JPH0881483A - アスコルビン酸−イノシトール結合体またはその塩、ならびにその製造方法 - Google Patents

アスコルビン酸−イノシトール結合体またはその塩、ならびにその製造方法

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JPH0881483A
JPH0881483A JP6216135A JP21613594A JPH0881483A JP H0881483 A JPH0881483 A JP H0881483A JP 6216135 A JP6216135 A JP 6216135A JP 21613594 A JP21613594 A JP 21613594A JP H0881483 A JPH0881483 A JP H0881483A
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一男 森崎
Masanao Sasaki
政直 佐々木
Shoichiro Ozaki
庄一郎 尾崎
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裕 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アスコルビン酸の生理・薬理作用、抗酸化作
用等の本来の有用特性を実質的に損うことなくアスコル
ビン酸の保存安定性を向上させること。 【構成】 下記式(1) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビタミンCの保存安定
性に優れた化粧品および医薬品等に適用可能な新規なア
スコルビン酸−イノシトール結合体及びその製造法およ
び用途に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種ビタミン類は生体に必須
の栄養であることはよく知られている。その内ビタミン
CであるL−アスコルビン酸は、抗酸化作用を始めとし
て、広範囲の生理・薬理作用を有するので、化粧品,医
薬品,食品等に広く用いられている。しかし、ビタミン
Cは熱や光に対して不安定で、長期間にわたって上記効
果を奏することは困難である。そのため、例えば化粧品
として使用した混合皮膚上での安定性に欠ける性質があ
り、その使用形態に制約を受けているのが実情である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、ビタミンCの持つ活性が保存によっても失われな
い、きわめて安定なビタミンC誘導体を提供するもので
ある。本発明は該誘導体の製造法も提供する。
【0004】一方、(ミオ)イノシトールは、多くの生
物の細胞で合成されている化合物で、動物では脱毛症や
脂肪肝、発育不全等の欠乏症も認められるビタミンB群
の一つであり、保湿剤、抗脂肝剤として化粧品、医薬品
等に用いられている。さらに、lP3 lP4 に代表され
るイノシトールリン酸およびPlP2 に代表されるイノ
シトールリン脂質は、細胞内セカンドメッセンジャーと
して生体内情報伝達機能に重要な役割を演じる化合物で
ある。6分子のリン酸が結合したフィチン酸は、化粧品
分野でキレート剤として用いられている。
【0005】本化合物は、生体内においてビタミンC及
びイノシトールに酵素的に分解されて、薬理的にはビタ
ミンC作用及びイノシトール作用を同時に併せ有し、さ
らに皮膚への吸収の優れた化合物であるため、医薬品、
化粧品、食品および飼料等への適用が可能である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
種々のアスコルビン酸−イノシトール結合誘導体を合成
し、その安定性を試験した結果、下記式(I):
【化14】 で表される新規なアスコルビン酸−イノシトール結合体
が優れた安定性を有し、医薬品および化粧品等に適用で
きることを見出した。
【0007】本発明の式(I)で表される化合物は、下
記式(II):
【化15】 で表される化合物と、一般式(III):
【化16】 で表される化合物とを縮合剤存在下で反応させ、一般式
(IV):
【化17】 で表される化合物を得、当該式(IV)の化合物で表さ
れる化合物と一般式(V):
【化18】 で表される化合物とを縮合剤存在下で反応させた後酸化
して、一般式(VI):
【化19】 で表される化合物を得、当該式(VI)のR2 、R3
4 及びR5 基を酸性条件下又は還元条件下で脱離させ
ることにより製造することができる。
【0008】もしくは、下記式(II):
【化20】 で表される化合物と、一般式(V):
【化21】 で表される化合物とを縮合剤存在下で反応させ、一般式
(VII):
【化22】 で表される化合物を得、当該式(VII)の化合物で表
される化合物と一般式(III):
【化23】 で表される化合物とを縮合剤存在下で反応させた後酸化
して、一般式(VI):
【化24】 で表される化合物を得、当該式(VI)のR2 、R3
4 及びR5 基を酸性条件下又は還元条件下で脱離させ
ることにより製造することができる。
【0009】式(II)で示されるホスホロアミダイト
は、例えば次のようにして調製することができる。
【0010】三ハロゲン化リンと4等量の2級アミン
(例:ジイソプロピルアミン)とを有機溶媒中−10〜
70℃で2〜30時間反応させ、ビスアミノモノハロゲ
ノホスフィンを得、これとアルコール(例:ベンジルア
ルコール)とを有機溶媒中、塩基触媒存在下−10〜3
5℃で2〜10時間反応させることにより製造すること
ができる。
【0011】即ち、これを反応式で示せば次の通りであ
る。
【0012】
【化25】 本発明において化合物(II)の製造に用いられる2級
アミンとしては、例えばジイソプロピルアミン,ジ−t
−ブチルアミン,モルホリン,チオモルホリン,ピロリ
ジン,ピペリジン,2,6−ジメチルピロリジン,ピペ
ラジン,トリメチルシリルジイソプロピルアミン,トリ
メチルシリルジイソプロピルアミン,トリメチルシリル
ジ−t−ブチルアミン等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0013】上記反応に用いられるアルコールとして
は、リン酸トリエステルを形成した際に水酸基の保護基
として作用するものであればいずれでもよいが、実用
上、メタノール,アリルアルコール,β−シクロプロピ
ルエタノール,t−ブタノール,ベンジルアルコール,
トリクロロエタノール,トリブロモエタノール,フェノ
ール等が好適なものとして挙げられる。
【0014】上記反応において用いられる有機溶媒とし
ては、反応工程中で原料、生成物、及び触媒と反応しな
い不活性溶媒が好ましく、例えば、ジエチルエーテル,
テトラヒドロフラン,ベンゼン,トルエン,キシレン,
ヘキサン等が好適なものとして挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0015】式(III)で示されるイノシトール誘導
体は、例えば次のようにして調製することができる。
【0016】酸触媒存在下、イノシトールとケトン又は
アルデヒドをジメチルホルムアミド溶媒中、トルエンで
共沸脱水しながら反応させた後、エタノール溶媒中p−
トルエンスルホン酸存在下室温で反応させ、トランス型
の保護基のみを選択的に加溶媒分解する。
【0017】得られた1,2−O−ケタール又はアセタ
ール体とハロゲン化ベンジルとを水酸化カリウム存在
下、沸騰還流下で反応させた後、80%酢酸水溶液中、
沸騰還流下で反応させ、1,2−O−保護基を加水分解
する。
【0018】得られた1,4,5,6−O−テトラ保護
体をハロゲン化ベンジルと共にベンゼン溶媒中、水酸化
ナトリウム存在下、沸騰還流下で反応させることにより
製造することができる。
【0019】即ち、これを反応式で示せば次の通りであ
る。
【0020】
【化26】 本発明において化合物(III)の製造に用いられるケ
トン及びアルデヒドとしては、例えばアセトン,シクロ
ペンタノン,シクロヘキサノン,ベンズアルデヒド,4
−メトキシベンズアルデヒド,2,4−ジメトキシベン
ズアルデヒド,4−ジメチルアミノベンズアルデヒド,
2−ニトロベンズアルデヒド等が好適なものとして挙げ
られる。
【0021】式(V)で示されるアスコルビン酸誘導体
は、例えば次のようにして調製することができる。
【0022】触媒量の無水塩化水素又は塩化アセチル存
在下で、アスコルビン酸をアセトン溶媒中室温下で反応
させる。
【0023】得られた5,6−O−イソプロピリデン−
L−アスコルビン酸をハロゲン化ベンジル又はモノハロ
ゲン化ジメチルエーテルと共にジメチルホルムアミド溶
媒中、重炭酸カリウム又は炭酸カリウム存在下で反応さ
せることにより調製することができる。
【0024】即ち、これを反応式で示せば次の通りであ
る。
【0025】
【化27】 〔式中Xは、塩素,臭素,沃素を、Rは、ベンジル基又
はメトキシメチル基を表す。〕本発明に用いられる化合
物(IV)は、例えば次のようして製造することができ
る。
【0026】式(II)で示されるホスホロアミダイト
と式(III)で示されるイノシトール誘導体とを有機
溶媒中、縮合剤存在下0〜30℃で20〜80時間、好
ましくは60〜80時間反応させることにより得る。
【0027】本発明に用いられる化合物(VII)は、
例えば次のようにして製造することができる。
【0028】式(II)で示されるホスホロアミダイト
と式(V)で示されるアスコルビン酸誘導体とを有機溶
媒中、縮合剤存在下0〜30℃で0.5〜5時間反応さ
せることにより得る。
【0029】本発明に用いられる化合物(VI)は、例
えば次のようにして製造することができる。
【0030】式(IV)で示されるホスホロアミダイト
と式(V)で示されるアスコルビン酸誘導体とを有機溶
媒中、縮合剤存在下0〜30℃で0.5〜5時間反応さ
せた後、引き続き−20〜0℃で酸化剤を添加し、1〜
5時間反応させることにより得る。
【0031】あるいは、式(VII)で示されるホスホ
ロアミダイトと式(III)で示されるイノシトール誘
導体とを有機溶媒中、縮合剤存在下0〜30℃で30〜
50時間反応させた後、引き続き−20〜0℃で酸化剤
を添加し、1〜5時間反応させることにより得る。
【0032】本発明において化合物(IV),(VI
I)及び(VI)の製造に用いられる有機溶媒として
は、反応工程中で原料、生成物及び触媒等と反応しない
不活性溶媒が好ましく、実用上、ジクロロメタン,アセ
トニトリル等が好適なものとして挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0033】上記反応において用いられる縮合触媒とし
ては、1H−テトラゾール,ジイソプロピルアンモニウ
ムテトラゾリド等が好適なものとして挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0034】本発明において化合物(VI)の製造に用
いられる酸化剤としては、過酸化水素,1−ブチルヒド
ロペルオキシド,m−クロロ過安息香酸,ジベンゾイル
ペルオキシド等の過酸化物,ヨウ素及びイオウ等が好適
なものとして挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0035】本発明の化合物(I)は、式(VI)で表
される結合体のアスコルビン酸側の5,6−O−保護基
を常法にしたがい、例えば化合物(VI)を有機溶媒に
溶解し濃塩酸を添加する等により酸性条件下で脱離さ
せ、引き続き3−O−保護基及びイノシトール側の保護
基を常法にしたがい、例えば有機溶媒に溶解し活性炭に
担持したパラジウム触媒存在下で接触水素添加する等に
より、還元条件下で脱離させることにより製造する。
【0036】又は、式(VI)で表される結合体のアス
コルビン酸側の3,5,6−O−保護基を常法にしたが
い、例えは化合物(VI)を有機溶媒に溶解し濃塩酸を
添加する等により酸性条件下で脱離させ、引き続きイノ
シトール側の保護基を常法にしたがい、例えば有機溶媒
に溶解し活性炭に担持したパラジウム触媒存在下で接触
水素添加する等により、還元条件下で脱離させることに
より製造する。
【0037】あるいは、式(VI)で表される結合体の
アスコルビン酸側の3,5,6−O−保護基及びイノシ
トール側の保護基を常法にしたがい、例えば化合物(I
V)を有機溶媒に溶解し活性炭に担持したパラジウム触
媒存在下で接触水素添加する等により、還元条件下で脱
離させることにより製造する。
【0038】以下に参考例及び実施例によって、本発明
を更に詳細に説明する。
【0039】
【参考例】
〔参考例1〕 ビス(ジイソプロピルアミノ)クロロホ
スフィンの製法 三塩化リン80gをn−ヘキサン100mlに溶解し氷
浴で0℃に冷却した。これにn−ヘキサン1リットルに
溶解したジイソプロピルアミン325mlを2時間かけ
て滴下した。その後、ゆっくりと室温まで温度を上げ、
さらに沸騰還流下30時間攪拌を行った。
【0040】冷却後、晶析したジイソプロピルアミン塩
酸塩を濾別し、n−ヘキサンで洗浄した。濾液を減圧蒸
留するとビス(ジイソプロピルアミノ)クロロホスフィ
ンの白色結晶が85g(収率55%)得られた。
【0041】得られた物質の物性値は以下の通りであっ
た。
【0042】融点:98〜100℃ 沸点:95〜100℃/0.1mmHg1 H−NMR(CDCl3 ,δ):1.28(dd,2
4H,−(CH32 ,J=7.0Hz)、2.8〜
4.5(m,4H,N−CH−,J=7.0Hz)31 P−NMR(CDCl3 ,δ):140.8 MS;(i−Pr2 N)2 PCl+ (18),(i−P
2 N)2+ (41),i−Pr2 NPCl+ (10
0),i−Pr2 NPH+ (76),i−PrNP+
(82),i−PrNPHCl+ (46) 〔参考例2〕 化合物(II)の製法 ビス(ジイソプロピルアミノ)クロロホスフィン3.0
gをジエチルエーテル30mlに溶解し−10℃に冷却
した。これにベンジルアルコール1.0g及びトリエチ
ルアミン1.1gをジエチルエーテル5mlで希釈した
溶液を0℃を越えないように5分間で滴下した。その
後、ゆっくりと温度を上げ、さらに室温下で2時間攪拌
を行った。
【0043】晶析したトリエチルアミン塩酸塩を濾別
し、0℃に冷却したn−ヘキサンで洗浄した。濾液を減
圧蒸留するとベンジルオキシビス(ジイソプロピルアミ
ノ)ホスフィンの透明油状物が3.4g(収率100
%)得られた。
【0044】得られた物質の物性値は以下の通りであっ
た。
【0045】融点:14〜15℃1 H−NMR(CDCl3 ,δ):1.15(d,24
H,−(CH32,J=7.0Hz)、2.9〜4.
1(m,4H,N−CH−,J=7.0Hz)、4.6
7(d,2H,Ph−CH2 −O,J=7.0Hz)、
7.30(s,5H,−C65 ) 〔参考例3〕 DL−1,2−O−シクロヘキシリデン
−myo−イノシトール製法 ジィーン・スターク(Dean−Stark)を付した
反応器にmyo−イノシトール47.0gおよびシクロ
ヘキサノン410mlをジメチルホルムアミド460m
lおよびトルエン100mlに懸濁させた後、10%パ
ラトルエンスルホン酸/ジメチルホルムアミド溶液12
mlを添加し、沸騰還流下で11時間攪拌した。途中、
2時間おきに10%パラトルエンスルホン酸/ジメチル
ホルムアミド溶液を12mlづつ4回添加し、生成水
(26.5ml)を分離除去した。
【0046】減圧下溶媒を留去した後、残差をエタノー
ル1リットルに溶解し、不溶物を濾去した。濾液から晶
析した結晶を濾別し、1%トリエチルアミン/エタノー
ル溶液で洗浄した後乾燥すると、DL−1,2−O−シ
クロヘキシリデン−myo−イノシトールの綿状白色結
晶が66.6g(収率98%)得られた。
【0047】得られた物質の物性値は以下の通りであっ
た。
【0048】融点:176〜177℃1 H−NMR(D2 O,δ):1.2〜1.7(m,1
0H,>CC510)、3.2(dd,1H,J12
2.75Hz,J16=9.45Hz)、3.3(t,1
H,J54=J56=9.45Hz)、3.4(dd,1
H,J32=2.75Hz,J34=9.45Hz)、3.
5(t,1H,J61=J65=9.45Hz)、3.8
(t,1H,J45=J43=9.45Hz)、4.2
(t,1H,J21=J23=2.75Hz) 〔参考例4〕 DL−1,4,5,6−テトラ−O−ベ
ンジル−myo−イノシトールの製法 DL−1,2−O−シクロヘキシリデン−myo−イノ
シトール6.3gおよび水酸化カリウム17.9gを塩
化ベンジル31.5mlに懸濁させ、沸騰還流下で2時
間攪拌した。反応終了後、水50mlを添加し、塩化メ
チレンで3回抽出した。減圧下溶媒を留去すると、山吹
色油状物が21.6g得られた。
【0049】この油状物を80%酢酸水溶液に溶解し、
沸騰還流下4時間還流した。減圧下溶媒を留去した後、
残差をトルエン17.5mlに溶解し、攪拌しながらn
−ヘキサン50mlを滴下した。晶析した結晶を濾別
し、トルエン/n−ヘキサンの混合溶媒で洗浄した後乾
燥すると、DL−1,4,5,6−テトラ−O−ベンジ
ル−myo−イノシトールの白色粉末結晶が5.4g
(収率83%)得られた。
【0050】得られた物質の物性値は以下の通りであっ
た。
【0051】融点:127〜128℃1 H−NMR(CDCl3 ,δ):3.4(dd,1
H,J12=2.75Hz,J16=9.45Hz)、3.
4(t,1H,J54=J56=9.45Hz)、3.5
(dd,1H,J32=2.75Hz,J34=9.45H
z)、3.8(t,1H,J61=J65=9.45H
z)、4.0(t,1H,J45=J43=9.45H
z)、4.2(t,1H,J21=J23=2.75H
z)、4.6〜5.0(m,8H,Ph−CH2 O)、
7.1(s,20H,−C65 ) 〔参考例5〕 化合物(III)の製法 DL−1,4,5,6−テトラ−O−ベンジル−myo
−イノシトール10.8gおよび塩化ベンジル3.8g
をベンゼン200mlに溶解した後、水酸化ナトリウム
10.8gを添加し、沸騰還流下で5時間攪拌した。
【0052】反応液に水500mlを加え、ジエチルエ
ーテルで抽出した。飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去すると淡黄色
結晶が13.1g得られた。
【0053】これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
に付し、n−ヘキサン/酢酸エチル(10:1)の混液
で溶出することにより精製すると、1,3,4,5,6
−ペンタ−O−ベンジル−myo−イノシトールの白色
粉末結晶が10.0g(収率79%)得られた。
【0054】得られた物質の物性値は以下の通りであっ
た。
【0055】融点:128〜129℃1 H−NMR(CDCl3 ,δ):3.4(dd,1
H,J12=2.75Hz,J16=9.45Hz)、3.
4(dd,1H,J32=2.75Hz,J34=9.45
Hz)、3.5(t,1H,J54=J56=9.45H
z)、4.0(t,1H,J61=J65=9.45H
z)、4.0(t,1H,J45=J43=9.45H
z)、4.2(t,1H,J21=J23=2.75H
z)、4.6〜5.0(m,10H,Ph−CH2
O)、7.1(s,25H,−C65 ) 〔参考例6〕 化合物(V)の製法 5,6−O−イソプロピリデン−L−アスコルビン酸2
1.6gをジメチルホルムアミド50mlに溶解し、重
炭酸カリウム10.2g及び18−クラウン−6−エー
テル1.5gを加えた。これに臭化ベンジル17.1g
を加え、室温下で45時間攪拌を行った。
【0056】反応終了後、反応液に酢酸エチル100m
lを加え、水及び飽和食塩水で3回づつ洗浄した。有機
層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を
留去した。残留物をイソプロピルエーテルから再結晶す
ると、3−O−ベンジル−5,6−O−イソプロピリデ
ン−L−アスコルビン酸の白色粉末結晶が15.5g
(収率51%)得られた。
【0057】得られた物質の物性値は以下の通りであっ
た。
【0058】融点:105〜106℃ IR:1695,1764cm-1 1 H−NMR(CDCl3 ,δ):1.37(d,6
H,C−(CH32,J=8.24Hz)、3.26
(d,1H,−OH,J=5.18Hz)、4.06
(m,2H,J6a5 =6.72Hz,J6b5 =8.54
Hz,J6a6b=24.3Hz)、4.25(ddd,1
H,J54=3.66Hz,J56a =6.72Hz,J
56b =9.96Hz)、4.57(d,1H,J45
3.66Hz)、5.51(s,2H,Ph−CH2
O)、7.2(s,5H,−C65 ) 〔α〕20 D :+22°(C=1,メタノール)
【0059】
【実施例】
〔実施例1〕 化合物(IV)の合成 1,3,4,5,6−ペンタ−O−ベンジル−myo−
イノシトール3.15gおよび1H−テトラゾール0.
39gを秤り取り十分に窒素置換を行った後、乾燥塩化
メチレン30mlに溶解した。これに、ベンジルオキシ
ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスフィン2.1mlを
添加し、室温下で3日間攪拌を行った。
【0060】反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水で
および飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで
乾燥した後、減圧下溶媒を留去した。
【0061】これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
に付し、n−ヘキサン/トリエチルアミン(50:1)
の混液で溶出することにより精製すると、2−O−ベン
ジルオキシジイソプロピルアミノホスフィン−1,3,
4,5,6−ペンタ−O−ベンジル−myo−イノシト
ールの白色粉末結晶が2.60g(収率60%)得られ
た。
【0062】得られた物質の物性値は以下の通りであっ
た。
【0063】1H−NMR(CDCl3 ,δ):1.1
5(dd,12H,−(CH32 ,J=7.0H
z)、3.2〜3.8(m,2H,N−CH−)、3.
4(dd,1H,J12=2.75Hz,J16=9.45
Hz)、3.4(dd,1H,J32=2.75Hz,J
34=9.45Hz)、3.5(t,1H,J54=J56
9.45Hz)、4.0(t,1H,J61=J65=9.
45Hz)、4.0(t,1H,J45=J43=9.45
Hz)、4.2(t,1H,J21=J23=2.75H
z)、4.6〜5.0(m,8H,Ph〜CH2
O)、5.15(d,2H,Ph−CH2 −O,J=
7.60Hz)、5.48(s,2H,Ph−CH2
O)、7.30(s,30H,−C65 ) 〔実施例2〕 化合物(VI)の合成 2−O−ベンジルオキシジイソプロピルアミノホスフィ
ン−1,3,4,5,6−ペンタ−O−ベンジル−my
o−イノシトール2.60g,1H−テトラゾール0.
95gおよび3−O−ベンジル−5,6−O−イソプロ
ピリデン−L−アスコルビン酸1.05gを秤り取り十
分に窒素置換を行った。乾燥塩化メチレン30mlに溶
解した後、室温下で4日間攪拌を行った。
【0064】反応液を氷浴で0℃に冷却した後、m−ク
ロロ過安息香酸3.70gを添加した。氷浴を除き、引
き続き1時間攪拌を行った。
【0065】反応液に酢酸エチルを加え、10%亜硫酸
ナトリウム水溶液、飽和重曹水でおよび飽和食塩水で洗
浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下溶媒
を留去した。
【0066】残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィに付し、n−ヘキサン/酢酸エチル(3:1)の混液
で溶出することにより精製すると、3−O−ベンジル−
5,6−O−イソプロピリデン−2−(1,3,4,
5,6−ペンタ−O−ベンジル−myo−イノシトール
−2−リン酸ベンジル)−L−アスコルビン酸の白色結
晶が2.05g(収率64%)得られた。
【0067】得られた物質の物性値は以下の通りであっ
た。
【0068】1H−NMR(CDCl3 ,δ):1.3
4(d,6H,C−(CH32,J=6.41H
z)、3.50(dd,1H,J1’2’=2.44H
z,J1’6’=9.46Hz)、3.52(t,1
H,J5’4’=J5’6’=9.46Hz)、3.5
4(dd,1H,J3’2’=2.44Hz,J3’
4’=9.46Hz)、3.89(m,2H,J6a5
6.7Hz,J6b5 =8.64Hz,J6a6b=24.3
Hz)、3.95(t,1H,J6’1’=J6’5’
=9.46Hz)、4.22(ddd,1H,J54
3.66Hz,J56a =6.72Hz,J56b =8.9
6Hz)、4.15(t,1H,J4’5’=J4’
3’=9.46Hz)、4.55(d,1H,J45
3.66Hz)、4.58,4.64(ABq,2H,
Ph−CH2 −O,JPH=10.68Hz)、4.79
(d,2H,Ph−CH2 −O,J=11.60H
z)、4.84,4.86(ABq,2H,Ph−CH
2 −O,JPH=10.68Hz)、4.87,4.92
(ABq,2H,Ph−CH2 −O,JPH=10.68
Hz)、4.8〜5.0(m,4H,Ph−CH2
O)、5.49(ddd,1H,J2’1’=J2’
3’=2.75Hz,JPH=11.29Hz)、5.8
1(d,2H,Ph−CH2 −O,J=11.60H
z)、7.2〜7.5(m,35H,−C6511 P−NMR(CDCl3 ,δ):−4.34 〔実施例3〕 化合物(VII)の合成 3−O−ベンジル−5,6−O−イソプロピリデン−L
−アスコルビン酸1.53gおよび1H−テトラゾール
0.40gを秤り取り十分に窒素置換を行った後、乾燥
塩化メチレン30mlに溶解した。これに、ベンジルオ
キシビス(ジイソプロピルアミン)ホスフィン2.1m
lを添加し、室温下で1時間攪拌を行った。
【0069】反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水で
および飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで
乾燥した後、減圧下溶媒を留去した。
【0070】これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
に付し、n−ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン
(50:2:1)の混液で溶出することにより精製する
と、3−O−ベンジル−2−O−ベンジルオキシジイソ
プロピルアミノホスフィン−5,6−O−イソプロピリ
デン−L−アスコルビン酸の透明油状物が2.61g
(収率96%)得られた。
【0071】得られた物質の物性値は以下の通りであっ
た。
【0072】1H−NMR(CDCl3 ,δ):1.1
5(dd,12H,−(CH32 ,J=6.9H
z)、1.39(s,6H,C−(CH32 )、3.
2〜3.8(m,2H,N−CH−)、3.89(m,
2H,J6a5 =6.71Hz,J6b5 =8.64Hz,
6a6b=24.3Hz)、4.22(ddd,1H,J
54=3.66Hz,J56a =6.72Hz,J56b
8.96Hz),4.55(d,1H,J45=3.66
Hz),5.15(d,2H,Ph−CH2 −O,J=
7.60Hz)、5.50(s,2H,Ph−CH2
O),7.2〜7.5(m,10H,−C65 ) 〔実施例4〕 化合物(VI)の合成 3−O−ベンジル−2−O−ベンジルオキシジイソプロ
ピルアミノホスフィン−5,6−O−イソプロピリデン
−L−アスコルビン酸2.61g,1H−テトラゾール
1.75gおよび1,3,4,5,6−ペンタ−O−ベ
ンジル−myo−イノシトール2.52gを秤り取り十
分に窒素置換を行った。乾燥塩化メチレン30mlに溶
解した後、室温下で4日間攪拌を行った。
【0073】反応液を氷浴で0℃に冷却した後、m−ク
ロロ過安息香酸3.70gを添加した。氷浴を除き、引
き続き1時間攪拌を行った。
【0074】反応液に酢酸エチルを加え、10%亜硫酸
ナトリウム水溶液、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄
した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下溶媒を
留去した。
【0075】残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィに付し、n−ヘキサン/酢酸エチル(3:1)の混液
で溶出することにより精製すると、3−O−ベンジル−
5,6−O−イソプロピリデン−2−(1,3,4,
5,6−ペンタ−O−ベンジル−myo−イノシトール
−2−リン酸ベンジル)−L−アスコルビン酸の白色結
晶が2.11g(収率49%)得られた。
【0076】〔実施例5〕 化合物(I)の製法 3−O−ベンジル−5,6−イソプロピリデン−2−
(1,3,4,5,6−ペンタ−O−ベンジル−myo
−イノシトール−2−リン酸ベンジル)−L−アスコル
ビン酸2.0gをテトラヒドロフラン100mlに溶解
した後、濃塩酸10mlを添加し室温下で23時間攪拌
した。
【0077】減圧下溶媒を留去した後、残留物を酢酸エ
チルに溶解し、飽和重曹水で洗浄した。無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去した。
【0078】残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィに付し、n−ヘキサン/酢酸エチル(1:1)の混液
で溶出することにより精製すると、3−O−ベンジル−
2−O−(1′,3′,4′,5′,6′−ペンタ−O
−ベンジル−myo−イノシトール−2−リン酸ベンジ
ル)−L−アスコルビン酸の白色粉末結晶が1.56g
(収率81%)得られた。
【0079】これをメタノール100mlに溶解した
後、5%パラジウム−炭素0.4gを添加した。反応器
内を水素置換した後、室温下で1.5時間攪拌した。
【0080】Pd/C触媒を濾別した後、減圧下溶媒を
留去すると、2−O−(myo−イノシトール−2−リ
ン酸)−L−アスコルビン酸の白色粉末結晶が0.60
g(収率100%)得られた。
【0081】得られた物質の物性値は以下の通りであっ
た。
【0082】13C−NMR(DMSO−d6,δ):4
8.58,61.74,61.94(6位),68.3
8(5位),68.70,72.74,74.56,7
5.07(4位),95.40,117.96(2
位),152.79(3位),170.58(1位)31 P−NMR(DMSO−d6,δ):−4.01 〔実施例6〕 化合物(I)−ナトリウム塩の製法 3−O−ベンジル−2−O−(1′,3′,4′,
5′,6′−ペンタ−O−ベンジル−myo−イノシト
ール−2−リン酸ベンジル)−L−アスコルビン酸1.
72gを純水10mlに溶解し、陽イオン交換樹脂DI
AION SKIB−Na型(三菱化成製)を充填した
カラムを通し、純水で溶出させた。減圧下水を留去する
と、白色結晶の表題化合物1.77gを得た。
【0083】得られた物質の物性値は以下の通りであっ
た。
【0084】13C−NMR(D2 O,δ):50.0
1,62.73,62.02(6位),69.12(5
位),69.76,73.99,75.31,75.9
8(4位),96.31,118.29(2位),15
5.74(3位),169.75(1位)31 P−NMR(D2 O,δ):−2.74 〔実施例7〕本発明の化合物の安定性を以下の如くして
評価した。
【0085】すなわち、各種のアスコルビン酸誘導体を
50%エタノール水溶液に溶かして1%濃度に調製し、
その溶液を50℃、14日間保存後ならびに14日間光
暴露した試料のUVスペクトルの吸光度より残存率を求
めた。その結果を表1に示す。
【0086】
【表1】 〔応用例〕 美白効果試験例 被験者20名のパネラー(女子)の顔面に1日2回、表
2記載の処方の化粧水を2カ月間連続塗布し、美白効果
を調べた。効果は、パネラー本人が“有効”,“やや有
効”,“無効”のいずれかで判定した。比較例として
は、当該化合物の代わりにアスコルビン酸を配合したも
のを用いた。その結果を表3に示す。
【0087】
【表2】
【表3】 〔毒性試験〕本発明の化合物の毒性試験を以下の如くし
て行った。
【0088】すなわち、体重15〜20gのdd系マウ
ス1群10匹を用いて経口投与での急性毒性試験を行っ
た。試料は、実施例5および6のアスコルビン酸−イノ
シトールリン酸結合体を用い、通常の試料に10%添加
したものを10g/kg経口投与して72時間後の生死
を判定したところ、急性致死毒性を示さなかった。さら
に、その後1週間引き続き観察を行ったが、正常動物群
との差異は認められなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 裕 愛媛県松山市文京町3 愛媛大学工学部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)で表される、アスコルビン
    酸−イノシトール結合体またはその塩 【化1】
  2. 【請求項2】 下記式(I): 【化2】 で表さる化合物の製造法であって、一般式(II): 【化3】 〔式中R1 は2級もしくは3級アルキル基または両者が
    結合して複素環アミンを形成する残基を残し、R2 はリ
    ン酸トリエステルにおける水酸基の保護基を表す。〕で
    表される化合物と、一般式(III): 【化4】 〔式中R3 はベンジル、メトキシベンジル、ニトロベン
    ジル、シアノベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニ
    ルメチル、メトキシフェニルジフェニルメチル、ジメト
    キシフェニルフェニルメチル基等の還元反応により脱離
    し得る基を表す。〕で表される化合物との縮合剤存在下
    で反応させ、一般式(IV): 【化5】 〔式中R1 、R2 、R3 は前記定義の通りである。〕で
    表される化合物を得、当該式(IV)で表される化合物
    と一般式(V): 【化6】 〔式中R4 はメチレン、エチリデン、トリクロロエチリ
    デン、イソプロピリデン,フェニルエチリデン、シクロ
    ペンチリデン、シクロヘキシリデン等の加水分解により
    脱離し得る基又は、ベンジリデン等の還元反応または加
    水分解反応により脱離し得る基を、R5 はベンジル、メ
    トキシベンジル、ニトロベンジル、シアノベンジル等の
    還元反応により脱離し得る基又はメトキシメチル、テト
    ラヒドロピラニル、メトキシテトラヒドロピラニル、テ
    トラヒドロフラニル、エトキシエチル、メチルメトキシ
    エチル、イソプロポキシエチル、t−ブチル等の加水分
    解により脱離し得る基を表す。〕で表される化合物とを
    縮合剤存在下で反応させた後、酸化して、一般式(V
    I): 【化7】 〔式中R2 、R3 、R4 、R5 は前記定義の通りであ
    る。〕で表される化合物を得、当該式(VI)の化合物
    のR2 、R3 、R4 およびR5 基を酸性条件下または還
    元条件下で脱離させることにより式(I)の化合物を得
    ることからなる前記製造法。
  3. 【請求項3】 下記式(I): 【化8】 で表される化合物の製造法であって、一般式(II): 【化9】 〔式中R1 、R2 は前記定義の通りである。〕で表され
    る化合物と、一般式(V): 【化10】 〔式中R4 、R5 は前記定義の通りである。〕で表され
    る化合物とを縮合剤存在下で反応させ、一般式(VI
    I): 【化11】 〔式中R1 、R2 、R4 、R5 は前記定義の通りであ
    る。〕で表される化合物を得、当該式(VII)で表さ
    れる化合物と一般式(III): 【化12】 〔式中R3 は前記定義の通りである。〕で表される化合
    物とを縮合剤存在下で反応させた後、酸化して、一般式
    (VI): 【化13】 〔式中R2 、R3 、R4 、R5 は前記定義の通りであ
    る。〕で表される化合物を得、当該式(VI)の化合物
    のR2 、R3 、R4 およびR5 基を酸性条件下または還
    元条件下で脱離させることにより式(I)の化合物を得
    ることからなる前記製造法。
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WO1999059580A1 (en) * 1998-05-15 1999-11-25 Showa Denko K.K. Preventives/remedies for skin diseases
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