JPH0892708A - 粉末冶金用混合鉄粉および切削性に優れた焼結鋼の製造方法 - Google Patents
粉末冶金用混合鉄粉および切削性に優れた焼結鋼の製造方法Info
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- JPH0892708A JPH0892708A JP6313360A JP31336094A JPH0892708A JP H0892708 A JPH0892708 A JP H0892708A JP 6313360 A JP6313360 A JP 6313360A JP 31336094 A JP31336094 A JP 31336094A JP H0892708 A JPH0892708 A JP H0892708A
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C33/00—Making ferrous alloys
- C22C33/02—Making ferrous alloys by powder metallurgy
- C22C33/0257—Making ferrous alloys by powder metallurgy characterised by the range of the alloying elements
- C22C33/0264—Making ferrous alloys by powder metallurgy characterised by the range of the alloying elements the maximum content of each alloying element not exceeding 5%
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Abstract
(57)【要約】
【目 的】 水を用いた噴霧法により製造される粉末冶
金用S含有鉄粉を水素含有の雰囲気中で焼結した場合で
も優れた切削性を示す焼結鋼を製造できる粉末冶金用混
合鉄粉および切削性に優れた焼結鋼の製造方法を提供。 【構 成】 重量比で、Mn:0.1%未満、S:0.08〜0.30%
を含有する粉末冶金用鉄粉に、MoO3、WO3 、CuO および
Cu2Oの群から選ばれた1種または2種以上を合計で0.05
〜0.70%、黒鉛粉末を0.50〜1.50%および必要により銅
粉を0.50〜 4.0%混合した粉末冶金用混合鉄粉であり、
この粉末冶金用混合鉄粉を成形、焼結する切削性に優れ
た焼結鋼の製造方法である。
金用S含有鉄粉を水素含有の雰囲気中で焼結した場合で
も優れた切削性を示す焼結鋼を製造できる粉末冶金用混
合鉄粉および切削性に優れた焼結鋼の製造方法を提供。 【構 成】 重量比で、Mn:0.1%未満、S:0.08〜0.30%
を含有する粉末冶金用鉄粉に、MoO3、WO3 、CuO および
Cu2Oの群から選ばれた1種または2種以上を合計で0.05
〜0.70%、黒鉛粉末を0.50〜1.50%および必要により銅
粉を0.50〜 4.0%混合した粉末冶金用混合鉄粉であり、
この粉末冶金用混合鉄粉を成形、焼結する切削性に優れ
た焼結鋼の製造方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末冶金用鉄粉および
それを用いて圧縮成形後、焼結により製造される切削性
に優れた焼結鋼の製造方法に関するものである。
それを用いて圧縮成形後、焼結により製造される切削性
に優れた焼結鋼の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粉末冶金用鉄粉は、鉄粉にCu粉、黒鉛粉
などを添加混合し、金型中で圧粉成形して焼結し、通常
5.0 〜7.2 g/cm3 の密度を有する焼結機械部品などの製
造に用いられる。粉末冶金法は、複雑形状の焼結体を比
較的寸法精度良く製造できるが、より寸法精度の厳しい
部品を製造する場合、焼結後の旋削加工、あるいはドリ
ル穴明け加工が必要となることがある。
などを添加混合し、金型中で圧粉成形して焼結し、通常
5.0 〜7.2 g/cm3 の密度を有する焼結機械部品などの製
造に用いられる。粉末冶金法は、複雑形状の焼結体を比
較的寸法精度良く製造できるが、より寸法精度の厳しい
部品を製造する場合、焼結後の旋削加工、あるいはドリ
ル穴明け加工が必要となることがある。
【0003】粉末冶金製品は、一般に切削性が劣り、溶
製材製品に比べると工具寿命が短く、機械加工時のコス
トが高価になる欠点を有している。粉末冶金製品におけ
る切削性の劣化は、粉末冶金製品に含まれる気孔による
断続切削あるいは熱伝導率の低下による切削温度の上昇
に起因するといわれている。従来、切削性の改善を行う
ためには、S、MnS 等の快削成分が鉄粉に混合されるこ
とが多い。これらS、MnS は切り屑の破断を容易にする
効果、あるいは工具にS、MnS の薄い構成刃先を形成
し、工具すくい面での潤滑作用により切削性の向上をも
たらすといわれている。特公平3-25481 号公報において
は、0.1 〜0.5wt %(以下%と略す。)の若干のMnとS
i、Cなどを含む純鉄粉用の成分配合溶湯中にさらにS
を0.03〜0.07%添加し、水または気体で噴霧された粉末
冶金用鉄粉が提案されている。また本発明者らは、特願
平5-337325号、特願平5-336076号において、水を用いた
噴霧法により製造されたS、Cr、Mnを主体とした粉末冶
金用鉄粉を焼結すると、焼結鋼の気孔に黒鉛が、鉄粒子
内および粒界に5μm以内のMnS が存在し、気孔に存在
する黒鉛が切削の際に潤滑剤の作用をしてドリル切削性
に優れる焼結鋼が容易に得られることを開示した。しか
し、これらの技術に代表されるSを含む粉末冶金用鉄粉
を水素を含有する雰囲気で焼結した場合、著しく切削性
が低下するという問題があった。
製材製品に比べると工具寿命が短く、機械加工時のコス
トが高価になる欠点を有している。粉末冶金製品におけ
る切削性の劣化は、粉末冶金製品に含まれる気孔による
断続切削あるいは熱伝導率の低下による切削温度の上昇
に起因するといわれている。従来、切削性の改善を行う
ためには、S、MnS 等の快削成分が鉄粉に混合されるこ
とが多い。これらS、MnS は切り屑の破断を容易にする
効果、あるいは工具にS、MnS の薄い構成刃先を形成
し、工具すくい面での潤滑作用により切削性の向上をも
たらすといわれている。特公平3-25481 号公報において
は、0.1 〜0.5wt %(以下%と略す。)の若干のMnとS
i、Cなどを含む純鉄粉用の成分配合溶湯中にさらにS
を0.03〜0.07%添加し、水または気体で噴霧された粉末
冶金用鉄粉が提案されている。また本発明者らは、特願
平5-337325号、特願平5-336076号において、水を用いた
噴霧法により製造されたS、Cr、Mnを主体とした粉末冶
金用鉄粉を焼結すると、焼結鋼の気孔に黒鉛が、鉄粒子
内および粒界に5μm以内のMnS が存在し、気孔に存在
する黒鉛が切削の際に潤滑剤の作用をしてドリル切削性
に優れる焼結鋼が容易に得られることを開示した。しか
し、これらの技術に代表されるSを含む粉末冶金用鉄粉
を水素を含有する雰囲気で焼結した場合、著しく切削性
が低下するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の欠点に鑑み、水を用いた噴霧法により製造さ
れる粉末冶金用S含有鉄粉を水素含有の雰囲気中で焼結
した場合でも優れた切削性を示す焼結鋼を製造できる粉
末冶金用混合鉄粉および切削性に優れた焼結鋼の製造方
法を提供することを目的とするものでる。
従来技術の欠点に鑑み、水を用いた噴霧法により製造さ
れる粉末冶金用S含有鉄粉を水素含有の雰囲気中で焼結
した場合でも優れた切削性を示す焼結鋼を製造できる粉
末冶金用混合鉄粉および切削性に優れた焼結鋼の製造方
法を提供することを目的とするものでる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量比で、M
n:0.1%未満、S:0.08〜0.30%を含有する粉末冶金用鉄
粉に、MoO3、WO3 、CuO およびCu2Oの群から選ばれた1
種または2種以上を合計で0.05〜0.70%、黒鉛粉末を0.
50〜1.50%および必要により銅粉を0.50〜 4.0%混合し
たことを特徴とする粉末冶金用混合鉄粉であり、また、
本発明は、上記組成の粉末冶金用混合鉄粉を成形、焼結
することを特徴とする切削性に優れた焼結鋼の製造方法
である。
n:0.1%未満、S:0.08〜0.30%を含有する粉末冶金用鉄
粉に、MoO3、WO3 、CuO およびCu2Oの群から選ばれた1
種または2種以上を合計で0.05〜0.70%、黒鉛粉末を0.
50〜1.50%および必要により銅粉を0.50〜 4.0%混合し
たことを特徴とする粉末冶金用混合鉄粉であり、また、
本発明は、上記組成の粉末冶金用混合鉄粉を成形、焼結
することを特徴とする切削性に優れた焼結鋼の製造方法
である。
【0006】
【作用】本発明者らは、水を用いた噴霧法により製造さ
れるSを含有する粉末冶金用鉄粉を、水素を含有する雰
囲気で焼結した場合の切削性低下の原因について鋭意検
討を加えた。その結果、Sを0.08〜0.30%含有する、水
を用いた噴霧法により製造された粉末冶金用鉄粉を水素
を含有する窒素雰囲気中で焼結した場合、純窒素中で焼
結した焼結鋼に比べ、焼結体中のS量と残留黒鉛量が減
少し、またフェライト・パーライト組織におけるパーラ
イト比率が増加していることを発見した。
れるSを含有する粉末冶金用鉄粉を、水素を含有する雰
囲気で焼結した場合の切削性低下の原因について鋭意検
討を加えた。その結果、Sを0.08〜0.30%含有する、水
を用いた噴霧法により製造された粉末冶金用鉄粉を水素
を含有する窒素雰囲気中で焼結した場合、純窒素中で焼
結した焼結鋼に比べ、焼結体中のS量と残留黒鉛量が減
少し、またフェライト・パーライト組織におけるパーラ
イト比率が増加していることを発見した。
【0007】これにより、切削性の低下の原因として
は、水素を含む窒素雰囲気で焼結した場合、粉末に含ま
れるFeS が水素で還元されて焼結中の浸炭を促進するの
で、パーライト比率が増加し、かつ残留黒鉛が減少して
切削性が低下することが判明した。しかしながら、FeS
の代わりにMnS を含有させても黒鉛の浸炭を防止し気孔
に黒鉛を残留させる作用はない。
は、水素を含む窒素雰囲気で焼結した場合、粉末に含ま
れるFeS が水素で還元されて焼結中の浸炭を促進するの
で、パーライト比率が増加し、かつ残留黒鉛が減少して
切削性が低下することが判明した。しかしながら、FeS
の代わりにMnS を含有させても黒鉛の浸炭を防止し気孔
に黒鉛を残留させる作用はない。
【0008】そして水素を含有する雰囲気中で焼結した
場合にも優れた切削性を有する焼結鋼を製造するために
は、フェライトの生成を促進する添加物を添加し、フェ
ライト比率を増加させることが有効であることを発見し
た。本発明においては、MoO3粉末を黒鉛粉末とともに添
加することにより、水素を含有する雰囲気で焼結した場
合においても残留黒鉛を0.05%程度含み、かつフェライ
ト比率の大きなフェライト・パーライト組織が得られ、
優れた切削性が得られることを発見した。MoO3は焼結中
に還元されFe中のCを酸化し、γ鉄粒子中にMoとして固
溶するため、焼結体中のフェライト粒子を析出しやすく
する効果がある。通常、フェライト・パーライト鋼では
フェライト比率が増加すると強度が低下するが、フェラ
イト粒子に固溶しているMoの効果によりかえって強度が
増加し、添加MoO3量により400 〜600MPaの強度を持つ切
削性の良好な焼結体が得られる。ただし、MoO3の代わり
に金属Moを添加しても大きな効果は得られない。金属Mo
ではFe中のCを還元できないためである。
場合にも優れた切削性を有する焼結鋼を製造するために
は、フェライトの生成を促進する添加物を添加し、フェ
ライト比率を増加させることが有効であることを発見し
た。本発明においては、MoO3粉末を黒鉛粉末とともに添
加することにより、水素を含有する雰囲気で焼結した場
合においても残留黒鉛を0.05%程度含み、かつフェライ
ト比率の大きなフェライト・パーライト組織が得られ、
優れた切削性が得られることを発見した。MoO3は焼結中
に還元されFe中のCを酸化し、γ鉄粒子中にMoとして固
溶するため、焼結体中のフェライト粒子を析出しやすく
する効果がある。通常、フェライト・パーライト鋼では
フェライト比率が増加すると強度が低下するが、フェラ
イト粒子に固溶しているMoの効果によりかえって強度が
増加し、添加MoO3量により400 〜600MPaの強度を持つ切
削性の良好な焼結体が得られる。ただし、MoO3の代わり
に金属Moを添加しても大きな効果は得られない。金属Mo
ではFe中のCを還元できないためである。
【0009】また、MoO3はFeS よりも水素により還元さ
れ易いので、焼結中におけるFeS の水素還元を抑制する
効果も有している。さらに上記知見に基づき、水素によ
り還元され易く、還元後に焼結鋼基地に固溶してフェラ
イト比率を増加し、かつ固溶強化を示す酸化物を研究し
た結果、WO 3 、CuO およびCu2OもMoO3と同様に切削性向
上に効果があることを見出した。
れ易いので、焼結中におけるFeS の水素還元を抑制する
効果も有している。さらに上記知見に基づき、水素によ
り還元され易く、還元後に焼結鋼基地に固溶してフェラ
イト比率を増加し、かつ固溶強化を示す酸化物を研究し
た結果、WO 3 、CuO およびCu2OもMoO3と同様に切削性向
上に効果があることを見出した。
【0010】すなわち、MoO3、WO3 、CuO およびCu2Oの
いずれか1種以上を黒鉛粉末とともに添加することによ
り、水素を含有する雰囲気で焼結した場合においても、
残留黒鉛を0.05%程度含むフェライト比率の大きなフェ
ライト・パーライト組織が得られ、それにより優れた切
削性が得られる。水素により還元されたMo、W あるいは
Cuがγ鉄中に固溶することにより、400 〜600MPaの強度
を持つ切削性の良好な焼結体が得られる。
いずれか1種以上を黒鉛粉末とともに添加することによ
り、水素を含有する雰囲気で焼結した場合においても、
残留黒鉛を0.05%程度含むフェライト比率の大きなフェ
ライト・パーライト組織が得られ、それにより優れた切
削性が得られる。水素により還元されたMo、W あるいは
Cuがγ鉄中に固溶することにより、400 〜600MPaの強度
を持つ切削性の良好な焼結体が得られる。
【0011】つぎに、各成分の含有量の規定理由を述べ
る。粉末冶金用鉄粉のSの含有量は0.08〜0.30%とす
る。好ましいSの範囲は、0.10〜0.20%である。Sは、
鉄粉中のFeS 源として含有させ、黒鉛の浸炭を抑制し、
水素を含有する雰囲気中で焼結した場合においても、残
留黒鉛を少なくとも0.05%程度確保し、切削性を向上さ
せる。Sが0.08%未満では、残留黒鉛量が少なく切削性
が低下する。Sが0.30%超えでは、焼結中すすを発生し
やすく、焼結炉をいためることが懸念される。
る。粉末冶金用鉄粉のSの含有量は0.08〜0.30%とす
る。好ましいSの範囲は、0.10〜0.20%である。Sは、
鉄粉中のFeS 源として含有させ、黒鉛の浸炭を抑制し、
水素を含有する雰囲気中で焼結した場合においても、残
留黒鉛を少なくとも0.05%程度確保し、切削性を向上さ
せる。Sが0.08%未満では、残留黒鉛量が少なく切削性
が低下する。Sが0.30%超えでは、焼結中すすを発生し
やすく、焼結炉をいためることが懸念される。
【0012】粉末冶金用鉄粉のMnは、0.1 %未満とす
る。Mnが0.1 %以上では、粉末中のMnがSと結合しMnS
が生成しやすいので、粉末中のFeS が少なくなり、前述
したFeS にもとづく残留黒鉛の生成が認められず、切削
性向上の効果がない。好ましいMn量の範囲は0.04〜0.08
%である。なお、本発明の粉末冶金用鉄粉にCr等を微量
添加し低合金鋼粉とすることも、切削性を特に損なわな
い限り可能である。
る。Mnが0.1 %以上では、粉末中のMnがSと結合しMnS
が生成しやすいので、粉末中のFeS が少なくなり、前述
したFeS にもとづく残留黒鉛の生成が認められず、切削
性向上の効果がない。好ましいMn量の範囲は0.04〜0.08
%である。なお、本発明の粉末冶金用鉄粉にCr等を微量
添加し低合金鋼粉とすることも、切削性を特に損なわな
い限り可能である。
【0013】MoO3、WO3 、CuO およびCu2Oのいずれか1
種以上または2種以上の合計添加量を0.05〜0.70%に限
定した理由は、0.05%未満ではフェライト相が少ないた
め、一方0.70%を超えるとベイナイトが生成し、強度が
低下するからである。好ましい添加量の範囲は0.10〜0.
50%である。銅粉は、焼結鋼の強度を得るために添加す
る。添加量を0.50%以上に限定した理由は、それ未満で
は強度向上の効果がほとんどないためであり、一方4.0
%以下に限定した理由は、4.0 %を超えた場合、衝撃値
が低下するためである。
種以上または2種以上の合計添加量を0.05〜0.70%に限
定した理由は、0.05%未満ではフェライト相が少ないた
め、一方0.70%を超えるとベイナイトが生成し、強度が
低下するからである。好ましい添加量の範囲は0.10〜0.
50%である。銅粉は、焼結鋼の強度を得るために添加す
る。添加量を0.50%以上に限定した理由は、それ未満で
は強度向上の効果がほとんどないためであり、一方4.0
%以下に限定した理由は、4.0 %を超えた場合、衝撃値
が低下するためである。
【0014】黒鉛粉末は切削性向上のために焼結後気孔
に黒鉛を残留させる黒鉛源として、さらに鉄中に固溶さ
せて強度を高めるために必要である。添加量を0.50%以
上に限定した理由は、それ未満では強度向上の効果が小
さいためであり、一方1.50%以下に限定した理由は、1.
50%を超えた場合、パーライト比率が増加し、切削性が
低下するためである。
に黒鉛を残留させる黒鉛源として、さらに鉄中に固溶さ
せて強度を高めるために必要である。添加量を0.50%以
上に限定した理由は、それ未満では強度向上の効果が小
さいためであり、一方1.50%以下に限定した理由は、1.
50%を超えた場合、パーライト比率が増加し、切削性が
低下するためである。
【0015】焼結に先立ってMoO3、WO3 、CuO およびCu
2Oと黒鉛粉末、銅粉は偏析防止処理を施して混合するこ
とが推奨される。偏析防止処理により、焼結時のMoO3等
と鉄粉の混合の均質性が保証されるため、単純混合方法
に比べて焼結中のMo等の鉄粉への固溶が均質となる。そ
の結果、焼結後のフェライト相が微細となり、単純混合
方法に比べ強度が15%程度向上し、切削性も向上する。
2Oと黒鉛粉末、銅粉は偏析防止処理を施して混合するこ
とが推奨される。偏析防止処理により、焼結時のMoO3等
と鉄粉の混合の均質性が保証されるため、単純混合方法
に比べて焼結中のMo等の鉄粉への固溶が均質となる。そ
の結果、焼結後のフェライト相が微細となり、単純混合
方法に比べ強度が15%程度向上し、切削性も向上する。
【0016】
(実施例A)表1に実施例および比較例に用いた鉄粉の
化学組成を示す。これらの鉄粉は、溶鋼を水噴霧して得
た生粉を窒素雰囲気中140 ℃で60分乾燥した後、純水素
雰囲気中 930℃で20分還元したのち、粉砕分級して製造
した。
化学組成を示す。これらの鉄粉は、溶鋼を水噴霧して得
た生粉を窒素雰囲気中140 ℃で60分乾燥した後、純水素
雰囲気中 930℃で20分還元したのち、粉砕分級して製造
した。
【0017】
【表1】
【0018】鉄粉に平均粒径20μm の銅粉、平均粒径10
μm の黒鉛粉末、平均粒径5μm のMoO3粉末を表2に示
した量含む混合粉にさらにステアリン酸亜鉛1%を添加
し、Vブレンダーで15分混合し、圧粉密度6.85g/cm3 に
成形し、水素を10%含む窒素気流中で1130℃20分焼結し
た。焼結中のガス流量は成形体1kgあたり5Nl/minであ
った。得られた焼結鋼について引張強さ、シャルピー吸
収エネルギーの測定を行った。結果をすすの発生の有無
とともに表2に併せて示す。
μm の黒鉛粉末、平均粒径5μm のMoO3粉末を表2に示
した量含む混合粉にさらにステアリン酸亜鉛1%を添加
し、Vブレンダーで15分混合し、圧粉密度6.85g/cm3 に
成形し、水素を10%含む窒素気流中で1130℃20分焼結し
た。焼結中のガス流量は成形体1kgあたり5Nl/minであ
った。得られた焼結鋼について引張強さ、シャルピー吸
収エネルギーの測定を行った。結果をすすの発生の有無
とともに表2に併せて示す。
【0019】
【表2】
【0020】切削性の評価は外径60mmφ、高さ10mmの円
板状、圧粉密度6.85g/cm3 の成形体を、上記の条件で焼
結後、直径1mmφのハイス製ドリルを用いて10000rpm、
0.012mm/rev の条件で加工が不可能になるまでに加工で
きた穴の平均数(ドリル3本の平均値)を工具寿命とし
て評価した。表2の実施例1〜9に示すように、Mnを0.
1 %未満、Sを0.08〜0.30%を含有する鉄粉No. 1、
2、3の粉末冶金用鉄粉に0.05〜0.70%のMoO3、0.5 〜
1.50%の黒鉛粉末および0.5 〜4.0 %の銅粉を混合し、
成形・焼結することにより、引張強さ420 〜580MPaの範
囲で優れた切削性の焼結鋼が得られることが分かる。
板状、圧粉密度6.85g/cm3 の成形体を、上記の条件で焼
結後、直径1mmφのハイス製ドリルを用いて10000rpm、
0.012mm/rev の条件で加工が不可能になるまでに加工で
きた穴の平均数(ドリル3本の平均値)を工具寿命とし
て評価した。表2の実施例1〜9に示すように、Mnを0.
1 %未満、Sを0.08〜0.30%を含有する鉄粉No. 1、
2、3の粉末冶金用鉄粉に0.05〜0.70%のMoO3、0.5 〜
1.50%の黒鉛粉末および0.5 〜4.0 %の銅粉を混合し、
成形・焼結することにより、引張強さ420 〜580MPaの範
囲で優れた切削性の焼結鋼が得られることが分かる。
【0021】なお、鉄粉No. 1に銅粉2%、黒鉛粉末1.
0 %さらにステアリン酸亜鉛1%を添加配合した従来粉
を混合成形後、水素を10%含む窒素気流中で1130℃20分
焼結した場合、ドリル穿孔数は15個であった。比較例
1、2に示すように、MoO3の添加量が0.05%未満あるい
は0.70%を超えると切削性が悪い。比較例3、4に示す
ように黒鉛の添加量が0.50%未満では強度が低く、ある
いは1.50%を超えると切削性が悪い。比較例5、6に示
すように銅粉の添加量が0.50%未満では強度が低く、あ
るいは4.0 %を超えると衝撃値が悪い。比較例7、8、
9に示すように鉄粉中のMnが0.1 %以上、あるいは、S
が0.08%未満では切削性が悪く、またSが0.30%超では
焼結鋼にすすが発生し焼結炉の汚染が懸念された。
0 %さらにステアリン酸亜鉛1%を添加配合した従来粉
を混合成形後、水素を10%含む窒素気流中で1130℃20分
焼結した場合、ドリル穿孔数は15個であった。比較例
1、2に示すように、MoO3の添加量が0.05%未満あるい
は0.70%を超えると切削性が悪い。比較例3、4に示す
ように黒鉛の添加量が0.50%未満では強度が低く、ある
いは1.50%を超えると切削性が悪い。比較例5、6に示
すように銅粉の添加量が0.50%未満では強度が低く、あ
るいは4.0 %を超えると衝撃値が悪い。比較例7、8、
9に示すように鉄粉中のMnが0.1 %以上、あるいは、S
が0.08%未満では切削性が悪く、またSが0.30%超では
焼結鋼にすすが発生し焼結炉の汚染が懸念された。
【0022】(実施例B)表1に示した鉄粉に平均粒径
20μm の銅粉、平均粒径10μm の黒鉛粉末および平均粒
径5μm のMoO3、WO3 、CuO およびCu2O粉末の1種以上
を表3に示した量含む混合粉にさらにステアリン酸亜鉛
1%を添加し、Vブレンダーで15分混合し、圧粉密度6.
85g/cm3 に成形し、水素を10%含む窒素気流中で1130℃
20分焼結した。焼結中のガス流量は成形体1kgあたり5
Nl/minであった。得られた焼結鋼について実施例Aと同
様に切削性の評価、引張強さ、シャルピー吸収エネルギ
ーの測定を行った。結果をすすの発生の有無とともに表
3に併せて示す。
20μm の銅粉、平均粒径10μm の黒鉛粉末および平均粒
径5μm のMoO3、WO3 、CuO およびCu2O粉末の1種以上
を表3に示した量含む混合粉にさらにステアリン酸亜鉛
1%を添加し、Vブレンダーで15分混合し、圧粉密度6.
85g/cm3 に成形し、水素を10%含む窒素気流中で1130℃
20分焼結した。焼結中のガス流量は成形体1kgあたり5
Nl/minであった。得られた焼結鋼について実施例Aと同
様に切削性の評価、引張強さ、シャルピー吸収エネルギ
ーの測定を行った。結果をすすの発生の有無とともに表
3に併せて示す。
【0023】
【表3】
【0024】表3の実施例10〜22に示すように、Mnを0.
1 %未満、Sを0.08〜0.30%を含有する鉄粉No. 1、
2、3の粉末冶金用鉄粉にMoO3、WO3 、CuO およびCu2O
粉末の1種以上を0.05〜0.70%、0.5 〜1.50%の黒鉛粉
末および0.5 〜4.0 %の銅粉を混合し、成形・焼結する
ことにより、引張強さ410 〜540MPaの範囲で優れた切削
性の焼結鋼が得られることが分かる。
1 %未満、Sを0.08〜0.30%を含有する鉄粉No. 1、
2、3の粉末冶金用鉄粉にMoO3、WO3 、CuO およびCu2O
粉末の1種以上を0.05〜0.70%、0.5 〜1.50%の黒鉛粉
末および0.5 〜4.0 %の銅粉を混合し、成形・焼結する
ことにより、引張強さ410 〜540MPaの範囲で優れた切削
性の焼結鋼が得られることが分かる。
【0025】比較例10〜15に示すように、WO3 、CuO お
よびCu2O粉末の1種以上の添加量の合計が0.05%未満あ
るいは0.70%を超えると切削性が悪い。
よびCu2O粉末の1種以上の添加量の合計が0.05%未満あ
るいは0.70%を超えると切削性が悪い。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、高強度でかつ切削性の
非常に優れた焼結鋼を容易に得ることができる。
非常に優れた焼結鋼を容易に得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量比で、Mn:0.1%未満、S:0.08〜0.30
%を含有する粉末冶金用鉄粉に、MoO3、WO3 、CuO およ
びCu2Oの群から選ばれた1種または2種以上を合計で0.
05〜0.70%、黒鉛粉末を0.50〜1.50%混合したことを特
徴とする粉末冶金用混合鉄粉。 - 【請求項2】 重量比で、Mn:0.1%未満、S:0.08〜0.30
%を含有する粉末冶金用鉄粉に、MoO3、WO3 、CuO およ
びCu2Oの群から選ばれた1種または2種以上を合計で0.
05〜0.70%、黒鉛粉末を0.50〜1.50%および銅粉を0.50
〜 4.0%混合したことを特徴とする粉末冶金用混合鉄
粉。 - 【請求項3】 重量比で、Mn:0.1%未満、S:0.08〜0.30
%を含有する粉末冶金用鉄粉に、MoO3、WO3 、CuO およ
びCu2Oの群から選ばれた1種または2種以上を合計で0.
05〜0.70%、黒鉛粉末を0.50〜1.50%混合して成形、焼
結することを特徴とする切削性に優れた焼結鋼の製造方
法。 - 【請求項4】 重量比で、Mn:0.1%未満、S:0.08〜0.30
%を含有する粉末冶金用鉄粉に、MoO3、WO3 、CuO およ
びCu2Oの群から選ばれた1種または2種以上を合計で0.
05〜0.70%、黒鉛粉末を0.50〜1.50%および銅粉を0.50
〜 4.0%混合して成形、焼結することを特徴とする切削
性に優れた焼結鋼の製造方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6313360A JPH0892708A (ja) | 1994-07-28 | 1994-12-16 | 粉末冶金用混合鉄粉および切削性に優れた焼結鋼の製造方法 |
| CA002154512A CA2154512C (en) | 1994-07-28 | 1995-07-24 | Mixed iron powder for powder metallurgy |
| US08/506,127 US5599377A (en) | 1994-07-28 | 1995-07-24 | Mixed iron powder for powder metallurgy |
| SE9502711A SE514038C2 (sv) | 1994-07-28 | 1995-07-27 | Blandat järnpulver för framställning av sintrade föremål med god maskinbearbetbarhet |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17631194 | 1994-07-28 | ||
| JP6-176311 | 1994-07-28 | ||
| JP6313360A JPH0892708A (ja) | 1994-07-28 | 1994-12-16 | 粉末冶金用混合鉄粉および切削性に優れた焼結鋼の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0892708A true JPH0892708A (ja) | 1996-04-09 |
Family
ID=26497276
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6313360A Pending JPH0892708A (ja) | 1994-07-28 | 1994-12-16 | 粉末冶金用混合鉄粉および切削性に優れた焼結鋼の製造方法 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5599377A (ja) |
| JP (1) | JPH0892708A (ja) |
| CA (1) | CA2154512C (ja) |
| SE (1) | SE514038C2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0808681A4 (en) * | 1995-10-18 | 1999-12-29 | Kawasaki Steel Co | IRON POWDER FOR POWDER METALLURGY, METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF, AND IRON-BASED POWDER MIXTURE FOR POWDER METALLURGY |
| DE60025931T2 (de) * | 1999-11-04 | 2006-08-31 | Hoeganaes Corp. | Herstellungsverfahren für verbesserte metallurgische pulverzusammensetzung und nutzung derselbe |
| JP4570066B2 (ja) * | 2003-07-22 | 2010-10-27 | 日産自動車株式会社 | サイレントチェーン用焼結スプロケットの製造方法 |
| ITMI20042500A1 (it) * | 2004-12-23 | 2005-03-23 | Sued Chemie Mt Srl | Processo per la preparazione di un catalizzatore per l'ossidazione del metanolo a formaldeide |
Family Cites Families (3)
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| YU46258B (sh) * | 1987-06-06 | 1993-05-28 | Degussa Ag. | Primena srebrno gvozdenog materijala za električne kontakte |
| CA2069700C (en) * | 1991-05-28 | 1998-08-18 | Jinsuke Takata | Mixed powder for powder metallurgy and sintered product thereof |
-
1994
- 1994-12-16 JP JP6313360A patent/JPH0892708A/ja active Pending
-
1995
- 1995-07-24 US US08/506,127 patent/US5599377A/en not_active Expired - Fee Related
- 1995-07-24 CA CA002154512A patent/CA2154512C/en not_active Expired - Fee Related
- 1995-07-27 SE SE9502711A patent/SE514038C2/sv not_active IP Right Cessation
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US5599377A (en) | 1997-02-04 |
| SE514038C2 (sv) | 2000-12-18 |
| SE9502711D0 (sv) | 1995-07-27 |
| SE9502711L (sv) | 1996-01-29 |
| CA2154512C (en) | 2000-08-29 |
| CA2154512A1 (en) | 1996-01-29 |
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