JPH0894592A - 脆性材料の検査方法および検査装置 - Google Patents

脆性材料の検査方法および検査装置

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JPH0894592A
JPH0894592A JP6257423A JP25742394A JPH0894592A JP H0894592 A JPH0894592 A JP H0894592A JP 6257423 A JP6257423 A JP 6257423A JP 25742394 A JP25742394 A JP 25742394A JP H0894592 A JPH0894592 A JP H0894592A
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JP
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tensile stress
inspected
acoustic emission
frequency
inspection
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JP6257423A
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English (en)
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Takao Kurita
隆雄 栗田
Nobutsugu Tanaka
信嗣 田中
Hideo Takahashi
秀雄 高橋
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】内圧を加えて中空の脆性材料に引張り応力を繰
り返し印加し、応力の印加毎に引張り応力の立ち上がり
後に被検査物から発生するアコースティックエミッショ
ンの発生頻度の変化を測定する。この発生頻度の時間積
分値をアコースティックエミッションの強度とすると
き、応力を所定回数印加する間にこの強度が増加したと
き、被検査物に遅れ破壊が生じると判断する。 【効果】脆性材料からなる被検査物の破壊応力と遅れ破
壊の有無を非破壊で検査できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックスなどの脆
性材料の検査方法および検査装置に関し、特に多孔質脆
性材料(例えば高温ガス脱塵浄化装置に用いられるフィ
ルタ管)の検査方法および検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高温の含塵ガスを清浄化するための装置
として、多孔質セラミックスからなる管やハニカムなど
のフィルタ体を濾過材とする脱塵装置が提案されてい
る。この種の脱塵装置は、例えば図12に示すように、
通気性を有する多孔質セラミックス管11の内側に含塵
ガスを送入し、セラミックス管11の濾壁を通過させて
清浄ガスを取り出すように構成されている。また、含塵
ガス中のダストがセラミックス管の内側の濾壁に堆積し
て通気圧損が過度に大きくならないように、圧縮空気ボ
ンベ12から高圧の逆洗気流をパルス状に流し、濾壁に
堆積したダストをホッパーへ払い落として再生するよう
にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、多孔質セラ
ミックスからなるフィルタ管の製造過程において、傷や
巣などの材料欠陥を生じることがあり、このような材料
欠陥を有するフィルタ管を脱塵装置に用いると含塵ガス
の温度変化や逆洗再生に伴う熱的衝撃によって時にはフ
ィルタ管が破損する現象が起きている。このため、従来
より、フィルタ管の製品に対し、非破壊の全数検査が行
われている。
【0004】しかしながら、フィルタ管が不透明な多孔
質材料であるため、目視による検査や光学的検査では評
価することができない。また、多孔質材料であることか
ら、鉄などの緻密な材料の検査に使用される超音波探傷
法や浸透探傷法などの検査方法も適用することができな
い。
【0005】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、不透明でしかも多孔質の材
料からなる被検査物であっても破壊することなく破壊特
性を評価できる脆性材料の検査方法と検査装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、セラミックスのフ
ィルタ管に引張り応力を印加するとき、引張り応力の立
ち上がり後にセラミックス管から発生するアコースティ
ックエミッションの発生頻度の減衰特性を調べれば、こ
のセラミックス管の遅れ破壊や疲労による破壊特性を非
破壊でしかも精度良く評価できることを見出し、本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明者らが探求した
ところによれば、脆性材料(以下、単に材料という)に
引張り応力を印加した場合、この材料から発生するアコ
ースティックエミッションの発生頻度は、引張り応力の
立ち上がり時にピーク値を示し、その後引張り応力が一
定になると減衰する(以下、引張り応力が一定に保持さ
れる範囲を「引張り応力の立ち上がり後」という)。ま
た、破壊に至る被検査物については、引張り応力の立ち
上がり後に発生するアコースティックエミッションの発
生頻度は一旦減衰するが、時間の経過とともに再増加す
る。さらに、引張り応力の立ち上がり後に発生するアコ
ースティックエミッションの発生頻度は、材料の破壊応
力に近い引張り応力を印加すればするほど多くなり、発
生頻度の減衰曲線の勾配も緩くなる。これは、印加され
る引張り応力が材料の破壊応力に近づくと、引張り応力
の立ち上がり後でも材料の内部で遅れ破壊的なクラック
の伸展が生じていると考えられるからである。
【0007】一方、材料に、この材料の破壊応力に近い
レベルの引張り応力を繰り返し印加すると、遅れ破壊が
生じることがある。このような繰り返し引張り応力を印
加した場合、遅れ破壊が生じない材料について、引張り
応力立ち上がり後に発生するアコースティックエミッシ
ョンの発生頻度の減衰曲線をみると、材料に引張り応力
を繰り返し印加すればするほど大きい勾配で減衰する。
これに対して、遅れ破壊が生じる材料のアコースティッ
クエミッションの発生頻度の減衰曲線では、材料に引張
り応力を繰り返し印加すると、あるとき減衰勾配が前回
に比べて緩くなる。これは、破壊に至る材料について
は、引張り応力の立ち上がり後に発生するアコースティ
ックエミッションの発生頻度は一旦減衰するが、時間の
経過とともに再増加という上述の現象が加速的に実現さ
れたものである。上述したように、1回の引張り応力の
印加によってこの現象を予測することは可能であるが、
この方法で遅れ破壊が生じるかどうかの判断は、アコー
スティックエミッションの発生頻度の絶対値が小さくな
るときであるため、勾配が小さいと外部から僅かなノイ
ズが入っただけでも判別精度に大きな影響を受ける。
【0008】本発明では、このような知見に基づき、ア
コースティックエミッションの発生頻度のうち、引張り
応力の立ち上がり後に生じるアコースティックエミッシ
ョンの発生頻度の減衰特性に着目し、同じ引張り応力を
印加したときの減衰特性を被検査物間で比較することに
より、各被検査物の破壊応力の大小を判断する。すなわ
ち、本発明によれば、被検査物に引張り応力を印加し、
このとき前記被検査物から発生するアコースティックエ
ミッションの発生頻度を測定し、この発生頻度の減衰特
性に基づいて前記被検査物の破壊特性を評価することを
特徴とする脆性材料の検査方法が提供される。
【0009】このように、引張り応力の立ち上がり後に
生じるアコースティックエミッションの発生頻度の減衰
特性を調べることで、外部からのノイズの混入が相対的
に少なくなり、また引張り応力の印加速度、センサの感
度差、センサの被検査物との密着の程度などの検査条件
の影響も少なくなり、破壊特性の評価精度が向上する。
【0010】この場合、引張り応力の立ち上がり後にお
けるアコースティックエミッション発生頻度の減衰の急
峻性、換言すれば、アコースティックエミッションの発
生頻度の減衰曲線において、引張り応力の立ち上がり後
から所定時間を経過した時に、発生頻度がどの程度の割
合で減衰したか(以下、減衰率ともいう)で被検査物の
破壊特性を検査することが好ましい。このような減衰率
を用いる場合、減衰率が小さい(すなわち、発生頻度の
減衰曲線の勾配が緩い)被検査物の方が破壊応力が小さ
いと判断する。また、引張り応力の立ち上がり後のアコ
ースティックエミッションの発生頻度が、最大値から、
前記最大値に所定比率を乗じた発生頻度に減少するまで
の減衰時間に基づいて被検査物の破壊特性を評価するこ
ともできる。この減衰時間を用いる場合、同じ引張り応
力を印加したときの減衰時間が長い被検査物の方が、破
壊応力が小さいと判断する。このように定義した減衰率
または減衰時間に基づいて検査することで、アコーステ
ィックエミッションの発生頻度の絶対値に殆ど影響を受
けることなく、被検査物の破壊応力の大小を判断でき
る。
【0011】これに対して、被検査物から発生するアコ
ースティックエミッションの発生頻度の絶対値やピーク
値をアコースティックエミッションの発生頻度とする
と、これらはクラック発生位置とアコースティックエミ
ッションを検出するためのセンサとの距離、および被検
査物と前記センサとの距離または密着度によって影響を
受けるので、多数の被検査物に対して破壊特性を一律に
評価することが難しい。また、アコースティックエミッ
ションの絶対値やピーク値は、引張り応力の立ち上がり
時におけるアコースティックエミッションの発生頻度が
重要となるが、印加応力の立ち上がり時には外部装置か
らの機械的振動が伝わり、この振動を前記センサがノイ
ズとして受波してしまうので、これら絶対値やピーク値
をアコースティックエミッションの発生頻度として採用
することは好ましくない。
【0012】また、別の本発明では、被検査物に引張り
応力を繰り返し印加し、この繰り返し印加によって引張
り応力の立ち上がり後に発生するアコースティックエミ
ッションの発生頻度の減衰特性を加速して出現せしめ、
この減衰特性を比較することで被検査物に遅れ破壊が生
じるか否かが評価できる。すなわち、本発明によれば、
被検査物に引張り応力を繰り返し印加し、前記引張り応
力を印加する度に、引張り応力の立ち上がり後に被検査
物から発生する引張り応力印加後のアコースティックエ
ミッションの発生頻度を測定し、引張り応力印加毎のア
コースティックエミッションの発生頻度の減衰特性の変
化に基づいて前記被検査物の破壊特性を評価することを
特徴とする脆性材料の検査方法が提供される。
【0013】ここで、引張り応力の立ち上がり後のアコ
ースティックエミッションの強度を、アコースティック
エミッションの発生頻度の関数f(t)を所定時間積分
した値と定義し、前記アコースティックエミッションの
強度が引張り応力印加の繰り返し回数に対してどのよう
に変化するかで被検査物に遅れ破壊が生じるかどうかを
予測することが好ましい。つまり、1回目の引張り応力
の立ち上がり後に発生するアコースティックエミッショ
ンの強度が最も大きな値を示し、その後引張り応力の印
加回数を重ねる度に強度が小さくなれば、その被検査物
には遅れ破壊が生じないと予測する。これに対して、あ
る繰り返し回数でアコースティックエミッションの強度
が前回よりも大きくなれば、その被検査物に遅れ破壊が
生じると予測する。このようなアコースティックエミッ
ションの強度の変化により遅れ破壊の検査を行うこと
で、外部からのノイズの影響を相対的に小さくすること
ができ、評価精度を高めることができる。この場合、引
張り応力を少なくとも4回繰り返し印加すれば遅れ破壊
を予測することができ、評価に要する時間も短縮でき
る。
【0014】本発明の対象となる被検査物には、セラミ
ックス、ガラス、複合材料などの脆性材料があり、特に
各種セラミック焼結体や結晶化ガラスなどの多結晶体に
好ましく適用され、なかでも多孔質の多結晶体の検査に
好ましく用いられる。このような被検査物として多孔質
フィルタ管、熱交換器のパイプ、煉瓦、SiC,Si3
4からなる半導体のプロセスチューブなどが挙げられ
る。
【0015】多孔質材料からなる被検査物に対して繰り
返し印加される引張り応力は、被検査物の疲労限界応力
の20%以上で70%以下であることが好ましい。疲労
限界応力の70%より大きな引張り応力を繰り返し印加
すると多くの被検査物に遅れ破壊が生じるため、非破壊
検査として好ましくない。また、疲労限界応力の20%
より小さい引張り応力を繰り返し印加してもクラックの
伸展が発生し難いため、遅れ破壊が生じる被検査物と遅
れ破壊が生じない被検査物とを判別することができな
い。
【0016】また、本発明によれば、被検査物が中空体
である場合、中空体の内側に配置した内部に加圧用流体
が導入される伸縮可能な袋体の膨張によって被検査物に
引張り応力を印加する手段と、前記被検査物から発生す
るアコースティックエミッションを検出するセンサとを
備えたことを特徴とする脆性材料の検査装置が提供され
る。
【0017】このような袋体を用いて被検査物に引張り
応力を印加すれば、被検査物に概ね均等な引張り応力を
印加することができる。また、内部に導入される加圧用
流体は水、油など種々の流体を印加応力の大きさ等に応
じて選択することができ、これによって検査装置の取り
扱いが容易になり、高圧を印加することが可能となる。
さらに、加圧用流体は被検査物に直接接触しないので、
特に多孔質の被検査物に対して用いれば、被検査物の表
面が汚染されたり表面状態を損なったり、あるいは被検
査物の内部に流体が侵入して濾過性能を損なうことが防
止されるので好適である。
【0018】多孔質の管状体である被検査物に対して
は、伸縮可能な袋体を被検査物の内部に挿入し、袋体の
内部に加圧用流体を導入、膨張せしめることにより、被
検査物に内圧による引張り応力を印加することが好まし
い。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 実施例1 まず、被検査物の破壊応力に近い引張り応力を1回印加
し、引張り応力の立ち上がり後に被検査物から発生する
アコースティックエミッションの発生頻度の減衰特性か
ら被検査物の破壊応力の大小を判別できるかどうかを検
証した。
【0020】内径140mm,外径170mm,長さ7
00mmのコーディエライト質セラミックス(2MgO
・2Al23・5SiO2 )からなる一つのセラミック
ス管から、80mm×20mm×11.5mmのテスト
ピースTPを40個切り出し、このうち10個のテスト
ピースで曲げ強度を測定し、平均曲げ強度を求めた。次
に、図1に示したように、このテストピースのそれぞれ
にアコースティックエミッションセンサ1(以下、AE
センサという)を2個取り付けたのち、3点曲げにて破
壊試験を行った。そして、図2に示すように1ステップ
毎に被検査物に平均曲げ強度の20%、40%、60
%、80%、…の応力を立ち上がり速度0.1mm/m
inで負荷し、例えば各2分間この応力を一定に保持し
た。これと同時にテストピースTPから発生するアコー
スティックエミッションを検出した。AEセンサ1は、
ピエゾ効果を利用した圧電素子であり、アコースティッ
クエミッションは、このAEセンサ1を備えたアコース
ティックエミッション測定機を用いて測定した。
【0021】この結果を図3に示す。なお、図3の縦軸
に示す「AEイベント数」は、発生するアコースティッ
クエミッション波を計数したときの1秒間あたりの個
数、すなわち発生頻度である。また、テストピースに負
荷される荷重Wと発生する応力σとの関係は、σ=2.
27Wにて表される。この結果によれば、ある引張り応
力を印加したとき(引張り応力が一定になるまでの立ち
上がり時)にAEイベント数がピーク値を示し、このピ
ーク値は、印加される引張り応力がテストピースの破壊
応力に近づくにしたがい大きな値となる。これは引張り
応力が大きくなるとテストピースの内部や表面で生じる
クラックが伸展し、これによってクラックの断面積が大
きくなるからである。
【0022】また、この結果によれば、引張り応力の立
ち上がり後にはAEイベント数が減衰し、この引張り応
力がテストピースの破壊応力に近づくにつれAEイベン
ト数の減衰曲線の勾配が緩くなっていく。また、AEイ
ベント数の「減衰時間」をAEイベント数がピーク値を
示してから、AEイベント数が引張り応力の立ち上がり
後のAEイベント数の例えば15%に減少するまでの時
間と定義すれば、引張り応力がテストピースの破壊応力
に近づくにつれAEイベント数の減衰時間が長くなる。
これは、引張り応力が大きくなると、引張り応力が一定
に印加されていてもテストピースの内部や表面で遅れ破
壊的なクラックの伸展が生じていると考えられるからで
ある。したがって、多数の被検査物に対して一定の引張
り応力を印加し、ある被検査物では発生するAEイベン
ト数の減衰曲線の勾配が緩ければ、またはAEイベント
数の減衰時間が長ければ、その被検査物の破壊応力は小
さいと判断できる。
【0023】なお、材料の破壊過程で生じるアコーステ
ィックエミッションの発生頻度としては、AEイベント
数のピーク値および絶対値も考えられる。ここで、AE
イベント数のピーク値や絶対値は、図3に示す結果から
も解るように、テストピースに印加する引張り応力が増
加しているとき(立ち上がり時)に出現する値である。
ところが、引張り応力の立ち上がり時にあっては試験装
置など外部からの機械的振動が伝わり、この振動をAE
センサ1がノイズとして受波するため、AEイベント数
のピーク値や絶対値をアコースティックエミッションの
発生頻度として採用しても材料の破壊特性を検査するこ
とは困難である。しかも、AEイベント数のピーク値や
絶対値は、テストピースに発生するクラックとAEセン
サとの距離や、テストピースとAEセンサとの密着度に
より大きく変化するため、多数の被検査物に対して一律
に評価することが極めて困難である。
【0024】これに対して、引張り応力の立ち上がり後
のAEイベント数の減衰曲線の勾配やAEイベント数の
減衰時間は、図3に示す結果からも解るように、引張り
応力を一定に保持しているときに生じる発生頻度である
ことから、試験装置などから伝わる機械的振動なども相
対的に少なく、ノイズの混入が少ない。また、この引張
り応力立ち上がり後のAEイベント数の減衰時間を、
「AEイベント数がピーク値を示してから、AEイベン
ト数が引張り応力の立ち上がり後の最大値の例えば15
%に減少するまでの時間」と定義すれば、AEイベント
数の絶対値は問題にならない。したがって、テストピー
スTPに発生するクラックとAEセンサ1との距離や、
テストピースTPとAEセンサ1との密着度など、検査
条件に影響を受けることなく多数の被検査物を一律に評
価することができる。
【0025】実施例2 次に、被検査物の破壊応力に近い引張り応力を繰り返し
印加し、引張り応力の立ち上がり後に被検査物から発生
するアコースティックエミッションの減衰特性の変化か
ら被検査物の遅れ破壊の有無を評価できるかどうかを検
証した。
【0026】上述した実施例1と同様に、内径140m
m,外径170mm,長さ700mmのコーディエライ
ト質セラミックスからなる一つのセラミックス管から、
80mm×20mm×11.5mmのテストピースTP
を40個切り出し、このうち10個のテストピースを用
いて平均曲げ強度を求めた。次に、このテストピースの
それぞれにAEセンサ1を2個取り付けたのち、実施例
1と同じ図1に示す要領で破壊試験を行った。そして、
テストピースTPに遅れ破壊が生じるように、これらの
テストピースの平均曲げ強度の約75%と85%の高い
引張り応力を図4に示すように、5回、各々2分間繰り
返し負荷した。また、これと同時にアコースティックエ
ミッションを検出した。
【0027】この結果を図5〜8に示す。平均破壊応力
の85%の高い応力を負荷すると6個のテストピースの
全てが遅れ破壊を示し、また、平均破壊応力の75%の
曲げ応力を負荷すると24個のテストピースのうち6個
のテストピースに遅れ破壊が生じた。図5〜図7には、
この繰り返し引張り応力の印加によるAEイベント数が
示されており、図5は2回目の引張り応力の印加で遅れ
破壊したテストピースA、図6は5回目の引張り応力の
印加で遅れ破壊したテストピースB、図7は遅れ破壊が
生じなかったテストピースCに関する結果を示してい
る。
【0028】この結果によれば、遅れ破壊が生じなかっ
たテストピースのクラック伸展波(クラックが伸展する
際に生じるアコースティックエミッションをいう)の減
衰曲線において、図7に示すように引張り応力を繰り返
し印加する度に勾配が急激になっていくことが解る。こ
れに対して図6の遅れ破壊が生じたテストピースのクラ
ック伸展波の減衰曲線においては、1回目と2回目の引
張り応力では減衰曲線に殆ど変化が観察されず、3回目
の引張り応力で減衰曲線の勾配が一旦大きくなるもの
の、4回目の引張り応力が印加されたときの減衰曲線の
勾配は緩くなっている。
【0029】図8は、図6及び図7に示すテストピース
B,Cにつき、引張り応力の繰り返し印加回数に対する
クラック伸展波、すなわちアコースティックエミッショ
ンの強度比をプロットしたグラフである。ここでクラッ
ク伸展波の強度とは、AEイベント数(発生頻度)を時
間の関数f(t)としたときの関数f(t)の時間tに
よる積分値をいい、クラック伸展波の強度比とは、1回
目の引張り応力によるクラック伸展波の強度を「1」と
したときの、2回目以降の引張り応力によるクラック伸
展波の強度の比率をいう。遅れ破壊が生じなかったテス
トピースCでは、繰り返し引張り応力を印加する度にク
ラック伸展波の強度比が減少しており、これに対して、
遅れ破壊が生じたテストピースBでは、一旦減少したの
ち増加している。これらの結果より、n回の繰り返し引
張り応力を与えたときのアコースティックエミッション
を検出して、そのクラック伸展波の発生頻度の強度比の
各回毎の減衰率αn が全て例えば70%以下に減衰しな
い材料については遅れ破壊が生じる不良品であると判断
する。
【0030】実施例3 次に、多孔質セラミックスのフィルタ管を被検査物とし
て、上述した本発明の検査方法を適用するための検査装
置の一実施例を説明する。図9は本発明の実施例に係る
材料の検査装置を示す外観斜視図、図10は多孔質セラ
ミックスのフィルタ管中に挿入された加圧用ゴムスリー
ブ内に注水する工程を説明するための要部断面図、図1
1はアコースティックエミッションの測定位置を示す要
部断面図である。
【0031】本実施例で用いられる多孔質セラミックス
のフィルタ管2は、図9から図11に示すように4本の
フィルタエレメント2aを環状継手2bを用いて接続す
ることにより組み立てられるが、1本のエレメント2a
のみを被検査物としてもよい。このフィルタ管2は検査
装置の防音ケース3内に保持され、図11に示すよう
に、各エレメント2aの略中央にAEセンサ1が設けら
れている。AEセンサ1には、上述した実施例1および
2で用いられたものと同じ圧電素子が用いられた。ま
た、図9に示すように、多数のフィルタ管を順次検査す
るために、AEセンサ1はフィルタ管2に直接取り付け
るのではなく、環状のブラケット4に取り付けられてい
る。
【0032】フィルタ管2への引張り応力の印加は、フ
ィルタ管の内部に伸縮可能な加圧用ゴムスリーブ(袋
体)5を挿入し、この加圧用ゴムスリーブ5に注水する
ことにより行われ、これによりフィルタ管2の壁に概ね
均一な引張り応力を印加することができる。加圧用ゴム
スリーブ内に導入する流体としては、水の他、油も用い
ることができる。水を加圧用流体とすれば後処理などの
取り扱いが容易である。
【0033】本実施例の加圧用ゴムスリーブ5の一端に
は、図10および図11に示すように、エアー抜き用お
よび排水用の管6が取り付けられており、この管6に開
閉弁7が設けられている。また、加圧用ゴムスリーブ5
の他端には注水用の管8が取り付けられ、例えば水道水
が電動ポンプ9や手動ポンプ10によりゴムスリーブ5
内へ供給される。
【0034】本実施例の検査装置は、フィルタ管2を防
音ケース3内にセットした後、フィルタ管2の内部へ加
圧用ゴムスリーブ5を挿入するために、図9に示すよう
に固定フレーム11と可動フレーム12を有している。
同図に示すように、加圧用ゴムスリーブ5が固定された
固定フレーム11に対して、防音ケース3が固定された
可動フレーム12がフィルタ管2の長手方向へ移動可能
に設けられ、この可動フレーム12を移動させることに
より加圧用ゴムスリーブ5はフィルタ管2の内部へ迅速
かつ円滑に挿入される。
【0035】次に、本実施例の検査装置を用いてフィル
タ管の欠陥検査を行う場合の手順について説明する。ま
ず、環状継手2bを用いて4本のフィルタエレメント2
aを接続して作製したフィルタ管2を防音ケース3内に
セットする。この場合、防音ケース3内に設けられたA
Eセンサ1がフィルタ管2の各エレメント2aの略中央
に位置するようにAEセンサ1のブラケット4の配置を
考慮する。また、脱塵装置に用いられるフィルタ管2に
あっては、両端に位置するエレメントが破損しやすいと
いう経験則から、これら両端のエレメント2aのアコー
スティックエミッションを検出するAEセンサが取り付
けられるブラケット4には、AEセンサを複数個取り付
けておくのが好ましい。本実施例では、両端のブラケッ
トに各3個のAEセンサを円周方向等配(120゜間
隔)に取り付ける一方で、中間に位置するブラケットに
は各1個のAEセンサのみを取り付けた。
【0036】可動フレーム12を移動させることによ
り、防音ケース3にセットされたフィルタ管2に対し加
圧用ゴムスリーブ5を移動させ、フィルタ管2の内部へ
加圧用ゴムスリーブ5を挿入する。このとき、挿入作業
を円滑に行うために予め加圧用ゴムスリーブ5内の水を
排水しておくことが好ましい。
【0037】萎んだ状態の加圧用ゴムスリーブ5がフィ
ルタ管2の内部へ挿入されると、図10に示すように、
加圧用ゴムスリーブ5の下端に設けられた管8から加圧
用の水を供給する。この工程においては、加圧用ゴムス
リーブ5内のエアー抜きを行うために防音ケース3等を
直立させておくとよい。この水の供給によって加圧用ゴ
ムスリーブ5内の空気は加圧用ゴムスリーブ5の上部へ
移動するため、加圧用ゴムスリーブ5内に水が満たされ
るまでの間、加圧用ゴムスリーブ5の上端に設けられた
開閉弁7を開きエアー抜きを行う。
【0038】このエアー抜きが十分に行われたら、開閉
弁7を閉じ、さらに水の供給を継続する。ある程度加圧
用ゴムスリーブ5内に水が満たされると、図11に示す
ように防音ケース3を水平に置き、水圧計13を見なが
ら手動ポンプ10を用いてフィルタ管2に内圧を印加す
る。そして、この内圧の印加によりフィルタ管2から発
生するアコースティックエミッションをAEセンサ1で
検出する。図示されていないが、AE信号解析システム
では、AEセンサ1の出力信号から単位時間あたりに生
じたアコースティックエミッションの数(発生頻度)を
計測する。そして、遅れ破壊の有無を評価する場合に
は、n回の繰り返し引張り応力を与えたときの引張り応
力の立ち上がり後のAEイベント数の総和(強度)を各
回毎にn回まで求めたのち、引張り応力の立ち上がり後
の各回毎のAEイベント数の総和の減衰率を求め、この
減衰率が全て規定値(例えば70%)より小さい場合は
遅れ破壊が生じない良品と判断する。このように、多孔
質セラミックスからなるフィルタ管に引張り応力を印加
するにあたり、本実施例では内部に加圧用流体が導入さ
れる袋体を用いているので、加圧用流体が直接多孔質フ
ィルタ管に接触することがなく、その結果、多孔質フィ
ルタ管に損傷を与えたり、目詰まりを生じせしめること
もない。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように本発明の脆性材料の検
査方法によれば、引張り応力を印加したときに発生する
アコースティックエミッションの発生頻度の減衰特性を
利用しているので、不透明でしかも多孔質の材料からな
る被検査物であっても、破壊することなく、破壊特性を
精度良く評価できる。また、引張り応力の立ち上がり後
の引張り応力が一定になったときのアコースティックエ
ミッションの発生頻度の減衰特性を用いるので、外部か
らのノイズの混入が相対的に少なく、引張り応力の印加
速度などの検査条件の影響を受けることも少ない。ま
た、本発明の他の検査方法によれば、引張り応力を繰り
返し印加したときの引張り応力の立ち上がり後のアコー
スティックエミッションの発生頻度の減衰特性を利用し
ているので、遅れ破壊が生じるおそれがある被検査物の
評価を、加速して短時間で、しかも精度良く行うことが
できる。さらに、本発明の脆性材料の検査装置によれ
ば、中空体の内側に配置され内部に加圧用流体が導入さ
れる伸縮可能な袋体を用いているので、流体が被検査物
と接触して被検査物の性能が損なわれたり汚染されたり
することがなく、しかも被検査物に印加される引張り応
力が概ね均等となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1および2で用いられた曲げ
試験機の一例を示す概念図である。
【図2】 本発明の実施例1における引張り応力の印加
パターンを示すグラフである。
【図3】 本発明の実施例1の結果を示すグラフであ
る。
【図4】 本発明の実施例2における引張り応力の印加
パターンを示すグラフである。
【図5】 本発明の実施例2において繰り返し引張り応
力の印加が2回で破壊に至ったテストピースのAEイベ
ント数と時間との関係を示すグラフである。
【図6】 本発明の実施例2において繰り返し引張り応
力の印加が5回で破壊に至ったテストピースのAEイベ
ント数と時間との関係を示すグラフである。
【図7】 本発明の実施例2において破壊に至らなかっ
たテストピースのAEイベント数と時間との関係を示す
グラフである。
【図8】 本発明の実施例2におけるクラック伸展波の
強度比と引張り応力の繰り返し回数との関係を示すグラ
フである。
【図9】 本発明の脆性材料の検査装置の一実施例の要
部を示す外観斜視図である。
【図10】 図9に示す検査装置において、フィルタ管
内に挿入された加圧用ゴムスリーブ内に注水する工程を
説明するための要部断面図である。
【図11】 図9に示す検査装置において、アコーステ
ィックエミッションの測定工程を説明するための要部断
面図である。
【図12】 従来の脱塵装置の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…AEセンサ 2…フィルタ管(被検査物) 2a…フィルタエレメント 2b…環状継手 5…加圧用ゴムスリーブ(袋体)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検査物に引張り応力を印加し、引張り応
    力の立ち上がり後に前記被検査物から発生するアコース
    ティックエミッションの発生頻度を測定し、この発生頻
    度の減衰特性に基づいて前記被検査物の破壊特性を評価
    することを特徴とする脆性材料の検査方法。
  2. 【請求項2】前記被検査物の破壊特性を、前記アコース
    ティックエミッションの発生頻度が、最大値から、前記
    最大値に所定比率を乗じた発生頻度に減少するまでの減
    衰時間に基づいて評価する請求項1に記載の脆性材料の
    検査方法。
  3. 【請求項3】被検査物に引張り応力を繰り返し印加し、
    前記引張り応力の印加毎に引張り応力の立ち上がり後に
    前記被検査物から発生するアコースティックエミッショ
    ンの発生頻度を測定し、その発生頻度の減衰特性の変化
    に基づいて前記被検査物の破壊特性を評価することを特
    徴とする脆性材料の検査方法。
  4. 【請求項4】前記アコースティックエミッションの発生
    頻度の時間による積分値をアコースティックエミッショ
    ンの強度とし、前記引張り応力を所定回数印加する間
    に、前記引張り応力の印加毎に発生する前記アコーステ
    ィックエミッションの強度が増加した場合に、前記被検
    査物に遅れ破壊が生じると判断する請求項3に記載の脆
    性材料の検査方法。
  5. 【請求項5】前記被検査物が多孔質多結晶材料である請
    求項1〜4の何れか1つに記載の脆性材料の検査方法。
  6. 【請求項6】被検査物が中空体である場合、中空体の内
    側に配置した内部に加圧用流体が導入される伸縮可能な
    袋体の膨張によって被検査物に引張り応力を印加する手
    段と、前記被検査物から発生するアコースティックエミ
    ッションを検出するセンサとを備えたことを特徴とする
    脆性材料の検査装置。
  7. 【請求項7】前記被検査物が多孔質の管状体である請求
    項6に記載の脆性材料の検査装置。
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