JPH0878200A - 渦電流の作る磁場の制御方法及び装置 - Google Patents
渦電流の作る磁場の制御方法及び装置Info
- Publication number
- JPH0878200A JPH0878200A JP21342994A JP21342994A JPH0878200A JP H0878200 A JPH0878200 A JP H0878200A JP 21342994 A JP21342994 A JP 21342994A JP 21342994 A JP21342994 A JP 21342994A JP H0878200 A JPH0878200 A JP H0878200A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic field
- eddy current
- magnetic
- vacuum duct
- conductive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Particle Accelerators (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】渦電流の発生する主構造物の設置されている領
域の変動磁場と同じ時間変化をする変動磁場内に、主構
造物とは別に補助構造物を設置する。特に、粒子加速器
において、真空ダクト1と同じ電磁石の磁極3間に導電
性の非磁性体を設置する。 【効果】それぞれの渦電流の作る磁場は常に同じ比率に
なり、外部から操作なしに常に同じ磁場分布を作ること
ができる。電磁石の作る磁場が時間変化する時にも磁場
の分布を一定に制御することが可能になる。これによっ
て、磁場分布の変化に伴うビームの損失を防ぐことがで
きる。
域の変動磁場と同じ時間変化をする変動磁場内に、主構
造物とは別に補助構造物を設置する。特に、粒子加速器
において、真空ダクト1と同じ電磁石の磁極3間に導電
性の非磁性体を設置する。 【効果】それぞれの渦電流の作る磁場は常に同じ比率に
なり、外部から操作なしに常に同じ磁場分布を作ること
ができる。電磁石の作る磁場が時間変化する時にも磁場
の分布を一定に制御することが可能になる。これによっ
て、磁場分布の変化に伴うビームの損失を防ぐことがで
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変動する磁場内で使用
される機器に係り、特に、加速器の電磁石の磁極間で使
用される機器に関する。
される機器に係り、特に、加速器の電磁石の磁極間で使
用される機器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、変動する磁場内で使用される機器
で、渦電流の作る磁場の影響が問題となるものは、導電
率の低い材質を使用することによって渦電流自信の発生
を抑えることで対処していた。例えば、早いサイクルの
シンクロトロンでは、真空ダクトの壁の渦電流を抑える
ために、有機樹脂,セラミックといった非導電性の物質
で真空ダクトを製作したり、壁を蛇腹状にして抵抗値を
上げ渦電流を軽減する方法がとられている。
で、渦電流の作る磁場の影響が問題となるものは、導電
率の低い材質を使用することによって渦電流自信の発生
を抑えることで対処していた。例えば、早いサイクルの
シンクロトロンでは、真空ダクトの壁の渦電流を抑える
ために、有機樹脂,セラミックといった非導電性の物質
で真空ダクトを製作したり、壁を蛇腹状にして抵抗値を
上げ渦電流を軽減する方法がとられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、変動する磁場
中に導電性の物質があるとき、磁場の時間変化に伴った
電界が物質内に誘起され渦電流が流れる。渦電流は新た
な磁場を発生する。
中に導電性の物質があるとき、磁場の時間変化に伴った
電界が物質内に誘起され渦電流が流れる。渦電流は新た
な磁場を発生する。
【0004】例えば、シンクロトロンでは、偏向電磁石
の磁場強度をビームの加速と共に増加させるので、偏向
電磁石の磁極間には磁場の時間変化に伴って電界が誘起
される。磁極間には軌道を覆う真空ダクトがあり、これ
が導電性の物質で作られる場合には、真空ダクト壁に渦
電流が発生する。渦電流は真空ダクト内部に新たな磁場
を発生し偏向電磁石の磁場を乱すため、ビームの収束状
態が変化し、多量の渦電流が流れるときにはビームを発
散させる。
の磁場強度をビームの加速と共に増加させるので、偏向
電磁石の磁極間には磁場の時間変化に伴って電界が誘起
される。磁極間には軌道を覆う真空ダクトがあり、これ
が導電性の物質で作られる場合には、真空ダクト壁に渦
電流が発生する。渦電流は真空ダクト内部に新たな磁場
を発生し偏向電磁石の磁場を乱すため、ビームの収束状
態が変化し、多量の渦電流が流れるときにはビームを発
散させる。
【0005】従来の有機樹脂,セラミックといった非導
電性の物質で真空ダクトを製作し、渦電流の発生を抑え
る方法には次の欠点があった。まず、有機樹脂には、放
射線損傷に弱いことや壁から大量のガスが発生するとい
った欠点がある。また、セラミックで真空ダクトを製作
する場合には、セラミックを偏向電磁石1個分に相当す
る1m程度の管に焼上げるのは技術的に困難であるの
で、数cmの管をつなぎ合わせることになる。このことに
より、欠け易さ,脆さといった材料的な欠点に加えて、
管の継ぎ目での真空漏れの問題,コストが高くなるとい
った問題が生じる。また、真空ダクトを蛇腹状にして抵
抗値を上げ、渦電流の量を軽減する方法では、蛇腹を使
うことにより真空ダクトが大きくなり、電磁石の磁極間
距離が大きくなり、電源に負担がかかることになる。
電性の物質で真空ダクトを製作し、渦電流の発生を抑え
る方法には次の欠点があった。まず、有機樹脂には、放
射線損傷に弱いことや壁から大量のガスが発生するとい
った欠点がある。また、セラミックで真空ダクトを製作
する場合には、セラミックを偏向電磁石1個分に相当す
る1m程度の管に焼上げるのは技術的に困難であるの
で、数cmの管をつなぎ合わせることになる。このことに
より、欠け易さ,脆さといった材料的な欠点に加えて、
管の継ぎ目での真空漏れの問題,コストが高くなるとい
った問題が生じる。また、真空ダクトを蛇腹状にして抵
抗値を上げ、渦電流の量を軽減する方法では、蛇腹を使
うことにより真空ダクトが大きくなり、電磁石の磁極間
距離が大きくなり、電源に負担がかかることになる。
【0006】本発明の第一の目的は、変動する磁場中に
設置された導電性の構造物に発生する渦電流により作ら
れる磁場を簡単な構造で制御する方法及び装置を提供す
るものである。
設置された導電性の構造物に発生する渦電流により作ら
れる磁場を簡単な構造で制御する方法及び装置を提供す
るものである。
【0007】第二の目的は、上記制御方法及び装置によ
り、ビーム損失を低減できる粒子加速器を提供すること
にある。
り、ビーム損失を低減できる粒子加速器を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るための手段は、渦電流の発生する主構造物の設置され
ている領域の変動磁場と同じ時間変化をする変動磁場内
に、前記主構造物とは別に補助構造物を設置する手段で
ある。
るための手段は、渦電流の発生する主構造物の設置され
ている領域の変動磁場と同じ時間変化をする変動磁場内
に、前記主構造物とは別に補助構造物を設置する手段で
ある。
【0009】上記第二の目的を達成するための手段は、
粒子加速器の電磁石の磁極間に設置される装置を主構造
物として、上記第一の目的を達成するための手段を適用
する手段である。
粒子加速器の電磁石の磁極間に設置される装置を主構造
物として、上記第一の目的を達成するための手段を適用
する手段である。
【0010】
【作用】渦電流の発生する主構造物の設置されている領
域の変動磁場と同じ時間変化をする変動磁場内に、主構
造物とは別の補助構造物を設置すると、補助構造物に流
れる渦電流の作る磁場は主構造物の渦電流が作る磁場に
重畳する。補助構造物に流れる渦電流の作る磁場は、補
助構造物の位置,抵抗値などを適当に選ぶことによって
制御できるので、重畳された全体の磁場の制御が可能と
なる。補助構造物は、適切な形状,配置等を選ぶことに
より簡単な構造にすることができる。主構造物と補助構
造物を、同じ時間変化をする変動磁場内に設置すること
により、それぞれの渦電流の作る磁場は常に同じ比率で
あり、外部から操作することなく常に同じ磁場分布を作
ることができる。
域の変動磁場と同じ時間変化をする変動磁場内に、主構
造物とは別の補助構造物を設置すると、補助構造物に流
れる渦電流の作る磁場は主構造物の渦電流が作る磁場に
重畳する。補助構造物に流れる渦電流の作る磁場は、補
助構造物の位置,抵抗値などを適当に選ぶことによって
制御できるので、重畳された全体の磁場の制御が可能と
なる。補助構造物は、適切な形状,配置等を選ぶことに
より簡単な構造にすることができる。主構造物と補助構
造物を、同じ時間変化をする変動磁場内に設置すること
により、それぞれの渦電流の作る磁場は常に同じ比率で
あり、外部から操作することなく常に同じ磁場分布を作
ることができる。
【0011】また、粒子加速器の電磁石の磁極間に設置
される装置について上記の手段を適用することによっ
て、電磁石の作る磁場が時間変化する時にも磁場の分布
を一定に制御することが可能になる。これによって、磁
場分布の変化に伴うビームの収束状態の変化を抑えるこ
とができ、ビームの損失を防ぐことができる。
される装置について上記の手段を適用することによっ
て、電磁石の作る磁場が時間変化する時にも磁場の分布
を一定に制御することが可能になる。これによって、磁
場分布の変化に伴うビームの収束状態の変化を抑えるこ
とができ、ビームの損失を防ぐことができる。
【0012】
【実施例】以下で、本発明による粒子加速器の第一の実
施例として、偏向電磁石の磁極間に設置された真空ダク
トの渦電流による磁場の空間変化を低減し、磁場分布を
平坦化することを特徴とするシンクロトロンについて説
明する。
施例として、偏向電磁石の磁極間に設置された真空ダク
トの渦電流による磁場の空間変化を低減し、磁場分布を
平坦化することを特徴とするシンクロトロンについて説
明する。
【0013】シンクロトロンは、導電性の真空ダクト
と,荷電粒子ビームに所定の方向の磁場を印加して周回
軌道を形成する偏向電磁石と,荷電粒子ビームを加速す
る加速手段を備えている。ビームが加速されるのに伴っ
て、偏向電磁石の磁場は強くなり、磁極間の真空ダクト
には渦電流が発生する。図1に電磁石の磁極3の間に設
置された、ステンレス製のレーストラック型の真空ダク
ト1と4本の線状の閉回路による補助構造物2(以下補
助コイルと呼ぶ)から構成される、偏向電磁石を示す。
補助コイルは止め具12によって真空ダクトと磁極に固
定される。ここで真空ダクトに取り付けた止め具は、磁
極側に取り付けてもよい。補助コイルは銅またはアルミ
ニウムなどの真空ダクトより導電率の高い材料で作ら
れ、電源を持たない閉じた回路を形成する。また、絶縁
被膜が施されて、真空ダクト,磁極から電気的に絶縁さ
れている。図2に偏向電磁石の断面図、図3に本実施例
の偏向電磁石全体の平面図を示す。コイル13は偏向磁
場を作るためのコイルであり、電源から磁場発生に必要
な電流が供給される。磁極を取り払って原理的に描く
と、図4のようになる。この断面図を図5に示す。磁極
により作られる偏向磁場は、矢印4で示すような上向き
の方向であるとする。その強度は空間的に一様である。
と,荷電粒子ビームに所定の方向の磁場を印加して周回
軌道を形成する偏向電磁石と,荷電粒子ビームを加速す
る加速手段を備えている。ビームが加速されるのに伴っ
て、偏向電磁石の磁場は強くなり、磁極間の真空ダクト
には渦電流が発生する。図1に電磁石の磁極3の間に設
置された、ステンレス製のレーストラック型の真空ダク
ト1と4本の線状の閉回路による補助構造物2(以下補
助コイルと呼ぶ)から構成される、偏向電磁石を示す。
補助コイルは止め具12によって真空ダクトと磁極に固
定される。ここで真空ダクトに取り付けた止め具は、磁
極側に取り付けてもよい。補助コイルは銅またはアルミ
ニウムなどの真空ダクトより導電率の高い材料で作ら
れ、電源を持たない閉じた回路を形成する。また、絶縁
被膜が施されて、真空ダクト,磁極から電気的に絶縁さ
れている。図2に偏向電磁石の断面図、図3に本実施例
の偏向電磁石全体の平面図を示す。コイル13は偏向磁
場を作るためのコイルであり、電源から磁場発生に必要
な電流が供給される。磁極を取り払って原理的に描く
と、図4のようになる。この断面図を図5に示す。磁極
により作られる偏向磁場は、矢印4で示すような上向き
の方向であるとする。その強度は空間的に一様である。
【0014】粒子の加速時には偏向磁場の強度が増し、
真空ダクト壁に図5で示したような方向の渦電流が流れ
る。この渦電流は真空ダクト内に、矢印5に示すよう
な、偏向磁場を減少させる向きの新たな磁場を発生す
る。図6のaに真空ダクト壁の渦電流が作る磁場分布を
示す。ところで、4本の補助コイルにも真空ダクトの渦
電流と同じ向きに渦を巻く図5の2a,2bに示したよ
うな電流が流れる。補助コイルの荷電粒子ビーム軌道か
ら遠い側2aは、図1のように磁極外部に配置する。す
ると、2aの部分の電流が作る磁場は磁極間隙内でほぼ
一様になるので、真空ダクト内部に作られる磁場分布
は、真空ダクト壁の渦電流と,4本の補助コイルの荷電
粒子ビーム軌道に近い側2bに流れる電流で決定され
る。なお、補助コイルの一部,荷電粒子ビーム軌道に近
い側2bは、真空ダクトに流れる渦電流の流れに沿うよ
うに配置されている。これによって、補助コイルの2b
の部分の作る磁場は、真空ダクトの内部において矢印6
に示すような真空ダクト壁に流れる渦電流が作る磁場と
は逆の向きになる。補助コイルに流れる電流の大きさは
補助コイルの線の太さと補助コイルの囲む磁束により決
まり、設置前にあらかじめ磁場分布を計算して、磁場の
空間変化を打ち消せるような補助コイルの太さ,配置を
選ぶ。そうすることで、真空ダクト内部の磁場分布を図
6のbに示すように平坦化できる。
真空ダクト壁に図5で示したような方向の渦電流が流れ
る。この渦電流は真空ダクト内に、矢印5に示すよう
な、偏向磁場を減少させる向きの新たな磁場を発生す
る。図6のaに真空ダクト壁の渦電流が作る磁場分布を
示す。ところで、4本の補助コイルにも真空ダクトの渦
電流と同じ向きに渦を巻く図5の2a,2bに示したよ
うな電流が流れる。補助コイルの荷電粒子ビーム軌道か
ら遠い側2aは、図1のように磁極外部に配置する。す
ると、2aの部分の電流が作る磁場は磁極間隙内でほぼ
一様になるので、真空ダクト内部に作られる磁場分布
は、真空ダクト壁の渦電流と,4本の補助コイルの荷電
粒子ビーム軌道に近い側2bに流れる電流で決定され
る。なお、補助コイルの一部,荷電粒子ビーム軌道に近
い側2bは、真空ダクトに流れる渦電流の流れに沿うよ
うに配置されている。これによって、補助コイルの2b
の部分の作る磁場は、真空ダクトの内部において矢印6
に示すような真空ダクト壁に流れる渦電流が作る磁場と
は逆の向きになる。補助コイルに流れる電流の大きさは
補助コイルの線の太さと補助コイルの囲む磁束により決
まり、設置前にあらかじめ磁場分布を計算して、磁場の
空間変化を打ち消せるような補助コイルの太さ,配置を
選ぶ。そうすることで、真空ダクト内部の磁場分布を図
6のbに示すように平坦化できる。
【0015】また、補助コイルの線の太さを太めにして
おき、図7に示したように補助コイルに可変抵抗器7を
接続することでも補助コイルの電流値を調節することが
でき、磁場分布を平坦化することができる。
おき、図7に示したように補助コイルに可変抵抗器7を
接続することでも補助コイルの電流値を調節することが
でき、磁場分布を平坦化することができる。
【0016】更に、図8に示すように、可変抵抗器7と
共に可変誘導器8を接続することで、補助コイルの時定
数を調節することもできる。
共に可変誘導器8を接続することで、補助コイルの時定
数を調節することもできる。
【0017】また、図9のように、補助コイルを2周巻
きにすることによっても同様の磁場分布を得ることがで
きる。
きにすることによっても同様の磁場分布を得ることがで
きる。
【0018】また、図10のように、偏向電磁石の磁極
3の間に、4本の補助コイルの替わりに4枚の板状の補
助構造物9(以下補助導体板と呼ぶ)を設置することに
よっても、磁場分布を平坦化することができる。図11
のaに真空ダクト壁の渦電流が作る磁場の分布を、bに
補助導体板のある時の磁場の分布を示す。磁場の空間変
化が打ち消されて磁場分布が平坦化されているのがわか
る。
3の間に、4本の補助コイルの替わりに4枚の板状の補
助構造物9(以下補助導体板と呼ぶ)を設置することに
よっても、磁場分布を平坦化することができる。図11
のaに真空ダクト壁の渦電流が作る磁場の分布を、bに
補助導体板のある時の磁場の分布を示す。磁場の空間変
化が打ち消されて磁場分布が平坦化されているのがわか
る。
【0019】次に、このシンクロトロンのビーム軌道修
正用電磁石について説明する。図12に、ビーム軌道修
正用電磁石の磁極間に設置されるステンレス製のレース
トラック型の真空ダクト1と2本の線状の閉回路による
補助構造物10(以下補助導体と呼ぶ)の説明図を示
す。ビーム軌道修正用電磁石は局所的な磁場を作るの
で、その磁場の時間変動により誘起される渦電流11
は、同心円状になる。補助導体の真空ダクトに近い部分
は、この渦電流に沿う形状にする。補助導体に流れる電
流は、真空ダクトに近い部分において真空ダクト壁の渦
電流と逆向きであるので、この部分の電流の作る磁場
は、真空ダクト壁の渦電流が作る磁場を打ち消すような
分布になる。補助導体の真空ダクトから遠い部分の電流
は、ほぼ一様な空間分布の磁場を作るので、全体とし
て、補助導体のないときに比べて平坦な磁場分布を得る
ことができる。
正用電磁石について説明する。図12に、ビーム軌道修
正用電磁石の磁極間に設置されるステンレス製のレース
トラック型の真空ダクト1と2本の線状の閉回路による
補助構造物10(以下補助導体と呼ぶ)の説明図を示
す。ビーム軌道修正用電磁石は局所的な磁場を作るの
で、その磁場の時間変動により誘起される渦電流11
は、同心円状になる。補助導体の真空ダクトに近い部分
は、この渦電流に沿う形状にする。補助導体に流れる電
流は、真空ダクトに近い部分において真空ダクト壁の渦
電流と逆向きであるので、この部分の電流の作る磁場
は、真空ダクト壁の渦電流が作る磁場を打ち消すような
分布になる。補助導体の真空ダクトから遠い部分の電流
は、ほぼ一様な空間分布の磁場を作るので、全体とし
て、補助導体のないときに比べて平坦な磁場分布を得る
ことができる。
【0020】以上の実施例では、ビーム軌道に対して上
下左右対称なレーストラック型の真空ダクトに対して本
発明を適用したので、補助構造物をビーム軌道に対して
上下左右対称な配置にすることで最大の磁場補正効果が
得られる。上下非対称な真空ダクトに対しては、上下非
対称な補助構造物,同様に左右非対称な真空ダクトに対
しては、左右非対称な補助構造物を配置することで磁場
補正効果が得られる。
下左右対称なレーストラック型の真空ダクトに対して本
発明を適用したので、補助構造物をビーム軌道に対して
上下左右対称な配置にすることで最大の磁場補正効果が
得られる。上下非対称な真空ダクトに対しては、上下非
対称な補助構造物,同様に左右非対称な真空ダクトに対
しては、左右非対称な補助構造物を配置することで磁場
補正効果が得られる。
【0021】
【発明の効果】真空ダクトの渦電流の作る磁場を真空ダ
クトとは別の補助構造物で打ち消しているため、偏向磁
場の強度の時間変化の仕方によらず、真空ダクト内の磁
場を平坦化することができる。また、真空ダクト内の磁
場は、補助構造物の設置位置や、真空ダクトの形状には
敏感でない。即ち、補助構造物の設置後の保守を必要と
せず、取り付けも容易である。
クトとは別の補助構造物で打ち消しているため、偏向磁
場の強度の時間変化の仕方によらず、真空ダクト内の磁
場を平坦化することができる。また、真空ダクト内の磁
場は、補助構造物の設置位置や、真空ダクトの形状には
敏感でない。即ち、補助構造物の設置後の保守を必要と
せず、取り付けも容易である。
【0022】また、補助構造物の導電率を真空ダクトよ
りも高くすることで、補助構造物の大きさを小さくする
ことができる。
りも高くすることで、補助構造物の大きさを小さくする
ことができる。
【0023】補助構造物として、上記実施例で説明した
ような補助コイルを用いる場合、補助コイルに可変抵抗
器を接続することで、より簡単に磁場制御が可能とな
る。また、可変誘導器を接続し、補助コイルの回路の時
定数を真空ダクトの渦電流の時定数と一致するように調
節することで、外部磁場に対する応答を良くすることが
でき、磁場の時間変化の大きな場合でも常に磁場分布を
平坦化できる。
ような補助コイルを用いる場合、補助コイルに可変抵抗
器を接続することで、より簡単に磁場制御が可能とな
る。また、可変誘導器を接続し、補助コイルの回路の時
定数を真空ダクトの渦電流の時定数と一致するように調
節することで、外部磁場に対する応答を良くすることが
でき、磁場の時間変化の大きな場合でも常に磁場分布を
平坦化できる。
【0024】また、補助コイルを磁極の中心より大きく
ずれた位置に配置しなければならない場合、それぞれの
補助コイルの囲む磁束が少なくなり、必要な電流を発生
できなくなる。この場合は、図9のような2周巻きの補
助コイルにすることで必要な電流を発生することができ
る。
ずれた位置に配置しなければならない場合、それぞれの
補助コイルの囲む磁束が少なくなり、必要な電流を発生
できなくなる。この場合は、図9のような2周巻きの補
助コイルにすることで必要な電流を発生することができ
る。
【0025】また、補助構造物として、実施例で説明し
たような補助導体板を用いる場合、真空ダクトと補助導
体板を一体化し、簡単な構造にすることができる。ま
た、図11に示されるように広い範囲にわたって磁場を
平坦化することができる。
たような補助導体板を用いる場合、真空ダクトと補助導
体板を一体化し、簡単な構造にすることができる。ま
た、図11に示されるように広い範囲にわたって磁場を
平坦化することができる。
【0026】また、磁場分布が局所的であるときには、
図12の方法で真空ダクトの渦電流の作る磁場の6極成
分を打ち消すことができる。
図12の方法で真空ダクトの渦電流の作る磁場の6極成
分を打ち消すことができる。
【0027】以上のように、偏向電磁石部分での真空ダ
クト壁の渦電流の作る磁場を平坦化することができるの
で、ビーム加速時のビーム損失の少ない粒子加速器を実
現できる。
クト壁の渦電流の作る磁場を平坦化することができるの
で、ビーム加速時のビーム損失の少ない粒子加速器を実
現できる。
【0028】また、ビーム軌道修正用電磁石での真空ダ
クト壁の渦電流の作る磁場を平坦化することによって、
ビーム軌道の早い修正を行うことが可能となる。
クト壁の渦電流の作る磁場を平坦化することによって、
ビーム軌道の早い修正を行うことが可能となる。
【図1】本発明の加速器の偏向電磁石の磁極間に設置さ
れた導電性の真空ダクトと,補助コイルの斜視図。
れた導電性の真空ダクトと,補助コイルの斜視図。
【図2】本発明の加速器の導電性の真空ダクトと補助コ
イルを設置した偏向電磁石の磁極付近の断面図。
イルを設置した偏向電磁石の磁極付近の断面図。
【図3】本発明の加速器の導電性の真空ダクトと補助コ
イルを設置した偏向電磁石を上から見た平面図。
イルを設置した偏向電磁石を上から見た平面図。
【図4】真空ダクトと補助コイルの配置を原理的に描い
た説明図。
た説明図。
【図5】真空ダクトと補助コイルの配置を原理的に描い
た断面図。
た断面図。
【図6】偏向電磁石の磁極間に設置される真空ダクトの
内部の磁場分布を示したグラフ。
内部の磁場分布を示したグラフ。
【図7】補助コイルに可変抵抗器を接続したときの回路
図。
図。
【図8】補助コイルに可変抵抗器と可変誘導器を接続し
たときの回路図。
たときの回路図。
【図9】補助コイルを2周巻きにしたときの回路図。
【図10】本発明の加速器の偏向電磁石の磁極間に設置
された導電性の真空ダクトと補助導体板の斜視図。
された導電性の真空ダクトと補助導体板の斜視図。
【図11】偏向電磁石の磁極間に設置される真空ダクト
の内部の磁場分布を示したグラフ。
の内部の磁場分布を示したグラフ。
【図12】本発明の加速器のビーム軌道修正用電磁石の
磁極間に設置される導電性の真空ダクトと補助コイルの
斜視図。
磁極間に設置される導電性の真空ダクトと補助コイルの
斜視図。
1…真空ダクト、2…補助コイル、3…偏向電磁石の磁
極、12…止め具。
極、12…止め具。
Claims (15)
- 【請求項1】導電性の主構造物が変動する磁場内にあ
り、渦電流が誘起されて新たな磁場を作るとき、前記変
動する磁場と同じ時間変化をする変動磁場内に前記主構
造物とは別の導電性の補助構造物を配置し、前記補助構
造物に流れる渦電流の作る磁場を主構造物の渦電流が作
る磁場に重畳することにより磁場を制御することを特徴
とする渦電流の作る磁場の制御方法。 - 【請求項2】請求項1に於いて、前記補助構造物の一部
を前記主構造物の渦電流の流れに沿うように配置する磁
場制御方法。 - 【請求項3】導電性の主構造物が変動する磁場内にあ
り、渦電流が誘起されて新たな磁場を作るとき、前記変
動する磁場と同じ時間変化をする変動磁場内に配置され
る導電性の物質で構成され、その導電性の物質内に流れ
る渦電流の作る磁場によって前記主構造物に流れる渦電
流の作る磁場を制御することを特徴とする磁場制御装
置。 - 【請求項4】請求項3に於いて、前記主構造物の渦電流
の流れに沿うように、前記導電性の物質の一部を配置す
る磁場制御装置。 - 【請求項5】導電性の真空ダクト内の荷電粒子ビームに
所定の方向の磁場を印加して周回軌道を形成する偏向電
磁石と,前記荷電粒子ビームを加速する加速手段を備え
た粒子加速器において、電磁石の磁場の時間変化によっ
て真空ダクトに渦電流が誘起されて新たな磁場を作ると
き、前記電磁石の磁極間に導電性のある非磁性体を設置
したことを特徴とする粒子加速器。 - 【請求項6】請求項5に於いて、前記非磁性体の一部を
真空ダクトの渦電流の流れに沿うように配置する粒子加
速器。 - 【請求項7】請求項5に於いて、前記非磁性体を真空ダ
クト壁材よりも導電率の高い物質で製作する粒子加速
器。 - 【請求項8】請求項5に於いて、前記非磁性体を前記荷
電粒子ビームの軌道の両側に配置する粒子加速器。 - 【請求項9】請求項8に於いて、前記非磁性体を前記荷
電粒子ビームの軌道に対称に配置する粒子加速器。 - 【請求項10】請求項5に於いて、前記非磁性体を線状
の閉回路で構成する粒子加速器。 - 【請求項11】請求項10に於いて、前記非磁性体の作
る閉回路の一部を真空ダクトの渦電流の流れに沿うよう
に配置し、他の部分を電磁石の磁極の外部に配置する粒
子加速器。 - 【請求項12】請求項10に於いて、前記閉回路に抵抗
器を接続する粒子加速器。 - 【請求項13】請求項10に於いて、前記閉回路に誘導
器を接続する粒子加速器。 - 【請求項14】請求項5に於いて、前記非磁性体が板状
である粒子加速器。 - 【請求項15】請求項5に於いて、前記非磁性体を複数
個の点対称な位置の電磁石の磁極間に設置する粒子加速
器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21342994A JPH0878200A (ja) | 1994-09-07 | 1994-09-07 | 渦電流の作る磁場の制御方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21342994A JPH0878200A (ja) | 1994-09-07 | 1994-09-07 | 渦電流の作る磁場の制御方法及び装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0878200A true JPH0878200A (ja) | 1996-03-22 |
Family
ID=16639087
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21342994A Pending JPH0878200A (ja) | 1994-09-07 | 1994-09-07 | 渦電流の作る磁場の制御方法及び装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0878200A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2458949A2 (en) | 2010-11-30 | 2012-05-30 | Hitachi, Ltd. | Magnetic field control apparatus and dipole magnet |
| JP2012150005A (ja) * | 2011-01-19 | 2012-08-09 | Mitsubishi Electric Corp | 荷電粒子ビーム偏向装置 |
| WO2019104878A1 (zh) * | 2017-11-30 | 2019-06-06 | 合肥中科离子医学技术装备有限公司 | 一种回旋加速器中利用一次谐波调节粒子轨道对中的方法 |
| US10375815B2 (en) | 2017-11-30 | 2019-08-06 | Hefei Cas Ion Medical And Technical Devices Co., Ltd. | Method for adjusting particle orbit alignment by using first harmonic in cyclotron |
-
1994
- 1994-09-07 JP JP21342994A patent/JPH0878200A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2458949A2 (en) | 2010-11-30 | 2012-05-30 | Hitachi, Ltd. | Magnetic field control apparatus and dipole magnet |
| JP2012119101A (ja) * | 2010-11-30 | 2012-06-21 | Hitachi Ltd | 磁場制御装置及び偏向電磁石装置 |
| US8598971B2 (en) | 2010-11-30 | 2013-12-03 | Hitachi, Ltd. | Magnetic field control apparatus and dipole magnet |
| EP2458949A3 (en) * | 2010-11-30 | 2014-02-19 | Hitachi, Ltd. | Magnetic field control apparatus and dipole magnet |
| JP2012150005A (ja) * | 2011-01-19 | 2012-08-09 | Mitsubishi Electric Corp | 荷電粒子ビーム偏向装置 |
| WO2019104878A1 (zh) * | 2017-11-30 | 2019-06-06 | 合肥中科离子医学技术装备有限公司 | 一种回旋加速器中利用一次谐波调节粒子轨道对中的方法 |
| US10375815B2 (en) | 2017-11-30 | 2019-08-06 | Hefei Cas Ion Medical And Technical Devices Co., Ltd. | Method for adjusting particle orbit alignment by using first harmonic in cyclotron |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2667832B2 (ja) | 偏向マグネット | |
| US7163602B2 (en) | Apparatus for generating planar plasma using concentric coils and ferromagnetic cores | |
| US5117212A (en) | Electromagnet for charged-particle apparatus | |
| JP4276340B2 (ja) | サイクロトロン用電磁石の設計方法及びサイクロトロンシステム | |
| JP2019149387A (ja) | 小型偏向磁石 | |
| JPH04273409A (ja) | 超電導マグネツト装置及び該超電導マグネツト装置を使用した粒子加速器 | |
| JP2013529360A (ja) | 高効率な磁気走査システム | |
| CN117794041A (zh) | 一种径向电场和角向磁场复用的电子束聚散焦调控装置 | |
| JPH0878200A (ja) | 渦電流の作る磁場の制御方法及び装置 | |
| JPS5944744B2 (ja) | 磁気偏向コイル | |
| US7253572B2 (en) | Electromagnetic induced accelerator based on coil-turn modulation | |
| US10726986B2 (en) | Apparatus and method for magnetic field compression using a toroid coil structure | |
| de Rijk | Warm Magnets | |
| US12148592B2 (en) | Systems and methods for electron beam focusing in electron beam additive manufacturing | |
| JP7249906B2 (ja) | 超電導コイルおよび超電導磁石装置 | |
| KR20220032006A (ko) | 플라스마 환경에서의 차폐 구조물 | |
| RU2008525C1 (ru) | Поликанальный плазменный двигатель с замкнутым дрейфом электронов | |
| JP4296001B2 (ja) | 円形加速器 | |
| US12094679B2 (en) | Systems and methods for creating an electron coil magnet | |
| US20250006425A1 (en) | Systems and methods for creating an electron coil magnet | |
| CN114658626B (zh) | 可变磁场后加载程度的霍尔推力器磁路结构及设计方法 | |
| KR0175922B1 (ko) | 비임의 편향방법 및 편향장치 | |
| US2617026A (en) | Induction accelerator for electrons | |
| KR20230163889A (ko) | 필림형태의 발전기코일 | |
| JP2004134417A (ja) | 電子銃カソードの加熱用絶縁トランス |