JPH0878529A - 表面処理方法及びその装置、基板の表面処理方法、多層配線基板の形成方法、並びに液晶パネルの配向膜形成方法 - Google Patents

表面処理方法及びその装置、基板の表面処理方法、多層配線基板の形成方法、並びに液晶パネルの配向膜形成方法

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JPH0878529A
JPH0878529A JP7097470A JP9747095A JPH0878529A JP H0878529 A JPH0878529 A JP H0878529A JP 7097470 A JP7097470 A JP 7097470A JP 9747095 A JP9747095 A JP 9747095A JP H0878529 A JPH0878529 A JP H0878529A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 大気圧またはその近傍の圧力下で少なくとも
酸素を含む放電用ガス中に気体放電を生じさせ、該放電
により生成されるガス活性種によって基板6上の金属膜
7表面に金属酸化膜9を形成する。放電用ガスが少なく
とも水素または有機物を含む場合は、ガス活性種に基板
11表面の透明電極などの金属酸化膜13を曝露させて
還元する。また、液体表面での気体放電させることによ
り、液体自体を表面処理し、又はその液体を用いて基板
等を表面処理する。また、気体放電によるガス活性種を
斜め方向に当てて、液晶パネル用ガラス基板に配向膜を
形成する。 【効果】 基板上の配線や電極等の腐食を有効に防止で
きる。透明電極の透明度を維持しつつ、低抵抗化を図る
ことができる。気体放電に曝露させた液体に酸化等の表
面処理能力を付与できる。液晶パネル用ガラス基板表面
に非接触で配向膜が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被処理材の表面を酸化
・還元したり、有機物・無機物の除去又は洗浄、その他
様々に表面処理するための技術に関し、特にIC等の半
導体部品や回路基板、液晶基板等の表面や該表面に形成
された配線、電極などを表面処理する方法及び装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より半導体装置の製造分野では、様
々な表面処理技術が使用されている。例えば、はんだ付
けに使用したフラックス残渣のような有機物を除去する
場合には、有機溶剤によるウェット洗浄法や、有機物に
オゾン・紫外線などを照射して化学反応を生じさせるこ
とにより除去するドライ洗浄法がある。ウェット法の場
合には、洗浄剤が電子部品などに影響を与える虞があ
り、ドライ法では特に分子量の大きい有機物の除去能力
が低く、十分な洗浄効果を期待できない。そこで、最近
では、真空中で発生させたプラズマを用いて表面処理す
る方法が開発されている。
【0003】例えば、特開昭58−147143号公報
には、減圧環境下でマイクロ波放電により活性化させた
酸素ガスを用いてリードフレームの表面を処理し、樹脂
との密着性を向上させる方法が開示され、特開平4−1
16837号公報では、プラズマエッチング装置に1〜
10Torrの水素ガスを導入しかつ放電して酸化物を除去
する方法が示され、特開平5−160170号公報で
は、減圧した処理室内で電極に高周波電圧を印加するこ
とにより、アルゴン酸素プラズマまたは水素還元プラズ
マを発生させてリードフレームをエッチングする方法が
記載されている。
【0004】ところが、真空または減圧環境下でプラズ
マ放電を発生させる場合には、真空チャンバや真空ポン
プなどの特別な設備が必要で、装置全体が大型化・複雑
化し、高価である。また、放電時にチャンバ内を減圧さ
せかつ維持する必要があるため、処理自体に長時間を要
し、作業が面倒な割に処理能力が低いので生産性が低下
する。更に、真空中または減圧下のプラズマ放電では、
励起種に比して電子及びイオンが多いために、熱的また
は電気的ダメージを与える虞があり、処理すべき部分以
外の部分にも大きなダメージや影響を与えることにな
る。
【0005】これに対し、最近では、希ガスと僅かな反
応ガスとを大気圧下で用いてプラズマを発生させること
により、アッシング、エッチング等の様々な表面処理を
行う方法が提案されている。これらは、多くの場合に高
周波電極と被処理材との間で直接放電を発生させるもの
であるが、例えば、特開平4−334543号公報に
は、管内部でプラズマを発生させて、該管の内面や管内
を通過する流通物を処理する方法が開示され、また、特
開平3−219082号公報に記載される表面処理装置
のように、電源電極と接地電極間で放電させ、そのプラ
ズマ活性種を被処理材に噴射して成膜などする方法も知
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、半導体装置に対
する高性能化及び小型化の要請に従い、多層配線を用い
たIC部品や回路基板が多く使用されている。基板に多
層配線を形成する場合、まずホトリソグラフィ技術を用
いてアルミニウムなどの金属配線を基板上にパターニン
グして形成し、その上にSiO2などの絶縁膜を被覆す
る。この絶縁膜の上に第2の配線となる金属層を成膜
し、該金属層を同じくホトリソグラフィ技術を用いてエ
ッチングすることによって所望の配線パターンに形成す
る。ところが、SiO2膜にはピンホールが発生し易い
ため、その上に形成された金属層をパターニングする際
に、その下側の金属配線まで同時にエッチングされてし
まう虞があった。そのため、一般にSiO2膜を絶縁層
とし必要な膜厚以上に分厚く形成する方法が採用されて
いる。しかしながら、SiO2膜の成膜に多大な時間及
び手間を要し、かつコストが増大して生産性が低下する
と共に、基板自体が非常に厚くなって、基板や電子部品
の小型化・薄型化の要請に反するという問題があった。
【0007】また、液晶表示装置(LCD)には、一般
にITOなどからなる透明電極を用いたガラス基板が使
用されている。特にワープロ、パソコンなどに用いられ
る液晶表示素子の場合には、駆動時に比較的大きな電流
が流れるので、透明電極の配線抵抗が低いことが要求さ
れる。このため、従来より透明電極の膜厚を厚くする方
法が採用されているが、ITO電極は通例真空成膜法な
どによって形成されるため、その成膜時間が長く、コス
トが高くなるだけでなく、厚くすればするほど透明度が
低下して、液晶表示機能自体に影響を及ぼすという問題
があった。
【0008】これらの問題点に対し、本願発明者は、予
め下層の金属配線の表面を酸化物で被覆しておけば、仮
にその上に形成されるSiO2膜にピンホールが存在す
る場合でも、上層の金属配線をパターニングすることに
より下層の金属配線までエッチングされることが無い点
に着目した。更に、基板表面に露出する金属配線や電極
であっても、その表面を金属酸化物で被覆すれば、様々
な汚染に対して耐食性をもたせることができ、配線等の
信頼性が向上し、かつ寿命を長くすることができる。ま
た、本願発明者は、ITO電極が金属酸化物であること
から、これを還元して金属化することによって、透明電
極の膜厚を必要以上に厚くすることなく所望の低抵抗化
を達成し得る点に着目した。しかしながら、いずれの場
合にも、上述した従来の表面処理技術では実際上様々な
困難があった。
【0009】更に、液晶表示装置の製造においては、従
来液晶パネル表面に配向膜を形成するために、従来、液
晶パネルの配向膜形成方法としては、例えばポリイミド
などの電気絶縁性を有する耐熱性合成樹脂被膜を基板に
形成し、この表面を、布を巻いたローラで一方向に擦
る、即ちラビング処理することによって配向付与する方
法が採用されている。しかしながら、このように物理的
に擦る方法では、合成樹脂被膜が基板から剥離したり、
ローラに巻き付けた布や被膜表面に付着しているダスト
などのために被膜表面が損傷するなどの問題があった。
また、配向性の均一さが重要であるが、従来方法では、
配向膜の角度、液晶分子の傾きは経験や試行錯誤に頼る
面が大きく、また実際上そのバラツキも大きく、ラビン
グ処理した時点でその結果について良否を判断すること
ができない。更に、配向膜の角度を制御することは不可
能であった。
【0010】そこで、本発明の基板の表面処理方法は、
上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは、基板の表面に形成されている金
属配線や電極を、熱的または電気的ダメージを与えるこ
となく、容易に表面処理することにより、必要に応じて
耐食性を付与して配線の信頼性を向上させ、又は低抵抗
化を図ることができ、しかも、そのために真空や減圧の
ための特別な設備を必要とせず、装置全体を簡単に構成
しかつ小型化することができると共に、被処理材を安全
にかつ局所的に処理をすることができ、低コストで処理
能力が高い表面処理方法を提供することにある。
【0011】更に、本発明の目的は、かかる表面処理方
法を利用して、層間絶縁膜を必要以上に厚くすることな
く基板の薄型化を達成でき、容易にかつ低コストで信頼
性の高い多層配線基板を形成し得る方法を提供すること
にある。
【0012】また、本発明の別の目的は、真空や減圧の
ための特別な設備を必要しない比較的簡単な構成によ
り、酸化・還元だけでなく、エッチング、有機物・無機
物の除去、洗浄等の様々な表面処理を容易にかつ低コス
トで効果的に行うことができ、また必要に応じて枚葉処
理又はバッチ処理も可能な表面処理方法、およびそれを
実現するための装置を提供することにある。
【0013】本発明の更に別の目的は、特に液晶表示装
置の製造において、非接触処理により合成樹脂被膜の表
面を損傷したり剥離させることがなく、かつ均一な配向
付与を可能にする液晶パネルの配向膜形成方法を提供す
ることにある。また本発明の目的は、液晶パネルの基板
表面に配向膜を直接形成することができる方法を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した目的
を達成するためのものであり、以下にその内容を図面に
示した実施例を用いて説明する。
【0015】請求項1記載の基板の表面処理方法は、大
気圧またはその近傍の圧力下で少なくとも酸素を含むガ
ス中に気体放電を生じさせ、該放電により生成されるガ
ス活性種に基板表面に形成されている金属膜を曝露さ
せ、それによって該金属層の表面を酸化させることを特
徴とする。
【0016】請求項2記載の多層配線基板の形成方法
は、基板表面に形成された第1の金属配線を、その上に
形成した絶縁膜により被覆し、該絶縁膜の上に金属膜を
形成しかつこれをエッチングすることによって、第2の
金属配線をパターニングする工程において、第1の金属
配線上に絶縁膜を形成する前に、大気圧またはその近傍
の圧力下でガス中に気体放電を生じさせ、該放電により
生成されるガス活性種に第1の金属配線を曝露させるこ
とを特徴とする。
【0017】請求項3記載の基板の表面処理方法は、大
気圧またはその近傍の圧力下で少なくとも水素または有
機物を含むガス中に気体放電を生じさせ、該放電により
生成されるガス活性種に、基板表面に形成された金属酸
化物の層を曝露させ、それによって該金属酸化物層を還
元することを特徴とする。
【0018】請求項4記載の表面処理方法は、上述した
請求項3の特徴点に加え、気体放電を発生させるガスに
水蒸気が更に含まれていることを特徴とする。また、請
求項5記載の基板の表面処理方法は、基板表面に予め有
機物が塗布されていることを特徴とし、これに対し、請
求項6記載の基板の表面処理方法は、気体放電を生じさ
せるガス中に気化させた有機物を加えるようにしたこと
を特徴とする。
【0019】請求項7記載の表面処理方法は、液体の表
面付近において、大気圧またはその近傍の圧力下で所定
のガス中に気体放電を生じさせることを特徴とする。請
求項8記載の方法は、上述した請求項7の特徴点に加
え、気体放電を生じさせた後の液体を用いて被処理材を
表面処理し、更に請求項9記載の方法は、被処理材を液
体中に浸漬させることを特徴とする。
【0020】請求項10記載の表面処理装置は、液体の
容器と、該容器の液面付近において、大気圧またはその
近傍の圧力下で所定のガス中に気体放電を発生させる手
段と、該所定のガスを容器の液面付近に供給するための
手段とからなることを特徴とする。請求項11記載の装
置は、上述した請求項10の特徴点に加え、前記液体を
容器から循環させて清浄化する手段を更に有することを
特徴とする。請求項12記載の装置は、容器の液体中に
被処理材が浸漬され、または、請求項13記載の装置
は、容器内の液体を被処理材に向けて配給するための手
段を有することを特徴とする。
【0021】また、請求項14記載の表面処理方法は、
大気圧またはその近傍の圧力下で所定のガス中に気体放
電を生じさせ、該気体放電により生成されるガス活性種
を含むガスを液体中に供給し、この液体を用いて被処理
材を表面処理することを特徴とする。請求項15記載の
方法は、上述した請求項10の特徴点に加え、前記液体
中に被処理材を浸漬させることを特徴とする。
【0022】請求項16記載の表面処理装置は、液体の
容器と、大気圧またはその近傍の圧力下で所定のガス中
に気体放電を発生させる手段と、この放電により生成さ
れたガス活性種を含むガスを前記容器の液体中に供給す
る手段とからなることを特徴とする。請求項17記載の
装置は、上述した請求項16の特徴点に加え、容器の液
体中に被処理材が浸漬され、または、請求項18記載の
装置は、容器内の液体を被処理材に向けて配給するため
の手段を有することを特徴とする。
【0023】請求項19記載の液晶パネルの配向膜形成
方法は、大気圧又はその近傍の圧力下で所定のガス中に
気体放電を生じさせ、この放電により生成されるガス活
性種を含むガス流を、液晶パネルの基板表面に向けて、
付与しようとする配向方向に合せて斜めに噴射すること
により、ガス活性種を該基板表面に曝露させることを特
徴とする。請求項20記載の方法は、上述した請求項1
9の特徴点に加え、液晶パネルの基板表面に、配向膜と
なる合成樹脂被膜が予め形成されており、該合成樹脂被
膜にガス活性種を曝露させることを特徴とする。他方、
請求項21記載の方法は、所定のガスに常温で液体の有
機物が含まれ、その活性種により基板表面に被膜を形成
した後、大気圧又はその近傍の圧力下で第2の気体放電
を生じさせ、それにより生成される第2のガス活性種を
基板の被膜形成面に曝露させることを特徴とする。
【0024】請求項22記載の液晶パネルの配向膜形成
方法は、大気圧又はその近傍の圧力下で気体放電を生じ
させ、常温で液体の有機物を含む所定のガスを、該放電
に曝露される液晶パネルの基板表面に向けて付与しよう
とする配向方向に噴射し、該放電により生成されるガス
の活性種により該基板表面に被膜を形成することを特徴
とする。
【0025】
【作用】従って、請求項1記載の基板の表面処理方法に
よれば、比較的簡単な構成により大気圧近傍の圧力下で
気体放電を発生させることによって、酸素ラジカル、オ
ゾンなどの酸素活性種が生成され、その作用により基板
表面の金属層を酸化させて、その表面を金属酸化物で被
覆することができる。
【0026】請求項2記載の多層配線基板の形成方法に
よれば、請求項1記載の表面処理方法を利用し、第1の
金属配線の表面を金属酸化物で被覆することによって、
その上に形成される絶縁膜にピンホールが生じている場
合でも、第2の金属配線をパターニングする際に、第1
の金属配線までもエッチングされないようにすることが
できる。
【0027】請求項3記載の基板の表面処理方法によれ
ば、請求項1記載の表面処理方法と同様の比較的簡単な
構成により大気圧近傍の圧力下で気体放電を発生させる
ことによって、水素ラジカルが生成され、または有機物
が解離、電離、励起して有機物、炭素、水素のイオン励
起種等の活性種が生成され、それらの作用により基板表
面の金属酸化物層を還元して、金属化することができ
る。
【0028】更に請求項4記載の基板の表面処理方法に
よれば、気体放電を生じさせるガス中に水蒸気を含ませ
ることによって、ガス活性種による還元処理の速度を早
めることができる。また、請求項5記載の基板の表面処
理方法によれば、基板表面に有機物を塗布しておくこと
によって、気体放電による有機物の解離、電離、励起を
効果的に行わせることができ、請求項6記載の方法によ
れば、気化した有機物を気体放電の発生領域に供給する
ことによって、同様にその解離、電離、励起が促進され
て、還元処理の効果を高めることができる。
【0029】請求項7記載の表面処理方法によれば、大
気圧近傍の圧力下で気体放電により生成された活性種を
含むガスの作用により、液体の表面を処理し、または前
記ガスが液体中に混入して、該液体自体に表面処理能力
を付与することができる。更に請求項8記載の方法によ
れば、液体に付与された表面処理能力によって、放電の
発生位置と無関係に被処理材を、熱的または電気的ダメ
ージを与えることなく表面処理することができ、請求項
9記載の方法によれば、前記液体により被処理材を直接
表面処理することができる。
【0030】請求項10記載の表面処理装置によれば、
請求項7記載の方法を実現することができ、大気圧近傍
の圧力下で発生させたプラズマにより生成されたガス活
性種を容器内の液体に作用させて、該液体自体を処理
し、または該液体を介して被処理材を表面処理すること
ができる。更に請求項11記載の装置によれば、表面処
理によって液体中に生じる不純物イオンやダストなどを
除去して、液体の清浄度を高く維持することができる。
また、請求項12記載の装置によれば、かかる液体内で
被処理材を直接表面処理することができ、請求項13記
載の装置によれば、かかる液体を生成するための気体放
電の発生位置とは別の位置で被処理材を表面処理するこ
とができる。
【0031】請求項14記載の表面処理方法によれば、
気体放電により発生したガス活性種を含むガスを導入し
た液体を用いることによって、その作用により被処理材
を表面処理することができ、しかも被処理材を気体放電
の発生位置とは別の位置に用意することができるので、
被処理材の形状・寸法や個数、気体放電を発生させる環
境、その他の処理条件に対応して、処理能力を適当に調
整することができる。更に請求項15記載の方法によれ
ば、前記液体により被処理材を直接表面処理することが
できる。
【0032】請求項16記載の表面処理装置によれば、
請求項14記載の方法を実現することができ、液体の容
器と気体放電発生手段とを別個に設け、それらをガス供
給手段により接続することによって、被処理材の大き
さ、寸法・形状や他の様々な条件または必要に応じて、
液体中に供給されるガス活性種の種類・量を制御し、供
給方法を適当に変更したり、液体容器の大きさや形状を
変更することができる。更に請求項17記載の装置によ
れば、かかる液体内で被処理材を直接表面処理すること
ができ、請求項18記載の装置によれば、被処理材を所
望の位置で表面処理することができる。
【0033】また、請求項19に記載の液晶パネルの配
向膜形成方法によれば、基板表面に対して斜めにガス活
性種を作用させることによって、ガス流の向きに合せて
基板表面に非接触で配向膜を形成することができる。ま
た請求項20記載の方法によれば、基板表面の合成樹脂
被膜をガス流の向きに配向させることができ、請求項2
1記載の方法によれば、基板表面に有機物を重合させ
て、所望の配向膜を直接形成することができる。
【0034】請求項22記載の液晶パネルの配向膜形成
方法によれば、大気圧下のプラズマを用いて比較的簡単
に、基板表面に有機物を重合させて合成樹脂被膜を形成
し、かつこれを非接触で所望の向きに配向させることが
できる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の好適実施例を添付の図面につ
いて詳しく説明する。図1には、本発明による基板の表
面処理方法に使用するための装置が概略的に示されてい
る。表面処理装置1は、電源2に接続されかつ所定の間
隔をもって対向するように垂直に配置された一対の電極
3を備える。前記両電極間に画定される空間4には、ガ
ス供給装置5から放電用のガスが供給される。両電極3
のすぐ下側には、所望の表面処理を行なうための基板6
が水平に配置されている。基板6の上面には、アルミニ
ウムからなる金属配線7が形成されている。
【0036】ガス供給装置5から放電用ガスを空間4に
供給し、両電極3先端と基板6との間及びその近傍の雰
囲気を前記放電用ガスで置換する。電源2から電極3に
所定の電圧を印加すると、両電極3と基板6との間で気
体放電が発生する。この放電領域8には、プラズマによ
る前記放電用ガスの解離、電離、励起などの種々の反応
が存在する。前記放電は、基板6上面に形成されている
アルミニウムの金属配線7との間で特に強く発生する。
【0037】本実施例では、前記放電用ガスにヘリウム
と酸素との混合ガスを使用する。これにより、放電領域
8には酸素のイオン、励起種などの活性種が生成され
る。これらの活性種に曝露されることによって金属配線
7の表面が酸化され、図2Aに示すような薄い金属酸化
物の膜9が形成される。
【0038】一般に、ヘリウムなどの希ガスを大気圧ま
たはその近傍の圧力下で用いて高周波数の電圧を印加す
ると、気体放電を発生させ易くかつその放電が均一にな
り、曝露される被処理材に与えるダメージを少なくする
ことができる。また、放電用ガスとして、圧縮空気、窒
素と酸素との混合ガスを使用しても、同様に金属配線を
酸化処理することができる。また、ヘリウムはガス自体
が高価なため、製造コストが増大するので、放電開始時
のみヘリウムやアルゴンなどの希ガスを使用し、放電発
生後は圧縮空気などの適当な安価なガスに変更すること
もできる。
【0039】また、温度条件については、室温での処理
も可能であり、それによって基板の素子等に熱的ダメー
ジ等の不具合を生じさせることはない。但し、当然のこ
とながら、酸化速度を上げるためだけであれば、基板を
加熱した方がよいことは言うまでもない。
【0040】このようにして、金属配線7の表面を金属
酸化膜9で被覆した基板6は、図2Bに示されるよう
に、金属配線7の上に例えばSiO2からなる絶縁膜1
0を所定の厚さに形成する。次に、絶縁膜10の上に例
えばアルミニウムの金属膜11を被着させ、従来と同様
にホトリソグラフィ技術を用いてエッチングすることに
よって、第2層の金属配線を所望の配線パターンに形成
する。本発明によれば、上述したように下層の金属配線
の表面を酸化させて金属酸化物で被覆したので、層間絶
縁膜を電気的絶縁に必要な膜厚以上に厚く形成しなくて
も、ピンホールの有無に拘らず、上層の金属配線をエッ
チングする際に下層の金属配線がエッチングされる虞は
ない。このようにして、基板6の上に2段の多層配線を
形成することができ、更に上述した工程を繰り返すこと
によって、第3層、第4層の多層配線を形成することが
できる。
【0041】本実施例では、基板6上に形成される金属
配線7をアルミニウムとしたが、銅などの他の金属また
はITOなどからなる配線についても、同様に適用する
ことができる。また、本実施例のような多層構造の配線
でなくても、基板表面に露出する金属配線や電極を上述
したように表面処理することによって、耐食性を与える
ことができるので、汚染などに対しても信頼性が向上
し、また寿命を長くすることができる。
【0042】図3には、本発明による基板の表面処理方
法を適用するためのガラス基板12が示されている。ガ
ラス基板12は、液晶表示装置に使用するためのもので
あり、その表面には例えばITOからなる多数の透明電
極13が形成されている。この実施例では、上述した実
施例と同様に図1に示す表面処理装置を使用し、放電用
ガスとして少なくとも水素または有機物を含むガスを供
給して、電極3とガラス基板12との間で気体放電を発
生させる。このようにしてプラズマを作ることにより、
放電用ガスが水素を含む場合には、水素のイオン、励起
種などの活性種が生成され、有機物を含むガスの場合に
は、該有機物が解離、電離、励起して生成する有機物、
炭素、水素のイオン励起種などの活性種が生成される。
これらの活性種を、例えばガラス基板12の上にマスク
などの手段を配置することによって、表示領域14以外
の透明電極13の部分にのみ曝露させる。
【0043】上述したように、透明電極13は、ITO
などの金属の酸化物で形成されているので、前記活性種
の作用により還元されて金属化する。これにより、透明
電極13の電気的抵抗を小さくすることができる。従っ
て、従来のように膜厚を必要以上に厚く形成しなくて
も、液晶表示装置に使用するために良好な透明度を維持
しつつ、電極として必要な電気的性能を確保することが
できる。
【0044】また、活性種を生成するための前記有機物
は、必ずしも放電用ガスに含ませる必要がない。別の実
施例では、ガラス基板12の表面に予め塗布しておくこ
とができる。この場合には、電極3とガラス基板12と
の間の放電領域において、プラズマによりガスが解離、
電離、励起してエネルギー状態が高くなるので、塗布さ
れた前記有機物が、一部は蒸発しかつ放電に晒されて解
離、電離、励起し、上述したと同様に活性種を生成す
る。また、前記有機物の他の一部は、エネルギー状態の
高い前記ガスの活性種からエネルギーを受け取り、それ
により解離、電離、励起して同様に有機物、炭素、水素
のイオン、励起種などの活性種となる。これにより、放
電用ガスに有機物を含ませた場合と同様の還元作用が得
られる。更に別の実施例では、別個のガス供給手段を用
いて有機物を気化させた状態で放電領域に供給すること
もできる。この場合にも、上述したと同様の作用効果が
得られる。
【0045】放電用ガスが有機物を含む場合には、該有
機物が重合して、被処理材の表面に高分子の薄膜を形成
する場合がある。このような高分子薄膜の形成が好まし
くない場合には、低分子の有機物を含むガスを使用する
か、または放電用ガスに水分を含ませると好都合であ
る。
【0046】図4乃至図6には、このように放電用ガス
に水分または低分子の有機物を含ませるための具体的な
構成が示されている。図4に示す実施例では、ガス供給
装置5から表面処理装置1に放電用ガスを供給する管路
15の途中にバイパスを設けて分岐し、前記放電用ガス
の一部をバルブ16で調節してタンク17内に送り込
む。タンク17内には、水(好適には純水)または液状
の有機物18が貯溜されており、ヒータ19によって水
蒸気または前記有機物の気化ガスを発生させ易くしてい
る。タンク17内に導入された前記放電用ガスは、水蒸
気または有機物18の気化ガスを含んで管路15に戻さ
れ、ガス供給装置5から直接送給される前記放電ガスと
混合して、表面処理装置1に供給される。放電用ガスに
混合される水蒸気または有機物の量は、バルブ16の回
路及びヒータ19を調節することによって調整される。
【0047】図5に示される実施例では、ガス供給装置
5から表面処理装置1に接続された管路15の途中に噴
霧装置20が設けられ、これにタンク17から水または
液状有機物18が供給されて、霧化した状態でガス供給
装置5から送られる放電用ガスに添加される。この場合
にも、タンク17内に図4と同様のヒータを設けて加熱
することにより、水及び液状有機物の微粒化を促進する
ことができる。
【0048】図6に示す実施例では、タンク17内に貯
溜される水または液状有機物18をヒータ19によって
加熱して、水蒸気または前記液状有機物の気化ガスを発
生させ、ガス供給装置5から供給される放電ガスとは別
個の管路21によって、表面処理装置1又は放電領域8
に直接供給する。管路21はガス供給装置5と表面処理
装置1とを接続する管路15の途中に接続することがで
き、水蒸気または有機物の気化ガスを放電ガスに混合し
て放電領域に供給することもできる。
【0049】本発明の表面処理方法を用いて被処理材を
還元した場合の効果について実験を行なったところ、以
下のような結果が得られた。放電用ガスは、ヘリウムの
み、ヘリウムとプロパンとの混合ガス、ヘリウムと酸素
との混合ガス、及びヘリウムと水素との混合ガスの4種
類を使用した。放電用ガスに加える水蒸気又は有機物に
ついては、デカン(C1022)を加える場合、デカンと
水とを加える場合、及び何も加えない場合の3通りと行
った。気体放電を発生させるための電源電圧は200W
とした。また、ヘリウムの流量は毎分20リットルとし
た。この実験により得られた結果を以下の表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1において、液体の流量は、その液体を
気化させた場合のガスとしての流量を示している。ま
た、気体放電に際して少なくとも水素または有機物がガ
スまたは液体として供給されるようになっている。一般
に還元を行なう場合には、被処理材の表面に重合物が形
成されないことが好ましい。この表1から判るように、
放電用ガスに酸素を混合すると、重合を抑制することが
できるが、還元性も小さくなる。また、水分を加えるこ
とによって、還元性に影響を与えることなく、重合を抑
制できることが判る。
【0052】図7には、本発明による方法に使用される
表面処理装置の別の実施例が示されている。この表面処
理装置22は、電源23に接続された棒状の電極24
が、下向きに開放された箱形をなす金属カバー25の中
心に、絶縁取付具26によって電気的に浮いた状態で垂
直に保持されている。金属カバー25は、接地されると
共に、その内部に電極24を完全に収容し、かつその下
端部27が、電極24の先端近傍まで延長して、その下
方に開口28を画定している。この下端部27が電極2
4の対電極となる。金属カバー25内部は、放電用ガス
を供給するガス供給装置29に連通している。開口28
には、金属メッシュ30が配設され、かつその下方に表
面処理しようとする基板の被処理材が配置される。
【0053】ガス供給装置29から所定の放電用ガスを
供給し、金属カバー25内部を前記放電用ガスで置換す
る。電源23から電極24に電圧を印加すると、電極2
4の先端と金属カバー下端部27との間で気体放電が生
じる。ガス供給装置29から金属カバー25内には連続
的に放電用ガスが供給されているので、放電領域31に
生成されたガス活性種は、前記放電用ガスと共に反応性
ガス流32となって開口28から下方へ噴出される。こ
の反応性ガス流に含まれる前記ガス活性種によって、前
記基板が表面処理される。このとき、反応性ガス流32
は、前記放電により発生したイオンが金属メッシュ30
によりトラップされてニュートライズされるので、表面
処理される前記基板に与えるダメージをより少なくする
ことができる。
【0054】また、別の実施例では、金属カバー25の
下端開口28に例えばフレキシブルチューブなどの管路
を接続し、その先端に設けたノズルから反応性ガス流を
噴出させることができる。表面処理しようとする前記基
板は、表面処理装置22本体とは別個の位置に配置さ
れ、前記管路を介して前記反応性ガス流に曝露される。
これにより、被処理材である基板の形状や寸法などの処
理条件に応じて、ガス流の流量やノズルの形状等を変え
て処理を行なうことができるので、必要に応じた処理能
力の調整が可能であり、また作業性を向上させることが
できる。
【0055】図8には、本発明による表面処理方法の別
の実施例に使用するための表面処理装置が示されてい
る。この表面処理装置33は、電源34に接続されかつ
水平に配置された平板状の電極35を有する。電極35
の下側には、所定の液体36を貯溜する容器37が配置
され、かつ放電用ガスを供給するためのガス供給装置3
8が、そのガス噴出口39を電極35と液体36の液面
との間に画定される狭い空間に向けて配置されている。
容器37の底部には、電極35の対電極となる接地され
た金属板40が、電極35に対応する位置に平行に配設
されている。表面処理される被処理材41は、液体36
中に浸漬して容器37の底に、金属板40に対応する位
置に載置される。
【0056】上述した各実施例の場合と同様に、ガス供
給装置38のガス噴出口39から所定の放電用ガスを噴
出させて、電極35と液体36の液面間の前記空間を前
記放電用ガスで置換する。次に電源34から電極35に
電圧を印加すると、電極35と前記液面との間で気体放
電が発生する。この放電領域42には、プラズマによる
前記放電用ガスの活性種が生成され、該活性種が液体3
6中に混入して、被処理材41を表面処理する。
【0057】放電用ガスとして酸素を含むガス、例えば
ヘリウムと酸素との混合ガスを用いた場合には、前記気
体放電により放電領域42には酸素ラジカル、オゾンな
どの活性種が生成される。液体36が水、好適には純水
の場合には、その中に前記オゾンが混入することによっ
て液体36がオゾン水となり、被処理材41に対して過
酸化水素水と同様の酸化分解力を発揮する。これに対
し、実際に過酸化水素水を用いてウェット法により表面
処理した場合には、過酸化水素水自体が高価なために処
理コストが高くなり、しかも人体にとって有害であるた
め、取扱いに注意を要し、作業が面倒で複雑化する。本
発明によれば、低コストで十分に高い酸化処理能力を得
ることができ、かつ取扱いが簡単で作業性が向上する。
【0058】別の実施例では、放電用ガスとして、CF
4、C26、SF6などのフッ素化合物を含むガスを使用
することができる。この場合には、前記気体放電によっ
てフッ素のイオン、励起種などの活性種が生成される。
液体36に水を用いると、前記フッ素イオンが水に混入
して液体36がフッ化水素(HF)水になるので、被処
理材41の表面をエッチングすることができる。これ
は、例えばシリコンウエハのウェットエッチングにおい
て、その表面から酸化膜を除去するために使用すること
ができる。
【0059】また、放電用ガスとして窒素を含むガス、
例えば窒素の単体ガス、窒素とヘリウムとの混合ガス、
圧縮空気などを使用することができる。液体36を硫酸
とした場合には、前記気体放電により窒素のイオン、励
起種などの活性種が発生し、この窒素イオンが硫酸に混
入して硫酸過水アンモニウムに変化させる。これによ
り、液体36はアンモニア過水液と同等の洗浄能力が得
られ、被処理材41の表面に付着している有機物等を除
去することができる。特に、この方法は、基板などに形
成されたレジストをアッシング後にウェットエッチング
する場合に適用すると効果的である。
【0060】本実施例の表面処理方法によれば、上述し
たように放電用ガスと液体36とを適当に選択して組み
合わせることによって、酸化・エッチング・洗浄等の様
々な表面処理を、安価にかつ簡単に行うことができる。
そして、被処理材を浸漬する前記液体の清浄度を一定の
高いレベルに維持することによって、表面処理により発
生する物質の汚染から被処理材を保護することができ
る。このような表面処理装置の変形実施例が図9に示さ
れている。
【0061】図9の実施例では、液体36を貯溜する容
器37の両端に、それぞれ該液体の注入口43と排出口
44とが設けられ、これらを接続する循環管路45の途
中に純水再生装置46が設けられている。容器37内の
液体36は、排出口44から循環管路45を介して純水
再生装置46に送られ、被処理材41の表面処理などに
より生じる不純物イオンやダストを除去した後、注入口
43から容器37内に戻される。従って、容器37内の
液体36を常に高い清浄度に保持することができ、汚染
の虞が解消されるだけでなく、表面処理作業の途中で液
体36を取り替える必要がなく、作業性及び生産性が向
上する。純水再生装置46は、従来使用されている公知
の手段であり、活性炭、イオン交換樹脂、各種フィルタ
等からなり、これらを適宜選択して、又は組み合わせて
構成される。また、液体36が純水以外の場合には、そ
の液体の種類に対応したフィルタリング手段として構成
されかつ使用される。
【0062】図10には、同様に液体中で被処理材を表
面処理するための表面処理装置の別の実施例が示されて
いる。本実施例の表面処理装置47は、電源48に接続
された電極49と、その対電極である接地された電極5
0とが、ケーシング51内に一定の間隔をもって対向さ
せて配置されている。ケーシング51は、その一端にお
いて放電用ガスを供給するガス供給装置52に接続さ
れ、かつ他端において、液体53を貯溜する容器54内
の底部に配置された多孔板からなるノズル55に接続さ
れている。例えば基板である被処理材56は、容器54
の液体53中に浸漬して、ノズル55の上方に配置され
る。本実施例では、図示されるように、容器54の大き
さに対応して、多数の被処理材56が液体53中に垂直
に並列に配置されている。
【0063】ガス供給装置52からケーシング51内に
放電用ガスを供給し、両電極49、50間の空間を前記
放電用ガスで置換する。電源48から電極49に電圧を
印加すると、前記両電極間の空間に気体放電が発生す
る。この放電領域57において生成される前記放電用ガ
スの活性種は、ガス供給装置52から放電用ガスが連続
的に供給されることによって、反応性ガス流としてノズ
ル55に送給され、液体53中に泡状となって噴出す
る。ノズル55を容器54の底部に配置することによ
り、前記反応性ガスの気泡が液体53を攪拌する作用を
果たし、その結果液体53は前記ガス活性種がより均一
に混入して、全体的に一様に表面処理することができ
る。また、前記反応性ガスの液体53への溶解効率を増
すためには、ノズル55を構成する多孔板の穴径を細か
くすればする程好都合である。
【0064】これにより、図8及び図9の実施例と同様
に、放電用ガスの種類、及び液体53に応じて被処理材
56を酸化、エッチング、洗浄などの表面処理をするこ
とができる。しかも本実施例では、容器54とガス活性
種を生成させる放電部とを別個に離隔して設け、かつ適
当な管路を介して接続するように構成したので、処理条
件に応じて容器の大きさや放電用ガスの供給量等を調整
することによって、一度に多数の被処理材、又は様々な
形状寸法・大きさの被処理材を表面処理することができ
る。
【0065】図11及び図12には、図8及び図9の実
施例の変形例がそれぞれ示されている。これらの変形実
施例では、被処理材41が容器37の外に配置されてい
る。図8及び図9の実施例と同様に、電極35と液体3
6表面との間で発生させた気体放電により、ガス供給装
置38から供給される放電用ガスの励起活性種を生成
し、これを混入させた液体36を被処理材41に向けて
配給し、栓58で流量を制御しながら被処理材表面に流
す。本発明によれば、液体36及び前記放電用ガスの種
類を適当に組み合わせることによって、同様に被処理材
41に酸化、エッチング、アッシング等の様々な表面処
理を行うことができる。
【0066】特に図12の実施例では、図9の実施例と
同様に、液体36を純水再生装置46で再生処理しなが
ら容器37に循環させ、かつ前記励起活性種を混入させ
た液体36を容器37から被処理材41に配給する。ま
た、これらの変形例では、容器37に純水を連続的に供
給しまたは循環させて被処理材41を表面処理しなが
ら、その途中で栓58を閉じ、かつガス供給装置38か
ら供給する放電用ガスの種類を変更して液体36の性質
を変化させた後、栓58を再度開けることによって、被
処理材41に異なる表面処理を連続的に行うことができ
る。
【0067】このように図11及び図12の変形実施例
によれば、気体放電を発生させる容器37の外に被処理
材41を配置するので、その大きさや寸法・形状に対応
して容器37を変更する必要がなく、装置全体を小型化
することができる。更に、その処理能力を要求される処
理の規模に応じて容易に制御することができ、必要に応
じて枚葉処理及びバッチ処理が可能であり、コストの低
減化を図ることができる。
【0068】また図13には、本発明による表面処理方
法の別の実施例が示されている。本実施例では、液晶パ
ネル用ガラス、ウエハ基板等の比較的大型の被処理材4
1が洗浄槽59内に配置され、その中に連続的に供給さ
れる純水を用いて洗浄処理される。洗浄槽59から排出
した使用後の純水は、容器37に送られる。使用後の純
水中には、被処理材41から除去された有機物等が含ま
れ、容器37の液面に浮遊している。容器37の上方に
は、図11、図12の実施例と同様に、電源34に接続
された電極35が液面との間に僅かな間隙をもって配置
され、かつ容器37の底部に接地された電極40が配設
されている。
【0069】電極35と液体36表面との間にガス供給
装置38から放電用ガスを供給しつつ気体放電を発生さ
せ、これにより生成されるガス活性種を用いて液体36
表面を処理する。前記放電用ガスに圧縮空気、酸素とヘ
リウムまたは窒素との混合ガスを用いることによって、
容器37の液面に浮遊する前記有機物をアッシングして
除去する。このように清浄化した純水は、洗浄槽59に
送られて被処理材41の洗浄に再使用される。
【0070】このように本発明によれば、被処理材41
をその大きさ、形状、寸法に拘わらず、所望の位置に固
定した状態で、純水を循環させつつ清浄化することによ
って連続的に洗浄することができるので、特に最近の液
晶パネル用ガラス基板、ウエハの大型化に容易に対応す
ることができ、かつ枚葉処理及びバッチ処理が可能であ
る。また本発明によれば、純水以外の液体を用いて洗浄
等の処理をする場合にも、使用後の液体を同様にアッシ
ング処理を行うことによって、その清浄度を容易に回復
し、再使用することができる。
【0071】図14には、本発明による表面処理方法を
適用した液晶表示装置の配向膜形成方法が記載されてい
る。TFT、MIM(Metal Insulator Metal)、IT
O等の素子や電極パターン、またはカラーフィルタ等を
形成した液晶パネルの対向基板60の上面には、有機高
分子樹脂などの合成樹脂被膜61が塗布されている。基
板60の上方に、本発明の大気圧下でのプラズマによる
表面処理方法を適用した配向処理装置62が配置され
る。この配向処理装置は、電源63に接続された電極6
4と、その対電極として接地された電極65とを有す
る。電源側の電極64は、その全体がガラスまたはセラ
ミック等の絶縁体66によって被覆されている。絶縁体
66によって被覆された電極64と電極65とは、一定
の間隔をもって対向し、かつ図示されるように基板60
及び合成樹脂被膜61の表面に対してある角度aをもっ
て傾斜するように配置されている。角度aは、0度<a
<90度の範囲内で適当に設定される。両電極64、6
5間に画定される空間は、放電用ガスを供給するガス供
給装置67に接続されている。
【0072】ガス供給装置67から両電極64、65間
の前記空間に放電用ガスを供給しつつ、電源63から電
極64に電圧を印加すると、大気圧又はその近傍圧下の
前記空間内で気体放電が発生する。この気体放電は、前
記放電用ガスに活性種を生成させるものであれば、グロ
ー放電、コロナ放電、アーク放電等いずれの放電であっ
てもよい。電極64が絶縁体66で被覆されていること
によって、前記両電極間における放電状態を均一にする
ことができる。このとき、電源側の電極64ではなく接
地側の電極65を絶縁体で被覆しても良く、また両電極
を絶縁体で被覆しても良い。
【0073】前記気体放電により放電領域68に生成さ
れた放電用ガスの活性種は、ガス供給装置67から連続
的に供給される放電用ガスによって、反応性ガス流とし
て合成樹脂被膜61表面に角度aをもって斜め上方から
吹き付けられる。これにより、合成樹脂被膜61の表面
が、図14において右方向に配向される。更に、基板6
0を配向処理装置62に対して相対的に前後左右方向に
移動させることによって、合成樹脂被膜61全面を均一
に配向処理することができる。
【0074】図15には、本発明によるラインタイプの
配向処理装置の実施例が示されている。この配向処理装
置69は、ガス供給装置67と、図14の実施例と同様
に電源電極及び接地電極を備えた放電発生部70と、吹
出ノズル71とからなる。吹出ノズル71はガラス、セ
ラミック等の絶縁材料で形成され、所謂エアナイフのよ
うに直線上の狭幅の吹出口72を、合成樹脂被膜61を
形成した基板60の表面近傍にかつ該表面向けてある角
度a(0度<a<90度)をもって配置されている。
【0075】ガス供給装置67から所定の放電用ガスを
放電発生部70に供給し、前記電源電極に電圧を印加す
ることによって、大気圧又はその近傍の圧力下で前記放
電用ガス中に気体放電を生じさせる。この気体放電によ
って、放電発生部70内に生成された前記放電用ガスの
活性種は、ガス供給装置67から放電用ガスが連続的に
送られることによって反応性ガス流となり、図15A、
Bに示すように吹出ノズル71の先端吹出口72から、
基板60の合成樹脂被膜61の表面にその全幅に亘って
斜め上方から角度aで噴射される。
【0076】これにより、合成樹脂被膜61が図14の
実施例と同様に配向される。このとき、例えば7kg/cm
2程度の圧力で前記ガス流を強く噴射すればする程、よ
り効果的にかつ迅速に配向処理することができるので好
ましい。また、基板60を配向処理装置69に対して左
右方向に相対移動させることによって、容易に被膜61
の全面を処理することができる。また、放電発生部70
と吹出ノズル71とをフレキシブルチューブ等の適当な
管路により接続することもできる。
【0077】放電用ガスのガス種としては、圧縮空気、
窒素と酸素との混合ガス、又は酸素とヘリウムとの混合
ガス等、少なくとも酸素を含むガスを使用する。この場
合、前記気体放電によってオゾン、酸素ラジカル等の励
起活性種が生成される。放電用ガスに圧縮空気、又は窒
素と酸素との混合ガスを用いる場合、放電発生部70の
前記両電極間には、高電圧を印加する。このときの放電
はコロナ放電である。放電用ガスにヘリウムと酸素との
混合ガスを用いた場合には、例えば13.56MHzの
高周波電源を使用し、グロー放電が発生する。
【0078】図16には、本発明による液晶パネルの配
向膜形成方法の別の実施例が示されている。この実施例
では、配向処理される基板73が、接地された金属板7
4の上に載置され、かつその直ぐ上方に金属製の電極7
5が配置される。電極75は、図15の実施例の吹出ノ
ズル71と同様のエアナイフ構造からなり、ガス供給装
置67に接続された通路76と細長いスリット状の吹出
口77とを有する。
【0079】電極75は、図16に示すように基板73
に近接させて、かつその表面に対して吹出口77から放
電用ガスが斜め上方から噴出されるように配置される。
ガス供給装置67から所定の放電用ガスを通路76内に
供給し、かつ吹出口77から基板表面に噴射させつつ、
電極75に前記電源から高周波電圧を印加する。金属板
74が電極75の対電極となって、電極75先端と基板
73との間で放電が発生する。この放電領域78内で
は、前記放電用ガスの励起活性種が生成され、吹出口7
7から連続的に噴出される放電用ガスにより基板73表
面に吹き付けられる。これにより、前記基板表面に所望
の配向処理がなされる。
【0080】基板73の表面に図14、図15の実施例
のような合成樹脂被膜が予め形成されている場合には、
ヘリウムと酸素との混合ガスを使用する。この場合、上
述した実施例と同様にオゾン、酸素ラジカル等の励起活
性種が生成されて、前記合成樹脂被膜がアッシングと同
じ表面処理により配向処理される。このように本発明に
よれば、非接触で配向処理を行なうことができるので、
合成樹脂被膜の表面を損傷したり剥離させたりする虞が
なく、しかも均一な配向付与が可能となる。また、配向
膜の角度の制御は、主に前記反応性ガスを吹き付ける角
度に依存し、更に部分的には電極への印加電圧、放電用
ガスのガス種に依存するので、比較的容易に制御するこ
とができる。
【0081】別の実施例では、放電用ガスが常温で液体
の適当な有機物を含むように選択することによって、基
板表面に配向膜を直接形成することができる。例えば、
ヘリウムにデカン(C1022)を加えた場合、又はヘリ
ウムにシリコーンを加えた場合には、それぞれ樹脂膜
が、所望の配向方向に重合することによって基板73表
面に形成される。また、ヘリウムに酸素とシリコーンと
を加えた場合には、酸化ケイ素(SiO2)の膜が形成
される。
【0082】図17には、基板上に配向膜を直接形成す
るための図16の変形例が示されている。この変形例で
は、放電用ガスが吹出口77から基板73に対して略直
角に吹き付けられるように、電極75が垂直に配置され
ている。基板73は、放電と同時に左右いずれかの方向
に電極75と相対的に移動させる。これにより、基板の
移動速度を成膜速度に合せて適当に設定することによっ
て樹脂膜は斜めに成長させることができ、所望の配向膜
が得られる。
【0083】次に、実施例を用いて本発明による液晶パ
ネルの配向膜形成方法を具体的に説明する。 (実施例1)配線パターンが形成されているMIM基板
80表面のポリイミド被膜を、図18に示すスポットタ
イプの表面処理装置81を用いて、以下の条件で配向処
理した。表面処理装置81は、二重構造をなす石英管8
2の中心に電極83を配置して制御回路84を介して電
源85に接続し、石英管82の外側に配置した接地電極
86との間で放電させた。石英管82内部には、外部か
ら放電用ガスを連続的に供給し、放電領域87に生成さ
れる前記ガスの活性種を含むガス流をガス噴出口88か
ら基板80表面に対して噴出させた。基板80は、前記
ガス流に対して斜めに、θ=10〜30度の角度で配置
した。 使用ガス: 圧縮空気 ガス圧 : 3〜7Kg/cm2 使用電力: 100〜200W 処理時間: 20分
【0084】このように配向処理した基板80と従来の
ラビング処理により配向膜を形成した基板との間に液晶
を挟み、かつその両側に偏光板を配設して光を照射する
ことにより配向状態を観察した。その結果、前記ガス流
を当てた前記ポリイミド被膜の部分が、該ガス流の向き
に配向されていた。
【0085】(実施例2)同様に配線パターンを設けた
MIM基板80表面のポリイミド被膜を、図19A、B
に示されるラインタイプの表面処理装置89を用いて、
以下の条件で配向処理した。表面処理装置89は、電源
85に接続された電源90の底面にその長手方向に沿っ
て細長いガス吹出口91が開設され、その直ぐ下方を水
平に搬送される基板80表面に放電用ガスを噴出させつ
つ、前記ポリイミド被膜を直接放電に曝露させた。 使用ガス: ヘリウムと酸素との混合ガス ガス流量: ヘリウム 20リットル/分 酸素100ccm 使用電力: 100V、13.56MHz 処理時間: 1分
【0086】実施例1と同様にして前記ポリイミド被膜
の配向状態を観察したところ、基板全面に亘って良好に
配向されていた。
【0087】(実施例3)同様に配線パターンを設けた
MIM基板80表面のポリイミド被膜を、図20A、B
に示すスポットタイプの表面処理装置92を用いて、以
下の条件で配向処理した。表面処理装置92は、電源電
極93と接地電極94との間に細長いガラス管95を挟
装し、その一端から他端に向けて放電用ガスを流しなが
ら、前記両電極間で放電を発生させた。基板80は、ガ
ラス管95の前記他端付近に、該他端開口から噴出する
ガス流に対して斜めに、θ=10〜30度の角度で配置
した。 使用ガス: ヘリウムと酸素との混合ガス ガス流量: ヘリウム 20リットル/分 酸素100ccm 使用電力: 100V、13.56MHz 処理時間: 1分〜3分
【0088】実施例1と同様にして前記ポリイミド被膜
の配向状態を観察したところ、処理時間1分及び3分で
配向されていることが確認された。この実施例の場合に
は、基板80が直接放電に曝露されないので、基板にチ
ャージアップの虞がなく、かつ処理速度が比較的遅いの
で、配向処理をより容易に制御することができる。上記
実施例1〜3のいずれの場合にも、使用した放電用ガス
の種類から、基板80のポリイミド被膜に対してアッシ
ングと同じ表面処理によって配向処理が行われたものと
考えられる。
【0089】(実施例4)配線パターンを形成していな
いパイレックスガラス基板96の表面に、図21に示す
表面処理装置を用いて、以下の条件で配向膜を直接形成
した。この表面処理装置は、図16の実施例と同様の構
成を有し、電源電極75と接地電極74上のガラス基板
96との間で直接放電させる。放電用ガスは、容器98
内の常温で液体の有機物99を、ガス供給装置97から
送られるガスに制御弁100、101により適当に調整
して混入させ、電極75内部の通路76を介してガス吹
出口77から基板96表面に斜めに噴出させることによ
り、ガラス基板表面に有機物99の重合膜102を形成
した。電極75と基板96表面との間隙は1mm、基板9
6に対する電極75の傾斜角度は、θ=60度であっ
た。 使用ガス : ヘリウム ガス流量 : 20リットル/分 液体有機物: OH−変成シリコーン、シリコーンオイ
ル、n−デカン 使用電力 : 150W
【0090】重合膜102を形成した2枚の基板96間
に液晶を挟んで同様に配向状態を観察したところ、重合
膜102のガス吹出口77に近い部分103は、配向さ
れていなかったが、ガス吹出口77から遠い部分102
が配向されていた。
【0091】(実施例5)実施例4と同じガラス基板9
6の表面に以下の条件で配向膜を直接形成した。、図2
2に示すように、接地電極74上に配置したガラス基板
96表面と電源電極105との間で直接放電させ、かつ
ガス吹出口106から放電領域に横方向から放電用ガス
を噴出させた。前記放電用ガスには、実施例4と同じも
のを使用し、前記基板表面に重合膜102が形成され
た。 使用ガス : ヘリウム ガス流量 : 20リットル/分 液体有機物: OH−変成シリコーン、シリコーンオイ
ル、n−デカン 使用電力 : 150W
【0092】重合膜102は、実施例4と同様に、ガス
吹出口106に近い部分103は配向されていなかった
が、遠い部分104は配向されていた。
【0093】(実施例6)実施例4と同じガラス基板9
6の表面に、図23に示す表面処理装置を用いて、以下
の条件で配向膜を直接形成した。この表面処理装置は、
実施例4と同様に常温で液体の有機物99を混入させた
放電用ガスを誘電体107内部に供給し、該誘電体内部
の電源電極108と外部の接地電極109との間で放電
を発生させ、該放電による前記ガスの活性種を含むガス
流をガス吹出口110からガラス基板96表面に斜めに
60度の角度で噴射して、その全面に亘って重合膜11
1を形成した。この重合膜は、液晶のプレチルト角が9
0度であり、配向されていなかった。 使用ガス : ヘリウム ガス流量 : 20リットル/分 液体有機物: OH−変成シリコーン 使用電力 : 150W
【0094】次に、図24に示すように、接地電極11
2上に載置したガラス基板96を水平に搬送しながら、
電源電極113との間で直接放電させた。ガス供給装置
114から放電用ガスとして、ぬれ性向上の表面処理に
よく使用されるヘリウム、窒素、圧縮空気等を供給し
た。この結果、基板96全面において重合膜111が良
好に配向された。
【0095】(実施例7)配線パターンを設けたMIM
基板を用いて、実施例6と同一の実験を行った。前記基
板表面には、実施例と同様に良好に配向された重合膜が
形成された。
【0096】以上、本発明の好適な実施例について詳細
に説明したが、本発明は、その技術的範囲内において、
上記実施例に様々な変形・変更を加えて実施することが
できる。例えば、図1及び図7の表面処理装置において
も、図14の実施例と同様に電極を絶縁体又は誘電材料
で被覆し、より均一な放電を発生させると共に、放電に
よる電極の損耗、及びそれにより生成される物質による
被処理材の汚染を防止することができる。また、表面処
理装置の電極を平板状に形成しかつ垂直に配置すること
によって、その長手方向に直線上に放電を発生させる、
所謂ラインタイプの表面処理装置として用いることがで
きる。また、表面処理装置の電極構造として、上記実施
例のもの以外に、例えば本願出願人による特願平5−1
13204号明細書に記載されるような、誘電体材料で
形成されたガス流路内に放電用ガスを導入し、その外部
に配置した電極に高周波電圧を印加して、前記ガス流路
内に大気圧近傍の圧力下で気体放電を発生させ、それに
より生成されるガス活性種を利用して表面処理する構造
のものも、同様に使用することができる。
【0097】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0098】請求項1記載の基板の表面処理方法によれ
ば、基板表面の金属層を容易にかつ高速で、該基板の他
の部分、例えば電子部品等にダメージを与えることなく
酸化させて、その表面に金属酸化物の被膜を形成するこ
とができるので、基板上に形成された配線や電極等の腐
食を有効に防止して、電子回路の信頼性を向上させ、か
つ寿命を長くすることができる。
【0099】請求項2記載の多層配線基板の形成方法に
よれば、請求項1記載の表面処理方法を利用することに
よって、第1の金属配線の表面が金属酸化物により被覆
されて耐食性を有するので、第2の金属配線をエッチン
グする際に下側の第1の金属配線までエッチングされる
虞がなく、それらの間に形成される層間絶縁膜を、その
本来の絶縁機能以上に不必要に厚く形成する必要がなく
なり、薄くすることができるので、その成膜に要する時
間が短縮されかつコストが低減して、生産性の向上を図
ることができると共に、基板の薄型化に対応することが
できる。
【0100】また、請求項3記載の基板の表面処理方法
によれば、基板表面の金属酸化物の層を容易にかつ高速
で、該基板の他の部分、例えば電子部品等にダメージを
与えることなく還元して金属化することができるので、
この金属酸化物層がITO等の透明電極の場合には、そ
の膜厚を薄くして所望の透明度を維持しつつ、低抵抗化
を図ることにより所望の電気的性能を確保することがで
きる。
【0101】請求項7記載の表面処理方法によれば、使
用する液体及び放電用ガスを適当に選択することによっ
て、該液体に例えば、過酸化水素水、アンモニア過水液
等と同程度の酸化、エッチング、洗浄等の表面処理能力
を安価に付与し、又は洗浄等の表面処理に用いた液体自
体を簡単に清浄化して安価に再使用することができ、コ
ストの低減を図ることができると共に、取扱いが比較的
容易で安全なため、作業性が大幅に向上する。特に液体
に対する放電と該液体を用いた被処理材の表面処理とを
別個に行うことによって、被処理材の寸法・形状や場所
に拘らず表面処理が行われ、必要に応じて枚葉処理・バ
ッチ処理が可能となり、被処理材に対して異なる表面処
理を連続して行うことができ、装置の小型化及び処理能
力の向上が図られる。そして、かかる表面処理方法は、
請求項10記載の表面処理装置のように構成することに
よって、比較的簡単な構成により低コストで実現するこ
とができる。
【0102】また、請求項14記載の表面処理方法によ
れば、気体放電を生じさせる部分と被処理材を表面処理
する部分とを別個の位置に設け、これらを接続してガス
活性種を含むガスを液体に供給し、かつこれを被処理材
に用いて表面処理することができるので、処理条件、例
えば処理目的、被処理材の形状・寸法や一度に処理すべ
き個数等、または気体放電に使用するガスの種類や放電
させる環境等に応じた表面処理が可能で、処理能力を適
当に調整することができる。また、目的、用途に応じて
枚葉処理・バッチ処理を使い分けすることもでき、放電
用ガスの取扱い等処理作業が比較的容易かつ安全であ
り、生産性の向上を図ることができる。そして、かかる
表面処理方法は、請求項16記載の表面処理装置のよう
に構成することによって、比較的簡単な構成により低コ
ストで実現することができる。
【0103】請求項19記載の液晶パネルの配向膜形成
方法によれば、ガス活性種を含むガス流を基板表面に斜
めに噴射することによって、基板表面の合成樹脂被膜に
非接触で配向処理ができ、又は請求項22記載の方法に
よれば、基板表面に直接配向膜を形成できるので、従来
のように配向膜を損傷したり剥離する虞れがなく、歩留
りが向上すると共に、処理時間が短くかつ枚葉処理が可
能なため、生産性が大幅に向上し、コストの低減を図る
ことができる。
【0104】更に、本発明による表面処理方法及び装置
は、上述したいずれの場合にも、減圧環境を必要としな
いので、装置全体の構成を簡単にかつ小型化することが
できると共に、大気圧近傍の圧力下で気体放電を発生さ
せるので、電子・イオンが励起種に比して少ないから被
処理材に与えるダメージを少なくすることができ、かつ
高速度で表面処理できるので、コスト低減を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による基板の表面処理方法に使用される
表面処理装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】A図及びB図からなり、本発明による基板の表
面処理方法を用いて多層配線を形成する工程を示す図で
ある。
【図3】本発明により還元処理を行なうガラス基板を示
す平面図である。
【図4】本発明による還元処理において放電用ガスに水
蒸気または有機物の気化ガスを含ませるための構成を示
すブロック図である。
【図5】図4と異なる別の構成を示すブロック図であ
る。
【図6】図4と更に異なる別の実施例を示すブロック図
である。
【図7】本発明の表面処理方法に使用する表面処理装置
の別の実施例を示す図である。
【図8】図7とは別の表面処理方法の実施例に使用する
表面処理装置を示す図である。
【図9】図8の変形例を示す図である。
【図10】図7とは更に別の実施例に使用する表面処理
装置を示す図である。
【図11】図8の別の変形例を示す図である。
【図12】図9の変形例を示す図である。
【図13】本発明による表面処理方法の別の実施例を示
す図である。
【図14】本発明による表面処理方法を用いて液晶パネ
ルの配向膜形成方法を説明するための図である。
【図15】図Aは、ラインタイプの配向処理装置の実施
例を概略的に示す側面図、図Bはその上面図である。
【図16】図15と異なる配向処理装置の実施例を示す
図である。
【図17】図16の実施例の変形例を示す図である。
【図18】スポットタイプの表面処理装置を用いた液晶
パネルの配向処理方法を示す図である。
【図19】図Aは、液晶パネルの配向処理方法に使用す
るラインタイプの表面処理装置を示す側面図、図Bはそ
の部分断面図である。
【図20】図Aは、同じく液晶パネルの配向処理方法に
使用するスポットタイプの表面処理装置を示す側面図、
図Bはその端面図である。
【図21】本発明による液晶パネルの配向膜形成方法を
概略的に示す図である。
【図22】図21の変形例を示す図である。
【図23】本発明による液晶パネルの配向膜形成方法の
別の実施例において、その前半の工程を示す図である。
【図24】図23の実施例における後半の工程を示す図
である。
【符号の説明】
1 表面処理装置 2 電源 3 電極 4 空間 5 ガス供給装置 6 基板 7 金属配線 8 放電領域 9 金属酸化膜 10 SiO2層 11 金属膜 12 ガラス基板 13 透明電極 14 表示領域 15 管路 16 バルブ 17 タンク 18 水または液状有機物 19 ヒータ 20 噴霧装置 21 管路 22 表面処理装置 23 電源 24 電極 25 金属カバー 26 絶縁取付具 27 下端部 28 開口 29 ガス供給装置 30 金属メッシュ 31 放電領域 32 反応性ガス流 33 表面処理装置 34 電源 35 電極 36 液体 37 容器 38 ガス供給装置 39 ガス噴出口 40 金属板 41 被処理材 42 放電領域 43 注入口 44 排出口 45 循環管路 46 純水再生装置 47 表面処理装置 48 電源 49、50 電極 51 ケーシング 52 ガス供給装置 53 液体 54 容器 55 ノズル 56 被処理材 57 放電領域 58 栓 59 洗浄槽 60 基板 61 合成樹脂被膜 62 配向処理装置 63 電源 64、65 電極 66 絶縁体 67 ガス供給装置 68 放電領域 69 配向処理装置 70 放電発生部 71 吹出ノズル 72 先端吹出口 73 基板 74 金属板 75 電極 76 通路 77 吹出口 78 放電領域 80 MIM基板 81 表面処理装置 82 石英管 83 電極 84 制御回路 85 電源 86 接地電極 87 放電領域 88 ガス噴出口 89 表面処理装置 90 電源 91 ガス吹出口 92 表面処理装置 93 電源電極 94 接地電極 95 ガラス管 96 ガラス基板 97 ガス供給装置 98 容器 99 有機物 100、101 制御弁 102 重合膜 103、104 部分 105 電源電極 106 ガス吹出口 107 誘電体 108 電源電極 109 接地電極 110 ガス吹出口 111 重合膜 112 接地電極 113 電源電極 114 ガス供給装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮下 武 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 片上 悟 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧またはその近傍の圧力下で少なく
    とも酸素を含むガス中に気体放電を生じさせ、前記放電
    により生成される前記ガスの活性種に、基板に形成され
    た金属層を曝露させ、前記金属層の表面を酸化させるこ
    とを特徴とする基板の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 基板上に形成された第1の金属配線を絶
    縁膜で被覆し、前記絶縁膜の上に形成した金属膜をエッ
    チングすることによって、第2の金属配線を所望のパタ
    ーンに形成する多層配線基板の形成方法であって、 前記絶縁膜を形成する前に、大気圧またはその近傍の圧
    力下で少なくとも酸素を含むガス中に気体放電を生じさ
    せ、前記放電により生成される前記ガスの活性種に前記
    第1の金属配線を曝露させる工程を含むことを特徴とす
    る多層配線基板の形成方法。
  3. 【請求項3】 大気圧またはその近傍の圧力下で少なく
    とも水素または有機物を含むガス中に気体放電を生じさ
    せ、前記放電により生成される前記ガスの活性種に、基
    板に形成された金属酸化物の層を曝露させ、前記金属酸
    化物層を還元させることを特徴とする基板の表面処理方
    法。
  4. 【請求項4】 前記ガスが水蒸気を更に含むことを特徴
    とする請求項3記載の基板の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 前記基板の表面に予め有機物を塗布する
    ことを特徴とする請求項3または請求項4記載の基板の
    表面処理方法。
  6. 【請求項6】 前記ガス中に気化させた有機物を加える
    ことを特徴とする請求項3または請求項4記載の基板の
    表面処理方法。
  7. 【請求項7】 液体の表面付近において大気圧またはそ
    の近傍の圧力下で所定のガス中に気体放電を生じさせる
    ことを特徴とする表面処理方法。
  8. 【請求項8】 前記気体放電を生じさせた後の前記液体
    を用いて被処理材を表面処理することを特徴とする請求
    項7記載の表面処理方法。
  9. 【請求項9】 前記被処理材を前記液体に浸漬させるこ
    とを特徴とする請求項8記載の表面処理方法。
  10. 【請求項10】 液体容器と、前記容器内の液面付近に
    おいて大気圧またはその近傍の圧力下で所定のガス中に
    気体放電を生じさせる手段と、前記容器内の液面付近に
    前記所定のガスを供給するための手段とからなることを
    特徴とする表面処理装置。
  11. 【請求項11】 前記容器から前記液体を循環させて清
    浄化する手段を更に有することを特徴とする請求項10
    に記載の表面処理装置。
  12. 【請求項12】 前記容器の液体中に被処理材が浸漬さ
    れることを特徴とする請求項10又は請求項11記載の
    表面処理装置。
  13. 【請求項13】 前記容器内の前記液体を被処理材に配
    給するための手段を更に有することを特徴とする請求項
    10又は請求項11記載の表面処理装置。
  14. 【請求項14】 大気圧またはその近傍の圧力下で所定
    のガス中に気体放電を生じさせ、前記気体放電により生
    成される前記ガスの活性種を含むガスを液体中に供給
    し、前記液体を用いて被処理材を表面処理することを特
    徴とする表面処理方法。
  15. 【請求項15】 前記液体中に前記被処理材を浸漬させ
    ることを特徴とする請求項14記載の表面処理方法。
  16. 【請求項16】 液体容器と、大気圧またはその近傍の
    圧力下で所定のガス中に気体放電を発生させる手段と、
    前記気体放電により生成された前記ガスの活性種を含む
    ガスを前記容器の液体中に供給する手段とからなること
    を特徴とする表面処理装置。
  17. 【請求項17】 前記容器の液体中に被処理材が浸漬さ
    れることを特徴とする請求項16記載の表面処理装置。
  18. 【請求項18】 前記容器内の液体を被処理材に配給す
    るための手段を更に有することを特徴とする請求項16
    記載の表面処装置。
  19. 【請求項19】 液晶パネルの基板表面に配向膜を形成
    するための方法であって、 大気圧又はその近傍の圧力下で所定のガス中に気体放電
    を生じさせ、前記放電により生成される前記ガスの活性
    種を含むガス流を前記基板表面に向けて、付与しようと
    する配向方向に合せて斜めに噴射することにより、前記
    活性種を前記基板表面に曝露させることを特徴とする液
    晶パネルの配向膜形成方法。
  20. 【請求項20】 前記基板表面に合成樹脂膜が予め形成
    されており、前記合成樹脂膜に前記活性種を曝露させる
    ことを特徴とする請求項19記載の液晶パネルの配向膜
    形成方法。
  21. 【請求項21】 前記所定のガスに常温で液体の有機物
    が含まれており、前記活性種により前記基板表面に被膜
    を形成した後、大気圧又はその近傍の圧力下で第2の気
    体放電を生じさせ、それにより生成される第2のガス活
    性種を前記基板の被膜形成面に曝露させることを特徴と
    する請求項19記載の液晶パネルの配向膜形成方法。
  22. 【請求項22】 液晶パネルの基板表面に配向膜を形成
    するための方法であって、 大気圧又はその近傍の圧力下で気体放電を生じさせ、常
    温で液体の有機物を含む所定のガスを、前記放電に曝露
    される前記基板表面に向けて付与しようとする配向方向
    に噴射し、前記放電により生成される前記ガスの活性種
    により前記基板表面に被膜を形成することを特徴とする
    液晶パネルの配向膜形成方法。
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