JPH0867952A - 耐腐食ガス用管及びその製造方法 - Google Patents

耐腐食ガス用管及びその製造方法

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JPH0867952A
JPH0867952A JP20036894A JP20036894A JPH0867952A JP H0867952 A JPH0867952 A JP H0867952A JP 20036894 A JP20036894 A JP 20036894A JP 20036894 A JP20036894 A JP 20036894A JP H0867952 A JPH0867952 A JP H0867952A
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corrosion
less
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resistant gas
resistant
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JP20036894A
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Koichi Suiho
幸一 水穂
Toru Kawai
河合  徹
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硫化水素、亜硫酸ガス等、イオウを含む高温
腐食ガス等に起因する腐食の問題に対処し得ると共に、
非常に高温の雰囲気下での耐性(例えば、高温強度等)
に優れた耐腐食ガス用管を提供する。 【構成】 前記耐腐食ガス用管を構成するに、耐熱鋼鋳
鋼品よりなる外層部1の内側に、重量%にて、Cr:5
0%以上、残部:実質的にFeからなる耐腐食ガス用合
金よりなる内層部2を一体形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腐食ガスが通流する高
温雰囲気下に内面又は外面が曝された状態で使用される
管(以下、耐腐食ガス用管という)及びその耐腐食ガス
用管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】前記耐腐食ガス用管としては、例えば、
目的物質を管内で焼成すべく焼成炉内に設けられた炉内
チューブや、間接加熱用の燃焼ガスを管内へ導入すべく
加熱炉や熱処理炉内に設けられラジアントチューブや、
蒸気を発生させるための水を高温に加熱する廃熱ボイラ
ーを構成するのに使用されるボイラーチューブ等が挙げ
られる。これらのチューブは、通常、前記腐食ガスが通
流する高温雰囲気下に内面又は外面が曝された状態で使
用される。そこで、これらのチューブとしては、耐熱
性、耐食性が良好な耐熱鋼よりなる管、例えば、管形状
に鋳造された耐熱鋼鋳鋼品(具体的には、JIS規格:
SCH2、SCH11、SCH13、SCH18、SC
H22等)や、26.5Cr−35Ni−14Co−5
W耐熱鋼(商品名:スーパーサーム)よりなる管等が採
用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記耐腐食
ガス用管は、その内面又は外面が、非常に強い腐食性を
有するガス(例えば、硫化水素、亜硫酸ガス等、イオウ
を含む腐食ガス)が通流し、且つ、非常に高温の雰囲気
下に曝された状態で使用されることがあるが、そのよう
な厳しい条件下では、上記従来の耐腐食ガス用管の耐食
性や高温強度が不十分となり、上記従来の耐腐食ガス用
管では実用に耐えられないことがある、という問題があ
った。例えば、磁石、磁気コア等に使用される四三酸化
マンガン(Mn3O4)を製造するための焼成炉において
は、その炉内に設けられた炉内チューブ内が、1000
℃以上の高温雰囲気に、且つ、還元雰囲気に設定され、
その炉内チューブ内にて、原料としての硫酸マンガン
(MnSO4・H2O)を反応させて四三酸化マンガンを
製造することが行われているが、その製造過程では、強
い腐食性を有する硫化水素(H2S)が発生し、その硫
化水素によって、前記炉内チューブの内面が非常に腐食
され易い状況となる。そこで、前記耐熱鋼鋳鋼品や前記
スーパーサーム等の耐熱鋼にて、前記炉内チューブが構
成されている場合には、その炉内チューブが、前記硫化
水素による腐食作用によって短時間で劣化するようにな
る上、材質次第では高温強度も不足することがある、と
いう問題があった。また、前記加熱炉や熱処理炉内に設
けられたラジアントチューブにおいては、その内面が、
非常に高温で且つ強い腐食性を有する物質を含む燃焼ガ
スに曝されるようになるので、そのラジアントチューブ
が、前記耐熱鋼鋳鋼品や前記スーパーサーム等の耐熱鋼
にて構成されている場合には、そのラジアントチューブ
が、前記燃焼ガスに起因する腐食によって短時間で劣化
するようになる上、材質次第では高温強度も不足するこ
とがある、という問題があった。また、焼却炉の廃熱利
用部に設けられたボイラーチューブの外面は、通常、強
い腐食性を有する亜硫酸ガス(SO2)等に曝されるよ
うになるので、前記耐熱鋼鋳鋼品や前記スーパーサーム
等の耐熱鋼よりなる管にて、前記ボイラーチューブが構
成されている場合には、そのボイラーチューブが前記亜
硫酸ガス等に起因する腐食によって短時間で劣化する
上、材質次第では高温強度も不足することがある、とい
う問題があった。本発明は、このような実情に着目して
なされたものであり、上述した、硫化水素、亜硫酸ガス
等、イオウを含む高温腐食ガスに起因する腐食の問題に
対処し得ると共に、非常に高温の雰囲気下での耐性(例
えば、高温強度等)にも優れた耐腐食ガス用管を提供す
ることを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐腐食ガス
用管は、耐熱鋼鋳鋼品よりなる外層部の内側に、Cr:
50%(重量%、以下同じ)以上、残部:実質的にFe
からなる耐腐食ガス用合金よりなる内層部を一体形成し
てあることを第1の特徴として備えている。
【0005】本発明に係る耐腐食ガス用管は、耐熱鋼鋳
鋼品よりなる外層部の内側に、Cr:50%以上、C
o:6%以下、W:5%以下、Si:0.5〜3.5
%、Mn:0.5〜1.5%、C:0.03〜0.2
%、残部:実質的にFeからなる耐腐食ガス用合金より
なる内層部を一体形成してあることを第2の特徴として
備えている。
【0006】本発明に係る耐腐食ガス用管は、耐熱鋼鋳
鋼品よりなる外層部の内側に、Cr:50%以上、C
o:6%以下、W:5%以下、Si:0.5〜3.5
%、Mn:0.5〜1.5%、Mo:5%以下、C:
0.03〜0.2%、残部:実質的にFeからなる耐腐
食ガス用合金よりなる内層部を一体形成してあることを
第3の特徴として備えている。
【0007】本発明に係る耐腐食ガス用管は、耐熱鋼鋳
鋼品よりなる外層部の内側に、Cr:50%以上、N
i:5%以下、Co:6%以下、W:5%以下、Al:
2%以下、Si:0.5〜3.5%、Mn:0.5〜
1.5%、Mo:5%以下、B:0.8%以下、Zr:
0.1%以下、C:0.03〜0.2%、残部:実質的
にFeからなる耐腐食ガス用合金よりなる内層部を一体
形成してあることを第4の特徴として備えている。
【0008】
【作用】上記第1の特徴を備えた耐腐食ガス用管、上記
第2の特徴を備えた耐腐食ガス用管、上記第3の特徴を
備えた耐腐食ガス用管、上記第4の特徴を備えた耐腐食
ガス用管のいずれも、前記耐熱鋼鋳鋼品よりなる外層部
と、後に詳述する耐腐食ガス用合金よりなる内層部とを
備えている。従って、上述した耐腐食ガス用管はいずれ
も、前記内層部を構成する高温腐食ガスに対する優れた
耐性に基づいて、管内面が、硫化水素、亜硫酸ガス等、
イオウを含む高温腐食ガスとの接触にも耐えられるよう
になる上、前記外層部を構成する耐熱鋼鋳鋼品が有する
高温強度の大きさに基づいて、非常に高温の雰囲気下で
の強度に優れるようになる。従って、上述の耐腐食ガス
用管はいずれも、目的物質を管内で焼成すべく焼成炉内
に設けられた炉内チューブや、間接加熱用の燃焼ガスを
管内へ導入すべく加熱炉や熱処理炉内に設けられラジア
ントチューブ等、管内面が非常に厳しい条件下に曝され
る場合に十分に対処できるようになる。
【0009】次に、上述の耐腐食ガス用管の内層部を構
成する耐高温腐食ガス用合金の成分限定理由について説
明する。
【0010】第1の特徴を備えた耐腐食ガス用管の内層
部を構成する耐高温腐食ガス用合金において、Crを主
要成分として含有させた理由は、Crが、1000℃以
上の高温雰囲気下での耐性に優れ、しかも、硫化水素や
亜硫酸ガス等のイオウを含む高温腐食ガスに対する耐性
に優れているからである。但し、Crが50%よりも少
ないときには、高温で非常に脆いσ相が析出するので、
Cr:50%以上に限定した。
【0011】第2の特徴を備えた耐腐食ガス用管の内層
部を構成する耐高温腐食ガス用合金において、Crを主
要成分として含有させた理由については、第1の特徴を
備えた耐腐食ガス用管の内層部を構成する耐高温腐食ガ
ス用合金における場合と同様である。また、Coを含有
させた理由は、Coの添加が、耐酸化性の向上、及び、
高Cr材の融点低下による製造の容易化に寄与するから
である。但し、Co添加量が6%を越えると、耐硫化水
素性等が劣化するので、Co:6%以下とした。また、
Wを含有させた理由は、Wの添加が、クリープ強度の向
上に寄与するからである。但し、W添加量が5%を越え
ると、耐酸化性、靭性に悪影響を及ぼすので、W:5%
以下とした。また、Siを0.5〜3.5%含有させた
理由は、0.5%以上のSiを添加すると、高Cr材の
融点低下による製造の容易化、鋳造中の湯流れ性の向
上、及び、耐酸化性の向上に寄与する一方、Si添加量
が3.5%を越えると、靭性が劣化するからである。ま
た、Mnを0.5〜1.5%含有させた理由は、0.5
%以上のMnを添加すると、高Cr材の融点低下による
製造の容易化に寄与する一方、Mn添加量が1.5%を
越えると、Sと反応してMnSとなり、強度が維持でき
ないからである。また、Cを0.03〜0.2%含有さ
せたのは、0.03%以上のCを添加すると、高Cr材
の融点低下、及び、固溶強化に寄与する一方、C添加量
が1.5%を越えると、炭化物が析出するようになるか
らである。
【0012】第3の特徴を備えた耐腐食ガス用管の内層
部を構成する耐高温腐食ガス用合金において、Crを主
要成分として含有させた理由、及び、Co、W、Si、
Mn、Cの適量添加の理由については、第2の特徴を備
えた耐腐食ガス用管の内層部を構成する耐高温腐食ガス
用合金における場合と同様である。また、Moを含有さ
せた理由は、Moの添加が、クリープ強度の向上に寄与
するからである。但し、Mo添加量が5%を越えると、
耐酸化性、靭性に悪影響を及ぼすので、Mo:5%以下
とした。
【0013】第4の特徴を備えた耐腐食ガス用管の内層
部を構成する耐高温腐食ガス用合金において、Crを主
要成分として含有させた理由、及び、Co、W、Si、
Mn、C、Moの適量添加の理由については、第3の特
徴を備えた耐腐食ガス用管の内層部を構成する耐高温腐
食ガス用合金における場合と同様である。また、Alを
含有させた理由は、Alの添加が、耐酸化性、耐硫化水
素性の向上に寄与するからである。但し、Al添加量が
2%を越えると、大気溶解・大気鋳造が困難になり、靭
性を損なうので、Al:2%以下とした。また、Bを含
有させた理由は、BがMoと複合添加されることでクリ
ープ強度が向上し、Bの添加が、高Cr材の融点を低下
させるからである。但し、B添加量が0.8%を越える
と、耐酸化性、靭性に悪影響を及ぼすので、B:0.8
%以下とした。また、Zrを0.1%以下含有させた理
由は、0.1%以下のZrの添加が、クリープ強度の向
上、及び、溶解鋳造中の窒化防止に役立つからである。
【0014】
【発明の効果】従って、第1の特徴を備えた耐腐食ガス
用管、第2の特徴を備えた耐腐食ガス用管、第3の特徴
を備えた耐腐食ガス用管、又は、第4の特徴を備えた耐
腐食ガス用管によれば、目的物質を管内で焼成すべく焼
成炉内に設けられた炉内チューブや、間接加熱用の燃焼
ガスを管内へ導入すべく加熱炉や熱処理炉内に設けられ
ラジアントチューブ等、管内面が非常に厳しい腐食条件
下(例えば、硫化水素、亜硫酸ガス等、イオウを含む高
温腐食ガスと接触する条件下)に曝され且つ管全体が非
常に高温に曝される耐腐食ガス用管として極めて好適な
素材が提供されるようになる。
【0015】また、第1の特徴を備えた耐腐食ガス用
管、第2の特徴を備えた耐腐食ガス用管、第3の特徴を
備えた耐腐食ガス用管、又は、第4の特徴を備えた耐腐
食ガス用管において、前記外層部の両端縁部に溶接開先
部を形成し、その溶接開先部の形成箇所に対応する前記
内層部の両端部を除去してある場合には、前記耐腐食ガ
ス用管を管軸方向に連設してその継ぎ目部分を溶接する
ときに、溶接性が悪い前記内層部の材料(即ち、高温で
脆いσ相を発生し易い、Crを主成分とする合金材料)
の溶接を、前記内層部の両端部を除去することによって
回避して、前記継ぎ目部分の溶接を、溶接性が良好な前
記外層部の材料の溶接によって実質的に実行することに
より、前記継ぎ目部分の溶接を健全に実行することがで
きるようになる。
【0016】また、第1の特徴を備えた耐腐食ガス用
管、第2の特徴を備えた耐腐食ガス用管、第3の特徴を
備えた耐腐食ガス用管、又は、第4の特徴を備えた耐腐
食ガス用管を製造するに際し、前記耐熱鋼鋳鋼よりなる
外層部の内側に、前記内層部を肉盛(溶射も含む)にて
形成するようにすれば、前記内層部が薄肉でもよい場合
に、非常に効率的に前記内層部が形成されるようにな
る。
【0017】また、第1の特徴を備えた耐腐食ガス用
管、第2の特徴を備えた耐腐食ガス用管、第3の特徴を
備えた耐腐食ガス用管、又は、第4の特徴を備えた耐腐
食ガス用管を製造するに際し、前記外層部及び前記内層
部を、遠心力鋳造によって形成する(更に詳しくは、回
転中の遠心力鋳造用鋳型内へ前記外層部形成用の溶湯を
鋳込んで前記外層部を遠心力鋳造した直後(即ち、前記
外層部の凝固直後)に、その内側に、前記内層部形成用
の溶湯を鋳込んで前記内層部を遠心力鋳造する)ように
すれば、前記内層部として厚肉のものが必要な場合で
も、その厚肉の内層部を容易に形成することができる。
【0018】また、管外面が非常に厳しい腐食条件下に
曝される耐腐食ガス用管、例えば、焼却炉の廃熱利用部
に配置された廃熱ボイラーを構成するのに使用されるボ
イラーチューブとして、上述した、第1の特徴を備えた
耐腐食ガス用管、第2の特徴を備えた耐腐食ガス用管、
第3の特徴を備えた耐腐食ガス用管、第4の特徴を備え
た耐腐食ガス用管とは、外層部と内層部との関係が逆に
なった耐腐食ガス用管、即ち、耐熱鋼鋳鋼品よりなる内
層部の外側に、Cr:50%以上、残部:実質的にFe
からなる耐腐食ガス用合金よりなる外層部を一体形成し
てある耐腐食ガス用管(第1の特徴を備えた耐腐食ガス
用管に対応)や、耐熱鋼鋳鋼品よりなる内層部の外側
に、Cr:50%以上、Co:6%以下、W:5%以
下、Si:0.5〜3.5%、Mn:0.5〜1.5
%、C:0.03〜0.2%、残部:実質的にFeから
なる耐腐食ガス用合金よりなる外層部を一体形成してあ
る耐腐食ガス用管(第2の特徴を備えた耐腐食ガス用管
に対応)や、耐熱鋼鋳鋼品よりなる内層部の外側に、C
r:50%以上、Co:6%以下、W:5%以下、S
i:0.5〜3.5%、Mn:0.5〜1.5%、M
o:5%以下、C:0.03〜0.2%、残部:実質的
にFeからなる耐腐食ガス用合金よりなる外層部を一体
形成してある耐腐食ガス用管(第3の特徴を備えた耐腐
食ガス用管に対応)や、耐熱鋼鋳鋼品よりなる内層部の
外側に、Cr:50%以上、Ni:5%以下、Co:6
%以下、W:5%以下、Al:2%以下、Si:0.5
〜3.5%、Mn:0.5〜1.5%、Mo:5%以
下、B:0.8%以下、Zr:0.1%以下、C:0.
03〜0.2%、残部:実質的にFeからなる耐腐食ガ
ス用合金よりなる外層部を一体形成してある耐腐食ガス
用管(第4の特徴を備えた耐腐食ガス用管に対応)が考
えられる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1には、本発明に係る耐腐食ガス用管の一実施
例、即ち、磁石、磁気コア等に使用される四三酸化マン
ガン(Mn3O4)を製造するための焼成炉内に設けられ
る炉内チューブの縦断面図が示されている。尚、その炉
内チューブは、複数個が管軸方向に連設され且つその継
ぎ目部分が溶接されて使用される。
【0020】前記耐腐食ガス用管は、JIS規格:SC
H2、SCH11、SCH13、SCH18、SCH2
2等やASTM規格:HK40等の耐熱鋼鋳鋼品よりな
る外層部1の内側に、Cr:50%以上、残部:実質的
にFeからなる耐腐食ガス用合金よりなる内層部を一体
形成(例えば、前記鋳造や肉盛によって一体成形)する
ことにより製造される。そして、その製造後に、適宜の
機械加工を施すことにより、前記外層部1の両端縁部に
溶接開先部3を形成し、その溶接開先部3の形成箇所に
対応する前記内層部2の両端部4を除去する。このよう
に形成された耐腐食ガス用管は、内層部2を構成する高
温腐食ガスに対する優れた耐性に基づいて、管内面が、
硫化水素、亜硫酸ガス等、イオウを含む高温腐食ガス
(本実施例の炉内チューブでは、特に硫化水素)との接
触に耐えられるようになり、また、外層部1を構成する
前記耐熱鋼鋳鋼品が有する高温強度の大きさに基づい
て、非常に高温の雰囲気下での強度も優れたものとな
る。しかも、前記耐腐食ガス用管を管軸方向に連設して
その継ぎ目部分を溶接するときに、溶接性が悪い内層部
2(なぜなら、その素材が高温で脆いσ相を発生し易い
Crを主成分とする合金であるから)の溶接を、その両
端部の除去によって回避して、前記継ぎ目部分の溶接
を、溶接性が良好な外層部1の溶接によって実質的に実
行することにより、前記継ぎ目部分の溶接を健全に実行
することができる。
【0021】尚、前記内層部2を構成する耐腐食ガス用
合金として、上述の合金に替え、Cr:50%以上、C
o:6%以下、W:5%以下、Si:0.5〜3.5
%、Mn:0.5〜1.5%、C:0.03〜0.2
%、残部:実質的にFeからなる耐腐食ガス用合金、C
r:50%以上、Co:6%以下、W:5%以下、S
i:0.5〜3.5%、Mn:0.5〜1.5%、M
o:5%以下、C:0.03〜0.2%、残部:実質的
にFeからなる耐腐食ガス用合金、Cr:50%以上、
Ni:5%以下、Co:6%以下、W:5%以下、A
l:2%以下、Si:0.5〜3.5%、Mn:0.5
〜1.5%、Mo:5%以下、B:0.8%以下、Z
r:0.1%以下、C:0.03〜0.2%、残部:実
質的にFeからなる耐腐食ガス用合金を採用してもよ
い。
【0022】次に、前記内層部2の構成材料として、上
述した耐腐食ガス用合金を採用した根拠を示すデータに
ついて説明する。表1は、本発明の耐腐食ガス用管に係
る耐腐食ガス用合金の耐用性の調査結果を、従来の耐腐
食ガス用管に係る材料、即ち、前記スーパーサーム、及
びJISで規定されている耐熱鋼鋳鋼品(具体的には、
SCH2、SCH11、SCH13、SCH18、SC
H22)の耐用性の調査結果と対比させて一覧したもの
である。
【0023】
【表1】
【0024】前記耐用性は、具体的には、次に述べるよ
うな実験を実施することによって調査された。即ち、各
種素材より四角板状に採取されたテストピース(試料番
号1〜試料番号4、及び、試料番号11〜試料番号1
6)が硫酸マンガンの粉体内に埋まるように、且つ、そ
れらが1000℃を越える高温雰囲気下に曝されるよう
に設定しつつ、それらを容器内に装填して時間を経過さ
せ、複数の時間経過後毎の前記テストピースの厚み変化
(又は重量変化)を計測し、その減量変化が一定量(具
体的には、5%)に至った時点までの経過時間を耐用時
間とみなす、という実験を実施した。
【0025】表1の結果から、従来例(試料番号11)
の耐用時間が24時間以下、従来例(試料番号12〜試
料番号16)の耐用時間が最高でも624時間であるの
に対し、本発明例(請求項1に係る試料番号1、請求項
2に係る試料番号2、請求項3に係る試料番号3、及
び、請求項4に係る試料番号4)の耐用時間が1208
〜2402時間となっており、従来例に比して、十分に
長時間になることが分かった。
【0026】次に、別実施例について説明する。上述の
実施例は、四三酸化マンガン製造用の焼成炉内に設けら
れる炉内チューブに関するものであったが、管内面が非
常に厳しい腐食条件下に曝される耐腐食ガス用管の他の
例、例えば、間接加熱用の燃焼ガスを管内へ導入すべく
加熱炉や熱処理炉内に設けられラジアントチューブにお
いても、本発明の耐腐食ガス用管を適用することができ
る。
【0027】また、管外面が非常に厳しい腐食条件下に
曝される耐腐食ガス用管、例えば、焼却炉の廃熱利用部
に配置された廃熱ボイラーを構成するのに使用されるボ
イラーチューブにおいても、上述の実施例の耐腐食ガス
用管とは、外層部と内層部との関係が逆になったものを
採用することにより対処することができる。
【0028】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐腐食ガス用管の一実施例を示す
縦断面図
【符号の説明】
1 外層部 2 内層部 3 溶接開先部 4 両端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/00 302 Z 38/54 F16L 9/02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱鋼鋳鋼品よりなる外層部(1)の内
    側に、重量%にて、Cr:50%以上、残部:実質的に
    Feからなる耐腐食ガス用合金よりなる内層部(2)を
    一体形成してある耐腐食ガス用管。
  2. 【請求項2】 耐熱鋼鋳鋼品よりなる外層部(1)の内
    側に、重量%にて、Cr:50%以上、Co:6%以
    下、W:5%以下、Si:0.5〜3.5%、Mn:
    0.5〜1.5%、C:0.03〜0.2%、残部:実
    質的にFeからなる耐腐食ガス用合金よりなる内層部
    (2)を一体形成してある耐腐食ガス用管。
  3. 【請求項3】 耐熱鋼鋳鋼品よりなる外層部(1)の内
    側に、重量%にて、Cr:50%以上、Co:6%以
    下、W:5%以下、Si:0.5〜3.5%、Mn:
    0.5〜1.5%、Mo:5%以下、C:0.03〜
    0.2%、残部:実質的にFeからなる耐腐食ガス用合
    金よりなる内層部(2)を一体形成してある耐腐食ガス
    用管。
  4. 【請求項4】 耐熱鋼鋳鋼品よりなる外層部(1)の内
    側に、重量%にて、Cr:50%以上、Ni:5%以
    下、Co:6%以下、W:5%以下、Al:2%以下、
    Si:0.5〜3.5%、Mn:0.5〜1.5%、M
    o:5%以下、B:0.8%以下、Zr:0.1%以
    下、C:0.03〜0.2%、残部:実質的にFeから
    なる耐腐食ガス用合金よりなる内層部(2)を一体形成
    してある耐腐食ガス用管。
  5. 【請求項5】 前記外層部(1)の両端縁部に溶接開先
    部(3)を形成し、その溶接開先部(3)の形成箇所に
    対応する前記内層部(2)の両端部(4)を除去してあ
    る請求項1〜請求項4のいずれかに記載の耐腐食ガス用
    管。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    耐腐食ガス用管の製造方法であって、前記外層部(1)
    の内側に、前記内層部(2)を肉盛にて形成する耐腐食
    ガス用管の製造方法
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    耐腐食ガス用管の製造方法であって、前記外層部(1)
    及び前記内層部(2)を、遠心力鋳造によって形成する
    耐腐食ガス用管の製造方法
  8. 【請求項8】 耐熱鋼鋳鋼品よりなる内層部の外側に、
    重量%にて、Cr:50%以上、残部:実質的にFeか
    らなる耐腐食ガス用合金よりなる外層部を一体形成して
    ある耐腐食ガス用管。
  9. 【請求項9】 耐熱鋼鋳鋼品よりなる内層部の外側に、
    重量%にて、Cr:50%以上、Co:6%以下、W:
    5%以下、Si:0.5〜3.5%、Mn:0.5〜
    1.5%、C:0.03〜0.2%、残部:実質的にF
    eからなる耐腐食ガス用合金よりなる外層部を一体形成
    してある耐腐食ガス用管。
  10. 【請求項10】 耐熱鋼鋳鋼品よりなる内層部の外側
    に、重量%にて、Cr:50%以上、Co:6%以下、
    W:5%以下、Si:0.5〜3.5%、Mn:0.5
    〜1.5%、Mo:5%以下、C:0.03〜0.2
    %、残部:実質的にFeからなる耐腐食ガス用合金より
    なる外層部を一体形成してある耐腐食ガス用管。
  11. 【請求項11】 耐熱鋼鋳鋼品よりなる内層部の外側
    に、重量%にて、Cr:50%以上、Ni:5%以下、
    Co:6%以下、W:5%以下、Al:2%以下、S
    i:0.5〜3.5%、Mn:0.5〜1.5%、M
    o:5%以下、B:0.8%以下、Zr:0.1%以
    下、C:0.03〜0.2%、残部:実質的にFeから
    なる耐腐食ガス用合金よりなる外層部を一体形成してあ
    る耐腐食ガス用管。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20000012705A (ko) * 1999-12-20 2000-03-06 장상익 세그먼트 튜브의 브론즈 용접방법
JP2008190611A (ja) * 2007-02-05 2008-08-21 Jfe Steel Kk ステンレス製のベローズ管を用いた伸縮継手
JP2016070493A (ja) * 2014-09-26 2016-05-09 Jfeスチール株式会社 配管の保温方法
CN117086133A (zh) * 2023-08-04 2023-11-21 成都先进金属材料产业技术研究院股份有限公司 一种耐蚀合金复合无缝钢管及其制备方法

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