JPH0874076A - 金属の腐食抑制方法 - Google Patents

金属の腐食抑制方法

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JPH0874076A
JPH0874076A JP20847494A JP20847494A JPH0874076A JP H0874076 A JPH0874076 A JP H0874076A JP 20847494 A JP20847494 A JP 20847494A JP 20847494 A JP20847494 A JP 20847494A JP H0874076 A JPH0874076 A JP H0874076A
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acid
copolymer
salt
water
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JP20847494A
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Takanori Shibata
孝則 柴田
Hironori Hattori
浩典 服部
Kenichi Ito
賢一 伊藤
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Hakuto Co Ltd
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Hakuto Co Ltd
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  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 工業用開放式循環冷却水系の金属の腐食を抑
制する方法において、冷却水の濃縮度を上昇させ、スケ
ールを発生させることなく、低いリン濃度で十分な腐食
抑制作用を達成できる方法を提供する。 【構成】 マレイン酸(その塩を含む)及びアクリル酸
(その塩を含む)、あるいはさらに不飽和スルホン酸系
モノマーを含む不飽和モノマー成分を次亜リン酸(その
塩を含む)の存在下で反応させて得られた共重合体を用
い、 かつ循環水を、式: RI’=RI−0.004×(SiO2) 〔ここで RIは40℃におけるリツナー指数、(Si
O2)は循環水中のシリカ濃度(mg/l)である〕で
示されるシリカ濃度の補正項を含む補正リツナー指数:
RI’が3.0〜5.5、pHが8.5〜9.5になる
ように調整することを特徴とする金属の腐食抑制方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、開放式循環冷却系にお
ける水と接触する金属の腐食を防止する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、開放式循環冷却系における水と接
触する金属の腐食防止剤としてクロム酸塩、亜鉛塩等の
重金属、各種のリン系化合物、低分子量アニオン性ポリ
マー、アゾール化合物等が使用されているが、未だ十分
な効果を示すには至っていない。
【0003】近年、環境問題が重要視され、毒性の高い
クロム酸塩や亜鉛塩等の重金属類は排水中の濃度が規制
され、また湖沼の富栄養化や閉鎖性海域における赤潮発
生の問題により、リンや窒素の排出量も規制されて低減
する方向に向かっている。
【0004】開放式循環冷却水系における金属の腐食を
抑制するため、循環水の濃縮度を増加させてリツナー指
数を低下させる方法は従来より知られている。例えばC
himica、Vol.34、No.1、P32(198
0)にはリツナー指数が5.5以下になると、炭酸カル
シウムが保護皮膜として作用するので、軟鋼の腐食速度
が低下することが示されている。しかしリツナー指数が
5.5以下になると炭酸カルシウムのスケール傾向が増
大するため、スケール防止剤として例えばポリマレイン
酸を併用する方法が述べられている。
【0005】ところがリツナー指数が5.5以下であっ
ても腐食を完全に抑制することはやはり困難であるた
め、スケール防止剤とともに腐食抑制剤の併用が必要と
される。2−ヒドロキシエチリデン−2、2−ジホスホ
ン酸、2−ホスホノブタン−1、2、4−トリカルボン
酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、2−ヒドロキ
シホスホノ酢酸等のホスホン酸系化合物はスケール防止
作用とともに腐食抑制作用を有するが、これらのホスホ
ン酸系化合物は分子中のリン含有率が高く、循環水のリ
ン濃度が増加し好ましくない。またこれらのホスホン酸
系化合物の使用量を増加させると、循環水中のカルシウ
ムイオンと反応して、ホスホン酸カルシウムのスケール
が生成する。
【0006】一方、ポリマレイン酸、ポリアクリル酸等
のリンを含まない低分子量アニオン性ポリマーは、十分
な腐食抑制作用を示さないだけでなく、スケール防止効
果も劣っている。
【0007】マレイン酸やアクリル酸等の不飽和モノマ
ーを次亜リン酸(その塩を含む)の存在下で反応させる
と、リンを含む重合体が生成することが知られている。
例えば特公平1ー41706号公報には不飽和カルボン
酸系単量体を次亜リン酸の存在下で重合させた重合体を
金属の腐食抑制剤として用いることが示されている。ま
た特開平3ー114986号公報には、マレイン酸単独
またはこれと共重合可能な水溶性モノマーとの混合物を
次亜リン酸塩の存在下で重合させたマレイン酸系重合物
を腐食抑制剤として用いることが開示されている。
【0008】しかしこれらの文献には、シリカ濃度の補
正項を含むリツナー指数を5.5以下で管理する腐食抑
制方法は示されておらず、またこの場合のマレイン酸と
アクリル酸の適正な重合組成比に関しては何等述べられ
ていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、冷水
塔の濃縮度を上昇させて開放式循環冷却水系における金
属の腐食を抑制する方法において、スケールを発生させ
ることなく、低いリン濃度で十分な腐食抑制作用を達成
できる方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マレイン
酸及びアクリル酸を含むモノマー成分を次亜リン酸(そ
の塩を含む)の存在下で反応させて得られた共重合体に
着目して、共重合組成比、分子量、重合条件を変えた反
応物を多数合成して、リツナー指数が6以下の条件にお
ける腐食抑制効果ならびにスケールに対する影響を調べ
た結果、特定の共重合組成比ならびに分子量を有する共
重合体を、特定の循環水の水質条件で使用することによ
り、卓越した腐食抑制作用を示すことを見いだした。
【0011】すなわち本発明は、開放式循環冷却水系に
おける金属の腐食を抑制する方法において、マレイン酸
(その塩を含む)及びアクリル酸(その塩を含む)を含
む不飽和モノマー成分を次亜リン酸(その塩を含む)の
存在下で反応させて得られた共重合体を用い、 かつ循環
水を、式: RI’=RI−0.004×(SiO2) 〔ここで RIは40℃におけるリツナー指数、(Si
O2)は循環水中のシリカ濃度(mg/l)である〕で
示されるシリカ濃度の補正項を含む補正リツナー指数:
RI’が3.0〜5.5、pHが8.5〜9.5になる
ように調整することを特徴とする金属の腐食抑制方法に
関するものである。 リツナー指数:RIは炭酸カルシ
ウムの析出傾向を示す指数であり、次式により計算でき
る指数である。
【0012】RI=2×pHs−pH ここでpHは循環水のpHであり、pHsは炭酸カルシ
ウムの飽和pHであり次式により計算できる。
【0013】
【数1】
【0014】ここで pK2=−log K2 K2:H2CO3の第2解離定数 K2=〔H+〕〔CO3 2-〕/〔HCO3 -〕 pKs=−log Ks Ks:CaCO3の溶解度積 Ks=〔Ca2+〕〔CO3 2-〕 pCa=−log〔Ca硬度(mg CaCO3 /
l)〕 pA =−log〔Mアルカリ度(mg CaCO3 /
l)〕 μ :イオン強度。ここでμは下記式により計算でき
る。 μ=〔電気伝導度(μS/cm)〕×0.000017
5
【0015】開放式循環冷却水系では多数の熱交換器を
有しており、運転条件も絶えず変化することから、系内
の温度分布を正確に把握することが困難である。したが
って本発明の計算に使用する温度は、開放式循環冷却水
系における代表的な温度である40℃を用いる。40℃
におけるpK2は10.2、またpKsは8.5である。
【0016】pCa、pA、μはそれぞれ循環水のCa
硬度、Mアルカリ度、電気伝導度をJIS K0101
(工業用水試験方法)に記載の方法により測定して前述
の式に代入して求めることが出来る。
【0017】天然水に含まれるシリカは金属表面に保護
皮膜を形成する作用があるため、より高いリツナー指数
の領域でも腐食抑制が可能であることが判明した。した
がって腐食抑制を目的とした水質管理のための指数とし
て、シリカ濃度による補正項を含む補正リツナー指数:
RI’を用いる必要がある。このような補正項を設ける
ことにより、高いシリカ濃度を含む補給水を用いる場
合、より低い濃縮度で冷水塔を管理できるため、同時に
シリカスケールの防止も達成でき有利である。ただしシ
リカスケールの防止のために、循環水のシリカ濃度は3
50mg/l以下、より好ましくは300mg/l以下
で管理することがのぞましい。ここでシリカ濃度はモリ
ブデン酸との呈色反応を利用した吸光光度法(モリブデ
ン黄吸光光度法またはモリブデン青吸光光度法─JIS
K1010)により測定されるが、循環水中ではpHの
上昇により、オルソケイ酸の一部が可溶性のケイ酸ポリ
マーに変わるため、循環水のシリカ濃度を正確に測定で
きない。このため本発明における循環水中のシリカ濃度
は、補給水のシリカ濃度にCa換算濃縮度を乗じた値を
用いる。ここでCa換算濃縮度とは、循環水のCa硬度
から補給水のCa硬度を除した値である。
【0018】シリカ濃度の補正項を含む補正リツナー指
数:RI’は3.0〜5.5の範囲であり、かつ循環水
のpHが8.5〜9.5になるように循環水を調整する
ことが必要であるが、より好ましい管理範囲は、シリカ
濃度の補正項を含む補正リツナー指数:RI’が3.5
〜5.0、かつ循環水のpHが8.5〜9.0である。
シリカ濃度の補正項を含む補正リツナー指数:RI’が
5.5より大きくなると十分な腐食抑制効果を示さな
い。またシリカ濃度の補正項を含む補正リツナー指数:
RI’が3.0より小さくなると、腐食抑制効果の改善
効果に限界を示すだけでなく、炭酸カルシウム等のスケ
ールが発生しやすくなるため好ましくない。シリカ濃度
の補正項を含む補正リツナー指数:RI’を3.0〜
5.5にするための具体的な方法は、循環水の排出量を
低減して濃縮度を調節することにより達成できる。すな
わち循環冷却水系では水の一部蒸発を伴うため、蒸発ロ
ス分による水の補給のため通常は工業用水、水道水、井
水等が用いられるが、これらの天然水中にはカルシウム
イオンや重炭酸イオンならびに溶解性シリカが含まれて
いるため、水の蒸発に伴いこれらの成分が濃縮され、シ
リカ濃度の補正項を含むリツナー指数が低下する。同時
に循環水の濃縮に伴なう重炭酸イオン濃度の増加ならび
に温度上昇による溶存炭酸ガスの大気中への放出により
循環水のpHは上昇する。
【0019】その他、塩化カルシウム、硝酸カルシウ
ム、臭化カルシウム等の水溶性カルシウム塩を添加して
循環水のCa硬度を高める。又、炭酸ナトリウム、重炭
酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水
酸化カルシウム等のアルカリ性物質を添加して循環水の
pH、Mアルカリ度を上げたり、硫酸、硝酸等の酸性物
質を添加してpH、Mアルカリ度を下げる等の方法があ
る。
【0020】本発明の共重合体は次亜リン酸又はその塩
対不飽和モノマー成分のモル比は1:3〜1:15の範
囲であることが好ましく、より好ましくは1:5〜1:
10の範囲である。次亜リン酸に対する不飽和モノマー
成分の反応モル比がこの値より大きくなると、共重合体
自身がカルシウム塩として析出しやすくなる。一方、次
亜リン酸に対する不飽和モノマー成分の反応モル比がこ
の値より小さくなると、腐食防止効果ならびに炭酸カル
シウムに対するスケール防止効果が低下する。
【0021】本発明の共重合体におけるマレイン酸対ア
クリル酸のモル比は1:1〜1:9であることが好まし
いが、より好ましくは1:2〜1:6の範囲である。共
重合体におけるアクリル酸の比率が多くなると、炭酸カ
ルシウムに対するスケール防止効果が低下する。一方、
マレイン酸の比率が多くなると共重合体自身がカルシウ
ム塩として析出しやすくなる。
【0022】本発明の共重合体における不飽和モノマー
成分において、マレイン酸及びアクリル酸にさらに第3
のモノマーとして、不飽和スルホン酸系モノマーを含む
ことにより、共重合体自身がカルシウム塩として析出す
ることを防止することができる。モノマーの合計量に対
する不飽和スルホン酸系モノマーの比率は0.1〜20
モル%の範囲であることが好ましい。不飽和スルホン酸
系モノマーの比率が高くなる程、共重合体のカルシウム
塩の溶解度が増大するが、不飽和スルホン酸系モノマー
の比率が20モル%を越えると炭酸カルシウムに対する
スケール防止効果が低下する。好ましい不飽和スルホン
酸系モノマーの例として2−(メタ)アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アリロキ
シ−2−ヒドロキシプロピルスルホン酸、(メタ)アリ
ルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン
酸、共役ジエンのスルホン化物等があげられるが、最も
好ましい不飽和スルホン酸系モノマーは2-アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。
【0023】本発明の共重合体は、例えばマレイン酸
(その塩を含む)とアクリル酸(その塩を含む)と必要
により他の不飽和モノマーからなるモノマー混合液と次
亜リン酸(その塩を含む)とを、ラジカル重合開始剤の
存在下で加熱反応させて得られる。本発明の共重合体の
製造方法の具体例は特公平6ー47113号公報、特公
平1ー41706号公報、特開昭63ー114986号
公報に開示されているが、より好ましい製造方法は特公
平6ー47113号公報に示された方法である。
【0024】本発明の共重合体の重合時に用いられる重
合開始剤は、例えば過酸化水素、過硫酸ソーダ、ブチル
ヒドロパーオキシド等の過酸化物、アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)
塩酸塩等のアゾ化合物があげれらる。
【0025】共重合体の反応溶媒としては水が最も好ま
しいが、アルコール類、ケトン類、ジオキサン等の有機
溶媒を用いることもできる。
【0026】重合時の加熱温度は、大気圧または加圧下
で80〜120℃の範囲であることが好ましい。また重
合時の好ましい反応時間は1〜10時間である。
【0027】本発明における共重合は、次亜リン酸又は
その塩と不飽和モノマーとの反応モル比によって分子量
が大きく変わる。すなわち、次亜リン酸成分は連鎖移動
剤として作用しているので、この成分の割合が増加する
と重合体の分子量は小さくなる。一般に平均分子量が1
万以下の所謂オリゴマーを得る方法として不飽和ビニル
モノマーとともに連鎖移動剤を用いるテロマリゼーショ
ンがあり、これにより共重合体中に1個の連鎖移動剤断
片が結合した構造を有するいわゆるテロマーを生成す
る。活性水素を1個有する連鎖移動剤は、共重合体の末
端にのみ結合するが、次亜リン酸は2個の活性水素を有
するため重合体の末端だけでなく、次亜リン酸断片が共
重合体の中央に結合したホスフィン酸テロマーを生成す
る。本発明の共重合体は、次亜リン酸断片が重合体の末
端ないし中央に結合したものを含む。共重合体の末端に
結合したホスフィン酸基の一部は、そのままの形態で使
用してもよいが、過剰の開始剤を加えてホスホン酸基に
転換することもできる。本発明の共重合体の重量平均分
子量は300〜2000の範囲であることが好ましい
が、より好ましくは500〜1500の範囲である。重
量平均分子量がこの値より小さくなると、腐食防止効果
ならびに炭酸カルシウムに対するスケール防止効果が低
下する。一方、重量平均分子量がこの値より大きくなる
と、共重合体自身がカルシウム塩として析出しやすくな
る。金属表面に共重合体のカルシウム塩が析出すると、
伝熱障害が発生するだけでなく、析出物の下で酸素濃淡
電池生成による隙間腐食が発生しやすくなる。本発明の
共重合体の重量平均分子量は、分子量既知のポリエチレ
ングリコールを標準物質としてゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーの手法により測定される。
【0028】本発明の共重合体は、炭酸カルシウムに対
するスケール防止効果だけでなく、硫酸カルシウム、ケ
イ酸マグネシウム、シリカ、水酸化鉄等に対するスケー
ル防止効果を示す。
【0029】本発明の共重合体は、腐食抑制ならびにス
ケール防止効果を示すのに十分な濃度を添加すべきであ
るが、循環水中における好ましい濃度は1〜500mg
/lであり、より好ましい濃度は5〜100mg/lで
ある。
【0030】本発明の共重合体の循環水中における濃度
を測定する方法として、共重合体分子中にリンが含有す
ることから、循環水中の全リン酸濃度を測定することに
より分子中のリン含量から換算して求めることができ
る。
【0031】開放式循環冷却水系の運転開始時には、初
期防食皮膜を短時間で形成させるため、別の防食剤を使
用するか、本発明の共重合体と別の防食剤を併用するこ
とが好ましい。このような防食剤の例として2−ヒドロ
キシエチリデン−2、2−ジホスホン酸、2−ホスホノ
ブタン−1、2、4−トリカルボン酸、アミノトリ(メ
チレンホスホン酸)、2−ヒドロキシホスホノ酢酸等の
ホスホン酸類、正リン酸塩、重合リン酸塩、モリブデン
酸塩、亜鉛塩等が使用される。
【0032】このような防食剤の好ましい使用量として
は1〜1000ppm(より好ましくは5〜500pp
m)である。またこのような防食剤の好ましい使用期間
は1時間〜30日間(より好ましくは6時間〜10日
間)である。
【0033】本発明の共重合体はその使用にあたって、
例えば不飽和カルボン酸系モノマーと不飽和スルホン酸
系モノマーとの共重合体を併用することにより、炭酸カ
ルシウムに対するスケール防止効果を低下させることな
く、本発明の共重合体がカルシウム塩として析出するの
を防止することができるなど好都合のことがある。この
ような不飽和カルボン酸系モノマーと不飽和スルホン酸
系モノマーとの共重合体の例として、(メタ)アクリル
酸と2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸との共重合体、(メタ)アクリル酸と3−
(メタ)アリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホン
酸との共重合体、(メタ)アクリル酸と共役ジエンのス
ルホン化物との共重合体(特開平2ー9496号公報参
照)、(メタ)アクリル酸と脂肪族ジエンとの共重合体
のスルホン化物(特開平2ー52032号公報参照)等
があげられる。共重合体の好ましい使用量は0.1〜1
000ppm(より好ましくは1〜500ppm)であ
る。さらにその他の腐食抑制剤、スケール防止剤、分散
剤、殺菌剤、消泡剤として公知の化合物と併用してもよ
い。このような化合物の例として 2−ヒドロキシエチ
リデン−2、2−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−
1、2、4−トリカルボン酸、アミノトリ(メチレンホ
スホン酸)、2−ヒドロキシホスホノ酢酸等のホスホン
酸類、正リン酸塩、重合リン酸塩、モリブデン酸塩、亜
鉛塩、ニッケル塩、亜硝酸塩、(メタ)アクリル酸重合
体ならびに共重合体、マレイン酸重合体ならびに共重合
体、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸等のヒドロキシ酸
類、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール等のアゾ
ール類、ブロモクロロジメチルヒダントイン、塩素系殺
菌剤、臭素系殺菌剤、2−ブロモ−2−ニトロプロパン
−1、3−ジオール、イソチアゾロン類、ヒドラジン
類、過酸化水素等があげられる。
【0034】
【実施例】以下に本発明を具体的に説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0035】(共重合体の製造)実施例に用いた共重合
体A〜Oを次の手順で製造し、供試剤とした。
【0036】共重合体−A:500mlの5つ口フラス
コに無水マレイン酸31.4g(0.32モル)、水1
00gを加え、これに50%水酸化ナトリウム水溶液5
3.6gを徐々に添加して無水マレイン酸を溶解し、こ
れに次亜リン酸ナトリウム1水塩13.8g(0.13
モル)を加えた。pHは13以上であった。フラスコに
冷却管、撹拌機、温度計、滴下ロート1、およびY字管
を滴下ロート2と窒素導入管を取り付けた。滴下ロート
1にはアクリル酸42.5g(0.59モル)を水50
gで溶解した溶液を加え、滴下ロート2には、過硫酸ナ
トリウム8.5gを水50gで溶解した溶液を加えた。
窒素ガスを流しつつ溶液を90℃に加熱した後、滴下ロ
ート1、2より1.5時間かけて滴下した。滴下後、さ
らに90℃で2.5時間撹拌を続けた。反応前のpHは
13以上であり、反応後のpHは4.9であった。吸光
光度法による次亜リン酸の反応率は94%であった。
【0037】共重合体−B:500mlの5つ口フラス
コに無水マレイン酸17.7g(0.18モル)、水1
00gを加え、これに50%水酸化ナトリウム水溶液5
0.8gを徐々に添加して無水マレイン酸を溶解し、こ
れに次亜リン酸ナトリウム1水塩15.9g(0.15
モル)を加えた。この溶液のpHは13以上であった。
フラスコに冷却管、撹拌機、温度計、滴下ロート1、お
よびY字管を滴下ロート2と窒素導入管を取り付けた。
滴下ロート1には2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸(AMPS)15.5g(0.075モ
ル)とアクリル酸51.9g(0.72モル)を水50
gで溶解した溶液を加え、滴下ロート2には、過硫酸ナ
トリウム8.5gを水50gで溶解した溶液を加えた。
窒素を流しつつ溶液を90℃に加熱した後、滴下ロート
1、2より1.5時間かけて滴下した。滴下後、さらに
90℃で2.5時間撹拌を続けた。この溶液のpHは
4.3であった。
【0038】共重合体−C〜O:共重合体−A、ならび
に共重合体−Bと同様の方法により、共重合体−C〜O
を合成した。
【0039】実施例1(テスト冷水塔試験装置による試
験) 本発明の共重合体を、テスト冷水塔試験装置を用いて評
価した。60lの保有水量を有するテスト冷水塔に全長
50cmのテスト熱交換器を直列に連結し、ポンプによ
り0.5m/sの水流速で循環した。試験用伝熱管とし
て圧力配管用炭素鋼鋼管(JIS STPG370,外
径12.7mm)を使用して、伝熱管を電気ヒーターに
より加熱して40000kcal/m2・hの熱流束を
加え、循環水を加熱するとともにテスト熱交換器の出口
温度を45℃に調節した。冷却塔の蒸発水量は3.3l
/hであり、循環水の濃縮度が一定になるように定量ポ
ンプによりブローダウンを行うと共に、本発明の共重合
体をケミカルフィーダにより補給して、循環水中の共重
合体の濃度が25mg/lになるように維持した。テス
トは21日間行った。テスト終了後、試験用伝熱管を乾
燥して秤量し、次いで付着物を取り除いた後、再秤量し
堆積物付着量を測定した。また、マイクロメーターによ
り最大孔食深さを測定した。結果を表1に示した。
【0040】尚、実施例1のNo.1の計算例を下記に
示す。
【0041】Ca硬度360ppmより、 pCa=−log〔Ca硬度(mg CaCO3/l)〕 =−log(360) =−2.556
【0042】Mアルカリ度310ppmより、 PA=−log〔Mアルカリ度(mg CaCO3/
l)〕 =−log(310) =−2.491
【0043】電気伝導度1640μS/cmより、 μ=〔電気伝導度(μS/cm)〕×0.000017
5 =1640×0.0000175 =0.0287 μ1/2=0.1694 40℃におけるpK2=10.2 40℃におけるpKs=8.5
【0044】故に、
【数2】
【0045】冷却水のpH=9.5より、 RI=2×pHs−pH =2×6.56−9.5 =3.6
【0046】またシリカ濃度=50ppmより、 RI’=RI−0.004×(SiO2) =3.6−0.004×50 =3.4となる。
【0047】試験No.4と試験No.5の比較より、
同じリツナー指数であっても腐食速度が著しく異なるこ
とから、リツナー指数により循環水の腐食性を判断する
ことができないことがわかる。一方、本発明の共重合体
を用いて補正リツナー指数:RI’を3.0〜5.5、
循環水のpHを8.5〜9.5で管理することにより、
良好な防食効果を得る事が確認された。補正リツナー指
数:RI’を5.5以下であっても、本発明の共重合体
を用いない場合、共重合体を用いた場合と比較して極め
て高い腐食速度を示した。
【0048】
【表1】
【0049】実施例2 実施例1と同じ試験装置を用いて本発明の共重合体Aと
2−ヒドロキシエチリデン−2、2−ジホスホン酸との
比較評価を実施した。添加量はいずれも全リン酸濃度と
して3mg/lとした。試験水の水質はpH9.1、電
気伝導度1863μS/cm、カルシウム硬度388m
g/l、Mアルカリ度314mg/l、シリカ濃度71
mg/lであり、シリカ濃度の補正項を含む補正リツナ
ー指数RI’は3.7であった。共重合体A処理におけ
る腐食速度は5.7mdd、スケール付着量は2.7m
g/cm2であった。一方、2−ヒドロキシエチリデン
−2、2−ジホスホン酸処理における腐食速度は15.
2mdd、スケール付着量は4.5mg/cm2であっ
た。
【0050】実施例3(防食試験) 厚さ1mmの一般構造用圧延鋼板(JIS SPCC)
から外径50mmの円盤に切り出し、中心に直径8mm
の固定用取付穴をあけ試験片とした。試験片表面の汚れ
を取り除き、全表面を400番研磨紙で研磨し、アセト
ンで脱脂洗浄して乾燥後0.1mgまで正確に秤量し
た。試験片を固定軸に取付け500mlの試験水に浸漬
して100rpmで回転させた。試験水の水質はpH
8.8、電気伝導度1230μS/cm、カルシウム硬
度240mg/l、M−アルカリ度230mg/l、シ
リカ61mg/lであり、供試剤の添加量は50mg/
l、シリカ濃度の補正項を含む補正リツナー指数:R
I’は4.7であった。結果を表2に示す。本発明の共
重合体は、 本発明の水質条件下で優れた防食効果を示す
ことがわかる。
【0051】実施例4(スケール防止試験) 脱イオン水に供試剤をそれぞれ2mg/l添加して、塩
化カルシウム、炭酸水素ナトリウムを溶解し、さらに水
酸化ナトリウムを加えてpH9.0、カルシウム硬度3
70mg/l、M−アルカリ度360mg/lの試験水
を調整した。試験水のシリカ濃度の補正項を含む補正リ
ツナー指数:RI’は3.9であった。試験水を密閉し
たガラス容器に入れ、50℃恒温槽中に18時間放置し
た後、定量用濾紙No.6で濾過して濾液中のカルシウ
ム硬度をEDTA滴定法(JISK0101)により測
定した。下記式によりスケール抑止率を計算した。結果
を表2に示す。本発明の共重合体は、 本発明の水質条件
下で優れたスケール抑止効果を示すことがわかる。
【0052】スケール抑止率(%)=Ci−Cb/Cs
−Cb×100 ここで Cs:試験前のカルシウム濃度 Cb:処理剤無添加時の試験後のカルシウム濃度 Ci:処理剤添加時の試験後のカルシウム濃度
【0053】
【表2】
【0054】実施例5 脱イオン水に供試剤200mg/lをそれぞれ添加し
て、塩化カルシウムを溶解して、さらに水酸化ナトリウ
ムを加えてpH9 .0、カルシウム硬度500mg/
l、M−アルカリ度100mg/lの試験水を調整し
た。試験水のシリカ濃度の補正項を含む補正リツナー指
数:RI’は4.8であった。試験水を密閉したガラス
容器に入れ、80℃恒温槽中に20時間放置した後、
0.45μメンブランフィルターで濾過して濾液中の全
リン酸濃度を測定した。下記式により不溶性カルシウム
塩生成率を計算した。結果を表3に示す。本発明の共重
合体は、 本発明の水質条件下で優れたカルシウム塩の析
出防止効果を示すことがわかる。
【0055】不溶性カルシウム塩生成率(%)=Ci−
Cb/Cs−Cb×100 ここで Cs:試験前のカルシウム濃度 Cb:処理剤無添加時の試験後のカルシウム濃度 Ci:処理剤添加時の試験後のカルシウム濃度
【0056】
【表3】
【0057】
【本発明の効果】本発明によれば、開放式循環冷却水系
の濃縮度を上昇させても、スケールを発生させることな
く、低いリン濃度で十分な腐食抑制効果を達成すること
ができ、環境への影響を最少に抑えながら装置材料の長
寿命化、操業上の安定化という効果に奏することができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開放式循環冷却水系における金属の腐食
    を抑制する方法において、マレイン酸(その塩を含む)
    及びアクリル酸(その塩を含む)を含む不飽和モノマー
    成分を次亜リン酸(その塩を含む)の存在下で反応させ
    て得られた共重合体を用い、 かつ循環水を、式: RI’=RI−0.004×(SiO2) 〔ここで、RIは40℃におけるリツナー指数、(Si
    O2)は循環水中のシリカ濃度(mg/l)である〕で
    示されるシリカ濃度の補正項を含む補正リツナー指数:
    RI’が3.0〜5.5、pHが8.5〜9.5になる
    ように調整することを特徴とする金属の腐食抑制方法。
  2. 【請求項2】 次亜リン酸又はその塩対不飽和モノマー
    成分のモル比が1:3〜1:15であり、マレイン酸対
    アクリル酸のモル比が1:1〜1:9であり、重合体の
    重量平均分子量が300〜2000である請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 不飽和モノマー成分がマレイン酸、アク
    リル酸および不飽和スルホン酸系モノマーよりなる請求
    項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 不飽和モノマー成分がマレイン酸、アク
    リル酸および不飽和スルホン酸系モノマーよりなり、不
    飽和モノマー成分の合計に対する不飽和スルホン酸系モ
    ノマーの比率が0.1〜20モル%である請求項2記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 共重合体における不飽和スルホン酸系モ
    ノマーが2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
    ホン酸である請求項3または4記載の方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002372396A (ja) * 2001-06-13 2002-12-26 Katayama Chem Works Co Ltd 循環式冷却水系の水処理方法および水処理システム
KR101307536B1 (ko) * 2012-01-30 2013-09-12 하이스화학 주식회사 금속이온의 분산성이 우수한 스케일 생성방지제 및 그 제조방법
JP2013204148A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Miura Co Ltd 鉄の腐食抑制方法
JP2016037638A (ja) * 2014-08-07 2016-03-22 伯東株式会社 開放循環式冷却水システムの初期処理方法

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