JPH086556B2 - 自由断面シールド機 - Google Patents

自由断面シールド機

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JPH086556B2
JPH086556B2 JP25984489A JP25984489A JPH086556B2 JP H086556 B2 JPH086556 B2 JP H086556B2 JP 25984489 A JP25984489 A JP 25984489A JP 25984489 A JP25984489 A JP 25984489A JP H086556 B2 JPH086556 B2 JP H086556B2
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昌平 千田
正巳 小崎
利則 朝日
泰造 福永
守順 竹村
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Kobe Steel Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、円形に限らず、所望の断面形状のトンネル
を連続して掘削することができる自由断面シールド機に
関するものである。
〔従来の技術〕
従来、上記のようなシールド機として種々のものが提
案され、実施されている。一般には、シールド機本体の
前面に配置したカッタを、このシールド機の中心軸回り
に回転させることにより、シールド機の推進方向前面を
掘削し、この掘削した分だけシールド機を推進させてセ
グメントリングを継足すことにより掘り進むといったも
のが用いられている。
また、特開昭59−102090号公報には、上記シールド機
によって掘削したトンネル内の一部区間に退避部や駅部
などの拡径部を形成するための拡大シールド工法が開示
されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来のシールド工法やシールド機は、前面カッタの回
転により掘削するものであるため、掘削断面形状は円形
に限られ、それ以外の異形断面形状のトンネルを掘削す
ることは困難である。これに対し、下水道、電力線、地
下鉄のトンネル等、実際に必要とされる横断面形状は円
形以外のものが大半であるため、従来は、このような異
形断面形状を包含する大きな円形断面の掘削を行わねば
ならず、余分な掘削作業と、その掘削ずりの処理作業と
が必要とされている。このような余分な作業は、地下鉄
のトンネルのように大口径断面となる程、トンネル築造
コストに与える影響が大きく、シールド工法適用に際し
ての制約ともなっている。
この問題に対し、上述の公報に示される発明は、一旦
トンネルを通常径で掘削してセグメントリングを組立て
た後、対象部分のセグメントリングを取外して半径方向
に特殊掘削作業を行うことにより上記拡径部などを部分
的に形成するものであり、円形以外の所望形状の断面を
連続して掘削するものではない。
本発明は、このような事情に鑑み、円形に限らず所望
の断面形状のトンネルを連続して掘削することができる
シールド機を提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、シールド機本体と、このシールド機本体に
その推進方向に延びる軸回りに回転可能に支持された回
転体と、この回転体の前面に固定されたメインカッタ
と、このメインカッタおよび上記回転体を回転駆動する
メインカッタ駆動手段と、上記回転体にこの回転体に対
して放射方向にスライド可能に取付けられたスライド部
材と、このスライド部材に回転可能に取付けられたサブ
カッタと、上記回転体に設けられ、この回転体の回転を
上記サブカッタの回転に変換する駆動変換機構と、上記
メインカッタの回転中にこのメインカッタの掘削領域の
周囲の所望の掘削領域をサブカッタが掘削しながら公転
するようにスライド部材のスライド作動を制御する作動
制御手段とを備えたものである(請求項1)。
また本発明は、シールド機本体と、このシールド機本
体にその推進方向に延びる軸回りに回転可能に支持され
た回転体と、この回転体の前面に固定されたメインカッ
タと、このメインカッタおよび上記回転体を回転駆動す
るメインカッタ駆動手段と、上記回転体にこの回転体に
対して放射方向にスライド可能に取付けられたスライド
部材と、このスライド部材に回転可能に取付けられたサ
ブカッタと、上記回転体に設けられ、各サブカッタを回
転駆動するサブカッタ駆動手段と、上記メインカッタの
回転中にこのメインカッタの掘削領域の周囲の所望の掘
削領域をサブカッタが掘削しながら公転するようにスラ
イド部材のスライド作動を制御する作動制御手段とを備
えたものである(請求項2)。
〔作用〕
上記構成によれば、メインカッタ駆動手段によりメイ
ンカッタが回転駆動されることによって、掘削前面であ
る切羽の中央部分が掘削される。さらに、このメインカ
ッタの回転中、作動制御手段の制御下でスライド部材が
メインカッタに対して放射方向にスライドすることによ
り、サブカッタが特有の軌跡を描いて公転し、かつ請求
項1記載の駆動変換機構の作用で、あるいは請求項2記
載のサブカッタ回転駆動手段の作動でサブカッタが回転
駆動されることにより、上記切羽の外周部が掘削され、
全体として所望の断面形状の掘削が行われる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1実施例(第1図〜第5図) 第1図および第2図に示されるシールド機は、角筒形
状のスキンプレート(シールド機本体)1を備え、この
スキンプレート1の前端部(第2図では左端部)にカッ
タケーシング(回転体)2が設けられている。
このカッタケーシング2の前面には、第1図に示され
るような正面視十字状のメインカッタ(カッタアーム)
3が固定されている。このメインカッタ3には複数の刃
3aが配設され、このメインカッタ3の各先端部同士はカ
ッタリング6で連結されている。
このメインカッタ3の各先端部の近傍の位置には、前
面に刃4aをもつ複数(この実施例では計4つ)のサブカ
ッタ4が配設され、これらのサブカッタ4はスライド部
材5を介してカッタケーシング2の外周部に支持されて
いる。また、メインカッタ3の各先端部には、上記サブ
カッタ4との干渉を避けるための切欠3bが設けられてい
る。
第2図に示されるように、上記カッタケーシング2の
後端部は、スキンプレート1の内面に設けられた隔壁1a
に大軸受7を介して支持されている。この大軸受7は、
ラジアル荷重、スラスト荷重、およびモーメント荷重を
支えるものであり、この大軸受7によって、カッタケー
シング2は上記スキンプレート1の中心軸(推進方向に
延びる軸)Gを中心に回転可能に支承されている。ま
た、上記隔壁1aの後面には内歯をもつリングギヤ8が固
定されている。
なお、第2図では1つのサブカッタ4のみを示し、他
のサブカッタ4の図示を省略している。また、同図にお
いて48は、スキンプレート1の前部にあるチェンバ1b内
の土砂が後方に流入するのを防ぐためのシールである。
上記カッタケーシング2の後方では、スキンプレート
1の内壁面に設けられたブラケット1cに保持板40が固定
され、この保持板40にカッタ駆動モータ(メインカッタ
駆動手段)41が固定されている。このカッタ駆動モータ
41の駆動軸にはピニオン42が固定され、カッタケーシン
グ2の後端部には大歯車43が固定されており、両者が噛
合されている。従って、上記カッタ駆動モータ41の作動
によって、カッタケーシング2およびメインカッタ3は
一体に回転駆動される。
第3図は、上記カッタケーシング2およびスライド部
材5の内部構造を示したものである。まず、この構造に
おいて、カッタケーシング2の回転をサブカッタ4の回
転に変換する駆動変換機構Cについて説明する。
上記スライド部材5は、中空状のスライドパイプ9
と、このスライドパイプ9内の中空ロッド10とからなる
二重構造とされ、両者は一体に固定されている。そし
て、上記スライドパイプ9がすべり軸受11を介して上記
カッタケーシング2に支持されており、スライド部材5
全体がカッタケーシング2に対して放射方向(第1〜3
図の矢印Aの方向)に移動可能となっている。
上記中空ロッド10内には、中間回転軸12および中空回
転軸13が回転可能に収納されている。
中間回転軸12の基端部(第3図では下端部)は、上記
中空回転軸13にスプライン14によって相対回転不能かつ
スライド可能に結合されている。また先端部(第3図で
は上端部)は、カッタケーシング2に固定された軸受15
によって回転可能に支持されるとともに、この支持部分
よりも内側の部分にかさ歯車16が固定されている。
一方、カッタケーシング2の先端部には軸受17が固定
され、この軸受17によって上記サブカッタ4の回転軸18
が回転可能に支持されており、この回転軸18の後端部
に、上記かさ歯車16と噛合うかさ歯車19が固定されてい
る。
中空回転軸13の基端部には、かさ歯車20が固定され、
これよりもさらに外側の部分が、カッタケーシング2の
ブラケット2aに固定された軸受21によって回転可能に支
持されている。
これに対し、カッタケーシング2内には、シールド機
推進方向に延びるサブカッタ駆動軸23が軸受22を介して
回転可能に支持され、このサブカッタ駆動軸23の前端部
に、上記かさ歯車20と噛合うかさ歯車24が固定されてい
る。同駆動軸23の後端部は、カッタケーシング2の外部
に突出し、この突出端部に、第2図に示されるようなサ
ブカッタ回転用ピニオン25が固定されており、このサブ
カッタ回転用ピニオン25が上記リングギヤ8に噛合され
ている。
上述のように、このリングギヤ8はスキンプレート1
側に固定されているので、カッタケーシング2が回転す
ることにより、上記リングギヤ8と噛合うサブカッタ回
転用ピニオン25が回転し、その回転が順次、サブカッタ
駆動軸23、かさ歯車24,20、中空回転軸13、中間回転軸1
2、およびかさ歯車16,19を介してサブカッタ4の回転軸
18に伝達され、この回転軸18と一体にサブカッタ4が回
転することとなる。
次に、第3図の構造において、スライド部材5を放射
方向にスライド作動させるための手段について説明す
る。
上記スライド部材5の中空ロッド10の基端部は、カッ
タケーシング2にピン26で固定された油圧シリンダ27内
に収納されている。この油圧シリンダ27の先端部には、
内側方向に突出する突条27aが形成され、上記中空ロッ
ド10の先端部には外側方向に突出する突条10aが形成さ
れており、両突条10a,27aの間に引き側油圧室28が形成
され、突条10aと油圧シリンダ27の底壁との間に押し側
油圧室29が形成されている。そして、上記引き側油圧室
28に油圧パイプ30を介して圧力油が供給されることによ
り、中空ロッド10およびスライドパイプ9が一体にカッ
タケーシング2内に没入し、逆に押し側油圧室29に油圧
パイプ31を介して圧力油が供給されることにより、中空
ロッド10およびスライドパイプ9が一体にカッタケーシ
ング2から突出するようになっている。
第4図は、上記油圧室28,29内に圧力油を供給するた
めの油圧回路の一例を示したものである。
図において、32は第2図にも示されるロータリジョイ
ント、33はサーボ弁、34はタンク、35は油圧ポンプ、3
6,37は切換用ソレノイドである。ここで、スライド部材
5を一定位置に保持したい場合には、サーボ弁33を図の
位置にシフトし、スライド部材5を引込む場合にはソレ
ノイド36、スライド部材5を押出す場合にはソレノイド
37を各々励磁するようにすればよい。
さらに、このシールド機の内部には、第5図に示され
るような駆動制御系(作動制御手段)が設けられ、この
駆動制御系によって、上記圧力油の供給が制御されるよ
うになっている。
図において、メインカッタ回転位置検出器90は、メイ
ンカッタ3の基準回転位置、すなわちカッタケーシング
2の基準回転位置を適当な位置(例えば第1図の位置)
に定め、この基準回転位置に対するメインカッタ3の回
転変位量(例えば角度)を検出するものである。
中空ロッド移動量検出器94は、スライド部材5におけ
る中空ロッド10の基準位置を適当に定め、この基準位置
からの実際の中空ロッド10の伸縮量を検出するものであ
り、ポテンショメータ等で構成されている。なお、上記
基準位置としては、例えばサブカッタ4が第1図の位置
にあるときの中空ロッド10の位置を設定すればよい。
演算装置91は、所定の掘削断面を得ることを目的とし
た場合に上記メインカッタ3の回転変位量に対して必要
な中空ロッド10の移動量を演算するプログラムが組込ま
れたものであり、上記メインカッタ回転位置検出器90か
ら入力されたメインカッタの回転変位量に対して必要な
中空ロッド10の移動量を瞬時に演算する。その演算内容
については後に詳細に記す。
比較器92は、演算装置91および中空ロッド移動量検出
器94から各々入力された移動量同士を比較し、両者が等
しくなるように中空ロッド制御器93に“突出”あるいは
“没入”の指令を与え、両者の差がなくなった時点で停
止の指令を与えるものである。
中空ロッド制御器93は、中空ロッド10の実際の移動量
を制御するものである。すなわち、上記第4図の油圧回
路に含まれる制御機器一式が上記中空ロッド制御器93に
該当する。
なお、第2図において、45はチャンバ1b内の掘削土砂
を後方に搬出するスクリューコンベア、46はトンネル内
壁に順次敷設されるセグメント47から反力をとってシー
ルド機を推進させるシールドジャッキである。
次に、このシールド機の作用を説明する。
まず、スキンプレート1内のカッタ駆動モータ41を作
動させることにより、その駆動軸に固定されたピニオン
42、および大歯車43がともに回転し、この大歯車43が固
定されているカッタケーシング2全体が回転する。この
カッタケーシング2の回転に伴って、前方のメインカッ
タ3が回転し、切羽の中央部分を掘削するとともに、サ
ブカッタ4およびその駆動機構全体も中心軸G回りに一
体に公転する。
また、上述のようにリングギヤ8はスキンプレート1
側に連結されており、カッタケーシング2の回転中も固
定されたままなので、このリングギヤ8と噛合う各サブ
カッタ駆動用ピニオン25は、リングギヤ8の内周を公転
しながら自転する。このサブカッタ駆動用ピニオン25の
回転は、上記第3図で説明した機構により各サブカッタ
4の回転軸18に伝達されるため、各サブカッタ4が所定
の回転数で回転駆動されることになる。
一方、駆動制御系では、まず演算装置91により、メイ
ンカッタ3の回転位置に対し、所望の断面形状を得るた
めに必要な中空ロッド10の移動量が演算され、この移動
量と実際の移動量との比較から、中空ロッド10に対する
移動命令および停止命令が時々刻々と中空ロッド制御器
93に発令され、所望の掘削断面が得られるようにサブカ
ッタ4およびスライド部材5のスライド作動が制御され
る。
その制御内容を具体的に説明すると、例えば第1図に
示されるように、サブカッタ4がスキンプレート1のコ
ーナー部に対応する位置にあるときは、中空ロッド10を
カッタケーシング2から突出させることによって、中心
軸Gからサブカッタ4までの距離(すなわち公転半径)
を延ばし、これによってサブカッタ4による掘削領域を
コーナー部まで広げる。逆に、サブカッタ4が角型スキ
ンプレート1の各辺の中点に対応する位置にあるとき
は、中空ロッド10をカッタケーシング2内に没入させ、
中心軸Gからサブカッタ4までの距離を縮める。このよ
うな制御により、サブカッタ4が所望の掘削形状(ここ
では略四角形状)に応じた軌跡を描いて公転する。
従って、上記カッタ駆動モータ41によってカッタケー
シング2およびサブカッタ4を回転駆動しながら、シー
ルドジャッキ47の作動力でシールド機全体を推進させる
ことにより、中央で回転するメインカッタ3によって中
央円形部分を掘削するとともに、その周囲を特有の軌跡
を描きながら公転し、かつ自転するサブカッタ4によっ
て外周部分を掘削することができ、全体として所望の断
面形状を有するトンネルを掘削することができる。
このようにして掘削された土砂は、スキンプレート1
前部のチャンバ1b内に取込まれ、スクリューコンベア45
によって後方に搬出された後、図外のベルトコンベア等
で最終的に地上へ搬出される。
このようなシールド機によれば、カッタケーシング2
に固定されたメインカッタ3と、その周囲に配されたサ
ブカッタ4により、所望の断面形状をもつトンネルを連
続して容易に掘削することができる。
しかも、このシールド機では、サブカッタ4を放射方
向、すなわち公転半径の方向に直接スライドさせている
ので、公転半径の算出が容易であり、簡単な制御で所望
の掘削形状を得ることができる。また、単一のカッタケ
ーシング2内にサブカッタ4の回転駆動機構およびスラ
イド機構の双方を収めているので、スクリューコンベア
45等の配置の自由度が増す利点がある。特に、チェンバ
1b内の土砂はその下部に堆積するので、第2図に示され
るようにスクリューコンベア45の土砂取込み口を下部に
設置できるメリットは大きい。
さらに、このシールド機では、単一の駆動源であるカ
ッタ駆動モータ41によってカッタケーシング2および各
サブカッタ4の双方を駆動するようにしているので、簡
単かつ低コストの構造で上記効果を得ることができる。
また、このシールド機では、駆動制御系によって回動
部材の回動駆動を制御することにより、サブカッタ4が
所望の公転軌跡を描くようにしているので、演算装置91
に組込まれるプログラムを適宜変換するだけの操作で、
種々の掘削断面形状を容易に得ることができる。
また、このような機能を利用していわゆるオーバーカ
ットを行うことにより、さらに優れた効果を得ることが
できる。このオーバーカットを第6図に基づいて説明す
る。
図において、スキンプレート1の外周1′の外側にハ
ッチングで示された領域J,K,L,Mがオーバーカットゾー
ンである。通常の掘削は、演算装置91に組込まれたプロ
グラムによってサブカッタ4がスキンプレート1の外周
形状に沿って移動するように制御されるが、ここでは、
演算装置91に、上記移動を実現するためのプログラムの
他、スキンプレート1の外周形状に領域Jを加えた外周
形状96aに沿ってサブカッタ4を移動させるプログラ
ム、また、領域Kを加えた外周形状96b、領域Lを加え
た外周形状96c、領域Mを加えた外周形状96dに沿ってそ
れぞれサブカッタ4を移動させるプログラムを組込むよ
うにする。これと同時に、上記5種類のプログラムを任
意に選択するための選択回路を演算装置91に付加し、必
要に応じて5種類の掘削断面のうちの1つを任意に選択
できるようにする。このような構成にすることにより、
次に説明するようなオーバーカットによる効果を得るこ
とができる。
例えば、通常の掘削断面プログラムを選択して堀進し
ている途中で、このプログラムを外周形状96aに一致す
る掘削断面プログラムに切換えると、スキンプレート1
の上辺から上方にはみ出した部分の土砂も掘削される
(オーバーカット)。この状態で掘削を進めると、スキ
ンプレート1上方の領域Jに相当する断面空間が形成さ
れ、この部分でのスキンプレート1と土砂との摩擦抵抗
が減少する。一方、スキンプレート1の下部は依然土砂
と接しているため、スキンプレート1の上部の摩擦抵抗
とスキンプレート1の下部の摩擦抵抗との差は次第に大
きくなる。その結果、シールド機は摩擦抵抗の小さい上
側に逃げようとし、シールド機の推進方向は次第に上を
向く。
このように、シールド機はオーバーカットした方向に
向きを変えようとするので、第6図の外周形状96a〜96d
に一致する掘削断面プログラムを適宜選択することによ
り、シールド機の進行方向を上下左右に容易に変更する
ことができ、急カーブの掘進が可能になる。また、4つ
のコーナー部をそれぞれオーバーカットできるプログラ
ムを組込んでおけば、ローリングに対する姿勢立直し制
御も容易に行うことができる。
第2実施例(第7図,第8図) 前記実施例では、油圧によってスライド部材5のスラ
イド作動を制御しているが、ここでは、カッタケーシン
グ2内にガイドカム50を配し、このガイドカム50によっ
てサブカッタ4の公転軌跡を特定するようにしている。
具体的に、第7図において、保持板40の中央部には、
シールド機の推進方向に延びる固定軸51の後端が固定さ
れ、この固定軸51の前端に上記ガイドカム50が固定され
ている。すなわち、このガイドカム50はスキンプレート
1側に固定されている。また、カッタケーシング2の内
壁にはブラケット52が固定され、このブラケット52に固
定された軸受53によって上記固定軸51の前端部が支持さ
れている。すなわち、カッタケーシング2の回転中、上
記固定軸51の周面上を上記軸受53が摺動することにな
る。
上記ガイドカム50は、相対向する断面コ字状のガイド
溝54を前後(第7図の左右)に有している。このガイド
溝54の正面視形状、すなわち第8図に示される形状は、
所望の掘削形状に対応する形状に設定されている。
これに対し、スライド部材5については、前記実施例
に示されるようなスライドパイプ9および中空ロッド10
からなる二重構造のものに代えて、単一構造のスライド
パイプ9′を備えたものが用いられている。このスライ
ドパイプ9′は、すべり軸受11を介してカッタケーシン
グ2側にスライド可能に支持され、このスライドパイプ
9′によって単一の中間回転軸12が回転可能に支持され
ている。この中間回転軸12の基端部(第7図では下端
部)は、かさ歯車20にスプライン57を介して相対回転不
能かつスライド可能に結合されている。
中間回転軸12の基端部には取付ブラケット55が固定さ
れ、この取付ブラケット55の先端部の前後(第7図では
左右)にローラ56が回転可能に取付けられており、これ
らのローラ56が上記ガイド溝54内に各々嵌入されてい
る。
このようなシールド機によれば、前記実施例と同様に
カッタ駆動モータ41を作動させてカッタケーシング2を
回転駆動することにより、上記ローラ56とガイド溝54と
が嵌合したままスライド部材5およびサブカッタ4が公
転する。従って、上記ガイド溝54の案内によって、この
ガイド溝54の形状に対応する軌跡を描きながらスライド
部材5およびサブカッタ4が公転し、これによって所望
形状、すなわちカム50の形状に対応する形状のトンネル
が掘削される。
この実施例装置によれば、特別な制御プログラム等を
用いることなく、特定形状のカム50を設けるだけで所望
の掘削形状を得ることができる。また、この実施例にお
いても、カム50をはじめとする駆動用機構はカッタケー
シング2内に収められているので、シールド機内での省
スペース化を図ることができる。
第3実施例(第9図) ここでは、前記実施例におけるアーム状のメインカッ
タ3の代わりに、メインカッタとして面板状のカッタプ
レート60を用いている。このカッタプレート60には、複
数の刃60aが設けられるとともに、その適所には、前方
の土砂を前記実施例にも示されるチェンバ1b内に導入す
るためのスリット61が設けられ、サブカッタ4の近傍に
は、同カッタ4との干渉を避けるための切欠62が設けら
れている。
この実施例にも示されるように、本発明ではメインカ
ッタの具体的な形状を問わず、必要に応じて適宜設定す
ればよい。
第4実施例(第10図) 前記第1,第2実施例では、単一のカッタ駆動モータ41
でメインカッタ3およびサブカッタ4の双方を駆動する
ようにしているが、この実施例では、上記カッタ駆動モ
ータ41とは別のサブカッタ駆動モータ(サブカッタ駆動
手段)70を備え、このサブカッタ駆動モータ70によっ
て、各サブカッタ4をメインカッタ3とは別に駆動する
ようにしている。
第10図において、カッタケーシング2の後端部には、
軸受71を介して二重歯車72が回転可能に支承されてお
り、この二重歯車72の前歯車72aに、前記実施例にも示
されているサブカッタ駆動用ピニオン25が噛合されてい
る。一方、保持板40には上記サブカッタ駆動モータ70が
固定され、その駆動軸に固定されたピニオン73が上記二
重歯車72の後歯車72bに噛合されている。
このようなシールド機によれば、カッタ駆動モータ41
によるカッタケーシング2の回転駆動中、サブカッタ駆
動モータ70を作動させることにより、その回転力が二重
歯車72に伝達されて同歯車72がカッタケーシング2とは
別個に回転し、さらにサブカッタ駆動用ピニオン25に伝
達される。従って、この構造では、サブカッタ駆動モー
タ70の回転数や、二重歯車72による減速比を適宜設定す
ることにより、サブカッタ4の回転速度をメインカッタ
3の回転速度とは別個に定めることができる。
また、この実施例装置では、サブカッタ4を正逆いず
れの方向にも駆動することができるため、駆動伝達機構
C等の設計の際にサブカッタ4の回転方向にとらわれる
必要がなく、その作業が容易となる。さらに、サブカッ
タ4の回転方向を変えることにより、このサブカッタ4
の外周部とスキンプレート1との間に噛み込んだ石を取
除いたり、掘削途中でローリング等の修正を行ったりす
ることも可能となる。
なお、本発明はこのような実施例に限定されず、例と
して次のような態様をとることも可能である。
(1)前記各実施例では、メインカッタ3の前方にサブ
カッタ4が配設されたものを示しているが、本発明で
は、メインカッタ3の後方にサブカッタ4を配置するよ
うにしてもよい。このような構造によれば、まず、メイ
ンカッタ3が中央部分の土砂を掘削し、次に、その周囲
の部分をサブカッタ4が掘削するため、サブカッタ4が
掘削する領域は前記各実施例に示されるようにサブカッ
タ4が前方に位置するシールド機よりも大幅に減少し、
これに伴い次のような効果が得られる。
(a)一般に、サブカッタ4の外周半径は、メインカ
ッタ3の外周半径よりも小さく設定されるため、サブカ
ッタ4に取付けられる刃4aの個数はメインカッタ3に取
付けられる刃3aの個数よりも少なく、1個の刃4aが行う
仕事量は大きい。従って、サブカッタ4の負担が大きい
と、サブカッタ4の刃4aがメインカッタ3の刃3aよりも
先行して損耗することになる。この点、上述のようにサ
ブカッタ4を後方に配置したシールド機では、その掘削
面積が低減するとともに、メインカッタ3による掘削で
土砂が弛むため、サブカッタ4の負担が軽減され、両カ
ッタの損耗度が平均化されて、シールド機全体の寿命が
延びる。
(b)メインカッタ3に比べ、サブカッタ4を駆動す
るには複雑な機構を要するため、サブカッタ4の負担を
軽減することにより、その駆動機構をより簡略化してコ
ストの低減およびシールド機の小型化を図ることができ
る。
(2)本発明のシールド機による掘削形状は、上記実施
例のような角形に限らず、円形、卵形、馬蹄形、楕円形
等、所望の掘削形状を得ることができる。具体的に、共
同溝や電力洞道には矩形、道路トンネルには馬蹄形等が
好適であり、使用目的に応じて適宜設定すればよい。
第11図は、スキンプレート1の外周1′と、メインカ
ッタ3の回転により得られる掘削断面形状である小円10
0(一点鎖線)と、上記小円100の中心からサブカッタの
中心を最も通ざけた状態でカッタケーシング2を回転さ
せたときに得られる掘削断面形状である大円101(一点
鎖線)とを示したものであるが、この装置では、上記小
円100と大円101に囲まれる範囲内で自由にサブカッタの
公転軌跡を設定することができる。いずれの場合も、演
算装置91の掘削断面プログラムを交換し、かつ各掘削断
面形状に応じた断面形状をもつスキンプレートを用いる
ことにより、良好な掘削を行うことができる。例えば同
図は、角筒形状をもつスキンプレート1の外周1′を示
したものであるが、この図から明らかなように、上記ス
キンプレート1の外周形状は上述の範囲内に収められて
いる。
同様にして、第12,13図は、上述の範囲内に馬蹄形お
よび小判形の外周形状を収めた例を示している。これら
の場合も、上記馬蹄形や小判形の外周形状をもつスキン
プレートを用いるとともに、サブカッタの公転軌跡がこ
れらの形に合致するような演算プログラムやカム等を備
えるようにすればよい。
(3)本発明では、例えば第14図に示されるように、複
数のスキンプレート1を重ねて一体化する連装を行うこ
とが可能である。この場合、図に示される2連装の他、
3連装、4連装も可能である。また、第15図に示される
ように、スキンプレート1は単一のものを用い、このス
キンプレート1内に複数の掘削機構を装備するようにし
ても、上記と同様の効果を得ることができる。
(4)本発明では、サブカッタの個数および配設位置は
問わず、土質に応じて適当な場所に配置すればよい。
〔発明の効果〕
以上のように本発明は、メインカッタおよび回転体を
回転させるとともに、上記回転体にスライド部材を介し
てサブカッタを支持し、このサブカッタが所望の掘削形
状に対応する軌跡を描くように上記スライド部材を放射
方向に移動させるものであるので、上記メインカッタに
よって切羽の中央円形部分を掘削するとともに、その外
周部を特有の軌跡を描くサブカッタによって掘削するこ
とにより、全体として所望の断面形状を有するトンネル
を自由に掘削することができる。しかも、サブカッタを
放射方向、すなわち公転半径の方向に直接スライドさせ
るようにしているので、所望のサブカッタの公転半径に
対応するスライド量の設定が容易であり、簡単な制御で
上記効果を得ることができる効果がある。
さらに、請求項1記載のシールド機では、上記回転体
の回転をサブカッタの回転軸の回転に変換する駆動変換
機構を備えているので、同一の駆動手段でメインカッタ
およびサブカッタの双方を駆動することができ、構造の
簡略化および低コスト化を図ることができる効果があ
る。
また、請求項2記載のシールド機では、メインカッタ
の駆動手段およびサブカッタの駆動手段を各々別個に設
けているので、両カッタの回転方向および回転速度を各
々独立して設定することができ、掘削に適した回転数を
自由に設定することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例におけるシールド機の正面
図、第2図は第1図のII−II線断面図、第3図は上記シ
ールド機におけるサブカッタの駆動構造を示す断面図、
第4図は同シールド機に設けられた油圧回路の回路図、
第5図は同シールド機に設けられた駆動制御系を示すブ
ロック図、第6図は同シールド機によるオーバーカット
の領域を示す正面図、第7図は第2実施例におけるシー
ルド機の要部を示す断面図、第8図は第7図のVIII−VI
II線断面図、第9図は第3実施例におけるシールド機の
正面図、第10図は第4実施例におけるシールド機のサブ
カッタの駆動構造を示す断面図、第11図はサブカッタの
公転軌跡およびスキンプレートの外周形状の設定範囲を
示す説明図、第12図および第13図はスキンプレートの外
周形状の他の例を示す説明図、第14図は複数のスキンプ
レートを連装した状態を示す説明図、第15図は複数の掘
削機構が装備される単一のスキンプレートを示す説明図
である。 1…スキンプレート(シールド機本体)、2…カッタケ
ーシング(回転体)、3…メインカッタ、4…サブカッ
タ、5…スライド部材、41…カッタ駆動モータ(回転体
駆動手段)、50…ガイドカム(作動制御手段を構成)、
60…カッタプレート(メインカッタ)、70…サブカッタ
駆動モータ(サブカッタ駆動手段)、90…カッティング
ホイール回転位置検出器(作動制御手段を構成)、91…
演算装置(作動制御手段を構成)、92…比較器(作動制
御手段を構成)、93…伸縮部材制御器(作動制御手段系
を構成)、94…伸縮部材伸縮量検出器(作動制御手段を
構成)、C…駆動変換機構、G…中心軸(推進方向に延
びる軸)
フロントページの続き (72)発明者 朝日 利則 大阪府大阪市西淀川区姫島3丁目5番26号 奥村機械製作株式会社内 (72)発明者 福永 泰造 兵庫県神戸市西区伊川谷町有瀬131―1― 711 (72)発明者 竹村 守順 兵庫県芦屋市高浜町3―1―812

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シールド機本体と、このシールド機本体に
    その推進方向に延びる軸回りに回転可能に支持された回
    転体と、この回転体の前面に固定されたメインカッタ
    と、このメインカッタおよび上記回転体を回転駆動する
    メインカッタ駆動手段と、上記回転体にこの回転体に対
    して放射方向にスライド可能に取付けられたスライド部
    材と、このスライド部材に回転可能に取付けられたサブ
    カッタと、上記回転体に設けられ、この回転体の回転を
    上記サブカッタの回転に変換する駆動変換機構と、上記
    メインカッタの回転中にこのメインカッタの掘削領域の
    周囲の所望の掘削領域をサブカッタが掘削しながら公転
    するようにスライド部材のスライド作動を制御する作動
    制御手段とを備えたことを特徴とする自由断面シールド
    機。
  2. 【請求項2】シールド機本体と、このシールド機本体に
    その推進方向に延びる軸回りに回転可能に支持された回
    転体と、この回転体の前面に固定されたメインカッタ
    と、このメインカッタおよび上記回転体を回転駆動する
    メインカッタ駆動手段と、上記回転体にこの回転体に対
    して放射方向にスライド可能に取付けられたスライド部
    材と、このスライド部材に回転可能に取付けられたサブ
    カッタと、上記回転体に設けられ、各サブカッタを回転
    駆動するサブカッタ駆動手段と、上記メインカッタの回
    転中にこのメインカッタの掘削領域の周囲の所望の掘削
    領域をサブカッタが掘削しながら公転するようにスライ
    ド部材のスライド作動を制御する作動制御手段とを備え
    たことを特徴とする自由断面シールド機。
JP25984489A 1989-10-04 1989-10-04 自由断面シールド機 Expired - Lifetime JPH086556B2 (ja)

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