JPH0896739A - 二次イオン質量分析装置 - Google Patents
二次イオン質量分析装置Info
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- JPH0896739A JPH0896739A JP6227889A JP22788994A JPH0896739A JP H0896739 A JPH0896739 A JP H0896739A JP 6227889 A JP6227889 A JP 6227889A JP 22788994 A JP22788994 A JP 22788994A JP H0896739 A JPH0896739 A JP H0896739A
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- Japan
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- secondary ion
- ion
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- Electron Tubes For Measurement (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 試料の最表面からの真の濃度分布を測定でき
る二次イオン質量分析法を提供する。 【構成】 真空排気された試料室30内に、試料3とと
もに試料と同質又は同一のスパッタ率を有するターゲッ
ト19を保持し、一次イオンビーム20を偏向手段18
で偏向してターゲットをスパッタし、試料3の表面に一
次イオン注入飛程の2倍以上の厚さの薄膜を形成する
(a)。その後、試料室内で薄膜側から試料に一次イオ
ンを照射し、試料から放出される二次イオンを質量分析
する(b)。
る二次イオン質量分析法を提供する。 【構成】 真空排気された試料室30内に、試料3とと
もに試料と同質又は同一のスパッタ率を有するターゲッ
ト19を保持し、一次イオンビーム20を偏向手段18
で偏向してターゲットをスパッタし、試料3の表面に一
次イオン注入飛程の2倍以上の厚さの薄膜を形成する
(a)。その後、試料室内で薄膜側から試料に一次イオ
ンを照射し、試料から放出される二次イオンを質量分析
する(b)。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面分析に広く利用さ
れている二次イオン質量分析法に関するものである。
れている二次イオン質量分析法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】LSIをはじめとする各種デバイスは、
益々小型化、薄片化が進行し、表面及び界面の特性が素
子機能に大きく影響するようになっている。より高度な
デバイスの作製においては、表面の特性評価が極めて重
要であり、次世代LSIの開発には表面の管理、制御が
不可欠である。二次イオン質量分析法は、LSIをはじ
めとする各種デバイスの基板材料、製作の各工程におけ
る材料表面の特性評価に重要な役割を演じている。
益々小型化、薄片化が進行し、表面及び界面の特性が素
子機能に大きく影響するようになっている。より高度な
デバイスの作製においては、表面の特性評価が極めて重
要であり、次世代LSIの開発には表面の管理、制御が
不可欠である。二次イオン質量分析法は、LSIをはじ
めとする各種デバイスの基板材料、製作の各工程におけ
る材料表面の特性評価に重要な役割を演じている。
【0003】図2に、二次イオン質量分析装置の概略を
示す。一次イオンビーム照射系1は、一次イオンビーム
のイオン源2、収束レンズ部及び試料3より構成されて
おり、収束イオンビームを形成し、制御されたイオンビ
ームを試料3に照射する役割をする。二次イオン光学系
4は、一次イオンビームの照射を受けて試料3の表面か
ら放出される試料原子に基づくイオンを質量、電荷比に
応じて分離し、質量分析を行なう。質量分析のために
は、入射スリット5、セクタ形電場6、セクタ形磁場7
及びコレクタスリット8からなるセクタ形質量分析計、
あるいは四重極形質量分析計13等が利用される。分離イ
オンの検出法としては、コレクタスリット8及び中性粒
子除去スリット9を通ったイオン強度をイオン検出器1
2によって直接計測する方法と、二次イオンのエミッシ
ョンパターンをコレクタスリット8の位置に結像させ、
その像を投影レンズ系10により拡大し、スクリーン11
上で特定元素像を観察、検出する方法の2種類がある。
イオン検出器12による検出信号は、CPU17で処理
され、また、一次イオンビームの照射と同期してCRT
15上に表示され、あるいはレコーダ16に記録されて
利用される。
示す。一次イオンビーム照射系1は、一次イオンビーム
のイオン源2、収束レンズ部及び試料3より構成されて
おり、収束イオンビームを形成し、制御されたイオンビ
ームを試料3に照射する役割をする。二次イオン光学系
4は、一次イオンビームの照射を受けて試料3の表面か
ら放出される試料原子に基づくイオンを質量、電荷比に
応じて分離し、質量分析を行なう。質量分析のために
は、入射スリット5、セクタ形電場6、セクタ形磁場7
及びコレクタスリット8からなるセクタ形質量分析計、
あるいは四重極形質量分析計13等が利用される。分離イ
オンの検出法としては、コレクタスリット8及び中性粒
子除去スリット9を通ったイオン強度をイオン検出器1
2によって直接計測する方法と、二次イオンのエミッシ
ョンパターンをコレクタスリット8の位置に結像させ、
その像を投影レンズ系10により拡大し、スクリーン11
上で特定元素像を観察、検出する方法の2種類がある。
イオン検出器12による検出信号は、CPU17で処理
され、また、一次イオンビームの照射と同期してCRT
15上に表示され、あるいはレコーダ16に記録されて
利用される。
【0004】イオン源2から試料3に照射される一次イ
オン種としては主にO2 + とCs+が利用されている。検
出元素が陽性元素の場合にはO2 + 照射、正イオン検出
が有利であり、検出元素が陰性元素の場合にはCs+ 照
射、負イオン検出が有利である。これは、一次イオン種
としてO2 + 照射を行うと、試料表面にOが付着し、試
料構成元素によって変化するが、定常状態では約1022
atoms/cm3 の濃度となる。一般に金属表面に酸素が
吸着すると、試料表面の仕事関数が増加する。その結
果、放出されるイオン種のイオン化エネルギーが仕事関
数より低い場合には、放出正イオンへの電子の遷移は不
可能で、正イオンの中性化は起こらない。すなわち正イ
オンの生き残り確率が高くイオン化率が高く出る。一
方、Cs+照射の場合は、定常状態では試料上にCsが
付着し、試料表面の仕事関数を低下させる(Csの仕事
関数は3.9eVである)。その結果、電子は放出粒子
へ容易に遷移し、負イオンのイオン化率が向上する。こ
の場合のイオン化には電子親和力が直接関係し、その値
が大きい程イオン化率が高い。さらに、一次イオン種の
注入濃度とイオン化率との関係は濃度の増加にともなっ
てイオン化率も向上する傾向を示す。なお、一次イオン
注入飛程をRpとすると、測定は2Rp以上の深さまで
スパッタエッチングを行った後に行われる。
オン種としては主にO2 + とCs+が利用されている。検
出元素が陽性元素の場合にはO2 + 照射、正イオン検出
が有利であり、検出元素が陰性元素の場合にはCs+ 照
射、負イオン検出が有利である。これは、一次イオン種
としてO2 + 照射を行うと、試料表面にOが付着し、試
料構成元素によって変化するが、定常状態では約1022
atoms/cm3 の濃度となる。一般に金属表面に酸素が
吸着すると、試料表面の仕事関数が増加する。その結
果、放出されるイオン種のイオン化エネルギーが仕事関
数より低い場合には、放出正イオンへの電子の遷移は不
可能で、正イオンの中性化は起こらない。すなわち正イ
オンの生き残り確率が高くイオン化率が高く出る。一
方、Cs+照射の場合は、定常状態では試料上にCsが
付着し、試料表面の仕事関数を低下させる(Csの仕事
関数は3.9eVである)。その結果、電子は放出粒子
へ容易に遷移し、負イオンのイオン化率が向上する。こ
の場合のイオン化には電子親和力が直接関係し、その値
が大きい程イオン化率が高い。さらに、一次イオン種の
注入濃度とイオン化率との関係は濃度の増加にともなっ
てイオン化率も向上する傾向を示す。なお、一次イオン
注入飛程をRpとすると、測定は2Rp以上の深さまで
スパッタエッチングを行った後に行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】二次イオン質量分析装
置は、一次励起源として高エネルギーのイオンを用いて
いるため、分析時、スパッタ現象とともに試料中に入射
一次イオン種が注入され、表面から一次イオンの飛程の
2倍程度の深さ(2Rp)までは注入一次イオン種の濃
度は誤差関数に従って単調に増加し、その後飽和し一定
値を示す。
置は、一次励起源として高エネルギーのイオンを用いて
いるため、分析時、スパッタ現象とともに試料中に入射
一次イオン種が注入され、表面から一次イオンの飛程の
2倍程度の深さ(2Rp)までは注入一次イオン種の濃
度は誤差関数に従って単調に増加し、その後飽和し一定
値を示す。
【0006】図3(a)は、一次イオン種の深さ方向注
入濃度分布を説明する模式図であり、時間経過と共に濃
度分布が変化する様子を示す。図中のハッチング部分4
0は、横幅がその深さにおける一次イオン種の濃度を表
し、時間経過と共に右側に図示する分布に変化する。右
に移るほど試料3の表面位置が低くなっているのは、エ
ッチングが進行するためである。図示のように、試料表
面の注入一次イオン種の濃度は、一次イオンの注入飛程
Rpの2倍程度の深さまでエッチングが進行するまで、
急激に変化し、その後飽和して一定値となる。
入濃度分布を説明する模式図であり、時間経過と共に濃
度分布が変化する様子を示す。図中のハッチング部分4
0は、横幅がその深さにおける一次イオン種の濃度を表
し、時間経過と共に右側に図示する分布に変化する。右
に移るほど試料3の表面位置が低くなっているのは、エ
ッチングが進行するためである。図示のように、試料表
面の注入一次イオン種の濃度は、一次イオンの注入飛程
Rpの2倍程度の深さまでエッチングが進行するまで、
急激に変化し、その後飽和して一定値となる。
【0007】入射一次イオン種のスパッタクレータ表面
での時間tにおける元素濃度分布C(0,t) は、スパッタ
速度をVs、一次イオン注入飛程をRp、Rpの標準偏
差をΔRp、一次イオンビーム照射密度をJp、素電荷
(1.6×10-19 C)をqとすると、下式(1)で表
される〔図3(b)〕。 C(0,t)=(Jp/2q・Vs)[erf[(t・Vs-Rp)/21/2・ΔRp]+erf[Rp/21/2・ΔRp]] (1)
での時間tにおける元素濃度分布C(0,t) は、スパッタ
速度をVs、一次イオン注入飛程をRp、Rpの標準偏
差をΔRp、一次イオンビーム照射密度をJp、素電荷
(1.6×10-19 C)をqとすると、下式(1)で表
される〔図3(b)〕。 C(0,t)=(Jp/2q・Vs)[erf[(t・Vs-Rp)/21/2・ΔRp]+erf[Rp/21/2・ΔRp]] (1)
【0008】ところで、含有元素のイオン化率、すなわ
ち特定元素の全スパッタ原子の数に対するイオン化原子
の数は、注入一次イオン種濃度により大幅に変化するた
め、従来の二次イオン質量分析法では、C(0,t) が変化
している試料表面から深さ2Rpまでの領域での濃度評
価が困難であった。図4は、Siウェハに20keVの
Cs+ ビームを照射した場合を想定して、式(1)より
計算した結果を示す。一次イオン電流密度を480μA
/cm2 、112μA/cm2 、48μA/cm2 と3
種類に変えて計算しており、いずれの場合も飽和値を与
える時間におけるスパッタ深さは、約2Rpである。な
おスパッタ速度Vsは実測値を採用した。
ち特定元素の全スパッタ原子の数に対するイオン化原子
の数は、注入一次イオン種濃度により大幅に変化するた
め、従来の二次イオン質量分析法では、C(0,t) が変化
している試料表面から深さ2Rpまでの領域での濃度評
価が困難であった。図4は、Siウェハに20keVの
Cs+ ビームを照射した場合を想定して、式(1)より
計算した結果を示す。一次イオン電流密度を480μA
/cm2 、112μA/cm2 、48μA/cm2 と3
種類に変えて計算しており、いずれの場合も飽和値を与
える時間におけるスパッタ深さは、約2Rpである。な
おスパッタ速度Vsは実測値を採用した。
【0009】このように、試料表面から深さ2Rpまで
の領域では、注入一次イオン種濃度が深さととも急激に
変化し、それに伴って試料中分析対象元素のイオン強度
も濃度に無関係に変化する。Bを一様に含んでいるSi
ウェハについて、B及びSiの深さ方向分布を図2に示
した二次イオン質量分析装置によって測定した結果の一
例を図5に示す。不純物Bの深さ方向濃度分布の測定結
果を図5(a)に、マトリックスとしてのSiの深さ方
向濃度分布の測定結果を図5(b)に示す。二次イオン
質量分析は、一次イオン種にO2 + を用い、一次イオン
エネルギーが7keV、一次イオン電流密度が1×10
-4A/cm2 の条件で行った。なお、Si中のB濃度は
2.5×1017 atoms/cm3 である。図5より、B及
びSiイオン強度は、表面から10nm領域で異常変化
を示すことがわかる。この領域における強度変化は、濃
度分布を反映したものではない。前記以上領域は、励起
用一次イオン種が試料中に注入され、しかもその濃度が
深さととも変化するエッチング深さ領域に相当するもの
であり、この領域では、含有元素のイオン化率が大幅に
変化し、二次イオン信号は濃度を反映したものとはなり
得ない。その結果、真の深さプロファイルは、一次イオ
ン種(ここでは酸素)の注入濃度が一定値を示す10n
m以上の深さでのみ得られることになる。
の領域では、注入一次イオン種濃度が深さととも急激に
変化し、それに伴って試料中分析対象元素のイオン強度
も濃度に無関係に変化する。Bを一様に含んでいるSi
ウェハについて、B及びSiの深さ方向分布を図2に示
した二次イオン質量分析装置によって測定した結果の一
例を図5に示す。不純物Bの深さ方向濃度分布の測定結
果を図5(a)に、マトリックスとしてのSiの深さ方
向濃度分布の測定結果を図5(b)に示す。二次イオン
質量分析は、一次イオン種にO2 + を用い、一次イオン
エネルギーが7keV、一次イオン電流密度が1×10
-4A/cm2 の条件で行った。なお、Si中のB濃度は
2.5×1017 atoms/cm3 である。図5より、B及
びSiイオン強度は、表面から10nm領域で異常変化
を示すことがわかる。この領域における強度変化は、濃
度分布を反映したものではない。前記以上領域は、励起
用一次イオン種が試料中に注入され、しかもその濃度が
深さととも変化するエッチング深さ領域に相当するもの
であり、この領域では、含有元素のイオン化率が大幅に
変化し、二次イオン信号は濃度を反映したものとはなり
得ない。その結果、真の深さプロファイルは、一次イオ
ン種(ここでは酸素)の注入濃度が一定値を示す10n
m以上の深さでのみ得られることになる。
【0010】これまで詳述したように、分析に利用する
一次イオンビームの注入飛程の約2倍の深さまでの領域
では、含有元素のイオン化率が大幅に変化し、真の情報
が得られない。これは二次イオン質量分析法の本質的な
問題点であり、従来は試料表面から2Rpまでの深さ領
域のデータは捨てるか或は経験的な手法により定性的な
評価を行なっていたに過ぎない。深さ2Rpの領域は表
面から10数nmの領域に相当し、表面薄層で真の情報
が得られないため、材料表面分析法としての二次イオン
質量分析法には限界があった。本発明の目的は、上記の
問題点を解決し、試料の最表面から真の濃度分布を測定
できる二次イオン質量分析法を提供することにある。
一次イオンビームの注入飛程の約2倍の深さまでの領域
では、含有元素のイオン化率が大幅に変化し、真の情報
が得られない。これは二次イオン質量分析法の本質的な
問題点であり、従来は試料表面から2Rpまでの深さ領
域のデータは捨てるか或は経験的な手法により定性的な
評価を行なっていたに過ぎない。深さ2Rpの領域は表
面から10数nmの領域に相当し、表面薄層で真の情報
が得られないため、材料表面分析法としての二次イオン
質量分析法には限界があった。本発明の目的は、上記の
問題点を解決し、試料の最表面から真の濃度分布を測定
できる二次イオン質量分析法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、二次イオン
質量分析装置の超高真空(<10-7Pa)に排気された
試料室内で、分析に先立って分析対象試料表面に、一次
イオ注入飛程(Rp)の2倍以上の厚さにわたって試料
と同質または同一スパッタ率を有する物質の薄膜を生成
させることによって前記目的を達成する。
質量分析装置の超高真空(<10-7Pa)に排気された
試料室内で、分析に先立って分析対象試料表面に、一次
イオ注入飛程(Rp)の2倍以上の厚さにわたって試料
と同質または同一スパッタ率を有する物質の薄膜を生成
させることによって前記目的を達成する。
【0012】試料表面への薄膜形成は、二次イオン質量
分析装置に装着されている一次イオン源から放出される
イオンビームによるスパッタ現象を利用して行なう。ス
パッタ材料としては、試料自体の一部を切り出した試料
片、あるいは試料と同組成の材料を使用する。二次イオ
ン質量分析装置の試料室に分析対象試料面とスパッタ材
料を対向させて配置し、スパッタ材料表面に静止または
走査一次イオンビームの照射を行ない、試料表面に2R
p以上の膜厚のスパッタ膜を形成させる。Rpは試料ま
たはスパッタ材料の組成と入射イオン種及びエネルギー
が定まれば一義的に計算でき、スパッタ膜の膜厚は、分
析対象試料またはスパッタ材料の種類及び分析時のイオ
ン種とエネルギーを考慮して決定する。
分析装置に装着されている一次イオン源から放出される
イオンビームによるスパッタ現象を利用して行なう。ス
パッタ材料としては、試料自体の一部を切り出した試料
片、あるいは試料と同組成の材料を使用する。二次イオ
ン質量分析装置の試料室に分析対象試料面とスパッタ材
料を対向させて配置し、スパッタ材料表面に静止または
走査一次イオンビームの照射を行ない、試料表面に2R
p以上の膜厚のスパッタ膜を形成させる。Rpは試料ま
たはスパッタ材料の組成と入射イオン種及びエネルギー
が定まれば一義的に計算でき、スパッタ膜の膜厚は、分
析対象試料またはスパッタ材料の種類及び分析時のイオ
ン種とエネルギーを考慮して決定する。
【0013】本発明による二次イオン質量分析装置は、
試料表面への薄膜の形成を容易に行うために、試料室内
にスパッタ機構を設ける。具体的にはターゲット支持手
段、それに支持されたターゲットにイオンビームを照射
するための一次イオンビーム偏向手段、及びスパッタ時
には試料表面がターゲットに正対し、分析時には試料表
面が二次イオン引出し電極に正対するように試料の姿勢
を変える試料支持台駆動手段を備える。
試料表面への薄膜の形成を容易に行うために、試料室内
にスパッタ機構を設ける。具体的にはターゲット支持手
段、それに支持されたターゲットにイオンビームを照射
するための一次イオンビーム偏向手段、及びスパッタ時
には試料表面がターゲットに正対し、分析時には試料表
面が二次イオン引出し電極に正対するように試料の姿勢
を変える試料支持台駆動手段を備える。
【0014】
【作用】表面に膜厚2Rp以上のダミー薄膜を形成させ
た試料を二次イオン質量分析装置で分析すると、上述の
2Rp未満の領域の一次イオン注入効果(変質層)は、
スパッタが実試料に達する以前に上記ダミー薄膜内で生
じる。したがって、実試料の測定領域では、一次イオン
注入濃度は一定値を示し、含有元素のイオン化率変化は
除去できるので、表面から10数nmの表面薄層領域に
おいても真の深さ方向分布が得られる。
た試料を二次イオン質量分析装置で分析すると、上述の
2Rp未満の領域の一次イオン注入効果(変質層)は、
スパッタが実試料に達する以前に上記ダミー薄膜内で生
じる。したがって、実試料の測定領域では、一次イオン
注入濃度は一定値を示し、含有元素のイオン化率変化は
除去できるので、表面から10数nmの表面薄層領域に
おいても真の深さ方向分布が得られる。
【0015】ダミー薄膜の材料として試料自体の一部を
切り出した試料片、あるいは試料と同組成の材料を使用
するのは、スパッタ速度を試料と同じ速度に保ち、定常
状態でダミー膜と試料表面で同一の酸素濃度になるよう
にし、両領域で各元素のイオン化率が同値をしめすよう
にするためである。また、別のスパッタ装置によって試
料表面に薄層を形成し、試料を一度空気中に取り出した
後、二次イオン質量分析装置に装着して分析を行う場合
には、試料を空気中にさらすことで、空気中の湿気や浮
遊粉塵等により、試料表面はH,N,O等の気相物質や
粉塵からの重金属等により汚染され、表層における分析
対象元素の測定精度が著しく低下する。また、二次イオ
ン質量分析装置とは別のスパッタ装置でダミー薄層を形
成する場合には、別にスパッタ装置が必要となるのでコ
スト的に問題があり、さらにダミー薄層を形成する前処
理工程と測定とが時系列的に且つ独立に行われるため、
装置の排気、試料装着等の操作が煩雑になると共に測定
に時間がかかるという問題もある。
切り出した試料片、あるいは試料と同組成の材料を使用
するのは、スパッタ速度を試料と同じ速度に保ち、定常
状態でダミー膜と試料表面で同一の酸素濃度になるよう
にし、両領域で各元素のイオン化率が同値をしめすよう
にするためである。また、別のスパッタ装置によって試
料表面に薄層を形成し、試料を一度空気中に取り出した
後、二次イオン質量分析装置に装着して分析を行う場合
には、試料を空気中にさらすことで、空気中の湿気や浮
遊粉塵等により、試料表面はH,N,O等の気相物質や
粉塵からの重金属等により汚染され、表層における分析
対象元素の測定精度が著しく低下する。また、二次イオ
ン質量分析装置とは別のスパッタ装置でダミー薄層を形
成する場合には、別にスパッタ装置が必要となるのでコ
スト的に問題があり、さらにダミー薄層を形成する前処
理工程と測定とが時系列的に且つ独立に行われるため、
装置の排気、試料装着等の操作が煩雑になると共に測定
に時間がかかるという問題もある。
【0016】本発明においては、二次イオン質量分析装
置の試料室内にスパッタ機構を設け、試料室内でダミー
薄膜形成処理を行った後、真空を破ることなく直ちに分
析に移ることにより、短時間の簡単な操作で、前記試料
表面の汚染を回避して高精度の表層分析を行うことがで
きる。
置の試料室内にスパッタ機構を設け、試料室内でダミー
薄膜形成処理を行った後、真空を破ることなく直ちに分
析に移ることにより、短時間の簡単な操作で、前記試料
表面の汚染を回避して高精度の表層分析を行うことがで
きる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
詳述する。図1に、試料室の概略を示す。図1(a)は
キャッピング膜生成時のビーム偏向と分析対象試料の位
置関係(スパッタ粒子が付着しやすい位置)を示し、図
1(b)はキャッピング膜生成が完了した後、測定実施
時のビーム偏向(走査)状態と分析対象試料の位置関係
を示す。
詳述する。図1に、試料室の概略を示す。図1(a)は
キャッピング膜生成時のビーム偏向と分析対象試料の位
置関係(スパッタ粒子が付着しやすい位置)を示し、図
1(b)はキャッピング膜生成が完了した後、測定実施
時のビーム偏向(走査)状態と分析対象試料の位置関係
を示す。
【0018】真空排気された試料室30には、分析対象
試料3を保持する試料支持台35、及びスパッタ材料1
9を保持するスパッタ材料支持台33が設けられてい
る。試料支持台35は、試料の3次元位置及び傾斜を調
整する試料支持台駆動機構38によって制御される。ス
パッタ材料支持台33は、真空外より伝達シャフト39
を介して駆動機構37で駆動され、イオンビーム20の
照射位置に調整される。一次イオン偏向電極18は、一
次イオンビーム20の大角偏向によるスパッタ材料19
への照射及び測定時の小角走査偏向機能を有する。
試料3を保持する試料支持台35、及びスパッタ材料1
9を保持するスパッタ材料支持台33が設けられてい
る。試料支持台35は、試料の3次元位置及び傾斜を調
整する試料支持台駆動機構38によって制御される。ス
パッタ材料支持台33は、真空外より伝達シャフト39
を介して駆動機構37で駆動され、イオンビーム20の
照射位置に調整される。一次イオン偏向電極18は、一
次イオンビーム20の大角偏向によるスパッタ材料19
への照射及び測定時の小角走査偏向機能を有する。
【0019】スパッタによるキャッピング膜生成時に
は、まず、スパッタ材料支持台33に分析試料3の片割
れ又は分析試料3と同組成のスパッタ材料19を装着
し、イオンビーム20がスパッタ材料19に最適条件で
照射できるように駆動機構37により微調整する。次
に、分析試料3を装着した試料支持台35を試料支持台
駆動機構38により駆動し、試料の分析対象面をターゲ
ット材料面に対向させる。試料室30内は、1×10-7
Pa以下に真空排気する。そして、一次イオン偏向電極
18の電位により最適偏向状態に調整し、ターゲット材
料19にイオン照射する。ターゲット材料19からスパ
ッタした粒子21は試料3の表面に付着して薄膜を生成
する。イオンビーム20は、一様な薄膜生成が行われる
ように走査される。スパッタ量又はスパッタ膜厚は予め
求められているスパッタ収率を利用し、イオン電流とス
パッタ時間で設定する。
は、まず、スパッタ材料支持台33に分析試料3の片割
れ又は分析試料3と同組成のスパッタ材料19を装着
し、イオンビーム20がスパッタ材料19に最適条件で
照射できるように駆動機構37により微調整する。次
に、分析試料3を装着した試料支持台35を試料支持台
駆動機構38により駆動し、試料の分析対象面をターゲ
ット材料面に対向させる。試料室30内は、1×10-7
Pa以下に真空排気する。そして、一次イオン偏向電極
18の電位により最適偏向状態に調整し、ターゲット材
料19にイオン照射する。ターゲット材料19からスパ
ッタした粒子21は試料3の表面に付着して薄膜を生成
する。イオンビーム20は、一様な薄膜生成が行われる
ように走査される。スパッタ量又はスパッタ膜厚は予め
求められているスパッタ収率を利用し、イオン電流とス
パッタ時間で設定する。
【0020】試料表面への薄膜生成が完了したら、試料
室30の真空を保持したまま、試料3を試料支持台駆動
機構38により駆動、回転して、図1(b)に示すよう
に、二次イオン引出し電極23に正対させる。これによ
り試料3より放出される試料原子による二次イオン24
を二次イオン光学系4に効率良く導くことができる。測
定に当たっては、一次イオン偏向電極18は、ビームの
小角走査偏向を行い、二次イオン質量分析を実施する。
室30の真空を保持したまま、試料3を試料支持台駆動
機構38により駆動、回転して、図1(b)に示すよう
に、二次イオン引出し電極23に正対させる。これによ
り試料3より放出される試料原子による二次イオン24
を二次イオン光学系4に効率良く導くことができる。測
定に当たっては、一次イオン偏向電極18は、ビームの
小角走査偏向を行い、二次イオン質量分析を実施する。
【0021】従来法では図2に示した結果が得られた、
前述のBを一様に含むSi試料を本発明の方法によって
分析した。試料表面への薄膜の生成は、分析試料の破片
をターゲットとして、そのターゲットに二次イオン質量
分析装置付属のデュオプラズマトロンイオン源よりのA
r+ ビームを照射することにより行った。Ar+ ビーム
のエネルギーは10keV、イオン電流密度は1×10
-3A/cm2 とした。試料表面に生成された薄膜の膜厚
は約15nmである。B+ イオン強度の深さ方向分布測
定結果を図6に示す。図6には、薄膜を付着させたSi
ウェハの模式図も同時に示す。一次イオン注入による異
常は、スパッタによって試料表面に付着させた約15n
mの膜厚中で起こっており、分析対象試料中では注入イ
オンによる異常効果は存在しないことがわかる。Si+
についても全く同様な結果が得られ、二次イオン質量分
析を表層分析に適用するに際して本発明が有効であるこ
とがわかる。
前述のBを一様に含むSi試料を本発明の方法によって
分析した。試料表面への薄膜の生成は、分析試料の破片
をターゲットとして、そのターゲットに二次イオン質量
分析装置付属のデュオプラズマトロンイオン源よりのA
r+ ビームを照射することにより行った。Ar+ ビーム
のエネルギーは10keV、イオン電流密度は1×10
-3A/cm2 とした。試料表面に生成された薄膜の膜厚
は約15nmである。B+ イオン強度の深さ方向分布測
定結果を図6に示す。図6には、薄膜を付着させたSi
ウェハの模式図も同時に示す。一次イオン注入による異
常は、スパッタによって試料表面に付着させた約15n
mの膜厚中で起こっており、分析対象試料中では注入イ
オンによる異常効果は存在しないことがわかる。Si+
についても全く同様な結果が得られ、二次イオン質量分
析を表層分析に適用するに際して本発明が有効であるこ
とがわかる。
【0022】本発明によると、二次イオン質量分析装置
の試料室内にスパッタ膜生成機能を付加することで、高
真空中でのスパッタ膜生成が可能であり、スパッタによ
るキャッピング膜生成の後直ちに二次イオン質量分析を
行うことができるので膜組成変化などが抑えられる。ま
た、本発明の分析方法は、すべての試料分析に適用でき
る。
の試料室内にスパッタ膜生成機能を付加することで、高
真空中でのスパッタ膜生成が可能であり、スパッタによ
るキャッピング膜生成の後直ちに二次イオン質量分析を
行うことができるので膜組成変化などが抑えられる。ま
た、本発明の分析方法は、すべての試料分析に適用でき
る。
【0023】本発明によると、二次イオン質量分析法で
従来困難とされていた10nm以下の表面層の深さ方向
分析が可能になり、浅接合ICの解析、超薄膜やバッシ
ベーション膜など解析を行うことができる。また、本発
明の分析法によると、表面汚染物質及び酸化膜の定量評
価が可能となる。
従来困難とされていた10nm以下の表面層の深さ方向
分析が可能になり、浅接合ICの解析、超薄膜やバッシ
ベーション膜など解析を行うことができる。また、本発
明の分析法によると、表面汚染物質及び酸化膜の定量評
価が可能となる。
【0024】
【発明の効果】本発明によると、二次イオン質量分析に
おいて励起源として用いる一次イオン種の注入深さ領域
の分析が可能となり、二次イオン質量分析法の利用分野
が拡張される。
おいて励起源として用いる一次イオン種の注入深さ領域
の分析が可能となり、二次イオン質量分析法の利用分野
が拡張される。
【図1】本発明による二次イオン質量分析装置の試料室
の概略図。
の概略図。
【図2】二次イオン質量分析装置の概略全体図。
【図3】一次イオン種の深さ方向注入濃度分布を説明す
る模式図。
る模式図。
【図4】注入一次イオン種のスパッタ面における深さ方
向濃度分布を示す図。
向濃度分布を示す図。
【図5】従来の二次イオン質量分析法による分析結果を
示す図。
示す図。
【図6】本発明による測定結果を示す図。
1…一次イオンビーム照射系、2…イオン源、3…試
料、4…二次イオン光学系、5…質量分析系入射スリッ
ト、6…セクタ形電場、7…セクタ形磁場、8…コレク
タスリット、9…中性粒子除去スリット、10…投射レ
ンズ系、11…スクリーン、12…イオン検出器、13
…四重極形質量分析計、15…CRT、16…レコー
ダ、17…CPU、18…一次イオン偏向電極、19…
スパッタ材料、20…一次イオンビーム、21…スパッ
タ粒子、23…二次イオン引出し電極、24…二次イオ
ン、30…試料室、33…スパッタ材料支持台、35…
試料台、37…駆動機構、38…試料支持台駆動機構、
39…伝達シャフト、40…一次イオン種濃度
料、4…二次イオン光学系、5…質量分析系入射スリッ
ト、6…セクタ形電場、7…セクタ形磁場、8…コレク
タスリット、9…中性粒子除去スリット、10…投射レ
ンズ系、11…スクリーン、12…イオン検出器、13
…四重極形質量分析計、15…CRT、16…レコー
ダ、17…CPU、18…一次イオン偏向電極、19…
スパッタ材料、20…一次イオンビーム、21…スパッ
タ粒子、23…二次イオン引出し電極、24…二次イオ
ン、30…試料室、33…スパッタ材料支持台、35…
試料台、37…駆動機構、38…試料支持台駆動機構、
39…伝達シャフト、40…一次イオン種濃度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武藤 勝美 茨城県勝田市堀口字長久保832番地2 日 立計測エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 田村 一二三 茨城県勝田市堀口字長久保832番地2 日 立計測エンジニアリング株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 一次イオンビーム照射手段と、真空排気
される試料室と、試料室内に配置された試料支持手段
と、試料から放出された二次イオンを引き出す二次イオ
ン引出し電極と、二次イオン引出し電極によって引き出
された二次イオンを分離する二次イオン光学系と、二次
イオン光学系で分離された二次イオンを検出するイオン
検出手段とを含む二次イオン質量分析装置において、 試料室は、ターゲット支持手段を備え、試料支持手段に
支持した試料表面に試料と同質又は同一のスパッタ率を
有するターゲット材料の薄膜を生成する機能を有するこ
とを特徴とする二次イオン質量分析装置。 - 【請求項2】 一次イオンビームをターゲット支持手段
に支持されたターゲットに偏向照射する機能を有する偏
向手段を備えることを特徴とする請求項1記載の二次イ
オン質量分析装置。 - 【請求項3】 ターゲット支持手段を駆動する駆動手段
を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の二次イ
オン質量分析装置。 - 【請求項4】 試料表面をターゲット又は二次イオン引
出し電極に向けるための駆動手段を備えることを特徴と
する請求項1、2又は3記載の二次イオン質量分析装
置。 - 【請求項5】 真空排気された試料室内で試料表面に、
試料と同質又は同一のスパッタ率を有する材料の薄膜を
一次イオン注入飛程の2倍以上の厚さに形成し、その
後、試料室内で薄膜側から試料に一次イオンを照射し、
試料から放出される二次イオンを質量分析することを特
徴とする二次イオン質量分析方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6227889A JPH0896739A (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | 二次イオン質量分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6227889A JPH0896739A (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | 二次イオン質量分析装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0896739A true JPH0896739A (ja) | 1996-04-12 |
Family
ID=16867921
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6227889A Pending JPH0896739A (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | 二次イオン質量分析装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0896739A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004075240A1 (ja) * | 2003-02-18 | 2004-09-02 | Sii Nanotechnology Inc. | イオンビーム加工方法 |
| JP2004294275A (ja) * | 2003-03-27 | 2004-10-21 | Fujitsu Ltd | 深さ方向元素分布測定方法及び深さ方向元素分布測定装置 |
-
1994
- 1994-09-22 JP JP6227889A patent/JPH0896739A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004075240A1 (ja) * | 2003-02-18 | 2004-09-02 | Sii Nanotechnology Inc. | イオンビーム加工方法 |
| JP2004294275A (ja) * | 2003-03-27 | 2004-10-21 | Fujitsu Ltd | 深さ方向元素分布測定方法及び深さ方向元素分布測定装置 |
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