JPH0880177A - ヘスペリジンの結晶析出防止法並びにみかん又はみかん果汁を含む液状食品の白濁防止法 - Google Patents

ヘスペリジンの結晶析出防止法並びにみかん又はみかん果汁を含む液状食品の白濁防止法

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JPH0880177A
JPH0880177A JP6255998A JP25599894A JPH0880177A JP H0880177 A JPH0880177 A JP H0880177A JP 6255998 A JP6255998 A JP 6255998A JP 25599894 A JP25599894 A JP 25599894A JP H0880177 A JPH0880177 A JP H0880177A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヘスペリジンを含む水溶液において、ヘス
ペリジンの結晶化とそれに伴う水溶液の白濁を防止す
る。 【構成】 可溶化ヘスペリジンをヘスペリジンを含む
水溶液に添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヘスペリジンを含む水溶
液の結晶析出防止法並びにみかん又はみかん果汁を含む
シラップの白濁防止法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘスペリジンはフラボノイドの一種であ
り、柑橘類、特に温州みかんに多く含まれている。ヘス
ペリジンの溶解度は水に対し0.002重量%である
が、アルカリ性水溶液に対しては1重量%以上溶解す
る。通常のみかん透明果汁及びみかん缶詰中のシラップ
の中にはヘスペリジンがそれぞれ0.03〜0.07重
量%含まれている。従って、温州みかんの透明果汁や温
州みかんの缶詰を暫く置いておくと、そのなかのヘスペ
リジンの結晶が析出して白濁を生じ、その商品価値が低
下する。
【0003】従来より、みかん缶詰の白濁を防止するた
めに、メチルセルロースを添加したり、ヘスペリジナー
ゼによりヘスペリジンを分解したりしていた。しかし、
メチルセルロースは、合成糊料の表示義務があるため、
製造者と消費者の双方から好まれない傾向にあり、又輸
出品に使用できない。ヘスペリジナーゼは、処理操作が
煩雑であり、又水の殺菌に使用されている塩素ガスによ
りヘスペリジナーゼの酵素活性が落ちる。又従来より、
みかん透明果汁の白濁を防止するために、合成吸着剤に
よりヘスペリジンを除去していた。しかし、飲用すると
きの栄養面から見ると、ヘスペリジンはビタミンPとし
ての効能が期待できるため除去をなるべく少なくするこ
とが望ましい。又、ヘスペリジン以外の成分も除去され
るので、風味上も問題がある。
【0004】本願発明者らは、水難溶性フラボノイド類
を配糖化し、可溶化フラボノイド類を生産する技術(特
願平5−256141号)を発明した。この発明によ
り、ヘスペリジンを配糖化し、可溶化ヘスペリジンを生
産することができるようになった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、ヘスペリ
ジンを含む溶液の結晶析出防止並びにみかん缶詰の白濁
防止及びみかん透明果汁飲料の白濁防止する上で、上記
従来の技術の欠点を解消することを課題とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の対象となるヘス
ペリジンは、ヘスペリチン(5,7,3’−トリヒドロ
キシ−4’−メトキシフラバノン)の7位の水酸基にル
チノース(L−ラムノシル−(α1→6)−グルコー
ス)がβ結合したものを言う。
【0007】本発明に用いる可溶化ヘスペリジンはヘス
ペリジンのグルコースの4位の位置にグルコースがα−
1,4結合で結合した化合物、そのグルコースの4位に
更にグルコースがα−1,4結合で順次1個〜10数個
結合した各化合物、又はそれらの混合物である。
【0008】可溶化ヘスペリジンは糖転移酵素をヘスペ
リジンに作用させることにより生産できる。例えば、C
GTaseすなわち、1,4−α−D−glucan;
4−α−D−(1,4−glucano)−trans
ferase(E.C.2.4.1.19)による糖転
移反応を利用して生産できる(特願平5−256141
号)。生産に用いる酵素は糖転移酵素であればいずれの
ものでも良い。但し、アルカリ域で不安定な酵素を用い
ると酵素が失活しやすく、可溶化ヘスペリジンの収量が
著しく減少するので、好ましくはアルカリ耐性のものを
用いる。
【0009】本願発明者らが開発したバチルス属のA2
−5a(工業技術院生命工学研究所菌寄託FERM P
−13864、以下本菌株という)の培養物から採取さ
れた新規のCGTaseはアルカリ域での活性を高く保
持しているため、好適に用いられる。本菌株の培養条件
及び酵素の採取方法は格別のものではない。
【0010】この新規のCGTaseを用いてヘスペリ
ジンに糖転移させるときの条件は、アルカリ域で行うこ
と以外は常法によるものと変わらず特別なものではな
い。好ましくはpH8〜11、温度20〜75℃、ドナ
ーの濃度は0.1〜30%好ましくは1〜20%、ヘス
ペリジンの濃度は0.1〜5%好ましくは0.5〜2
%、酵素は0.1〜100ユニット/mlとなるように
して反応を開始させる。反応時間は酵素活性が持続する
限り長いほど良い。反応は100℃、5分間加熱するこ
とにより停止する。
【0011】この反応液をアンバーライトXAD−16
樹脂に通し水洗後、50重量%エタノールで溶出してく
る画分を濃縮し液体状として、あるいは乾燥し粉末状と
して可溶化ヘスペリジンを得る。ここで得られる可溶化
ヘスペリジンはヘスペリジンのグルコースの4位の位置
にグルコースがα−1,4結合で順次1個から10数個
結合した各化合物の混合物である。こうして得た可溶化
ヘスペリジンを更にゲルろ過(Sephadex LH
20)により分離することにより、ヘスペリジンのグル
コースの4位の位置にグルコースがα−1,4結合で1
個、2個及び3個結合したものを得る。
【0012】なお、ドナーとしてはサイクロデキストリ
ン、マルトオリゴ糖をはじめとする各種オリゴ糖、デン
プン等のα−1,4結合を有するα−1,4グルカン類
が用いられる。
【0013】本発明に用いるみかん又はみかん果汁を含
むシラップにはみかん缶詰やみかん透明果汁等がある。
みかん缶詰とは日本農林規格で定めるものを言う。つま
り、みかん果実の外皮と種子を除き、酸、アルカリ法等
で剥皮した後、食品缶詰用金属缶に入れ、これに缶詰シ
ラップを加え閉缶後、殺菌処理を施したものである。み
かん果実として温州みかんが特に好ましいが、夏みか
ん、伊予みかん、ネーブルオレンジ等ヘスペリジンを含
む果実ならどれでもよい。又、みかん缶詰中のシラップ
とは、砂糖を主成分とする水溶液である。その他ブドウ
糖及びサイクラミン酸ナトリウム、サッカリン等の人工
甘味剤、クエン酸などの酸味剤を含んでもよい。
【0014】本発明に用いるみかん透明果汁とは、天然
果汁を圭藻土ろ過法や限外ろ過法等により透明溶液とな
った天然果汁のことである。又、白濁が問題となること
が考えられる果汁飲料や果汁入り清涼飲料、果粒入り果
実飲料も含まれる。ここで言うところの天然果汁及び果
汁飲料、果汁入り清涼飲料、果粒入り果実飲料とは日本
農林規格に定めるとおりである。つまり天然果汁は果汁
分100重量%のもの、果汁飲料は果汁分を50重量%
以上100重量%未満含有するもの、果汁入り清涼飲料
は果汁分10重量%以上50重量%未満含有するもの、
果粒入り果実飲料は果汁分を10重量%以上100重量
%未満、果粒分を5重量%以上30重量%未満のものを
いう。果汁の原料は、主として温州みかんであるが、夏
みかん、伊予みかん、ネーブルオレンジ等ヘスペリジン
を含む果実ならどれでもよい。また、果粒入り果実飲料
の果粒分については果汁原料の果肉の他、モモ果肉やパ
インアップル果肉等果汁原料以外のものでもよい。
【0015】本発明において「添加する」とは、可溶化
ヘスペリジンを粉末として、又は使用濃度の100倍か
ら10000倍の溶液を調製し加えることを言う。加え
る対象はヘスペリジンによる結晶析出及び白濁が問題と
なるヘスペリジンを含む水溶液や、みかん缶詰中のシラ
ップ、みかん透明果汁である。添加量は、ヘスペリジン
を含む水溶液では、0.001重量%から10重量%。
又、みかん缶詰シラップでは、0.001重量%から1
重量%、好ましくは0・003重量%から0.1重量
%。又、みかん透明果汁では、0.01重量%から10
重量%、好ましくは0.05重量%から0.1重量%で
ある。
【0016】
【作用】ヘスペリジンは、アルカリ性の水溶液に可溶で
あるが、中性から酸性の水溶液には溶解度が低い。その
ため、ヘスペリジンが溶解している水溶液のpHが酸性
になるとヘスペリジンが結晶として析出し水溶液が白濁
する。このヘスペリジンの結晶化に伴う溶液の白濁はヘ
スペリジンを含む溶液中のパルプ質やタンパク質等に影
響され、これらの存在下ではヘスペリジンの結晶化に伴
う白濁が促進される。可溶化ヘスペリジンはその濃度に
比例してヘスペリジンの結晶化を阻害する。そのため、
ヘスペリジンを含む水溶液のヘスペリジン結晶の生成す
る程度により可溶化ヘスペリジンの添加量を適宜決定す
る。つまり、上記の如くペクチン質やタンパク質等の存
在下では添加量を増加することとなる。又、可溶化ヘス
ペリジンは無味で、色調も無色から淡黄色であるが、高
濃度に加えるとこのわずかな色調が無視できなくなり、
又風味にも僅かな変化が感じられるようになる。そのた
め、添加対象によりそれらの変化が許容される範囲によ
り最大添加量が決定する。
【0017】
【実施例】
(実施例1)ヘスペリジンを0.12重量%含む水溶液
に、可溶化ヘスペリジンを0.001重量%、0.01
重量%、0.05重量%添加したものを試験区1、2、
3とした。又、可溶化ヘスペリジンを含まない区を対照
区とした。ヘスペリジンは、高濃度溶液(2重量%の
0.1N水酸化ナトリウム水溶液)を調製し、上記濃度
になるように添加後、1N塩酸でpHを3.0に調整し
た。可溶化ヘスペリジンはヘスペリジンのグルコースの
4位の位置にグルコースがα−1,4結合で1個結合し
たもの(以下ヘスペリジンモノグルコサイドと言う)を
用い、10重量%の水溶液を調製し上記各試験濃度にな
るように加えた。各試験液を4℃に静置し、1日毎に試
験液の一部を取り遠心分離により不溶性画分を除いた
後、上清中の水に溶けたヘスペリジン(以下、可溶性ヘ
スペリジンという)を以下に示すHPLCで定量分析し
た。 HPLCの分析条件 カラム:ODS 溶媒:アセトニトリル/水=20/80 流速:0.5ml/分 カラム温度:40℃ 検出:280nm
【0018】ヘスペリジン水溶液中の可溶性ヘスペリジ
ン量の測定結果を図1に示した。対照区では試験開始1
日後に可溶性ヘスペリジン量が0.02重量%まで減少
したのに対し、試験区1では計論開始1日後に0.05
重量%、3日後に0.03重量%、試験区2では1日後
に0.07重量%、3日後に0.04重量%であった。
又、試験区3においては試験開始3日後においても0.
1重量%の可溶性ヘスペリジンが残っていた。試験開始
時に水溶液に添加したヘスペリジンの量(総ヘスペリジ
ン量)とヘスペリジン結晶量、水溶液中の可溶性ヘスペ
リジン量の間には式1に示す関係がある。 [式1] (総ヘスペリジン量)=(ヘスペリジン結晶量)+(可
溶性ヘスペリジン量) そのため水溶液中の可溶性ヘスペリジンの減少量はヘス
ペリジン結晶の生成量に対応する。よって、以上の結果
から可溶性ヘスペリジンに水溶液中のヘスペリジンの結
晶生成を防止する効果のあることが明らかとなった。
【0019】(実施例2)みかん缶詰モデルシラップと
して、ショ糖16.7重量%、ブドウ糖3重量%、クエ
ン酸0.63重量%、ヘスペリジン0.03重量%含む
溶液に可溶化ヘスペリジンを0.001重量%、0.0
05重量%、0.01重量%加え試験区1、2、3とし
た。ここで、ヘスペリジン濃度はみかん缶詰シラップ中
の平均的な濃度より決定した。可溶化ヘスペリジンはヘ
スペリジンのグルコースの4位の位置にグルコースがα
−1,4結合で結合したもののグルコースの4位に更に
グルコースがα−1,4結合で1個結合したもの(以下
ヘスペリジンジグルコサイドという)を用い、10重量
%の水溶液を調製し上記各試験濃度になるように加え
た。これらを室温に静置し3日後及び30日後に溶液の
白濁を観察し、同時に溶液中のヘスペリジン量を前記の
HPLC(ODS)により定量した。
【0020】
【表1】
【0021】みかん缶詰シラップの白濁の観察結果を表
1に示した。この試験で可溶化ヘスペリジンを含まない
区を対象区とした。試験開始3日後には、対象区におい
て5回の繰り返し試験全てで白濁が観察されたが、可溶
化ヘスペリジンを含む試験区1、2、3では白濁が全く
観察されなかった。又、30日後においても同様の結果
であった。
【0022】みかん缶詰シラップ中のヘスペリジン濃度
をHPLC(ODS)で測定した結果を図2に示す。3
日後においては、対照区でヘスペリジン濃度の減少が見
られたが、試験区1、2、3ではほぼ試験開始時のヘス
ペリジン濃度を維持していた。このことから、可溶化ヘ
スペリジンはシラップ中のヘスペリジンの結晶化を阻害
したものであり、その結果として白濁が生じなかったも
のであることが示された。又、30日後においても同様
の結果となり、可溶化ヘスペリジンの効果が持続してい
ることが確認された。
【0023】(比較例1)みかん缶詰シラップの白濁防
止の効果が知られているβ−シクロデキストリン(β−
CD)との比較を行った。前記のみかん缶詰シラップに
0.1重量%のβ−CD(注1)を加えた試験区と、
0.1重量%の可溶化ヘスペリジンを加えた試験区とで
白濁防止効果の比較した。可溶化ヘスペリジンはヘスペ
リジンモノグルコサイドを用い、可溶化ヘスペリジン及
びβ−CDは各々の粉末を上記試験濃度となるように加
えた。それぞれのみかん缶詰シラップを調製後室温に放
置し、3日後と30日後にシラップの白濁を観察し、同
時にみかん缶詰シラップ中のヘスペリジン量を前記のH
PLC(ODS)で測定した。この際に、β−CD及び
可溶化ヘスペリジンを含まないみかん缶詰シラップを対
照区とした。 (注1)β−CDは約0.04重量%まで、その濃度に
比例してヘスペリジンの可溶化が促進されることが知ら
れている。しかし、それ以上の濃度ではヘスペリジンの
可溶化に殆ど変化がない。本試験でのβ−CDの濃度
は、そのヘスペリジン可溶化効果つまり白濁防止効果を
見るに必要十分な量である。
【0024】
【表2】
【0025】シラップの白濁の観察結果を表2に示し
た。対照区では、3日後に5処理全てで白濁が観察さ
れ、又、β−CD添加区も3日後に5処理中1処理で、
30日後に5処理中3処理で白濁が観察された。それに
比べ、可溶化ヘスペリジン添加区では30日後において
も白濁が全く観察されなかった。
【0026】又、みかん缶詰シラップ中のヘスペリジン
濃度を測定(図3)したところ対照区の3日後及び30
日後やβ−CD添加区の30日後では試験開始時の0.
035重量%から0.01重量%に減少していたが、可
溶化ヘスペリジン添加区ではヘスペリジン濃度の減少が
見られなかった。
【0027】(実施例3)みかん果汁モデル溶液とし
て、クエン酸1重量%、クエン酸三カリウム0.67重
量%、安息香酸0.1重量%、ベクチン0.2重量%、
ヘスペリジン0.15重量%含む溶液に可溶化ヘスペリ
ジンを0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%
加え試験区1、2、3とした。これらを室温に静置し、
溶液の白濁を波長660nmの濁度で測定した。可溶化
ヘスペリジンはヘスペリジンジグルコサイドを用い、1
0重量%の水溶液を調製し上記各試験濃度になるように
加えた。
【0028】溶液の白濁を経時的に測定した結果を図4
に示した。この試験で溶液中に可溶化ヘスペリジンを含
まない区を対照区とした。対照区においては試験開始1
時間後より溶液の濁度が上昇し2時間後に濁度が最大と
なったが、試験区1、2ではそれぞれ3時間後、24時
間後に濁度が最大となり、試験区3では24時間後も白
濁が観察されなかった。
【0029】みかん果汁溶液中のヘスペリジン濃度を前
記と同様にHPLC(ODS)で測定したところ(図
5)、対照区では溶液の白濁と同時にヘスペリジン濃度
の減少が見られたが、試験区1、2、3ではヘスペリジ
ン濃度の減少速度が対照区と比較して遅くなっていた。
このことから、可溶化ヘスペリジンは溶液中のヘスペリ
ジンの結晶化を阻害又は遅延させた結果白濁の発生が防
止又は遅延したものであることが示された。
【0030】(実施例4)みかん缶詰は4号缶を使用
し、1缶に温州みかん果肉290gと可溶化ヘスペリジ
ンを0.02重量%、0.05重量%、0.10重量%
加えた缶詰シラップ(糖度14から15、pH3.7か
ら3.8)160gを注入したものを試験区1、2、3
とした。これらを常法通り巻き締め、殺菌、冷却を行っ
た後、適宜振とうし室温に保管した。可溶化ヘスペリジ
ンはヘスペリジンのグルコースの4位の位置にグルコー
スがα−1,4結合で1個及び2個結合したものを1:
1で含むもの(以下混合可溶化ヘス0リジンと言う)を
用い、粉末として上記各試験濃度になるように加えた。
又、可溶化ヘスペリジン無添加及びヘスペリジナーゼ
0.05重量%加えた区をそれぞれ対照区1、2とし
た。尚、缶詰シラップ中のヘスペリジン量は前記のHP
LCで測定したところ0.03%であった。これらのみ
かん缶詰を製造3カ月後に開缶しシラップの透明度を缶
詰検査協会が公用するシリンダー型濁度計の読み数にて
検査した。
【0031】缶詰シラップ濁度の測定結果を以下に示し
た。尚、測定値は数字が小さいほど濁っていることを示
している。 ・対照区1−−− 74mm ・対照区2−−−200mm ・試験区1−−−200mm以上 ・試験区2−−−200mm以上 ・試験区3−−−200mm以上
【0032】可溶化ヘスペリジン無添加の対照区1では
3カ月後に白濁が見られたのに対し、ヘスペリジナーゼ
を添加した対照区2や可溶化ヘスペリジンを添加した試
験区1、2、3では殆ど白濁が見られなかった。又、対
照区2と試験区1、2、3との比較では、可溶化ヘスペ
リジンを添加した試験区1、2、3のほうが透明度が高
かった。以上の結果より、可溶化ヘスペリジンはみかん
缶詰シラップの白濁防止効果があり、その効果はヘスペ
リジナーゼよりも優れていることが分かった。
【0033】(実施例5)温州みかん100%の天然果
汁を遠心分離により沈殿物を除去し、遠心上清を限外ろ
過(M.W.30,000)により処理し、ヘスペリジ
ンの高濃度溶液(1重量%の0.1N水酸化ナトリウム
水溶液)でヘスペリジン濃度を0.03重量%に調整
し、透明みかん果汁を得た。この透明みかん果汁に可溶
化ヘスペリジンを0.01重量%、0.1重量%加え試
験区1、2とした。これらを4℃に静置し、試験開始後
5日後と30日後に溶液の白濁を観察した。又、可溶化
ヘスペリジンを含まない区を対照区とし、3回の繰り返
し試験を行った。可溶化ヘスペリジンは混合可溶化ヘス
ペリジンを用い、10重量%の水溶液を調製し上記各試
験濃度になるように加えた。
【0034】透明みかん果汁の白濁を観察した結果を図
6に示した。対照区においては試験開始5日後より濁度
が上昇し始め、30日後には濁度が試験開始時の10倍
になったが、試験区1、2においては試験開始5日後で
は濁度の上昇が殆ど見られず、又、30日後においても
濁度の上昇は試験区1で試験開始時の5倍、試験区2で
は試験開始時の3倍程度しか上昇しなかった。
【0035】
【発明の効果】ヘスペリジンを含む水溶液に可溶化ヘス
ペリジンを添加することにより、ヘスペリジンの結晶化
とそれに伴う水溶液の白濁を防止することができる。
【0036】みかん缶詰では、酵素処理の如き煩雑な操
作が必要とせず、容易にかつより効果的に白濁を防止す
ることができる。又メチルセルロースよりも溶解度が高
く、溶液の粘度の上昇も見られない。
【0037】透明みかん果汁においては合成吸着剤のよ
うな煩雑な操作を必要とせず、果汁に可溶化ヘスペリジ
ンを添加するという簡単な方法で白濁を防止できる。
又、ヘスペリジンを除去する必要がないので、栄養的に
も従来法より優れた透明みかん果汁を製造することが可
能となる。又、風味上も全く問題がない。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヘスペリジン水溶液中のヘスペリジン量の定
量 ▲黒四角▼ :可溶化ヘスペリジン無添加(対照区) ◇ :可溶化ヘスペリジン 0.001%添加(試験区
1) □ :可溶化ヘスペリジン 0.01 %添加(試験区
2) ○ :可溶化ヘスペリジン 0.05 %添加(試験区
3)
【図2】 みかん缶詰モデルシラップ中のヘスペリジン
の定量 対照区 :可溶化ヘスペリジン無添加 試験区1:可溶化ヘスペリジン0.001%添加 試験区2:可溶化ヘスペリジン0.005%添加 試験区3:可溶化ヘスペリジン0.01 %添加
【図3】 みかん缶詰モデルシラップ中のヘスペリジン
の定量 可溶化ヘスペリジンとβ−CDとの比較 対照区 :可溶化ヘスペリジン無添加 試験区1:0.1% 可溶化ヘスペリジン添加 試験区2:0.1% β−CD添加
【図4】 みかん果汁モデル溶液の波長660nmにお
ける濁度 ▲黒四角▼ :可溶化ヘスペリジン無添加(対照区) ◇ :可溶化ヘスペリジン0.01%添加(試験区1) □ :可溶化ヘスペリジン0.05%添加(試験区2) ○ :可溶化ヘスペリジン0.1 %添加(試験区3)
【図5】 みかん果汁モデル溶液中のヘスペリジンの定
量 ▲黒四角▼ :可溶化ヘスペリジン無添加(対照区) ◇ :可溶化ヘスペリジン0.01%添加(試験区1) □ :可溶化ヘスペリジン0.05%添加(試験区2) ○ :可溶化ヘスペリジン0.1 %添加(試験区3)
【図6】 みかん透明果汁の波長660nmにおける濁
度 ▲黒四角▼ :可溶化ヘスペリジン無添加(対照区) ◇ :可溶化ヘスペリジン0.01%添加(試験区1) ○ :可溶化ヘスペリジン0.1 %添加(試験区2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可溶化ヘスペリジンをヘスペリジンを含
    む水溶液に添加することを特徴とするヘスペリジンの結
    晶析出防止法
  2. 【請求項2】 可溶化ヘスペリジンを添加することを特
    徴とするみかん又はみかん果汁を含むシラップの白濁防
    止法
JP25599894A 1994-09-12 1994-09-12 ヘスペリジンの結晶析出防止法並びにみかん又はみかん果汁を含む液状食品の白濁防止法 Expired - Lifetime JP3536138B2 (ja)

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