JPH0867904A - 焼結製品の製造方法 - Google Patents

焼結製品の製造方法

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JPH0867904A
JPH0867904A JP6202450A JP20245094A JPH0867904A JP H0867904 A JPH0867904 A JP H0867904A JP 6202450 A JP6202450 A JP 6202450A JP 20245094 A JP20245094 A JP 20245094A JP H0867904 A JPH0867904 A JP H0867904A
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隆児 大谷
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勲 不破
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 凹凸形状を有する成形品に対して、変形や破
損を起こすことなく結合剤の除去および焼結を行って、
仕上がり品質の良好な焼結製品を得る。 【構成】 ワックス成分除去工程で、成形品20の凹凸
形状に合致する凹凸形状を有する第1の保持具10に成
形品20保持した状態でワックス成分を除去する。ポリ
マー成分除去工程で、焼結に伴う収縮量に見合う隙間を
凹凸形状との間に有する第2の保持具30に保持した状
態でポリマー成分を除去する。焼結工程で、成形品20
を第2の保持具30に保持した状態で焼結させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結製品の製造方法、
特に焼結用粉末を含む成形品を焼結させて焼結製品を製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属やセラミックなどの粉末を所定の形
状に成形したあと焼結させて各種の焼結製品を製造する
ことが行われている。通常の焼結用粉末は、そのままで
は成形し難いので焼結用粉末にワックスやポリマーなど
の有機物質からなる結合剤いわゆるバインダーを混合し
て成形し易い状態にし、この成形材料を射出成形などの
成形方法で目的の製品形状に対応する形状の成形品に成
形している。この成形品は、そのまま焼結工程に供し
て、結合剤の除去および焼結用粉末の焼結を行う場合も
あるが、結合剤の除去工程すなわち脱脂工程を行った後
で、結合剤が除去された成形品を焼結工程に供する場合
もある。このように、結合剤の除去工程を焼結工程とは
別に行う方法は、成形品に含まれる結合剤の割合が多い
場合に好ましい方法である。
【0003】成形品の成形を射出成形で行う場合には、
成形を行い易くするなどの目的で結合剤の割合が多くな
る。成形材料に占める結合剤の割合が多くなると、焼結
工程だけでは結合剤を十分に除去することが困難になる
ため、焼結工程とは別に結合剤の除去工程が必要にな
る。従来、結合剤の除去方法としては、例えば、結合剤
がワックス成分とポリマー成分との混合物である場合、
成形品を徐々に加熱しながらワックス成分およびポリマ
ー成分を順に除去する加熱脱脂法が提案されている。ま
た、成形品を溶剤中もしくは溶剤雰囲気中にさらして、
溶剤に溶解するワックス成分を除去した後、成形品を加
熱してポリマー成分を溶融除去する方法も提案されてい
る(英国特許第1516079号参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】結合剤がワックス成分
とポリマー成分とからなる場合、結合剤の除去工程で成
形品の変形が生じ易いという問題がある。これは、結合
剤の除去工程では、ワックス成分が軟化し流動化または
液状化して成形品の外部に排出されるので、このワック
ス成分の流動化のために、成形品の形状保持性が低下し
てしまうのである。成形品に凹凸形状がある場合、成形
品の支持面で直接に支持されていない凹部あるいは凸部
が自重で変形してしまうことになる。
【0005】具体的には、図16に示すような断面H形
の成形品Mでは、成形時点では点線で示す水平片hが、
結合剤の除去工程で前記のようなワックス成分の流動化
が起こって成形品Mの形状保持性が低下すると、図に実
線で示すように、水平片hの中央部分が自重で下向きに
垂れるように変形してしまうのである。このように変形
した成形品Mを焼結すれば、得られた焼結製品にも水平
片hの垂れ変形が生じてしまう。
【0006】さらに、焼結用粉末に対する結合剤の割合
が多い成形材料を用いた場合には、焼結工程において
も、上記結合剤の除去工程の場合と同じような成形品の
変形が生じ易くなる。そこで、結合剤の除去工程および
焼結工程において、成形品のうち変形する可能性のある
部分を変形しないように保持しておく保持具いわゆるセ
ッターを用いることが考えられた。
【0007】保持具は、成形品の凹凸形状に合致する凹
凸形状を有し、結合剤の除去工程や焼結工程における加
熱あるいは溶剤との接触で変形したり溶融しない材料で
作製される。ところが、焼結工程における成形品の収縮
率が大きいと、成形品の凹凸形状に合わせて作製された
保持具の凹凸形状は、焼結工程で収縮変形した成形品の
凹凸形状には合わなくなる。焼結工程での成形品の収縮
形状に合わせて保持具の凹凸形状を作製しておくと、結
合剤の除去工程では、保持具の凹凸形状と成形品の凹凸
形状との間に大きな隙間があいてしまい、成形品の形状
保持を果たすことができない。
【0008】例えば、焼結用粉末と結合剤との配合比が
体積比で50:50である場合、焼結工程で約20%も
の収縮を起こす。このような場合には、同じ形状の保持
具を結合剤の除去工程と焼結工程とで兼用することは不
可能である。そこで、結合剤の除去工程と焼結工程と
で、凹凸形状の寸法が異なるそれぞれに専用の保持具を
用いることが考えられた。しかし、この場合、結合剤の
除去工程が終了した後で、結合剤の除去工程で用いた保
持具から焼結工程に用いる保持具へと成形品を移し替え
る作業を行う必要がある。ところが、この移し替え作業
の際に、結合剤が除去された成形品が破損し易いという
問題がある。
【0009】これは、焼結用粉末を結合させていた結合
剤が無くなった状態の成形品は非常に脆く壊れやすいた
め、保持具から保持具への移し替えを行うだけでも破損
してしまうのである。本発明の目的は、上記のような焼
結製品の製造方法における問題点を解消し、凹凸形状を
有する成形品を変形や破損を起こすことなく結合剤の除
去および焼結を行って、仕上がり品質の良好な焼結製品
を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の焼結製品の製造
方法のうち、第1の方法は、焼結用粉末を含む成形品を
焼結させて焼結製品を製造する方法であり、成形工程、
ワックス成分除去工程、ポリマー成分除去工程および焼
結工程を備えている。成形工程は、ワックス成分とポリ
マー成分とを含む結合剤と焼結用粉末との混合物を成形
して凹凸形状を有する成形品を得る。ワックス成分除去
工程は、前記工程で得られた成形品を、前記凹凸形状に
合致する凹凸形状を有する第1の保持具に保持した状態
でワックス成分を除去する。ポリマー成分除去工程は、
前記工程でワックス成分が除去された成形品を、焼結に
伴う収縮量に見合う隙間を前記凹凸形状との間に有する
第2の保持具に保持した状態でポリマー成分を除去す
る。焼結工程は、前記工程でポリマー成分が除去された
成形品を、前記第2の保持具に保持した状態で焼結させ
る。
【0011】なお、前記混合物が、焼結用粉末にポリマ
ー成分を被覆処理した後ワックス成分を混合したもので
あることができる。第2の方法は、成形工程、部分焼結
工程および全体焼結工程を備えている。成形工程は前記
方法と同じである。部分焼結工程は、前記工程で得られ
た成形品のうち形状保持に必要な一部に対して結合剤の
除去および焼結を行って部分焼結成形品を得る。全体焼
結工程は、前記工程で得られた部分焼結成形品の全体に
対して結合剤の除去および焼結を行う。
【0012】なお、前記部分焼結工程で、前記成形品の
一部に対して結合剤の除去および焼結を行う手段とし
て、高温流体、プラズマ、レーザーあるいは高周波を作
用させる方法が採用できる。第3の方法は、成形工程、
多孔性ポリマー被覆工程、ワックス成分除去工程、ポリ
マー除去工程および焼結工程を備えている。成形工程は
前記方法と同じである。多孔性ポリマー被覆工程は、前
記成形品を得る工程の途中または後で前記成形品に多孔
性ポリマーを被覆する。ワックス成分除去工程は、前記
工程で多孔性ポリマーが被覆された成形品から前記ワッ
クス成分を除去する。ポリマー除去工程は、前記工程で
ワックス成分が除去された成形品から前記ポリマー成分
および多孔性ポリマーを除去する。焼結工程は、前記工
程でポリマー成分および多孔性ポリマーが除去された成
形品を焼結する。
【0013】第4の方法は、成形工程、ワックス成分除
去工程、ポリマー成分除去工程、保持具縮小工程および
焼結工程を備えている。成形工程は前記方法と同じであ
る。ワックス成分除去工程は、前記工程で得られた成形
品を、その凹凸形状に合致する凹凸形状を有する保持具
に保持した状態でワックス成分を除去する。ポリマー成
分除去工程は、前記工程でワックス成分が除去された成
形品からポリマー成分を除去する。保持具縮小工程は、
前記ポリマー成分の除去と同時または後で、成形品が配
置されたままで保持具を焼結に伴う成形品の収縮形状に
合わせて縮小させる。焼結工程は、前記工程でポリマー
成分が除去された成形品を縮小された保持具に保持した
状態で焼結させる。
【0014】なお、保持具縮小工程は、保持具の一部を
加熱により溶融させて除去したり、保持具の一部を加熱
により収縮変形させたりする方法が採用できる。第5の
方法は、成形工程、ワックス成分除去工程、ポリマー成
分除去工程および焼結工程を備えている。成形工程は前
記方法と同じである。ワックス成分除去工程は、前記工
程で得られた成形品を、前記凹凸形状に合致する凹凸形
状を有するとともに加熱収縮特性が成形品と同じ保持具
に保持した状態でワックス成分を除去する。ポリマー成
分除去工程は、前記工程でワックス成分が除去された成
形品を、保持具に保持した状態でポリマー成分を除去す
る。焼結工程は、前記工程でポリマー成分が除去された
成形品を、前記保持具に保持した状態で焼結させる。
【0015】第6の方法は、成形工程、結合剤除去工
程、焼結用保持工程および焼結工程を備えている。成形
工程は前記方法と同じである。結合剤除去工程は、前記
工程で得られた成形品を、非接触で保持する手段で保持
した状態で結合剤を除去する。焼結用保持工程は、前記
工程で結合剤が除去された成形品を、前記非接触保持手
段による保持を解除し焼結用保持具の上に落下させて成
形品を焼結用保持具に保持させる。焼結工程は、前記焼
結用保持具に保持された成形品を焼結させる。
【0016】
【作用】本発明の焼結製品の製造方法のうち、第1の方
法は、焼結前の成形品の凹凸形状に合致する凹凸形状を
有する第1の保持具を用いてワックス成分除去工程を行
うので、この工程における成形品の形状保持は確実に行
える。ポリマー成分除去工程では、焼結に伴う収縮量に
見合う隙間を前記凹凸形状との間に有する第2の保持具
すなわち焼結用の保持具を用いる。結合剤からワックス
成分が除去されてしまいポリマー成分だけになった成形
品は変形し難いので、成形品と第2の保持具との間に隙
間があいていても成形品が変形することはない。結合剤
が除去された成形品は脆く壊れやすいが、第2の保持具
に保持されたままでポリマー成分除去工程から焼結工程
へと移行するので、成形品の破損を良好に防止できる。
【0017】なお、前記混合物が、焼結用粉末にポリマ
ー成分を被覆処理した後ワックス成分を混合したもので
あれば、焼結用粉末を被覆したポリマー成分の外周にワ
ックス成分が存在するので、ワックス成分除去工程でワ
ックス成分の除去が容易に行える。ワックス成分が除去
されたあとも焼結用粉末がポリマー成分で被覆されてい
るので成形品の形状保持性が高く、ワックス成分除去工
程からポリマー成分除去工程に移行する間およびポリマ
ー成分除去工程においても、成形品の変形が良好に防止
できる。
【0018】第2の方法は、部分焼結工程では成形品の
一部のみで結合剤の除去および焼結を行うので、残りの
大部分の成形品が有する形状保持力で成形品全体の変形
を防止することができる。部分焼結工程を終えた部分焼
結成形品は、焼結部分が有する高い剛性により、成形品
全体の形状保持性が高められており、このような部分焼
結成形品を用いて全体焼結工程を行うので、この全体焼
結工程のうちの結合剤の除去工程では、成形品をその凹
凸形状に合致する保持具で保持しておかなくても、成形
品が変形を起こすことはない。
【0019】なお、前記部分焼結工程で、前記成形品の
一部に対して結合剤の除去および焼結を行う手段とし
て、高温流体、プラズマ、レーザーあるいは高周波を作
用させる方法を採用すれば、成形品の必要な部分だけを
効率的に加熱して結合剤の除去および焼結を行うことが
できる。第3の方法は、ワックス成分除去工程でワック
ス成分が除去されても、成形品の外周が多孔性ポリマー
で被覆されて補強されているので変形が生じ難い。しか
も、多孔性ポリマーはワックス成分を通過させるので、
多孔性ポリマーが存在していてもワックス成分の除去は
容易に行われる。ポリマー除去工程で、結合剤のポリマ
ー成分とともに多孔性ポリマーも除去されるので、焼結
工程に供される成形品には多孔性ポリマーが残留する心
配はない。
【0020】第4の方法は、ワックス成分除去工程に適
した形状の保持具を用いるとともに、焼結工程の前に、
成形品を保持したままの上記保持具を縮小させて、焼結
工程に適した形状の保持具にする。したがって、ワック
ス成分除去工程、ポリマー成分除去工程および焼結工程
を、同じ保持具に成形品を保持させたままで行えるの
で、保持具を移し変える際の成形品の変形や破損が防止
できる。寸法の異なる複数の保持具を用いる必要がない
ので、保持具の製造および準備の手間とコストが削減で
きる。
【0021】なお、保持具縮小工程を、保持具の一部を
加熱により溶融させて除去したり、保持具の一部を加熱
により収縮変形させたりする方法で行えば、保持具の縮
小が容易に行える。特に、結合剤の除去と保持具の縮小
を同じ加熱処理によって行うことができるので、作業工
程および処理装置を削減することができる。第5の方法
は、ワックス成分除去工程では、成形品の凹凸形状に合
致した保持具を用いるので成形品が変形することは確実
に防止できる。保持具として、成形品と同じ加熱収縮特
性を有するものを用いるので、ワックス成分除去工程に
用いた保持具のままで焼結工程を行うと、成形品の加熱
収縮に合わせて保持具も加熱収縮することになる。した
がって、焼結工程でも、成形品の凹凸形状と保持具の凹
凸形状は合致したままであり、成形品の変形が良好に防
止できる。
【0022】第6の方法は、結合剤の除去工程を、成形
品を非接触保持手段で保持した状態で行うので、成形品
の凹凸形状に合致する凹凸形状の保持具を用いなくて
も、成形品の変形が生じることがない。磁力やガス圧な
どの非接触保持手段が使用し難い焼結工程では、焼結工
程での成形品の収縮変形に対応できる焼結用保持具を用
いるので、焼結工程での成形品の変形も確実に防止でき
る。非接触保持手段から焼結用保持具への成形品の受け
渡しは、非接触保持手段による保持を解除することで成
形品を焼結用保持具の上に落下させて保持させるので、
結合剤が除去されて脆くなった成形品でも、変形したり
破損したりすることが防げる。
【0023】
【実施例】
〔2つの保持具を用いる実施例〕図1に示すように、成
形品20を第1の保持具10および第2の保持具30に
移し替えて焼結製品20xを製造する。保持具10、3
0はセラミック材料で形成されている。
【0024】成形品20の成形材料は、焼結用粉末とし
て高速度鋼系微粉末を用い、結合剤としてワックス成分
およびポリマー成分を含む通常の焼結製品用の結合剤を
用いる。これらの成形材料を用いて射出成形により断面
H形のブロック状をなす成形品20が形成されている。
射出成形には、以下に示す装置および成形条件が適用さ
れる。
【0025】 成形機:FANUC社製 電動サーボ式射出成形機 成形条件:射出速度 40mm/sec 射出時間 0.2sec シリンダ温度 160℃ 金型内圧力 400kgf/cm2 金型温度 26℃ 冷却時間 30sec 図1(a) に示すように、第1の保持具10は、成形状態
での成形品20の外形のうちH形断面の凹部に合致する
凸部12(幅W1 ×高さH1 )を備えている。成形品2
0の水平片21が保持具10の上面で支持された状態に
なっている。
【0026】成形品20から結合剤を除去する。結合剤
の除去工程は、最初にワックス成分の除去工程を行い、
つぎにポリマー成分の除去工程を行う。図1(a) に示す
ように、ワックス成分の除去工程では、成形品20を第
1の保持具10に保持させて、加熱炉などに入れて加熱
する。図2に示すような昇温過程で加熱する。最大加熱
温度が300℃である。この最大加熱温度は結合剤に含
まれるワックス成分の溶融温度に合わせて設定される。
ワックス成分は加熱により軟化および流動化し、成形品
20から抜け出して除去される。ワックス成分の除去過
程で成形品20の水平片21が垂れるように変形しよう
とするが、第1の保持具10で保持されているので変形
は阻止される。
【0027】ワックス成分が除去された成形品20は、
液状あるいは流動性の成分が除去されるので変形し難く
なる。この状態で、成形品20を第1の保持具10から
第2の保持具30に移す。第2の保持具30は、後の工
程で成形品20を焼結したときに、この焼結に伴って成
形品20が収縮する量に見合うだけの隙間を、成形品2
0の凹凸形状との間に有するように設計されている。言
い換えると、第2の保持具30は焼結工程に適した形状
を備えている。第2の保持具30の凸部32は、幅W2
×高さH2となっている。ここで、W2 <W1 、H2
1 である。
【0028】図1(b) に示すように、ワックス成分除去
工程を終えた成形品20を第2の保持具12に保持させ
た状態では、成形品20と第2の保持具12との間には
隙間があいている。この状態で、ポリマー成分除去工程
を行う。ポリマー成分除去工程は、図3に示す昇温過程
を経て加熱する。加熱温度は300℃から最高500℃
になる。この加熱により、ポリマー成分は主に気化する
ことで成形品20から外部に放出される。ポリマー成分
が除去される過程では、成形品20の変形はあまり問題
にならない。
【0029】ポリマー成分が除去された成形品20は、
第2の保持具30に保持させたままで、焼結工程を行
う。焼結工程は、通常の焼結製品の製造の場合と同様の
処理条件で行う。図1(c) に示すように、成形品20は
焼結過程で収縮変形を起こして焼結製品20xとなる。
成形品20が収縮変形を起こすと、成形品20の凹凸形
状と第2の保持具30の凹凸形状とが合致するので、焼
結過程での成形品20の垂れ変形などは、第2の保持具
30で確実に防止することができる。
【0030】焼結工程を終えれば、成形品20は焼結さ
れて焼結製品20xが得られる。 <具体的実施例>上記実施例の方法にしたがって焼結製
品を製造した具体例について説明する。 (使用材料) 焼結用粉末A:金属粉末、材質SKH57、平均粒径1
μm 焼結用粉末B:セラミック粉末:材質ジルコニア、平均
粒径1μm 結合剤:ポリマー成分…メタクリル酸ブチルエステル、
エチレン−酢ビ共重合体 ワックス成分…パラフィンワックス、ステアリン酸 (配合比/重量部) 成形材料1…焼結用粉末A:結合剤=100:11 成形材料2…焼結用粉末B:結合剤=100:13.3 (保持具) 第1の保持具10の寸法:W1 =20mm、H1 =4mm
(成形品20の凹部と同じ寸法) 第2の保持具30の寸法:W2 =16mm、H1 =3.2
mm 上記のような条件で、成形材料1、2を用いて焼結製品
を製造したところ、何れの成形材料1、2から得られた
焼結製品も、その寸法精度は良好であった。なお、成形
品に対する焼結製品の収縮率を測定したところ、成形材
料1の場合は20%、成形材料1の場合は18%であっ
た。なお、成形品の収縮は何れの場合も結合剤の除去工
程では進行せず焼結工程のみで進行していた。
【0031】<変更実施例> (a) 前記実施例では、ワックス成分除去工程を加熱によ
って行っていたが、ワックス成分を溶解可能な溶剤に成
形品20を浸漬したりして、溶剤によるワックス成分の
除去を行うこともできる。 (b) 保持具10、30は、予め凸部12、32の形状を
一体加工しておくほか、平板状の保持具の上に、凸部と
なる部品を着脱自在に取り付けたりしてもよい。また、
平板状の保持具の上に粉末材料を盛り上げて凸部の形状
を作ることもできる。この粉末材料は、成形品を構成す
る材料と反応を起こさない材料が用いられる。 〔ポリマーによる被覆処理を行う実施例〕基本的な工程
は前記実施例と同じであるが、成形材料の構成が異な
る。
【0032】成形材料は、焼結用粉末として鉄系微粉末
を用いる。結合剤は、ポリマー成分とワックス成分を含
むものである。図4(a) に示すように、焼結用粉末24
の周囲にポリマー成分26を被覆処理する。被覆処理
は、蒸着あるいはスプレーなどの方法が適用される。つ
ぎに、図4(b) に示すように、ポリマー成分26が被覆
された焼結用粉末24とワックス成分28を混練する。
【0033】このようにして得られた成形材料を用い
て、前記実施例と同じ工程で焼結製品を製造する。この
実施例では、ワックス成分28が成形粒子の外周に存在
するので、ワックス成分除去工程でワックス成分28の
除去が効率的に行われる。ワックス成分28が除去され
たあとも、焼結用粉末24の周囲をポリマー成分26が
良好に覆っているので、成形品20の変形が生じ難い。 〔部分焼結を行う実施例〕図5に示すように、成形品2
0は前記図1の実施例と同様のものを用いる。但し、結
合剤は、ワックス成分とポリマー成分とを組み合わせた
ものである必要はなく、通常の焼結製品の製造に利用さ
れる各種結合剤を用いることができる。保持具10、3
0も前記図1の実施例と同様のものである。但し、第1
の保持具10の内部には冷却用配管14が埋め込まれて
おり、冷却用配管14には冷却水が流される。。
【0034】図5(a) に示すように、第1の保持具10
に保持された成形品20の表面のみで結合剤の除去およ
び焼結を行って部分焼結部20aを形成する。この部分
焼結工程のうち、結合剤の除去工程では、成形品20の
表面に高熱ガスなどの高温流体を吹き付け表面のみを加
熱して結合剤の除去を行う。結合剤の除去は、ワックス
成分とポリマー成分とからなる結合剤の場合は、ワック
ス成分除去工程とポリマー成分除去工程に分けて行って
もよいし両工程を連続的に同時に行ってもよい。結合剤
の除去工程で、成形品20の内部側の結合剤までが除去
されないように、冷却用配管14で成形品20の内部側
を冷却しておくことが好ましい。
【0035】焼結工程は、成形品20を第1の保持具1
0に保持させたままで行う。焼結温度を約100℃程度
に設定することで、成形品20の表面20aのみを焼結
させる。この焼結の際の加熱にも、前記した高温流体が
用いられる。成形品20の内部側は焼結しないので、成
形品20全体の収縮変形は生じない。したがって、成形
品20を第1の保持具10に保持させたままで焼結を行
うことができる。
【0036】成形品20のうち部分焼結部20aを形成
しておく場所や範囲は、後に行う全体の結合剤除去工程
で成形品20の変形を防止するのに有効な場所および範
囲に設定しておく。図5(a) に示すように、成形品20
の外側表面の全体に部分焼結部20aを形成しておけ
ば、成形品20の変形防止が良好に行えるが、成形品2
0の変形し易い水平片21とその周辺だけに部分焼結部
20aを形成しておくだけでもよい。
【0037】つぎに、図5(b) に示すように、部分焼結
された成形品20を第2の保持具30に移して、成形品
20の全体に対する結合剤の除去および焼結を行う。こ
の段階での結合剤の除去工程および焼結工程は、通常の
焼結製品の製造と同様に行える。焼結温度は約1250
℃で行う。結合剤の除去工程で、ワックス成分が軟化あ
るいは流動化しても、部分焼結部20aが成形品20全
体の形状保持を果たすので、成形品20が垂れ変形を起
こすことはない。また、成形品20を第1の保持具10
から第2の保持具30に移す際には、比較的脆い部分焼
結部20aが成形品20の内部側の結合剤を含む部分で
補強されるので、成形品20が取扱い中に破損する心配
もない。
【0038】<部分焼結手段の変更例>前記した図5
(a) の部分焼結工程において、成形品20の表面のみを
加熱して結合剤の除去および焼結を行う手段としては、
前記した高温流体のほか、つぎの手段が適用できる。図
6(a) に示すように、成形品20をプラズマPで加熱し
て部分焼結部20aを形成する。プラズマPとしては、
減圧プラズマまたは常圧プラズマが用いられる。このと
き、成形品20は前記第2の保持具30に保持させてお
く。したがって、保持具30と成形品20との凹凸形状
には隙間があいている。この状態でプラズマPによる加
熱を行うと、成形品20の上部側の表面だけでなく、保
持具30との隙間部分の表面も加熱されるので、成形品
20の全表面に部分焼結部20aが形成される。加熱温
度は、前記した実施例の部分焼結工程と同じ程度でよ
い。
【0039】図6(b) に示すように、成形品20の全体
に対する結合剤の除去および焼結工程は前記した実施例
と同様である。上記図6の実施例では、前記第1の保持
具10は用いず、第2の保持具30だけを用いるので、
作業工程が簡略化できる。図7(a) に示すように、成形
品20の表面にレーザRの照射で加熱して部分焼結部2
0aを形成することができる。レーザRは、成形品20
の凹凸形状にしたがって走査するように照射する。その
他の工程は、前記した実施例と同様に行える。
【0040】図8(a) に示すように、成形品20の表面
に高周波コイルCによる高周波加熱で部分焼結部20a
を形成することができる。高周波コイルCは成形品20
の外形に合わせて全周に配置しておいてもよいし、高周
波コイルCを成形品20の外形に沿って移動させながら
加熱を行ってもよい。その他の工程は、前記した実施例
と同様に行える。 〔多孔性ポリマーで被覆する実施例〕成形品20を、前
記したような通常の成形材料からなる本体部20cと、
本体部cの外面を被覆する多孔性ポリマー層20bとで
構成しておく。本体部20cは、前記同様に、結合剤と
してワックス成分とポリマー成分とからなるものを用い
る。本体部20cの製造工程は、前記実施例と同様であ
る。
【0041】多孔性ポリマーには、本体部20cのワッ
クス成分よりも軟化点の高い材料が用いられる。多孔性
ポリマーを本体部20cに被覆して多孔性ポリマー層2
0bを形成する手段としては、浸漬やスプレー塗布など
の手段が採用される。図9(a) に示すように、多孔性ポ
リマー層20bが被覆された成形品20を、第2の保持
具30に保持させた状態で結合剤の除去工程を行う。保
持具30と成形品20の間には隙間があいている。
【0042】この結合剤の除去工程でワックス成分が軟
化、流動化しても、外周を多孔性ポリマー層20bで被
覆しているので、成形品20が垂れ変形を起こすことは
ない。したがって、保持具30と成形品20の間に隙間
があいていてもよいのである。成形品20から除去され
るワックス成分は、多孔性ポリマー層20bの多孔性の
隙間を通じて外部に排出される。
【0043】結合剤の除去工程でポリマー成分が除去さ
れる際に多孔性ポリマーも除去されるので、結合剤の除
去工程を終えた成形品20には多孔性ポリマー層20b
は存在しない。焼結工程は、結合剤が除去された成形品
20に対する通常の処理条件が適用できる。 〔保持具を縮小させる実施例〕図10(a) に示すよう
に、前記第2の保持具30の凸部32の上に、断面コ字
形の補助保持具16を被せた状態で、補助保持具16の
上に成形品20を保持させる。保持具30に補助保持具
16を被せた状態の外形は、前記した第1の保持具10
の外形と同じである。補助保持具16は、結合剤のポリ
マー成分が除去される工程で同時に除去される材料で作
製されている。具体的には、結合剤のポリマー成分と同
様のポリマーからなるものを用いることができる。
【0044】図10(a) の状態で結合剤の除去工程を行
う。成形品20からワックス成分が除去される際には、
補助保持具16で成形品20を保持しているので、成形
品20が変形を起こすことはない。ワックス成分の除去
処理温度では補助保持具16は軟化溶融しない。成形品
20からポリマー成分が除去される際には、ポリマー成
分の除去と同時に補助保持具16も除去される。保持具
全体の外形に着目すれば、補助保持具16の外形が第2
の保持具30の外形まで縮小することになる。補助保持
具16が除去されて保持具全体の外形が縮小されれば、
成形品20と保持具30の間に隙間が生じるが、この段
階の成形品20にはワックス成分は含まれていないの
で、成形品20が変形する心配はない。
【0045】図10(b) に示すように、結合剤が除去さ
れた成形品20を保持具30に保持させたままで焼結さ
せる。焼結製品20xは縮小して保持具30の凹凸形状
に合致する。したがって、焼結過程での変形は保持具3
0で防止できる。 <縮小手段の異なる実施例>図11に示すように、第2
の保持具30を、平板状の下部材34と下部材34より
も面積が小さな台状の上部材36とで構成する。
【0046】図11(a) に示すように、結合剤の除去工
程で成形品20を保持する際には、下部材34の上に、
上向きに開いたコ状形をなす補助保持具18を載せ、こ
の補助保持具18の上部の凹みに保持具30の上部材3
6を嵌入して配置しておく。補助保持具18の材料は、
前記実施例で用いた補助保持具16と同様のものであ
る。このように配置された保持具の全体形状は、前記し
た第1の保持具10の外形と同じである。
【0047】保持具34、18、36に保持された成形
品20を結合剤の除去工程に供する。結合剤のワックス
成分が除去される段階では、各保持具34、18、36
で成形品20の変形を確実に防止する。結合剤のポリマ
ー成分が除去される段階では、補助保持具18がポリマ
ー成分とともに溶融あるいは気化して除去される。補助
保持具18が除去されると、上部材36が下部材34の
上に落下して重なった状態になる。保持具全体の外形に
着目すると、補助保持具18が無くなった分だけ、外形
が縮小したことになる。この状態では、下部材34と上
部材36からなる保持具30と成形品20との間には隙
間があくことになる。
【0048】図11(b) に示すように、結合剤が除去さ
れた成形品20を焼結させて、焼結製品20xを得る。
焼結製品20xは、下部剤34と上部剤36とからなる
保持具30で保持されているので、焼結に伴う変形が防
止できる。 <縮小手段の異なる別の実施例>図12に示すように、
前記実施例と同様の下部材34および上部材36と、形
状記憶合金からなる縮小部材38とからなる保持具30
を用いる。縮小部材38は、下部材34と上部材36の
間に重ねられている。
【0049】図12(a) に示すように、成形品20の水
平片21を縮小部材38と上部材36とで支えた状態で
結合剤の除去工程を行う。結合剤の除去工程のうちポリ
マー成分を除去するために加熱温度を高くしたり、その
後の焼結工程で高温に加熱すると、形状記憶合金からな
る縮小部材38が縮小変形を起こす。
【0050】図12(b) に示すように、焼結工程では、
成形品20の収縮に合わせて前記縮小部材38が低くな
るので、成形品20あるいは焼結製品20xは上部材3
6の上面で確実に支持された状態になる。縮小部材38
の縮小機構としては、前記形状記憶合金を用いるほかバ
イメタルによる縮小機構を組み込んでおくこともでき
る。 〔保持具と成形品の加熱収縮特性を合わせておく実施
例〕図13に示すように、保持具40として、加熱収縮
特性が成形品20と同じ材料を用いる。保持具40を成
形品20と同じ材料で作製しておけば、加熱収縮特性も
同じになる。加熱収縮特性が同じであれば、成形品20
と異なる材料で保持具40を作製しておいてもよい。保
持具40の外形は、前記した第1の保持具10の外形と
同じである。
【0051】図13(a) に示すように、保持具40に成
形品20を保持させた状態で結合剤の除去工程を行う。
成形品20の変形は保持具40で確実に防止できる。図
13(b) に示すように、結合剤が除去された成形品20
を保持具40に保持させたまま焼結工程を行う。焼結に
伴って成形品20あるいは焼結製品20xが収縮する
が、保持具40のほうも同じ割合で収縮するので、保持
具40で成形品20が保持された状態は変わらない。 〔非接触保持手段を用いる実施例〕成形品20を構成す
る焼結用粉末に高速度鋼のような磁着性のある材料を用
いる。
【0052】図14に示すように、成形品20を電磁石
50の磁力で空中に保持する。成形品20の下方には前
記した焼結工程に適した第2の保持具30を配置してお
く。この状態で、結合剤の除去工程を行う。成形品20
を構成するワックス成分が軟化流動しても、成形品20
の全体が電磁石50により非接触状態で保持されている
ので、成形品20の一部が垂れ変形を起こすことはな
い。
【0053】ワックス成分が除去された後あるいは結合
剤の除去工程が終わった後で、電磁石50を遠ざけるか
磁力を無くす。成形品20は保持具30の上に落下して
保持具30で保持される。結合剤が除去された成形品2
0が脆くなっていても、成形品20を電磁石50から保
持具30に落下させるだけであれは、成形品20が損傷
したり変形したりすることはない。保持具30で成形品
20を保持した状態では、保持具30と成形品20は凹
凸形状の間に隙間があいている。
【0054】その後、成形品20を保持具30に保持し
たままで焼結工程を行う。焼結過程で成形品20が収縮
しても、成形品20あるいは焼結製品20xは保持具3
0で良好に保持され、焼結製品20xの変形が防止でき
る。 <非接触保持手段の別の実施例>図15に示すように、
保持具30に多数のガス噴出口31を設けておく。ガス
噴出口31から噴出するガスで成形品20を浮上させて
非接触で保持する。
【0055】ガスを吹き付けた状態で、結合剤の除去工
程を行う。その後、ガスの吹き付けを終了すれば、成形
品20は保持具30の上に落下して保持具30で保持さ
れることになる。その後の焼結工程は、前記した実施例
と同じである。 〔その他の実施例〕 (a) 焼結製品20xすなわち成形品20の材料は、通常
の焼結製品と同様の材料が使用できる。焼結用粉末は、
前記した高速度鋼などの金属、ジルコニアなどのセラミ
ック、その他の無機材料など、通常の焼結製品用の粉末
材料が用いられる。結合剤のワックス成分やポリマー成
分も、通常の焼結製品用の結合剤と同様の材料を適宜に
組み合わせて使用することができる。
【0056】(b) 成形品20の形状は、図示した断面H
形のほか、焼結製品の利用分野や用途に合わせて、任意
の凹凸形状を有するものに適用できる。成形品20の形
状が変われば、前記した保持具10、30や補助保持具
16、18、上部材36、下部材34、縮小部材38、
電磁石50などの形状も変わる。
【0057】
【発明の効果】本発明にかかる焼結製品の製造方法のう
ち、第1の方法では、前記のような第1および第2の保
持具を用いることで、ワックス成分除去工程での成形品
の変形および焼結工程での成形品の変形の何れをも良好
に防ぐことができる。しかも、第1の保持具から第2の
保持具への移し替えを、ポリマー成分除去工程の前に行
っておくので、移し替え作業の際に成形品を損傷するこ
とがない。
【0058】なお、焼結用粉末にポリマー成分を被覆し
ワックス成分を混合した成形材料を用いれば、結合剤の
除去が効率的に行え、成形品の形状保持性が高く、成形
品の変形が良好に防止できる。第2の方法では、結合剤
の除去および焼結を、部分焼結工程と全体の焼結工程と
の2段階に分けることにより、成形品の形状保持性を高
め、成形品の変形を良好に防止することができる。
【0059】なお、部分焼結を行う手段として、高温流
体、プラズマ、レーザーあるいは高周波を作用させる方
法を採用すれば、上記方法を効率的に行える。第3の方
法では、成形品を多孔性ポリマーで被覆しておくので、
成形品に変形を生じさせずにワックス成分が除去でき、
多孔性ポリマーはポリマー成分とともに除去されるの
で、成形品の変形を防止しながら能率的な結合剤の除去
が行える。
【0060】第4の方法では、保持具を縮小させること
で、結合剤の除去工程および焼結工程の両方を、保持具
に成形品を保持したままで行うことができる。その結
果、保持具間での成形品の移し替えの手間が省け、移し
替えに伴う成形品の変形や破損の問題も解消される。な
お、保持具の縮小を、保持具の一部を加熱により溶融さ
せて除去したり、保持具の一部を加熱により収縮変形さ
せたりする方法で行えば、作業が容易に行える。
【0061】第5の方法では、保持具の加熱収縮特性を
成形品と同じにしておくことで、結合剤の除去工程と焼
結工程で別の保持具を用いる必要がなく、成形品の収縮
に合わせて保持具で確実に変形を防止することができ
る。第6の方法では、結合剤の除去工程で非接触保持手
段を用いることにより、成形品の外形に関わりなく、成
形品が変形しないように確実に保持しておくことができ
る。非接触保持手段から焼結用保持具への成形品の受け
渡しは、非接触保持手段の保持を解除するだけでよいの
で、作業が簡単で成形品の変形や損傷を確実に防ぐこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例となる焼結製品の製造方法を
段階的に表す概略工程図
【図2】ワックス成分除去工程における加熱温度変化図
【図3】ポリマー成分除去工程における加熱温度変化図
【図4】別の実施例における成形材料の製造工程を段階
的に表す概略工程図
【図5】別の実施例となる焼結製品の製造方法を段階的
に表す概略工程図
【図6】別の実施例となる焼結製品の製造方法を段階的
に表す概略工程図
【図7】別の実施例となる焼結製品の製造方法を段階的
に表す概略工程図
【図8】別の実施例となる焼結製品の製造方法を段階的
に表す概略工程図
【図9】別の実施例となる焼結製品の製造方法を段階的
に表す概略工程図
【図10】別の実施例となる焼結製品の製造方法を段階
的に表す概略工程図
【図11】別の実施例となる焼結製品の製造方法を段階
的に表す概略工程図
【図12】別の実施例となる焼結製品の製造方法を段階
的に表す概略工程図
【図13】別の実施例となる焼結製品の製造方法を段階
的に表す概略工程図
【図14】別の実施例となる焼結製品の製造方法を表す
概略工程図
【図15】別の実施例となる焼結製品の製造方法を表す
概略工程図
【図16】焼結製品の変形状態を説明する概略斜視図
【符号の説明】
10 第1の保持具 12 凸部 16、18 補助保持具 20 成形品 20a 部分焼結部 20x 焼結製品 21 水平片 24 焼結用粉末 26 ポリマー成分 28 ワックス成分 30 第2の保持具 31 ガス噴出口 32 凸部 34 下部材 36 上部材 38 縮小部材 50 電磁石
フロントページの続き (72)発明者 草野 昇 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼結用粉末を含む成形品を焼結させて焼結
    製品を製造する方法であって、 ワックス成分とポリマー成分とを含む結合剤と前記焼結
    用粉末との混合物を成形して凹凸形状を有する成形品を
    得る工程と、 前記工程で得られた成形品を、前記凹凸形状に合致する
    凹凸形状を有する第1の保持具に保持した状態で前記ワ
    ックス成分を除去する工程と、 前記工程でワックス成分が除去された成形品を、前記焼
    結に伴う収縮量に見合う隙間を前記凹凸形状との間に有
    する第2の保持具に保持した状態で前記ポリマー成分を
    除去する工程と、 前記工程でポリマー成分が除去された成形品を、前記第
    2の保持具に保持した状態で焼結させる工程とを備えた
    焼結製品の製造方法。
  2. 【請求項2】前記混合物が、前記焼結用粉末に前記ポリ
    マー成分を被覆処理した後、前記ワックス成分を混合し
    たものである請求項1に記載の焼結製品の製造方法。
  3. 【請求項3】焼結用粉末を含む成形品を焼結させて焼結
    製品を製造する方法であって、 ワックス成分とポリマー成分とを含む結合剤と前記焼結
    用粉末との混合物を成形して凹凸形状を有する成形品を
    得る工程と、 前記工程で得られた成形品のうち形状保持に必要な一部
    に対して前記結合剤の除去および焼結を行って部分焼結
    成形品を得る工程と、 前記工程で得られた部分焼結成形品の全体に対して前記
    結合剤の除去および焼結を行って焼結製品を得る工程と
    を備えた焼結製品の製造方法。
  4. 【請求項4】前記部分焼結品を得る工程で、前記成形品
    の一部に高温流体を作用させて前記結合剤の除去および
    焼結を行う請求項3に記載の焼結製品の製造方法。
  5. 【請求項5】前記部分焼結品を得る工程で、前記成形品
    の一部にプラズマを作用させて前記結合剤の除去および
    焼結を行う請求項3に記載の焼結製品の製造方法。
  6. 【請求項6】前記部分焼結品を得る工程で、前記成形品
    の一部にレーザを作用させて前記結合剤の除去および焼
    結を行う請求項3に記載の焼結製品の製造方法。
  7. 【請求項7】前記部分焼結品を得る工程で、前記成形品
    の一部に高周波を作用させて前記結合剤の除去および焼
    結を行う請求項3に記載の焼結製品の製造方法。
  8. 【請求項8】焼結用粉末を含む成形品を焼結させて焼結
    製品を製造する方法であって、 ワックス成分とポリマー成分とを含む結合剤と前記焼結
    用粉末との混合物を成形して凹凸形状を有する成形品を
    得る工程と、 前記成形品を得る工程の途中または後で前記成形品に多
    孔性ポリマーを被覆する工程と、 前記工程で多孔性ポリマーが被覆された成形品から前記
    ワックス成分を除去する工程と、 前記工程でワックス成分が除去された成形品から前記ポ
    リマー成分および多孔性ポリマーを除去する工程と、 前記工程でポリマー成分および多孔性ポリマーが除去さ
    れた成形品を焼結する工程とを備えた焼結製品の製造方
    法。
  9. 【請求項9】焼結用粉末を含む成形品を焼結させて焼結
    製品を製造する方法であって、 ワックス成分とポリマー成分とを含む結合剤と前記焼結
    用粉末との混合物を成形して凹凸形状を有する成形品を
    得る工程と、 前記工程で得られた成形品を、前記凹凸形状に合致する
    凹凸形状を有する保持具に保持した状態で前記ワックス
    成分を除去する工程と、 前記工程でワックス成分が除去された成形品から前記ポ
    リマー成分を除去する工程と、 前記ポリマー成分の除去と同時または後で、前記成形品
    が配置されたままで前記保持具を前記焼結に伴う前記成
    形品の収縮形状に合わせて縮小させる工程と、 前記工程でポリマー成分が除去された成形品を前記縮小
    された保持具に保持した状態で焼結させる工程とを備え
    た焼結製品の製造方法。
  10. 【請求項10】前記保持具を縮小させる工程が、保持具
    の一部を加熱により溶融させて除去する請求項9に記載
    の焼結製品の製造方法。
  11. 【請求項11】前記保持具を縮小させる工程が、保持具
    の一部を加熱により収縮変形させる請求項9に記載の焼
    結製品の製造方法。
  12. 【請求項12】焼結用粉末を含む成形品を焼結させて焼
    結製品を製造する方法であって、 ワックス成分とポリマー成分とを含む結合剤と前記焼結
    用粉末との混合物を成形して凹凸形状を有する成形品を
    得る工程と、 前記工程で得られた成形品を、前記凹凸形状に合致する
    凹凸形状を有するとともに加熱収縮特性が成形品と同じ
    材料からなる保持具に保持した状態で前記ワックス成分
    を除去する工程と、 前記工程でワックス成分が除去された成形品を、前記保
    持具に保持した状態でポリマー成分を除去する工程と、 前記工程でポリマー成分が除去された成形品を、前記保
    持具に保持した状態で焼結させる工程とを備えた焼結製
    品の製造方法。
  13. 【請求項13】焼結用粉末を含む成形品を焼結させて焼
    結製品を製造する方法であって、 ワックス成分とポリマー成分とを含む結合剤と前記焼結
    用粉末との混合物を成形して凹凸形状を有する成形品を
    得る工程と、 前記工程で得られた成形品を、非接触で保持する手段で
    保持した状態で前記結合剤を除去する工程と、 前記工程で結合剤が除去された成形品を前記非接触保持
    手段による保持を解除し焼結用保持具の上に落下させて
    焼結用保持具に保持させる工程と、 前記焼結用保持具に保持された成形品を焼結させる工程
    とを備えた焼結製品の製造方法。
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