JPH0883714A - 磁性薄膜および薄膜磁気素子 - Google Patents
磁性薄膜および薄膜磁気素子Info
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- JPH0883714A JPH0883714A JP6218599A JP21859994A JPH0883714A JP H0883714 A JPH0883714 A JP H0883714A JP 6218599 A JP6218599 A JP 6218599A JP 21859994 A JP21859994 A JP 21859994A JP H0883714 A JPH0883714 A JP H0883714A
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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- H01F10/08—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers
- H01F10/10—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition
- H01F10/12—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition being metals or alloys
- H01F10/13—Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals
- H01F10/132—Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals containing cobalt
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 磁化困難軸励磁による高周波透磁率を容易に
獲得することができると共に、高抵抗率、高飽和磁化と
軟磁性を有し、かつ熱安定性に優れる磁性薄膜およびそ
れを用いた薄膜磁気素子を提供する。 【構成】 化学式:(Fe1-x Cox )1-y (B1-z Xz )y
(式中、 Xは4B族元素から選ばれる少なくとも 1種の元
素を示し、 x、 y、 zは 0< x< 1、0.05< y<0.33、
0< z< 1を満足する数である)で実質的に組成が表さ
れる磁性薄膜であって、結晶質相と鉄とコバルトを共に
含む第1の非晶質相(これらの複合領域1)と、硼素と
4B族元素から選ばれる少なくとも 1種の元素を共に含む
第2の非晶質相2とから構成される微構造を有する磁性
薄膜である。
獲得することができると共に、高抵抗率、高飽和磁化と
軟磁性を有し、かつ熱安定性に優れる磁性薄膜およびそ
れを用いた薄膜磁気素子を提供する。 【構成】 化学式:(Fe1-x Cox )1-y (B1-z Xz )y
(式中、 Xは4B族元素から選ばれる少なくとも 1種の元
素を示し、 x、 y、 zは 0< x< 1、0.05< y<0.33、
0< z< 1を満足する数である)で実質的に組成が表さ
れる磁性薄膜であって、結晶質相と鉄とコバルトを共に
含む第1の非晶質相(これらの複合領域1)と、硼素と
4B族元素から選ばれる少なくとも 1種の元素を共に含む
第2の非晶質相2とから構成される微構造を有する磁性
薄膜である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平面インダクタや平面
トランス等に用いられる磁性薄膜およびそれを用いた薄
膜磁気素子に関する。
トランス等に用いられる磁性薄膜およびそれを用いた薄
膜磁気素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の小形化が盛んに進
められているが、電子機器の電源部の小形化はそれに比
較して遅れている。このため、電源部が機器全体に占め
る容積比率は増大する一方である。電子機器の小形化
は、各種回路のLSI化によるところが大であるが、電
源部に必須のインダクタやトランス等の磁気部品につい
ては、小形化や集積化が遅れており、これが電源部が占
める容積比率の増大の主因となっている。
められているが、電子機器の電源部の小形化はそれに比
較して遅れている。このため、電源部が機器全体に占め
る容積比率は増大する一方である。電子機器の小形化
は、各種回路のLSI化によるところが大であるが、電
源部に必須のインダクタやトランス等の磁気部品につい
ては、小形化や集積化が遅れており、これが電源部が占
める容積比率の増大の主因となっている。
【0003】このような問題を解決するために、平面コ
イルと磁性薄膜とを組合せた平面型の磁気素子が提案さ
れ、その高性能化の検討が進められている。これらに用
いられる磁性薄膜には、1MHz以上の高周波数領域におい
て、低損失かつ高飽和磁化であることが要求される。今
後、磁気素子の動作周波数が10〜100MHzへと推移してい
くにつれて、高周波数領域での低損失と高飽和磁化の両
立はより一層重要になってくると考えられている。すな
わち、高周波励磁では、渦電流損失が顕著になるため、
低損失化のために磁性薄膜の積層化や磁性薄膜自体の高
抵抗率化が必要となる。また、インダクタンス密度やエ
ネルギー密度を高めるためには、高飽和磁化が必要であ
る。
イルと磁性薄膜とを組合せた平面型の磁気素子が提案さ
れ、その高性能化の検討が進められている。これらに用
いられる磁性薄膜には、1MHz以上の高周波数領域におい
て、低損失かつ高飽和磁化であることが要求される。今
後、磁気素子の動作周波数が10〜100MHzへと推移してい
くにつれて、高周波数領域での低損失と高飽和磁化の両
立はより一層重要になってくると考えられている。すな
わち、高周波励磁では、渦電流損失が顕著になるため、
低損失化のために磁性薄膜の積層化や磁性薄膜自体の高
抵抗率化が必要となる。また、インダクタンス密度やエ
ネルギー密度を高めるためには、高飽和磁化が必要であ
る。
【0004】また、平面型磁気素子以外の薄膜磁気ヘッ
ド等においても、記録密度の増大と媒体の高保磁力化、
高エネルギー積化、動作周波数の高周波数化等に伴い、
高周波数領域において低損失かつ高飽和磁化を兼ね備え
た磁性薄膜が有効なのは言うまでもない。これらの要求
は、その他の磁気素子においても一般に共通するもので
ある。
ド等においても、記録密度の増大と媒体の高保磁力化、
高エネルギー積化、動作周波数の高周波数化等に伴い、
高周波数領域において低損失かつ高飽和磁化を兼ね備え
た磁性薄膜が有効なのは言うまでもない。これらの要求
は、その他の磁気素子においても一般に共通するもので
ある。
【0005】ところで、高周波数領域では、透磁率は主
に回転磁化過程によって賄われるため、磁化困難軸方向
の励磁が重要になり、磁化困難軸方向の高周波透磁率お
よび高周波損失が重要な物性値になる。高周波透磁率
は、試料の様々な物性と複雑に関連した量であるが、最
も相関が高いものとして異方性磁場が挙げられる。高周
波透磁率は、概ね異方性磁場の逆数に比例して変化する
ため、上述したような高周波数領域において、低損失と
周波数変化に対して平坦な高透磁率とを実現するには、
磁性薄膜面内で一軸磁気異方性を有することと適度な一
軸磁気異方性エネルギーを有することが必要である。
に回転磁化過程によって賄われるため、磁化困難軸方向
の励磁が重要になり、磁化困難軸方向の高周波透磁率お
よび高周波損失が重要な物性値になる。高周波透磁率
は、試料の様々な物性と複雑に関連した量であるが、最
も相関が高いものとして異方性磁場が挙げられる。高周
波透磁率は、概ね異方性磁場の逆数に比例して変化する
ため、上述したような高周波数領域において、低損失と
周波数変化に対して平坦な高透磁率とを実現するには、
磁性薄膜面内で一軸磁気異方性を有することと適度な一
軸磁気異方性エネルギーを有することが必要である。
【0006】上述したような磁性薄膜への要求特性に対
して、一般的な遷移金属系合金膜では抵抗率が低すぎ、
積層等の複雑な構造が必要となる。これは、製造工程の
繁雑化や製造コストの増大等をもたらす。また、高抵抗
率を有するソフトフェライト等の酸化物系材料は、飽和
磁化が低く、小形化・高出力化には不向きである。
して、一般的な遷移金属系合金膜では抵抗率が低すぎ、
積層等の複雑な構造が必要となる。これは、製造工程の
繁雑化や製造コストの増大等をもたらす。また、高抵抗
率を有するソフトフェライト等の酸化物系材料は、飽和
磁化が低く、小形化・高出力化には不向きである。
【0007】これら従来材料の欠点を克服するために、
最近、ヘテロアモルファス膜の研究開発が行われている
(特開昭 63-119209号公報等参照)。しかし、前記公報
に記載されているヘテロアモルファス膜は、高飽和磁化
と高抵抗率は得ているものの、磁気的にほぼ等方的な膜
である。これは、磁気素子の特性に対して最適化した透
磁率を付与・制御するのには不向きである。特に、超小
型薄膜インダクタンス素子等においては、特定の大きさ
の面内一軸磁気異方性が必要とある。さらに、このよう
なヘテロアモルファス膜では、組成比や作製法によりあ
る程度ばらつきはあるものの、一概に複相非晶質相を維
持できる温度が十分に高くはないため、これを用いて磁
気素子を作製する際のプロセス温度がこれ以下に制限さ
れてしまう。また、非晶質相のみでは1.7T程度以上の高
飽和磁化と軟磁性の双方の獲得は困難である。
最近、ヘテロアモルファス膜の研究開発が行われている
(特開昭 63-119209号公報等参照)。しかし、前記公報
に記載されているヘテロアモルファス膜は、高飽和磁化
と高抵抗率は得ているものの、磁気的にほぼ等方的な膜
である。これは、磁気素子の特性に対して最適化した透
磁率を付与・制御するのには不向きである。特に、超小
型薄膜インダクタンス素子等においては、特定の大きさ
の面内一軸磁気異方性が必要とある。さらに、このよう
なヘテロアモルファス膜では、組成比や作製法によりあ
る程度ばらつきはあるものの、一概に複相非晶質相を維
持できる温度が十分に高くはないため、これを用いて磁
気素子を作製する際のプロセス温度がこれ以下に制限さ
れてしまう。また、非晶質相のみでは1.7T程度以上の高
飽和磁化と軟磁性の双方の獲得は困難である。
【0008】なお、非晶質磁性薄膜に対する結晶化温度
の一般的な増大対策としては、Coに対するFe濃度比の拡
大やZr、Ta等の結晶化を阻害する元素の添加が知られて
いるが(例えば特開平 3-36244号公報参照)、飽和磁化
の低下を避けるという観点からは好ましくない。
の一般的な増大対策としては、Coに対するFe濃度比の拡
大やZr、Ta等の結晶化を阻害する元素の添加が知られて
いるが(例えば特開平 3-36244号公報参照)、飽和磁化
の低下を避けるという観点からは好ましくない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、小形
化対応の薄膜磁気素子においては、高周波数領域におい
て高飽和磁化で、低損失の軟磁性薄膜が求められてい
る。また、薄膜磁気素子に所望の高周波透磁率を付与す
るためには、磁化困難軸励磁による高周波透磁率の獲得
が重要となるため、磁性薄膜に面内一軸磁気異方性を導
入すると共に、その制御性を高めることが必要となる。
さらに、薄膜磁気素子の製造プロセスの自由度を高める
点からは、磁性薄膜の熱安定性を高めることが求められ
ている。
化対応の薄膜磁気素子においては、高周波数領域におい
て高飽和磁化で、低損失の軟磁性薄膜が求められてい
る。また、薄膜磁気素子に所望の高周波透磁率を付与す
るためには、磁化困難軸励磁による高周波透磁率の獲得
が重要となるため、磁性薄膜に面内一軸磁気異方性を導
入すると共に、その制御性を高めることが必要となる。
さらに、薄膜磁気素子の製造プロセスの自由度を高める
点からは、磁性薄膜の熱安定性を高めることが求められ
ている。
【0010】このようなことから、面内一軸磁気異方性
の導入・制御により、磁化困難軸励磁による高周波透磁
率が容易に獲得でき、かつ高抵抗率と高飽和磁化とを満
たし、さらに熱安定性に優れた軟磁性薄膜が切望されて
いる。
の導入・制御により、磁化困難軸励磁による高周波透磁
率が容易に獲得でき、かつ高抵抗率と高飽和磁化とを満
たし、さらに熱安定性に優れた軟磁性薄膜が切望されて
いる。
【0011】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、磁化困難軸励磁による高周波透磁率
を容易に獲得することができると共に、高抵抗率、高飽
和磁化と軟磁性とを有し、かつ熱安定性に優れる磁性薄
膜およびそれを用いた薄膜磁気素子を提供することを目
的としている。
になされたもので、磁化困難軸励磁による高周波透磁率
を容易に獲得することができると共に、高抵抗率、高飽
和磁化と軟磁性とを有し、かつ熱安定性に優れる磁性薄
膜およびそれを用いた薄膜磁気素子を提供することを目
的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の磁性薄膜
は、 化学式:(Fe1-x Cox )1-y (B1-z Xz )y …(1) (式中、 Xは4B族元素から選ばれる少なくとも 1種の元
素を示し、 x、 y、 zは0< x< 1、0.05< y<0.33、
0< z< 1を満足する数である)で実質的に組成が表さ
れる磁性薄膜であって、結晶質相と、鉄とコバルトを共
に含む第1の非晶質相と、硼素と4B族元素から選ばれる
少なくとも 1種の元素を共に含む第2の非晶質相とから
構成される微構造を、薄膜形成領域の少なくとも一部と
して有することを特徴としている。
は、 化学式:(Fe1-x Cox )1-y (B1-z Xz )y …(1) (式中、 Xは4B族元素から選ばれる少なくとも 1種の元
素を示し、 x、 y、 zは0< x< 1、0.05< y<0.33、
0< z< 1を満足する数である)で実質的に組成が表さ
れる磁性薄膜であって、結晶質相と、鉄とコバルトを共
に含む第1の非晶質相と、硼素と4B族元素から選ばれる
少なくとも 1種の元素を共に含む第2の非晶質相とから
構成される微構造を、薄膜形成領域の少なくとも一部と
して有することを特徴としている。
【0013】また、本発明の薄膜磁気素子は、上記本発
明の磁性薄膜を構成要素として含むことを特徴としてい
る。
明の磁性薄膜を構成要素として含むことを特徴としてい
る。
【0014】以下、本発明について詳述する。
【0015】本発明の磁性薄膜においては、まず高飽和
磁化獲得手段として Fe-Co系の遷移金属を用いている。
Fe-Co系は、結晶質遷移金属合金中で最大の飽和磁化を
示す材料であり、非晶質状態においてはメタロイド元素
の元素種、添加量等に応じてバンド構造が変化するた
め、一概に最大とは言えないものの、非晶質状態におい
ても高い飽和磁化を示す材料の一つである。そして、本
発明においては、 Fe-Co系非晶質の一部を Fe-Co系結
晶質に置き換えることで、 Fe-Co系非晶質よりも高い飽
和磁化の実現を可能にしている。
磁化獲得手段として Fe-Co系の遷移金属を用いている。
Fe-Co系は、結晶質遷移金属合金中で最大の飽和磁化を
示す材料であり、非晶質状態においてはメタロイド元素
の元素種、添加量等に応じてバンド構造が変化するた
め、一概に最大とは言えないものの、非晶質状態におい
ても高い飽和磁化を示す材料の一つである。そして、本
発明においては、 Fe-Co系非晶質の一部を Fe-Co系結
晶質に置き換えることで、 Fe-Co系非晶質よりも高い飽
和磁化の実現を可能にしている。
【0016】さらに、Feリッチの Fe-Co系材料は、Fe等
より大きい磁歪定数を有する。これは、磁歪を介して磁
気弾性エネルギーに関連した磁気異方性を誘導する上で
有効である。具体的には、磁場中成膜、磁場中高温成
膜、弾性率や熱膨張率に一軸的異方性を有する基板上へ
の成膜、磁場中熱処理、歪を導入した状態の基板への成
膜、成膜後の基板または磁性薄膜への歪の誘導等の単独
または複合の処理等により、磁気異方性が誘導される。
従って、本発明においては、FeとCoを共に含む((1)式
中の xの値を 0< x<1 の範囲に設定する)ことが必須
条件であり、上記したような点から 0< x< 0.5の範囲
とすることがより好ましい。さらに、遷移金属元素当た
り磁気モーメントや磁歪定数を考慮すると、 0.1≦ x≦
0.3の範囲とすることが最適である。また、遷移金属単
体ではなく、FeとCoの 2種の遷移金属元素を用いること
で、方向性規則配列に準じた磁気異方性の誘導も期待さ
れる。具体的には磁場中熱処理や磁場中成膜等で磁気異
方性を誘導できる。
より大きい磁歪定数を有する。これは、磁歪を介して磁
気弾性エネルギーに関連した磁気異方性を誘導する上で
有効である。具体的には、磁場中成膜、磁場中高温成
膜、弾性率や熱膨張率に一軸的異方性を有する基板上へ
の成膜、磁場中熱処理、歪を導入した状態の基板への成
膜、成膜後の基板または磁性薄膜への歪の誘導等の単独
または複合の処理等により、磁気異方性が誘導される。
従って、本発明においては、FeとCoを共に含む((1)式
中の xの値を 0< x<1 の範囲に設定する)ことが必須
条件であり、上記したような点から 0< x< 0.5の範囲
とすることがより好ましい。さらに、遷移金属元素当た
り磁気モーメントや磁歪定数を考慮すると、 0.1≦ x≦
0.3の範囲とすることが最適である。また、遷移金属単
体ではなく、FeとCoの 2種の遷移金属元素を用いること
で、方向性規則配列に準じた磁気異方性の誘導も期待さ
れる。具体的には磁場中熱処理や磁場中成膜等で磁気異
方性を誘導できる。
【0017】これらに加えて、 Fe-Co系は結晶質および
非晶質共に高いキュリー温度を示す系であり、さらにFe
とCoの組成比変化によって、キュリー温度の制御も容易
である。例えば、薄膜インダクタ素子は、一般に扱う電
力の単位体積密度が高く、十分低損失化させた磁性薄膜
を使用した場合にも、ある程度の温度上昇が見込まれ
る。また、一般に磁化を代表とする各種磁気特性は温度
依存性を持つため、磁性薄膜の熱安定性が不十分だと動
作状態によって素子特性が変化する場合がある。これを
低減するためには、キュリー温度が高い方が一般に有利
であり、要求に応じてキュリー点を調整できることは実
用上非常に有効である。
非晶質共に高いキュリー温度を示す系であり、さらにFe
とCoの組成比変化によって、キュリー温度の制御も容易
である。例えば、薄膜インダクタ素子は、一般に扱う電
力の単位体積密度が高く、十分低損失化させた磁性薄膜
を使用した場合にも、ある程度の温度上昇が見込まれ
る。また、一般に磁化を代表とする各種磁気特性は温度
依存性を持つため、磁性薄膜の熱安定性が不十分だと動
作状態によって素子特性が変化する場合がある。これを
低減するためには、キュリー温度が高い方が一般に有利
であり、要求に応じてキュリー点を調整できることは実
用上非常に有効である。
【0018】次に、本発明の磁性薄膜においては、上述
したような Fe-Coを主とする相の非晶質化のためのメタ
ロイド元素としてB(硼素)と4B族元素とを用い、これら
の Bと4B族元素を共に含む第2の非晶質相が形成され
る。第2の非晶質相は、共有結合性が強く、高抵抗率を
発揮する。このような第2の非晶質相を得るためには、
硼素と4B族元素を共に含む( (1)式中の zの値を 0< z
< 1の範囲に設定する)ことが必須条件となる。使用す
る4B族元素は特に限定されるものではないが、C(炭素)
を使用することがFeとCoを共に含む第1の非晶質相への
4B族元素の含有量をある程度制限し得る点から好まし
い。また、4B族元素の組成比は 0< z< 1の範囲であれ
ばよいが、第2の非晶質相の安定化と4B族元素による磁
気特性制御の有効性等を考慮して、0.05< z< 0.5の範
囲とすることが好ましい。
したような Fe-Coを主とする相の非晶質化のためのメタ
ロイド元素としてB(硼素)と4B族元素とを用い、これら
の Bと4B族元素を共に含む第2の非晶質相が形成され
る。第2の非晶質相は、共有結合性が強く、高抵抗率を
発揮する。このような第2の非晶質相を得るためには、
硼素と4B族元素を共に含む( (1)式中の zの値を 0< z
< 1の範囲に設定する)ことが必須条件となる。使用す
る4B族元素は特に限定されるものではないが、C(炭素)
を使用することがFeとCoを共に含む第1の非晶質相への
4B族元素の含有量をある程度制限し得る点から好まし
い。また、4B族元素の組成比は 0< z< 1の範囲であれ
ばよいが、第2の非晶質相の安定化と4B族元素による磁
気特性制御の有効性等を考慮して、0.05< z< 0.5の範
囲とすることが好ましい。
【0019】ところで、上述したメタロイド元素の組成
比y は、面内一軸磁気異方性の導入・制御に大きく影響
を及ぼす。図5に、遷移金属 1原子当たりの磁気異方性
エネルギーεa を複相非晶質磁性薄膜の Bと4B族元素と
の組成比の和uとの関係としてプロットした実験結果を
示す。この結果は、遷移金属リッチ相とメタロイド元素
リッチ相とが分散した膜構造を有する Fe-Co-B-C系の複
相非晶質磁性薄膜においては、 4元系としての組成比や
各種成膜条件により各相の分散の程度や各相の体積比が
複雑に変化するものの、本質的な誘導磁気異方性はuの
値によって決定されることを示している。
比y は、面内一軸磁気異方性の導入・制御に大きく影響
を及ぼす。図5に、遷移金属 1原子当たりの磁気異方性
エネルギーεa を複相非晶質磁性薄膜の Bと4B族元素と
の組成比の和uとの関係としてプロットした実験結果を
示す。この結果は、遷移金属リッチ相とメタロイド元素
リッチ相とが分散した膜構造を有する Fe-Co-B-C系の複
相非晶質磁性薄膜においては、 4元系としての組成比や
各種成膜条件により各相の分散の程度や各相の体積比が
複雑に変化するものの、本質的な誘導磁気異方性はuの
値によって決定されることを示している。
【0020】本発明の磁性薄膜は、結晶質相と複相非晶
質相との混相からなるものであるが、体積的に複相非晶
質相が主であり、巨視的な一軸磁気異方性の誘導は複相
非晶質相の示す磁気異方性にほぼ従う。ここで、膜自体
の巨視的な磁気異方性は、非晶質相領域に属する遷移金
属元素の単位空間当たりの数密度と前述したεa との積
で得られるので、高周波軟磁性膜として十分な一軸磁気
異方性を導入するためにはεa が十分な値を示すメタロ
イド元素の組成比(図3ではuの値)が必要となる。こ
れは、結晶質相と複相非晶質相との混相からなる本発明
の磁性薄膜組成においては0.05< y<0.33の範囲を満た
すことに相当する。なお、本発明の混相磁性薄膜は結晶
質相を含むため、膜全体を非晶質化することに比べる
と、若干メタロイド元素の組成比y を低く設定すること
ができるため、組成比y を0.05を超える値とすればよい
が、複相非晶質相を安定して生成するためには yを0.06
を超える値とすることが好ましく、さらにはεa の値を
考慮して yを 0.1を超える値とすることが好ましい。ま
た特に、 yが0.15〜0.25の範囲において、より大きなε
a が得られるため望ましい。
質相との混相からなるものであるが、体積的に複相非晶
質相が主であり、巨視的な一軸磁気異方性の誘導は複相
非晶質相の示す磁気異方性にほぼ従う。ここで、膜自体
の巨視的な磁気異方性は、非晶質相領域に属する遷移金
属元素の単位空間当たりの数密度と前述したεa との積
で得られるので、高周波軟磁性膜として十分な一軸磁気
異方性を導入するためにはεa が十分な値を示すメタロ
イド元素の組成比(図3ではuの値)が必要となる。こ
れは、結晶質相と複相非晶質相との混相からなる本発明
の磁性薄膜組成においては0.05< y<0.33の範囲を満た
すことに相当する。なお、本発明の混相磁性薄膜は結晶
質相を含むため、膜全体を非晶質化することに比べる
と、若干メタロイド元素の組成比y を低く設定すること
ができるため、組成比y を0.05を超える値とすればよい
が、複相非晶質相を安定して生成するためには yを0.06
を超える値とすることが好ましく、さらにはεa の値を
考慮して yを 0.1を超える値とすることが好ましい。ま
た特に、 yが0.15〜0.25の範囲において、より大きなε
a が得られるため望ましい。
【0021】本発明の磁性薄膜は、前述したように、結
晶質相と、FeとCoを共に含む第1の非晶質相と、 Bと4B
族元素を共に含む第2の非晶質相とから構成される混相
状態、例えば結晶質相と第1の非晶質相との複合領域の
周囲に、高抵抗を示す第2の非晶質相領域を網目状に配
置した微構造を有するものであり、好ましくは面内で一
軸磁気異方性を有する。ここで、図1に本発明の磁性薄
膜の微構造の一例を示す。図1中1は Fe-Coを主とする
結晶質相と第1の非晶質相との複合領域、2は第2の非
晶質相領域であり、以下の説明においては結晶質相と第
1の非晶質相とを併せて遷移金属リッチ相と記載する。
また、図1中の矢印Aは巨視的な面内一軸磁気異方性の
磁化容易軸方向を示す。なお、結晶質相は第1の非晶質
相内に存在していなければならないものではなく、例え
ば結晶質相領域と第1の非晶質相領域と第2の非晶質相
領域とが微細に分散したような微構造であってもよい。
これらの混相からなる微構造は、薄膜形成領域の少なく
とも一部として有していればよいが、より好ましい形態
としては膜全体を実質的に混相とすることである。ま
た、本発明の磁性薄膜においては、磁化困難軸励磁によ
り十分な高周波透磁率を付与する観点から、面内一軸磁
気異方性エネルギーが 7.0×102 J/m3 以上の磁気異方
性が導入されることが好ましい。
晶質相と、FeとCoを共に含む第1の非晶質相と、 Bと4B
族元素を共に含む第2の非晶質相とから構成される混相
状態、例えば結晶質相と第1の非晶質相との複合領域の
周囲に、高抵抗を示す第2の非晶質相領域を網目状に配
置した微構造を有するものであり、好ましくは面内で一
軸磁気異方性を有する。ここで、図1に本発明の磁性薄
膜の微構造の一例を示す。図1中1は Fe-Coを主とする
結晶質相と第1の非晶質相との複合領域、2は第2の非
晶質相領域であり、以下の説明においては結晶質相と第
1の非晶質相とを併せて遷移金属リッチ相と記載する。
また、図1中の矢印Aは巨視的な面内一軸磁気異方性の
磁化容易軸方向を示す。なお、結晶質相は第1の非晶質
相内に存在していなければならないものではなく、例え
ば結晶質相領域と第1の非晶質相領域と第2の非晶質相
領域とが微細に分散したような微構造であってもよい。
これらの混相からなる微構造は、薄膜形成領域の少なく
とも一部として有していればよいが、より好ましい形態
としては膜全体を実質的に混相とすることである。ま
た、本発明の磁性薄膜においては、磁化困難軸励磁によ
り十分な高周波透磁率を付与する観点から、面内一軸磁
気異方性エネルギーが 7.0×102 J/m3 以上の磁気異方
性が導入されることが好ましい。
【0022】上述したような混相状態の膜構造は、成膜
条件の制御等により得ることができる。結晶質相の生成
・制御は、成膜後の熱処理等により可能であるため、成
膜時における結晶質相の有無には限定されない。また、
成膜方法は限定されないが、一般的にはRFスパッタリ
ング法、DCスパッタリング法、イオンビームスパッタ
リング法等のスパッタリング法等が適している。ただ
し、蒸着法等のその他の物理的方法やロール法、化学的
方法等を適用することもできる。
条件の制御等により得ることができる。結晶質相の生成
・制御は、成膜後の熱処理等により可能であるため、成
膜時における結晶質相の有無には限定されない。また、
成膜方法は限定されないが、一般的にはRFスパッタリ
ング法、DCスパッタリング法、イオンビームスパッタ
リング法等のスパッタリング法等が適している。ただ
し、蒸着法等のその他の物理的方法やロール法、化学的
方法等を適用することもできる。
【0023】なお、磁性薄膜における軟磁性獲得には、
ホフマンの理論等でも明らかなように、微結晶化や局所
磁気異方性分散量の低減、適度な巨視的一軸磁気異方
性、磁性粒子間の適度な交換スティフネス定数等が効果
的である。然るに、本発明のような Fe-Co系材料におい
ては、磁歪効果等により遷移金属リッチ相内の局所的な
磁気異方性が一般的なFe基微結晶材料よりも大きくな
る。また、部分的な結晶化により、さらに局所磁気異方
性の増大を招く。よって、単相の Fe-Co系非晶質材料を
結晶化させた場合には、上記した効果によっても十分な
軟磁性化を図ることは困難となる。例えば、Fe系では良
好な軟磁性を示す微結晶膜も、Feを主とするFe-Co系で
はこのために十分な成果を挙げておらず、またTaやHf等
の添加は高飽和磁化の維持を阻害する。
ホフマンの理論等でも明らかなように、微結晶化や局所
磁気異方性分散量の低減、適度な巨視的一軸磁気異方
性、磁性粒子間の適度な交換スティフネス定数等が効果
的である。然るに、本発明のような Fe-Co系材料におい
ては、磁歪効果等により遷移金属リッチ相内の局所的な
磁気異方性が一般的なFe基微結晶材料よりも大きくな
る。また、部分的な結晶化により、さらに局所磁気異方
性の増大を招く。よって、単相の Fe-Co系非晶質材料を
結晶化させた場合には、上記した効果によっても十分な
軟磁性化を図ることは困難となる。例えば、Fe系では良
好な軟磁性を示す微結晶膜も、Feを主とするFe-Co系で
はこのために十分な成果を挙げておらず、またTaやHf等
の添加は高飽和磁化の維持を阻害する。
【0024】これに対して、本発明の磁性薄膜において
は複相非晶質相の特質を生かし、遷移金属リッチ相間の
磁気的結合状態を、 Bと4B族元素を主とする第2の非晶
質相の量や構造で調節することができる。このように、
単なる Fe-Co系非晶質材料の結晶化とは異なり、本発明
では軟磁性に必要な磁気的結合領域が確保できるという
利点を有する。また、磁性を担う遷移金属リッチ相間に
第2の非晶質相が存在するので、応力等の機械的要素も
緩和されていると考えられる。このように、結晶質相と
複相非晶質相とにより構成される本発明の磁性薄膜は、
結晶質相の磁歪効果や局所異方性の影響が巨視的な膜磁
性には反映しにくいため、 Fe-Co系結晶質相を含み高飽
和磁化を獲得しているにもかかわらず、軟磁性化が達成
できる。上述したような理由で、本発明においては通常
の粒径に相当する遷移金属リッチ相の分散の特徴的長さ
と、遷移金属リッチ相粒の間を隔てる第2の非晶質相の
厚さ(幅)が軟磁性の重要なパラメータとなる。具体的
に本発明においては、顕微鏡写真で磁性薄膜の断面を観
察すること等で算出される遷移金属リッチ相粒の平均粒
径が10μm 以下程度、遷移金属リッチ相粒を隔てる第2
の非晶質相の平均厚さが 5nm以下程度で特に良好な軟磁
性が得られる。これにより軟磁性と面内一軸磁気異方性
の導入・制御が両立できる。さらに、第2の非晶質相の
厚さは大きくても 8nm以下とすることが好ましく、これ
以上であると磁気的結合領域が減少し、保磁力の増大の
ために軟磁性が得られなくなるおそれがある。
は複相非晶質相の特質を生かし、遷移金属リッチ相間の
磁気的結合状態を、 Bと4B族元素を主とする第2の非晶
質相の量や構造で調節することができる。このように、
単なる Fe-Co系非晶質材料の結晶化とは異なり、本発明
では軟磁性に必要な磁気的結合領域が確保できるという
利点を有する。また、磁性を担う遷移金属リッチ相間に
第2の非晶質相が存在するので、応力等の機械的要素も
緩和されていると考えられる。このように、結晶質相と
複相非晶質相とにより構成される本発明の磁性薄膜は、
結晶質相の磁歪効果や局所異方性の影響が巨視的な膜磁
性には反映しにくいため、 Fe-Co系結晶質相を含み高飽
和磁化を獲得しているにもかかわらず、軟磁性化が達成
できる。上述したような理由で、本発明においては通常
の粒径に相当する遷移金属リッチ相の分散の特徴的長さ
と、遷移金属リッチ相粒の間を隔てる第2の非晶質相の
厚さ(幅)が軟磁性の重要なパラメータとなる。具体的
に本発明においては、顕微鏡写真で磁性薄膜の断面を観
察すること等で算出される遷移金属リッチ相粒の平均粒
径が10μm 以下程度、遷移金属リッチ相粒を隔てる第2
の非晶質相の平均厚さが 5nm以下程度で特に良好な軟磁
性が得られる。これにより軟磁性と面内一軸磁気異方性
の導入・制御が両立できる。さらに、第2の非晶質相の
厚さは大きくても 8nm以下とすることが好ましく、これ
以上であると磁気的結合領域が減少し、保磁力の増大の
ために軟磁性が得られなくなるおそれがある。
【0025】ここで、本発明における膜組成( (1)式)
は、上記したような微構造の実現に適した組成である。
なお、第2の非晶質相の厚さに対する要求は、Fe系の複
相非晶質膜よりも厳しいものであり、Fe系では等方的な
軟磁性が得られる領域であっても、本発明では場合によ
っては保磁力が 8000A/m以上にも達して軟磁性は得られ
ない。この一番の原因は、前述のように局所磁気異方性
がFe系非晶質よりも大きいためであると考えられる。
は、上記したような微構造の実現に適した組成である。
なお、第2の非晶質相の厚さに対する要求は、Fe系の複
相非晶質膜よりも厳しいものであり、Fe系では等方的な
軟磁性が得られる領域であっても、本発明では場合によ
っては保磁力が 8000A/m以上にも達して軟磁性は得られ
ない。この一番の原因は、前述のように局所磁気異方性
がFe系非晶質よりも大きいためであると考えられる。
【0026】本発明の磁性薄膜の作製過程においては、
通常面内一軸磁気異方性の導入・制御と結晶質相の生成
のための処理を行う。面内一軸磁気異方性の導入・制御
は、前述したような様々な手法によって行うことがで
き、特にその手法に限定されるものではない。具体的に
は、成膜後の磁場中熱処理、磁場中成膜、高温磁場中成
膜、熱膨張率に異方性を有する基板上への室温成膜、高
温成膜、低温成膜、成膜後の基板または磁性膜への歪の
導入、およびこれらを複合した方法等が挙げられる。こ
れらの中で、特に軟磁性を維持した一軸磁気異方性制御
に適した方法としては、磁場中熱処理が挙げられる。
通常面内一軸磁気異方性の導入・制御と結晶質相の生成
のための処理を行う。面内一軸磁気異方性の導入・制御
は、前述したような様々な手法によって行うことがで
き、特にその手法に限定されるものではない。具体的に
は、成膜後の磁場中熱処理、磁場中成膜、高温磁場中成
膜、熱膨張率に異方性を有する基板上への室温成膜、高
温成膜、低温成膜、成膜後の基板または磁性膜への歪の
導入、およびこれらを複合した方法等が挙げられる。こ
れらの中で、特に軟磁性を維持した一軸磁気異方性制御
に適した方法としては、磁場中熱処理が挙げられる。
【0027】また、結晶質相生成のための処理としては
熱処理が挙げられるが、これは上述の磁気異方性制御の
処理と兼用した熱処理でもよく、また独立して行っても
よい。なお、成膜時に所望の結晶質相が得られている場
合には、この工程を省くことができる。
熱処理が挙げられるが、これは上述の磁気異方性制御の
処理と兼用した熱処理でもよく、また独立して行っても
よい。なお、成膜時に所望の結晶質相が得られている場
合には、この工程を省くことができる。
【0028】遷移金属リッチ相における結晶化の程度
は、薄膜法X線回折の非晶質相と結晶質相の最大強度ピ
ークの積分強度比から判断する。例えば、図2に示すよ
うに、磁性薄膜表面に対して 2.0deg.の角度で Cu-Kα
特性X線を入射させた場合のX線回折測定において、非
晶質中で最大積分強度を示すピーク(非晶質第1ピー
ク)aの積分強度IA (図中、斜線Aで示す)と体心立
方結晶質の (110)ピークbの積分強度IC (図中、斜線
Bで示す)との比IC /IA が 0.2以下程度であれば、
200A/m以下の低保磁力、すなわち実用的な軟磁性を獲得
した上で、飽和磁化が非晶質相のみの場合よりも高めら
れ、例えば非晶質相のみでは1.6T程度の飽和磁化が1.8T
程度まで増大する。逆に、X線積分強度比IC /IA が
0.2を超えると、軟磁性の獲得が困難となるので好まし
くない。ただし、上記X線積分強度比IC /IA があま
り小さすぎても、結晶質相による飽和磁化の向上効果を
十分に得ることができないため、X線積分強度比IC /
IA は0.05以上であることが好ましい。なお、図2中c
は基板ピーク、dは非晶質第2ピーク、eは結晶質 (21
1)ピーク、fは結晶質 (220)ピークである。
は、薄膜法X線回折の非晶質相と結晶質相の最大強度ピ
ークの積分強度比から判断する。例えば、図2に示すよ
うに、磁性薄膜表面に対して 2.0deg.の角度で Cu-Kα
特性X線を入射させた場合のX線回折測定において、非
晶質中で最大積分強度を示すピーク(非晶質第1ピー
ク)aの積分強度IA (図中、斜線Aで示す)と体心立
方結晶質の (110)ピークbの積分強度IC (図中、斜線
Bで示す)との比IC /IA が 0.2以下程度であれば、
200A/m以下の低保磁力、すなわち実用的な軟磁性を獲得
した上で、飽和磁化が非晶質相のみの場合よりも高めら
れ、例えば非晶質相のみでは1.6T程度の飽和磁化が1.8T
程度まで増大する。逆に、X線積分強度比IC /IA が
0.2を超えると、軟磁性の獲得が困難となるので好まし
くない。ただし、上記X線積分強度比IC /IA があま
り小さすぎても、結晶質相による飽和磁化の向上効果を
十分に得ることができないため、X線積分強度比IC /
IA は0.05以上であることが好ましい。なお、図2中c
は基板ピーク、dは非晶質第2ピーク、eは結晶質 (21
1)ピーク、fは結晶質 (220)ピークである。
【0029】また、本発明の磁性薄膜の主相は、上述し
たように複相非晶質相であるため、膜の抵抗率は結晶化
後も 100μΩcm以上の高抵抗率が維持される。さらに、
熱処理を施した温度直下の熱安定性を獲得することがで
きるため、その後の磁気素子作製時のプロセス温度を拡
大することが可能となる。
たように複相非晶質相であるため、膜の抵抗率は結晶化
後も 100μΩcm以上の高抵抗率が維持される。さらに、
熱処理を施した温度直下の熱安定性を獲得することがで
きるため、その後の磁気素子作製時のプロセス温度を拡
大することが可能となる。
【0030】一軸磁気異方性制御と結晶質相生成を兼ね
た磁場中熱処理に適した温度は、一定の幅を持ち、組成
によってある程度変化するが、590K以上680K以下とする
ことが好ましい。この方法によれば、遷移金属(TM)とメ
タロイド原子(MD)との間のTM-MD対の構造異方性が磁気
異方性誘導の主因になる。また、適当な時間制御で結晶
質相の生成量を制御することができる。
た磁場中熱処理に適した温度は、一定の幅を持ち、組成
によってある程度変化するが、590K以上680K以下とする
ことが好ましい。この方法によれば、遷移金属(TM)とメ
タロイド原子(MD)との間のTM-MD対の構造異方性が磁気
異方性誘導の主因になる。また、適当な時間制御で結晶
質相の生成量を制御することができる。
【0031】上述したように、結晶質相と、FeとCoを共
に含む第1の非晶質相と、 Bと4B族元素を共に含む第2
の非晶質相とが微細に分散した本発明の磁性薄膜は、高
抵抗率と高飽和磁化とを併せ持つ軟磁性、さらには高い
温度安定性の獲得と、高周波磁化困難軸励磁への適用の
ための面内一軸磁気異方性制御に適した材料である。こ
れらによって、薄膜磁気素子の高プロセス温度化、高動
作周波数化、高効率化、高エネルギー密度化、高インダ
クタンス密度化に対応した軟磁性膜が提供できる。
に含む第1の非晶質相と、 Bと4B族元素を共に含む第2
の非晶質相とが微細に分散した本発明の磁性薄膜は、高
抵抗率と高飽和磁化とを併せ持つ軟磁性、さらには高い
温度安定性の獲得と、高周波磁化困難軸励磁への適用の
ための面内一軸磁気異方性制御に適した材料である。こ
れらによって、薄膜磁気素子の高プロセス温度化、高動
作周波数化、高効率化、高エネルギー密度化、高インダ
クタンス密度化に対応した軟磁性膜が提供できる。
【0032】本発明の薄膜磁気素子は、前述したような
本発明の磁性薄膜を構成要素として含むものであり、例
えば平面コイルの一面もしくは両面に本発明の混相磁性
薄膜を積層してなる平面インダクタや平面トランス等に
好適である。また、本発明の磁性薄膜を磁気コア等とし
て有する薄膜磁気ヘッド等に適用することもできる。
本発明の磁性薄膜を構成要素として含むものであり、例
えば平面コイルの一面もしくは両面に本発明の混相磁性
薄膜を積層してなる平面インダクタや平面トランス等に
好適である。また、本発明の磁性薄膜を磁気コア等とし
て有する薄膜磁気ヘッド等に適用することもできる。
【0033】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0034】実施例1 RFマグネトロンスパッタリング法により、 Fe-Co-B-C
系薄膜を作製した。基板とターゲット間の距離は 105mm
とし、ターゲットにはFe75Co25合金ターゲット(127mmφ
×厚さ1mm)を用いた。 Bおよび Cの添加のために、ター
ゲット上に B4C チップを配した。表1に成膜条件の詳
細を示す。なお、面積比Sc は B4 C チップ面積SB4C
をターゲットエロージョン部面積Serosion で規格化し
た成膜パラメータである。
系薄膜を作製した。基板とターゲット間の距離は 105mm
とし、ターゲットにはFe75Co25合金ターゲット(127mmφ
×厚さ1mm)を用いた。 Bおよび Cの添加のために、ター
ゲット上に B4C チップを配した。表1に成膜条件の詳
細を示す。なお、面積比Sc は B4 C チップ面積SB4C
をターゲットエロージョン部面積Serosion で規格化し
た成膜パラメータである。
【0035】
【表1】 上述した成膜条件により 840秒の成膜で、0.28μm の膜
厚の試料を得た。なお、成膜直前の前処理として、 5×
10-5Pa以下の真空度に到達した後に、ターゲットのプリ
スパッタリング(スパッタリングパワー:600W×900s)
を行った。
厚の試料を得た。なお、成膜直前の前処理として、 5×
10-5Pa以下の真空度に到達した後に、ターゲットのプリ
スパッタリング(スパッタリングパワー:600W×900s)
を行った。
【0036】次に、上記薄膜試料に部分結晶化と一軸異
方性の導入・制御のための面内直流磁場中熱処理を施し
た。熱処理温度は615K、熱処理時間は2000秒、印加磁場
の大きさは 0.8MA/mとし、印加磁場の方向は膜面内に平
行とした。このようにして得た磁性薄膜の構造および特
性を以下のようにして測定、評価した。
方性の導入・制御のための面内直流磁場中熱処理を施し
た。熱処理温度は615K、熱処理時間は2000秒、印加磁場
の大きさは 0.8MA/mとし、印加磁場の方向は膜面内に平
行とした。このようにして得た磁性薄膜の構造および特
性を以下のようにして測定、評価した。
【0037】薄膜の結晶構造の特定は、磁性薄膜表面に
対して 2.0deg.の角度で Cu-Kα特性X線を入射させた
場合のX線回折により行い、また薄膜の微構造は透過電
子顕微鏡法により行った。また、薄膜の組成比は、IC
P発光分析およびGFA(GasFusion Analysis)により特
定した。薄膜の膜厚は触針型表面粗さ・膜厚計で、抵抗
率は 4端子法で測定した。磁気測定は、振動試料型磁力
計を用いて行った。典型的試料形状は10×10mmであり、
最大印加磁場は 0.8MA/mである。磁化曲線の測定は、磁
化容易軸方向と磁化困難軸方向それぞれについて行っ
た。薄膜磁気トルク計を用いて膜面内で外部磁場を回転
させ、膜面内の磁気トルク曲線を測定した。外部印加磁
場は 0.8MA/mである。得られた磁気トルク曲線をフーリ
エ変換して解析し、面内一軸磁気異方性エネルギーを求
めた。
対して 2.0deg.の角度で Cu-Kα特性X線を入射させた
場合のX線回折により行い、また薄膜の微構造は透過電
子顕微鏡法により行った。また、薄膜の組成比は、IC
P発光分析およびGFA(GasFusion Analysis)により特
定した。薄膜の膜厚は触針型表面粗さ・膜厚計で、抵抗
率は 4端子法で測定した。磁気測定は、振動試料型磁力
計を用いて行った。典型的試料形状は10×10mmであり、
最大印加磁場は 0.8MA/mである。磁化曲線の測定は、磁
化容易軸方向と磁化困難軸方向それぞれについて行っ
た。薄膜磁気トルク計を用いて膜面内で外部磁場を回転
させ、膜面内の磁気トルク曲線を測定した。外部印加磁
場は 0.8MA/mである。得られた磁気トルク曲線をフーリ
エ変換して解析し、面内一軸磁気異方性エネルギーを求
めた。
【0038】図2は、上記実施例1による磁性薄膜のX
線回折ピークを示すものであり、図2から明らかなよう
に、体心立方結晶質相と非晶質相との混相の回折ピーク
が得られた。なお、この回折測定には理学電機製RINT10
00を用い、薄膜法用のアタッチメントを用いた。モノク
ロ受光スリットは 0.8mmを選択した。X線源は Cu-Kα
線を用い、Cuターゲットの電圧、電流値はそれぞれ、40
kV、40mAとした。また、図2中の非晶質第1ピークaの
積分強度IA と体心立方結晶質 (110)ピークbの積分強
度IC を求めたところ、IA とIC の比はIC /IA =
0.17であった。さらに、透過顕微鏡写真(図1に模式的
に示す)から、結晶質相と第1の非晶質相との複合領域
である遷移金属リッチ相と第2の非晶質相領域であるメ
タロイド元素(B,C) リッチ相との分散が確認された。ま
た、遷移金属リッチ相の周囲にメタロイド元素リッチ相
が網目状に配置された微構造を有し、メタロイド元素リ
ッチ相(第2の非晶質相領域)の平均厚さは 4.5nmであ
った。なお、以下の全ての実施例において、同様に複相
非晶質相が確認された。
線回折ピークを示すものであり、図2から明らかなよう
に、体心立方結晶質相と非晶質相との混相の回折ピーク
が得られた。なお、この回折測定には理学電機製RINT10
00を用い、薄膜法用のアタッチメントを用いた。モノク
ロ受光スリットは 0.8mmを選択した。X線源は Cu-Kα
線を用い、Cuターゲットの電圧、電流値はそれぞれ、40
kV、40mAとした。また、図2中の非晶質第1ピークaの
積分強度IA と体心立方結晶質 (110)ピークbの積分強
度IC を求めたところ、IA とIC の比はIC /IA =
0.17であった。さらに、透過顕微鏡写真(図1に模式的
に示す)から、結晶質相と第1の非晶質相との複合領域
である遷移金属リッチ相と第2の非晶質相領域であるメ
タロイド元素(B,C) リッチ相との分散が確認された。ま
た、遷移金属リッチ相の周囲にメタロイド元素リッチ相
が網目状に配置された微構造を有し、メタロイド元素リ
ッチ相(第2の非晶質相領域)の平均厚さは 4.5nmであ
った。なお、以下の全ての実施例において、同様に複相
非晶質相が確認された。
【0039】また、実施例1の磁性薄膜によれば、自発
磁化として1.8T、面内一軸磁気異方性エネルギーとして
1.09×103 J/m3 が得られた。さらに、磁化困難軸方向
の保磁力は134A/mであり、抵抗率は 120μΩcmであっ
た。磁性薄膜の組成比は、x=0.25、y=0.24、z=0.28であ
った。
磁化として1.8T、面内一軸磁気異方性エネルギーとして
1.09×103 J/m3 が得られた。さらに、磁化困難軸方向
の保磁力は134A/mであり、抵抗率は 120μΩcmであっ
た。磁性薄膜の組成比は、x=0.25、y=0.24、z=0.28であ
った。
【0040】上述した実施例1の磁性薄膜に、603Kの温
度で真空熱処理を施したところ、上記磁気特性および抵
抗率の変化および劣化は、測定精度の範囲内で観察され
なかった。
度で真空熱処理を施したところ、上記磁気特性および抵
抗率の変化および劣化は、測定精度の範囲内で観察され
なかった。
【0041】実施例1は、結晶質相領域と複相非晶質相
領域とが共存する微構造、並びに成膜条件と構成元素に
よる効果によって、高抵抗率、高飽和磁化と軟磁性およ
び高い熱安定性が両立し、かつ面内一軸磁気異方性が得
られるという効果を確認するものである。比較例1 実施例1と同一の成膜条件で Fe-Co-B-C系薄膜を成膜し
た後、578Kの温度で2000秒の面内直流磁場中熱処理を施
した。印加磁場は実施例1と同一とした。その結果、複
相非晶質のみにより構成される磁性薄膜が得られた。こ
の磁性薄膜においては、自発磁化として1.6Tが得られ、
また磁化困難軸方向の保磁力は8A/mであった。
領域とが共存する微構造、並びに成膜条件と構成元素に
よる効果によって、高抵抗率、高飽和磁化と軟磁性およ
び高い熱安定性が両立し、かつ面内一軸磁気異方性が得
られるという効果を確認するものである。比較例1 実施例1と同一の成膜条件で Fe-Co-B-C系薄膜を成膜し
た後、578Kの温度で2000秒の面内直流磁場中熱処理を施
した。印加磁場は実施例1と同一とした。その結果、複
相非晶質のみにより構成される磁性薄膜が得られた。こ
の磁性薄膜においては、自発磁化として1.6Tが得られ、
また磁化困難軸方向の保磁力は8A/mであった。
【0042】この比較例1による磁性薄膜に、603Kの温
度で真空熱処理を施したところ、磁化困難軸方向の保磁
力が470A/mに変化し、軟磁性の劣化が生じた。この比較
例は複相非晶質相のみの磁性膜では温度安定性が不十分
であり、実施例1の有効性を示すものである。
度で真空熱処理を施したところ、磁化困難軸方向の保磁
力が470A/mに変化し、軟磁性の劣化が生じた。この比較
例は複相非晶質相のみの磁性膜では温度安定性が不十分
であり、実施例1の有効性を示すものである。
【0043】比較例2 単相非晶質相からなるCo-Zr-Nb系薄膜をスパッタリング
法により成膜し、各種温度で熱処理を施したところ、65
3Kの温度による熱処理によって、保磁力が熱処理前の 4
8A/mから238A/mまで増加し、軟磁性の劣化が生じた。こ
の比較例は、単相非晶質相からなる磁性膜では熱処理後
における軟磁性の獲得が困難であることを示すものであ
る。
法により成膜し、各種温度で熱処理を施したところ、65
3Kの温度による熱処理によって、保磁力が熱処理前の 4
8A/mから238A/mまで増加し、軟磁性の劣化が生じた。こ
の比較例は、単相非晶質相からなる磁性膜では熱処理後
における軟磁性の獲得が困難であることを示すものであ
る。
【0044】実施例2 実施例1と同一の成膜条件で成膜した薄膜試料に対し、
直流磁場中熱処理条件の温度と時間のみを表2に示す値
に変更して、直流磁場中熱処理を施して試料A〜Dを得
た。
直流磁場中熱処理条件の温度と時間のみを表2に示す値
に変更して、直流磁場中熱処理を施して試料A〜Dを得
た。
【0045】
【表2】 上記各磁性薄膜試料の磁化困難軸方向の保磁力と結晶質
相と非晶質相とのX線積分強度比IC /IA との関係を
図3に示す。図3には比較例1の直流磁場中熱処理直後
のデータおよび実施例1のデータも付記した。図3から
明らかなように、X線積分強度比IC /IA が 0.2以下
であれば、保磁力が200A/m以下の実用的な軟磁性を示す
が、試料Dに示すように、積分強度比が 0.2を超えると
保磁力が増大することが分かる。
相と非晶質相とのX線積分強度比IC /IA との関係を
図3に示す。図3には比較例1の直流磁場中熱処理直後
のデータおよび実施例1のデータも付記した。図3から
明らかなように、X線積分強度比IC /IA が 0.2以下
であれば、保磁力が200A/m以下の実用的な軟磁性を示す
が、試料Dに示すように、積分強度比が 0.2を超えると
保磁力が増大することが分かる。
【0046】実施例5 実施例1と同一条件で、図4に示す薄膜インダクタ11
の磁性膜部分(磁性薄膜12)を作製した。ここで、図
4に示す薄膜インダクタ11は、ダブルレクタンギュラ
ー型の平面コイル13の両主面に、磁性薄膜12、12
を積層形成して構成したものである。なお、図中矢印B
は磁化容易軸を示す。この実施例の薄膜インダクタは、
13MHzまでほぼ平坦なインダクタンスと、損失係数 tan
δが 0.1以下の良好な特性が得られた。
の磁性膜部分(磁性薄膜12)を作製した。ここで、図
4に示す薄膜インダクタ11は、ダブルレクタンギュラ
ー型の平面コイル13の両主面に、磁性薄膜12、12
を積層形成して構成したものである。なお、図中矢印B
は磁化容易軸を示す。この実施例の薄膜インダクタは、
13MHzまでほぼ平坦なインダクタンスと、損失係数 tan
δが 0.1以下の良好な特性が得られた。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、平
面インダクタンス素子や薄膜磁気ヘッド等の薄膜磁気素
子に好適な高抵抗率、高飽和磁化および軟磁性、さらに
は高い温度安定性を有し、かつ磁化困難軸励磁による高
周波透磁率を容易に獲得することが可能な磁性薄膜を提
供することができる。そして、このような磁性薄膜を用
いた薄膜磁気素子は、小形化や高性能化を図ることがで
きる。
面インダクタンス素子や薄膜磁気ヘッド等の薄膜磁気素
子に好適な高抵抗率、高飽和磁化および軟磁性、さらに
は高い温度安定性を有し、かつ磁化困難軸励磁による高
周波透磁率を容易に獲得することが可能な磁性薄膜を提
供することができる。そして、このような磁性薄膜を用
いた薄膜磁気素子は、小形化や高性能化を図ることがで
きる。
【図1】 本発明の磁性薄膜の微構造の一例を模式的に
示す図である。
示す図である。
【図2】 本発明の実施例1による磁性薄膜の薄膜法X
線回折ピークを示す図である。
線回折ピークを示す図である。
【図3】 本発明の実施例および比較例によるX線積分
強度比IC /IA と磁化困難軸方向の保磁力との関係を
示す図である。
強度比IC /IA と磁化困難軸方向の保磁力との関係を
示す図である。
【図4】 本発明の一実施例による薄膜インダクタの構
造を模式的に示す図であり、(a)はその平面図、
(b)はそのX−X線に沿った断面図である。
造を模式的に示す図であり、(a)はその平面図、
(b)はそのX−X線に沿った断面図である。
【図5】 複相非晶質磁性薄膜中の遷移金属 1原子当た
りの磁気異方性エネルギーεa を複相非晶質磁性薄膜の
Bと4B族元素との組成比の和uとの関係としてプロット
した図である。
りの磁気異方性エネルギーεa を複相非晶質磁性薄膜の
Bと4B族元素との組成比の和uとの関係としてプロット
した図である。
1……結晶質相と第1の非晶質相との複合領域 2……第2の非晶質相領域 11…薄膜インダクタ 12…磁性薄膜 13…平面コイル
Claims (2)
- 【請求項1】 化学式:(Fe1-x Cox )1-y (B1-z
Xz )y (式中、 Xは4B族元素から選ばれる少なくとも 1種の元
素を示し、 x、 y、 zは0< x< 1、0.05< y<0.33、
0< z< 1を満足する数である)で実質的に組成が表さ
れる磁性薄膜であって、結晶質相と、鉄とコバルトを共
に含む第1の非晶質相と、硼素と4B族元素から選ばれる
少なくとも 1種の元素を共に含む第2の非晶質相とから
構成される微構造を、薄膜形成領域の少なくとも一部と
して有することを特徴とする磁性薄膜。 - 【請求項2】 請求項1記載の磁性薄膜を構成要素とし
て含むことを特徴とする薄膜磁気素子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6218599A JPH0883714A (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 磁性薄膜および薄膜磁気素子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6218599A JPH0883714A (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 磁性薄膜および薄膜磁気素子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0883714A true JPH0883714A (ja) | 1996-03-26 |
Family
ID=16722490
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6218599A Withdrawn JPH0883714A (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 磁性薄膜および薄膜磁気素子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0883714A (ja) |
-
1994
- 1994-09-13 JP JP6218599A patent/JPH0883714A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20011120 |