JPH0878252A - 共振型空心変圧器 - Google Patents

共振型空心変圧器

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JPH0878252A
JPH0878252A JP6214783A JP21478394A JPH0878252A JP H0878252 A JPH0878252 A JP H0878252A JP 6214783 A JP6214783 A JP 6214783A JP 21478394 A JP21478394 A JP 21478394A JP H0878252 A JPH0878252 A JP H0878252A
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JP
Japan
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resonance
air
core
winding
conductors
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Application number
JP6214783A
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English (en)
Inventor
Chiyouko Saitou
斎藤兆古
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Otsuka Science Co Ltd
Shashin Kagaku Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Science Co Ltd
Shashin Kagaku Co Ltd
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Publication date
Application filed by Otsuka Science Co Ltd, Shashin Kagaku Co Ltd filed Critical Otsuka Science Co Ltd
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  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 共振素子を付加せず、空心変圧器の巻線構
造、或いは材料の選択により共振周波数が低く、低ノイ
ズ化が図れる小型共振型空心変圧器を実現する。 【構成】 2本以上の導線を空間的に接近させて並列配
置するとともに、同方向に電流が流れるように直列に接
続して並列配置された導線間に電位差が生ずるように
し、導線間の接続部は、該接続部により発生する磁界が
前記2本以上の導線と干渉しないように配置して空心の
一次巻線または一次・二次巻線を形成し、該一次巻線ま
たは一次・二次巻線がインダクタンスと分布容量とによ
り共振回路を形成するようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインダクタンスと導体間
の分布容量とを組み合わせ、共振素子を付加せずに実現
した共振型空心変圧器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】LSI、IC等の電子回路はDC5V程
度の低電圧で動作する。このため、商用電源を入力とす
る場合には、AC100Vを適当な電圧に変換する必要
があるが、それには、高精度で安定な直流電圧を供給す
るための電源が必要となる。この電源に、従来、スイッ
チング電源が多く用いられ、小型・軽量、高効率が望ま
れている。スイッチング電源を小型化する手法として、
従来、もっぱらスイッチング周波数の高周波化が行われ
ているが、この手法もスイッチング周波数の上昇に伴う
スイッチング・ロスとノイズの増大により、以前ほど有
効な小型化手段では無くなりつつある。そこで、現在、
数MHz帯域においても低スイッチング・ロス、低ノイ
ズを可能にすることで共振型電源が注目を集めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の共振型
電源はPWMコンバータに比べ部品に与えるストレスが
大きく、LやCの共振素子やスイッチ素子等を必要と
し、出力制御をPFM制御で行うため最低周波数に回路
定数を決定せざるを得ず、大きな共振素子を必要として
小型化の妨げとなっている。また、どの回路方式が最適
かは電源の出力容量、開発目的等により異なるうえに、
部品の開発動向に大きく左右され、当分はPWMコンバ
ータに代わる方法を特定化することはできない。一方、
従来から本発明者は、スイッチング電源を小型・軽量化
する新手法として磁性材料を全く用いない空心変圧器を
実現し、既に提案している。また、スイッチング電源の
EMC対策と小型化の観点から、空心変圧器の液体窒素
冷却を行い、低周波駆動を試み、低ノイズ・小型スイッ
チング電源の実現可能性も検討している。本発明はかか
る事情に鑑みてなされたもので、電源回路に共振素子を
付加せず、空心変圧器の巻線構造、或いはフィルム型変
圧器における基板材料の選択により、巻線自体で共振回
路を形成し、低ノイズ化を図るとともに、位相特性を改
善し、さらに共振周波数を下げることも可能な共振型空
心変圧器を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の共振型空心変圧
器は、空心の一次巻線、二次巻線からなる空心変圧器に
おいて、2本以上の導線を空間的に接近させて並列配置
するとともに、同方向に電流が流れるように直列に接続
して並列配置された導線間に電位差が生ずるようにし、
導線間の接続部は、該接続部により発生する磁界が前記
2本以上の導線と干渉しないように配置して一次巻線ま
たは一次・二次巻線を形成し、該一次巻線または一次・
二次巻線がインダクタンスと分布容量とにより共振回路
を形成するようにしたことを特徴とする。また、本発明
は、薄膜基板上に近接して形成された空心の1次巻線パ
ターン及び2次巻線パターンからなるフィルム型空心変
圧器において、前記薄膜基板に高誘電材料を添加して各
巻線パターンの分布容量を増加させ、各巻線パターンが
インダクタンスと分布容量とにより共振回路を形成する
ようにしたことを特徴とする。また、本発明は、高誘電
材料を添加した薄膜基板上に近接して形成された空心の
1次巻線パターン及び2次巻線パターンからなるフィル
ム型空心変圧器において、フィルム型空心変圧器を複数
層積層し、各層の1次巻線パターンおよび2次巻線パタ
ーンを直列または並列に接続し、各巻線パターンがイン
ダクタンスと分布容量とにより共振回路を形成するよう
にしたことを特徴とする。
【0005】
【作用】本発明は結線方式の工夫により2本以上の導線
間の分布容量を活用し、また、フィルム型トランスの基
板に高誘電材料を添加して基板上に近接して形成された
1次巻線パターンと2次巻線パターン間の分布容量を増
加させ、表皮効果により巻線間の結合を向上させて巻線
自体がインダクタンスと分布容量とにより共振回路を形
成するようにする。その結果、空心の共振型変圧器が形
成され、小型・軽量化を図ることができるとともに、分
布容量による位相特性の改善、共振特性によるノイズの
低減化、共振周波数の低周波化を図ることが可能とな
る。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。まず、本発明の共振型空心変圧器の原理か
ら説明する。共振型空心変圧器の動作原理は、一次巻線
のインダクタンスと一次巻線の各導体間の分布容量を利
用し、並列共振を実現することにある。一般に、空心変
圧器は導体の表皮効果により巻線間の結合が向上するこ
とにより動作し、図1(a)に示すように、一次・二次
巻線はそれぞれ導線を平行に巻いた構造からなり、その
ため一次巻線の導体間に分布容量が存在する。しかし、
導体間の電位差が小さい場合、その影響も小さく、図1
(b)に示すように、共振周波数は数MHz帯である。
【0007】本発明においては、図2(a)に示すよう
に、一次巻線に2本の導体を用い、一次導体間に一次電
圧の半分が加わる構造としたものである。もちろん、2
本に限らず、より本数を増やしてもよく、各導体に流れ
る電流の方向は同じにし、帰線の影響はないようにす
る。このような結線を行うと、導体間に存在する分布容
量に電圧がかかるためキャパシタとして機能し、この結
果、図2(b)に示すように、共振周波数を482kH
zに下げることができ、スイッチング電源のスイッチン
グ周波数に対応するような共振周波数にすることが可能
となる。なお、図1(b)、図2(b)において、特性
Aはインピーダンス、特性Bは位相特性をそれぞれ示し
ている。
【0008】次に、図2(a)に示す結線方式で共振回
路が形成されることについて説明する。いま、図3に示
すような円形断面の導体を有する導体に交流を通電する
場合について考える。周波数fが低い電流は、図3
(a)に示すように導体断面にほぼ一様に分布する。こ
のため、導体の電気抵抗Rは直流抵抗Rdcに等しく下限
値となる。導体のインダクタンスLは、導体の内部に分
布する電流と磁束の鎖交に起因する内部インダクタンス
inと、導体外部の磁束に起因する外部インダクタンス
out の和Lin+Lout からなる。
【0009】周波数fが高い電流は、図3(b)に示す
ように導体断面の周辺にのみ分布する。このため、導体
の電気抵抗Rは、周波数fが無限大で電流の流れる導体
の断面積が無限小となることから無限大となる。周波数
fは有限であるから、ここでは充分高い周波数fに対し
て、電気抵抗Rは極めて大きな抵抗Rmax (≫Rdc)と
する。インダクタンスLの中で導体内に電流が分布しな
いため、内部インダクタンスLinは零となるから、イン
ダクタンスは外部インダクタンスLout のみとなり、L
=Lout である。
【0010】以上のように、通電する電流の周波数fに
よって電流の分布が変化し、このため導体の抵抗Rとイ
ンダクタンスLが変化する。この様な現象を表皮効果と
呼んでいる。表皮効果による導体の抵抗Rとインダクタ
ンスLの周波数fによる変化を整理すると表1のように
なる。 簡単のため、図4(a)に示すように、同一の2本の丸
形導体を平行に配置し、図4(b)のように接続すれ
ば、両者の導体を囲む磁束が存在するため、導体1と導
体2間に相互インダクタンスMが存在する。この相互イ
ンダクタンスMは、両者の導体中の電流がそれぞれの中
心軸に対称に分布するとすれば、周波数fに無関係に一
定値をとる。実際は、コイル配置を交互に配置する方法
等によって平均的に電流をそれぞれの軸に対称に分布さ
せることは可能である。
【0011】いま、a、l、ω、μ、及びρをそれぞれ
導体の半径、長さ、励振電圧の角周波数、透磁率、抵抗
率とすれば k=a(ωμπ/2ρ)1/2 ……(1) となり、k>1の周波数で電流が各導体軸を中心に対称
に分布していると仮定すると、導体のインダクタンス
L、相互インダクタンスM、抵抗R、キャパシタンスC
は、それぞれ導体1個あたり L=Lin+Lout ≒(μl/2){(1/k) −(1/64)(1/k3)}+(μl/2π){ln(2l/a)-1} ……(2−1) M≒(μl/2π){ln(2l/a+d )-1 } ……(2−2) R≒Rd{(l/4)+k +(1/64)(1/k3)} ……(2−3) C≒επl/ln{(a+d )/a} ……(2−4) となる。ただし、ε、dはそれぞれ導体間の絶縁体の誘
電率と厚さであり、Rdは直流抵抗で、 Rd=ρl/(πa2 ) ……(3) ところで、図4(b)のように2本の導体を直列に接続
して電圧Vを加えた場合、2本の導体間の電位差は左端
から右端まで同じ電位差V/2であり、電流の方向は同
方向である。従って、図4(b)の結線は、図5(a)
→図5(b)→図5(c)のようなプロセスで図5
(c)に示すような集中定数等価回路で表され、図4
(b)の結線は、インダクタンスとキャパシタンスの並
列共振回路を形成することが分かる。
【0012】なお、図6(a)に示すような2本の導体
で帰線が影響しないような結線は、例えば、図6(b)
に示すように2本のホルマル線を接近させてソレノイド
状に巻いて同一方向に電流を流すようにし、2本の導体
を接続する線(帰りの線)により発生する磁束は、コイ
ル部分と干渉しないようにすることにより実現できる。
もちろんこのような結線は、ソレノイド型に限らず、同
軸ケーブルの内側と外側の導体を2本の導体として利用
した同軸型、2本のホルマル線をツイストして作成した
ツイスト型、1層または2層以上のフィルム基盤上にそ
れぞれ同心円状に2本の導体を設けたフィルム型等にし
てもよい。
【0013】図5(c)で示す等価回路で共振角周波数
ωr (=2πfr )と、共振時のインピーダンスZ
r は、 ωr =1/{(L+M)C}1/2 ……(4−1) Zr =R+{(L+M)/RC} =R+{1/Rωr 2 2 } ……(4−2) で与えられる。(4−1)式から共振周波数の低減はイ
ンダクタンスを増加するか、キャパシタンスを増加する
かのいずれかである。また、共振時のインピーダンス
は、インダクタンスを増加すれば大きくなり、キャパシ
タンスを増加すると小さくなる。従って、共振周波数を
低く、且つ共振時のインピーダンスを増加するにはイン
ダクタンスを増加することが最も好ましい。
【0014】次に、表1のようにNo1〜6の空心コイ
ルを試作し、各インピーダンスと位相特性を求めた。 No1〜6は、いずれも図4(b)の結線方式のもの
で、No1,2は銅線を用いてソレノイド型にコイルを
巻き、平行するコイルに共通の磁束が通るようにしたも
のであり、No3〜6は、薄いフィルム型の基板上に、
エッチング等により接近させてコイルパターンを形成し
たものであり、No3,4は1層であり、No5,6は
2層に積層して中央部で上下層を接続し、インダクタン
スの増加を図ったものである。
【0015】また、図7(a)〜図12(a)の特性
は、それぞれNo1〜6に対応し、図7(b)〜図12
(b)は、コイル径、コイル長、巻線形式はNo1〜6
と同じにし、結線方式を、図4(b)に示したような共
振型結線方式としない単純なソレノイド形式したものの
特性である。
【0016】図7〜図10(No1〜4に対応)から分
かるように、本発明によるものは単純なソレノイドの共
振周波数と比較して、約1桁程度共振周波数が低下して
いることが分かる。また、図9(a)〜図12(a)
(フィルム型)において、コイルの長さが長い程共振周
波数が低下していることが分かる。図11〜図12にお
いて、本発明の共振回路結線でも、非共振型の単純な結
線にしても、同じ周波数に主共振周波数が存在してい
る。このことは、フィルムを積層した場合、上下の線間
容量が支配的であることを意味しており、また、図11
(b)〜図12(b)に示す非共振型の場合、フィルム
の外側から内側にいくにつれて電位差が異なるため、共
振周波数が複数個存在していることが分かる。
【0017】なお、フィルム型トランスにおいて、ポリ
イミド等からなるフィルムベースにチタン酸バリウム等
の高誘電材料を添加すれば線間容量を大きくすることが
でき、特に積層型の場合には大幅に増やすことができ
る。
【0018】図13はフィルム型トランスを示してお
り、1次及び2次巻線パターンをリソグラフィ技術、エ
ッチング技術、印刷技術等によりフィルム状薄膜絶縁基
板1に2本のパターンを、近接させて円形同心軸状に形
成したもので、図13(a)に示すように2本のパター
ンを1次巻線、2次巻線とすると、これによってフィル
ム型薄膜トランスが形成され、この一枚のフィルムでも
変圧器動作は可能であるが、2枚以上のフィルムトラン
スを積層した方が低周波特性の改善、変圧比の変更等都
合がよい。
【0019】いま、パターンの中心を始点として円形同
心軸状に形成したとすると、図13(a)のパターンは
時計方向に、図13(b)のパターンは反時計方向に巻
回されていることになる。そして、ピッチ、巻回数が等
しいとすると、図13(a)、図13(b)において各
ターン毎に常に外側に位置する巻線の方が、内側に位置
する巻線よりも長くなる。そこで、図13(a)の各タ
ーン毎に常に外側に位置する巻線を1次巻線2、内側に
位置する巻線を2次巻線3としたとき、図13(b)で
は、逆に各ターン毎に常に外側に位置する巻線を2次巻
線3´、内側に位置する巻線を1次巻線2´とし、図1
3(a)と図13(b)の基板を積層し、端子2bを端
子2b´に、端子3bを端子3b´に接続し、2a、2
a´を1次端子、3a、3a´を2次端子として図13
(c)のように積層すれば、図13(a)と図13
(b)の巻線パターンによる磁束が加わり、かつ1次巻
線と2次巻線の長さを等しくすることができる。このと
き、絶縁基板1にチタン酸バリウム等の高誘電材料を添
加すると、図13(c)に示すように、各巻線間には誘
電率の高い絶縁基板1が介在することになり、巻線間の
容量を大幅に増やすことができる。
【0020】なお、図13の場合は結線方式は図4
(b)に示した共振型の結線方式になっており、一層、
共振周波数の低周波化が図れる。なお、フィルム型トラ
ンスの積層型の場合、図11、図12に示したように共
振周波数は、共振型、非共振型の何れでもほぼ同じであ
るので、絶縁基板に高誘電材料を添加する場合には、従
来方式の空心トランスの結線方法であっても適用可能で
ある。
【0021】このように、結線方式の工夫或いは積層型
のフィルムトランスにおける基板への高誘電材料の添加
により線間容量を増やすことができるので、コンデンサ
を付加せずに位相改善を行うことができ、また、過渡的
に生ずるエネルギの吸収を行うバッファ回路(スナバ回
路)を構成することができる。スナバ回路は、電気回路
において過渡的に生ずるエネルギをバイパス或いは吸収
する回路を意味し、DC−DCコンバータ、電気回路を
開閉するコンタクタ等に多く使われ、特に、線路中に蓄
えられる磁気エネルギに起因してコンタクタに発生する
アーク放電を阻止するためにRCスナバ等が多く使われ
ているが、RCスナバの代わりに本発明の共振型結線の
コイルをコンタクタに直列接続すれば、共振回路の高イ
ンピーダンスで、OFF状態に入る前の通電電流、ON
する場合の突入電流を低減することができる。
【0022】次に、本発明の共振型空心変圧器の応用例
としたDC−DCコンバータについて説明する。図14
はフライバック型DC−DCコンバータの等価回路を示
しており、共振型空心変圧器の一次・二次コイルとも共
振型結線方式を採用したものである。この回路は、入力
直流電圧V1 をFETQにより所定周波数でスイッチン
グし、共振型空心変圧器で変圧し、ダイオードD、キャ
パシタCで整流・平滑化して負荷RL に直流電圧VO
供給する。共振型変圧器は、巻線のインダクタンス
r 、キャパシタンスCr とで並列共振を起こし、イン
ピーダンスZr が最大値をとる共振角周波数ωr が存在
し、ωr 、Zr は前述した式(4−1)、(4−2)で
与えられる。そのため、変圧器巻線の漏れインダクタン
スとキャパシタンスとで、FETQのターンOFF時
に、ドレイン−ソース間電圧VDSを共振させてスパイク
電圧を除去し、正弦波状に近づける。また、FETQが
ターンON時には、式(4−2)で与えられる共振時の
高インピーダンスZr により突入電流サージを低減し、
さらに一次電流i1 を正弦波状に徐々に立ち上げること
ができ、この共振電流波形は二次巻線にも誘起される。
そのため、ダイオードDに印加される電圧も正弦波状に
徐々に立ち上がることになる。正弦波状の電圧波形に含
まれる高調波は少なく、ダイオードの逆回復特性による
短絡電流も低減でき、発生ノイズを低く抑えることが可
能である。
【0023】次に、図14で示したコンバータのノイズ
測定回路を示す図15に示す。図示するように、フライ
バック型DC−DCコンバータ回路に、従来型と共振型
空心変圧器を実装し、出力電圧(5V)にノイズとして
重畳しているスパイク電圧、リップル電圧のPeak to Pe
ak値VPPをオシロスコープで測定する。なお、FETQ
はバッファ回路を付加しないスナバレスとして用いた。
【0024】共振型空心変圧器は、電圧共振型に属する
ため、FETQのOFF時間と動作周波数設定が必要で
あり、最適値が存在しており、以下の測定では、FET
QのONデューティ比または周波数を変化させている
が、入力直流電圧V1 を制御することによりVO を5V
に保つようにした。以下の各グラフにおいて、○は本発
明の共振型空心変圧器、●は従来型のもの示している。
【0025】図16はスイッチング周波数482kHz
としたときのノイズVPPとONデューティとの関係を示
す図である。図から分かるように、共振型空心変圧器を
用いたものは、従来型に比してノイズが低減化され、F
ETQのONデューティ比を上げていくとノイズが減少
し、ONデューティ比67.5%(OFF期間t=0.
6μsec)時に、共振型空心変圧器を用いたDC−D
Cコンバータのノイズが最小となることが分かる。
【0026】図17は、図16の結果を踏まえ、FET
QのOFF期間t=0.6μsecに固定した場合のノ
イズ−周波数特性を示したものである。図から分かるよ
うに、周波数の増加と共にノイズが減少し、共振型空心
変圧器の場合においてノイズが最小になったのは、スイ
ッチング周波数482kHzの時である。これは、共振
型空心変圧器の共振周波数482kHzと一致してお
り、コンバータのスイッチング周波数を共振周波数fr
に設定することで、低ノイズ化が図れることを示してい
る。
【0027】図18は、共振周波数fr =482kHz
におけるコンバータ各部の動作波形を示したものであ
り、FETQのゲート−ソース間電圧VGS、ドレイン−
ソース間電圧VDS、一次電流i1 、二次電流i2 、出力
電圧ノイズVnoについて従来型(図18(a))、本発
明(図18(b))を示している。本発明の共振型空心
変圧器では、従来型変圧器に対してドレイン−ソース間
電圧VDSの跳ね上がり電圧が減少し、電圧振動も低周波
化した。その結果、出力電圧ノイズVnoにおいて、FE
TQがターンON時に発生するスパイク電圧ノイズのピ
ーク値が低減し、また、FETQがOFF時の電圧振動
も抑制することができた。これら各部波形からも共振型
空心変圧器によるノイズ低減効果を確認することができ
る。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、近接配置
した導体に同方向に電流を流すとともに、導体間に電位
差を与えることにより導体間のキャパシタンスを活か
し、また、フィルム型トランスの基板に高誘電材料を添
加して巻線の分布容量を増加させ、コンデンサを付加せ
ずに共振型空心変圧器を構成することができ、位相の改
善、ノイズの低減化、共振周波数を下げてスイッチング
周波数との対応を容易にとることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 共振型空心変圧器の動作原理を説明する図で
ある。
【図2】 本発明による共振型空心変圧器を説明する図
である。
【図3】 円形断面の導体を流れる電流を説明する図で
ある。
【図4】 本発明の結線方式を説明する図である。
【図5】 図4の結線方式による形成される共振回路を
示す図である。
【図6】 本発明の結線方法を説明する図である。
【図7】 並列コイル有限長ソレノイドの特性を説明す
る図である。
【図8】 ツイストコイル有限長ソレノイドの特性を説
明する図である。
【図9】 1層フィルム型トランスの特性を説明する図
である。
【図10】 1層フィルム型トランスの特性を説明する
図である。
【図11】 2層フィルム型トランスの特性を説明する
図である。
【図12】 2層フィルム型トランスの特性を説明する
図である。
【図13】 フィルム型変圧器の基板に高誘電材料を添
加した実施例を説明する図である。
【図14】 共振型空心変圧器を用いたフライバック型
DC−DCコンバータを示す図である。
【図15】 図14のコンバータのノイズ測定回路を示
す図である。
【図16】 ノイズのVPP−ONデューティ比を示す図
である。
【図17】 ノイズのVPP−周波数特性を示す図であ
る。
【図18】 フライバック型DC−DCコンバータの動
作波形を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空心の一次巻線、二次巻線からなる空心
    変圧器において、2本以上の導線を空間的に接近させて
    並列配置するとともに、同方向に電流が流れるように直
    列に接続して並列配置された導線間に電位差が生ずるよ
    うにし、導線間の接続部は、該接続部により発生する磁
    界が前記2本以上の導線と干渉しないように配置して一
    次巻線または一次・二次巻線を形成し、該一次巻線また
    は一次・二次巻線がインダクタンスと分布容量とにより
    共振回路を形成するようにしたことを特徴とする共振型
    空心変圧器。
  2. 【請求項2】 薄膜基板上に近接して形成された空心の
    1次巻線パターン及び2次巻線パターンからなるフィル
    ム型空心変圧器において、前記薄膜基板に高誘電材料を
    添加して各巻線パターンの分布容量を増加させ、各巻線
    パターンがインダクタンスと分布容量とにより共振回路
    を形成するようにしたことを特徴とする共振型空心変圧
    器。
  3. 【請求項3】 高誘電材料を添加した薄膜基板上に近接
    して形成された空心の1次巻線パターン及び2次巻線パ
    ターンからなるフィルム型空心変圧器において、フィル
    ム型空心変圧器を複数層積層し、各層の1次巻線パター
    ンおよび2次巻線パターンを直列または並列に接続し、
    各巻線パターンがインダクタンスと分布容量とにより共
    振回路を形成するようにしたことを特徴とする共振型空
    心変圧器。
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