JPH0873709A - 電気絶縁材料 - Google Patents

電気絶縁材料

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JPH0873709A
JPH0873709A JP21739694A JP21739694A JPH0873709A JP H0873709 A JPH0873709 A JP H0873709A JP 21739694 A JP21739694 A JP 21739694A JP 21739694 A JP21739694 A JP 21739694A JP H0873709 A JPH0873709 A JP H0873709A
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polyester
insulating material
polymer
copolymer
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JP21739694A
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Shiro Imai
史朗 今井
Masahiro Kimura
将弘 木村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】融点230〜280℃のポリエステルと熱可塑
性エラストマーおよび/または非晶ポリオレフィン重合
体が重量比で70:30〜98:2の割合で混合されて
なり、厚み1〜500μmのフィルムからなることを特
徴とする電気絶縁材料。 【効果】本発明の電気絶縁用フィルムは、機械特性、電
気特性に加え、取扱い性、加工適性に優れていることか
ら、モータ絶縁のような絶縁用途で加工収率が向上で
き、さらには信頼性の面でも良好であるという特徴を有
する。本発明の電気絶縁用フィルムは、小型化、軽量
化、高性能化の要求が強いモータ絶縁用途に好適に使用
でき、また、モータ絶縁以外の電気絶縁用途にも好まし
く使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性、機械的特性、電
気的特性に優れ、かつ、取扱い性や加工性に優れた電気
絶縁材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の分野における電気絶縁
材料としては、その優れた機械的特性、電気的特性およ
び加工性の点からポリエチレンテレフタレート(以下、
PETということがある)フィルムが広く用いられてき
た。しかしながら、従来のPETフィルムからなる電気
絶縁材料では、一定温度で加熱後の絶縁破壊の強さが小
さくなるという欠点があった。例えば、ガス絶縁ケーブ
ル用絶縁材料や、コンデンサの誘電体のような高温にさ
らされることがある用途に従来のPETフィルムからな
る電気絶縁材料を用いると絶縁破壊が起きるおそれがあ
った。
【0003】さらに近年、電気および電子機器の小型
化、軽量化、高性能化が切望されるようになり、このた
めにはポリエチレンテレフタレートの耐熱性(E種、連
続許容温度120℃)では不充分であり、より優れた耐
熱性を有する絶縁材料が望まれている。
【0004】ポリエチレンナフタレートフィルムはこの
目的に適合した(F種、連続許容温度155℃)電気絶
縁材料であり、例えば、特公昭53−35280号公
報、特公昭54−1920号公報、特開昭48−532
99号公報、特開昭49−132600号公報、特開昭
49−32200号公報、特開昭50−133279号
公報等にその特性が記載されている。
【0005】このように、ポリエチレンナフタレートフ
ィルム(以下、PENということがある)は、基本的に
優れた耐熱性、機械的特性および電気特性を有すること
は広く知られており、上記ポリエチレンテレフタレート
フィルムに比べて、強度やヤング率が高いという特徴を
有する反面、伸度が低く、また、長時間熱履歴を受けた
後の伸度低下が大きく、脆いという欠点を有していた。
特に、絶縁材料においては、例えばモータ絶縁などで代
表されるように、スロットやウエッジの形に成型され、
挿入やコイルの巻回、およびコイル形成などが行われ使
用されるが、その際に割れが発生しやすく、加工収率が
悪いなど取扱性や加工性に劣るという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術の問題点を解消することにあり、ポリマが
本来有する優れた耐熱性、機械的特性、電気的特性を遺
憾なく発現させ、かつ、取扱い性や加工性に優れた電気
絶縁材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、融点2
30〜280℃のポリエステルと熱可塑性エラストマー
および/または非晶ポリオレフィン重合体が重量比で7
0:30〜98:2の割合で混合されてなり、厚み1〜
500μmのフィルムによって達成することができる。
【0008】好ましくは、前記記載のフィルムを構成す
るポリマが主としてポリエチレンテレフタレートまたは
ポリエチレンナフタレートからなるものによって達成す
ることができる。
【0009】本発明は、上記構成をとることによりはじ
めて、ポリマが本来有する優れた耐熱性、機械的特性、
電気的特性を有し、かつ、取扱い性や加工性に優れた電
気絶縁材料を提供することが可能となったのである。
【0010】本発明では、特定の融点を有するポリエス
テルに適量の熱可塑性エラストマーおよび/または非晶
ポリオレフィン重合体を混合したフィルムを得ることに
より、全く意外なことではあるが、本来ポリエステルが
持つポリマ特性を凌ぐ優れた耐熱性、機械的特性、電気
的特性が得られることに加え、取扱い性や加工性が極め
て良好となることを見出したものであり、その効果は従
来技術に比べて非常に大きいものである。
【0011】本発明におけるポリエステルとは、ジカル
ボン酸成分とグリコール成分からなるポリマであり、ジ
カルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカル
ボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキ
シエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コ
ハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイ
ン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安
息香酸等のオキシカルボン酸等を挙げることができる。
なかでもテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が耐熱
性、機械的特性、かつ電気的特性の点から好ましく、よ
り高温での耐熱性を目的とするにはナフタレンジカルボ
ン酸が特に好ましい。
【0012】一方、グリコール成分としては、例えば、
エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジ
メタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、
ビスフェノールS等の芳香族グリコール等が挙げられ
る。なかでもこれらのグリコール成分のうちエチレング
リコールが耐熱性、機械的特性、かつ電気的特性の点か
ら好ましい。また、シクロヘキサンジメタノールも高温
下での絶縁破壊の強さが小さくならず、好ましい。これ
らのジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上を併
用してもよい。
【0013】また、本発明の効果を阻害しない限りにお
いて、トリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロール
プロパン等の多官能化合物を共重合したものを用いても
よい。
【0014】本発明で使用されるポリエステルとして
は、融点として230〜280℃であることが、耐熱性
の点で必要である。融点はさらに好ましくは250〜2
80℃、260〜280℃の範囲のものがより好まし
い。かかる好ましいポリマとしては、ポリエチレンテレ
フタレートまたはポリエチレンナフタレートのホモポリ
マ、あるいはコポリマを挙げることができる。ここで、
構成単位であるポリエチレンテレフタレートまたはポリ
エチレンナフタレート単位が全ポリエステル構成単位中
少なくとも70モル%含有されているのが、耐熱性、機
械的特性、かつ電気的特性の点で好ましい。さらに好ま
しくは、80モル%以上含有されていることが望まし
い。
【0015】また、本発明のポリエステルは、ジエチレ
ングリコール成分を0.01〜1.5重量%含有してい
ることが好ましく、さらに好ましくは、0.01〜1.
2重量%、より好ましくは0.01〜1.0重量%含有
していることが、熱履歴によるポリエステルの劣化が抑
えられることから好ましい。
【0016】ジエチレングリコール成分を0.01重量
%未満とすることは重合工程が繁雑となり、コストの面
で好ましくなく、また、1.5重量%を超えると長時間
の熱履歴によりポリエステルの劣化が生じ、耐熱性が低
下しやすい傾向にある。ジエチレングリコールはポリエ
ステル製造の際に副生するが、1.5重量%以下にする
には、重合時間を短縮したり、重合触媒として使用され
るアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物などの量を限
定する方法、液相重合と固相重合を組み合わせる方法、
アルカリ金属成分を含有させる方法などがあげられる
が、方法としては特に限定されるものではない。
【0017】なお、好ましくはポリエステルの極限粘度
[η]が0.4〜1.2の範囲、さらに好ましくは0.
5〜1.1、より好ましくは0.6〜1.0で、機械特
性を向上させることができる。
【0018】本発明では、ポリエステルに熱可塑性エラ
ストマーおよび/または非晶ポリオレフィン重合体を重
量比で70:30〜98:2含有させることが、優れた
耐熱性、機械的特性、かつ電気的特性に加え、取扱い
性、加工性を良好なものとするために必要である。さら
に耐熱性、機械的特性、電気的特性、取扱い性、加工性
の点で、好ましくはポリエステルに混合させる熱可塑性
エラストマーおよび/または非晶ポリオレフィン重合体
の割合は、重量比で80:20〜97:3、さらに好ま
しくは90:10〜95:5である。このことは、ポリ
エステルに相溶しがたい熱可塑性エラストマーおよび/
または非晶ポリオレフィン重合体が海島状に分散し、取
扱い時や加工時の外からの力をショックアブソーバ的に
吸収・分散し、高い耐衝撃力が得られるためと考えら
れ、その効果は大きい。また、非晶ポリオレフィン重合
体が混合された場合にあっては、理由は定かではないが
耐熱性が向上し、一定温度で加熱後の絶縁破壊の強さが
低下することを防止する効果がある。特に湿度が高い雰
囲気下での効果は大きい。
【0019】ここで、本発明でいう熱可塑性エラストマ
ーとは、特に限定されないが、例えば超低密度、低密度
ポリエチレン、エチレン−αオレフィンコポリマー(エ
チレン−ブテンコポリマー、エチレン−プロピレンコポ
リマー、エチレン−オクテンコポリマーなど)、プロピ
レン−αオレフィンコポリマー(プロピレン−ブテンコ
ポリマーなど)、ポリブテンなどのオレフィン系エラス
トマー、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレンコポ
リマー)、SEBS(スチレン−エチレン/ブチレン−
スチレンコポリマー)、SIS(スチレン−イソプレン
−スチレンコポリマー)、SEPS(スチレン−エチレ
ン/プロピレンコポリマー)などのポリスチレン系エラ
ストマー、さらにエチレン−メチルアクリレートコポリ
マー、エチレン−メチルメタクリレートコポリマーなど
が挙げられる。
【0020】またポリエステル系熱可塑性エラストマー
としては、ハードセグメントが結晶性のポリブチレンテ
レフタレート、ソフトセグメントが脂肪族系のポリエー
テルまたはポリエステルであるエステル/エーテルタイ
プコポリマー、エステル/エステルタイプコポリマーか
らなるものがその代表として例示することができるが、
ハートセグメントにジヒドロキシクォーターフェニルを
ソフトセグメントに脂肪族ポリエステルを用いたものも
ある。さらに、塩化ビニル系熱可塑性エラストマーや、
ハードセグメントがポリアミド、ソフトセグメントがポ
リエーテルのブロックポリマーからなるポリアミド系熱
可塑性エラストマー、フッ素ゴム成分とフッ化ビニリデ
ン樹脂のような樹脂成分のブロックポリマーからなるフ
ッ素熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
【0021】また、上記熱可塑性エラストマーはブロッ
クコポリマー、ランダムコポリマーのいづれであっても
よい。特に、ポリスチレン系コポリマーはポリエステル
に対する分散性が良好で、低温での耐衝撃性に優れるの
で好ましい。
【0022】また、本発明の非晶ポリオレフィン重合体
とは、一般には熱測定で結晶融点が観測されにくいもの
で、代表的なものとしてジシクロペンタジエンの開環重
合体の水素化物、ジシクロペンタジエンとエチレンとの
共重合体の水素化物、ジシクロペンタジエンの反応生成
物とエチレンとの共重合体の水素化物およびノルボルネ
ン系重合体から選ばれた1種以上のものをいう。かかる
非晶ポリオレフィン重合体は、そのガラス転移点が10
0℃以上が好ましく、さらに好ましくは130℃以上
で、吸水率が0.1%未満のものが好ましい。
【0023】ジシクロペンタジエンの開環重合体の水素
化物は、従来から公知の物質で、例えば特公昭58−4
3412号公報、特開昭63−218727号公報など
でよく知られている。またジシクロペンタジエンとエチ
レンとの共重合体は、特開昭63−314220号公報
などで知られており、ノルボルネン系重合体はUSP2
883372号、特公昭46−14910号公報、特開
平1−149738号公報などに示されているようにジ
シクロペンタジエン類とジェノフィルとの混合物から4
環体以上の多環ノルボルネン系化合物を得た後、重合体
にしたものなどが知られている。もちろんジシクロペン
タジエン類は、そのメチルやエチル置換体などのアルキ
ル置換体や、エンド異性体、キキソ異性体またはこれら
の混合物などを含むものである。分子量は1万以上、好
ましくは3万以上、特に好ましくは5万以上と高い方が
機械的、熱的特性が優れて好ましい。
【0024】ノルボルネン系重合体としては、一般式
(1)
【化1】 (但し、式中R1 およびR2 は水素、炭化水素残基また
はハロゲン、エステル、ニトリル、ピリジルなどの極性
基で、それぞれ同一または異なってもよく、またR1
よびR2 は互いに環を形成していてもよい。nは正の整
数であり、pは0または正の整数である。)及び/また
は一般式(2)
【化2】 (但し、式中R3 およびR4 は水素、炭化水素残基また
はハロゲン、エステル、ニトリル、ピリジルなどの極性
基で、それぞれ同一または異なってもよく、またR3
よびR4 は互いに環を形成していてもよい。l及びmは
正の整数であり、qは0または正の整数である。)で表
される構成単位を有するポリマーを挙げることができ
る。
【0025】一般式(1)で表される構成単位を有する
ポリマーは、単量体としては、例えば、ノルボルネン、
およびそのアルキルおよび/またはアルキリデン置換
体、例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5,6−
ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボ
ルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデ
ン−2−ノルボルネン等のジシクロペンタジエン、2,
3−ジヒドロジシクロペンタジエン、これらのメチル、
エチル、プロピル、ブチル等のアルキル置換体およびハ
ロゲン等の極性基置換体のジメタノオクタヒドロナフタ
レン、そのアルキルおよび/またはアルキリデン置換
体、およびハロゲン等の極性基置換体、例えば、6−メ
チル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,
6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチ
ル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,
6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチ
リデン−1,4:5,8−ジメタノ−1、4、4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−
クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−
シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−
ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−
メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン等のシクロペンタジエンの3〜4量体、例えば、
4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,
8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデ
ン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,
4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,1
1,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアント
ラセン等を1種または2種以上使用し、公知の開環重合
方法により重合して得られる開環重合体を、通常の水素
添加方法により水素添加して製造されるポリマーであ
る。
【0026】一般式(2)で表される構造単位を有する
ポリマーは、単量体として、前記のごときノルボルネン
系モノマーの1種以上と、エチレンを公知の方法により
付加共重合して得られるポリマーおよび/またはその水
素添加物であって、いずれも飽和ポリマーである。
【0027】また、ノルボルネン系ポリマーは、一般式
(1)および一般式(2)の製造工程で、分子量調整剤
として、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなど
のα−オレフィンを存在させたり、あるいはシクロプロ
ペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテ
ン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロシクロペンタジ
エン等のシクロオレフィンなどの他のモノマー成分を少
量成分として添加することにより、共重合したポリマー
であってもよい。
【0028】さらに本発明では、ポリエステル中に分散
した熱可塑性エラストマーおよび/または非晶ポリオレ
フィン重合体の分散径比(長手方向平均分散径/厚み方
向平均分散径)が2〜100であると耐衝撃性が特に良
好となるので好ましい。
【0029】ここで、熱可塑性エラストマーおよび/ま
たは非晶ポリオレフィン重合体の分散径比は、例えばフ
ィルム断面を切断し、厚さ0.1〜1μm程度の超薄切
片を作成し、透過型電子顕微鏡を用いて倍率5000〜
20000程度で写真(長手方向25cm×厚み方向2
0cmを10枚)を撮影し、ポリエステル中に分散した
各熱可塑性エラストマーおよび/または非晶ポリオレフ
ィン重合体(i)の長手方向径(xi )、厚み方向径
(yi )および楕円相当面積(Si )を測定する。その
後、各方向について下記式を用いて、長手方向平均分散
径(xav)、厚み方向平均分散径(yav)を求め分散径
比(=xav/yav)を得た。
【0030】xav=Σxi ・Si /ΣSiav=Σyi ・Si /ΣSi 上記の分散径比を2〜100とする方法は特に限定され
ないが、スクリューの剪断力を高め混練性を大きくする
方法、二軸押出機による押出、さらに二軸押出機のスク
リューに予め混練に適したスクリューディメンジョン
(例えばポリマをある程度長く滞留させる部分を設定
し、そこでローターなどの混練性の高い形状を持ったも
ので練る方法)を設ける方法などが用いられる。
【0031】本発明のフィルムは、厚みが1〜500μ
mの範囲、好ましくは10〜300、さらに好ましくは
20〜200μmである。
【0032】また、本発明のフィルムは、絶縁破壊の強
さや機械的特性等から二軸配向したフィルムが好まし
い。かかるフィルムのヤング率は400kg/mm2
上であるのが好ましい。さらに好ましくは450kg/
mm2 以上である。ここでいうヤング率とは、フィルム
のMD方向(長手方向)、TD方向(幅方向)の平均値
であって、どちらか一方が極端に高くとも、平均値とし
て、この範囲外であれば、フィルムの挿入性が不足した
り、フィルム操作時のハンドリング性が低下し、取扱い
にくかったり、機械特性が安定せず、劣ったりする傾向
がある。この傾向はフィルムの厚みが薄くなればなるほ
ど顕著となってくる。
【0033】また、本発明のフィルムの取扱い性、加工
性を向上させるために、平均粒子径0.1〜10μmの
無機粒子および/または有機粒子が0.01〜10重量
%含有されていることが好ましく、さらには平均粒子径
0.1〜5μmの無機粒子および/または有機粒子が
0.01〜3重量%含有されていることがより好まし
い。無機粒子および/または有機粒子としては、例え
ば、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイド状シリカ、酸化
チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレー等の無機粒
子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸類等を構成
成分とする有機粒子等を挙げることができる。なかでも
湿式または乾式シリカまたはコロイド状シリカ、アルミ
ナ等の無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル
酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼン等
を構成成分とする有機粒子が好ましい。これらの粒子は
2種以上を併用してもよい。
【0034】次に、本発明のフィルムの製造方法につい
て述べるがこれに限定されるものではない。先ず、本発
明のポリエステルの製造は、従来公知の任意の方法を採
用することができ、特に限定されるものではない。例え
ば、ポリエチレンナフタレートの場合で説明する。ナフ
タレン−2,6−ジカルボン酸ジメチルとエチレングリ
コールをエステル交換反応せしめ、次いで二酸化ゲルマ
ニウムを添加し、引き続き高温、減圧下で一定のジエチ
レングリコール含有量になるまで重縮合反応せしめ、ゲ
ルマニウム元素含有重合体を得る。かかるポリエステル
を製造する際には、従来公知の反応触媒、着色防止剤を
使用することができ、反応触媒としては例えばアルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛
化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウ
ム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、着色防止
剤としては例えばリン化合物等を挙げることができる。
次いで得られた重合体をその融点以下の温度において減
圧下または不活性ガス雰囲気下で固相重合反応せしめ、
所定の極限粘度のものを得ることができる。
【0035】しかる後、かかるポリエステルと、例え
ば、SEBS(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレ
ンブロックコポリマー)および/またはノルボルネン系
樹脂を二軸ベント式の押出機に供給し溶融し、通常の口
金から吐出後、鏡面または表面粗面化した冷却ドラムに
て冷却固化してキャストフィルムを得る。この際、押出
機内での剪断発熱を極力抑制する方法、或いは、溶融ポ
リマが空気に触れないよう窒素ガスシールする等の方法
を講じることは好ましい方法である。
【0036】本発明のフィルムは、未延伸のシート状の
ものまたは一軸延伸フィルムでもかまわないが、機械特
性、電気特性に加え、取扱い性、加工適性の点から、好
ましくは二軸に延伸された延伸フィルムである。かかる
場合、未延伸シートを同時あるいは逐次に二軸延伸す
る。逐次二軸延伸の場合、長手方向あるいは幅方向の延
伸を2回以上行うことも可能である。フィルムの長手方
向および幅方向の延伸倍率は目的とするフィルムの配向
度、強度、弾性率に応じて任意に設定することができる
が、好ましくはそれぞれの方向に2.5〜5.0倍であ
る。長手方向、幅方向の延伸倍率はどちらを大きくして
もよく、また、同一としてもよい。また、延伸温度はポ
リエステルのガラス転移温度以上、結晶化温度以下の範
囲であれば任意の温度に設定することができるが、通常
は80〜150℃が好ましい。さらに二軸延伸の後にフ
ィルムの熱処理を行う。この熱処理はオーブン中、加熱
されたロール上等、従来公知の任意の方法で行うことが
できる。熱処理温度はポリエステルの結晶化温度以上融
点以下の任意の温度とすることができるが、好ましくは
150〜250℃である。また、熱処理時間は任意とす
ることができるが、通常1〜60秒間行うのが好まし
い。熱処理はフィルムをその長手方向および/または幅
方向に弛緩させつつ行ってもよい。
【0037】なお、本発明のフィルムを製造するにあた
り、必要により酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、耐候
剤、末端封鎖剤等の添加剤も適宜使用することができ
る。
【0038】本発明のフィルムは単体のままで電気およ
び電子機器用テービング、相段絶縁用スロット内絶縁、
コンデンサ構成材料等、電気、電子機器全般に広く絶縁
材料としての用途を有する他、布、紙、ガラス、その他
無機質絶縁材料との積層による二次加工品の混成材料と
して用いてもよい。
【0039】
【特性の測定、評価法】フィルムの特性は以下の方法に
より測定、評価した。
【0040】(1)ポリエステルの極限粘度 ポリエステルをオルソ−クロロフェノールに溶解し、2
5℃において測定した。
【0041】(2)ポリエステルの融点 ポリエステルチップを結晶化させ、示差走査熱量計(パ
ーキン・エルマ社製DSC−2型)により、10℃/m
in.の昇温速度で測定した。
【0042】(3)フィルムのヤング率 ASTM−D−882−81(A法)に準じて測定した
(引張速度:300mm/分)。なお、値はフィルムの
MD方向(長手方向)、TD方向(幅方向)の平均値と
して求めた。
【0043】(4)加工適性 フィルム長手方向に40mm、幅方向に20mmとなる
ようにフィルムを切り出し、ついで幅方向に平行に両端
部を各5mmづつ折り返してモータ挿入用サンプルを作
成した。このサンプルをモータ回転子部分に挿入し、エ
ナメル線を巻き込んだ。その後エナメル部分をプレスし
てエナメル線部分の成型を行い、この時にフィルムサン
プルの割れの発生状態を評価した。
【0044】(5)絶縁破壊の強さ JIS C2318−1966に従い、交流短時間昇圧
法により測定した。
【0045】
【実施例】
実施例1 エチレン71.1モル%、DMOB(4・9,5・8−
ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−
オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン:I)22.8モ
ル%、DMOF(1・4,5・8−ジメタノ−1,4,
4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロ−9H
−フルオレン)6.1モル%からなる重合体を水素化し
て数平均分子量53000の非晶ポリオレフィン重合体
を得た。
【0046】次いで、ポリエステルとして、ポリエチレ
ン2、6ナフタレート(融点265℃、極限粘度[η]
0.6)を用い、上記非晶ポリオレフィン重合体を重量
比で90:10でブレンドし、二軸ベント式の押出機に
供給し溶融し、通常の口金から吐出後、冷却ドラムにて
冷却固化してキャストフィルムを得た。ついで、逐次二
軸延伸法により縦3.5倍、横3.7倍に延伸、熱処理
を施し、厚み30μmの二軸配向フィルムを得た。フィ
ルムのヤング率は600kg/mm2 であった。
【0047】かくして得られたフィルムを用いて、加工
適性を評価したところ、割れは全く発生せず良好な加工
性を有していた。
【0048】また、得られたフィルムを160℃で1時
間加熱した後の絶縁破壊の強さを評価したところ16.
3kVであり、加熱前の絶縁破壊の強さ16.5kVに
比べほどんど低下はみられなかった。
【0049】実施例2 ポリエステルとして、ポリエチレン2、6ナフタレート
(融点265℃、極限粘度[η]0.6)を用い、非晶
ポリオレフィン重合体として、主としてジシクロペンタ
ジエン系の開環重合体の水添物である日本ゼオン(株)
製の“ゼオネックス”600を用い、これらを重量比で
95:5でブレンドし二軸ベント式押出機に定量供給
し、逐次二軸延伸を施し、厚み20μmの二軸配向フィ
ルムを得た。フィルムのヤング率は620kg/mm2
であった。
【0050】このフィルムを用いて、加工適性を評価し
たところ、割れは全く発生せず良好な加工性を有してい
た。
【0051】また、得られたフィルムを160℃で1時
間加熱した後の絶縁破壊の強さを評価したところ10.
8kVであり、加熱前の絶縁破壊の強さ11.0kVに
比べほどんど低下はみられなかった。
【0052】実施例3 非晶ポリオレフィン重合体として、三井石油化学工業
(株)製“アペル”APL6509(ガラス転移温度8
0℃)を用いる以外は実施例2と同様に加工し、厚み2
0μmの二軸配向フィルムを得た。フィルムのヤング率
は625kg/mm2 であった。
【0053】このフィルムを用いて、加工適性を評価し
たところ、割れは全く発生せず良好な加工性を有してお
り、また、耐熱性にも優れていた。
【0054】実施例4 ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレート(融点
255℃、極限粘度[η]0.65)を用い、熱可塑性
エラストマーとしてSEBS(スチレン−エチレン/ブ
チレン−スチレンブロックコポリマー、S/EB比 3
0/70)を用い、重量比で90:10でブレンドし二
軸ベント式押出機に定量供給し、逐次二軸延伸を施し、
厚み30μmの二軸配向フィルムを得た。フィルムのヤ
ング率は410kg/mm2 であった。
【0055】このフィルムを用いて、加工適性を評価し
たところ、割れは全く発生せず良好な加工性を有してい
た。
【0056】比較例1 ポリエステルとして、ポリエチレン2、6ナフタレート
(融点265℃、極限粘度[η]0.7)を単独で用い
る以外は実施例1と同様に押出し、逐次二軸延伸を行
い、厚み30μmの二軸配向フィルムを得た。フィルム
のヤング率は680kg/mm2 であった。このフィル
ムを用いて加工適性評価を行った結果、割れが発生し、
加工性に劣るものであった。
【0057】比較例2 ポリエステルとして、ポリエチレン2、6ナフタレート
(融点265℃、極限粘度[η]0.7)とポリエチレ
ンテレフタレート(融点255℃、極限粘度[η]=
0.65)を重量比で80:20にブレンドし、実施例
1と同様に同様に押し出し、逐次二軸延伸を行い、厚み
30μmの二軸配向フィルムを得た。フィルムのヤング
率は650kg/mm2 であった。このフィルムを用い
て加工適性評価を行った結果、比較例1のものより頻度
が少ないものの割れの発生が認められ、加工性に劣るも
のであった。また、得られたフィルムを160℃で1時
間加熱した後の絶縁破壊の強さを評価したところ14.
5kVであり、加熱前の絶縁破壊の強さ16.3kVに
比べ明らかに低下しているのが認められた。
【0058】
【発明の効果】本発明の電気絶縁用フィルムは、機械特
性、電気特性に加え、取扱い性、加工適性に優れている
ことから、モータ絶縁のような絶縁用途で加工収率が向
上でき、さらには信頼性の面でも良好であるという特徴
を有する。
【0059】本発明の絶縁フィルムは、小型化、軽量
化、高性能化の要求が強いモータ絶縁用途に好適に使用
でき、また、モータ絶縁以外の電気絶縁用途にも好まし
く使用することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点230〜280℃のポリエステルと
    熱可塑性エラストマーおよび/または非晶ポリオレフィ
    ン重合体が重量比で70:30〜98:2の割合で混合
    されてなり、厚み1〜500μmのフィルムからなるこ
    とを特徴とする電気絶縁材料。
  2. 【請求項2】 ポリエステルが主としてポリエチレンテ
    レフタレートまたはポリエチレンナフタレートからなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気絶縁材料。
  3. 【請求項3】 熱可塑性エラストマーおよび/または非
    晶ポリオレフィン重合体の分散径比(=長手方向平均分
    散径/厚み方向平均分散径)が2〜100であることを
    特徴とする請求項1に記載の電気絶縁材料。
  4. 【請求項4】 熱可塑性エラストマーがポリスチレン系
    コポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の電
    気絶縁材料。
  5. 【請求項5】 非晶ポリオレフィン重合体が、ジシクロ
    ペンタジエンの開環重合体の水素化物、ジシクロペンタ
    ジエンとエチレンとの共重合体の水素化物、ジシクロペ
    ンタジエンの反応生成物とエチレンとの共重合体の水素
    化物およびノルボルネン系重合体から選ばれた1種以上
    からなることを特徴とする請求項1に記載の電気絶縁材
    料。
  6. 【請求項6】 フィルムのヤング率が400kg/mm
    2 以上であることを特徴とする請求項1〜請求項5のい
    ずれかに記載の電気絶縁材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007119789A (ja) * 2006-12-04 2007-05-17 Sumitomo Wiring Syst Ltd 被覆電線
JP2010001390A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Teijin Ltd 二軸配向フィルム

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JP2007119789A (ja) * 2006-12-04 2007-05-17 Sumitomo Wiring Syst Ltd 被覆電線
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