JPH0892677A - 高温水中の耐食性に優れたニッケル基合金 - Google Patents

高温水中の耐食性に優れたニッケル基合金

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JPH0892677A
JPH0892677A JP6231498A JP23149894A JPH0892677A JP H0892677 A JPH0892677 A JP H0892677A JP 6231498 A JP6231498 A JP 6231498A JP 23149894 A JP23149894 A JP 23149894A JP H0892677 A JPH0892677 A JP H0892677A
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JP
Japan
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corrosion resistance
film
pure
high temperature
excellent corrosion
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Pending
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JP6231498A
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English (en)
Inventor
Manabu Kanzaki
学 神崎
Haruhiko Kajimura
治彦 梶村
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】加圧水型原子炉の熱交換器伝熱管や炉内構造部
材用として、耐食性、特に耐SCC 性に優れた材料を提供
する。 【構成】重量%で、Cr:25〜35%、Ni:40〜70%を含有
する合金表面に、純Ni被覆層を有する高温水中の耐食
性に優れたニッケル基合金。 【効果】ニッケル基合金の表面に純Ni被覆層を形成する
ことにより、原子炉の一次側環境で代表される脱気高温
水環境において、耐食性、特に耐SCC 性に優れた材料を
得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加圧水型原子力発電に
用いられる熱交換器伝熱管や炉内構造部材に使用される
ニッケル基合金に関する。
【0002】
【従来の技術】加圧水型原子力発電に用いられる熱交換
器伝熱管や炉内構造部材は高温、高圧の環境下に曝され
るため、その材料として、Alloy600(商品名、15Cr−75
Ni合金)やAlloy690(商品名、30Cr−60Ni合金)等のニ
ッケル基合金(以下、「Ni基合金」と呼ぶ。)が用いら
れている。これらの材料は、原子炉の二次側環境である
280℃でpHが 9.2〜9.5 というような高温、高アルカリ
環境でのアルカリ濃縮が原因となる応力腐食割れ(以
下、「SCC 」と呼ぶ。)に対する検討で開発されたもの
である。
【0003】その改善として、例えば、特開平6-128672
号公報ではアルカリ濃縮が原因で発生するSCC に対して
合金を高Cr化する技術が、また、特開昭59−229457号公
報ではCl- イオンによるSCC に対して粒内に炭化物を析
出させる技術が開示されている。 一方、一次側環境は
約 320℃で約500ppmのボロンと約1ppmのリチウムが含ま
れ溶存酸素を5ppb以下に抑えた水溶液が用いられてい
る。このような一次側環境は二次側環境と比べて腐食さ
れ難い環境となっており、SCC は非常に起こり難いと言
われている。しかし、D.Van Rooyen、Corrosion −NAC
E、Vol.31,No.9(1975)p327-337 で報告されているよう
に、長時間の使用ではAlloy600にSCC の発生が認められ
た例もある。また、G.P.Airey 、EPRI NP-3051 Reserch
Project 1708-1 、July(1983)では、一次水中には水の
放射線分解により発生する酸素を抑えるために約30cc/k
gH2O(STP) の水素が添加されており、その水素添加がAl
loy600のSCC を加速するという実験結果が報告されてい
る。
【0004】その対策として、一次側の耐SCC 性の改善
にも二次側と同様に合金のCr含有量を増加させることが
有効と考えられるが、組織の安定性、加工性の面からは
合金中のCr含有量には限界がある。
【0005】さらに、原子炉一次水には放射性物質も含
まれるため、伝熱管が貫通割れを起こした場合は重大事
故につながる恐れもあり、一次側の耐SCC 性に対する信
頼性を向上させるためにさらなる高耐食性材料の開発が
要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、原子
炉の一次側環境に代表される脱気高温水環境における耐
食性、特に耐SCC 性に優れた材料を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】SCC の発生機構は「応力
等の外的要因により材料表面に形成された耐食性を有す
る不働態皮膜が局部的に破壊された場合に、そこを起点
として皮膜破壊部の局部溶解により腐食が起こる。さら
に、その局部腐食が応力集中を増大させてSCCが伝播し
割れに進展していく。」ということが一般に知られてい
る。
【0008】このように、SCC は皮膜の局部破壊部の局
部溶解によって起こるが、SCC は皮膜の生成と皮膜の破
壊とがバランスのとれた条件下でのみ発生し、皮膜によ
る保護が十分でない場合は、全面腐食的な腐食となりSC
C は起こらない。また、皮膜が非常に速やかに生成され
る場合は腐食されにくく、そのためSCC は起こりにく
い。したがって、先に述べたAlloy600やAlloy690のよう
に高耐食性を有する材料の耐SCC 性を向上させるために
は、皮膜破壊時の皮膜修復速度を速め、SCC の原因とな
る皮膜破壊部の局部溶解を阻止することが必要である。
【0009】本発明者らは、皮膜の局部破壊に対する皮
膜修復速度を速めることが耐SCC 性の改善に有効である
という観点から、皮膜修復速度を評価するために「歪電
極法」という、急速歪付加により発生した皮膜破壊直後
の皮膜修復挙動を、溶解電流を測定して皮膜修復速度を
定量的に評価する手法を完成させ、その手法により原子
炉の一次側環境での材料評価を行い、下記の知見を得
た。
【0010】原子炉の一次側環境での皮膜修復時間
は、二次側のアルカリ環境に比べて4桁ほど大きく、皮
膜の修復速度が非常に遅い。さらに、一次側環境では水
素無添加に比べ、水素を添加すると修復速度が遅くな
る。この原因は、高温水中の皮膜の修復は水中に溶解し
た金属イオンが表面に濃化して皮膜が修復されるが、高
温水中に水素を添加するとアノード反応が抑制されて金
属の溶解が抑制されるため皮膜の修復速度が遅くなるた
めである。
【0011】したがい、水素溶存環境中での耐SCC 性
を向上させるには、表面に金属イオン濃化層の形成を促
進させて皮膜修復速度を速めることが有効であり、材料
表面にそれ自体耐食性を有し、かつ一次側環境下でイオ
ンとして安定に存在し易い金属元素である純Ni被覆層を
設けることでNiイオンの溶解が促進され、皮膜の局部破
壊時の修復速度を速めることができる。
【0012】ここに本発明は、重量%で、Cr:25〜35
%、Ni:40〜70%を含有する合金表面に、純Ni被覆層
を有する高温水中の耐食性に優れたニッケル基合金であ
る。
【0013】
【作用】上述した皮膜修復速度を評価する「歪電極法」
について簡単に説明する。
【0014】図1に「歪電極法」での測定に用いた歪電
極測定装置を示す。ヒーターによる温度調整が可能な密
閉容器内には試験片に引張り歪を付加するための引張り
装置が設けられている。密閉容器内の試験用水溶液中に
引張り装置のチャックに挟み込んで試験片を置き、試験
片の両側にPt対極とPt黒参照電極を設けてある。脱気さ
せた水溶液をヒーター加熱により高温、高圧とした密閉
容器内で、電位を一定に保った状態でアキュムレータ中
の高圧ガスを電磁バルブ操作により引張ロッドに付与
し、急速に引張り歪を試験片に付加して表面の皮膜を破
壊した後、試験片の溶解電流を測定することで皮膜の修
復時間(皮膜修復速度)を求める装置である。
【0015】図2に歪電極法による測定結果の一例を示
す。用いた材料は後の実施例で述べる表1の合金C(30
Cr−60Ni)で、試験片には表面に純Ni被覆をしていない
ものを用いた。試験条件は、500ppmボロン−1ppmリチウ
ム水溶液、脱気後溶存水素を30cc/kgH2O(STP) 添加して
320℃( 11Mpa)で電位を +50mVに保った環境で、試験片
に4%の歪を歪速度4/秒で付加した直後からの直流電
流密度の経時変化を測定した。なお、皮膜修復時間は歪
付加停止時から、電流密度が分極測定した時の電流値に
減衰するまでの時間とした。また、比較として水素無添
加で行った結果も合わせて示す。
【0016】図2から、水素を添加することで皮膜修復
時間が長い、すなわち皮膜修復速度が遅くなることが分
かる。この理由は、水素無添加では溶解した金属イオン
が材料表面に濃化して皮膜の修復が促進されるが、水溶
液中に水素が溶存すると金属イオンの溶解が抑制され材
料表面への金属イオンの濃化が低下するため皮膜の修復
速度が遅くなったものと考えられる。
【0017】したがって、水素溶存環境中での耐SCC 性
を向上させるには、材料表面に金属イオン濃化層の形成
を促進させて皮膜修復速度を速めることが有効であり、
材料表面にそれ自体耐食性を有し、かつ一次側環境下で
イオンとして安定に存在し易い金属元素である純Niを被
覆することでNiイオンの溶解が促進され、皮膜の局部破
壊時の修復速度を速めることができる。ここで純Niと
は、Niの純度が95重量%以上のものを言う。
【0018】純Ni被覆層の形成方法としては、メッキ、
溶射、蒸着等のコーティングの慣用手段を用いればよ
く、被覆層は伝熱管や部材の少なくとも原子炉の一次側
環境に曝される面のみ形成すればよいことは言うまでも
ない。
【0019】また、純Ni被覆層の厚さは特に限定しない
が、図3に純Ni被覆膜厚と皮膜修復時間との関係を示
す。用いた試験片は後述する表1の合金C(30Cr−60N
i)で、その表面にNiメッキにより純Ni被覆層を形成し
た。試験条件は上記試験と同様で、水素を添加した条件
で行った。図3から、純Ni被覆層を有することで皮膜修
復時間は短くなるが、膜厚が 0.8μm以上で皮膜修復時
間はほぼ一定の低い値となることから、純Ni被覆層の厚
さは 0.8μm以上が望ましい。一方、膜厚を厚くしても
効果は飽和し、コストアップとなるため、 5μm以下が
望ましい。
【0020】純Ni被覆層を設ける素材については、原子
炉一次側の環境下で耐食性を有する材料であるNi基合金
を用いなければならないのは当然であり、以下に被覆さ
れるNi基合金の組成を限定した理由について述べる。な
お、以下の「%」は「重量%」のことである。
【0021】Cr:25〜35% Crは、耐食性を維持するのに不可欠な元素であり、25%
未満では本発明の用途で要求される耐SCC 性を確保する
ことができない。一方、35%を超えると熱間加工性が著
しく劣化する。したがい、Cr含有量は25〜35%とした。
【0022】Ni:40〜70% Niは、耐食性向上に有効な元素であり、特に耐酸性およ
びCl- 含有高温水中における耐SCC 性を向上させる。こ
の効果を得るためにはNi含有量を40%以上とする必要が
ある。一方、上限はCr含有量との割合を考慮して70%以
下とした。
【0023】その他含有される主要元素、不純物元素と
してC、Si、Mn、P、Sがあるが、総合的な耐食性、溶
接性等を考慮した場合、下記の範囲とすることが望まし
い。
【0024】C:0.015 〜0.040 % Cは材料の強度を確保するために 0.015%以上含有させ
るのが好ましく、一方、 0.040%を超えると耐SCC 性が
劣化するため、 0.015〜 0.040%が望ましい。
【0025】Si:1.0 %以下 Siは脱酸材として必要な元素である。しかし、Si含有量
が 1.0%を超えると溶接性や清浄度が低下するため 1.0
%以下が望ましい。
【0026】Mn:1.0 %以下 MnはSiと同様に脱酸材として含有される。しかし、 1.0
%を超えると合金の清浄度を低下させるため 1.0%以下
が望ましい。
【0027】P:0.015 %以下 Pは通常の製銑、製鋼過程で原料やスクラップなどから
不可避的に混入する不純物である。しかし、P含有量が
0.015%を超えると耐食性に悪影響を及ぼすため 0.015
%以下が望ましい。
【0028】S:0.005 %以下 SもPと同様に製銑、製鋼過程で原料やスクラップなど
から不可避的に混入する不純物である。しかし、S含有
量が 0.005%を超えると熱間加工性が著しく劣化するた
め 0.005%以下が望ましい。
【0029】さらに、熱間加工性を改善するためにTi、
Mgや、耐孔食性改善のためにMo、W、V等を含有させて
もよい。
【0030】
【実施例】表1に示す化学組成のNi基合金を真空溶解
し、鍛造、熱間圧延、冷間圧延して厚さ 1.8mmの板材に
仕上げた後、1100℃加熱後水冷の最終固溶化熱処理を行
った。この板材からゲージ部 1mm径×10mm長の引張り試
験片を作成し、エメリー紙#1200で研磨後、有機溶剤脱
脂、乾燥、電解研磨(条件、10%NaOH、陰極:Pt、4A/
m2×5分、室温)後直ちに水洗いした。その後、表面に
純Niを被覆する試験片については、電気メッキ(条件、
メッキ浴:スルファミン浴、陽極:Ni、2A/m2、50〜60
℃)を行い所定の膜厚になるまで通電して純Niを被覆し
た。
【0031】
【表1】
【0032】歪電極試験は、先に説明した図1の歪電極
測定装置を用いて、500ppmボロン−1ppmリチウム水溶液
を脱気後溶存水素を30CC/kgH2O(STP) 添加し 320℃( 11
Mpa)で電位を +50mVに保った環境で、試験片に4%の歪
を歪速度4/秒で付加した直後からの直流電流密度の経
時変化を測定し、皮膜修復時間を求めることにより耐SC
C 性の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0033】表2から、純Ni被覆処理を行った試料は、
被覆処理を行っていない試料に比べて皮膜修復時間が大
幅に短くなっており、耐SCC 性が向上していることが分
かる。 また、本発明組成範囲を外れるNi基合金を用い
た場合は、純Ni被覆処理を行っても皮膜修復時間が長
く、耐SCC 性が悪い。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】Ni基合金の表面に純Ni被覆層を形成する
ことにより、原子炉の一次側環境で代表される脱気高温
水環境における耐食性、特に耐SCC 性が向上し、加圧水
型原子力発電に用いられる熱交換器伝熱管や炉内構造部
材の材料として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】歪電極測定装置を示す図である。
【図2】歪電極法により測定した、時間と電流密度との
関係を示す図である。
【図3】純Ni被覆膜厚と皮膜修復時間の関係を示す図で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、Cr:25〜35%、Ni:40〜70%を
    含有する合金表面に、純Ni被覆層を有することを特徴
    とする高温水中の耐食性に優れたニッケル基合金。
JP6231498A 1994-09-27 1994-09-27 高温水中の耐食性に優れたニッケル基合金 Pending JPH0892677A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107817165A (zh) * 2017-11-28 2018-03-20 嘉峪关天源新材料有限责任公司 一种用于测定钢材在腐蚀环境中应力腐蚀行为的装置
WO2024009594A1 (ja) * 2022-07-07 2024-01-11 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 ニッケル基合金
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