JPH0875815A - 無機系絶縁被膜の評価方法 - Google Patents
無機系絶縁被膜の評価方法Info
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- JPH0875815A JPH0875815A JP6210198A JP21019894A JPH0875815A JP H0875815 A JPH0875815 A JP H0875815A JP 6210198 A JP6210198 A JP 6210198A JP 21019894 A JP21019894 A JP 21019894A JP H0875815 A JPH0875815 A JP H0875815A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明では、無機系の被膜内部の小規模の損
傷や劣化状況を測定する部分放電試験の信頼性を、被膜
を破壊することなしに判断する評価方法を提供すること
にある。 【構成】 誘電体セラミックスである焼結体1の側面に
塗布された無機系の絶縁コーティング材より成る被膜2
が、試料として部分放電試験の測定回路に設置される。
被膜2は所定の厚さ、所定の表面の粗さを有し、また焼
結体1と被膜2とは所定の誘電率比を有する。また、被
膜2に対する部分放電の測定時において、所定量の印加
電圧、測定電界強度を設定する。これらの基準を設定す
ることにより、発生する部分放電数を定量化し、信頼性
の高い部分放電数の測定値を得て、被膜内部の劣化状況
および安全性に関する評価を行う。
傷や劣化状況を測定する部分放電試験の信頼性を、被膜
を破壊することなしに判断する評価方法を提供すること
にある。 【構成】 誘電体セラミックスである焼結体1の側面に
塗布された無機系の絶縁コーティング材より成る被膜2
が、試料として部分放電試験の測定回路に設置される。
被膜2は所定の厚さ、所定の表面の粗さを有し、また焼
結体1と被膜2とは所定の誘電率比を有する。また、被
膜2に対する部分放電の測定時において、所定量の印加
電圧、測定電界強度を設定する。これらの基準を設定す
ることにより、発生する部分放電数を定量化し、信頼性
の高い部分放電数の測定値を得て、被膜内部の劣化状況
および安全性に関する評価を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機材料からなる被膜
内部の劣化を非破壊で判断する評価方法に関する。
内部の劣化を非破壊で判断する評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子機器の過電圧保護回路な
どに使用される素子類には、絶縁および耐熱の目的で、
有機系あるいは無機系物質を材料とする被膜が利用され
ている。このうち、被膜に無機系の材料を使用する例と
しては、アルミナ(Al2 O3)やけい酸(SiO2 )
などの酸化物を溶融し、高速のガス体によって繊維状に
した高抵抗のセラミックス繊維などがある。このような
被膜は、酸化亜鉛(Zn0)を主成分とする非直線性の
優れたZnO素子の側面において用いられ、電力系統を
雷などの強い衝撃の電圧波から保護する避雷器内で、前
記ZnO素子の側面に沿って発生する電極間の閃絡(以
下、沿面閃絡)を防止する。
どに使用される素子類には、絶縁および耐熱の目的で、
有機系あるいは無機系物質を材料とする被膜が利用され
ている。このうち、被膜に無機系の材料を使用する例と
しては、アルミナ(Al2 O3)やけい酸(SiO2 )
などの酸化物を溶融し、高速のガス体によって繊維状に
した高抵抗のセラミックス繊維などがある。このような
被膜は、酸化亜鉛(Zn0)を主成分とする非直線性の
優れたZnO素子の側面において用いられ、電力系統を
雷などの強い衝撃の電圧波から保護する避雷器内で、前
記ZnO素子の側面に沿って発生する電極間の閃絡(以
下、沿面閃絡)を防止する。
【0003】上記のような被膜は通常、化学的に安定
で、耐熱性および絶縁耐力に優れるという特性を有す
る。しかし、落雷などによりサージ電圧が発生して瞬時
に高い電流が通過し、前記素子が熱応力により高温化す
ると、前記被膜は損傷を受けて劣化する。このような被
膜の劣化状況を判断する手段としては一般に、部分放電
試験が知られている。部分放電試験とは、所定量の電圧
を絶縁体に印加し、絶縁体内部および表面に生じる部分
放電を検出して絶縁不良や絶縁劣化を早期に診断するも
のであり、主として有機系物質を材料とする被膜に対し
て実施される。これは、有機系の被膜内部ではほとんど
気孔等が存在せず、部分放電が発生しているか否かによ
って、被膜の劣化状況を判断できるためである。
で、耐熱性および絶縁耐力に優れるという特性を有す
る。しかし、落雷などによりサージ電圧が発生して瞬時
に高い電流が通過し、前記素子が熱応力により高温化す
ると、前記被膜は損傷を受けて劣化する。このような被
膜の劣化状況を判断する手段としては一般に、部分放電
試験が知られている。部分放電試験とは、所定量の電圧
を絶縁体に印加し、絶縁体内部および表面に生じる部分
放電を検出して絶縁不良や絶縁劣化を早期に診断するも
のであり、主として有機系物質を材料とする被膜に対し
て実施される。これは、有機系の被膜内部ではほとんど
気孔等が存在せず、部分放電が発生しているか否かによ
って、被膜の劣化状況を判断できるためである。
【0004】これに対し、無機系物質を材料とする被膜
の内部には、多数かつ様々な形状の気孔が存在する。部
分放電試験において、無機系の被膜に電圧が印加される
と、これらの気孔のために被膜内には電位差が生じやす
くなり、被膜が正常な状態であっても部分放電が発生す
る。従って、無機系の被膜の劣化状況は、単に部分放電
の発生の有無によって評価することができない。このた
め、無機系の被膜の劣化状況を評価する場合、従来では
主に被膜表面に発生した大きな割れや剥離等のマクロな
損傷の内容を経時的に観察する方法が採られていた。
の内部には、多数かつ様々な形状の気孔が存在する。部
分放電試験において、無機系の被膜に電圧が印加される
と、これらの気孔のために被膜内には電位差が生じやす
くなり、被膜が正常な状態であっても部分放電が発生す
る。従って、無機系の被膜の劣化状況は、単に部分放電
の発生の有無によって評価することができない。このた
め、無機系の被膜の劣化状況を評価する場合、従来では
主に被膜表面に発生した大きな割れや剥離等のマクロな
損傷の内容を経時的に観察する方法が採られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無機系
の被膜が劣化する場合、被膜表面で前記のマクロな損傷
が発生するのに先立って、被膜内部において小規模のひ
び割れ等のミクロな損傷が発生している。従来の評価方
法には、この小規模の損傷による被膜内部の劣化状況を
判断するための一定の基準が無く、このため、ZnO素
子の耐量特性の評価にばらつきが生じるという問題があ
った。また、無機系の被膜では、内部に存在する多数の
気孔のために電圧の印加時において電位差が生じやす
く、この電位差が原因となって沿面閃絡が起こると、素
子の寿命が低下する。このような問題に関しても、被膜
内部の気孔や損傷の大きさや位置を検査して被膜の安全
性や信頼性を事前に調べるための方法は確立されていな
かった。
の被膜が劣化する場合、被膜表面で前記のマクロな損傷
が発生するのに先立って、被膜内部において小規模のひ
び割れ等のミクロな損傷が発生している。従来の評価方
法には、この小規模の損傷による被膜内部の劣化状況を
判断するための一定の基準が無く、このため、ZnO素
子の耐量特性の評価にばらつきが生じるという問題があ
った。また、無機系の被膜では、内部に存在する多数の
気孔のために電圧の印加時において電位差が生じやす
く、この電位差が原因となって沿面閃絡が起こると、素
子の寿命が低下する。このような問題に関しても、被膜
内部の気孔や損傷の大きさや位置を検査して被膜の安全
性や信頼性を事前に調べるための方法は確立されていな
かった。
【0006】本発明は、上記のような問題に鑑みてなさ
れたものであり、その第1の目的は、無機系の被膜内部
の劣化状況に関する部分放電試験の信頼性を判断する評
価方法を提供することにある。
れたものであり、その第1の目的は、無機系の被膜内部
の劣化状況に関する部分放電試験の信頼性を判断する評
価方法を提供することにある。
【0007】本発明の第2の目的は、被膜内部に生じた
放電電荷量のみを測定する評価方法を提供することにあ
る。
放電電荷量のみを測定する評価方法を提供することにあ
る。
【0008】本発明の第3の目的は、所定の設定範囲内
の電荷量を発生させるために、測定時における諸条件の
適否を判断する基準を備えた評価方法を提供することに
ある。
の電荷量を発生させるために、測定時における諸条件の
適否を判断する基準を備えた評価方法を提供することに
ある。
【0009】本発明の第4の目的は、被膜内部における
部分放電数のみを測定する評価方法を提供することにあ
る。
部分放電数のみを測定する評価方法を提供することにあ
る。
【0010】本発明の第5の目的は、小さい誤差で、被
膜内部の破損状態の判断を行うことができる評価方法を
提供することにある。
膜内部の破損状態の判断を行うことができる評価方法を
提供することにある。
【0011】本発明の第6の目的は、被膜内部に適量の
電荷をチャージすることにより、被膜内部の部分放電数
を適切に判断する評価方法を提供することにある。
電荷をチャージすることにより、被膜内部の部分放電数
を適切に判断する評価方法を提供することにある。
【0012】本発明の第7の目的は、測定時における電
界の強度を適切に保つことにより、被膜内部の部分放電
数を測定する評価方法を提供することにある。
界の強度を適切に保つことにより、被膜内部の部分放電
数を測定する評価方法を提供することにある。
【0013】本発明の第8の目的は、無機系の被膜に対
する部分放電試験において、被膜の劣化状況を所定の初
期値と比較して判断する評価方法を提供することにあ
る。
する部分放電試験において、被膜の劣化状況を所定の初
期値と比較して判断する評価方法を提供することにあ
る。
【0014】本発明の第9の目的は、前記所定の初期値
との比較を的確に行う評価方法を提供することにある。
との比較を的確に行う評価方法を提供することにある。
【0015】本発明の第10の目的は、無機系の被膜を
破壊することなく、被膜の安全性や信頼性を事前に判断
できる評価方法を提供することにある。
破壊することなく、被膜の安全性や信頼性を事前に判断
できる評価方法を提供することにある。
【0016】本発明の第11の目的は、前記第10の目
的において、より正確な測定を行う評価方法を提供する
ことにある。
的において、より正確な測定を行う評価方法を提供する
ことにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明では、無機系絶縁被膜の劣化状
況を判断する評価方法であって、無機系絶縁被膜を試料
として部分放電試験を実施し、発生する所定の数値範囲
内の電荷量に基づいて、前記無機系絶縁被膜内部の部分
放電数を測定することを特徴とする。
に、請求項1記載の発明では、無機系絶縁被膜の劣化状
況を判断する評価方法であって、無機系絶縁被膜を試料
として部分放電試験を実施し、発生する所定の数値範囲
内の電荷量に基づいて、前記無機系絶縁被膜内部の部分
放電数を測定することを特徴とする。
【0018】請求項2記載の発明では、前記電荷量の所
定の数値範囲は、200pC以上2000pC以下であ
ることを特徴とする。
定の数値範囲は、200pC以上2000pC以下であ
ることを特徴とする。
【0019】請求項3記載の発明では、前記部分放電試
験が、所定の数値範囲に設定された厚さおよび表面の粗
さを有する前記無機系絶縁被膜を試料とし、所定の数値
範囲に設定された印加電圧量、および電界強度のもとに
実施されることを特徴とする。
験が、所定の数値範囲に設定された厚さおよび表面の粗
さを有する前記無機系絶縁被膜を試料とし、所定の数値
範囲に設定された印加電圧量、および電界強度のもとに
実施されることを特徴とする。
【0020】請求項4記載の発明では、前記無機系絶縁
被膜の表面の粗さは、Rmax10μm以下であること
を特徴とする。
被膜の表面の粗さは、Rmax10μm以下であること
を特徴とする。
【0021】請求項5記載の発明では、前記印加電圧量
の所定の数値範囲は、0.5kV以上2.5kV以下で
あることを特徴とする。
の所定の数値範囲は、0.5kV以上2.5kV以下で
あることを特徴とする。
【0022】請求項6記載の発明では、前記電界強度の
所定の数値範囲は、12kV/mm以上23kV/mm
以下であることを特徴とする。
所定の数値範囲は、12kV/mm以上23kV/mm
以下であることを特徴とする。
【0023】請求項7記載の発明では、無機系絶縁被膜
が誘電体セラミックスにおいて使用されている場合、前
記誘電体セラミックスと前記被膜との誘電率比(絶縁部
材誘電率/誘電体セラミックス誘電率)は0.05以下
であることを特徴とする。
が誘電体セラミックスにおいて使用されている場合、前
記誘電体セラミックスと前記被膜との誘電率比(絶縁部
材誘電率/誘電体セラミックス誘電率)は0.05以下
であることを特徴とする。
【0024】請求項8記載の発明では、前記試料とし
て、未使用の無機系絶縁被膜を用いて部分放電を測定
し、発生した電荷量と部分放電数との関係を初期値とし
て記録した後、前記被膜を一定時間使用してから同じ試
験環境で再び部分放電の測定を実施して、発生した電荷
量と部分放電数との関係を前記初期値と比較することに
より、前記被膜内部の損傷を判断することを特徴とす
る。
て、未使用の無機系絶縁被膜を用いて部分放電を測定
し、発生した電荷量と部分放電数との関係を初期値とし
て記録した後、前記被膜を一定時間使用してから同じ試
験環境で再び部分放電の測定を実施して、発生した電荷
量と部分放電数との関係を前記初期値と比較することに
より、前記被膜内部の損傷を判断することを特徴とす
る。
【0025】請求項9記載の発明では、前記無機系絶縁
被膜の厚さは、20μm以上500μm以下であること
を特徴とする。
被膜の厚さは、20μm以上500μm以下であること
を特徴とする。
【0026】請求項10記載の発明では、無機系絶縁被
膜内部の劣化状況を判断する評価方法であって、無機系
絶縁被膜の内部に存在する所定の大きさの気孔および破
損の存在と、これらの位置とを部分放電試験によって検
査することを特徴とする。
膜内部の劣化状況を判断する評価方法であって、無機系
絶縁被膜の内部に存在する所定の大きさの気孔および破
損の存在と、これらの位置とを部分放電試験によって検
査することを特徴とする。
【0027】請求項11記載の発明では、前記検査の対
象となる無機系絶縁被膜内部の気孔および破損の大きさ
は、球形換算でφ4μm以上φ50μm以下であること
を特徴とする。
象となる無機系絶縁被膜内部の気孔および破損の大きさ
は、球形換算でφ4μm以上φ50μm以下であること
を特徴とする。
【0028】
【作用】以下に、本発明における作用について説明す
る。本発明では、無機系の絶縁部材である被膜に対して
部分放電試験を実施し、測定される部分放電数により前
記被膜内部の劣化状況を判断する。無機系の被膜に対す
る部分放電試験では、有機系の被膜と異なり、被膜が正
常の状態であっても部分放電が発生している。従って、
測定された部分放電数が正常時の値であるのか、あるい
は被膜の劣化によって生じた異常値であるのかを判断す
る評価方法が必要となる。
る。本発明では、無機系の絶縁部材である被膜に対して
部分放電試験を実施し、測定される部分放電数により前
記被膜内部の劣化状況を判断する。無機系の被膜に対す
る部分放電試験では、有機系の被膜と異なり、被膜が正
常の状態であっても部分放電が発生している。従って、
測定された部分放電数が正常時の値であるのか、あるい
は被膜の劣化によって生じた異常値であるのかを判断す
る評価方法が必要となる。
【0029】請求項1記載の発明では、測定される部分
放電数が、純粋に被膜の劣化によって生じたものかどう
かを、測定時に発生した電荷量が所定の数値範囲内に収
まっているか否かによって判断する。これにより、部分
放電の測定値は、被膜内部の劣化状況を判断する上で、
高い信頼性を有するものとなる。
放電数が、純粋に被膜の劣化によって生じたものかどう
かを、測定時に発生した電荷量が所定の数値範囲内に収
まっているか否かによって判断する。これにより、部分
放電の測定値は、被膜内部の劣化状況を判断する上で、
高い信頼性を有するものとなる。
【0030】請求項2記載の発明によれば、無機系の被
膜内部における部分放電量を知る上で適切な電荷量の数
値範囲を具体的に定める。これにより、被膜内部におけ
る劣化によって発生した部分放電量を限定することがで
きる。このように、部分放電試験において、適切な数値
範囲の電荷量を発生させるためには、無機系の被膜に対
しての部分放電試験を行う環境を適切に設定する必要が
ある。
膜内部における部分放電量を知る上で適切な電荷量の数
値範囲を具体的に定める。これにより、被膜内部におけ
る劣化によって発生した部分放電量を限定することがで
きる。このように、部分放電試験において、適切な数値
範囲の電荷量を発生させるためには、無機系の被膜に対
しての部分放電試験を行う環境を適切に設定する必要が
ある。
【0031】そこで、請求項3記載の発明によれば、こ
れらの環境が適切であるか否かを判断する一定の基準を
設定する。これにより、常に適切な数値範囲内の電荷量
を発生させることができる。
れらの環境が適切であるか否かを判断する一定の基準を
設定する。これにより、常に適切な数値範囲内の電荷量
を発生させることができる。
【0032】請求項4記載の発明によれば、部分放電試
験において試料として用いる被膜表面の粗さの上限値を
設定する。前記上限値を越える粗さを有する被膜では、
被膜内部で生じる部分放電数に、被膜表面における部分
放電数が加算されて測定される。前記上限値を定めるこ
とによって、被膜内部における部分放電数のみを測定す
ることができる。
験において試料として用いる被膜表面の粗さの上限値を
設定する。前記上限値を越える粗さを有する被膜では、
被膜内部で生じる部分放電数に、被膜表面における部分
放電数が加算されて測定される。前記上限値を定めるこ
とによって、被膜内部における部分放電数のみを測定す
ることができる。
【0033】請求項5記載の発明によれば、適量の電荷
を発生させるために適切な印加電圧量の数値範囲を具体
的に定める。これにより、極端な低電圧あるいは高電圧
によって電荷量が急激に減少するのを防ぎ、部分放電数
の測定誤差を少なくすることができる。
を発生させるために適切な印加電圧量の数値範囲を具体
的に定める。これにより、極端な低電圧あるいは高電圧
によって電荷量が急激に減少するのを防ぎ、部分放電数
の測定誤差を少なくすることができる。
【0034】請求項6記載の発明によれば、無機系の被
膜内部の部分放電の測定において、適切な電界強度の数
値範囲を具体的に定める。これにより、被膜内部に適量
の電荷がチャージされ、測定される放電電荷数を適切な
数値範囲に保つことができる。
膜内部の部分放電の測定において、適切な電界強度の数
値範囲を具体的に定める。これにより、被膜内部に適量
の電荷がチャージされ、測定される放電電荷数を適切な
数値範囲に保つことができる。
【0035】さらに、請求項7記載の発明によれば、無
機系の被膜内部の部分放電の測定において、素子の本体
である誘電体セラミックスと、その表面に塗布される被
膜を形成する無機系の絶縁コーティング材の誘電比率の
上限を定める。これにより、測定時における電界の強度
を適切に保つことができる。
機系の被膜内部の部分放電の測定において、素子の本体
である誘電体セラミックスと、その表面に塗布される被
膜を形成する無機系の絶縁コーティング材の誘電比率の
上限を定める。これにより、測定時における電界の強度
を適切に保つことができる。
【0036】請求項8記載の発明によれば、部分放電試
験の試料として用いられる無機系の被膜には、未使用時
および一定時間の使用後において比較検査が行われる。
これにより、予め記録された正常値(初期値)と、使用
後の被膜の劣化による部分放電を判別することができ
る。
験の試料として用いられる無機系の被膜には、未使用時
および一定時間の使用後において比較検査が行われる。
これにより、予め記録された正常値(初期値)と、使用
後の被膜の劣化による部分放電を判別することができ
る。
【0037】請求項9記載の発明によれば、部分放電試
験に用いられる被膜の厚さとして適切な数値範囲を具体
的に定める。これにより、被膜内部での気孔や損傷の影
響による部分放電数の急激な増大など、部分放電数の測
定値として不適切な部分を排除する。このため、部分放
電試験において予め設定された所定の初期値との比較を
適切に行うことができる。
験に用いられる被膜の厚さとして適切な数値範囲を具体
的に定める。これにより、被膜内部での気孔や損傷の影
響による部分放電数の急激な増大など、部分放電数の測
定値として不適切な部分を排除する。このため、部分放
電試験において予め設定された所定の初期値との比較を
適切に行うことができる。
【0038】請求項10記載の発明によれば、部分放電
試験を用いて、無機系の被膜内部に存在する気孔および
損傷の位置を調べる。これにより、被膜を破壊すること
なく、被膜の安全性や信頼性を判断することができる。
試験を用いて、無機系の被膜内部に存在する気孔および
損傷の位置を調べる。これにより、被膜を破壊すること
なく、被膜の安全性や信頼性を判断することができる。
【0039】請求項11記載の発明によれば、測定の対
象とする被膜内部の気孔および損傷の大きさを、所定の
範囲に設定する。これにより、発生する放電電荷量を適
切な数値範囲内におさめることができるので、より正確
な測定を行うことができる。上記のような作用により、
部分放電試験によって無機系の被膜内部の劣化状況を適
切に評価することができ、また、ZnO素子の被膜が健
全であるかどうかを被膜を破壊することなく判断でき
る。
象とする被膜内部の気孔および損傷の大きさを、所定の
範囲に設定する。これにより、発生する放電電荷量を適
切な数値範囲内におさめることができるので、より正確
な測定を行うことができる。上記のような作用により、
部分放電試験によって無機系の被膜内部の劣化状況を適
切に評価することができ、また、ZnO素子の被膜が健
全であるかどうかを被膜を破壊することなく判断でき
る。
【0040】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて具体
的に説明する。
的に説明する。
【0041】1.本実施例の全体構成 [本実施例の部分放電試験における測定回路の構成]は
じめに、本実施例において使用される部分放電試験用の
測定回路の構成を図2に示す。図2に示すように、前記
測定回路は、接地された試料1、試料1にAC電圧を印
加するトランス2、試料1に発生した部分放電パルスが
電源側へ流出するのを防ぐブロッキングインピーダンス
3、部分放電の発生時に流れるパルス性の電流をパルス
電圧として検出する検出インピーダンス4、検出インピ
ーダンス4によって検出された低いパルス電圧を増幅す
る増幅器5および増幅されたパルス電圧を読み取って表
示する指示装置6より構成されている。
じめに、本実施例において使用される部分放電試験用の
測定回路の構成を図2に示す。図2に示すように、前記
測定回路は、接地された試料1、試料1にAC電圧を印
加するトランス2、試料1に発生した部分放電パルスが
電源側へ流出するのを防ぐブロッキングインピーダンス
3、部分放電の発生時に流れるパルス性の電流をパルス
電圧として検出する検出インピーダンス4、検出インピ
ーダンス4によって検出された低いパルス電圧を増幅す
る増幅器5および増幅されたパルス電圧を読み取って表
示する指示装置6より構成されている。
【0042】[本実施例の部分放電試験に用いる試料の
構成]次に、以上のような構成を有する前記測定回路に
おいて試料1として用いられるZnO素子4の構成を図
1に示す。図1に示すように、ZnO素子4は、焼結体
1と、焼結体1の側面に塗布された厚さ100μmの被
膜2とから成り立っている。焼結体1は、酸化亜鉛と酸
化マグネシウム、および酸化アルミニウムの3つを主成
分とする原料が混合、造粒された後に加圧成形されて焼
結されたものである。被膜2は、均一に分散混合された
アルミナあるいはシリカ系の無機接着剤からなる絶縁コ
ーティング材をスプレーにより塗布したものである。絶
縁コーティング材は塗布後、乾燥され、前記焼結体1の
側面に焼き付けられている。また、このような構成を有
するZnO素子4の端部と被膜2の表面の2箇所には、
部分放電試験を行うための部分放電測定用の錫箔電極3
が取り付けられている。
構成]次に、以上のような構成を有する前記測定回路に
おいて試料1として用いられるZnO素子4の構成を図
1に示す。図1に示すように、ZnO素子4は、焼結体
1と、焼結体1の側面に塗布された厚さ100μmの被
膜2とから成り立っている。焼結体1は、酸化亜鉛と酸
化マグネシウム、および酸化アルミニウムの3つを主成
分とする原料が混合、造粒された後に加圧成形されて焼
結されたものである。被膜2は、均一に分散混合された
アルミナあるいはシリカ系の無機接着剤からなる絶縁コ
ーティング材をスプレーにより塗布したものである。絶
縁コーティング材は塗布後、乾燥され、前記焼結体1の
側面に焼き付けられている。また、このような構成を有
するZnO素子4の端部と被膜2の表面の2箇所には、
部分放電試験を行うための部分放電測定用の錫箔電極3
が取り付けられている。
【0043】2.本実施例の作用および効果 [本実施例における部分放電試験の手順]本実施例が適
用される部分放電試験では、上記のような構成を有する
ZnO素子4を試料1として前記測定回路内に設置し、
無機系の被膜2に設けられた前記錫箔電極3に電圧を印
加して、発生する部分放電の電荷の大きさと部分放電数
とを以下の手順で測定する。
用される部分放電試験では、上記のような構成を有する
ZnO素子4を試料1として前記測定回路内に設置し、
無機系の被膜2に設けられた前記錫箔電極3に電圧を印
加して、発生する部分放電の電荷の大きさと部分放電数
とを以下の手順で測定する。
【0044】はじめに、ZnO素子4が形成された時点
で、ZnO素子4に対して所定の量の電圧を印加して部
分放電試験を実施する。この際、図3に示すように、所
定の範囲内の電荷量を測定し、前記電荷量の大きさと部
分放電数との関係をグラフ化してこれを初期値とする。
その後、ZnO素子4を一定時間使用してから同じ条件
下で同様の部分放電試験を実施する。そして、同様に所
定の範囲内の電荷量を測定し、前記電荷量の大きさに対
する部分放電数とを測定し、この結果を前記初期値と比
較する。この比較の結果、図3に示すように初期値との
差異が生じた場合は、被膜中に損傷が発生したものと判
断する。
で、ZnO素子4に対して所定の量の電圧を印加して部
分放電試験を実施する。この際、図3に示すように、所
定の範囲内の電荷量を測定し、前記電荷量の大きさと部
分放電数との関係をグラフ化してこれを初期値とする。
その後、ZnO素子4を一定時間使用してから同じ条件
下で同様の部分放電試験を実施する。そして、同様に所
定の範囲内の電荷量を測定し、前記電荷量の大きさに対
する部分放電数とを測定し、この結果を前記初期値と比
較する。この比較の結果、図3に示すように初期値との
差異が生じた場合は、被膜中に損傷が発生したものと判
断する。
【0045】[本実施例における被膜の劣化状況の評価
方法]上記のような手順で部分放電試験を行う場合、有
機系の被膜とは異なり、無機系の材料からなる被膜で
は、正常の状態でも若干の部分放電が発生している。こ
れは、無機系の被膜内部に存在する多数の気孔のため
に、電圧印加時に電位差が生じやすいためである。従っ
て、無機系の被膜の劣化状況を適切に評価するための部
分放電試験における評価方法が必要となる。本実施例で
は、以下の複数の項目について下記のような基準を設定
し、この基準に基づいて信頼性の高い部分放電量の測定
値を得ることによって、前記被膜の劣化状況を評価す
る。
方法]上記のような手順で部分放電試験を行う場合、有
機系の被膜とは異なり、無機系の材料からなる被膜で
は、正常の状態でも若干の部分放電が発生している。こ
れは、無機系の被膜内部に存在する多数の気孔のため
に、電圧印加時に電位差が生じやすいためである。従っ
て、無機系の被膜の劣化状況を適切に評価するための部
分放電試験における評価方法が必要となる。本実施例で
は、以下の複数の項目について下記のような基準を設定
し、この基準に基づいて信頼性の高い部分放電量の測定
値を得ることによって、前記被膜の劣化状況を評価す
る。
【0046】すなわち、無機系材料からなる被膜に対す
る部分放電試験において、 1.測定する電荷量は、200pCから2000pCと
する。 2.測定に用いる電圧量は、0.5kVから2.5kV
とする。 3.測定時の電界強度は、12kV/mmから23kV
/mmとする。 4.誘電体セラミックスである図1における焼結体1
と、その絶縁に用いる無機系の絶縁コーティング材(被
膜2)の誘電率比は、0.05以下とする。 5.測定する被膜表面の粗さは、Rmax10μm以下
とする。 6.測定する被膜の厚さは、20μmから500μmと
する。 7.無機系の材料からなる被膜内部の気孔および破損の
大きさは、球形換算でφ4μmからφ50μmとする。 以下に、上記の諸条件を適切な評価の基準とする理由に
ついて、各項目毎に説明する。
る部分放電試験において、 1.測定する電荷量は、200pCから2000pCと
する。 2.測定に用いる電圧量は、0.5kVから2.5kV
とする。 3.測定時の電界強度は、12kV/mmから23kV
/mmとする。 4.誘電体セラミックスである図1における焼結体1
と、その絶縁に用いる無機系の絶縁コーティング材(被
膜2)の誘電率比は、0.05以下とする。 5.測定する被膜表面の粗さは、Rmax10μm以下
とする。 6.測定する被膜の厚さは、20μmから500μmと
する。 7.無機系の材料からなる被膜内部の気孔および破損の
大きさは、球形換算でφ4μmからφ50μmとする。 以下に、上記の諸条件を適切な評価の基準とする理由に
ついて、各項目毎に説明する。
【0047】[測定電荷量]部分放電試験によって無機
系の被膜の劣化状況を評価する場合、評価の対象として
適切な測定電荷量の範囲を、200pCから2000p
Cに定める。この理由を図4を用いて説明する。図4
は、測定電荷20pCから10000pCの範囲におけ
る部分放電数の測定結果である。同図から明らかなよう
に、測定電荷200pC以下では、部分放電数が非常に
多い。これは、絶縁コーティング材である無機系の被膜
中に存在する多数の気孔が原因となって、部分放電が発
生するためである。また、2000pC以上においても
部分放電数は多いが、これは2000pC以上において
ZnO素子の沿面において発生する放電数が加算される
ためである。すなわち、これらの領域での部分放電は被
膜中の異常に関する情報とはいえない。従って、測定電
荷量の範囲は、被膜内部の気孔の影響が少なく、沿面で
の放電の影響が少ない200pCから2000pCまで
が望ましい。このように、部分放電試験において、発生
する電荷量の範囲を上記のように定めることにより、高
い信頼性を有する部分放電数の測定値を得ることができ
る。
系の被膜の劣化状況を評価する場合、評価の対象として
適切な測定電荷量の範囲を、200pCから2000p
Cに定める。この理由を図4を用いて説明する。図4
は、測定電荷20pCから10000pCの範囲におけ
る部分放電数の測定結果である。同図から明らかなよう
に、測定電荷200pC以下では、部分放電数が非常に
多い。これは、絶縁コーティング材である無機系の被膜
中に存在する多数の気孔が原因となって、部分放電が発
生するためである。また、2000pC以上においても
部分放電数は多いが、これは2000pC以上において
ZnO素子の沿面において発生する放電数が加算される
ためである。すなわち、これらの領域での部分放電は被
膜中の異常に関する情報とはいえない。従って、測定電
荷量の範囲は、被膜内部の気孔の影響が少なく、沿面で
の放電の影響が少ない200pCから2000pCまで
が望ましい。このように、部分放電試験において、発生
する電荷量の範囲を上記のように定めることにより、高
い信頼性を有する部分放電数の測定値を得ることができ
る。
【0048】さて、部分放電試験において発生する測定
電荷量は、測定時における印加電圧と、電界の強度とに
よって変化する。従って、測定電荷量を上記のように適
切とされる所定の範囲内に定めるためには、測定時にお
いて印加する電圧の量と電界の強度を適切に定める必要
がある。このため、本実施例では、印加電圧量と電界強
度について、以下のような基準を設ける。
電荷量は、測定時における印加電圧と、電界の強度とに
よって変化する。従って、測定電荷量を上記のように適
切とされる所定の範囲内に定めるためには、測定時にお
いて印加する電圧の量と電界の強度を適切に定める必要
がある。このため、本実施例では、印加電圧量と電界強
度について、以下のような基準を設ける。
【0049】[印加電圧]部分放電の測定時に用いる電
圧は、0.5kVから2.5kVに定める。この理由に
ついて図5を用いて説明する。図5は、印加電圧を変え
た場合に測定される200pCから2000pCの放電
電荷数を示したものである。測定時の電圧が0.5kV
より低いと、測定される放電電荷数が極端に少なく、ま
た、2.5kVより大きくなると、やはり放電電荷数が
極端に減少する。この放電電荷数の極端な「ぶれ」は、
部分放電数の測定に影響し、これによって被膜破損の状
態の評価に大きな誤差が生じる。この誤差を防ぐため、
部分放電測定時に用いる印加電圧は0.5kVから2.
5kVまでが望ましい。
圧は、0.5kVから2.5kVに定める。この理由に
ついて図5を用いて説明する。図5は、印加電圧を変え
た場合に測定される200pCから2000pCの放電
電荷数を示したものである。測定時の電圧が0.5kV
より低いと、測定される放電電荷数が極端に少なく、ま
た、2.5kVより大きくなると、やはり放電電荷数が
極端に減少する。この放電電荷数の極端な「ぶれ」は、
部分放電数の測定に影響し、これによって被膜破損の状
態の評価に大きな誤差が生じる。この誤差を防ぐため、
部分放電測定時に用いる印加電圧は0.5kVから2.
5kVまでが望ましい。
【0050】[電界強度]部分放電の測定時の電界強度
を、12kV/mmから23kV/mmに定める。この
理由について図6を用いて説明する。図6は、電圧が1
kVのときの電界と、測定された放電電荷数との関係を
示すものである。同図から明らかなように、電界が12
kV/mmより小さい場合、被膜内部の気孔や破損部に
は電荷がチャージされにくくなるため、測定される放電
電荷数が減少する。また、電界が23kV/mmより大
きくなると、沿面放電が発生し、この沿面放電が加算さ
れるため、測定される放電電荷数が増大する。このよう
に、設定範囲外の電界強度で測定される部分放電量は、
被膜内部における部分放電量を正しく表す結果とならな
い。従って、部分放電量の測定時に用いる電界は12k
V/mmから23kV/mmまでが望ましい。
を、12kV/mmから23kV/mmに定める。この
理由について図6を用いて説明する。図6は、電圧が1
kVのときの電界と、測定された放電電荷数との関係を
示すものである。同図から明らかなように、電界が12
kV/mmより小さい場合、被膜内部の気孔や破損部に
は電荷がチャージされにくくなるため、測定される放電
電荷数が減少する。また、電界が23kV/mmより大
きくなると、沿面放電が発生し、この沿面放電が加算さ
れるため、測定される放電電荷数が増大する。このよう
に、設定範囲外の電界強度で測定される部分放電量は、
被膜内部における部分放電量を正しく表す結果とならな
い。従って、部分放電量の測定時に用いる電界は12k
V/mmから23kV/mmまでが望ましい。
【0051】一方、上記のように設定された評価の対象
として適切な電界強度を保つために、図1における被膜
2の誘電率と、被膜2が利用されるZnO素子の焼結体
1との誘電率比(被膜2の誘電率/焼結体1の誘電率)
を、適切に定める必要がある。そこで、本実施例では、
この誘電率比に関し、以下のように設定する。
として適切な電界強度を保つために、図1における被膜
2の誘電率と、被膜2が利用されるZnO素子の焼結体
1との誘電率比(被膜2の誘電率/焼結体1の誘電率)
を、適切に定める必要がある。そこで、本実施例では、
この誘電率比に関し、以下のように設定する。
【0052】[誘電率比]誘電体セラミックスである焼
結体1と、被膜2を形成する無機系の絶縁コーティング
材の誘電率比は0.05以下に定める。この理由につい
て図7を用いて説明する。図7は、印加電圧1.5kV
の場合の誘電率比と部分放電数の関係を示すものであ
る。誘電率比が0.05以上となると被膜中での電界強
度が減少し、それとともに部分放電数が低下する。従っ
て、誘電率比は0.05以下である事が望ましい。
結体1と、被膜2を形成する無機系の絶縁コーティング
材の誘電率比は0.05以下に定める。この理由につい
て図7を用いて説明する。図7は、印加電圧1.5kV
の場合の誘電率比と部分放電数の関係を示すものであ
る。誘電率比が0.05以上となると被膜中での電界強
度が減少し、それとともに部分放電数が低下する。従っ
て、誘電率比は0.05以下である事が望ましい。
【0053】ところで、測定される部分放電数の値は、
部分放電試験の試料である無機系被膜の特性によっても
変化する。そこで、高い信頼性を有する部分放電数の測
定値を得るために、この被膜の表面の粗さについて以下
のような基準を設定する。
部分放電試験の試料である無機系被膜の特性によっても
変化する。そこで、高い信頼性を有する部分放電数の測
定値を得るために、この被膜の表面の粗さについて以下
のような基準を設定する。
【0054】[被膜表面の粗さ]被膜中の劣化状況に関
する評価を行うにあたり、評価に適する被膜2の表面の
粗さRmaxを10μm以下に定める。この理由につい
て図8を用いて説明する。図8は、被膜表面の粗さと部
分放電数との関係を示すものである。被膜表面の粗さが
Rmax10μm以上の場合、被膜中の部分放電の他
に、ZnO素子に取り付けられた電極と被膜表面での部
分放電が加わるので部分放電数が増大する。従って、被
膜表面の粗さはRmax10μm以下であることが望ま
しい。
する評価を行うにあたり、評価に適する被膜2の表面の
粗さRmaxを10μm以下に定める。この理由につい
て図8を用いて説明する。図8は、被膜表面の粗さと部
分放電数との関係を示すものである。被膜表面の粗さが
Rmax10μm以上の場合、被膜中の部分放電の他
に、ZnO素子に取り付けられた電極と被膜表面での部
分放電が加わるので部分放電数が増大する。従って、被
膜表面の粗さはRmax10μm以下であることが望ま
しい。
【0055】また、本実施例の部分放電試験では、被膜
の劣化状況を評価するために、未使用の試料に関する部
分放電の測定値(初期値)と、この試料を一定時間使用
した後に得られた部分放電の測定値との比較を行う。こ
の比較を適切に行うためには、試料となる被膜の厚さに
ついて、さらに以下のような基準を設定する。
の劣化状況を評価するために、未使用の試料に関する部
分放電の測定値(初期値)と、この試料を一定時間使用
した後に得られた部分放電の測定値との比較を行う。こ
の比較を適切に行うためには、試料となる被膜の厚さに
ついて、さらに以下のような基準を設定する。
【0056】[被膜の厚さ]被膜中の劣化状況に関する
評価を行うにあたり、評価に適する被膜2の厚さを、2
0μmから500μmに定める。この理由について図9
を用いて説明する。図9aは、厚さがそれぞれ20、1
00、500、700μmの被膜について、印加電圧
2.0kVで部分放電試験を実施した場合の電荷量と部
分放電数との関係を示すものである。図9でわかるよう
に、被膜の厚さが20μmより薄くなると、被膜内部の
気孔の影響や沿面での放電の影響が極端に大きくなり、
100μmの場合と比較して総部分放電数の発生が5倍
以上となる。このため、初期値との適切な比較が難しく
なる。また反対に、被膜の厚さが500μmより厚くな
ると、図9bにおける拡大部分が示すように、今度は被
膜内部の気孔の影響や沿面での放電の影響が減少して、
100μmの場合と比較して総部分放電数の発生が1/
5以下となる。このため、やはり初期値との適切な比較
が難しくなる。従って、部分放電による被膜内部の劣化
状況の評価を正確に行うために、被膜の厚さを20μm
から500μmまでにすることが望ましい。
評価を行うにあたり、評価に適する被膜2の厚さを、2
0μmから500μmに定める。この理由について図9
を用いて説明する。図9aは、厚さがそれぞれ20、1
00、500、700μmの被膜について、印加電圧
2.0kVで部分放電試験を実施した場合の電荷量と部
分放電数との関係を示すものである。図9でわかるよう
に、被膜の厚さが20μmより薄くなると、被膜内部の
気孔の影響や沿面での放電の影響が極端に大きくなり、
100μmの場合と比較して総部分放電数の発生が5倍
以上となる。このため、初期値との適切な比較が難しく
なる。また反対に、被膜の厚さが500μmより厚くな
ると、図9bにおける拡大部分が示すように、今度は被
膜内部の気孔の影響や沿面での放電の影響が減少して、
100μmの場合と比較して総部分放電数の発生が1/
5以下となる。このため、やはり初期値との適切な比較
が難しくなる。従って、部分放電による被膜内部の劣化
状況の評価を正確に行うために、被膜の厚さを20μm
から500μmまでにすることが望ましい。
【0057】最後に、本実施例では、無機系被膜の内部
における気孔および破損の存在と、それらの大きさを検
査することにより、この被膜の絶縁部材としての安全性
を評価することができる。この場合、部分放電試験に実
施するにあたり、さらに以下のような設定を行う。
における気孔および破損の存在と、それらの大きさを検
査することにより、この被膜の絶縁部材としての安全性
を評価することができる。この場合、部分放電試験に実
施するにあたり、さらに以下のような設定を行う。
【0058】[被膜中の気孔および破損の大きさ]被膜
中の劣化状況に関する評価を行うにあたり、評価に適す
る被膜内部の気孔および破損の大きさとして、球形換算
でφ4μmからφ50μmを設定する。この理由につい
て、図10を用いて説明する。図10は、印加電圧が
1.5kVのときに発生する電荷量と、この電荷を生じ
た気孔もしくは破損の大きさの関係を示すものである。
図10は被膜の厚さ1mm、印加電圧2.0kVの場合
の理論計算と実測値をもとにして作成した。これによる
と、発生した電荷量と被膜中の気孔の大きさには相関関
係があることがわかる。
中の劣化状況に関する評価を行うにあたり、評価に適す
る被膜内部の気孔および破損の大きさとして、球形換算
でφ4μmからφ50μmを設定する。この理由につい
て、図10を用いて説明する。図10は、印加電圧が
1.5kVのときに発生する電荷量と、この電荷を生じ
た気孔もしくは破損の大きさの関係を示すものである。
図10は被膜の厚さ1mm、印加電圧2.0kVの場合
の理論計算と実測値をもとにして作成した。これによる
と、発生した電荷量と被膜中の気孔の大きさには相関関
係があることがわかる。
【0059】図10に示すように、気孔および破損の大
きさがφ4μmの場合に発生する電荷量は20pC、φ
50μmの場合に発生する電荷量は2000pCに相当
する。すなわち、気孔もしくは破損の大きさがφ4μm
より小さい場合は、電荷量が20pCより小さくなり、
大きさがφ50μmより大きい場合は、電荷量が200
0pCより大きくなって、信頼できる放電電荷量の測定
値の範囲外となる。従って、測定される気孔および破損
の大きさは、球形換算でφ4μmからφ50μmまでが
望ましい。
きさがφ4μmの場合に発生する電荷量は20pC、φ
50μmの場合に発生する電荷量は2000pCに相当
する。すなわち、気孔もしくは破損の大きさがφ4μm
より小さい場合は、電荷量が20pCより小さくなり、
大きさがφ50μmより大きい場合は、電荷量が200
0pCより大きくなって、信頼できる放電電荷量の測定
値の範囲外となる。従って、測定される気孔および破損
の大きさは、球形換算でφ4μmからφ50μmまでが
望ましい。
【0060】[本実施例の評価方法による作用および効
果]以上、述べてきたように、上記の諸項目に関して、
部分放電の測定における諸条件の適否を評価することに
よって、無機系の被膜に対する部分放電試験における部
分放電数の測定値は、充分な信頼性を持つものとなる。
この結果、従来の部分放電試験によって無機系の被膜の
劣化状況について、適切な判断が下せるようになる。
果]以上、述べてきたように、上記の諸項目に関して、
部分放電の測定における諸条件の適否を評価することに
よって、無機系の被膜に対する部分放電試験における部
分放電数の測定値は、充分な信頼性を持つものとなる。
この結果、従来の部分放電試験によって無機系の被膜の
劣化状況について、適切な判断が下せるようになる。
【0061】3.他の実施例 なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではな
く、適宜態様を変えて適用することが可能である。例え
ば、本実施例では、図1に示すように、部分放電を測定
するために被膜2の表面に錫箔電極3を取り付けたが、
この電極を、図9に示すような局部電極4とプランジャ
5、およびコード6から構成されるものに変更すれば、
前記局部電極4と接触する被膜部分について、その内部
の気孔および損傷の大きさについて評価できるようにな
る。
く、適宜態様を変えて適用することが可能である。例え
ば、本実施例では、図1に示すように、部分放電を測定
するために被膜2の表面に錫箔電極3を取り付けたが、
この電極を、図9に示すような局部電極4とプランジャ
5、およびコード6から構成されるものに変更すれば、
前記局部電極4と接触する被膜部分について、その内部
の気孔および損傷の大きさについて評価できるようにな
る。
【0062】
【発明の効果】以上、述べてきたように、本発明によれ
ば、特別な試験法を新たに開発することなしに、無機系
の被膜内部の劣化状況に関する評価や、被膜の安全性や
信頼性に関する評価を適切に行うことができるようにな
る。
ば、特別な試験法を新たに開発することなしに、無機系
の被膜内部の劣化状況に関する評価や、被膜の安全性や
信頼性に関する評価を適切に行うことができるようにな
る。
【図1】ZnO素子の構成を表す図。
【図2】部分放電試験に用いられる測定回路の構成を表
す図。
す図。
【図3】部分放電試験の測定結果例を表す図。
【図4】電荷量と部分放電数との関係を表す図。
【図5】印加電圧と部分放電数との関係を表す図。
【図6】電界強度と部分放電数との関係を表す図。
【図7】誘電率比と部分放電数との関係を表す図。
【図8】被膜表面の粗さRmaxと部分放電数との関係
を表す図。
を表す図。
【図9】被膜厚さと電荷量および部分放電数との関係を
表す図。
表す図。
【図10】気孔の大きさと電荷量との関係を表す図。
【図11】被膜局部における放電を測定する局部電極の
取り付けを表す図。
取り付けを表す図。
1… 焼結体 2… 被膜(絶縁コーティング) 3… 錫箔電極 4… ZnO素子
Claims (11)
- 【請求項1】 無機系絶縁被膜の劣化状況を判断する評
価方法であって、 無機系絶縁被膜を試料として部分放電試験を実施し、発
生する所定の数値範囲内の電荷量に基づいて、前記無機
系絶縁被膜内部の部分放電数を測定することを特徴とす
る無機系絶縁被膜の評価方法。 - 【請求項2】 前記電荷量の所定の数値範囲は、200
pC以上2000pC以下であることを特徴とする請求
項1記載の無機系絶縁被膜の評価方法。 - 【請求項3】 前記部分放電試験は、所定の数値範囲に
設定された厚さおよび表面の粗さを有する前記無機系絶
縁被膜を試料とし、所定の数値範囲に設定された印加電
圧量および電界強度のもとに実施することを特徴とする
請求項1記載の無機系絶縁被膜の評価方法。 - 【請求項4】 前記無機系絶縁被膜の表面の粗さは、R
max10μm以下であることを特徴とする請求項3記
載の無機系絶縁被膜の評価方法。 - 【請求項5】 前記印加電圧量の所定の数値範囲は、
0.5kV以上2.5kV以下であることを特徴とする
請求項3記載の無機系絶縁被膜の評価方法。 - 【請求項6】 前記電界強度の所定の数値範囲は、12
kV/mm以上23kV/mm以下であることを特徴と
する請求項3記載の無機系絶縁被膜の評価方法。 - 【請求項7】 無機系絶縁被膜が誘電体セラミックスに
おいて使用されている場合、前記誘電体セラミックスと
前記被膜との誘電率比(絶縁部材誘電率/誘電体セラミ
ックス誘電率)は0.05以下であることを特徴とする
請求項6記載の無機系絶縁被膜の評価方法。 - 【請求項8】 前記試料として、未使用の無機系絶縁被
膜を用いて部分放電を測定し、発生した電荷量と部分放
電数との関係を初期値として記録した後、前記被膜を一
定時間使用してから同じ試験環境で再び部分放電の測定
を実施して、発生した電荷量と部分放電数との関係を前
記初期値と比較することにより、前記被膜内部の損傷を
判断することを特徴とする請求項3記載の無機系絶縁被
膜の評価方法。 - 【請求項9】 前記無機系絶縁被膜の厚さは、20μm
以上500μm以下であることを特徴とする請求項8記
載の無機系絶縁被膜の評価方法。 - 【請求項10】 無機系絶縁被膜内部の劣化状況を判断
する評価方法であって、 無機系絶縁被膜の内部に存在する所定の大きさの気孔お
よび破損の存在と、これらの位置とを部分放電試験によ
って検査することを特徴とする無機系絶縁被膜の評価方
法。 - 【請求項11】 前記検査の対象となる無機系絶縁被膜
内部の気孔および破損の大きさは、球形換算でφ4μm
以上φ50μm以下であることを特徴とする請求項10
記載の無機系絶縁被膜の評価方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6210198A JPH0875815A (ja) | 1994-09-02 | 1994-09-02 | 無機系絶縁被膜の評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6210198A JPH0875815A (ja) | 1994-09-02 | 1994-09-02 | 無機系絶縁被膜の評価方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0875815A true JPH0875815A (ja) | 1996-03-22 |
Family
ID=16585416
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6210198A Pending JPH0875815A (ja) | 1994-09-02 | 1994-09-02 | 無機系絶縁被膜の評価方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0875815A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20040039720A (ko) * | 2002-11-04 | 2004-05-12 | 박후원 | 근접 도선의 비파괴 검출방법 |
| JP2005326379A (ja) * | 2004-05-17 | 2005-11-24 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 部分放電の損傷量検出方法及び部分放電の損傷量検出装置 |
-
1994
- 1994-09-02 JP JP6210198A patent/JPH0875815A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20040039720A (ko) * | 2002-11-04 | 2004-05-12 | 박후원 | 근접 도선의 비파괴 검출방법 |
| JP2005326379A (ja) * | 2004-05-17 | 2005-11-24 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 部分放電の損傷量検出方法及び部分放電の損傷量検出装置 |
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