巻き取られる程度の長さ
であっても良く、長尺のものを溶接等によって更に長尺
化したものであっても良い。
【0039】前記帯状部材が金属等の電気導電性である
場合には直接電流取り出し用の電極としても良いし、合
成樹脂の電気絶縁性である場合には半導体膜の作製され
る側の表面にAl,Ag,Pt,Au,Ni,Ti,M
o,W,Fe,V,Cr,Cu,ステンレス、真ちゅ
う、ニクロム、SnO2,In23,ZnO,SnO2
In23(ITO)等のいわゆる金属単体または合金、
及び透明導電性酸化物(TCO)を鍍金、蒸着、スパッ
タ等の方法であらかじめ表面処理を行って電流取り出し
用の電極を作製しておくことが望ましい。
【0040】前記帯状部材が金属等の非透光性のもので
ある場合、長波長光の基板表面上での反射率を向上させ
るための反射性導電膜を該帯状部材上に作製することが
前述のように好ましい。該反射性導電膜の材質として好
適に用いられるものとしてAg,Al,Cr等が挙げら
れる。
【0041】また、基板材質と半導体膜との間での構成
元素の相互拡散を防止したり短絡防止用の緩衝層とする
等の目的で、金属層等を反射性導電膜として前記基板上
の半導体膜が作製される側に設けることが好ましい。該
緩衝層の材質として好適に用いられるものとして、Zn
Oが挙げられる。
【0042】また、前記帯状部材が比較的透明であっ
て、該帯状部材の側から光入射を行う層構成の太陽電池
とする場合には前記透明導電性酸化物や金属薄膜等の導
電性薄膜をあらかじめ堆積作製しておくことが望まし
い。
【0043】また、前記帯状部材の表面性としてはいわ
ゆる平滑面であっても、微小の凹凸面が有っても良い。
微小の凹凸面とする場合には球状、円錐状、角錐状等で
あて、且つその最大高さ(Rmax)は好ましくは50n
m〜500nmとすることにより、該表面での光反射が
乱反射となり、該表面での反射光の光路長の増大をもた
らす。
【0044】(複数の成膜空間)複数の成膜空間として
は、例えば前記帯状部材が最初に投入されて減圧処理が
行われる仕込室、搬送されてくる前記帯状部材を適当な
温度まで上昇させる加熱室、搬送されてくる前記帯状部
材の表面上に適当な薄膜を形成する成膜室、搬送されて
くる前記帯状部材を適当な温度まで下降させる冷却室、
成膜が完了した前記帯状部材を大気圧下にもどす取り出
し室があげられる。特に、成膜室を、連続して複数個設
けることにより、異なる材質の薄膜を複数層形成する場
合もある。この時、各成膜室の間に後述するガスゲート
室を設けて、隣合う成膜室の影響を防止する手段も用い
られる。また、前記帯状部材に成膜する場合は、部材の
搬送速度と膜厚の関係から、時間調整をするトランスフ
ァー室をさらに設けることもある。
【0045】(ガスゲート室)ガスゲート室とは、前記
帯状部材の送り出し及び巻き取り用真空容器と半導体膜
作製用真空容器とを分離独立させ、且つ、前記帯状部材
をそれらの中を貫通させて連続的に搬送する目的で設け
た真空容器である。
【0046】ガスゲート室の機能としては、前記各容器
間に生じる圧力差によって、相互に使用している半導体
膜作製用原料ガス等の雰囲気を拡散させない能力を有す
ることが必要である。従って、その基本概念は米国特許
第4,438,723号に開示されているガスゲート技
術を採用することができるが、更にその能力は改善され
る必要がある。具体的には、最大106倍程度の圧力差
に耐え得ることが必要であり、排気ポンプとしては排気
能力の大きい油拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ、メカニ
カルブースターポンプ等が好適に用いられる。
【0047】また、ガスゲート室の断面形状は、例えば
スリッド状またはこれに類似する形状であり、その全長
及び用いる排気ポンプの排気能力等と合わせて、一般の
コンダクタンス計算式を用いてそれらの寸法が計算、設
計される。
【0048】更に、分離能力を高めるためにゲートガス
を併用することが好ましく、例えば、Ar,He,N
e,Kr,Xe,Rn等の希ガスまたはH2等の半導体
膜作製用希釈ガスが挙げられる。ゲートガスの流量は、
ガスゲート全体のコンダクタンス及び用いる排気ポンプ
の能力等によって適宜決定されるが、例えば、ガスゲー
トのほぼ中央部に圧力の最大となるポイントを設けれ
ば、ゲートガスはガスゲート中央部から両サイドの真空
容器側へ流れ、両サイドの容器間での相互のガス拡散を
最小限に抑えることができる。実際には、質量分析計を
用いて拡散してくるガス量を測定したり、半導体膜の組
成分析を行うことによって最適条件を決定する。
【0049】(連続的に通過)連続的に通過とは、前記
帯状部材が、一定速度で、その面内にキズ、シワ、捩
れ、反りなどを生じることなく、前記複数の成膜空間を
搬送される状態を示しているが、特に、加熱に対して耐
久性があることが好ましい。
【0050】(プラズマCVD法)ある気体(常温以下
に沸点のある物質)を一あるいは数種類、容器の中に入
れて高温にすると、気体の種類によって反応が生じ、蒸
気圧の低い物質が生成する。これが気相成長 (Chemical
Vaper Deposition, CVDと略記される)といわれる薄
膜成長の過程であり、この成長方法を利用した成膜法
が、CVD法である。さらに、CVD装置に放電を行わ
せる装置(通常は、周波数13.56MHz)を組み合
わせた装置を用いて、上記の気体をプラズマ化すること
により、低温でも薄膜の形成を可能とした方法が、プラ
ズマCVD法である。
【0051】また、13.56MHzの高周波の代わり
に、さらに高い周波数の電磁波を用いれば、電極間距離
を小さくすることができ、成膜室をより小型化すること
が可能となる。例えば、周波数に2.45GHzを用い
て行うCVD法が、マイクロ波CVD法である。この
時、マイクロ波の進向性を揃えるため、後述するアプリ
ケータ等を用いる場合がある。
【0052】さらに、マイクロ波CVD法の放電空間
に、適当な値の静磁場を印加することにより、電磁場の
中の電子を共鳴させることができる。この共鳴現象は、
電子サイクロトロン共鳴(electron cyclotron resonan
ce,ECRと略す)といい、この条件下で作られたプラ
ズマをCVD法に用いたものが、ECRプラズマCVD
法である。ECRプラズマCVD法は、マイクロ波CV
D法に比べて、放電の閉じこめ、均一性、安定性がさら
に向上するという特長を有している。
【0053】(アプリケータ)アプリケータとしては、
例えば図4に示したマイクロ波アプリケータが挙げられ
る。本発明においてはマイクロ波アプリケータ400
は、帯状部材の移動する方向に垂直に配設されるが、さ
らに具体的に説明する。図4において401、402は
マイクロ波透過性部材であり、メタルシール412及
び、固定用リング406を用いて、内筒404、外筒4
05に固定されており、真空シールがされている。ま
た、内筒404、外筒405との間には冷却媒体409
が流れるようになっており一方の端にはOリング410
でシールされており、マイクロ波アプリケータ400全
体を均一に冷却するようになっている。冷却媒体409
としては、水、フレオン、オイル、冷却空気等が好まし
く用いられる。マイクロ波透過性部材401にはマイク
ロ波整合用円板403a、403bが固定されている。
外筒405には溝411の加工されたチュークフランジ
407が接続されている。413、414は冷却空気の
導入孔及び/または排出孔であり、アプリケータ内部を
冷却するために用いられる。
【0054】(前記帯状部材の表面上に複数の異なる薄
膜を積層形成する前)前記帯状部材の表面上に複数の異
なる薄膜を積層形成する前とは、例えば前記成膜室に
て、後述する成膜用のSiH4ガスなどを流す前の状
態、すなわち前述した複数の成膜空間が真空に排気され
た状態を指す。この場合の真空度としては、1×10-6
Torr以下が好ましい。
【0055】(H2,He,Ne,Ar,Xe及びKr
のうち少なくとも1種類のガス)H2,He,Ne,A
r,Xe及びKrのうち少なくとも1種類のガスとは、
加熱工程中に導入するガス温度の安定化を図るために用
いるガスを指す。従って、後述する光起電力素子を構成
する半導体層に著しく影響を与えない不活性ガスが好適
に用いられる。
【0056】(ガスの圧力を成膜圧力より高く設定)ガ
スの圧力を成膜圧力より高く設定とは、前述した複数の
成膜空間において、プラズマに接する部材から成膜時に
発生するガスを低減するため、加熱工程中に導入するガ
スの圧力を、成膜圧力より高くすることを指す。
【0057】この加熱工程中に導入するガスの圧力は、
成膜圧力、真空チャンバーの大きさ、導入するガス種に
より適宜決定されるが、プラズマに接する部材への伝熱
過程が放射及び対流作用の効果が効率的に得られる圧
力、すなわち粘性流領域の圧力であることが好ましく、
より具体的には、0.5〜20Torrの圧力範囲であ
ることが望ましい。
【0058】(複数の成膜空間の中にありプラズマに接
する部材)複数の成膜空間の中にありプラズマに接する
部材とは、真空排気可能なチャンバー内に配設され、帯
状部材の搬送を支持するマグネットローラーが挙げら
る。また、高周波、低周波、または直流放電プラズマの
場合、電力印加用電極、ガス吹き出し部材、ガスの流れ
を制御しプラズマを閉じ込めるための壁、等が挙げられ
る。
【0059】さらに、マイクロ波放電プラズマの場合、
マイクロ波導入窓、マイクロ波電力を閉じ込める壁、排
気のための開口を有するパンチング板、プラズマ内に配
設されるガスの流れを制御する仕切り板、等が挙げられ
る。
【0060】(加熱処理)加熱処理とは、前記複数の成
膜空間、特に加熱室や成膜室の内部を、加熱ヒーターを
用いて高温化することを指す。加熱ヒーターとしては、
真空内での使用に耐え得るものであれば何れでも良く特
に限定するものではない。例えば、赤外線ランプヒータ
ー、シースヒーター等を好適に用いることが可能であ
る。また、加熱ヒーターの温度設定は、成膜条件によっ
て適宜決定されるが、成膜前に行われるプラズマに接す
る部材の脱ガス時の温度設定を、成膜時の温度設定より
高くした方が、薄膜の中に取り込まれる不純物ガス量を
低減できるため好ましい。
【0061】(光起電力素子)光起電力素子とは、例え
ば図9に示した層構成、すなわち帯状部材501(10
4)の表面上に、下部電極502、第1の導電型層50
3、i型層504、第2の導電型層505、上部電極5
06、集電電極507という各層を順次積み上げた層構
成からなる発電素子である。光起電力素子の一例として
は、その素子表面に太陽光が照射することで発電が起こ
る、太陽電池がある。異なった波長を含む太陽光を有効
に利用するため、図10に示した層構成の光起電力素子
も実用化されている。図10の場合には、バンドギャプ
及び/又は層厚の異なる2種類の半導体層をi型層に用
いた例であり、第1の導電型層503、i型層504、
第2の導電型層505からなる積層部分を2回繰り返し
た層構成(タンデム型とよぶ)が使われている。また、
この繰り返しの回数が3回以上の場合も、図示はしない
がすでに適宜採用されている。
【0062】以下では、上述した光起電力素子を構成す
る各層について説明する。
【0063】(帯状部材)本発明において用いられる帯
状部材501(104)は、フレキシブルである材質の
ものが好適に用いられ、導電性のものであっても、また
電気絶縁性のものであってもよい。さらには、それらの
透光性のものであっても、また非透光性のものであって
もよいが、帯状部材501(104)の側より光入射が
行われる場合には、もちろん透光性であることが必要で
ある。
【0064】具体的には、本発明において用いられる材
質がSUS430BAである帯状部材104を挙げるこ
とができ、該帯状部材104を用いることにより、作製
される光起電力素子の軽量化、強度向上、運搬スペース
の低減等が図れる。
【0065】(電極)本光起電力素子においては、当該
素子の構成形態により次のような電極が選択使用され
る。それらの電極としては、下部電極、上部電極(透明
電極)、集電電極を挙げることができる(ただし、ここ
でいう上部電極とは光の入射側に設けられたものを示
し、下部電極とは半導体層を挟んで上部電極に対向して
設けられたものを示すこととする)。これらの電極につ
いて以下に詳しく説明する。
【0066】(下部電極)本発明において用いられる下
部電極502は、上述した帯状部材501の材料が透光
性であるか否かによって、光起電力発生用の光を照射す
る面が異なるので(例えば、帯状部材501が金属等の
非透光性の材料である場合には、図9で示したように透
明電極506側から光起電力発生用の光を照射する)、
その設置される場所が異なる。
【0067】具体的には、図9、図10のような層構成
の場合には帯状部材501と第1の導電型層503との
間に設けられる。しかし、帯状部材501が導電性であ
る場合には、該帯状部材が下部電極を兼ねることができ
る。ただし、帯状部材501が導電性であってもシート
抵抗値が高い場合には、電流取り出し用の低抵抗の電極
として、あるいは基板表面での反射率を高め入射光の有
効利用を図る目的で下部電極502を設置してもよい。
【0068】電極材料としは、Ag,Au,Pt,N
i,Cr,Cu,Al,Ti,Zn,Mo,W等の金属
またはこれらの合金が挙げられ、これ等の金属の薄膜を
真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング等で作製す
る。また、作製された金属薄膜は光起電力素子の出力に
対して抵抗成分とならないように配慮しなければなら
ず、シート抵抗値として好ましくは50Ω/□以下、よ
り好ましくは10Ω/□以下であることが望ましい。
【0069】下部電極502と第1の導電型層503と
の間に、図中には示されていないが、ZnO等の短絡防
止及び拡散防止のための緩衝層を設けても良い。該緩衝
層の効果としては下部電極502を構成する金属元素が
第1の導電型層503中へ拡散するのを防止するのみな
らず、若干の抵抗値をもたせることで半導体層を挟んで
設けられた下部電極502と透明電極506との間にピ
ンホール等の欠陥で発生するショートを防止すること、
及び薄膜による多重干渉を発生させ入射された光を光起
電力素子内に閉じ込めること等の効果を挙げることがで
きる。
【0070】(上部電極(透明電極))本発明において
用いられる透明電極506は、太陽や白色蛍光灯等から
の光を半導体層内に効率良く吸収させるために光の透過
率が85%以上であることが望ましく、さらに、電気的
には光起電力素子の出力に対して抵抗成分とならぬよう
にシート抵抗値は100Ω/□以下であることが望まし
い。このような特性を備えた材料として、SnO2,I
23,ZnO,CdO,Cd2SnO4,ITO(In
22+SnO2)等の金属酸化物や、Au、Al、Cu
等の金属を極めて薄く半透明状に成膜した金属薄膜等が
挙げられる。透明電極は、図9においては第2の導電型
層505層の上に積層されるため、互いの密着性の良い
ものを選ぶことが必要である。これらの作製方法として
は、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、スパッタ
リング法、スプレー法等を用いることができ、所望に応
じて適宜選択される。
【0071】(集電電極)本発明において用いられる集
電電極507は、透明電極506の表面低坑値を低減さ
せる目的で透明電極506上に設けられる。電極材料と
してはAg,Cr,Ni,Al,Ag,Au,Ti,P
t,Cu,Mo,W等の金属またはこれらの合金の薄膜
が挙げられる。これらの薄膜は積層させて用いることが
できる。また、半導体層への光入射光量が十分に確保さ
れるよう、その形状及び面積が適宜設計される。
【0072】例えば、その形状は光起電力素子の受光面
に対して一様に広がり、且つその面積は受光面積に対し
て好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下で
あることが望ましい。
【0073】また、シート抵抗値としては、好ましくは
50Ω/□以下、より好ましくは10Ω/□以下である
ことが望ましい。
【0074】(第1及び第2の導電型層)本発明の光起
電力素子における第1及び第2の導電型層に用いられる
材料としては、例えば周期律表第IV族の原子を1種ま
たは複数種から成る、非単結晶半導体が適する。また更
に、光照射側の導電型層は、微結晶化した半導体が最適
である。該微結晶の粒径は、好ましくは3nm〜20n
mで有り、最適には3nm〜10nmである。
【0075】第1または第2の導電型層の導電型がn型
の場合、第1または第2の導電型層に含有される添加物
としては、周期律表第Vb族の原子が適している。その
中でも特にリン(P)、窒素(N)、ひ素(As)、ア
ンチモン(Sb)が最適である。
【0076】第1または第2の導電型層の導電型がp型
の場合、第1または第2の導電型層に含有される添加物
としては、周期律表第IIIb族元素が適している。そ
の中でも特にホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガ
リウム(Ga)が最適である。
【0077】第1及び第2の導電型の層厚は、好ましく
は1nm〜50nm、最適には3nm〜10nmであ
る。
【0078】更に、光照射側の導電型層での光吸収をよ
り少なくするためには、i型層を構成する半導体のバン
ドギャップよりも大きなバンドギャップを有する半導体
層を用いることが好ましい、例えば、i型層がアモルフ
ァスシリコンの場合に光照射側の導電型層に非単結晶炭
化シリコンを用いるのが最適である。
【0079】(i型層)本発明の光起電力素子における
i型層に用いられる半導体材料としては、例えば周期律
表第IV族の原子を1種または複数種から成る、Si,
Ge,C,SiC,GeC,SiSn,GeSn,Sn
C等の半導体が挙げられる。III−V族化合物半導体
として、GaAs,GaP,GaSb,InP,InA
s等が、II−VI族化合物半導体としては、ZnS
e,ZnS,ZnTe,CdS,CdSe,CdTe等
が、I−III−VI族化合物半導体としては、CuA
lS 2,CuAlSe2,CuAlTe2,CuInS2
CuInSe2,CuInTe2,CuGAs2,CuG
aSe2,CuGaTe,AgInSe2,AgInTe
2等が、II−IV−V族化合物半導体としては、Zn
SiP2,ZnGeAs 2,CdSiAs2,CdSnP2
等が、酸化物半導体としては、Cu2O,TiO 2,In
23,SnO2,ZnO,CdO,Bi23,CdSn
4等がそれぞれ挙げられる。
【0080】また更に本発明において、i型層の層厚
は、本発明の光起電力素子の特性を左右する重要なパラ
メータである。i型層の好ましい層厚は100nm〜1
000nmであり、最適な層厚は200nm〜600n
mである。これらの層厚は、i型層及び界面層の吸光係
数や光源のスペクトルを考慮し上記範囲内で設計するこ
とが望ましいものである。
【0081】以下では、上述した光起電力素子を構成す
る各層を形成する材料、すなわち原料ガスとについて説
明する。本発明において、第1及び第2の導電型層、i
型層及び界面層を作製する、マイクロ波グロー放電分解
法に適した原料ガスとして次のものが挙げられる。
【0082】(Si供給用の原料ガス)本発明において
Si供給用の原料ガスとしては、例えばSiH4,Si2
6,Si38,Si410等のガス状態の、またはガス
化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるも
のとして挙げられる。殊に、層作成作業の扱い易さ、S
i供給効率の良さ等の点でSiH4,Si26が好まし
いものとして挙げられる。
【0083】(ハロゲン原子供給用の原料ガス)本発明
においてハロゲン原子供給用の原料ガスとしては、例え
ばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲン間化合物、ハ
ロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状態のまたは
ガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられる。
【0084】また、更には、シリコン原子とハロゲン原
子とを構成元素とするガス状態のまたはガス化し得る、
ハロゲン原子を含む珪素化合物も有効なものとして本発
明において挙げることができる。
【0085】本発明において好適に使用し得るハロゲン
化合物としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の
ハロゲンガス、BrF,ClF,ClF3,BrF5,B
rF 3,IF3,IF7,ICl,IBr等のハロゲン間
化合物を挙げることができる。
【0086】ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆる
ハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、例え
ばSiF4,Si26,SiCl4,SiBr4等のハロ
ゲン化珪素が好ましいものとして挙げることができる。
【0087】本発明においては、ハロゲン原子供給用の
原料ガスとして上記されたハロゲン化合物あるいはハロ
ゲン原子を含む弗素化合物が有効なものとして使用され
るものであるが、その他に、HF,HCl,HBr,H
I等のハロゲン化水素,SiH3F,SiH22,Si
HF3,SiH22,SiH2Cl2,SiHCl3,Si
2Br2,SiHBr3等のハロゲン置換水素化珪素、
これらのガス状態のあるいはガス化し得る、水素原子を
構成要素の1つとするハロゲン化物も有効な原料ガスと
して挙げることができる。
【0088】これらの水素原子を含むハロゲン化物は、
作製される層の中にハロゲン原子を供給すると同時に、
電気的あるいは光電的特性の制御に極めて有効な水素原
子も供給するので、本発明においては好適なハロゲン原
子供給用の原料ガスとして使用される。
【0089】(水素原子供給用の原料ガス)本発明にお
いて水素原子供給用の原料ガスとしては、上記のハロゲ
ン化水素やハロゲン置換水素化珪素などの他に、例えば
2、あるいはSiH4,Si26,Si38,Si4
10等の水素化珪素が挙げられる。
【0090】(ゲルマニウム原子供給用の原料ガス)本
発明においてゲルマニウム原子供給用の原料ガスとして
は、例えばGeH4,Ge26,Ge38,Ge410
Ge512,Ge614,Ge716,Ge818,Ge9
20等の水素化ゲルマニウムや、GeHF3,GeH2
2,GeH3F,GeHCl3,GeH2Cl2,GeH3
l,GeHBr3,GeH2Br2,GeH3Br,GeH
3,GeH22,GeH3I等の水素化ハロゲン化ゲル
マニウム等の水素原子を構成要素の1つとするハロゲン
化物、GeF4,GeCl4,GeBr4,GeI4,Ge
2,GeCl2,GeBr2,GeI2等のハロゲン化ゲ
ルマニウム等のゲルマニウム化合物が挙げられる。
【0091】(炭素原子供給用の原料ガス)本発明にお
いて炭素原子供給用の原料ガスとしては、炭素原子含有
化合物、例えば炭素数1〜4の飽和炭化水素、炭素数2
〜4のエチレン系炭化水素、炭素数2〜3のアセチレン
系炭化水素等が挙げられる。
【0092】飽和炭化水素としては、例えばメタン(C
4)、エタン(C26)、プロパン(C38)、n−
ブタン(n−C410)、ペンタン(C512)等が、エ
チレン系炭化水素としては、例えばエチレン(C
24)、プロピレン(C36)、ブテン−1(C
48)、ブテン−2(C48)、イソブチレン(C
48)、ペンテン(C510)等が、アセチレン系炭化
水素としては、例えばアセチレン(C2 2)、メチルア
セチレン(C34)、ブチン(C46)等が挙げられ
る。
【0093】また、SiとCとHとを構成原子とする原
料ガスとしては、例えばSi(CH 34、Si(C
244等のケイ化アルキルを挙げることができる。
【0094】第III族原子または第V族原子の含有さ
れる層を作製するのにグロー放電を用いる場合、該層作
製用の原料ガスとなる出発物質は、前記したシリコン原
子用の出発物質の中から適宜選択したものに、第III
族原子または第V族原子供給用の出発物質が加えられた
ものである。そのような第III族原子または第V族原
子供給用の出発物質としては、第III族原子または第
V族原子を構成原子とするガス状態の物質またはガス化
し得る物質をガス化したものであれば、いずれのもので
あってもよい。
【0095】(第III族原子供給用の出発物質)本発
明において第III族原子供給用の出発物質としては、
例えばホウ素原子供給用の場合、B26,B410,B5
9,B511,B610,B612,B61 4等の水素化
ホウ素、BF3,BCl3,BBr3等のハロゲン化ホウ
素等を挙げることができるが、この他AlCl3,Ga
Cl3,InCl3,TlCl3等も挙げることができ
る。
【0096】(第V族原子供給用の出発物質)本発明に
おいて第V族原子供給用の出発物質としては、例えば燐
原子供給用の場合、PH3,P24等の水素化燐、PH4
I,PF3,PF5,PCl3,PCl5,PBr3,PB
5,PI3等のハロゲン化燐等を挙げることができる
が、この他AsH3,AsF3,AsCl3,AsBr3
AsF5,SbH3,SbF3,SbF5,SbCl3,S
bCl5,BiH3,BiCl3,BiBr3,N2,N
3,H2NNH2,HN3,NH43,F3N,F42
も挙げることができる。
【0097】(酸素原子供給用ガス)本発明において酸
素原子供給用ガスとしては、例えば酸素(O2)、オゾ
ン(O3)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(N
2)、一二酸化窒素(N2O)、三二酸化窒素(N
23)、四二酸化窒素(N24)、五二酸化窒素(N2
5)、三酸化窒素(NO3)等、また、シリコン原子
(Si)と酸素原子(O)と水素原子(H)とを構成原
子とする例えば、ジシロキサン(H3SiOSiH3)、
トリシロキサン(H3SiOSiH2OSiH3)等の低
級シロキサン等も挙げることができる。
【0098】(窒素原子供給ガス)本発明において窒素
原子供給ガスとしては、例えば窒素(N2)、アンモニ
ア(NH3)、ヒドラジン(H2NNH2)、アジ化水素
(HN3)、アンモニウム(NH43)等のガス状のま
たはガス化し得る窒素、窒化物及びアジ化物等の窒素化
合物を挙げることができる。この他に、窒素原子の供給
に加えて、ハロゲン原子の供給も行えるという点から、
三弗化窒素(F3N)、四弗化窒素(F42)等のハロ
ゲン化窒素化合物を挙げることができる。
【0099】(II−VI族化物半導体を形成するため
に用いられる、周期律表第II族原子を含む化合物)本
発明においてII−VI族化物半導体を形成するために
用いられる、周期律表第II族原子を含む化合物として
は、例えばZn(CH32,Zn(C25 2,Zn
(OCH32,Zn(OC252,Cd(CH32
Cd(C252,Cd(C372,Cd(C
492,Hg(CH32,Hg(C252,Hg(C
652,Hg〔(C=(C65)〕2等が挙げられる。
また周期律表第VI族原子を含む化合物としては、例え
ばNO,N2O,CO2,CO,H2S,SCl2,S2
2,SOCl2,SeH2,SeCl2,Se2Br2,S
e(CH32,Se(C252,TeH,Te(C
32,Te(C252等が挙げられる。もちろん、
これらの原料物質は1種のみならず2種以上混合して使
用することもできる。
【0100】本発明において形成されるII−VI族化
合物半導体を価電子制御するために用いられる価電子制
御剤としては、周期律表I、III、IV、V族の原子
を含む化合物等を有効なものとして挙げることができ
る。具体的にはI族原子を含むものとしては、LiC3
7,Li(sec−C49),Li2S,Li3N等を
好適なものとして挙げることができる。
【0101】(III族原子を含む化合物およびV族原
子を含む化合物)本発明においてIII族原子を含む化
合物としては、例えばBX3,B25,B410,B
59,B511,B610,B(CH33,B(C25
3,B612,AlX3,Al(CH32Cl,Al(C
33,Al(OCH33,Al(CH3)Cl2,Al
(C253,Al(OC253,Al(CH33Cl
3,Al(i−C493,Al(i−C373,Al
(C373,Al(OC4 93,GaX3,Ga(O
CH33,Ga(OC253,Ga(OC37),G
a(OC493,Ga(CH33,Ga26,GaH
(C252,Ga(OC 25),Ga(C252,I
n(CH33,In(C473,In(C49 3
が、V族原子を含む化合物としては、例えばNH3,H
3,N253,N24,NH43,PX3,P(OC
3),P(OC253,P(C373,P(OC4
93,P(CH33,P(C253,P(C493
P(OCH3 3,P(OC253,P(OC253
P(OC373,P(OC493,P(SCN)3
24,PH3,AsH,AsH3,As(OCH33
As(OC253,As(OC373,As(OC4
93,As(CH33,As(C653,SbX3
Sb(OCH33,Sb(OC253,Sb(OC3
73,Sb(OC493,Sb(CH33,Sb(C3
73,Sb(C49 3等が挙げられる(但し、上記
におけるXはハロゲン原子、具体的には、F,Cl,B
r,Iから選ばれる少なくとも一つを表す)。もちろ
ん、これらの原料物質は1種のみならず2種以上混合し
て使用することもできる。
【0102】(III−V族化合物半導体を価電子制御
するために用いられる価電子制御剤)本発明において形
成されるIII−V族化合物半導体を価電子制御するた
めに用いられる価電子制御剤としては、周期律表II,
IV,VI族の原子を含む化合物等を有効なものとして
挙げることができる。II族原子を含む化合物として
は、例えばZn(CH32,Zn(C252,Zn
(OCH32,Zn(OC252,Cd(CH32
Cd(C252,Cd(C372,Cd(C
49 2,Hg(CH32,Hg(C252,Hg(C
652,Hg〔(C=(C6 5)〕2等を有効なものと
して挙げることができる。また、VI族原子を含む化合
物としては、例えばNO,N2O,CO2,CO,H
2S,SCl2,S2Cl2,SOCl2,SeH2,SeC
2,Se2Br2,Se(CH32,Se(C252
TeH,Te(CH32,Te(C252等が挙げら
れる。もちろん、これらの原料物質は1種のみならず2
種以上混合して使用することもできる。更にIV族原子
を含む化合物としては前述した化合物を挙げることがで
きる。
【0103】本発明において前述した原料化合物は、H
e,Ne,Ar,Kr,Xe,Rn等の希ガス、及びH
2,HF,HCl等の希釈ガスと混合して導入されても
良い。
【0104】(ガス導入手段を構成する材質)本発明に
おいて配設されるガス導入手段を構成する材質として
は、マイクロ波プラズマ中で損傷を受けることがないも
のが好適に用いられる。具体的には、ステンレススチー
ル、ニッケル、チタン、ニオブ、タンタル、タングステ
ン、バナジウム、モリブテン等の耐熱性金属、及びこれ
らをアルミナ、窒化ケイ素、石英等のセラミックス上に
溶射処理等したもの、そしてアルミナ、窒化ケイ素、石
英等のセラミックス単体、及び複合体で構成されるもの
等を挙げることができる。
【0105】
【実施例】以下、本発明の光起電力素子を連続的に製造
する方法の具体的実施例を示すが、本発明はこれらの実
施例によって何ら限定されるものではない。
【0106】(実施例1)図3に示した装置を用いて、
本発明の光起電力素子を連続的に作製する方法につい
て、手順に従って以下説明する。
【0107】(1)基板送り出し機構を有する真空容器
301に、十分に脱脂、洗浄を行い、下部電極として、
スパッタリング法により、銀薄膜を100nm、ZnO
薄膜を1μm蒸着してあるSUS430BA製帯状部材
104(幅120mm×長さ200m×厚さ0.13m
m)の巻きつけられたボビン303をセットし、該帯状
部材104をガスゲート、第1の導電型層作製用の真空
容器100n、i型層作製用の真空容器100、第2の
導電型層作製用の真空容器100pを介して、帯状部材
巻き取り機構を有する真空容器302まで通し、たるみ
のない程度に張力調整を行った。
【0108】(2)各真空容器301,100n,10
0,100p,303を、真空ポンプ(図示せず)で1
×10-6Torr以下まで真空引した。
【0109】(3)成膜前の加熱処理:ガスゲート12
9n,129,130,129pに、ゲートガス導入管
131n,131,132,132pよりゲートガスと
してH2を各々500sccm流し、ガス導入手段11
4n,114,115,116,114p(図1)より
それぞれHeを500sccm導入した。真空容器30
1,100n,100,100p,303nの内圧が、
それぞれ1.5Torrになる様に圧力計(図示せず)
を見ながらスロットルバルブ127n、127、127
pの開口を調整して、各真空容器301,100n,1
00,100p,302ごとに真空ポンプ(図示せず)
で排気した。その後、加熱用赤外線ランプヒーター12
4n,124,124pにより、帯状部材ならびに真空
容器内部材を各々400℃に加熱し、1時間この状態で
放置した。
【0110】(4)各真空容器301,100n,10
0,100p,302を、真空ポンプ(図示せず)で1
×10-6Torr以下まで真空引きした。
【0111】(5)成膜時の加熱処理:ガスゲート12
9n,129,130,129pにゲートガス導入管1
31n,131,132,132pよりゲートガスとし
てH 2を各々700sccm流し、加熱用赤外線ランプ
124n,124,124pにより帯状部材104を各
々350℃に加熱する。
【0112】(6)ガス導入手段114nより、SiH
4ガスを20sccm、PH3/H2(1%)ガスを20
0sccm、H2ガスを300sccm、ガス導入手段
114、115、116より、それぞれSiH4ガスを
150sccm、H2ガスを300sccm、ガス導入
手段114pより、SiH4ガスを10sccm、BF3
/H2(1%)ガスを50sccm、H2ガスを1000
sccm導入した。真空容器100n内の圧力は、30
mTorrとなるように圧力計(図示せず)を見ながら
スロットルバルブ127nの開口を調整した。真空容器
100内の圧力は、6mTorrとなるように圧力計
(図示せず)を見ながらスロットルバルブ127の開口
を調整した。真空容器100p内の圧力は、30mTo
rrとなるように圧力計(図示せず)を見ながらスロッ
トルバルブ127pの開口を調整した。
【0113】(7)マイクロ波電力をアプリケータ10
5n,105,106,107,105pに電力を導入
し、それぞれマイクロ波透過性歩材108n,108,
109,110,108pを通じて、マイクロ波電力を
600W,300W,300W,300W,1000W
導入し、次に、帯状部材104を図中の矢印の方向に1
m/minの速度で搬送させ、帯状部材上に第1の導電
型層、i型層、第2の導電型層を作製した。
【0114】(8)前記帯状部材の1ロール分を搬送さ
せた後、総てのプラズマ、総てのガスの供給、総てのラ
ンプヒーターの通電、搬送を停止した。次に、チャンバ
ーリーク用のN2ガスをチャンバーに導入し(導入用部
材は図示せず)大気圧に戻し、巻き取り用ボビン304
に巻き取られた前記帯状部材を取り出した。
【0115】(9)第2の導電型層上に、透明電極とし
て、ITO(In23+SnO2)を真空蒸着にて70
nm蒸着し、さらに集電電極として、Alを真空蒸着に
て2μm蒸着し、光起電力素子を作製した。
【0116】以上の光起電力素子の作製条件を表1に示
す。ここで、第1の導電型層はn型層、第2の導電型層
はp型層である。
【0117】
【表1】 (比較例1)本例では、帯状部材の搬送を開始する前の
加熱処理、すなわち成膜前の加熱処理において、以下の
3点が実施例1と異なる。
【0118】ゲートガス(H2)は流さず、各真空容
器にのみガス(He)を流した。
【0119】各真空容器の圧力設定を、1.5Tor
rから、30mTorrに代えた。
【0120】ガス排気を、各真空容器ごとから、排気
管310と311だけに代えた。
【0121】他の点は、実施例1と同様にして1ロール
の帯状部材上に光起電力素子を作製した。
【0122】実施例1及び、比較例1で得られた光起電
力素子をそれぞれ、1ロールの最初の60m部分と残り
の540m部分に分けてそれぞれについて、2mおきに
5cm角の面積で試料を切出し、その光電変換効率のバ
ラツキを評価した。評価は、AM−1.5(100mW
/cm2)光照射下に各試料を設置し、光電変換効率を
測定して、最初の60m部分と残りの540m部分ごと
に、その光電変換効率の平均値を求めた。
【0123】比較例1の最初の60m部分の平均値で、
他の部分を規格化した結果を表5−1に示す。この場
合、数値が高いほど、光電変換効率のバラツキは少ない
ことを意味する。
【0124】表5−1から、比較例1の最初の60m部
分の基準1に対し、残りの540m部分では1.05で
あり、また、実施例1については、最初の60m部分、
残りの540m部分ともに1.05であることが分か
る。従って、本発明による加熱工程は、1ロール成膜の
最初の60m部分、時間にして1時間分の光起電力素子
の光電変換効率のバラツキを減少させる効果を有するこ
とが確認された。
【0125】さらに、欠陥密度の比較評価を行った。こ
れは、実施例1及び、比較例1で得られた光起電力素子
をそれぞれ、1ロールの600mにわたって、2mおき
に5cm角の面積で試料を切出し、逆方向電流を測定
し、その平均値を求めて、欠陥密度の評価とした。
【0126】比較例1の平均値で規格化した結果を表5
−1に示す。この場合、数値が高い方が欠陥密度が低い
ことを意味する。
【0127】表5−1から、比較例1の600m部分の
基準1に対して、実施例1の600m部分は1.03で
あった。従って、本発明による加熱工程は、1ロール成
膜の600m部分、時間にして10時間分の光起電力素
子の欠陥密度を減少させる効果を有することが確認され
た。この結果から推測すると、比較例1の欠陥密度が高
かった原因は、成膜の初期の段階でプラズマに接する部
材の温度が低くかつ不安定であるため、これらの部材に
付着する膜が剥がれ易くなっており、この膜剥がれした
ものが、その後の光起電力素子の成膜に影響を及ぼし、
欠陥密度を高くしていたためと思われる。
【0128】(実施例2)本例では、実施例1が下部電
極の表面上に1組のpin接合を設けたのに代えて、2
組のpin接合を積層して用いた。このように、2組の
pin接合を積層した場合には、ダンデム型太陽電池と
呼ばれる。
【0129】他の点は、実施例1と同様とした。
【0130】上記のダンデム型太陽電池を作製する場
合、図3に示した堆積膜形成装置の第2の導電型層作製
用真空容器100pと真空容器302の間に、新たに第
1の導電型層作製用真空容器100n’と、i型層作製
用真空容器100’と、第2の導電型層作製用真空容器
100p’とを各ガスゲートを介して接続して増設した
装置を用いた。
【0131】第1のpin接合は、アモルファスシリコ
ンゲルマニウムで、また第2のpin接合はアモルファ
スシリコンでそれぞれi層を構成している。作製条件は
表2にまとめてしるす。
【0132】このタンデム型の太陽電池の作製は、2組
のpin接合を積層するが、成膜のための原料ガスを導
入するのに先だって実施した成膜前の加熱処理は、実施
例1と同様に行った。その他の作製条件は表2にまとめ
てしるす。ここで、第1の導電型層はn型層、第2の導
電型層はp型層である。また、積層順は表2の上欄より
下欄の順である。
【0133】
【表2】 (比較例2)本例では、帯状部材の搬送を開始する前の
加熱処理、すなわち成膜前の加熱処理において、以下の
3点が実施例2と異なる。
【0134】ゲートガス(H2)は流さず、各真空容
器にのみガス(He)を流した。
【0135】各真空容器の圧力設定を、1.5Tor
rから、30mTorrに代えた。
【0136】ガス排気を、各真空容器ごとから、排気
管310と311だけに代えた。
【0137】他の点は、実施例2と同様にして1ロール
の帯状部材上に光起電力素子を作製した。
【0138】実施例2及び、比較例2で得られた光起電
力素子をそれぞれ、1ロールの最初の60m部分と残り
の540m部分に分けてそれぞれについて、2mおきに
5cm角の面積で試料を切出し、その光電変換効率のバ
ラツキを評価した。評価は、AM−1.5(100mW
/cm2)光照射下に各試料を設置し、光電変換効率を
測定して、最初の60m部分と残りの540m部分ごと
に、その光電変換効率の平均値を求めた。
【0139】比較例2の最初の60m部分の平均値で、
他の部分を規格化した結果を表5−2に示す。この場
合、数値が高いほど、光電変換効率のバラツキは少ない
ことを意味する。
【0140】表5−2から、比較例2の最初の60m部
分の基準1に対し、残りの540m部分では1.04で
あり、また、実施例1については、最初の60m部分、
残りの540m部分ともに1.04であることが分か
る。従って、本発明による加熱工程は、1ロール成膜の
最初の60m部分、時間にして1時間分の光起電力素子
の光電変換効率のバラツキを減少させる効果を有するこ
とが確認された。
【0141】さらに、欠陥密度の比較評価を行った。こ
れは、実施例2及び比較例2で得られた光起電力素子を
それぞれ、1ロールの600mにわたって、2mおきに
5cm角の面積で試料を切出し、逆方向電流を測定し、
その平均値を求めて、欠陥密度の評価とした。
【0142】比較例2の平均値で規格化した結果を表5
−2に示す。この場合、数値が高い方が欠陥密度が低い
ことを意味する。
【0143】表5−2から、比較例2の600m部分の
基準1に対して、実施例2の600m部分は1.02で
あった。従って、本発明による加熱工程は、1ロール成
膜の600m部分、時間にして10時間分の光起電力素
子の欠陥密度を減少させる効果を有することが確認され
た。この結果から推測すると、比較例2の欠陥密度が高
かった原因は、比較例1の場合と同様に、成膜の初期の
段階でプラズマに接する部材の温度が低くかつ不安定で
あるため、これらの部材に付着する膜が剥がれ易くなっ
ており、この膜剥がれしたものが、その後の光起電力素
子の成膜に影響を及ぼし、欠陥密度を高くしていたため
と思われる。
【0144】(実施例3)本例では、帯状部材を搬送方
向に湾曲させた成膜空間を設けた。なお、湾曲させた成
膜空間は、後述する帯状部材の支持・搬送用ローラと、
支持・搬送用リングによって形成した。
【0145】他の点は、ほぼ実施例1と同様とした。
【0146】以下では、帯状部材を搬送方向に湾曲させ
ることで成膜空間を形成し、機能性堆積膜を作製する装
置について説明する。
【0147】図5は、本発明の光起電力素子製造装置に
おいて、帯状部材を搬送方向に湾曲させた成膜空間の一
実施例の模式的斜視図である。図6は、図5において、
帯状部材の幅方向の中央部における模式的断面図であ
る。図7は、本発明の光起電力素子製造装置の一実施例
の模式図である。
【0148】図5、図6及び図7において201(10
4)は帯状部材であり、支持・搬送用ローラ202,2
03、及び支持・搬送用リング204、205によって
円柱状に湾曲した形状を保ちながら、図中矢印(→)方
向に搬送され、成膜空間216を連続的に形成する。2
06a乃至206eは帯状部材201(104)を加
熱、または冷却するための温度制御機構であり、それぞ
れ独立に温度制御がなされる。本装置でアプリケータ2
07,208は一対対向して設けられており、その先端
部分にはマイクロ波透過性部材209,210がそれぞ
れ設けられていて、また、方形導波管211,212が
それぞれ支持・搬送用ローラの中心軸を含む面に対しそ
の長辺を含む面が垂直とならないよう、且つ、お互いに
長辺を含む面が平行とならないよう配設されている。な
お、図5において、説明のためにアプリケータ207は
支持・搬送用リング204から切り離した状態を示して
あるが、堆積膜形成時には、図中矢印の方向に配設され
る。
【0149】213a,213b,213cはガス導入
手段であり、それぞれ不図示のガス供給設備により原料
ガスが成膜空間に導入される。支持・搬送用ローラー2
02,203には、搬送速度検出機構(図示せず)、張
力検出調整機構(図示せず)が内蔵され、帯状部材20
1(104)の搬送速度を一定に保つとともに、その湾
曲形状が一定に保たれる。
【0150】図7は、図5の成膜空間を第1の導電型層
作製用の真空容器200n、i型層作製用の真空容器2
00、第2の導電型層作製用の真空容器200pに適用
して、機能性堆積膜を連続的に形成する装置である。帯
状部材201(104)の送り出し及び巻き取り用の真
空容器301及び302には、303の帯状部材104
の送り出し用ボビン、304の帯状部材104の巻き取
り用ボビンが配設されている。そして、図中矢印方向に
帯状部材が搬送される。もちろんこれは逆転させて搬送
することもできる。また、真空容器303,304中に
は帯状部材201(104)の表面保護用に用いられる
合紙の巻き取り、及び送り込み手段を配設しても良い。
前記合紙の材質としては、耐熱性樹脂であるポリイミド
系、テフロン系及びグラスウール等が好適に用いられ
る。305,306は張力調整及び帯状部材の位置出し
を兼ねた搬送用ローラーであり、314,315は圧力
計である。マイクロ波アプリケータは、先に説明したも
のと同一のもの(図4)である。
【0151】以下では、帯状部材を搬送方向に湾曲させ
ることで成膜空間を形成し、機能性堆積膜を作製する装
置を用いた成膜方法について手順に従って説明する。
【0152】(1)基板送り出し機構を有する真空容器
301に、十分に脱脂、洗浄を行い、下部電極として、
スパッタリング法により、銀薄膜を100nm、ZnO
薄膜を1μm蒸着してあるSUS430BA製帯状部材
104(幅120mm×長さ200m×厚さ0.13m
m)の巻きつけられたボビン303をセットし、該帯状
部材104をガスゲート、各層作製用真空容器200
n,200,200pを介して、帯状部材巻き取り機構
を有する真空容器302まで通し、たるみのない程度に
張力調整を行った。
【0153】(2)各真空容器301,302,200
n,200,200pを、真空ポンプ(図示せず)で1
×10-6Torr以下まで真空引きした。
【0154】(3)成膜前の加熱処理:ガスゲート12
9n,129,130,129pにゲートガス導入管1
31n,131,132,131pよりゲートガスとし
てH 2を各々500sccm流し、ガス導入手段213
n,213a,213b,213c,213p(図7)
よりそれぞれHeを500sccm導入した。真空容器
301,200n,200,200p,302の内圧
が、それぞれ1.5Torrになるように圧力計(図示
せず)を見ながらスロットルバルブ309n,309,
309pの開口を調整して、各真空容器301,200
n,200,200p,302ごとに真空ポンプ(図示
せず)で排気した。その後、加熱用赤外線ランプヒータ
ー206na,206nb,206a,206b,20
6pa,206pbにより、帯状部材ならびに真空容器
内部材を各々400℃に加熱し、1時間この状態で放置
した。
【0155】(4)各真空容器301,200n,20
0,200p,302を、真空ポンプ(図示せず)で1
×10-6Torr以下まで真空引きした。
【0156】(5)成膜時の加熱処理:ガスゲート12
9n,129,130,129pにゲートガス導入管1
31n,131,132,131pよりゲートガスとし
てH 2を各々700sccm流し、加熱用赤外線ランプ
ヒーター206na,206nb,206a,206
b,206pa,206pbにより、帯状部材104を
各々350℃に加熱する。
【0157】(6)ガス導入手段213nよりSiH4
ガスを40sccm、PH3/H2(1%)ガスを200
sccm、H2ガスを600sccm、ガス導入手段管
213a,213b,213cより、トータルでSiH
4ガスを400sccm、H2ガスを600sccm、ガ
ス導入手段213pより、SiH4ガスを20scc
m、BF3(1%)ガスを100sccm、H2ガスを2
000sccm導入した。真空容器200n内の圧力
は、40mTorrとなるように圧力計(図示せず)を
見ながらコンダクタンス調整用のスロットルバルブ30
9nの開口を調整した。真空容器200内の圧力は、5
mTorrとなるように圧力計(図示せず)を見ながら
コンダクタンスバルブ309の開口を調整した。真空容
器200p内の圧力は、40mTorrとなるように圧
力計(図示せず)を見ながらスロットルバルブ309p
の開口を調整した。
【0158】(7)マイクロ波電力を各真空容器に接続
されたアプリケータ207n,208n,207,20
8,207p,208pに、マイクロ波透過性部材を通
して、それぞれマイクロ波電力を800W,800W,
500W,500W,800W,800W導入し、次
に、帯状部材104を図中の矢印の方向に1m/min
の速度で搬送させ、帯状部材上に第1の導電型層、i型
層、第2の導電型層を作製した。
【0159】(8)前記帯状部材の1ロール分を搬送さ
せた後、総てのプラズマ、総てのガスの供給、総てのラ
ンプヒーターの通電、搬送を停止した。次に、チャンバ
ーリーク用のN2ガスをチャンバーに導入し(導入用部
材は図示せず)大気圧に戻し、巻き取り用ボビン304
に巻き取られた前記帯状部材を取り出した。
【0160】(9)第2の導電型層上に、透明電極とし
て、ITO(In23+SnO2)を真空蒸着にて70
nm蒸着し、さらに集電電極として、Alを真空蒸着に
て2μm蒸着し、光起電力素子を作製した。
【0161】以上の、光起電力素子の作製条件を表3に
示す。ここで、第1の導電型層はn型層、第2の導電型
層はp型層である。また、積層順は表3の上欄より下欄
の順である。
【0162】
【表3】 (比較例3)本例では、帯状部材の搬送を開始する前の
加熱処理、すなわち成膜前の加熱処理において、以下の
3点が実施例3と異なる。
【0163】ゲートガス(H2)は流さず、各真空容
器にのみガス(He)を流した。
【0164】各真空容器の圧力設定を、1.5Tor
rから、30mTorrに代えた。
【0165】ガス排気を、各真空容器ごとから、排気
管310と311だけに代えた。
【0166】他の点は、実施例3と同様にして1ロール
の帯状部材上に光起電力素子を作製した。
【0167】実施例3及び、比較例3で得られた光起電
力素子をそれぞれ、1ロールの最初の60m部分と残り
の540m部分に分けてそれぞれについて、2mおきに
5cm角の面積で試料を切出し、その光電変換効率のバ
ラツキを評価した。評価は、AM−1.5(100mW
/cm2)光照射下に各試料を設置し、光電変換効率を
測定して、最初の60m部分と残りの540m部分ごと
に、その光電変換効率の平均値を求めた。
【0168】比較例3の最初の60m部分の平均値で、
他の部分を規格化した結果を表5−3に示す。この場
合、数値が高いほど、光電変換効率のバラツキは少ない
ことを意味する。
【0169】表5−3から、比較例3の最初の60m部
分の基準1に対し、残りの540m部分では1.03で
あり、また、実施例3については、最初の60m部分、
残りの540m部分ともに1.03であることが分か
る。従って、本発明による加熱工程は、1ロール成膜の
最初の60m部分、時間にして1時間分の光起電力素子
の光電変換効率のバラツキを減少させる効果を有するこ
とが確認された。
【0170】さらに、欠陥密度の比較評価を行った。こ
れは、実施例3及び、比較例3で得られた光起電力素子
をそれぞれ、1ロールの600mにわたって、2mおき
に5cm角の面積で試料を切出し、逆方向電流を測定
し、その平均値を求めて、欠陥密度の評価とした。
【0171】比較例3の平均値で規格化した結果を表5
−3に示す。この場合、数値が高い方が欠陥密度が低い
ことを意味する。
【0172】表5−3から、比較例3の600m部分の
基準1に対して、実施例3の600m部分は1.02で
あった。従って、本発明による加熱工程は、1ロール成
膜の600m部分、時間にして10時間分の光起電力素
子の欠陥密度を減少させる効果を有することが確認され
た。この結果から推測すると、比較例3の欠陥密度が高
かった原因は、比較例1の場合と同様に、成膜の初期の
段階でプラズマに接する部材の温度が低くかつ不安定で
あるため、これらの部材に付着する膜が剥がれ易くなっ
ており、この膜剥がれしたものが、その後の光起電力素
子の成膜に影響を及ぼし、欠陥密度を高くしていたため
と思われる。
【0173】(実施例4)本例では、第1の導電型層と
第2の導電型層を形成する手段として、実施例1のアプ
リケータに代えて、カソード電極を用いた。また、成膜
時にSiH4ガスなどを流す場合、同時にガスゲートに
もH2ガスを流した。
【0174】他の点は、ほぼ実施例1と同様とした。
【0175】以下では、図8に示した本例で用いた成膜
装置に基づいて、本例の成膜方法を手順に従って説明す
る。
【0176】(1)基板送り出し機構を有する真空容器
301に、十分に脱脂、洗浄を行い、下部電極として、
スパッタリング法により、銀薄膜を100nm、ZnO
薄膜を1μm蒸着してあるSUS430BA製帯状部材
104(幅120mm×長さ200m×厚さ0.13m
m)の巻きつけられたボビン303をセットし、該帯状
部材104をガスゲート、第1の導電型層作製用の真空
容器601、i型層作製用の真空容器100、第2の導
電型層作製用の真空容器602を介して、帯状部材巻き
取り機構を有する真空容器302まで通し、たるみのな
い程度に張力調整を行った。
【0177】(2)各真空容器301,601,10
0,602,302を、真空ポンプ(図示せず)で1×
10-6Torr以下まで真空引きした。
【0178】(3)成膜前の加熱処理:ガスゲート12
9n,129,130,129pにゲートガス導入管1
31n,131,132,131pよりゲートガスとし
てH 2を各々500sccm流し、ガス導入手段60
5,102a,102b,102c,606(図8)よ
りそれぞれHeを500sccm導入した。真空容器3
01,601,100,602,302の内圧が、それ
ぞれ1.5Torrになるように圧力計(図示せず)を
見ながらスロットルバルブ127n,127,127p
の開口を調整して、各真空容器301,601,10
0,602,302ごとに真空ポンプ(図示せず)で排
気した。その後、加熱用赤外線ランプヒーター124
n,124,124pにより、帯状部材ならびに真空容
器内部材を各々400℃に加熱し、1時間この状態で放
置した。
【0179】(4)各真空容器301,601,10
0,602,302を、真空ポンプ(図示せず)で1×
10-6Torr以下まで真空引きした。
【0180】(5)成膜時の加熱処理:ガスゲート12
9n,129,130,129pにゲートガス導入管1
31n,131,132,131pよりゲートガスとし
てH 2を各々700sccm流し、加熱用赤外線ランプ
ヒーター124n,124,124pにより、帯状部材
104を各々350℃に加熱する。
【0181】(6)ガスゲート129n,129,13
0,129pに、ゲートガス導入管131n,131,
132,131pよりゲートガスとしてH2をそれぞれ
500sccm流すと同時に、ガス導入手段605よ
り、SiH4ガスを200sccm、PH3/H2(1
%)ガスを600sccm、H2ガスを1200scc
m、ガス導入手段114a,114b,114cより、
それぞれSiH4ガスを200sccm、H2ガスを30
0sccm、ガス導入手段606より、SiH4ガスを
20sccm、BF3/H2(1%)ガスを100scc
m、H2ガスを1000sccm導入した。真空容器6
01内の圧力は、1Torrとなるように圧力計(図示
せず)を見ながらスロットルバルブ(図示せず)の開口
を調整した。真空容器100内の圧力は、6mTorr
となるように圧力計(図示せず)を見ながらスロットル
バルブ127の開口を調整した。真空容器602内の圧
力は、1Torrとなるように圧力計(図示せず)を見
ながらスロットルバルブ(図示せず)の開口を調整し
た。
【0182】(7)RF電力をカソード電極603と6
04に、それぞれ200W,1000W、また、マイク
ロ波電力をアプリケータ104aと104bと104c
に、それぞれ300W,300W,300W導入し、次
に、帯状部材104を図中の矢印の方向に1m/min
の速度で搬送させ、帯状部材上に第1の導電型層、i型
層、第2の導電型層を作製した。
【0183】(8)前記帯状部材の1ロール分を搬送さ
せた後、総てのプラズマ、総てのガスの供給、総てのラ
ンプヒーターの通電、搬送を停止した。次に、チャンバ
ーリーク用のN2ガスをチャンバーに導入し、(導入用
部材は図示せず)大気圧に戻し、巻き取り用ボビン30
4に巻き取られた前記帯状部材を取り出した。
【0184】(9)第2の導電型層上に、透明電極とし
て、ITO(In23+SnO2)を真空蒸着にて70
nm蒸着し、さらに集電電極として、Alを真空蒸着に
て2μm蒸着し、光起電力素子を作製した(素子No.
実4)。
【0185】以上の光起電力素子の作製条件を表4に示
す。ここで、第1の導電型層はn型層、第2の導電型層
はp型層である。また、積層順は表4の上欄より下欄の
順である。
【0186】
【表4】 (比較例4)本例では、帯状部材の搬送を開始する前の
加熱処理、すなわち成膜前の加熱処理において、以下の
3点が実施例4と異なる。
【0187】ゲートガス(H2)は流さず、各真空容
器にのみガス(He)を流した。
【0188】各真空容器の圧力設定を、1.5Tor
rから、30mTorrに代えた。
【0189】ガス排気を、各真空容器ごとから、排気
管310と311だけに代えた。
【0190】他の点は、実施例4と同様にして1ロール
の帯状部材上に光起電力素子を作製した。
【0191】実施例4及び、比較例4で得られた光起電
力素子をそれぞれ、1ロールの最初の60m部分と残り
の540m部分に分けてそれぞれについて、2mおきに
5cm角の面積で試料を切出し、その光電変換効率のバ
ラツキを評価した。評価は、AM−1.5(100mW
/cm2)光照射下に各試料を設置し、光電変換効率を
測定して、最初の60m部分と残りの540m部分ごと
に、その光電変換効率の平均値を求めた。
【0192】比較例4の最初の60m部分の平均値で、
他の部分を規格化した結果を表5−4に示す。この場
合、数値が高いほど、光電変換効率のバラツキは少ない
ことを意味する。
【0193】表5−4から、比較例4の最初の60m部
分の基準1に対し、残りの540m部分では1.05で
あり、また、実施例3については、最初の60m部分、
残りの540m部分ともに1.05であることが分か
る。従って、本発明による加熱工程は、1ロール成膜の
最初の60m部分、時間にして1時間分の光起電力素子
の光電変換効率のバラツキを減少させる効果を有するこ
とが確認された。
【0194】さらに、欠陥密度の比較評価を行った。こ
れは、実施例4及び、比較例4で得られた光起電力素子
をそれぞれ、1ロールの600mにわたって、2mおき
に5cm角の面積で試料を切出し、逆方向電流を測定
し、その平均値を求めて、欠陥密度の評価とした。
【0195】比較例4の平均値で規格化した結果を表5
−4に示す。この場合、数値が高い方が欠陥密度が低い
ことを意味する。
【0196】表5−4から、比較例4の600m部分の
基準1に対して、実施例4の600m部分は1.03で
あった。従って、本発明による加熱工程は、1ロール成
膜の600m部分、時間にして10時間分の光起電力素
子の欠陥密度を減少させる効果を有することが確認され
た。この結果から推測すると、比較例4の欠陥密度が高
かった原因は、比較例1の場合と同様に、成膜の初期の
段階でプラズマに接する部材の温度が低くかつ不安定で
あるため、これらの部材に付着する膜が剥がれ易くなっ
ており、この膜剥がれしたものが、その後の光起電力素
子の成膜に影響を及ぼし、欠陥密度を高くしていたため
と思われる。
【0197】
【表5】
【0198】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光起電力
素子の作製方法を用いることにより、大面積にわたっ
て、光電変換効率が均一であり、かつ欠陥の少ない光起
電力素子を大量に再現良く生産することが可能となる。
【0199】また、本発明によれば、チャンバーベーキ
ング時間の短縮化が図れ、光起電力素子を生産する装置
の稼動率向上が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1に係る光起電力素子製造装置
において、i型層作製用容器の一実施例の模式図であ
る。
【図2】図2は、実施例1に係る光起電力素子製造装置
において、n型層もしくはp型層作製用容器の一実施例
の模式図である。
【図3】図3は、実施例1に係る光起電力素子製造装置
の一実施例の模式図である。
【図4】図4は、本発明のマイクロ波アプリケータの概
念的模式図である。
【図5】図5は、実施例3に係る光起電力素子製造装置
において、帯状部材を搬送方向に湾曲させた成膜空間の
一実施例の模式的斜視図である。
【図6】図6は、図5において、帯状部材の幅方向の中
央部における模式的断面図である。
【図7】図7は、実施例3に係る光起電力素子製造装置
の一実施例の模式図である。
【図8】図8は、実施例4に係る光起電力素子製造装置
の一実施例の模式図である。
【図9】図9は、本発明の光起電力素子の構成を示す模
式的断面図である。
【図10】図10は、本発明の光起電力素子の構成を示
す他の模式的断面図である。
【符号の説明】
100,100n,100p,301,302 真空容
器、 101 i型層作製用容器、 101n 第1の導電型層作製用の成膜容器、 101p 第2の導電型層作製用の成膜容器、 102,102n,102p,103,140 成膜空
間、 104 帯状部材、 105,105a,105b,105c,105n,1
05p,106,107 アプリケータ、 108,108n,108p,109,110 マイク
ロ波透過性部材、 111,111n,111p,112,113 導波
管、 114,114n,114p,115,116 ガス導
入手段、 117,117n,117p,118,119 ガス供
給管、 120,120n,120p,121,122 排気パ
ンチングボード、 123,123n,123p ランプハウス、 124,124n,124p 赤外線ランプヒータ、 125,125n,125p,126 排気管、 127,127n,127p,128 排気スロットル
バルブ、 129,129n,129p,130,311,312
ガスゲート、 131,131n,131p,132n,132p,1
32 ゲートガス給管、 133,133n,133p 排気管、 134,134n,134p 熱電対、 200 i型層作製用真空容器、 200n 第1の導電型層作製用真空容器、 200p 第2の導電型層作製用真空容器、 201 帯状部材、 202n,202p,202,203,202p,20
3p 搬送用ローラー、 204n,205n,204,205,204p,20
5p 搬送用リング、 206na,206nb,206a〜e,206pa,
206pb 温度調整機構、 207n,208n,207,208,207p,20
8p アプリケータ、 209n,210n,209,210,209p,21
0p マイクロ波透過性部材、 211n,212n,211,212,211p,21
2p 方形導波管、 213a,213b,213c,213n,213p
ガス導入手段、 214 排気管、 215a,215b 隔離通路、 216 成膜空間、 303 送り出し用ボビン、 304 巻き取り用ボビン、 305,306 搬送用ローラー、 307,308,309,309a,309b スロッ
トルバルブ、 310,311 排気管、 312,313 温度調整機構、 314,315 圧力計、 400 マイクロ波アプリケータ、 401,402 マイクロ波透過性部材、 403a,403b マイクロ波整合用円板、 404 円筒、 405 外筒、 406 固定用リング、 407 チョークフランジ、 408 方形導波管、 409 冷却媒体、 410 Oリング、 411 溝、 412 メタルシール、 413,414 冷却空気導入・排気孔、 420,421,422,423 排気管、 501 帯状部材、 502 下部電極、 503 第1の導電型層(n型半導体層)、 504 i型半導体層、 505 第2の導電型層(p型半導体層)、 506 上部電極、 507 集電電極、 508 第1のpin接合光起電力素子、 509 第2のpin接合光起電力素子、 510 第3のpin接合光起電力素子、 511 タンデム型光起電力素子、 512 トリプル型光起電力素子、 513 排気管、 600,601,602 真空容器、 603,604 カソード電極、 605,606 ガス導入管、 607,608 排気管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/205

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状部材が複数の成膜空間の中を連続的
    に通過するとき、プラズマCVD法により該帯状部材の
    表面上に複数の異なる薄膜を積層形成してなる光起電力
    素子の作製方法において、前記帯状部材の表面上に複数
    の異なる薄膜を積層形成する前に、前記複数の成膜空間
    の中にH2,He,Ne,Ar,Xe及びKrのうち少
    なくとも1種類のガスを導入し、該ガスの圧力を成膜圧
    力より高く設定して、前記複数の成膜空間より該ガスを
    排気しつつ、前記複数の成膜空間内の部材を加熱処理す
    る工程を設けることを特徴とする光起電力素子の作製方
    法。
JP6198844A 1994-08-23 1994-08-23 光起電力素子の作製方法 Pending JPH0864847A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007294778A (ja) * 2006-04-27 2007-11-08 Japan Science & Technology Agency GeSn半導体デバイスの製造方法

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