JPH0886622A - 形状計測装置 - Google Patents

形状計測装置

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JPH0886622A
JPH0886622A JP6247091A JP24709194A JPH0886622A JP H0886622 A JPH0886622 A JP H0886622A JP 6247091 A JP6247091 A JP 6247091A JP 24709194 A JP24709194 A JP 24709194A JP H0886622 A JPH0886622 A JP H0886622A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザ光の偏向角度と点滅間隔とを予めキャ
リブレートしてこれらを考慮した補正を行ない測定精度
を向上した形状計測装置を提供すること。 【構成】 駆動タイミング手段12、13を設け、偏向
照射装置3の実際の駆動特性を補正するキャリブレーシ
ョンを行うこととし、点滅タイミング手段8、9を設
け、レーザ光源1の点滅発光をキャリブレーションして
被測定面上等間隔をなす点滅パターンで測定するように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、計測対象物の三次元形
状を光学的手段を用いて非接触で計測する形状計測装置
に関し、更に詳細には、スキャナの駆動とレーザ光の点
滅パターンとに補正を施して測定精度を向上させ測定時
間を短縮したことを特徴とする形状計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、代表的な光学的形状計測方法の一
つとして空間コード化法が知られている。空間コード化
法は、計測機側に投光装置を有し、投光した光の計測対
象による反射光を計測する能動的計測法の一つである。
従来の空間コード化法による形状計測装置の一例とし
て、特開平5−332737号公報に開示されているも
のを図9を参照して説明する。図9の形状計測装置は、
レーザ光源87と、レーザ光をスリット形に整形するレ
ンズ系88と、整形されたレーザ光を計測対象物Qに走
査して照射するスキャニング装置89と、計測対象物Q
による反射光を検出するCCDカメラ81と、これらを
制御するコントロール部82とを有している。
【0003】レーザ光源87は、所定の規則に従って点
滅するように制御されている。従って、計測対象物Qの
表面には、レーザ光が照射された部分と照射されなかっ
た部分との縞模様が生ずる。スキャニング装置89によ
るレーザ光の走査は、CCDカメラ81の1フレーム分
の蓄積時間内に1回の走査が行なわれるようになってい
るので、1フレーム分の画像データには計測対象物Qの
縞模様状のデータが蓄積される。そして、異なる点滅パ
ターンによる複数回の走査がなされると、異なる複数の
縞模様データが空間コードごとに蓄えられる。これらの
縞模様データに基づき、コントロール部82に内蔵され
る演算装置が三角測量の原理を利用して各画素に対応す
る計測対象物Q上の点の座標を算出し、形状が計測され
る。この形状計測装置は、レーザ光源87を点滅させる
ことにより、機械的なパターンマスク及びその入れ替え
操作を不要として、装置の小形化と迅速な計測とを実現
しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
形状計測装置によってもなお解決されないいくつかの問
題点があった。第1に、スキャニング装置89によるレ
ーザ光の角度偏向の精度の問題がある。計測対象物Q上
の点座標の算出にはレーザ光の偏向角度のデータを使用
するので、これに誤差があることにより、算出された座
標も誤差を含むこととなり形状計測の精度が低下するか
らである。スキャニング装置89は、例えばガルバノミ
ラーまたはポリゴンミラーのような反射鏡を所定のパタ
ーンで揺動させるものであるが、一般には高精度の揺動
運動を得にくいことからかかる問題を生ずる。反射鏡の
揺動角度の精度が低いのは、慣性その他の理由による駆
動に対する時間遅れ等の非線形関係があるためと考えら
れる。
【0005】図3に、指令値に対する反射鏡の実際の追
従角度の関係を示す。図3では、横軸に時間をとり、縦
軸に角度をとっている。実線で示す三角波形の指令値に
対し、破線で示す追従値が時間的にやや遅れていること
が理解できる。この時間遅れが偏向角度のデータの無視
できない誤差要因となるために、形状計測の精度低下を
招くのである。
【0006】第2に、空間コードが計測の基準面(CC
Dカメラ81の光軸に垂直な面)上等間隔でないという
問題がある。この問題は、前記した偏向角度の非線形性
によるものではない。空間コードとは、図10に示すよ
うに、スキャニング装置89により分散されるレーザ光
の角度範囲をレーザ光の点滅間隔で分割したときの各区
切りごとの基準面上での位置に付与した一連番号のこと
である。レーザ光の点滅は時間的に等間隔で行なうのが
最も制御しやすいことはいうまでもないが、その場合に
は図10中にφで示す各角度が等しくなる一方、基準面
上での各区間幅(図中l1〜l6)は一定にならない。空
間コードの番号が大きいほどスキャニング装置89から
基準面までの距離が大きくなり、かつ、レーザ光と基準
面との交差角が小さくなるからである。
【0007】このために、基準面において、スキャニン
グ装置89からの距離が遠い部分と近い部分とでは、C
CDカメラ81に取り込まれる空間コードのコード幅に
差が生ずる。従って、距離が遠くなるにつれて空間コー
ドデータの分解能が粗くなる。このため、空間分解能を
視野上で一意的に定めることができず、機械的パターン
マスクを不要としたことの効果が十分活かされない。ま
た、視野内においてレーザ光の照度が不均一となる問題
点もある。図11に示すように、スリット形のレーザ光
の広がり角ωが一定であっても、スキャニング装置89
からの距離の遠近により、スリット光の長さd1、d2
差を生じるからである。このため、CCDカメラ81で
取り込む輝度値が視野内で一定とならず、測定条件とし
ては理想的でない。
【0008】本発明は、前記従来技術の問題点を解決す
るためになされたものであり、その目的とするところ
は、レーザ光の偏向角度の誤差を予めキャリブレートし
てこれを考慮した補正をしつつ座標演算を行なうととも
に、計測の基準面上で等間隔をなすようにレーザ光の点
滅間隔を制御して演算処理を単純化することにより、測
定精度を向上して、空間分解能や照度を均一化した形状
計測装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の形状計測装置(1)は、スリット状に整形され
たレーザ光を点滅して発生するレーザ光源と、前記レー
ザ光を被測定面に置いた被測定物体に向けて偏向走査す
る偏向照射装置と、前記レーザ光の照射により被測定物
体の表面に生じるストライプパターンを撮像する撮像手
段とを有する形状計測装置であって、前記偏向照射装置
による測定範囲全体にわたる偏向走査が前記撮像手段の
1フレーム分の撮像時間に行われるように前記偏向照射
装置を駆動する駆動手段と、前記駆動手段による駆動信
号と前記偏向照射装置の実際の偏向角との間の非線形関
係を補正するように前記駆動手段の駆動信号の発信を調
整する駆動タイミング手段と、前記撮像手段による撮像
データと偏向角データとから被測定物体の形状を算出す
る形状演算手段とを有する構成とされる。
【0010】また、本発明の形状計測装置(2)は、
(1)の形状計測装置であって、前記駆動タイミング手
段が、被測定物体がない状態で前記撮像手段の光軸に垂
直な基準面のみの計測を行ったときの前記撮像手段によ
る撮像データから、駆動信号の補正量を算出することを
特徴とする。また、本発明の形状計測装置(3)は、
(1)または(2)の形状計測装置であって、前記レー
ザ光により被測定物体の表面に生じるストライプパター
ンが前記撮像手段の光軸に垂直な基準面上等間隔をなす
ように前記レーザ光源の点滅発光を制御する点滅タイミ
ング手段を有し、前記形状演算手段が、撮像データと偏
向角データとから空間座標系における位置座標を算出す
ることにより被測定物体の形状を決定することを特徴と
する構成とされる。
【0011】また、本発明の形状計測装置(4)は、
(3)の形状計測装置であって、前記点滅タイミング手
段が、被測定物体がない状態で前記基準面のみの計測を
行ったときの前記撮像手段による撮像データから、スト
ライプパターンが前記基準面上等間隔をなす点滅パター
ンを決定することを特徴とする。
【0012】また、本発明の形状計測装置(5)は、
(3)または(4)の形状計測装置であって、前記レー
ザ光源の点滅発光パターンを偏向走査1回ごとに変更す
る点滅パターン変更手段と、前記撮像手段による撮像デ
ータを複数フレーム分格納可能な画像データ記憶手段と
を有し、前記形状演算手段が、異なる点滅パターンによ
り撮像された複数の撮像データとそれぞれに対応する偏
向角データとに基づいて被測定物体の形状を算出するこ
とを特徴とする構成とされる。また、本発明の形状計測
装置(6)は、(5)の形状計測装置であって、前記点
滅パターン変更手段がグレイコードに従いレーザ光源の
点滅発光パターンを変更することを特徴とする。
【0013】
【作用】前記の構成を有する本発明の形状計測装置
(1)では、レーザ光源が点滅して発生するスリット状
のレーザ光が、偏向照射装置により被測定物体に向けて
偏向走査して照射される。そして、撮像手段の1フレー
ム分の撮像時間に測定範囲全体にわたる偏向走査が行わ
れるように駆動手段が偏向照射装置を駆動するので、被
測定物体の表面に生ずるストライプパターンが、撮像手
段に撮像される。ここで、駆動タイミング手段が、駆動
手段による駆動信号と偏向照射装置の実際の偏向角との
間の非線形関係を補正するように駆動手段の駆動信号の
発信を調整しているので、偏向照射装置は理想的な動き
を示す。そして、撮像手段の撮像データと実際の偏向角
データとから形状演算手段が被測定物体の形状を算出す
る。
【0014】また、本発明の形状計測装置(2)では、
被測定物体がない状態で計測を行い、そのデータから駆
動タイミング手段が駆動信号の補正量を算出する。ま
た、本発明の形状計測装置(3)では、点滅タイミング
手段が、基準面上等間隔にストライプパターンが生ずる
ようにレーザ光の点滅発光を制御しており、形状演算手
段は撮像データと偏向角データとから空間座標系におけ
る位置座標を算出する。また、本発明の形状計測装置
(4)では、被測定物体がない状態で計測を行い、その
データから点滅タイミング手段が等間隔にストライプパ
ターンを生ずる点滅パターンを決定する。
【0015】また、本発明の形状計測装置(5)では、
点滅パターン変更手段がレーザ光源の点滅発光パターン
を偏向走査1回ごとに変更し、異なる点滅パターンによ
る複数フレームの撮像データが画像データ記憶手段に格
納される。そして、かかる複数の撮像データとそれぞれ
の対応する偏向角データとに基づき、形状演算手段が被
測定物体の形状を算出する。また、本発明の形状計測装
置(6)では、点滅パターン変更手段はグレイコードに
従ってレーザ光源の点滅発光パターンを変更する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の形状計測装置を具体化した一
実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。図1に、
本実施例に係る形状計測装置の概略構成を示す。図1に
示す形状計測装置は、照射系Lと撮像系Pと制御系Cと
に大別される。
【0017】照射系Lは、レーザ光を発生するレーザ光
源1と、レーザ光源1が発生するレーザ光をスリット形
に整形するレンズ系2と、スリット形に整形されたレー
ザ光を偏向して被測定物Q上を走査するように照射させ
る偏向照射装置3とを有している。レーザ光源1は、半
導体レーザ、気体レーザ、固体レーザ、液体レーザ等公
知のレーザ光源であれば何でもよいが、装置の小形化お
よび高速スイッチングが可能であることという観点から
半導体レーザが最も適している。偏向照射装置3は、レ
ンズ系2でスリット形に整形されたレーザ光を被測定物
Qに向けて反射するものであり、揺動または回転運動し
て反射光4を偏向走査し、被測定物Q上を走査する機能
を有している。かかる機能を有する偏向照射装置3とし
ては、公知のガルバノミラーやポリゴンミラー等が考え
られる。
【0018】撮像系Pは、被測定物Q上に照射されるレ
ーザ光4の像を撮像するCCDカメラ6と、被測定物Q
とCCDカメラ6との間にあってバックグラウンド光等
のノイズ成分を除去するフィルター5とを有している。
バックグラウンド光が十分少ない環境下で使用する場合
にはフィルター5はなくてもよい。制御系Cは、演算処
理装置10を中心に、レーザ光源1におけるレーザ光の
点滅発光を制御する点滅制御部Fと、偏向照射装置3の
変更走査を制御する偏向角制御部Sと、CCDカメラ6
が撮像した被測定物Qの画像データの記憶や処理を行う
画像処理部Dとを有している。演算処理装置10は、公
知のCPUにROMやRAMを組み合わせたものであ
る。
【0019】点滅制御部Fは、レーザ光源1のレーザ発
振を司る発振アンプ7と、発振アンプ7に送信する点滅
信号のデータを蓄える点滅パターンメモリ8と、点滅の
同期を司るタイミング回路9とを有している。偏向角制
御部Sは、偏向照射装置3に駆動信号を送信する駆動ア
ンプ11と、偏向照射装置3に最適な動作をさせるため
の駆動パターンのデータを蓄える駆動パターンメモリ1
2と、駆動の同期を司るタイミング回路13とを有して
いる。画像処理部Dは、CCDカメラ6で撮像した画像
データをデジタル化するA/D変換器14と、そのデー
タの記憶等を行うメモリ類15、16、17と、データ
の比較演算を行う演算部18と、位置情報の発生を行う
デコーダ19とを有している。
【0020】次に、前記概略構成を有する形状計測装置
の作用を説明する。まず、偏向照射装置3及び偏向角制
御部Sの作用を説明する。偏向角制御部Sの駆動アンプ
11は、CCDカメラ6における1フレーム分の撮像時
間内に測定範囲全体にわたって偏向走査がなされるよう
に偏向照射装置3に駆動信号を送信することを基本機能
とするものである。ここでタイミング回路13は、CC
Dカメラ6の映像取り込みタイミングに同期して、駆動
パターン読み出し信号を発生する。この信号に基づき駆
動パターンメモリ12が、駆動アンプ11に駆動指令を
送信する。
【0021】この駆動指令は、予めキャリブレーション
して設定したデータにより行われる。駆動アンプ11に
よる指令値に対する偏向照射装置3の実際の追従角度が
図3に示したような時間遅れを有することからこれを補
正するためのデータが必要となるからである。更にいえ
ば、偏向照射装置3の時間遅れは計測周波数による影響
や個体差もあり理論的に正しく求めることが困難なの
で、予めキャリブレーションして設定する必要があるの
である。尚、キャリブレーションの方法等は後述する。
【0022】図2に、時間遅れに対する補正を含めた駆
動指令とそれに対する実際の偏向照射装置3の追従角度
との関係を、追従角度が三角波形となるようにした場合
を例にとって示す。図2では図3と同様に横軸に時間を
とり、縦軸に角度をとっている。破線で示す追従角度が
理想的な三角波形となるように、指令値が若干先行して
いることが理解できる。図2で追従角度が三角波形の例
を示したのは、三角波形には、折返し点付近を除き偏向
角の時間変化が一定であるため、偏向角度の時間的な把
握が容易であり、また折返し点から折返し点までのほぼ
全範囲を測定に有効に利用できるという利点があるから
である。ただし、偏向角制御部Sにより偏向照射装置3
を非常に高精度に制御できるので、正弦波形のような三
角波形以外の波形で駆動することもできる。
【0023】ここで、三角波形以外の波形を採用する場
合の得失を説明する。まず利点としては、折返し点にお
ける偏向照射装置3の慣性の影響を小さくできる点が挙
げられる。三角波形では折返し点での角加速度が非常に
大きいため、補正を考慮した駆動指令を行ってもなお、
オーバーシュートやハンチングの発生を皆無にはし難い
からである。正弦波形等を用いれば、かかる影響を受け
ずに済む。また、この形状計測装置では後述するように
空間コードが測定の基準面上等間隔をなすようにレーザ
光の点滅を行うが、三角波形以外の駆動波形を採用する
と、これに加えて測定視野内の照度の均一化をも図るこ
とが可能となる。図11に示すように、スリット形のレ
ーザ光の広がり角ωが一定であっても、偏向照射装置3
からの距離の遠近により、スリット光の長さd1、d2
差を生じるので、CCDカメラ6で取り込む輝度値を視
野内で一定とするためには、これを考慮した波形で偏向
照射装置3の駆動しなければならないからである。
【0024】一方、三角波形以外の波形の欠点として
は、有効な測定範囲が狭いことと、偏向角度の時間的な
把握が煩雑であることの問題がある。折返し点付近と中
点付近とで角速度が異なるためである。このためレーザ
光の全てを有効に測定に利用することができない。実際
の測定では、上記の各事項を考慮して、最適な駆動波形
を決定する。以下の説明では、特に示さないかぎり三角
波形により種々の計測を行うものとする。
【0025】続いて、レーザ光源1及び点滅制御部Fの
作用を説明する。点滅制御部Fの発振アンプ7は、レー
ザ光源1を発振させレーザ光の発射を行わせることを基
本機能とするものであるが、点滅パターンメモリ8から
点滅信号を受けるので、発射されるレーザ光は、点滅光
となる。被測定物Qに照射されるレーザ光4を明と暗と
が反復する点滅光とすることにより、被測定物Qの表面
上に明と暗とのストライプパターンを生じさせるためで
ある。このストライプパターンが被測定物Qの形状を反
映して歪むことから形状計測が可能となるものである。
このためにタイミング回路9は、CCDカメラ6の映像
取り込みタイミングに同期して、点滅パターン読み出し
信号を発生する。この信号に基づき点滅パターンメモリ
8が、記憶している所定の点滅パターンデータに従って
点滅信号を発振アンプ7に送信する。
【0026】かかるレーザ発光の点滅は、最適な空間コ
ードデータが得られるようなパターンで行われる。即
ち、レーザ発光の点滅を時間的に等間隔とした場合に
は、図10に示した如く測定の基準面における間隔が等
間隔とならないため、画像データからの座標の決定に複
雑な数値変換の必要を生じ、最適な空間コードが得られ
ないからであり、また、空間分解能が視野内で一定とな
らないからである。このため、図4に示すように測定の
基準面において等間隔が得られるような点滅パターンデ
ータが必要とされる。図4にlで示す基準面上の距離
は、 l = htanθ (1) で表される。ここで、hは偏向照射装置3から基準面ま
での距離、θはレーザ光の偏向角である。従って、lを
等間隔とするためには、θが大きい領域では点滅間隔を
小さくしなければならない。この様子を図5に示す。図
5では、縦軸にlをとり、横軸に時間tをとっている。
【0027】この点滅パターンデータは、偏向照射装置
3を三角波形で駆動しているときには(1)式のような
三角関数により理論的に計算することも可能であるが、
実際には偏向照射装置3の駆動パターンと同様キャリブ
レーションして設定するのがよい。その理由は、必ずし
もレーザ光の角度偏向の振幅全体を計測に使用するとは
限らないこと、三角波形以外の波形で偏向照射装置3を
駆動する場合もあること、等である。キャリブレーショ
ンの方法等は後述する。かかるレーザ発光の点滅パター
ンにより測定面は、128、256、512等2のn乗
個に分割され、各々に明又は暗の状態が割り当てられる
ことによりストライプパターンが形成される。
【0028】点滅パターンメモリ8は、明暗のパターン
を多数有しており、偏向走査1回ごとに明暗のパターン
を変える。従って、被測定物Qには、毎回の偏向走査ご
とに異なるストライプパターンが投影される。かかる明
暗パターンの変更は、図8に示すグレイコードに従って
行われる。規則性を持ったコードであればグレイコード
以外のコードでもよく、例えばバイナリコード(2進法
コード)等も考えられる。この形状計測装置では、規則
性を有し空間コードの識別が可能ないかなるコードでも
採用できる。ただ、グレイコードは、ある明暗パターン
から次の明暗パターンに移る際に常に1ビットのみが明
暗反転するのでノイズによる桁上げ誤差が少ないという
点で他のコードより優れている。また、この形状計測装
置では、数MHzのオーダーでその調整が可能であると
いう利点もあり、これらの点で機械的な方法より優れて
いる。
【0029】続いて、撮像系P及び画像処理部Dの作用
について説明する。CCDカメラ6は、被測定物Qの表
面上に投影されたストライプパターンを撮像する。CC
Dカメラ6の1フレーム分の撮像時間内に偏向照射装置
3が測定範囲全体にわたり偏向走査を行うように調整さ
れている。従ってCCDカメラ6は、被測定物Qの表面
上のストライプパターン全体を1フレームに収めて撮像
を行う。偏向照射装置3の駆動パターン及びレーザの点
滅パターンのキャリブレーションがすでに行われていれ
ば、CCDカメラ6の撮像データは以下のように取り扱
われる。
【0030】CCDカメラ6により撮像された被測定物
Q上のストライプパターンは、A/D変換器14により
2値化された上で比較メモリ15に格納される。そして
演算部18を経由して空間メモリ16の任意のビットと
して蓄えられる。また、空間メモリ16には、演算処理
装置10を介して駆動パターンメモリ12から供給され
る偏向角データも蓄えられる。これを複数フレームにつ
いて繰り返し行うことにより、空間メモリ16内には空
間コードデータが格納される。かかる空間コードデータ
を基に、三角測量法の原理を用いて被測定物Qの表面上
の各点における三次元座標R(x,y,z)が演算さ
れ、形状が計測される。かかる三次元座標の計算で最も
重要なのはzの決定であり、次式による。 z = {χ・H−f(L−M・tanθ)}/(χ+f・tanθ) (2)
【0031】ここで、χはCCDカメラ6の撮像面上で
の位置、Hは計測基準面からレンズ主点までの距離、f
は撮像系の焦点距離、Lは偏向照射装置3とCCDカメ
ラ6との間の計測基準面に平行な距離、Mは計測基準面
から偏向照射装置3の偏向軸までの距離、θは偏向角、
をそれぞれ表す。この中で、f、H、L、M、は予めキ
ャリブレーション時に求められ既知である。従って、撮
像データから得られるχと空間コードから得られるθと
により、zが求められる。この形状計測装置では、空間
メモリ16からθに対応する値の転送を受け、デコーダ
19からχの値を供給される変換メモリ17が設けられ
ているので演算処理装置10の負担が小さい。
【0032】次に、この形状計測装置で形状計測を行う
前に必要なキャリブレーションについて説明する。前記
のようにキャリブレーションは、偏向照射装置3の駆動
及びレーザ発光の点滅パターンを最適化するために行わ
れるものである。キャリブレーションの動作フローを図
6、図7のフローチャートに示す。キャリブレーション
測定は、被測定物Qを置かないで基準面について行う。
基準面は、CCDカメラ6の光軸に対して垂直な面であ
る。図6は、駆動パターンのキャリブレーションのフロ
ーである。まずステップ(以下、「S」と記す)1にお
いて、偏向照射装置3の駆動パターンデータの書き込み
を行う。この書き込みは、演算処理装置10から駆動パ
ターンメモリ12に対して行われる。このとき書き込ま
れる駆動パターンは、前記のように三角波形パターンや
正弦波形パターン等種々のものがあるが、補正を考慮す
る前のパターンである。
【0033】次にS2において、レーザ光点滅の明暗パ
ターンデータの書き込みを行う。この書き込みは、演算
処理装置10から点滅パターンメモリ8に対して行われ
る。このとき書き込まれるパターンは、補正を考慮する
前のものである。そしてS3で、レーザ光の発射と偏向
とを行う。このときの偏向照射装置3の駆動パターンと
点滅の明暗パターンは、S1及びS2で書き込んだもの
であり、いずれもCCDカメラ6における画像データ取
り込みと同期して行う。このとき基準面上にはストライ
プパターンが生じ、CCDカメラ6により輝度データと
して取り込まれる(S4)。取り込まれたデータは、A
/D変換器14により2値化される。
【0034】S5では、8ビット分の映像データが取り
込まれたか否かを判断する。未だ8ビット取り込まれて
いない場合には(S5:No)、S3に戻りデータ取得
を継続する。8ビット分取り込まれている場合には(S
5:Yes)、S6へ進み偏向照射装置3の駆動の遅れ
量を算出する。駆動遅れの算出は、S3からS5で取り
込んだ映像データと、S1で書き込んだ駆動パターンデ
ータとを比較することにより行われる。
【0035】S7では、S6で算出した駆動遅れが所定
の許容値以下であるかどうかを判断する。許容値を越え
ていて形状計測に無視できない誤差を生ずる場合には
(S7:No)、S8へ進む。S8では、遅れ量を補正
するための補正データを作成し、駆動パターンメモリ1
2に書き込む。そしてS3へ戻り、補正後の駆動パター
ンデータに従ってS3以下の測定をやり直す。S7で遅
れ量が所定の許容値以下である場合には(S7:Ye
s)、駆動キャリブレーションが終了したことを示すの
で、次工程である点滅キャリブレーションへ進む。
【0036】図7に、点滅キャリブレーションのフロー
を示す。点滅キャリブレーションに入るとまずS9にお
いて、点滅パターンメモリ8にメモリの最高分解能のコ
ードパターンを書き込む。このときの最高分解能とは、
メモリとしての最高分解能を意味し、CCDカメラ6の
画素より小さい。またこのときのコードパターンは任意
である。そしてS10で、1ビットずつのレーザ照射を
行う。レーザ照射は、偏向照射装置3を駆動しつつ、か
つCCDカメラ6における画像データ取り込みと同期し
て行う。このとき生じるレーザ映像は、CCDカメラ6
により輝度データとして取り込まれ、A/D変換器14
により2値化される(S11)。
【0037】S12では、8ビット分の映像データが取
り込まれたか否かを判断する。未だ8ビット取り込まれ
ていない場合には(S12:No)、S10に戻りデー
タ取得を継続する。8ビット分取り込まれている場合に
は(S12:Yes)、S13へ進み、メモリの最高分
解能に至るまでの全面のデータの取り込みがなされたか
否かを判断する。未だ最高分解能に至っていない場合に
は(S13:No)、S10に戻りデータ取得を継続す
る。最高分解能に至った場合には(S13:Yes)、
S14へ進む。S14では、取り込んだデータに基づ
き、レーザの点滅の補正表を作成する。この補正表に基
づいた新たな点滅パターンデータを作成して、点滅パタ
ーンメモリ8に書き込むと(S15)、点滅キャリブレ
ーションが終了する。
【0038】かくして偏向照射装置3の駆動及びレーザ
発光の点滅パターンの最適化が完了する。その後、実際
の被測定物Qを置いて本測定を行うと、キャリブレーシ
ョンにより得られた補正データに基づいて、高精度な形
状計測を行うことができるものである。
【0039】以上詳細に説明したように、本実施例の形
状計測装置においては、駆動パターンメモリ12を設
け、偏向照射装置3の実際の駆動特性を補正するキャリ
ブレーションを行い、補正データに基づいて被測定物Q
の測定を行うようにしたので、偏向照射装置3の駆動に
誤差がない。また、点滅パターンメモリ8を設け、レー
ザ点滅パターンのキャリブレーションを行い、点滅によ
る明暗縞が測定の基準面上で等間隔をなすような点滅パ
ターンで被測定物Qの測定を行うようにしたので、最適
な空間コードが得られ、分解能が視野内で一定となり、
かつ形状決定のための三次元座標の算出の演算素子への
負担が小さい。このため、被測定物Qの形状計測が高精
度にかつ迅速に行われる。また、偏向照射装置3の駆動
波形の選択により、測定視野内での照度の均一化も可能
である。尚、前記実施例は本発明を何ら限定するもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にいて種々の変
形・改良が可能であることはもちろんである。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の形状計測
装置では、偏向照射装置を駆動する駆動手段による駆動
信号の発信にあたり、偏向照射装置の実際の偏向角を考
慮した補正を行わせる駆動タイミング手段を設けたの
で、偏向照射装置の偏向角の精度がよく形状計測を高精
度に行うことができる。かかる偏向照射装置の駆動信号
の補正は、予め背景計測の撮像データを用いたキャリブ
レーションを行うことにより測定条件に合わせて行われ
る。
【0041】また、本発明の形状計測装置では、被測定
物の表面に生じるストライプパターンが測定の基準面上
等間隔をなすようにレーザ光源の点滅発光を制御する点
滅タイミング手段を設けたので、一定の空間分解能が得
られ、測定された空間コードデータから座標データへの
変換がしやすく、形状演算手段における演算時間を短縮
できる。かかる点滅発光パターンの最適化は、予め背景
計測の撮像データを用いたキャリブレーションを行うこ
とにより測定条件に合わせて行われる。また、本発明の
形状計測装置では、レーザ光の点滅パターンを偏向走査
1回ごとに変更して、異なる点滅パターンによる複数の
撮像データに基づいて被測定物体の形状を算出する。こ
こで、グレイコードに従いレーザ光の点滅パターンを変
更するので、ノイズの桁上げによる余計な誤差成分の発
生がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る形状計測装置の構成を示す図で
ある。
【図2】補正を考慮した場合の偏向照射装置の駆動指令
と実際の追従角度との関係を示すグラフである。
【図3】補正を考慮しない場合の偏向照射装置の駆動指
令と実際の追従角度との関係を示すグラフである。
【図4】レーザの点滅が測定面上において等間隔をなす
状態を説明する図である。
【図5】偏向照射装置を三角波形で駆動した場合の駆動
時間と測定面上の照射位置の基準点からの距離との関係
を説明するグラフである。
【図6】偏向照射装置の駆動パターンのキャリブレーシ
ョンのフローチャートである。
【図7】レーザ光の点滅パターンのキャリブレーション
のフローチャートである。
【図8】グレイコードを示す図である。
【図9】従来の形状計測装置の構成を示す図である。
【図10】レーザの点滅により偏向角が等間隔をなし測
定面上等間隔とならない状態を説明する図である。
【図11】光源から測定面までの距離の相違によりレー
ザ光の照度が視野内で一定とならない様子を説明する図
である。
【符号の説明】
1 レーザ光源 2 レンズ系 3 偏向照射装置 6 CCDカメラ 7 発振アンプ 8 点滅パターンメモリ 9 タイミング回路 10 演算処理装置 11 駆動アンプ 12 駆動パターンメモリ 13 タイミング回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石榑 克範 愛知県小牧市大字北外山字早崎3005番地 シーケーディ株式会社内 (72)発明者 佐藤 幸男 愛知県名古屋市千種区観月町1丁目29番地

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スリット状に整形されたレーザ光を点滅
    して発生するレーザ光源と、前記レーザ光を被測定面に
    置いた被測定物体に向けて偏向走査する偏向照射装置
    と、前記レーザ光の照射により被測定物体の表面に生じ
    るストライプパターンを撮像する撮像手段とを有する形
    状計測装置において、 前記偏向照射装置による測定範囲全体にわたる偏向走査
    が前記撮像手段の1フレーム分の撮像時間に行われるよ
    うに前記偏向照射装置を駆動する駆動手段と、 前記駆動手段による駆動信号と前記偏向照射装置の実際
    の偏向角との間の非線形関係を補正するように前記駆動
    手段の駆動信号の発信を調整する駆動タイミング手段
    と、 前記撮像手段による撮像データと偏向角データとから被
    測定物体の形状を算出する形状演算手段とを有すること
    を特徴とする形状計測装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する形状計測装置におい
    て、 前記駆動タイミング手段が、被測定物体がない状態で前
    記撮像手段の光軸に垂直な基準面のみの計測を行ったと
    きの前記撮像手段による撮像データから、駆動信号の補
    正量を算出することを特徴とする形状計測装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載する形状
    計測装置において、 前記レーザ光により被測定物体の表面に生じるストライ
    プパターンが前記撮像手段の光軸に垂直な基準面上等間
    隔をなすように前記レーザ光源の点滅発光を制御する点
    滅タイミング手段を有し、 前記形状演算手段が、撮像データと偏向角データとから
    空間座標系における位置座標を算出することにより被測
    定物体の形状を決定することを特徴とする形状計測装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載する形状計測装置におい
    て、 前記点滅タイミング手段が、被測定物体がない状態で前
    記基準面のみの計測を行ったときの前記撮像手段による
    撮像データから、ストライプパターンが前記基準面上等
    間隔をなす点滅パターンを決定することを特徴とする形
    状計測装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載する形状
    計測装置において、 前記レーザ光源の点滅発光パターンを偏向走査1回ごと
    に変更する点滅パターン変更手段と、 前記撮像手段による撮像データを複数フレーム分格納可
    能な画像データ記憶手段とを有し、 前記形状演算手段が、異なる点滅パターンにより撮像さ
    れた複数の撮像データとそれぞれに対応する偏向角デー
    タとに基づいて被測定物体の形状を算出することを特徴
    とする形状計測装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載する形状計測装置におい
    て、 前記点滅パターン変更手段がグレイコードに従いレーザ
    光源の点滅発光パターンを変更することを特徴とする形
    状計測装置。
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