JPH0896709A - 多重極電極の製造方法 - Google Patents

多重極電極の製造方法

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JPH0896709A
JPH0896709A JP6231163A JP23116394A JPH0896709A JP H0896709 A JPH0896709 A JP H0896709A JP 6231163 A JP6231163 A JP 6231163A JP 23116394 A JP23116394 A JP 23116394A JP H0896709 A JPH0896709 A JP H0896709A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 管状基板2の内面に、均一で導電性に優れた
多重極電極を形成する。 【構成】 中空孔を有するターゲット9を先端に取り付
けてあるパイプ状のプローブ8を管状基板2の内空間に
挿入するとともに、このプローブ8を陰極としてこれに
電力を印加することによってそのターゲット9を前記管
状基板2の内面にスパッタリングする際に、多重極電極
を形成する部分を除いてマスキング棒12でマスキング
し、プローブ8を管状基板2の内面に対して搬送機構1
7で相対的に移動させながら前記ターゲット9の中空孔
内にはArガスを供給することによって、このターゲッ
ト9の中空孔付近で安定した中空陰極放電を行わせて複
数の電極を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、質量分析装置
や電子顕微鏡のように、電子やイオンの軌道を調整する
のに使用される多重極電極の製造方法に関し、さらに詳
しくは、管状の基板の内面に、複数の電極が形成されて
なる多重極電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多重極電極を用いた装置、例え
ば、四重極電極を備えた質量分析装置では、真空室内
に、図8に示されるように4本の電極棒401〜40
4を、等間隔で対称に平行配置してなる四重極電極が設
けられ、対向する各電極棒401,403:402,404
間には、直流電圧Uと高周波交流電圧Vcosωtとを
重畳してなる走査電圧がそれぞれ印加される。これによ
って、四重極電極の内部に、双曲線状の電界が形成さ
れ、しかも、U/Vの比を一定に保ちながらVを変化さ
せることにより、イオン源(図示せず)から四重極電極
の軸方向(図8の紙面に垂直方向)に沿って電界内に導
入されたイオンを質量分離するものである。
【0003】一般に質量分析装置では、精度の高い分析
を可能にするために、四重極電極で形成される電界にも
高い精度が要求されるが、4本の電極棒401〜404
並列配置してなる四重極電極では、各電極棒401〜4
4の加工やそれら電極棒401〜404を配置するとき
の位置や間隔などにも高い精度が要求され、製造コスト
が高くなる一方、電極棒の配置ずれが起こり易いといっ
た難点がある。
【0004】このような4本の電極棒を使用することな
く、四重極電極を提供するものとして、特開昭63−1
52846号公報あるいは米国特許第3328146号
に開示されている四重極電極がある。これらは、対向す
る内面が双曲線状にくぼんだ管状の絶縁体の内面に、電
極を形成してなるものである。
【0005】例えば、特開昭63−152846号公報
では、図9に示されるように、対向する4つの内面が双
曲線状に内方へくぼんだ管状の石英基板41の前記4つ
の内面に導電性ストリップ42を形成し、図8の四重極
電極と同様の機能を有するものである。この管状の石英
基板41は、所要形状のマンドレル上で真空成形される
ことによって得られ、導電性ストリップ42は、例え
ば、銀ペーストを石英基板41の内面に塗布して焼成す
ることにより形成される。
【0006】また、米国特許第3328146号では、
同様に、ガラス管をマンドレル上で真空成形して得られ
た4つの内面が双曲線状に内方へくぼんだ管状のガラス
基板の内面に、メッキ、蒸着あるいはスパッタリングに
よって電極を形成するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、管状基板の
内面のような極く狭い空間内に、均一で導電性に優れた
電極を形成するのは容易ではない。
【0008】例えば、上述の特開昭63−152846
号公報に開示された銀ペーストを塗布して焼成するもの
では、十分な導電性を得るには、例えば、数十μmとい
ったかなりの厚みが必要であり、このため、均一な電極
を形成するのが一層困難となり、また、焼成を行うため
に、管状基板の材質として、耐熱性の高い石英やセラミ
ックスしか使用できず、コストが高くなるという難点が
ある。
【0009】一方、米国特許第3328146号では、
管状のガラス基板の内面に、メッキ、蒸着あるいはスパ
ッタリングなどの一般的手法を適用して電極を形成する
ことしか開示されておらず、例えば、質量分析装置に要
求される最近の高い精度を実現できるような均一で導電
性に優れた電極を形成するのは困難である。
【0010】本発明は、上述の点に鑑みて為されたもの
であって、管状基板の内面に、均一で導電性に優れた多
重極電極を形成することができる多重極電極の製造方法
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述の目的
を達成するために、次のように構成している。
【0012】すなわち、本発明は、先端にターゲットを
取り付けてあるパイプ状のプローブを管状基板の内空間
に挿入するとともに、このプローブを陰極としてこれに
電力を印加することによってそのターゲットを前記管状
基板の内面にスパッタリングする際に、前記管状基板に
多重極電極を形成する部分を除いてマスキングし、かつ
前記ターゲットを中空孔を有するものとするとともに、
このプローブを管状基板の内面に対して相対的に移動さ
せながら前記ターゲットの中空孔内には前記プローブを
介して放電ガスを供給することによって、このターゲッ
トの中空孔付近で中空陰極放電を行わせて前記管状基板
の多重極電極形成部分に前記スパッタリングを行うよう
にしている。
【0013】
【作用】上記構成によれば、ターゲットが中空形状であ
ることからターゲット外周面で放電せずに、ターゲット
の中空内からわき出すような中空陰極放電を生じ、この
中空陰極放電は、通常のグロー放電より電流密度が高
く、極く狭い空間内でも放電が安定し、スパッタリング
によって管状基板の内面に頑強で導電性に優れた均一な
薄膜電極が形成される。
【0014】
【実施例】以下、図面によって本発明の実施例につい
て、詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施例の製造方法によ
って製造された多重極電極の斜視図であり、この実施例
では、質量分析装置に使用される四重極電極1に適用し
て説明する。
【0016】この四重極電極1は、図2に示されるガラ
ス製の管状基板2の内面に、4つの電極3が形成されて
構成される。この管状基板2は、四重極電極の基本形状
を与えるものであり、内方に双曲線状にくぼんで対向す
る4つの双曲線部4が、軸方向に平行に延びて形成され
ており、各双曲線部4の境界部分である4つの隅部5
は、外方に円弧状に湾曲して形成されている。この管状
基板2としては、ガラス製に限らず、石英、セラミック
スあるいはプラスチックス製であってもよい。
【0017】管状基板2の内面の4つの双曲線部4のそ
れぞれには、金薄膜からなる電極3が形成されており、
4つの隅部5には、電極3は形成されておらず、ガラス
製の管状基板2が露出して各双曲線部4の4つの電極3
を電気的に絶縁している。
【0018】ガラス製の管状基板2は、四重極電極の基
本形状を付与するための所要の形状を有するマンドレル
上で真空成形することによって得られる。すなわち、適
当な直径、厚さを有する円筒状のガラス管の一端を閉じ
て切断し、図3に示されるように、前記所要の形状に高
い精度で加工されたマンドレル6をガラス管に挿入す
る。
【0019】次に、ガラス管の他端を真空ポンプに接続
し、ガラス管を十分に加熱すると、大気圧によってガラ
ス管がマンドレル6に密に整合し、冷却した後、マンド
レル6をガラス管から取り出し、ガラス管を所要の長さ
で切断することにより、図2のガラス製の管状基板2が
得られるものであり、この管状基板2の内面は、μmオ
ーダの精度を有する。このようにして得られた管状基板
2の内面への電極3の形成について説明する。
【0020】この実施例の四重極電極1の製造方法で
は、先端にターゲットを取り付けてあるパイプ状のプロ
ーブを、真空成形によって得られた上述の管状基板2の
内空間に挿入するとともに、このプローブを陰極として
これに電力を印加することによってそのターゲットを管
状基板2の内面にスパッタリングすることによって、電
極3を形成するものである。
【0021】しかも、そのスパッタリングに際して、管
状基板2に電極3を形成する部分、すなわち、上述の双
曲線部4を除いてマスキングし、かつ前記ターゲットを
中空孔を有するものとするとともに、このプローブを管
状基板2の内面に対して相対的に移動させながら前記タ
ーゲットの中空孔内には前記プローブを介して放電ガス
を供給することによって、このターゲットの中空孔付近
で中空陰極放電を行わせて双曲線部4にスパッタリング
を行うものである。
【0022】以上のスパッタリングによる電極3の形成
について、さらに詳細に説明する。
【0023】図4は、本発明の一実施例の製造方法を実
施するためのスパッタリング装置の要部断面図であり、
図5は、図4の切断面線A−Aから見た断面図である。
【0024】スパッタリング装置の真空容器7内には、
該真空容器7の壁面に支えられるパイプ状のプローブ
(陰極)8が、一端を真空容器7内に、他端を貫通穴を
介して真空容器1外に突出されるように設けられてい
る。このプローブ8は、真空容器7の壁面に対し絶縁体
15を介して支えられることにより、真空容器7とは電
気的に絶縁される。さらに、絶縁体15とプローブ8と
の間は二重のOリング16によるシール機構で支持さ
れ、真空室7内の真空が保持できるようにしている。
【0025】このプローブ8の真空容器7内の先端に
は、金のターゲット9がネジ止めされ、プローブ8と電
気的に接続されている。このターゲット9としては、金
以外の白金などの他の貴金属あるいはその合金、さらに
は、Al、Ni、Cr、W、Mo、Ta、Ti等の化学
的に安定な金属あるいはその合金を用いてもよい。
【0026】真空容器7の内部には、前記プローブ8と
軸線が共通するとともに、真空成形によって得られた管
状基板2を収納する収納穴10aを有した金属製のホル
ダ(陽極)10が設けられる。ホルダ10には、ヒータ
11が内蔵され、ホルダ10の収納穴10aに内接して
保持されるガラス製の管状基板2を加熱できるようにし
てある。そして、ホルダ10は、ホルダ台20に支持さ
れ、このホルダ台20が、真空容器7の外部に設けた所
定の搬送機構17に接続されていて、これを駆動するこ
とによってホルダ10およびホルダ10に収納された管
状基板2のターゲット9に対する相対位置が変わるよう
になっている。
【0027】この実施例では、管状基板2に形成される
4つの電極3の絶縁を保つために、電極3を形成しない
部分、すなわち、管状基板2の4つの隅部5には、例え
ば、ステンレス製のマスキング棒12が接着剤あるいは
適宜の保持手段によって挿入保持されている。なお、4
つの隅部5のマスキングは、マスキング棒12に限ら
ず、マスキング用テープの貼着あるいはマスキング用材
料の塗布などであってもよい。
【0028】プローブ8先端のターゲット9は、図5に
示されるように、4つの双曲線部4を有する管状基板2
に金薄膜からなる均一な電極3を形成するために、この
実施例では、中空の四角柱状とされており、その4つの
角部が、4つの双曲線部4にそれぞれ対向するように取
り付けられている。
【0029】プローブ8およびターゲット9は、真空容
器7外部から放電ガスとしてのArガスを供給するため
の中空孔13が設けられている。また、プローブ8の中
空孔13先端付近には、放電の回り込み防止用の絶縁筒
14が設けられる。
【0030】プローブ8とホルダ10との間には、プロ
ーブ8側がホルダ10側に対して負になるようにDC電
源18および放電安定抵抗19が接続される。ホルダ1
0側は、接地電位にするのが普通であるが、接地電位と
しないときはホルダ台20との接続面に絶縁板21を介
在させておく。これらホルダ台20と絶縁板21には、
ガス孔22がそれぞれ形成されている。DC電源18と
しては、通常定電流電源を用いる。
【0031】以上の構成の装置において、プローブ8お
よびターゲット9の中空孔13を介して真空室7内にA
rガスを導入し、図示しない真空ポンプおよび圧力調整
弁にて放電維持可能な圧力に調整する。すると、プロー
ブ8およびターゲット9の中空孔13内部には配管抵抗
によるコンダクタンス作用が生じ、これら中空孔13内
部以外の真空室7内よりも低真空状態に保持される。こ
の状態で、プローブ8とホルダ10との間に、DC電源
18および放電安定抵抗19からなる電源回路により適
当な値の電力を投入する。すると、通常のグロー放電に
比べて電流密度が高い中空陰極放電がターゲット9の中
空孔内部とターゲット9開口部付近に発生する。
【0032】すなわち、中空孔13を有する特殊な陰極
形状であることと、狭い電極間隔においても放電維持が
可能なほどの比較的低真空の空間内圧力であることとの
条件が満足されると、中空孔13から放射状に吹き出す
ような形状のプラズマ23が発生して、ターゲット9の
先端部付近を激しくスパッタリングするようになる。こ
れにより、ターゲット9から激しくスパッタリングされ
た原子は、管状基板2に向けて飛び出し、やがて管状基
板2に衝突してこれに付着する。なお、中空陰極放電
が、プローブ8の中空孔13内部にまで至って、プロー
ブ8自身がスパッタリングされるのを防止するために、
プローブ8の中空孔13先端部には上述のように放電防
止用の絶縁筒14を設けてている。
【0033】そして、搬送機構17を用いて、管状基板
2をプローブ8の軸線に沿って移動することにより、管
状基板2のマスキングされていない4つの双曲線部4
に、その軸方向に均等な膜厚の電極3を形成することが
でき、最終的に、図1の四重極電極1を得ることができ
る。
【0034】このように本発明方法によれば、狭い空間
でも放電が安定する中空陰極放電によるスパッタリング
によって管状基板2の内面に金薄膜からなる4つの電極
3を形成するので、頑強で導電性に優れた均一な電極3
が得られることになる。
【0035】特に、四重極電極1の一般的用途である質
量分析装置などでは、コンタミネーションが問題とな
り、金や白金電極が理想とされているけれども、金や白
金は、ガラスや石英にはなじみにくく、したがって、ガ
ラスや石英上に頑強で良質な金や白金の薄膜を形成する
のは困難であるとされているが、本発明方法によれば、
中空陰極放電によって、ガラスや石英の表面が高エネル
ギープラズマにさらされて活性化されるため、ガラスや
石英の管状基板であっても、非常に密着性に優れた良質
な電極薄膜が得られる。
【0036】当然のことであるが、Al、Ni、Cr等
の石英やガラスに対して、比較的成膜しやすい材料を用
いた場合には、さらに優れた密着性が得られ、密着強度
が石英の破壊強度を上回るほどであった。
【0037】なお、この実施例では、ターゲット9の形
状を中空の四角柱状としたけれども、ターゲット9の形
状は、これに限るものではなく、管状基板2に対応した
双曲線部を有する形状、あるいは、プローブ8と同じパ
イプ状、その他の形状であってもよい。
【0038】ターゲット9の形状を四角柱状とした本実
施例では、管状基板2の4つの隅部5近傍における成膜
効率がよく、管状基板2の断面上における膜厚分布は、
±0.3μmとなり、プローブ8と同じパイプ状のター
ゲットを用いた場合の膜厚分布±0.5μmに比べて改
善された。
【0039】また、マスキング棒12の材質をターゲッ
ト9と同一の材質とし、負のバイアス電圧、例えば、タ
ーゲット9に印加される電圧が−800Vの時に、−1
500V〜−300Vの間の適当なバイアス電圧を印加
することにより、前記膜厚分布が、±0.2μmに改善
された。
【0040】図6は、本発明の他の実施例の製造方法を
実施するためのスパッタリング装置の要部断面図、図7
は、図6のプローブ付近の拡大断面図であり、図4の実
施例に対応する部分には、同一の参照符号を付してその
説明を省略する。
【0041】この実施例の製造方法は、スパッタリング
に際して、補助電極24によって中空陰極放電を調整す
るとともに、この補助電極24の先端とターゲット9の
開口部との距離を一定に調整するものである。
【0042】このため、このスパッタリング装置では、
プローブ8の中空孔内には、絶縁筒25を介してプロー
ブ8と絶縁された補助電極24が設けられており、この
補助電極24と絶縁筒25とは、真空容器7外に設けた
調整ツマミ26によりプローブ8に対する相対位置が変
えられるように構成されている。すなわち、補助電極2
4および絶縁筒25の上端部にガラスまたは樹脂27に
て固定された調整ツマミ26は、プローブ8の外周面に
ネジ部にて係合してあり、ネジ部を調整することによ
り、補助電極24および絶縁筒25の、このプローブ8
に対しての相対位置を動かすことができるようになって
いる。調整ツマミ26とプローブ8との間は、シール用
のOリング28を設けて真空が維持できるようにしてい
る。
【0043】また、プローブ8には、放電ガス導入口2
9が接続されており、絶縁筒25とプローブ8内周面と
のすき間を通ってArガスが導入される。
【0044】さらに、補助電極24には、ポテンショメ
ータ30によって分圧された電圧が安定抵抗31を介し
て印加されるように接続される。
【0045】以上の構成の装置において、真空容器7内
にArガスを導入し、放電維持可能な圧力に調整した
後、プローブ8とホルダ10との間に適当な強度の電力
を供給すると、ターゲット9の中空孔内に、上述の実施
例と同様に、中空陰極放電が生じる。このときポテンシ
ョメータ30の調整により中空陰極放電でプラズマ23
が、ターゲット9開口部から外に押し出される程度を調
整する。なお、補助電極24は、浮遊電位、すなわち積
極的に外部と接続しないようにしてプラズマ23との平
衡によって補助電極24の電位を決まるようにしてもプ
ラズマ23の押し出し程度を調整できる。
【0046】このようにして管状基板2への電極3の形
成を繰り返して行うと、ターゲット9がスパッタリング
されて消耗し、補助電極24の先端とターゲット9の開
口部との距離が短くなって、中空陰極放電の形状、特に
プラズマ23がターゲット9から押し出される程度が変
わる。中空陰極放電形状の変化が進んで成膜条件の再現
性がなくなって来ると、調整ツマミ26を回して補助電
極24および絶縁筒25を引っ込める。すると、補助電
極24の先端とターゲット9の開口部との距離が再び最
初の長さと同じ程度にすることができ、最初の放電状態
と同様の放電を得ることができる。
【0047】このようにしてターゲット9の消耗の程度
に合わせて補助電極24を引っ込めることで放電形状に
影響を及ぼす補助電極24の先端とターゲット9開口部
との相対関係が一定になるように調整できるので、再現
性のよい成膜、すなわち、電極3の形成を行えることに
なる。さらに、ターゲット9の消耗に合わせて補助電極
24を引き込んでゆくので、ターゲット9が短くなるま
で有効に利用することができ、特に高価なターゲット9
を使う場合には、無駄なくターゲット9を利用できるこ
とになり、材料コストの低減を図ることができる。
【0048】なお、この実施例では、補助電極24に印
加する電圧をDC電源30の分圧を利用したけれども、
別電源を利用してもよい。
【0049】また、この実施例では、ホルダ10を陽極
とし、補助電極24で放電を調整するようにしたけれど
も、補助電極24とプローブ8との間で放電電力を印加
するようにして補助電極24に、放電調整だけでなく、
陽極電極としての機能を兼用させてもよい。
【0050】上述の各実施例では、電源としてDC電源
18を用いたけれども、これに限られるものではなく、
RF電源その他の電源で放電を発生させうるものであれ
ばよい。
【0051】また、放電ガスとしては、Arガスを用い
たけれども、Arガスに限られるものではなく、例え
ば、酸素とArのような混合ガスを用いて反応性スパッ
タリングとしてもよい。
【0052】上述の各実施例では、四重極電極に適用し
て説明したけれども、本発明は、六重極、八重極、十二
重極といった他の多重極電極にも適用できるものであ
る。
【0053】本発明の実施の態様としては、上記実施例
のほか以下の態様がある。
【0054】(1)先端にターゲットを取り付けてある
パイプ状のプローブを管状基板の内空間に挿入するとと
もに、このプローブを陰極としてこれに電力を印加する
ことによってそのターゲットを前記管状基板の内面にス
パッタリングする際に、前記プローブの内部に絶縁筒を
介して補助電極を挿通支持するとともに、該補助電極の
先端と前記ターゲットとの相対位置を可変とし、前記管
状基板に多重極電極を形成する部分を除いてマスキング
し、かつ前記ターゲットを中空孔を有するものとすると
ともに、プローブを管状基板の内面に対して相対的に移
動させながら前記ターゲットの中空孔内には前記プロー
ブを介して放電ガスを供給することによって、このター
ゲット内部で中空陰極放電を行わせるとともに、前記補
助電極によって中空陰極放電を調整して前記管状基板の
多重極電極形成部分に前記スパッタリングを行うもので
ある。
【0055】同じターゲットを用いて繰り返し成膜、す
なわち、電極の形成を行った場合には、ターゲットがス
パッタリングされて侵食され、放電状態が変化すること
になって再現性のないものとなるが、このような構成に
よれば、中空陰極放電を調整する補助電極とターゲット
との相対位置を可変できるので、ターゲットの侵食に応
じて相対位置を調整することにより、最初の放電状態と
同様の放電状態を得ることができ、再現性のよい電極の
形成が可能となる。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、中空孔を
有するターゲットを先端に取り付けてあるパイプ状のプ
ローブを管状基板の内空間に挿入するとともに、このプ
ローブを陰極としてこれに電力を印加することによって
そのターゲットを前記管状基板の内面にスパッタリング
する際に、多重極電極を形成する部分を除いてマスキン
グし、プローブを管状基板の内面に対して相対的に移動
させながら前記ターゲットの中空孔内には放電ガスを供
給することによって、このターゲットの中空孔付近で安
定した中空陰極放電を行わせて複数の電極を形成するの
で、頑強で導電性に優れた均一な多重極電極を得ること
が可能となる。
【0057】また、管状基板の材質としては、耐熱性の
高い石英やセラミックスに限定されることなく、ガラス
やプラスチックスを使用することができ、コストの低減
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る四重極電極の斜視図で
ある。
【図2】図1の管状基板の斜視図である。
【図3】真空成形に使用されるマンドレルの斜視図であ
る。
【図4】本発明方法を実施するためのスパッタリング装
置の断面図である。
【図5】図4の切断面線A−Aから見た断面図である。
【図6】本発明の他の実施例に係るスパッタリング装置
の断面図である。
【図7】図6の要部の拡大断面図である。
【図8】四重極電極の電極棒の配置を示す図である。
【図9】従来例の四重極電極の斜視図である。
【符号の説明】
1 四重極電極 2 管状基板 3 電極 4 双曲線部 5 隅部 8 プローブ 9 ターゲット 12 マスキング棒 17 搬送機構

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端にターゲットを取り付けてあるパイ
    プ状のプローブを管状基板の内空間に挿入するととも
    に、このプローブを陰極としてこれに電力を印加するこ
    とによってそのターゲットを前記管状基板の内面にスパ
    ッタリングする際に、前記管状基板に多重極電極を形成
    する部分を除いてマスキングし、かつ前記ターゲットを
    中空孔を有するものとするとともに、このプローブを管
    状基板の内面に対して相対的に移動させながら前記ター
    ゲットの中空孔内には前記プローブを介して放電ガスを
    供給することによって、このターゲットの中空孔付近で
    中空陰極放電を行わせて前記管状基板の多重極電極形成
    部分に前記スパッタリングを行うことを特徴とする多重
    極電極の製造方法。
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