JPH0867714A - フッ素放射性同位元素標識化合物合成用中間体およびその製造方法 - Google Patents

フッ素放射性同位元素標識化合物合成用中間体およびその製造方法

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JPH0867714A
JPH0867714A JP20665694A JP20665694A JPH0867714A JP H0867714 A JPH0867714 A JP H0867714A JP 20665694 A JP20665694 A JP 20665694A JP 20665694 A JP20665694 A JP 20665694A JP H0867714 A JPH0867714 A JP H0867714A
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Shigeki Yamazaki
茂樹 山崎
Katsuhiko Osaki
勝彦 大崎
Kenichiro Mizuno
健一郎 水野
Masao Kato
政雄 加藤
Kazunori Kataoka
一則 片岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】18F標識化合物を短時間にかつ簡単に得られる
18F標識化合物の合成のための18F標識化合物合成用中
間体およびその製造方法を提供する。 【構成】本発明は一般式(I)に示すフッ素放射性同位
元素標識化合物合成用中間体である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素放射性同位元素
標識化合物合成用中間体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】医療用画像診断技術の一つであるポジト
ロン断層検査法で使用されるポジトロン放射断層撮影(P
ositron Emission Tomography)(以下、PETという)
システムにおいて、フッ素放射性同位元素(以下、「18
F」と記す)で標識された18F−L−ドーパ、18F−ド
ーパミンおよび18F−ノルアドレナリン等の18F標識化
合物が使用されている。18F−L−ドーパは、パーキン
ソン病、アルツハイマー病等の脳神経伝達系疾患の診断
薬として使用されている。また、ドーパミンおよびノル
アドレナリンは、L−ドーパの生体内における代謝過程
での生成物質であって、L−ドーパと同様に神経伝達物
質であることが知られている。
【0003】18F標識化合物の製造方法は、例えば、以
下のような方法が知られている。 (1)米国特許5254726号には、18O−H2 Oに
プロトンを照射して原子核変換により18F- を製造し、
この18F- を含む溶液を、ニトロベラトルアルデヒドや
6−ニトロピペラナールのようなニトロ基を有する芳香
族化合物を所定の溶媒に溶解した溶液に添加し、18F-
とニトロ基との間の求核置換反応により、芳香族化合物
18F- で標識し、その後、必要な反応および抽出工程
を経て、18F−L−ドーパ、2−18F−チロシン、6−
18F−L−ノルアドレナリンまたは6−18F−ドーパミ
ンのような18F標識化合物(放射能2〜10mCi)を
合成する方法が開示されている。この方法において、18
F−L−ドーパの場合、p−ニトロピペラナールを出発
物質とし、(i) 18F- によるニトロ基の求核置換反応、
(ii)還元反応、(iii) ブロム化反応、(iv)アルキル化反
応、そして(v) 加水分解反応の5工程を経て合成され
る。ここで行われる各種反応は、全て液々反応である。
【0004】(2)The Journal of Nuclear Medicine,
Vol.31 No.7 July p.1247-1251(1990)には、18O−H2
Oにプロトンを照射して原子核変換により18F- を製造
し、この18F- を用いて、ニトロベラトルアルデヒドま
たは6−ニトロピペラナールを溶媒に溶解した溶液中に
おいて、18F- によるニトロ基の求核置換反応を行い、
途中物質として18F−アズラクトン化合物を経て、18
−L−ドーパを得る方法(合成時間100分、放射能5
mCi)が開示されている。
【0005】(3)The Journal of Medical Chemistr
y, No.34 p.767-771(1991) には、18O−H2 Oにプロ
トンを照射して原子核変換により18F- を製造し、この
18F-を用い、3,4−O−イソプロピリデン−6−ニ
トロベンズアルデヒドを溶媒に溶解した溶液中で、ニト
ロ基の求核置換反応を行い、液々反応を介して、シアン
ヒドリンを途中物質として18F−L−ノルアドレナリン
を製造する方法(合成時間128分,放射能2〜5mC
i)が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術(1)〜(3)のいずれの方法も、合成時間が100
〜130分間と長いために、その間に18Fが崩壊(半減
期:109.7 分)してしまい、充分な収量が得られないと
いう問題がある。
【0007】さらに、従来技術(1)〜(3)は、ノー
キャリアアデッド法(No−Carrier−Adde
d法:18O−H2 Oをプロトンで照射して製造した18
- を用いた合成方法)にもとづいて18F化合物を生成し
ているが、合成時間が長く、中間生成物の抽出に3回の
抽出処理工程が必要であり、最終的に回収される生成物
の放射能が低くなる等の問題がある。一般に18F標識化
合物の場合、少なくとも3〜5mCi/人の放射能が必
要である。以上の理由から装置化するためには問題点が
多く、従来技術はいずれも装置化まで至っていない。
【0008】また、従来技術(1)の18F−L−ドーパ
の製造方法は工程数が5工程と多く、極めて煩雑であ
る。さらに、従来技術(1)〜(3)で原料として使用
される、ニトロベラトルアルデヒド,6−ニトロピペラ
ナールおよび3,4−O−イソプロピリデン−6−ニト
ロベンズアルデヒドは、いずれも常温で固体であり、溶
媒に溶解した溶液を用いた液々反応により行われる。こ
のため、各工程の反応終了後に生成物、未反応の原料お
よび不純物の混合溶液から生成物を抽出する工程が必要
である。この結果、合成時間が長くなり、操作が煩雑で
ある。
【0009】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、18F標識化合物を短時間にかつ簡単に得られる
18F標識化合物の合成のための18F標識化合物合成用中
間体およびその製造方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
に示す18F標識化合物合成用中間体を提供する。
【0011】
【化6】 (式中、
【0012】
【化7】 また、本発明は、一般式(I)に示す18F標識化合物合
成用中間体の製造方法であって、
【0013】
【化8】 (式中、
【0014】
【化9】 (a)一般式(II)で示す化合物をニトロ化して一般式
(III) で示す化合物を得る工程、および、
【0015】
【化10】
【0016】(b)工程(a)で得られた化合物 (III)
をジビニルベンゼンで架橋した架橋クロルメチルスチレ
ン−スチレン共重合体担体にエーテル結合により縮合し
18F標識化合物合成用中間体(I)を得る工程を具備
することを特徴とするフッ素放射性同位元素標識化合物
合成用中間体の製造方法を提供する。
【0017】以下、本発明のについて更に詳細に説明す
る。本発明の18F標識化合物合成用中間体(I)は、ジ
ビニルベンゼンで架橋した架橋クロルメチルスチレン−
スチレン共重合体担体(以下、単に「担体」とも言う)
に、反応基質である2−メトキシ−4−ニトロ−5−ホ
ルミルフェニル基がエーテル結合により縮合したもので
ある。
【0018】本発明で使用される担体は、ジビニルベン
ゼンで架橋した架橋クロルメチルスチレン−スチレン共
重合体であり、クロロメチルスチレンモノマーおよびス
チレンモノマーのモル比が、例えば、1:100〜1:
1のものである。この重合体はジビニルベンゼンで架橋
して三次元構造をとる。ジビニルベンゼンは共重合体全
体に対して例えば1〜10重量%である。
【0019】本発明の18F標識化合物合成用中間体は、
上述の架橋クロルメチルスチレン−スチレン共重合体の
主に主鎖上のクロルメチルスチレンモノマーの反応性基
クロルメチル基に上述の反応基質がエーテル結合により
結合している。
【0020】上述の本発明の18F標識化合物は、例え
ば、次のようにして製造することできる。 工程(a) 出発原料の一つである化合物(II)のイソバニリン(3
−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド)は市販
で入手可能である。
【0021】化合物(II)をニトロ化して6−位にニト
ロ基を導入する。化合物(II)のニトロ化は、通常のニ
トロ化反応により行うことができ、例えば、次のように
して行われる。まず、化合物(II)をアセトンに溶解し
た溶液を10℃以下を保ちながら、発煙硝酸を滴下す
る。反応液を氷水に滴下し、発生した沈澱物をろ過によ
り回収する。沈澱物を水酸化ナトリウム溶液に溶解させ
る。得られた溶液に炭酸ガスを通過させ、発生した沈澱
物を回収する。沈澱物をエタノールから再結晶して化合
物 (III)を得る。
【0022】工程(b) 次に工程(a)で得られた化合物 (III)を、ジビニルベ
ンゼンで架橋した架橋クロルメチルスチレン−スチレン
共重合体担体にエーテル結合により縮合して中間体
(I) を得る。
【0023】担体への反応化合物である化合物 (III)の
結合は、例えば、次のようにして行われる。まず、化合
物 (III)を、アルカリ金属水酸化物MOH(例えば、水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム)と、極性溶媒中で、
例えば、50〜150℃で5〜24時間加熱する。ここ
で、極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノールのようなアルコール、ジ
メチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドが使用でき
る。この結果、一般式(IV)に示すような化合物が得ら
れる。
【0024】
【化11】
【0025】反応終了後、この反応溶液に上述の担体を
加え、例えば、50〜150℃で5〜24時間加熱して
反応させることにより、化合物(IV)および担体のクロ
ルメチルスチレンモノマーのクロルメチル基との間でエ
ーテル結合が形成されて、上記一般式(I)で示す18
標識化合物合成用中間体が得られる。18F標識化合物合
成用中間体(I)を用い、例えば、反応式(1)に示す
ようにして18F−L−ドーパの製造を行うことができ
る。
【0026】
【化12】
【0027】まず、中間体(I)のニトロ基を、18Fで
求核置換して中間体 (V) を得る。18F求核置換反応
は、例えば、18F標識化合物合成用中間体(I)を充填
したカラムに、[K222 ]+ ・18F- 塩をジメチルスル
ホキシドに溶解した溶液を満たし、120〜140℃、
15〜20分間加熱することにより行われる。ここで、
222 とは、クリプタンド:C183628 を示す。
【0028】この結果、生成した18F求核置換化合物部
位(例えば、2−メトキシ−4−18フルオロ−5−ホル
ミル−フェニル基)は、担体にエーテル結合により結合
しているため、例えばアセトニトリル等の溶媒によりカ
ラム内を洗浄して、未反応物を容易に分離することがで
きる。また、溶媒はカラムを加熱することにより除去す
ることができる。
【0029】18F- は、通常の原子核変換技術により製
造することができる。例えば、18O−H2 Oにサイクロ
トロンでプロトン照射して原子核変換することにより製
造することができる。
【0030】次に、得られた中間体(V)と2−フェニ
ル−5−オキサゾロンとを塩基の存在下でアルドール縮
合させて、一般式(VI)で示されるアズラクトン誘導体
を得る。ここで、塩基としては、例えば、1,4−ジア
ザビシクロ[2,2,2]オクタンが使用できる。より
詳細には、例えば、1,4−ジアザビシクロ[2,2,
2]オクタンを溶解したアルコール溶液を、化合物(I
V)を充填したカラムに満たし、130〜150℃で5
〜15分間加熱する。ここで用いられるアルコールは、
例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−
プロパノール、ブタノールまたは2−ブタノールであ
る。
【0031】生成した18Fアズラクトン化合物部位は、
担体に結合しているため、例えばメタノールのような溶
媒でカラム内を洗浄し、未反応物と容易に分離すること
ができる。溶媒はカラムを加熱して揮発させることによ
り除去できる。
【0032】次に、アズラクトン誘導体(VI)を還元反
応に供する。これにより、18Fアズラクトン化合物部位
および担体の間のベンジルエーテル結合が還元的に切断
されると共に、2位のメトキシ基においてもメチル基−
フェニル基の間のエーテル結合が還元的に切断される。
また、アズラクトンの5員環のC−NおよびC−O結合
が切断される。この結果、一般式 (VII)に示す18F−
D,L−ドーパラセミ混合物が得られる。
【0033】化合物(VI)の還元反応は、例えば、次亜
リン酸で安定化させたヨウ化水素酸溶液をアズラクトン
誘導体 (VII)を充填したカラムに満たし、200〜26
0℃で10〜20分間加熱して行うことができる。この
後、例えば、H2 Oをカラムに流し、生成物を担体から
溶離できる。次いで、溶離液を、例えば、水酸化ナトリ
ウムで中和することにより18F−D,L−ドーパラセミ
混合物 (VII)を回収することができる。
【0034】上述の還元反応の際に、触媒として赤リン
を使用することもできる。また、氷酢酸およびエタノー
ルに塩酸ヒドロキシルアミンを溶解した後水で希釈した
溶液を、次亜リン酸で安定化させたヨウ化水素酸溶液に
添加することもできる。
【0035】最後に、18F−D,L−ドーパラセミ混合
物 (VII)を、常法に従って、ラセミ分離して目的の18
−L−ドーパを得る。ラセミ分離は、例えば、18F−
D,L−ドーパラセミ混合物 (VII)をHPLC(高速液
体クロマトグラフィー)により抽出して行うことができ
る。
【0036】上述の18F標識化合物の製造では、一般式
(I)で示す18F標識化合物合成用中間体は、反応基質
である2−メトキシ−4−ニトロ−5−ホルミル−フェ
ニル基が、架橋クロルメチルスチレン−スチレン共重合
体担体にエーテル結合している。このため、反応基質と
反応試薬との反応は固液反応により行われる。従って、
適当な溶媒で反応生成物−担体複合体を洗浄することに
より、未反応の反応試薬および不純物を容易に除去する
ことができる。この結果、各工程ごとに必要である目的
生成物の単離を極めて容易に行うことができるので、18
F標識化合物の製造に必要な操作を簡略化し、所要時間
を大幅に短縮することが可能である。特に、従来の液々
反応による製造方法では、各工程ごとに抽出用治具を使
用して抽出操作を行って反応生成物を単離する必要があ
ったが、本発明の18F標識化合物合成用中間体を用いた
場合には、抽出操作は最終的なラセミ分離の際にのみ行
うだけで済む。従って、本発明の18F標識化合物合成用
中間体を用いれば、安価な製造装置により実施可能であ
り、経済的にも有用である。また、リチウム触媒等の取
り扱いが困難な試薬を使用する必要がない利点も有す
る。
【0037】従来の方法では、1日1回の合成で5mC
i程度しか回収できない。しかも、この回収量は合成が
成功した場合に得られる量であって、実際に医療現場で
は合成に失敗して所望の回収量を得られないことが多
い。このため、2〜3回に1回は必要量が得られない場
合が多い。しかしながら、本発明の18F標識化合物合成
用中間体を用いれば、回収量が多いため、回収量不足に
なることがなく、必要量の18F−L−ドーパを医療現場
で確実にその都度製造することができる。
【0038】また、架橋クロルメチルスチレン−スチレ
ン共重合体担体は、化学的に安定で、物理的強度が高
く、しかも熱的安定性が高い。このため、18F求核置換
反応、アルドール縮合によるアズラクトン誘導体の合
成、および、還元反応において、120〜260℃の高
温条件下にさらされても安定である。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 実施例1 イソバニリン(アルドリッチ社製)10gをアセトン5
0mlに溶解した溶液を4℃以下を保ちながら、発煙硝
酸を滴下した。反応溶液を氷水2000mlに滴下し、
生成した沈澱物をろ過により回収した。沈澱物を0.5
N−水酸化ナトリウム溶液(350ml)に溶解し、溶
解液に炭酸ガスを通過させ、生成した沈澱物をろ別して
回収した。沈澱物を一旦エタノール(200ml)に溶
解させ、再結晶により析出した結晶を回収した。
【0040】得られた再結晶物(1.0g)と水酸化カ
リウム(0.4g)をメタノール(100ml)に溶解
し、メタノールの還流温度64℃(1気圧)で加熱して
7時間反応させた。反応終了後、この反応溶液に、全重
量に対して2wt%のジビニルベンゼンがランダムに架
橋した三次元構造を有する架橋クロルメチルスチレン−
スチレン共重合体(モル比1:9)(和光純薬(株)
製)5gを加えた後、64℃で加熱して24時間反応さ
せた。この結果、2−メトキシ−5−ホルミル−4−ニ
トロフェノキシメチルスチレン−スチレン共重合体(18
F標識化合物合成用中間体)5.8gを得た。
【0041】得られた18F標識化合物合成用中間体の物
理的データは次の通りであった。 IR ν (cm-1) 3101.01 3081.73 3058.59
3025.80 3000.73 2921.66 2848.38 1941.99 1868.71 1801.21
1718.28 1600.65 1583.29 1540.86 1492.65 1452.15 1371.16
1326.80 1313.30 1267.02 1180.24 1155.17 1068.38 1027.89
979.67 966.17 941.10 906.39 840.82 796.47 755.97 698.11 61
9.05 539.98 3079.80 芳香族C−H伸縮振動 3058.59 3025.80 2921.66 メチレンC−H伸縮振動 2850.31 1943.92 倍音振動または結合振動吸収帯 1872.56 1803.74 1720.21 1700.93 1600.65 芳香環伸縮による面内骨格振動 1542.79 1490.72 1448.30 1400〜800 指紋領域 757.90 芳香族C−H面外変角振動 698.11 (一置換ベンゼン環のパターンなのでポリス
チレン過剰) 800 〜700(s) C−Cl伸縮振動 ・−CH2 −O−Φ−およびR−O−Φ−(エーテル結
合)由来の特性吸収 C−O−C 逆対称伸縮振動 1250付近(s) C−O−C 対称伸縮振動 1050付近(s) ・−NO2 (ニトロ基)由来の特性吸収 O=N=O 逆対称伸縮振動 1550〜1500(s) O=N=O 対称伸縮振動 1360〜1290(s) C−N 伸縮振動 870 付近(s) ・−CHO(アルデヒド基)由来の特性吸収 アルデヒドC−H伸縮振動 2900〜2700に2本(w) アルデヒドC−H変角振動 1390付近(s) C=O伸縮振動 1700付近(s) 元素分析:
【0042】
【表1】
【0043】実施例2 イソバニリン10gをアセトン50mlに溶解した溶液
を4℃以下を保ちながら、発煙硝酸を滴下した。反応溶
液を氷水2000mlに滴下し、生成した沈澱物をろ過
により回収した。沈澱物を0.5N−水酸化ナトリウム
溶液(350ml)に溶解し、溶解液に炭酸ガスを通過
させ、生成した沈澱物をろ別して回収した。沈澱物を一
旦エタノール(200ml)に溶解させ、再結晶により
析出した結晶を回収した。
【0044】得られた再結晶物(1.0g)と水酸化カ
リウム(0.4g)をメチルスルホキシド(100m
l)に溶解し、ジメチルスルホキシドの還流温度100
℃(1気圧)で加熱して10時間反応させた。反応終了
後、この反応溶液に、実施例1と同様の架橋クロルメチ
ルスチレン−スチレン共重合体(モル比1:9)5gを
加えた後、100℃で加熱して24時間反応させた。こ
の結果、2−メトキシ−5−ホルミル−4−ニトロフェ
ノキシメチルスチレン−スチレン共重合体(18F標識化
合物合成用中間体)5.8gを得た。
【0045】得られた18F標識化合物合成用中間体の物
理的データは実施例1のものと同様であった。 実施例3 イソバニリン10gをアセトン50mlに溶解した溶液
を4℃以下を保ちながら、発煙硝酸を滴下した。反応溶
液を氷水2000mlに滴下し、生成した沈澱物をろ過
により回収した。沈澱物を0.5N−水酸化ナトリウム
溶液(350ml)に溶解し、溶解液に炭酸ガスを通過
させ、生成した沈澱物をろ別して回収した。沈澱物を一
旦エタノール(200ml)に溶解させ、再結晶により
析出した結晶を回収した。
【0046】得られた再結晶物(1.0g)と水酸化カ
リウム(0.4g)をエタノール(100ml)に溶解
し、エタノールの還流温度78℃(1気圧)で加熱して
10時間反応させた。反応終了後、この反応溶液に、実
施例1と同様の架橋クロルメチルスチレン−スチレン共
重合体(モル比1:9)5gを加えた後、78℃で加熱
して24時間反応させた。この結果、2−メトキシ−5
−ホルミル−4−ニトロフェノキシメチルスチレン−ス
チレン共重合体(18F標識化合物合成用中間体)5.8
gを得た。
【0047】得られた18F標識化合物合成用中間体の物
理的データは実施例1のものと同様であった。次に、実
施例1で得られた18F標識化合物合成用中間体を用い
て、18F−L−ドーパの合成を行った場合について説明
する。
【0048】まず、予め蒸発乾固して製造した[K
222 ]+ 18F- (29mg)/ジメチルスルホキシド溶
液(1ml)に、実施例1で得られた18F標識化合物合
成用中間体A1gを浸漬し、140℃で15分加熱し
て、18F−によるニトロ基の求核置換反応を行った。加
熱後、アセトニトリル(15ml)で洗浄して不純物を
除去した。この結果、2−メトキシ−4−18フルオロ−
5−ホルミル−フェノキシメチルスチレン−スチレン共
重合体(中間体B)が得られた。
【0049】次いで、2−フェニル−5−オキサゾロン
(50mg)および1,4−ジアザビシクロ[2,2,
2]オクタン(100mg)をエタノール(1ml)で
溶解した溶液に、中間体Bを浸漬し、140℃で10分
加熱し、アルドール縮合によりアズラクトン導入反応を
行った。反応終了後、エタノール(15ml)で洗浄し
て不純物を除去した。この結果、2−メトキシ−4−18
フルオロ−5−(5−オキソ−2−フェニル−4−オキ
サゾリニリデンメチル)フェノキシメチルスチレン−ス
チレン共重合体(中間体C)が得られた。
【0050】さらに、次亜リン酸(50μl)で安定化
し、赤リン(100mg)を含んだヨウ化水素酸に、ア
ズラクトン導入反応を経た中間体(C)を浸漬し、22
0℃で15分、窒素雰囲気下で加熱した。
【0051】生成物を含んだ溶液を6N−水酸化ナトリ
ウムで中和し、赤リンをろ別した後、ろ液に0.1%酢
酸水溶液を加えた。この水溶液をWhatman Pa
rtisil 10 ODS−3逆相カラム(商標名:
ワットマン株式会社製品)に流速4ml/分で通過さ
せ、17分後に溶出する成分を分取した。得られた成分
は、18F−D,L−ドーパラセミ混合物であった。この
液体クロマトグラフィーの結果を図1に示す。18F−
D,L−ドーパラセミ混合物の溶出時間は、The Journa
l of Nuclear Medicine vol. 31, No.7, July 1990 P.1
247-1251 に示されたデータと一致していた。
【0052】次にラセミ体分割を行うために、先の工程
で得られた18F−D,L−ドーパラセミ混合物を含む溶
出液を、リン酸二水素ナトリウム(5×10−2M)と
CuSO4(10−3M)水溶液に浸し、キラルPro
Cu=Si 100カラム(商標名:Polylab−
Serva社製品)に流速1.5ml/分で通過させ
た。このとき、18F−L−ドーパは、9分後溶出し、最
終生成物(18F−L−ドーパ)を得るまでの合成時間
は、80分、放射能は25mCiであった。
【0053】
【発明の効果】本発明の18F標識化合物合成用中間体
は、反応基質が架橋クロルメチルスチレン−スチレン共
重合体にエーテル結合により縮合されている。このため
18F標識化合物合成用中間体を用いて、18F標識化合物
の合成を行った場合、反応基質と試薬との反応は、固液
反応により行われる。従って、反応生成物−担体複合体
を適当な溶媒で洗浄することにより、未反応物を反応生
成物(固体)から容易に単離することができる。この結
果、従来の液々反応による製造での反応生成物の抽出操
作を、溶媒での洗浄操作だけで行うことが可能であり、
製造工程の簡略化および製造時間の大幅な短縮を達成で
きる。また、反応生成物−担体複合体は全て次の反応に
提供することができるので、最終的な18F−L−ドーパ
の収率が向上し、かつ、充分な収量の18F−L−ドーパ
18F- から合成することができる。この結果、比放射
能の高い18F−L−ドーパを容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における18F−ドーパの液体ク
ロマトグラフィーの結果を示す特性図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 茂樹 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 大崎 勝彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 水野 健一郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 加藤 政雄 茨城県つくば市上広岡460−167 (72)発明者 片岡 一則 千葉県柏市大室1083−4

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)に示すフッ素放射性同位元
    素標識化合物合成用中間体。 【化1】 (式中、 【化2】
  2. 【請求項2】 一般式(I)に示すフッ素放射性同位元
    素標識化合物合成用中間体の製造方法であって、 【化3】 (式中、 【化4】 (a)一般式(II)で示す化合物をニトロ化して一般式
    (III) で示す化合物を得る工程、および、 【化5】 (b)工程(a)で得られた化合物 (III)をジビニルベ
    ンゼンで架橋した架橋クロルメチルスチレン−スチレン
    共重合体担体にエーテル結合により縮合してフッ素放射
    性同位元素標識化合物合成用中間体(I)を得る工程を
    具備することを特徴とするフッ素放射性同位元素標識化
    合物合成用中間体の製造方法。
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