JPH0870500A - 音響再生装置 - Google Patents

音響再生装置

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Publication number
JPH0870500A
JPH0870500A JP6205353A JP20535394A JPH0870500A JP H0870500 A JPH0870500 A JP H0870500A JP 6205353 A JP6205353 A JP 6205353A JP 20535394 A JP20535394 A JP 20535394A JP H0870500 A JPH0870500 A JP H0870500A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
listener
channel
filter
sound
crosstalk
Prior art date
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Pending
Application number
JP6205353A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigenori Shibata
繁憲 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP6205353A priority Critical patent/JPH0870500A/ja
Publication of JPH0870500A publication Critical patent/JPH0870500A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音場を拡大する回路を備えた音響再生装置に
おいて、聴取位置による音場拡大効果の劣化をなくす
る。 【構成】 右チャンネルスピーカー606aの上に取り
付けられた右センサー608a、左チャンネルスピーカ
ー606bの上に取り付けられた左センサー608aに
より聴取者607a、聴取者607bおよび聴取者60
7cの位置をコントローラ609により求める。それら
の位置における最適なフィルタの伝達関数をROM11
0より読み出し、読み出した伝達関数を周波数軸上で細
かく帯域分割して、各々の帯域の伝達関数が各聴取位置
での伝達関数に等しくなると共に、任意の帯域の隣の帯
域が異なった位置の伝達関数になるように混合し、右ク
ロストークフィルタ602a、左クロストークフィルタ
602b、補正フィルタ604a、補正フィルタ604
bの伝達関数が混合した伝達関数になるようにコントロ
ーラ610により制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音像を任意の位置に定
位させる音響再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は例えば特開昭57−64000
号に示された従来の音響再生装置を示す上面図である。
図において、1101aは右チャンネル入力端子、11
01bは左チャンネル入力端子、1102aは入力が右
チャンネル入力端子1101aに接続された右チャンネ
ルクロストークフィルタ、1102bは入力が左チャン
ネル入力端子1101bに接続された左チャンネルクロ
ストークフィルタ、1103aは入力が右チャンネル入
力端子1101aからの入力と左チャンネルクロストー
クフィルタ1102bの出力とを加算する加算器、11
03bは入力が左チャンネル入力端子1101bからの
入力と右チャンネルクロストークフィルタ1102aの
出力とを加算する加算器、1104aは入力が加算器1
103aの出力に接続された補正フィルタ、1104b
は入力が加算器1103bの出力に接続された補正フィ
ルタ、1105aは入力が補正フィルタ1104aの出
力に接続された右チャンネルパワーアンプ、1105b
は入力が補正フィルタ1104bの出力に接続された左
チャンネルパワーアンプ、1106aは右チャンネルパ
ワーアンプ1105aの出力に接続された右チャンネル
スピーカー、1106bは左チャンネルパワーアンプ1
105bの出力に接続された左チャンネルスピーカー、
1106cは右チャンネルスピーカー1106aと左チ
ャンネルスピーカー1106bの外側で左チャンネルス
ピーカー1106b側にある左チャンネル仮想スピーカ
ー、1107は右チャンネルスピーカー1106aと左
チャンネルスピーカー1106bの中央にいる聴取者、
1107aは聴取者1107の右耳、1107bは聴取
者1107の左耳である。
【0003】次に動作について説明する。右チャンネル
入力端子1101aに加えられた信号の1つは加算器1
103aを通り補正フィルタ1104aに入力されフィ
ルタリングされる。フィルタリングされた信号は、右チ
ャンネルパワーアンプ1105aにより増幅され右チャ
ンネルスピーカー1106aにより音として空間に放出
される。右チャンネル入力端子1101aに加えられた
信号のもう1つは右チャンネルクロストークフィルタ1
102aに入力されフィルタリングされる。フィルタリ
ングされた信号は、加算器1103bを介して補正フィ
ルタ1104bに入力されフィルタリングされる。フィ
ルタリングされた信号は左チャンネルパワーアンプ11
05bにより増幅され、左チャンネルスピーカー110
6bにより音として空間に放射される。
【0004】左チャンネル入力端子1101bについて
も同様に、左チャンネル入力端子1101bに加えられ
た信号の1つは加算器1103bを通り補正フィルタ1
104bに入力されフィルタリングされる。フィルタリ
ングされた信号は、左チャンネルパワーアンプ1105
bにより増幅され左チャンネルスピーカー1106bに
より音として空間に放出される。左チャンネル入力端子
1101bに加えられた信号のもう1つは左チャンネル
クロストークフィルタ1102bに入力されフィルタリ
ングされる。フィルタリングされた信号は、加算器11
03aを介して補正フィルタ1104aに入力されフィ
ルタリングされる。フィルタリングされた信号は右チャ
ンネルパワーアンプ1105aにより増幅され、右チャ
ンネルスピーカー1106aにより音として空間に放射
される。
【0005】ここで、右チャンネル入力端子1101a
に印加される信号をVR 、左チャンネル入力端子110
1bに印加される信号をVL 、右チャンネルクロストー
クフィルタ1102aおよび左チャンネルクロストーク
フィルタ1102bの伝達関数をHC 、補正フィルタ1
104aおよび補正フィルタ1104bの伝達関数をH
S 、右チャンネルパワーアンプ1105aと右チャンネ
ルスピーカー1106aおよび左チャンネルパワーアン
プ1105bと左チャンネルスピーカー1106bの伝
達関数を常数α、右チャンネルスピーカー1106aか
ら聴取者1107の右耳1107aまでの伝達関数をH
RR、右チャンネルスピーカー1106aから聴取者11
07の左耳1107bまでの伝達関数をHRL、左チャン
ネルスピーカー1106bから聴取者1107の右耳1
107aまでの伝達関数をHLR、左チャンネルスピーカ
ー1106bから聴取者1107の左耳1107bまで
の伝達関数をHLL、聴取者1107の右耳1107aの
音圧をPR 、聴取者1107の左耳1107bの音圧を
L とすると式1、式2が成り立つ。 PR=〔(VR+VL×HC)×HRR+(VR×HC+VL)×HLR〕×HS×α ・・・式1 PL=〔(VR×HC+VL)×HLL+(VR+VL×HC)×HRL〕×HS×α ・・・式2
【0006】左チャンネル入力端子1101bにのみ信
号を加えて左チャンネル仮想スピーカー1106cの位
置に音像を定位させるためには、左チャンネルクロスト
ークフィルタ1102bの伝達関数をHC および補正フ
ィルタ1104bの伝達関数をHS は式3および式4の
関係が成立しなければならない。
【0007】
【数1】
【0008】ここで、HVR:左チャンネル仮想スピーカ
ー1106cから聴取者1107の右耳1107aまで
の伝達関数、HVR:左チャンネル仮想スピーカー110
6cから聴取者1107の左耳1107bまでの伝達関
数である。
【0009】また、聴取者1107は右チャンネルスピ
ーカー1106aと左チャンネルスピーカー1106b
の中央にいるため、HRR=HLL、HRL=HLRとなり式を
もっと単純化できる。
【0010】逆方向の右チャンネルスピーカー1106
a外側に音像を定位させる場合も同様の伝達関数を持っ
た右チャンネルクロストークフィルタ1102aおよび
補正フィルタ1105bにより実現できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の音響再生装置は
以上のように構成されており聴取者1107の位置にお
ける各スピーカーから聴取者1107の左右の耳までの
伝達関数を用いているので、聴取者1107が例えば2
人となった場合には、クロストークフィルタ、補正フィ
ルタは2つの伝達関数を持たねばならず、このような場
合に対応できなかった。
【0012】また、聴取者1107の聴取位置が変わる
と各スピーカーから聴取者1107の左右の耳までの伝
達関数も変化して、聴取者の位置がある範囲を超えると
音像は全く広がらず、音質的な問題も生じていた。
【0013】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、標準的な聴取位置とその近傍での
クロストークフィルタ、補正フィルタを周波数軸上で帯
域分割して使用することにより、広い範囲で音場を拡大
できる音響再生装置を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の音響再生
装置は、複数の聴取者の聴取位置でのクロストークフィ
ルタを周波数軸上で帯域分割して混合したクロストーク
フィルタを用いたものである。
【0015】請求項2記載の音響再生装置は、標準的な
聴取位置でのクロストークフィルタと聴取近傍位置での
クロストークフィルタとを周波数軸上で帯域分割して混
合したクロストークフィルタを用いたものである。
【0016】請求項3記載の音響再生装置は、スピーカ
ーに複数の聴取者の位置を感知するセンサーを取り付
け、各聴取位置でのクロストークフィルタクロストーク
フィルタを周波数軸上で帯域分割して混合したクロスト
ークフィルタを用いたものである。
【0017】請求項4記載の音響再生装置は、スピーカ
ーに聴取者の位置を感知するセンサーを取り付け、聴取
者の位置でのクロストークフィルタとその近傍位置での
クロストークフィルタとを周波数軸上で帯域分割して混
合したクロストークフィルタに変えれるようにしたもの
である。
【0018】請求項5記載の音響再生装置は、スピーカ
ーに聴取者の位置を感知するセンサーを取り付け、スピ
ーカーの音放射軸上に聴取者が来るようにスピーカーを
回転させるターンテーブルを設けると共に、聴取者の位
置でのクロストークフィルタとその近傍位置でのクロス
トークフィルタとを周波数軸上で帯域分割して混合した
クロストークフィルタに変えれるようにしたものであ
る。
【0019】
【作用】請求項1記載の音響再生装置においては、クロ
ストークフィルタを複数の聴取者の聴取位置において音
像を任意位置に定位できるフィルタ特性を周波数軸上で
重ならないように混合した。ある設定された聴取位置に
おいては、その位置に対応して設定したクロストークフ
ィルタの周波数帯域の音が任意位置に音像定位し、他の
帯域の音は音像定位しないか音像定位が不明確となる。
このため、設定された位置では音像が明確に定位してい
る任意位置に全ての音像が定位しているように感ずる。
他の設定された聴取位置においても同様のことが成り立
ち、複数の位置で任意位置に音像を定位させることがで
きる。
【0020】請求項2記載の音響再生装置においては、
クロストークフィルタを標準的な聴取位置とその聴取位
置近傍において音像を任意位置に定位できるフィルタ特
性を周波数軸上で重ならないように混合した。標準的な
聴取位置では、その位置で音像を任意位置に定位できる
フィルタ特性の周波数帯域で任意位置に明確に音像が定
位し、他の周波数帯域では音像定位が不明確となる。聴
取者は、明確な音像定位に引っ張られる形で任意の位置
に全ての音像が定位しているように感ずる。標準的な聴
取近傍位置では、その位置で音像を任意位置に定位でき
るフィルタ特性の周波数帯域で任意位置に明確に音像が
定位し、他の周波数帯域では音像定位が不明確となる。
聴取者は、明確な音像定位に引っ張られる形で任意の位
置に全ての音像が定位しているように感ずる。しかも、
標準的な聴取位置とその近傍位置との間の位置において
もほぼ任意の位置に音像が定位するようにその間隔を設
定したため、聴取者が頭を動かす程度のエリアにおいて
音像を任意位置に定位させることができる。
【0021】請求項3記載の音響再生装置においては、
複数の聴取者が聴取位置を変えても自動的に各聴取位置
における最適なクロストークフィルタを求めると共に、
各クロストークフィルタのフィルタ特性を周波数軸上で
重ならないように帯域分割して混合した。ある聴取位置
においては、その位置に対応して設定したクロストーク
フィルタの周波数帯域の音が任意位置に音像定位し、他
の帯域の音は音像定位しないか音像定位が不明確とな
る。このため、設定された位置では音像が明確に定位し
ている任意位置に全ての音像が定位しているように感ず
る。他の聴取位置においても同様のことが成り立ち、複
数の位置で任意位置に音像を定位させることができる。
【0022】請求項4記載の音響再生装置においては、
聴取者が聴取位置を変えても自動的にクロストークフィ
ルタおよび補正フィルタの伝達特性が移動した位置にお
いて音場を拡大するために最適な特性になる。また、ク
ロストークフィルタを聴取位置とその近傍位置において
音像を任意位置に定位できるフィルタ特性を周波数軸上
で重ならないように帯域分割して混合した。聴取位置で
は、その位置で音像を任意位置に定位できるフィルタ特
性の周波数帯域で任意位置に明確に音像が定位し、他の
周波数帯域では音像定位が不明確となる。聴取者は、明
確な音像定位に引っ張られる形で任意の位置に全ての音
像が定位しているように感ずる。聴取近傍位置では、そ
の位置で音像を任意位置に定位できるフィルタ特性の周
波数帯域で任意位置に明確に音像が定位し、他の周波数
帯域では音像定位が不明確となる。聴取者は、明確な音
像定位に引っ張られる形で任意の位置に全ての音像が定
位しているように感ずる。しかも、標準的な聴取位置と
その近傍位置との間の位置においてもほぼ任意の位置に
音像が定位するようにその間隔を設定したため、聴取者
が頭を動かす程度のエリアにおいて音像を任意位置に定
位させることができる。
【0023】請求項5記載の音響再生装置においては、
聴取者が聴取位置を変えても自動的にクロストークフィ
ルタおよび補正フィルタの伝達特性が移動した位置にお
いて音場を拡大するために最適な特性になる。また、ク
ロストークフィルタを聴取位置とその近傍位置において
音像を任意位置に定位できるフィルタ特性を周波数軸上
で重ならないように帯域分割して混合した。聴取位置で
は、その位置で音像を任意位置に定位できるフィルタ特
性の周波数帯域で任意位置に明確に音像が定位し、他の
周波数帯域では音像定位が不明確となる。聴取者は、明
確な音像定位に引っ張られる形で任意の位置に全ての音
像が定位しているように感ずる。聴取近傍位置では、そ
の位置で音像を任意位置に定位できるフィルタ特性の周
波数帯域で任意位置に明確に音像が定位し、他の周波数
帯域では音像定位が不明確となる。聴取者は、明確な音
像定位に引っ張られる形で任意の位置に全ての音像が定
位しているように感ずる。しかも、標準的な聴取位置と
その近傍位置との間の位置においてもほぼ任意の位置に
音像が定位するようにその間隔を設定したため、聴取者
が頭を動かす程度のエリアにおいて音像を任意位置に定
位させることができる。更に、スピーカーの音放射軸が
常に聴取者の方向を向く。このため、聴取者が頭を動か
す程度の範囲および聴取者が動く広い範囲で音像を任意
位置に定位でき、広い範囲で高音質な音場拡大の効果を
楽しむことができる。
【0024】
【実施例】
実施例1.以下、本発明を図に基づいて説明する。図1
は本発明の第1の実施例の効果を説明するための音響再
生装置を示す上面図である。図において、101aは右
チャンネル入力端子、101bは左チャンネル入力端
子、102aは入力が右チャンネル入力端子101aに
接続された右チャンネルクロストークフィルタ、102
bは入力が左チャンネル入力端子101bに接続された
左チャンネルクロストークフィルタ、103aは入力が
右チャンネル入力端子101aからの入力と左チャンネ
ルクロストークフィルタ102bの出力とを加算する加
算器、103bは入力が左チャンネル入力端子101b
からの入力と右チャンネルクロストークフィルタ102
aの出力とを加算する加算器、104aは入力が加算器
103aの出力に接続された補正フィルタ、104bは
入力が加算器103bの出力に接続された補正フィル
タ、105aは入力が補正フィルタ104aの出力に接
続された右チャンネルパワーアンプ、105bは入力が
補正フィルタ104bの出力に接続された左チャンネル
パワーアンプ、106aは右チャンネルパワーアンプ1
05aの出力に接続された右チャンネルスピーカー、1
06bは左チャンネルパワーアンプ105bの出力に接
続された左チャンネルスピーカー、107は右チャンネ
ルスピーカー106aと左チャンネルスピーカー106
bの前面にいる聴取者、107aは聴取者107の右
耳、107bは聴取者107の左耳、108は右チャン
ネルスピーカー106aと左チャンネルスピーカー10
6bの前面にいる聴取者、108aは聴取者108の右
耳、108bは聴取者108の左耳、109は右チャン
ネルスピーカー106aと左チャンネルスピーカー10
6bの前面にいる聴取者、109aは聴取者109の右
耳、109bは聴取者109の左耳である。
【0025】図2は本発明の第1の実施例における音響
再生装置の右チャンネルクロストークフィルタ102a
および左チャンネルクロストークフィルタ102bの利
得対周波数特性の概念を示す図である。図において、縦
軸は利得、横軸は周波数、周波数軸はn個の帯域に等分
割されており、周波数の低い方よりf1 は第1の帯域分
割周波数、f2 は第2の帯域分割周波数、f3 は第3の
帯域分割周波数、fmは第mの帯域分割周波数、201
は直流から周波数f1 までの帯域での特性、202は周
波数f1 から周波数f2 までの帯域での応答、203は
周波数f2 から周波数f3 までの帯域での応答、204
は周波数f3 から周波数f4 までの帯域での応答、20
mは周波数fm-1 から周波数fm までの帯域での応答で
ある。
【0026】この特性は、各周波数帯域と聴取者とを対
応づけて音像が左右スピーカーの外側まで拡がるように
なっている。例えば、周波数帯域201では聴取者10
7の位置で音像が設定された位置まで拡がり、周波数帯
域202では聴取者108の位置で音像が設定された位
置まで拡がり、周波数帯域203では聴取者109の位
置で音像が設定された位置まで拡がる。このように周波
数帯域と対応する聴取者が順次繰り返すような3種類の
クロストークフィルタが混合された形となっている。
【0027】次に本実施例の動作を説明する。一般的
に、音声信号は瞬時的にもある程度の広さを有する帯域
信号である。周波数帯域201〜203の成分を有する
音声信号が右チャンネル入力端子101aに加えられた
場合について説明する。右チャンネルスピーカー106
aからは補正フィルタ104aでフィルタリングされた
信号が音として放射され、左チャンネルスピーカー10
6bからは右チャンネルクロストークフィルタ102
a、補正フィルタ104bでフィルタリングされた信号
が音として放射される。聴取者107の位置では、周波
数帯域201の信号成分が設定された位置に定位する
が、他の周波数帯域202、203の信号成分は、明確
な音像定位をしない。この結果、聴取者107は、総合
的に設定された位置に音像が定位しているように感ず
る。同様に、聴取者108の位置では、周波数帯域20
2の信号成分が設定された位置に定位するが、他の周波
数帯域201、203の信号成分は明確な音像定位をし
ない。この結果、聴取者108は、総合的に設定された
位置に音像が定位しているように感ずる。同様に、聴取
者109の位置では、周波数帯域203の信号成分が設
定された位置に定位するが、他の周波数帯域201、2
02の信号成分は明確な音像定位をしない。この結果、
聴取者109は、総合的に設定された位置に音像が定位
しているように感ずる。このように、聴取者が3人の位
置において各々設定された位置に音像を定位させること
ができる音響再生装置が提供できる。
【0028】本実施例において聴取者の人数を3人とし
たが、聴取者が2人でもクロストークフィルタを周波数
帯域で分割して交互に各聴取者位置において音像が設定
した位置に定位するような特性にすることにより同様の
効果を得ることができる。
【0029】また、本実施例においてクロストークフィ
ルタ、補正フィルタの特性を固定値としたが、キーボー
ド等により聴取者位置を設定できるようにし、その位置
に対応してクロストークフィルタ、補正フィルタの特性
を制御することにより聴取者の位置に対して汎用性の高
い音響再生装置を得ることができる。
【0030】また、本実施例においてクロストークフィ
ルタのみ周波数帯域で分割したが、補正フィルタについ
ても周波数帯域で分割して各聴取位置で補正量が最適と
なるようにすれば、高音質で多人数に対応した音場拡大
のできる音響再生装置を得ることができる。
【0031】また、本実施例においてクロストークフィ
ルタを周波数帯域で等分割して各聴取位置で音場が拡大
するようにしたが、図3のように帯域幅を高音域に行く
に従って徐々に広くしても同様の効果が得られ、高音質
な再生音も得られる。
【0032】実施例2.図4は本発明の第2の実施例を
説明するためのスピーカーと聴取者の関係を示す上面図
である。図において、406aは右チャンネルスピーカ
ー、406bは左チャンネルスピーカー、407aは右
チャンネルスピーカー406aと左チャンネルスピーカ
ー406bの前面にいる聴取者、407bは右に動いた
聴取者407aの位置、407cは左に動いた聴取者4
07aの位置である。なお、回路部分については第1の
実施例と同一のため割愛した。
【0033】図5は本発明の第2の実施例における音響
再生装置のチャンネルクロストークフィルタの利得対周
波数特性の概念を示す図である。図において、縦軸は利
得、横軸は周波数であり、周波数軸はn個の帯域に分割
されており、周波数の低い方よりf1 は第1の帯域分割
周波数、f2 は第2の帯域分割周波数、f3 は第3の帯
域分割周波数、fm は第mの帯域分割周波数、501は
直流から周波数f1 までの帯域での特性、502は周波
数f1 から周波数f2 までの帯域での応答、503は周
波数f2 から周波数f3 までの帯域での応答、504は
周波数f3 から周波数f4 までの帯域での応答、50m
は周波数fm-1 から周波数fm までの帯域での応答であ
る。
【0034】この特性は、各周波数帯域と聴取者とを対
応づけて音像が左右スピーカーの外側まで拡がるように
なっている。例えば、周波数帯域501では聴取者40
7aの位置で音像が設定された位置まで拡がり、周波数
帯域502では聴取者407bの位置で音像が設定され
た位置まで拡がり、周波数帯域503では聴取者407
cの位置で音像が設定された位置まで拡がりる。このよ
うに周波数帯域と聴取位置とが対応して順番に繰り返す
ような3種類のクロストークフィルタが混合された形と
なっている。
【0035】次に本実施例の動作を説明する。一般的
に、音声信号は瞬時的にもある程度の広さを有する帯域
信号である。周波数帯域501〜503の成分を有する
音声信号が右チャンネル入力端子に加えられた場合につ
いて説明する。右チャンネルスピーカー406aから
は、補正フィルタでフィルタリングされた信号が音とし
て放射される。一方、左チャンネルスピーカー406b
からは、右チャンネルクロストークフィルタ、補正フィ
ルタでフィルタリングられた信号が音として放射され
る。聴取者は、聴取位置407aでは周波数帯域501
の信号成分が設定された位置に定位するが、他の周波数
帯域502、503の信号成分は、明確に音像が定位し
ない。この結果、聴取者は、聴取位置407aでは設定
された位置に音像が定位しているように感ずる。同様
に、聴取者は、聴取位置407bでは周波数帯域502
の信号成分が設定された位置に定位するが、他の周波数
帯域501、503の信号成分は明確に音像が定位しな
い。この結果、聴取者は、聴取位置407bでは設定さ
れた位置に音像が定位しているように感ずる。同様に、
聴取者は、聴取位置407cでは周波数帯域503の信
号成分が設定された位置に定位するが、他の周波数帯域
501、502の信号成分は明確な音像定位をしない。
この結果、聴取者は、聴取位置407cでは設定された
位置に音像が定位しているように感ずる。このように、
3つの聴取位置において各々設定された位置に音像を定
位させることができる音響再生装置が提供できる。
【0036】図6はクロストークキャンセル方式におい
て一方のチャンネルに遅延器を挿入した場合の音像定位
位置と遅延時間との関係の試聴実験結果を示す図であ
る。左右スピーカー見込み角60゜(聴取者正面より各
30゜)、設定音像位置60゜(聴取者正面よりの角
度)、聴取者10人の試聴実験条件で、遅延時間毎に音
像の定位する位置を示してもらったものである。遅延時
間が0.3(ms)以内ではほぼ設定した位置に音像が
定位しているが、遅延時間が増えるに従って音像定位位
置は実際のスピーカー位置に近づき、ついにはスピーカ
ー内側に定位してしまう。特に、遅延時間が1.4(m
s)以上の場合には明確な音像定位が得られず、僅かな
定位情報に引っ張られるため、その偏差が大きくなって
いる。図6より、クロストークキャンセル方式における
遅延時間の誤差は、音像定位位置が実際のスピーカーと
設定した音像位置との中間まで許容できるとすれば0.
9(ms)となる。この許容値を距離に換算すると約3
cmとなる。音場拡大の効果を維持するためには、この
距離が設定した試聴位置での左右スピーカーとの距離差
に対して許容できる距離差の増減量の最大値となる。こ
の事により、右スピーカー406aから聴取位置407
aまでの距離をDa(cm)、左スピーカー406bか
ら聴取位置407aまでの距離をDb(cm)、右スピ
ーカーから左スピーカー406bまでの距離Ds(c
m)、聴取位置407aから聴取位置407bおよび聴
取位置407cまでの距離の最大値をDm(cm)とし
て式5が成り立てば、聴取位置407aから聴取位置4
07bの間および聴取位置407aから聴取位置407
cの間においても距離差の変化が3cm以下に抑えら
れ、その間ででも音場拡大効果が得られる。このため、
従来の方法に比較して広いサービスエリアで音場拡大効
果を楽しむことができる。 Dm≦(Da+Db)÷Ds×1.5 ・・・式5
【0037】本実施例において聴取位置を3つとした
が、聴取位置が2つでも各聴取位置が式5を満足し、ク
ロストークフィルタを周波数帯域で分割して交互に各聴
取者位置において音像が設定した位置に定位するような
特性にすることにより同様の効果を得ることができる。
【0038】また、本実施例においてクロストークフィ
ルタ、補正フィルタの特性を固定値としたが、キーボー
ド等により聴取位置の中心を設定できるようにし、その
位置に対応してクロストークフィルタ、補正フィルタの
特性を制御することにより聴取者の位置に対して汎用性
の高い音響再生装置を得ることができる。
【0039】また、本実施例においてクロストークフィ
ルタを周波数帯域で等分割して各聴取位置で音場が拡大
するようにしたが、図3のように帯域幅を高音域に行く
に従って徐々に広くしても同様の効果が得られ、高音質
な再生音も得られる。
【0040】実施例3.図7は本発明の第3の実施例に
おける音響再生装置を示す上面図である。図7におい
て、601aは右チャンネル入力端子、601bは左チ
ャンネル入力端子、602aは入力が右チャンネル入力
端子601aに接続された右チャンネルクロストークフ
ィルタ、602bは入力が左チャンネル入力端子601
bに接続された外部制御型の左チャンネルクロストーク
フィルタ、603aは入力が右チャンネル入力端子60
1aと接続された外部制御型の左チャンネルクロストー
クフィルタ602bの出力に各々接続された加算器、6
03bは入力が左チャンネル入力端子601aと右チャ
ンネルクロストークフィルタ602aの出力に各々接続
された加算器、604aは入力が加算器603aの出力
に接続された右チャンネル補正フィルタ、604bは入
力が加算器603bの出力に接続された外部制御型の左
チャンネル補正フィルタ、605aは入力が補正フィル
タ604aの出力に接続された右チャンネルパワーアン
プ、605bは入力が補正フィルタ604bの出力に接
続された左チャンネルパワーアンプ、606aは右チャ
ンネルパワーアンプ605aの出力に接続された右チャ
ンネルスピーカー、606bは左チャンネルパワーアン
プ605bの出力に接続された左チャンネルスピーカ
ー、607aは右チャンネルスピーカー606aと左チ
ャンネルスピーカー606bの前面にいる聴取者、60
7bは右チャンネルスピーカー606aと左チャンネル
スピーカー606bの前面で聴取者607aの右にいる
聴取者、607cは右チャンネルスピーカー606aと
左チャンネルスピーカー606bの前面で聴取者607
aの左にいる聴取者、608aは右チャンネルスピーカ
ー606a上部に取り付けられた右センサー、608b
は左チャンネルスピーカー606b上部に取り付けられ
た左センサー、609は入力が右センサー608aおよ
び左センサー608bに接続され出力が外部制御型の右
チャンネルクロストークフィルタ602a、左チャンネ
ルクロストークフィルタ602b、右チャンネル補正フ
ィルタ604aおよび左チャンネル補正フィルタ604
bに接続されたコントローラ、610はその入出力がコ
ントローラ609に接続されたROMである。
【0041】次に本実施例の動作を説明する。右チャン
ネル入力端子601aに加えられた信号の1つは加算器
603aを通り右チャンネル補正フィルタ604aに入
力されフィルタリングされる。フィルタリングされた信
号は、右チャンネルパワーアンプ605aにより増幅さ
れ右チャンネルスピーカー606aにより音として空間
に放出される。右チャンネル入力端子601aに加えら
れた信号のもう1つは右チャンネルクロストークフィル
タ602aに入力されフィルタリングされる。フィルタ
リングされた信号は、加算器603bを介して左チャン
ネル補正フィルタ604bに入力されフィルタリングさ
れる。フィルタリングされた信号は左チャンネルパワー
アンプ605bにより増幅され、左チャンネルスピーカ
ー606bにより音として空間に放射される。
【0042】左チャンネル入力端子601bについても
同様に、左チャンネル入力端子601bに加えられた信
号の1つは加算器603bを通り補正フィルタ604b
に入力されフィルタリングされる。フィルタリングされ
た信号は、左チャンネルパワーアンプ605bにより増
幅され左チャンネルスピーカー606bにより音として
空間に放出される。左チャンネル入力端子601bに加
えられた信号のもう1つは左チャンネルクロストークフ
ィルタ602bに入力されフィルタリングされる。フィ
ルタリングされた信号は、加算器603aを介して補正
フィルタ604aに入力されフィルタリングされる。フ
ィルタリングされた信号は右チャンネルパワーアンプ6
05aにより増幅され、右チャンネルスピーカー606
aにより音として空間に放射される。
【0043】右センサー608aおよび左センサー60
8bは、例えばテレビカメラに画像処理装置を組み合わ
せたような聴取者607a、聴取者607bおよび聴取
者607cがどの方向に居るかを検知するセンサーであ
る。右センサー608aおよび左センサー608bから
見た聴取者607a、聴取者607bおよび聴取者60
7cの角度はコントローラ609に入力される。コント
ローラ609は、予め入力されている右センサー608
aと左センサー608bの距離より聴取者607a、聴
取者607bおよび聴取者607cの位置が計算され
る。コントローラ609は、計算された聴取者607の
相対的な位置、右チャンネルスピーカー606aから聴
取者607a、聴取者607bおよび聴取者607cま
でと左チャンネルスピーカー606bから聴取者607
a、聴取者607bおよび聴取者607cまでの距離差
に対応して3種類の右チャンネルクロストークフィルタ
602a、左チャンネルクロストークフィルタ602
b、右チャンネル補正フィルタ604a、左チャンネル
補正フィルタ604bの伝達関数をROM610より求
める。求めた伝達関数を図2と同様に周波数軸上で等間
隔に帯域分割して混合し、右チャンネルクロストークフ
ィルタ602a、左チャンネルクロストークフィルタ6
02b、右チャンネル補正フィルタ604a、左チャン
ネル補正フィルタ604bの伝達関数が混合した伝達関
数と等しくなるように右チャンネルクロストークフィル
タ602a、左チャンネルクロストークフィルタ602
b、右チャンネル補正フィルタ604a、左チャンネル
補正フィルタ604bを制御する。これにより、任意の
位置にいる複数の聴取者に対して音質劣化のない音場拡
大効果を楽しめる音響再生装置が提供できる。
【0044】本実施例において聴取者607の相対的位
置、右チャンネルスピーカー606aから聴取者607
までと左チャンネルスピーカー606bから聴取者60
7までの距離差に対応して右チャンネルクロストークフ
ィルタ602a、左チャンネルクロストークフィルタ6
02b、右チャンネル補正フィルタ604a、左チャン
ネル補正フィルタ604bの最適な伝達関数をROM6
10より呼び出すとしたが、伝達関数が無限の組み合わ
せとなりROM610に収納できなくなるが、例えば図
7の様に視聴エリアを碁盤目のように区切り、その交点
位置における最適な伝達関数をROM610に格納し、
距離差は遅延として計算するようにすれば小さな容量の
ROMにも伝達関数の組み合わせを収納できる。
【0045】実施例4.図8は本発明の第4の実施例に
おける音響再生装置を示す上面図である。図8におい
て、701aは右チャンネル入力端子、701bは左チ
ャンネル入力端子、702aは入力が右チャンネル入力
端子701aに接続された右チャンネルクロストークフ
ィルタ、702bは入力が左チャンネル入力端子701
bに接続された外部制御型の左チャンネルクロストーク
フィルタ、703aは入力が右チャンネル入力端子70
1aと接続された外部制御型の左チャンネルクロストー
クフィルタ702bの出力に各々接続された加算器、7
03bは入力が左チャンネル入力端子701aと右チャ
ンネルクロストークフィルタ702aの出力に各々接続
された加算器、704aは入力が加算器703aの出力
に接続された右チャンネル補正フィルタ、704bは入
力が加算器703bの出力に接続された外部制御型の左
チャンネル補正フィルタ、705aは入力が補正フィル
タ704aの出力に接続された右チャンネルパワーアン
プ、705bは入力が補正フィルタ704bの出力に接
続された左チャンネルパワーアンプ、706aは右チャ
ンネルパワーアンプ705aの出力に接続された右チャ
ンネルスピーカー、706bは左チャンネルパワーアン
プ705bの出力に接続された左チャンネルスピーカ
ー、707は右チャンネルスピーカー706aと左チャ
ンネルスピーカー706bの前面にいる聴取者、708
aは右チャンネルスピーカー706a上部に取り付けら
れた右センサー、708bは左チャンネルスピーカー7
06b上部に取り付けられた左センサー、709は入力
が右センサー708aおよび左センサー708bに接続
され出力が外部制御型の右チャンネルクロストークフィ
ルタ702a、左チャンネルクロストークフィルタ70
2b、右チャンネル補正フィルタ704aおよび左チャ
ンネル補正フィルタ704bに接続されたコントロー
ラ、710はその入出力がコントローラ709に接続さ
れたROMである。
【0046】次に本実施例の動作を説明する。右チャン
ネル入力端子701aに加えられた信号の1つは加算器
703aを通り右チャンネル補正フィルタ704aに入
力されフィルタリングされる。フィルタリングされた信
号は、右チャンネルパワーアンプ705aにより増幅さ
れ右チャンネルスピーカー706aにより音として空間
に放出される。右チャンネル入力端子701aに加えら
れた信号のもう1つは右チャンネルクロストークフィル
タ702aに入力されフィルタリングされる。フィルタ
リングされた信号は、加算器703bを介して左チャン
ネル補正フィルタ704bに入力されフィルタリングさ
れる。フィルタリングされた信号は左チャンネルパワー
アンプ705bにより増幅され、左チャンネルスピーカ
ー706bにより音として空間に放射される。
【0047】左チャンネル入力端子701bについても
同様に、左チャンネル入力端子701bに加えられた信
号の1つは加算器703bを通り補正フィルタ704b
に入力されフィルタリングされる。フィルタリングされ
た信号は、左チャンネルパワーアンプ705bにより増
幅され左チャンネルスピーカー706bにより音として
空間に放出される。左チャンネル入力端子701bに加
えられた信号のもう1つは左チャンネルクロストークフ
ィルタ702bに入力されフィルタリングされる。フィ
ルタリングされた信号は、加算器703aを介して補正
フィルタ704aに入力されフィルタリングされる。フ
ィルタリングされた信号は右チャンネルパワーアンプ7
05aにより増幅され、右チャンネルスピーカー706
aにより音として空間に放射される。
【0048】右センサー708aおよび左センサー70
8bは、例えば光学系とCCDラインセンサーを組み合
わせたような聴取者707がどの方向に居るかを検知す
るセンサーである。右センサー708aおよび左センサ
ー708bから見た聴取者707の角度はコントローラ
709に入力される。コントローラ709は、予め入力
されている右センサー708aと左センサー708bの
距離より聴取者707の位置を計算する。コントローラ
709は、計算された聴取者707の位置に対応して聴
取位置とその近傍位置での右チャンネルクロストークフ
ィルタ702a、左チャンネルクロストークフィルタ7
02b、右チャンネル補正フィルタ704a、左チャン
ネル補正フィルタ704bの伝達関数をROM710よ
り求める。近傍位置としては、聴取位置での左右スピー
カーとの距離差が3cm異なる略円形の軌跡上のスピー
カー間中央と聴取者を結ぶ線に対して聴取位置で垂線を
引き、垂線と前記円の交点とする。求めた伝達関数を図
2と同様に周波数軸上で等間隔に帯域分割して混合して
最終的に設定すべき各フィルタの伝達関数を求める。右
チャンネルクロストークフィルタ702a、左チャンネ
ルクロストークフィルタ702b、右チャンネル補正フ
ィルタ704a、左チャンネル補正フィルタ704bの
伝達関数が求めた伝達関数と等しくなるように右チャン
ネルクロストークフィルタ702a、左チャンネルクロ
ストークフィルタ702b、右チャンネル補正フィルタ
704a、左チャンネル補正フィルタ704bを制御す
る。これにより、任意の位置にいる聴取者に対して音場
拡大効果を楽しめると共に、例えば聴取者が頭だけ左右
に動かしたような場合においても音場拡大効果を損なわ
ないような音響再生装置が提供できる。
【0049】本実施例において聴取者707の相対的位
置、右チャンネルスピーカー706aから聴取者707
までと左チャンネルスピーカー706bから聴取者70
7までの距離差に対応して右チャンネルクロストークフ
ィルタ702a、左チャンネルクロストークフィルタ7
02b、右チャンネル補正フィルタ704a、左チャン
ネル補正フィルタ704bの最適な伝達関数をROM7
10より呼び出すとしたが、伝達関数が無限の組み合わ
せとなりROM710に収納できなくなるが、例えば図
7の様に視聴エリアを碁盤目のように区切り、その交点
位置における最適な伝達関数をROM710に格納し、
距離差は遅延として計算するようにすれば小さな容量の
ROMにも伝達関数の組み合わせを収納できる。
【0050】また、本実施例において聴取位置近傍での
各フィルタの伝達関数をROM710より求めるとした
が、求めた伝達関数を時間軸上で3cm、即ち、88μ
秒前後に移動させることにより簡易的に求めることもで
きる。これにより、小さな容量のROM710にも本方
式を適用できる。
【0051】実施例5.図9、図10は本発明の第2の
実施例における音響再生装置を示す図であり、図9は上
面図であり、図10は右チャンネルスピーカー側面図で
ある。図において、801aは右チャンネル入力端子、
801bは左チャンネル入力端子、802aは入力が右
チャンネル入力端子801aに接続された右チャンネル
クロストークフィルタ、802bは入力が左チャンネル
入力端子801bに接続された外部制御型の左チャンネ
ルクロストークフィルタ、803aは入力が右チャンネ
ル入力端子801aと接続された外部制御型の左チャン
ネルクロストークフィルタ802bの出力に各々接続さ
れた加算器、803bは入力が左チャンネル入力端子8
01aと右チャンネルクロストークフィルタ802aの
出力に各々接続された加算器、804aは入力が加算器
803aの出力に接続された右チャンネル補正フィル
タ、804bは入力が加算器803bの出力に接続され
た外部制御型の左チャンネル補正フィルタ、805aは
入力が補正フィルタ804aの出力に接続された右チャ
ンネルパワーアンプ、805bは入力が補正フィルタ8
04bの出力に接続された左チャンネルパワーアンプ、
806aは右チャンネルパワーアンプ805aの出力に
接続された右チャンネルスピーカー、806bは左チャ
ンネルパワーアンプ805bの出力に接続された左チャ
ンネルスピーカー、807は右チャンネルスピーカー8
06aと左チャンネルスピーカー806bの前面にいる
聴取者、808aは右チャンネルスピーカー806a上
部に取り付けられた右センサー、808bは左チャンネ
ルスピーカー806b上部に取り付けられた左センサ
ー、809は入力が右センサー808aおよび左センサ
ー808bに接続され出力が外部制御型の右チャンネル
クロストークフィルタ802a、左チャンネルクロスト
ークフィルタ802b、右チャンネル補正フィルタ80
4a、左チャンネル補正フィルタ804bに接続された
コントローラ、810はその入出力がコントローラ80
9に接続されたROM、811aはコントローラ809
により制御される右チャンネルスピーカー用ターンテー
ブルである。図示していないが右チャンネルスピーカー
用ターンテーブル811aと同様に左チャンネルスピー
カーの下にも左チャンネルスピーカー用ターンテーブル
811bが付いており、コントローラ809にて制御で
きる。
【0052】次に本実施例の動作を説明する。右チャン
ネル入力端子801aに加えられた信号の1つは加算器
803aを通り右チャンネル補正フィルタ804aに入
力されフィルタリングされる。フィルタリングされた信
号は、右チャンネルパワーアンプ805aにより増幅さ
れ右チャンネルスピーカー806aにより音として空間
に放出される。右チャンネル入力端子801aに加えら
れた信号のもう1つは右チャンネルクロストークフィル
タ802aに入力されフィルタリングされる。フィルタ
リングされた信号は、加算器803bを介して左チャン
ネル補正フィルタ804bに入力されフィルタリングさ
れる。フィルタリングされた信号は左チャンネルパワー
アンプ805bにより増幅され、左チャンネルスピーカ
ー806bにより音として空間に放射される。
【0053】左チャンネル入力端子801bについても
同様に、左チャンネル入力端子801bに加えられた信
号の1つは加算器803bを通り補正フィルタ804b
に入力されフィルタリングされる。フィルタリングされ
た信号は、左チャンネルパワーアンプ805bにより増
幅され左チャンネルスピーカー806bにより音として
空間に放出される。左チャンネル入力端子801bに加
えられた信号のもう1つは左チャンネルクロストークフ
ィルタ802bに入力されフィルタリングされる。フィ
ルタリングされた信号は、加算器803aを介して補正
フィルタ804aに入力されフィルタリングされる。フ
ィルタリングされた信号は右チャンネルパワーアンプ8
05aにより増幅され、右チャンネルスピーカー806
aにより音として空間に放射される。
【0054】右センサー808aおよび左センサー80
8bは、聴取者807がセンサー正面に対して左右のど
ちらに居るかを検知するものである。図9の状態では右
センサー808aは、右センサー808aから見て右方
向に聴取者807が居ると検知し、出力する。この出力
を受けコントローラ809は、右チャンネルスピーカー
806aの下に取り付けられた右チャンネルスピーカー
用ターンテーブル808aに対して時計方向に回転する
ように命令する。コントローラ809は、右センサー8
08aの出力を監視し、右センサー808aの正面に聴
取者807が来た時点で右チャンネルスピーカー用ター
ンテーブル808aに停止するように命令する。この動
作の繰り返しにより、右チャンネルスピーカー806a
の音放射軸上に常に聴取者807が居ることになる。
【0055】同様に、図9の状態では左センサー808
bは、左センサー808bから見て左方向に聴取者80
7が居ると検知し、出力する。この出力を受けコントロ
ーラ809は、左チャンネルスピーカー806bの下に
取り付けられた左チャンネルスピーカー用ターンテーブ
ル808bに対して反時計方向に回転するように命令す
る。コントローラ809は、左センサー808bの出力
を監視し、左センサー808bの正面に聴取者807が
来た時点で左チャンネルスピーカー用ターンテーブル8
08bに停止するように命令する。この動作の繰り返し
により、左チャンネルスピーカー806bの音放射軸上
に常に聴取者807が居ることになる。
【0056】コントローラ809は、予め入力されてい
る右センサー808aと左センサー808bの距離およ
び初期位置に対して動かした右チャンネルスピーカー用
ターンテーブル808a、左チャンネルスピーカー用タ
ーンテーブル808bの角度より聴取者807の位置が
計算される。コントローラ809は、計算された聴取者
807の相対的な位置、右チャンネルスピーカー806
aから聴取者807までと左チャンネルスピーカー80
6bから聴取者807までの距離差に対応した右チャン
ネルクロストークフィルタ802a、左チャンネルクロ
ストークフィルタ802b、右チャンネル補正フィルタ
804a、左チャンネル補正フィルタ804bの伝達関
数をROM810より求める。この値より、近傍の聴取
位置での伝達関数として、ROM810より求めた伝達
関数を時間軸上で3cm、即ち、88μ秒前後に移動さ
せることにより2種類求める。求めた3種類の伝達関数
を図2と同様に周波数軸上で等間隔に帯域分割して混合
して最終的に設定すべき各フィルタの伝達関数を求め
る。右チャンネルクロストークフィルタ802a、左チ
ャンネルクロストークフィルタ802b、右チャンネル
補正フィルタ804a、左チャンネル補正フィルタ80
4bの伝達関数が最終的に設定すべき伝達関数と等しく
なるように右チャンネルクロストークフィルタ802
a、左チャンネルクロストークフィルタ802b、右チ
ャンネル補正フィルタ804a、左チャンネル補正フィ
ルタ804bを制御する。これにより、広い範囲におい
て音質劣化のない音場拡大効果を楽しめると共に、例え
ば聴取者が頭だけ左右に動かしたような場合においても
音場拡大効果を損なわないような音響再生装置が提供で
きる。
【0057】本実施例において聴取者807の相対的位
置、右チャンネルスピーカー806aから聴取者807
までと左チャンネルスピーカー806bから聴取者80
7までの距離差に対応して右チャンネルクロストークフ
ィルタ802a、左チャンネルクロストークフィルタ8
02b、右チャンネル補正フィルタ804a、左チャン
ネル補正フィルタ804bの最適な伝達関数をROM8
10より呼び出すとしたが、伝達関数が無限の組み合わ
せとなりROM810に収納できなくなるが、例えば図
9の様に聴取者807の相対位置を碁盤目のように区切
り、その交点位置に置き換え、その位置における最適な
伝達関数をROM810に格納し、距離差は遅延として
別途計算するようにすればROM810の容量が小さく
ても多くの伝達関数の組み合わせを収納できる。
【0058】本実施例において右センサー808aおよ
び左センサー808bを各々右チャンネルスピーカー8
06a、左チャンネルスピーカー806bの上に設置さ
れたとしたが、図11のようにスピーカーキャビネット
内に内蔵することも可能である。なお、図11におい
て、806cはスピーカー、808cはスピーカー80
6cの開口部に取り付けられたセンサー、811cはス
ピーカー806cの下部に設けられたターンテーブルで
ある。
【0059】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の音響再生
装置によれば、複数の聴取位置に対応してクロストーク
フィルタの伝達関数を周波数軸上で帯域分割して混合す
るようにしたため、各聴取位置において従来例と同等の
音場拡大効果を得れる。即ち、従来音場拡大の効果を楽
しめる聴取者が1人だったのに対して、複数の聴取者で
音場拡大効果を楽しむことができる。
【0060】また、請求項2記載の音響再生装置によれ
ば、聴取位置とその近傍位置に対応したクロストークフ
ィルタの伝達関数を周波数軸上で帯域分割して混合する
ようにしたため、聴取者が多少頭を動かしても音場拡大
効果を維持できる。即ち、従来方式の欠点であったピン
ポイントの聴取エリアを、例えば座席に座って頭を動か
す程度の聴取エリアに広げることができ、この聴取エリ
ア内で音質および音場拡大効果も劣化ない。
【0061】また、請求項3記載の音響再生装置によれ
ば、左右チャンネルスピーカーに複数の聴取者の位置を
検知するセンサーを設け、各聴取位置に対応して左右ク
ロストークフィルタ、補正フィルタの伝達関数を周波数
軸上で帯域分割して混合するようにしたため、各聴取位
置において従来例と同等の音場拡大効果を得れる。即
ち、従来音場拡大の効果を任意の位置にいる複数の聴取
者で楽しむことができる。
【0062】また、請求項4記載の音響再生装置によれ
ば、左右チャンネルスピーカーに聴取者の位置を検知す
るセンサーを設け、聴取位置とその近傍位置に対応して
クロストークフィルタ、補正フィルタの伝達関数を周波
数軸上で帯域分割して混合するようにしたため、聴取者
が多少頭を動かすような小さな動き、聴取者が体を動か
すような大きな動きにも対応した音場拡大効果を得るこ
とができる。即ち、全ての聴取エリア内で均一な音場拡
大効果を得ることができる音響再生装置を提供できる。
【0063】また、請求項5記載の音響再生装置によれ
ば、左右チャンネルスピーカーに聴取者の位置を検知す
るセンサーを設け、ターンテーブルにより視聴者の位置
にスピーカーの音放射軸を合わせることによりどの場所
でもスピーカーの指向性による特性劣化を解消できると
共に、聴取位置とその近傍位置に対応してクロストーク
フィルタ、補正フィルタの伝達関数を周波数軸上で帯域
分割して混合するようにしたため、聴取者が多少頭を動
かすような小さな動き、聴取者が体を動かすような大き
な動きにも対応した音場拡大効果が得れる。即ち、全て
の聴取エリア内でスピーカーの能力を全て引き出せ、音
場拡大効果の劣化もない音響再生装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例における音響再生装置
を示す上面図である。
【図2】 本発明の第1の実施例におけるクロストーク
フィルタの利得−周波数特性図である。
【図3】 本発明の第1の実施例における他のクロスト
ークフィルタの利得−周波数特性図である。
【図4】 本発明の第2の実施例におけるスピーカーと
聴取者の関係を示す上面図である。
【図5】 本発明の第2の実施例におけるクロストーク
フィルタの利得−周波数特性図である。
【図6】 クロストークキャンセル方式での音像定位位
置と遅延時間の関係を示す図である。
【図7】 本発明の第3の実施例における音響再生装置
を示す上面図である。
【図8】 本発明の第4の実施例における音響再生装置
を示す上面図である。
【図9】 本発明の第5の実施例における音響再生装置
を示す上面図である。
【図10】 本発明の第5の実施例におけるスピーカー
部を示す側面断面図である。
【図11】 本発明の第5の実施例における他のスピー
カー部を示す側面断面図である。
【図12】 従来の音響再生装置を示す上面図である。
【符号の説明】
102a,602a,702a,802a 右クロスト
ークフィルタ、102b,602b,702a,802
a 左クロストークフィルタ、106a,406a,6
06a,706a,806a 右チャンネルスピーカ
ー、106b,406b,605b,706b,806
b 左チャンネルスピーカー、107,108,10
9,407a,407b,407c,607a,607
b,607c,707,807 聴取者、608a,7
08a,808a,808c 右センサー、608b,
708b,808b 左センサー、609,709,8
08 コントローラ、610,710,810 RO
M、811a,811c 右チャンネルスピーカー用タ
ーンテーブル、811b 左チャンネルスピーカー用タ
ーンテーブル、201,202,203,204,50
1,502,503,504等分割されたクロストーク
フィルタの各帯域、301,302,303,304
高音域に行くに従って広く分割されたクロストークフィ
ルタの各帯域。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つのチャンネルと、一方の
    チャンネルからもう一方のチャンネルに、もう一方のチ
    ャンネルから一方のチャンネルにクロストーク成分を生
    成するクロストークフィルタを有する音響再生方式にお
    いて、前記クロストークフィルタの特性が少なくとも2
    つの聴取位置におけるフィルタ特性を周波数軸上で交互
    に重ならないように帯域分割すると共に、任意の帯域に
    対応する聴取位置と隣接する帯域に対応する聴取位置と
    が異なるように混合したことを特徴とする音響再生装
    置。
  2. 【請求項2】 2箇所ないしは3箇所の聴取位置を有
    し、その聴取位置が(スピーカー−聴取者間距離)÷
    (左右スピーカー間距離)×1.5(単位:cm)の半
    径に入っていることを特徴とする請求項1記載の音響再
    生装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも2つのチャンネルと、一方の
    チャンネルからもう一方のチャンネルへ、もう一方のチ
    ャンネルから一方のチャンネルへクロストーク成分を生
    成するクロストークフィルタと、チャンネル数に相当し
    た数のスピーカーと、複数の聴取者の居る方向を検知す
    るセンサーとを有し、センサーの出力より聴取者の位
    置、人数を計算し、各聴取者の位置に対応したクロスト
    ークフィルタを周波数軸上で交互に重ならないように帯
    域分割すると共に、任意の帯域の対応する聴取位置と隣
    接する帯域に対応する聴取位置とが異なるように混合し
    た値に制御するようにしたことを特徴とする音響再生装
    置。
  4. 【請求項4】 少なくとも2つのチャンネルと、一方の
    チャンネルからもう一方のチャンネルへ、もう一方のチ
    ャンネルから一方のチャンネルへクロストーク成分を生
    成するクロストークフィルタと、チャンネル数に相当し
    た数のスピーカーと、聴取者の居る方向を検知するセン
    サーとを有し、センサーの出力より聴取者の位置を計算
    し、聴取者の位置に対応したクロストークフィルタと聴
    取者の左右(スピーカー−聴取者間距離)÷(左右スピ
    ーカー間距離)×1.5(単位:cm)の位置に対応し
    たクロストークフィルタとを周波数軸上で交互に重なら
    ないように帯域分割すると共に、任意の帯域に対応する
    聴取位置と隣接する帯域に対応する聴取位置とが異なる
    ように混合した値に制御するようにしたことを特徴とす
    る音響再生装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも2つのチャンネルと、一方の
    チャンネルからもう一方のチャンネルへ、もう一方のチ
    ャンネルから一方のチャンネルへクロストーク成分を生
    成するクロストークフィルタと、チャンネル数に相当し
    た数のスピーカーと、聴取者の居る方向を検知するセン
    サーと、スピーカーを回転させるターンテーブルとを有
    し、センサーの出力に対応してターンテーブルを回転さ
    せ、ターンテーブルの回転量より聴取者の位置を計算
    し、聴取者の位置に対応したクロストークフィルタと聴
    取者の左右(スピーカー−聴取者間距離)÷(左右スピ
    ーカー間距離)×1.5(単位:cm)の位置に対応し
    たクロストークフィルタとを周波数軸上で帯域分割する
    と共に、任意の帯域に対応する聴取位置と隣接する帯域
    に対応する聴取位置とが異なるように混合した値に制御
    するようにしたことを特徴とする音響再生装置。
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