JPH0883689A - フィラメント加熱トランスおよびその製造方法 - Google Patents
フィラメント加熱トランスおよびその製造方法Info
- Publication number
- JPH0883689A JPH0883689A JP24200394A JP24200394A JPH0883689A JP H0883689 A JPH0883689 A JP H0883689A JP 24200394 A JP24200394 A JP 24200394A JP 24200394 A JP24200394 A JP 24200394A JP H0883689 A JPH0883689 A JP H0883689A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- winding
- secondary winding
- wound
- filament
- primary
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- X-Ray Techniques (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 絶縁油中で使用するX線管などのフィラメン
ト加熱トランスの2次巻線の絶縁被覆について、高温絶
縁油中での耐久性、信頼性の向上をはかる。 【構成】 リング状コア12、1次巻線11、2次巻線10か
らなり、1次巻線11は所要線間電圧、または層間電圧に
耐える被膜絶縁電線で下層に巻かれる。2次巻線10は1
次巻線11の上層に巻かれ、被覆材として架橋ポリエチレ
ンを用い、かつ1次2次間耐圧に必要な厚さとした電線
とすると共に2次巻線の端末芯線露出部は、1次巻線に
対して所要の沿面距離Lをとるものとする。またこのフ
ィラメント加熱トランス7の製造については、2次巻線
10の材料をあらかじめリング状コア12の巻形状に成形し
ておき、この巻形状に成形した2次巻線の材料を巻く。
ト加熱トランスの2次巻線の絶縁被覆について、高温絶
縁油中での耐久性、信頼性の向上をはかる。 【構成】 リング状コア12、1次巻線11、2次巻線10か
らなり、1次巻線11は所要線間電圧、または層間電圧に
耐える被膜絶縁電線で下層に巻かれる。2次巻線10は1
次巻線11の上層に巻かれ、被覆材として架橋ポリエチレ
ンを用い、かつ1次2次間耐圧に必要な厚さとした電線
とすると共に2次巻線の端末芯線露出部は、1次巻線に
対して所要の沿面距離Lをとるものとする。またこのフ
ィラメント加熱トランス7の製造については、2次巻線
10の材料をあらかじめリング状コア12の巻形状に成形し
ておき、この巻形状に成形した2次巻線の材料を巻く。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は絶縁油中で使用するX線
管などのフィラメント加熱トランスおよびその製造方法
に関するもので、高温絶縁油中での耐久性、信頼性の向
上を目的とする。
管などのフィラメント加熱トランスおよびその製造方法
に関するもので、高温絶縁油中での耐久性、信頼性の向
上を目的とする。
【0002】
【従来技術】近年、医療用レントゲン電源装置の高周波
化が進められてきており、高電圧発生用のインバータに
ついては100kHzまで高周波化されたものもある。
高電圧トランス、高電圧整流装置も従来の低周波方式に
比較して、著しく小形化される。X線装置では、フィラ
メントを加熱するための加熱トランスも必要とし、高電
圧発生部とともに、絶縁油中に浸せきされるのが普通で
ある。例えば、歯科用レントゲン装置ではX線管と高電
圧発生部とフィラメント加熱トランスとを同一タンク
(以下ワンタンクと称する)内に実装しているが、高電
圧発生部の小形化とともに、フィラメント加熱トランス
の小形化も必要となる。X線管に必要なフィラメント加
熱回路も主回路と同様に高周波化が可能であるが、フィ
ラメント加熱トランスの2次巻線は1次巻線、鉄心に対
して通常70〜100kVの高電圧の絶縁が必要なた
め、窓面積の大きい鉄心を使用して絶縁距離を確保した
り、あるいは絶縁のため2次巻線をモールドするなど小
形化、経済化が困難であった。このような問題を解決す
る手段として、本発明者らは、高周波化により巻線ター
ン数が少なくなり、とくにフィラメント電圧が高々10
数Vなので、2次巻線は数ターンとなることに着目し、
2次巻線材料として、ポリエチレン電線を使用して被覆
に必要耐圧を持たせることを検討した。方法として、小
型のリングコアに1次巻線を巻き、その上にポリエチレ
ン電線を数ターン巻く。フィラメント電流は数A程度な
ので、ポリエチレン電線の芯線は直径0.8〜1mm程
度で良いが、ポリエチレンの被覆厚さは70〜100k
Vのため、約2mm必要とし、絶縁電線としての外径は
約5mmとなる。さらに、従来の低周波のトランスより
小型化するため、外径が70mm程度のフェライトリン
グコアを使用すると、1次2次間の結合率を良くするた
めには2次巻線の巻き上がり外径は50mm程度とな
り、巻線作業での電線に加わる応力は大きくなる。
化が進められてきており、高電圧発生用のインバータに
ついては100kHzまで高周波化されたものもある。
高電圧トランス、高電圧整流装置も従来の低周波方式に
比較して、著しく小形化される。X線装置では、フィラ
メントを加熱するための加熱トランスも必要とし、高電
圧発生部とともに、絶縁油中に浸せきされるのが普通で
ある。例えば、歯科用レントゲン装置ではX線管と高電
圧発生部とフィラメント加熱トランスとを同一タンク
(以下ワンタンクと称する)内に実装しているが、高電
圧発生部の小形化とともに、フィラメント加熱トランス
の小形化も必要となる。X線管に必要なフィラメント加
熱回路も主回路と同様に高周波化が可能であるが、フィ
ラメント加熱トランスの2次巻線は1次巻線、鉄心に対
して通常70〜100kVの高電圧の絶縁が必要なた
め、窓面積の大きい鉄心を使用して絶縁距離を確保した
り、あるいは絶縁のため2次巻線をモールドするなど小
形化、経済化が困難であった。このような問題を解決す
る手段として、本発明者らは、高周波化により巻線ター
ン数が少なくなり、とくにフィラメント電圧が高々10
数Vなので、2次巻線は数ターンとなることに着目し、
2次巻線材料として、ポリエチレン電線を使用して被覆
に必要耐圧を持たせることを検討した。方法として、小
型のリングコアに1次巻線を巻き、その上にポリエチレ
ン電線を数ターン巻く。フィラメント電流は数A程度な
ので、ポリエチレン電線の芯線は直径0.8〜1mm程
度で良いが、ポリエチレンの被覆厚さは70〜100k
Vのため、約2mm必要とし、絶縁電線としての外径は
約5mmとなる。さらに、従来の低周波のトランスより
小型化するため、外径が70mm程度のフェライトリン
グコアを使用すると、1次2次間の結合率を良くするた
めには2次巻線の巻き上がり外径は50mm程度とな
り、巻線作業での電線に加わる応力は大きくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなフィラメン
ト加熱トランスは通電時間率の少ない装置ではあまり問
題を生じないが、通電時間率の大きい装置、例えば外科
用Cアームと称される装置では、透視という長時間の運
転モードがあり、X線管の発熱により絶縁油の温度が6
0℃以上に上昇する。また工業用のX線装置では、製造
ラインに組み込まれ、連続通電され、温度上昇は激し
い。このような高温の絶縁油のもとで、フィラメント加
熱トランスの2次巻線の絶縁被覆材料であるポリエチレ
ンは、巻線製作時に加えられた歪み、応力が残留し、比
較的短時間で亀裂が発生し、1次2次間の絶縁が破壊す
る事故が生じる。なお2次巻線の直線部分など、あるい
は、当該電線の外径に対して10数倍以上、ほぼ15倍
以上の直径で曲げられた部分など応力の掛からなかった
部分は異常ないが、応力のかかる曲線部に亀裂が発生す
ることが判明したが、電線外径の15倍以上の巻き上が
り外径では、5mmのポリエチレン電線では外径形75
mmになり、トランスの小形化という目的に反して採用
することはできない。
ト加熱トランスは通電時間率の少ない装置ではあまり問
題を生じないが、通電時間率の大きい装置、例えば外科
用Cアームと称される装置では、透視という長時間の運
転モードがあり、X線管の発熱により絶縁油の温度が6
0℃以上に上昇する。また工業用のX線装置では、製造
ラインに組み込まれ、連続通電され、温度上昇は激し
い。このような高温の絶縁油のもとで、フィラメント加
熱トランスの2次巻線の絶縁被覆材料であるポリエチレ
ンは、巻線製作時に加えられた歪み、応力が残留し、比
較的短時間で亀裂が発生し、1次2次間の絶縁が破壊す
る事故が生じる。なお2次巻線の直線部分など、あるい
は、当該電線の外径に対して10数倍以上、ほぼ15倍
以上の直径で曲げられた部分など応力の掛からなかった
部分は異常ないが、応力のかかる曲線部に亀裂が発生す
ることが判明したが、電線外径の15倍以上の巻き上が
り外径では、5mmのポリエチレン電線では外径形75
mmになり、トランスの小形化という目的に反して採用
することはできない。
【0004】
【解決のいとぐち】本発明者らは、この欠点に対処する
ため、フィラメント加熱トランスの2次巻線の絶縁被覆
として、耐電圧、耐応力性などの観点から種々材料を調
査、実験し、架橋ポリエチレンが良好であることを確認
した。架橋ポリエチレンとは、ポリエチレンの分子間に
橋を架け、網状の分子構造としたもので、架橋には、電
子線照射による方法、有機過酸化物を作用させる方法、
有機シラン化合物をグラフト重合し、水、触媒共存下で
架橋する方法がある。最後の方法は、電力用CV(ビニ
ルシース架橋ポリエチレン)ケーブルの製造法として一
般的である。なお、グラフト重合とは幹となる直線状ポ
リマーに重合開始点をつくり、これに単量体を加えて重
合させ、幹とは異なる化学構造を有する枝ポリマーを形
成させる反応をいう。
ため、フィラメント加熱トランスの2次巻線の絶縁被覆
として、耐電圧、耐応力性などの観点から種々材料を調
査、実験し、架橋ポリエチレンが良好であることを確認
した。架橋ポリエチレンとは、ポリエチレンの分子間に
橋を架け、網状の分子構造としたもので、架橋には、電
子線照射による方法、有機過酸化物を作用させる方法、
有機シラン化合物をグラフト重合し、水、触媒共存下で
架橋する方法がある。最後の方法は、電力用CV(ビニ
ルシース架橋ポリエチレン)ケーブルの製造法として一
般的である。なお、グラフト重合とは幹となる直線状ポ
リマーに重合開始点をつくり、これに単量体を加えて重
合させ、幹とは異なる化学構造を有する枝ポリマーを形
成させる反応をいう。
【0005】なお、架橋ポリエチレンの利点として、次
の点が挙げられる。 1 可撓性があり、内径の小さいコアに巻くことができ
る。 2 誘電率が絶縁油の2.5より小さく、管電圧立上が
り時の過渡電圧の分担に異常を生じない。 3 抵抗率が絶縁油の5の12乗(Ωcm)に対して10
の15乗(Ωcm)と大きく、静的電圧分担は、絶縁油に
頼らず、架橋ポリエチレンがほぼ100%負う。
の点が挙げられる。 1 可撓性があり、内径の小さいコアに巻くことができ
る。 2 誘電率が絶縁油の2.5より小さく、管電圧立上が
り時の過渡電圧の分担に異常を生じない。 3 抵抗率が絶縁油の5の12乗(Ωcm)に対して10
の15乗(Ωcm)と大きく、静的電圧分担は、絶縁油に
頼らず、架橋ポリエチレンがほぼ100%負う。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では以下の手段を
提案するものである。絶縁油中で使用される高周波、高
耐電圧のX線管などのフィラメント加熱用トランスであ
って、リング状コア、加熱用インバータに接続される1
次巻線、フィラメントに接続される2次巻線からなり、
1次巻線は所要線間電圧、または層間電圧に耐える絶縁
電線を用いて下層に巻かれ、2次巻線は、芯線の被覆材
として、ポリエチレンを化学的または放射線処理した架
橋ポリエチレンを用い、かつ1次2次間耐圧に必要な厚
さとした絶縁電線とすると共に、2次巻線の巻き上がり
外径は当該電線の外径の15倍以下となるよう1次巻線
の上層に巻かれ、さらに芯線端末露出部は、1次巻線に
対して所要の沿面距離を有することを特徴とするフィラ
メント加熱トランスを提案する。
提案するものである。絶縁油中で使用される高周波、高
耐電圧のX線管などのフィラメント加熱用トランスであ
って、リング状コア、加熱用インバータに接続される1
次巻線、フィラメントに接続される2次巻線からなり、
1次巻線は所要線間電圧、または層間電圧に耐える絶縁
電線を用いて下層に巻かれ、2次巻線は、芯線の被覆材
として、ポリエチレンを化学的または放射線処理した架
橋ポリエチレンを用い、かつ1次2次間耐圧に必要な厚
さとした絶縁電線とすると共に、2次巻線の巻き上がり
外径は当該電線の外径の15倍以下となるよう1次巻線
の上層に巻かれ、さらに芯線端末露出部は、1次巻線に
対して所要の沿面距離を有することを特徴とするフィラ
メント加熱トランスを提案する。
【0007】またこのフィラメント加熱トランスの製造
方法として、2次巻線の材料をあらかじめリング状コア
の巻形状に成形しておき、この巻形状に成形した2次巻
線の材料を巻くことを提案するものである。
方法として、2次巻線の材料をあらかじめリング状コア
の巻形状に成形しておき、この巻形状に成形した2次巻
線の材料を巻くことを提案するものである。
【0008】
【実施例】図1は、X線管と高圧発生部と本発明にかか
るフィラメント加熱トランスを1個の絶縁油タンクに封
入したワンタンク形のX線装置の概略図を示す。図にお
いて、1は高電圧用のインバータ、2はフィラメント加
熱用のインバータを示す。これらのインバータは図示し
ない直流電源から電力供給され、20kHz〜50kH
zの高周波電圧を発生する。3は、X線管4、高圧トラ
ンス5、高圧整流回路6、加熱トランス7を絶縁油中に
封入した金属製ヘッドである。高圧トランス5、加熱ト
ランス7の1次巻線はヘッド3からオイルシール端子で
引き出され、それぞれ高電圧用のインバータ1、加熱用
のインバータ2の高周波出力に接続される。実際には、
ヘッド内には、高圧検出抵抗、その他の部材が一緒に封
入されるが、本発明に直接関係しないので省略する。高
圧整流回路6は、高圧トランス5により数kVに昇圧さ
れた高周波電圧を正、負の直流高電圧に変換する多段倍
電圧整流回路8、9からなる。正負の高電圧出力はX線
管4のアノードA、フィラメントの一端F1に接続され
る。加熱トランス7の2次巻線10は、X線管4のフィ
ラメントの両端F1、F2に接続される。多段倍電圧整
流回路8、9の中点は、グランド電位、すなわちヘッド
3に接続される。一般的に、X線管の電圧は、125〜
150kVであり、中点を対称に+62.5〜75k
V,−62.5〜75kVの電圧となる。加熱トランス
7の1次巻線11はグランド電位、もしくは商用交流ラ
インの電位のインバータ2の出力に接続されるので、加
熱トランス7の1次巻線11と2次巻線10間には、−
62.5〜75kVの電圧が加わる。耐圧試験として、
JIS規格では、最高電圧の1.2倍、−90kVを3
分間印加して放電してはならないとされている。
るフィラメント加熱トランスを1個の絶縁油タンクに封
入したワンタンク形のX線装置の概略図を示す。図にお
いて、1は高電圧用のインバータ、2はフィラメント加
熱用のインバータを示す。これらのインバータは図示し
ない直流電源から電力供給され、20kHz〜50kH
zの高周波電圧を発生する。3は、X線管4、高圧トラ
ンス5、高圧整流回路6、加熱トランス7を絶縁油中に
封入した金属製ヘッドである。高圧トランス5、加熱ト
ランス7の1次巻線はヘッド3からオイルシール端子で
引き出され、それぞれ高電圧用のインバータ1、加熱用
のインバータ2の高周波出力に接続される。実際には、
ヘッド内には、高圧検出抵抗、その他の部材が一緒に封
入されるが、本発明に直接関係しないので省略する。高
圧整流回路6は、高圧トランス5により数kVに昇圧さ
れた高周波電圧を正、負の直流高電圧に変換する多段倍
電圧整流回路8、9からなる。正負の高電圧出力はX線
管4のアノードA、フィラメントの一端F1に接続され
る。加熱トランス7の2次巻線10は、X線管4のフィ
ラメントの両端F1、F2に接続される。多段倍電圧整
流回路8、9の中点は、グランド電位、すなわちヘッド
3に接続される。一般的に、X線管の電圧は、125〜
150kVであり、中点を対称に+62.5〜75k
V,−62.5〜75kVの電圧となる。加熱トランス
7の1次巻線11はグランド電位、もしくは商用交流ラ
インの電位のインバータ2の出力に接続されるので、加
熱トランス7の1次巻線11と2次巻線10間には、−
62.5〜75kVの電圧が加わる。耐圧試験として、
JIS規格では、最高電圧の1.2倍、−90kVを3
分間印加して放電してはならないとされている。
【0009】次に図2により本発明の一実施例であるフ
ィラメント加熱トランスの構造と製造方法について説明
する。まずリング状のフェライトコア12(寸法が内径
16mm、外径28mm、厚さ13mm)の上に1次巻
線11を巻く。なおこのフェライトコア12の表面には
絶縁塗装がされているので1次巻線を直接巻く。1次巻
線11の材料としてはPVF線(ポリビニルホルマル銅
線)を数10回巻く。そして図示されていないが、この
1次巻線11の上に絶縁テープを保護用に巻く。次に仕
上がり外径5mm弱の架橋ポリエチレン被覆の電線を2次
巻線10として2〜5回必要ターン数巻く。この架橋ポ
リエチレン被覆の電線は、あらかじめ上記コアの断面対
角線プラス1次巻厚以上の内径、約16mmの寸法のコ
イル状に成形しておく。この成形により容易にリング状
のフェライトコア12に2次巻線として巻き上がり外径
75以下、40mm程度に巻くことができる。外径はで
きる限り小さいほうが、1次巻線との磁気的結合率が高
くなり、トランスとして望ましい。この2次巻線10の
端末は、架橋ポリエチレンの被覆を除去してフィラメン
トに接続するが、この線材露出部(高電圧印加)と、1
次巻線(ほぼゼロ電位)との沿面距離Lは、使用電圧に
対し、十分な絶縁距離を確保することが必要である。
ィラメント加熱トランスの構造と製造方法について説明
する。まずリング状のフェライトコア12(寸法が内径
16mm、外径28mm、厚さ13mm)の上に1次巻
線11を巻く。なおこのフェライトコア12の表面には
絶縁塗装がされているので1次巻線を直接巻く。1次巻
線11の材料としてはPVF線(ポリビニルホルマル銅
線)を数10回巻く。そして図示されていないが、この
1次巻線11の上に絶縁テープを保護用に巻く。次に仕
上がり外径5mm弱の架橋ポリエチレン被覆の電線を2次
巻線10として2〜5回必要ターン数巻く。この架橋ポ
リエチレン被覆の電線は、あらかじめ上記コアの断面対
角線プラス1次巻厚以上の内径、約16mmの寸法のコ
イル状に成形しておく。この成形により容易にリング状
のフェライトコア12に2次巻線として巻き上がり外径
75以下、40mm程度に巻くことができる。外径はで
きる限り小さいほうが、1次巻線との磁気的結合率が高
くなり、トランスとして望ましい。この2次巻線10の
端末は、架橋ポリエチレンの被覆を除去してフィラメン
トに接続するが、この線材露出部(高電圧印加)と、1
次巻線(ほぼゼロ電位)との沿面距離Lは、使用電圧に
対し、十分な絶縁距離を確保することが必要である。
【0010】次に、ポリエチレンを使用したフィラメン
ト加熱トランスと、架橋ポリエチレンを使用したフィラ
メント加熱トランスの耐亀裂特性の評価試験結果を示
す。サンプルに用いたポリエチレン電線は、心線径0.
8mmのすずメッキ銅線、絶縁物は外径4.8mmの低
密度ポリエチレンで製作されている。また架橋ポリエチ
レン電線は、この低密度ポリエチレン電線を上記第3の
方法、すなわち有機シラン化合物をグラフト重合し、
水、触媒共存下で架橋したものを使用した。
ト加熱トランスと、架橋ポリエチレンを使用したフィラ
メント加熱トランスの耐亀裂特性の評価試験結果を示
す。サンプルに用いたポリエチレン電線は、心線径0.
8mmのすずメッキ銅線、絶縁物は外径4.8mmの低
密度ポリエチレンで製作されている。また架橋ポリエチ
レン電線は、この低密度ポリエチレン電線を上記第3の
方法、すなわち有機シラン化合物をグラフト重合し、
水、触媒共存下で架橋したものを使用した。
【0011】評価方法は、 (1)上記寸法のリング状のフェライトコアに通常のポ
リエチレン線を巻き上がり外形40mmで4ターン巻い
たサンプルを10個。 (2)同じコアに架橋ポリエチレン線を同様に4ターン
巻いたサンプル20個。 (3)架橋ポリエチレン線を外径10mmでU字形に折
り曲げたサンプル10個。 (4)架橋ポリエチレン線を外径20mmでU字形に折
り曲げたサンプル10個。 (5)架橋ポリエチレン線をあらかじめ10回折り曲げ
応力を加えた後、外径10mmでU字形に折り曲げたサン
プル10個。 このようにして合計60個のサンプルを製作し、加熱し
た絶縁油(JISC2230、2号絶縁油)中に浸漬
し、亀裂の発生を毎日確認する。
リエチレン線を巻き上がり外形40mmで4ターン巻い
たサンプルを10個。 (2)同じコアに架橋ポリエチレン線を同様に4ターン
巻いたサンプル20個。 (3)架橋ポリエチレン線を外径10mmでU字形に折
り曲げたサンプル10個。 (4)架橋ポリエチレン線を外径20mmでU字形に折
り曲げたサンプル10個。 (5)架橋ポリエチレン線をあらかじめ10回折り曲げ
応力を加えた後、外径10mmでU字形に折り曲げたサン
プル10個。 このようにして合計60個のサンプルを製作し、加熱し
た絶縁油(JISC2230、2号絶縁油)中に浸漬
し、亀裂の発生を毎日確認する。
【0012】その結果、サンプル1は、70℃3日で1
個亀裂が発生した。この時点でこのサンプル1は試験を
中止した。サンプル2〜5は70℃3日では異常がなか
ったので、より加速するため、絶縁油温度90℃で試験
を行った。延べ3600時間の試験をしたが、過度の応
力と歪みを加えたサンプル(3)〜(5)でさえも1個
の亀裂も発生しなかった。
個亀裂が発生した。この時点でこのサンプル1は試験を
中止した。サンプル2〜5は70℃3日では異常がなか
ったので、より加速するため、絶縁油温度90℃で試験
を行った。延べ3600時間の試験をしたが、過度の応
力と歪みを加えたサンプル(3)〜(5)でさえも1個
の亀裂も発生しなかった。
【0013】この結果から、実使用温度60℃最高とし
て、10℃・2倍則を適用すると、8倍の加速試験であ
り、28800時間、実使用時間を一日あたり8時間と
して、3600日、つまり約10年間の耐久性を推定で
きる。この評価試験の後に、耐圧試験として−150k
Vを10分間印加したが異常なかった。なお、10℃・
2倍則とは絶縁物の劣化速度が温度10℃上昇すると2
倍になるという経験則である。
て、10℃・2倍則を適用すると、8倍の加速試験であ
り、28800時間、実使用時間を一日あたり8時間と
して、3600日、つまり約10年間の耐久性を推定で
きる。この評価試験の後に、耐圧試験として−150k
Vを10分間印加したが異常なかった。なお、10℃・
2倍則とは絶縁物の劣化速度が温度10℃上昇すると2
倍になるという経験則である。
【0014】
【発明の効果】本発明によるフィランメント加熱トラン
スは、高電圧発生部の高周波化とともにフィラメントト
ランスの高周波化のメリットを生かすため、小型のリン
グコアを使用した。上述の実施例ではインバータ周波数
50kHzでフィランメント電力6V×4A=24W
で、トランスのコア断面積は0.6×1.3=0.78
平方センチという極めて小さい磁芯に巻線するものであ
る。このような小さい巻直径の上に、必要な厚さの絶縁
被覆を有する2次巻線を巻くものである。そのため2次
巻線の外径を当該電線の外径の15倍以下に巻いたもの
である。このような大きな歪みを有する状態で巻かれた
巻線では、通常のポリエチレンを絶縁材に使用すると高
温絶縁油中で長時間使用することができず、亀裂が発生
して絶縁破壊を生じる。本発明では、架橋ポリエチレン
を絶縁材として用いているので、過大な応力が加わった
状態で、高温絶縁油中で長時間使用しても2次巻線の絶
縁被覆に亀裂が発生することなく、信頼性を向上するこ
とができる。
スは、高電圧発生部の高周波化とともにフィラメントト
ランスの高周波化のメリットを生かすため、小型のリン
グコアを使用した。上述の実施例ではインバータ周波数
50kHzでフィランメント電力6V×4A=24W
で、トランスのコア断面積は0.6×1.3=0.78
平方センチという極めて小さい磁芯に巻線するものであ
る。このような小さい巻直径の上に、必要な厚さの絶縁
被覆を有する2次巻線を巻くものである。そのため2次
巻線の外径を当該電線の外径の15倍以下に巻いたもの
である。このような大きな歪みを有する状態で巻かれた
巻線では、通常のポリエチレンを絶縁材に使用すると高
温絶縁油中で長時間使用することができず、亀裂が発生
して絶縁破壊を生じる。本発明では、架橋ポリエチレン
を絶縁材として用いているので、過大な応力が加わった
状態で、高温絶縁油中で長時間使用しても2次巻線の絶
縁被覆に亀裂が発生することなく、信頼性を向上するこ
とができる。
【図1】ワンタンクX線装置の構成図を示す。
【図2】本発明にかかるフィラメント加熱トランスの一
実施例の外観図である。
実施例の外観図である。
1…高電圧用インバータ 2…フィラメント加熱用イ
ンバータ 3…ヘッド 4…X線管 5…高電圧トランス 6…高電圧整流回路 7…フィラメント加熱トランス 8、9…多段倍電圧整流回路 10…2次巻線 1
1…1次巻線 12…リング状コア
ンバータ 3…ヘッド 4…X線管 5…高電圧トランス 6…高電圧整流回路 7…フィラメント加熱トランス 8、9…多段倍電圧整流回路 10…2次巻線 1
1…1次巻線 12…リング状コア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 健一 東京都豊島区高田1丁目18番1号 オリジ ン電気株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】絶縁油中で使用される高周波、高耐電圧の
X線管などのフィラメント加熱用トランスであって、リ
ング状コア、加熱用インバータに接続される1次巻線、
フィラメントに接続される2次巻線からなり、1次巻線
は所要線間電圧、または層間電圧に耐える絶縁電線を用
いて下層に巻かれ、2次巻線は、芯線の被覆材として、
ポリエチレンを化学的または放射線処理した架橋ポリエ
チレンを用い、かつ1次2次間耐圧に必要な厚さとした
絶縁電線とすると共に、2次巻線の巻き上がり外径は当
該電線の外径の15倍以下となるよう1次巻線の上層に
巻かれ、さらに芯線端末露出部は、1次巻線に対して所
要の沿面距離を有することを特徴とするフィラメント加
熱トランス。 - 【請求項2】請求項1記載のフィラメント加熱トランス
の製造方法であって、上記2次巻線の材料をあらかじめ
上記リング状コアの巻形状に成形しておき、この巻形状
に成形した2次巻線の材料を巻くことを特徴とするフィ
ラメント加熱トランスの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24200394A JPH0883689A (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | フィラメント加熱トランスおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24200394A JPH0883689A (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | フィラメント加熱トランスおよびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0883689A true JPH0883689A (ja) | 1996-03-26 |
Family
ID=17082815
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24200394A Pending JPH0883689A (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | フィラメント加熱トランスおよびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0883689A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012033499A (ja) * | 2000-07-22 | 2012-02-16 | X-Tek Systems Ltd | X線源及びx線装置 |
| EP2713682B1 (en) * | 2012-01-06 | 2020-07-22 | Nuctech Company Limited | Installation case for x-ray generator, oil cooling circulation system and x-ray generator |
-
1994
- 1994-09-09 JP JP24200394A patent/JPH0883689A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012033499A (ja) * | 2000-07-22 | 2012-02-16 | X-Tek Systems Ltd | X線源及びx線装置 |
| EP2713682B1 (en) * | 2012-01-06 | 2020-07-22 | Nuctech Company Limited | Installation case for x-ray generator, oil cooling circulation system and x-ray generator |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| CN1226348A (zh) | 高压绕组的导体以及制造这种导体的方法 | |
| CN1101612C (zh) | 用于高压绕组的绝缘导体 | |
| EP0583521B1 (en) | Multi-layered insulated wire for high frequency transformer winding | |
| EP1297606B1 (de) | Teilentladungsfeste isolierung für elektrische leiter | |
| US5326935A (en) | Multi-layered insulated wire for high frequency transformer winding | |
| JPH0883689A (ja) | フィラメント加熱トランスおよびその製造方法 | |
| KR20230068464A (ko) | 누설 인덕턴스를 이용한 변압기 및 그 설계방법 | |
| JP2760687B2 (ja) | リッツ線およびその製造方法 | |
| JP3444941B2 (ja) | 耐熱・耐放射線性ケーブルおよびこれを用いた高速増殖炉の炉内構造物検査装置 | |
| JPH06132145A (ja) | エックス線管用フィラメントトランス | |
| JP2649881B2 (ja) | 高周波変圧器 | |
| CN105261407B (zh) | 点火装置高压引出线、磁电机及航空发动机 | |
| CN210575151U (zh) | 一种耐水绕组线 | |
| CN213689833U (zh) | 一种变压器中性点避雷器试验辅助测试装置 | |
| JPH04322009A (ja) | 架橋ポリエチレン電力ケーブル | |
| Nugamani | Investigations on the failure modes of XLPE cables and joints | |
| CN219625683U (zh) | 一种电压互感器测试装置 | |
| US5444757A (en) | X-ray generator | |
| SU1348914A1 (ru) | Высоковольтный импульсный коаксиальный кабель | |
| JP3192946B2 (ja) | 電力変換装置用空芯リアクトル | |
| JPH0416414Y2 (ja) | ||
| JP3036339U (ja) | 高周波変圧器巻線用多層絶縁電線 | |
| JP3003919U (ja) | X線発生器 | |
| CN110999004A (zh) | 电力电缆及其制造方法及电力电缆的连接构造 | |
| EP0684617B1 (en) | Multi-layered insulated wire for high frequency transformer winding |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030610 |