JPH08972B2 - イオンミキシング方法及びその装置 - Google Patents

イオンミキシング方法及びその装置

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JPH08972B2
JPH08972B2 JP62082918A JP8291887A JPH08972B2 JP H08972 B2 JPH08972 B2 JP H08972B2 JP 62082918 A JP62082918 A JP 62082918A JP 8291887 A JP8291887 A JP 8291887A JP H08972 B2 JPH08972 B2 JP H08972B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なコーテイング技術に係り、特に、低温
で耐食,耐摩耗性に優れた被膜の形成におけるイオンミ
キシング方法とその装置に関する。
〔従来の技術〕
構造部材の耐食性,耐摩耗性を向上させるために部材
表面に被膜を形成することは古くから行なわれている。
この被膜の形成方法としては、めつき,溶射,CVD法,PVD
法(イオンプレーテング法,イオンビームスパツタリン
グ法)あるいはイオンミキシング法等が用いられてい
る。しかし、これらには一長一短があり、めつき法,溶
射法では基材との密着性や内部欠陥等の問題がある。CV
D法は高温度で処理するため基材との密着性は良いが、
基材の変形が問題となる。更に、高温で処理するため、
被膜の結晶粒は大きくなる。
また、イオンプレーテインク法あるいはイオンビーム
スパツタリング法では、イオン化された原子を数eV〜数
百eVの運動エネルギーで基材へ被着するもので基材内部
に注入されることはほとんどなく、密着性の点で十分で
はなかつた。更にイオンミキシング法は基材表面にある
物質を蒸着し、数百KeV以上の希ガスイオン種によつて
基材内部へ蒸着物質を浸入させ、次で残余の蒸着膜を化
学的方法で除去するもので、多量の異種原子を基材表面
近傍に注入することができるが、基体の構成原子との混
合比を一定に保つことは困難である。したがつて、耐食
性,耐摩耗性に対する信頼性は十分でなかつた。また、
数百KeVの運動エネルギーが熱エネルギーに変換される
ため、基材の温度は高温となり基材の変形,変質はされ
られず、更に結晶粒も粗大なものとなる。
一方、基材表面にある種の物質を蒸着させると同時に
希ガスイオンを注入して基材表面に被膜を形成するいわ
ゆるダイナミツクミキシング法による被膜形成方法が提
案されている。例えば特開昭60−169559号にはこの方法
による窒化ホウ素被膜の形成方法が提案されている。こ
の方法はホウ素を含有する物質を蒸発源に用い、蒸発源
のホウ素と作用して窒化ホウ素の被膜を形成するガスイ
オンを数十KeVに加速して基材表面に窒化ホウ素膜を形
成するものである。この方法でホウ素の蒸着量及びイオ
ン種の注入量をコントロールすれば窒化ホウ素被膜を形
成できるものではあるが、被膜の結晶粒の大きさ及び結
晶成長のコントロールの配慮はなされていない。すなわ
ち、化合物被膜は結晶の成長及び結晶粒の大きさ等によ
り特性が異なるものであり、良質な被膜を得るためには
これらをコントロールする必要がある。
更に、特公昭61−57904号公報には窒素イオンのイオ
ンプラテーシヨン法が記載されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
耐食性,耐摩耗性は被膜の結晶成長や結晶粒の大きさ
によつて特性が大きく異なり、これらをコントロールし
た被膜の形成が重要となる。すなわち、耐食性,耐摩耗
性を良好にするためには被膜の成長を等軸晶にし、か
つ、結晶粒が微細でなければならない。前述公報にはこ
れらについて全く記載されていない。
本発明の目的は等軸晶で結晶粒の微細な被膜を形成す
るイオンミキシング方法とその装置を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、金属蒸気と反応して非金属化合物を形成す
るイオンをイオンプラテーシヨンによって注入し、被処
理部材表面に前記非金属化合物層を形成するイオンミキ
シング方法において、前記被処理部材を歳差運動させな
がら前記金属蒸気を該金属蒸気の蒸発源の真上に設けら
れた前記被処理部材表面に堆積させるとともに、前記イ
オンを水平方向に照射し前記被処理部材表面に注入する
ことを特徴とするイオンミキシング方法にある。
特に、金属部材表面に非金属化合物層を有する部材に
おいて、前記非金属化合物層は前記金属部材と前記非金
属化物との混合物層を介して形成されており、且つ前記
化合物層の結晶粒は等軸晶を有し、前記結晶粒の粒径が
0.01〜0.5μmである被膜を形成できるようにするもの
でにある。
本発明者らは上記事情に鑑み、種々検討の結果、基材
と注入するイオンの入射角度のコントロール及び入射す
るイオンを歳差運動的に入射することにより窒化物,酸
化物,炭化物等の化合物を等軸晶で結晶粒の微細な被膜
が形成できることを見い出した。
本発明によれば、形成すべき被膜の原料を蒸着あるい
はスパツタリング等により基材に被着させると共に、少
なくとも形成すべき反応イオン種を含有するイオン種を
基材とある角度をもつて歳差運動的に基材上に照射し、
基材上に等軸晶で微細結晶粒の窒化物,酸化物,炭化物
の被膜を形成することにより、耐食性,耐摩耗性に優れ
た部材を得ることができる。
また、本発明のイオンをイオンプラテーシヨンによつ
て注入し、被処理部材表面に前記非金属化合物層を形成
するイオンビームミキシング装置において、前記被処理
部材を設置する回転ホルダを備え、該回転ホルダは前記
金属蒸気の蒸発源の真上に設置され、かつ前記イオンの
水平方向の注入に対して所定の角度で傾斜しており、且
前記角度が前記回転に伴つて変化し、前記回転ホルダが
歳差運動する機構を備えていることを特徴とするイオン
ビームミキシング装置にある。
〔作用〕 本発明の方法によって得られる耐食,耐摩耗部材は基
材と被膜(窒化物,酸化物,炭化物あるいはこれらの混
合物)の間は基材と被膜の成分からなる混合層が形成さ
れており、基材と被膜との明確な境界がなく、被膜の密
着性が優れている。すなわち、加速された反応イオン種
は基材内部へ注入され、同時に基材はスパツタリングさ
れ基材の成分粒子がはじき出される。このはじき出され
た基材の粒子は蒸着法で形成された被着粒子と混合され
た状態で基材表面に層が形成される。また、蒸着粒子は
基材表面に到達する間に反応イオン種と衝突したものは
加速されて化合物を形成すると共に基材へ食い込むもの
もある。このような状態で基材と被膜間には混合層が形
成される。しかし、この混合層はある程度の厚さまで
で、被膜の厚さが厚くなると加速された反応イオン種は
基材表面近傍まで注入されなくなり、基材表面から徐々
に被膜成分のみとなる。一方、この化合物被膜の形成で
あるが、加速された反応イオン種は基材あるいは被膜に
衝突して停止する。この加速されたイオン種の運動エネ
ルギーが熱エネルギーに変換されるため高熱を発する。
この熱により蒸着あるいはスパツタリングで形成された
被着粒子と反応イオン種により化合物が形成される。し
かし、高温となる部分は極めて表層のみであり、低温が
保てる。もし、蓄熱して基材の材質変化や変形が生ずる
場合は必要に応じて基材を冷却するか又は反応イオン種
の注入を断続的に行うことも可能である。一方、蓄熱し
て基材が高温となつた場合には形成された化合物は再結
晶して結晶粒径は粗大化し、本発明の望ましい被膜は形
成できない。したがつて、本発明の結晶粒径0.01〜0.05
μmの被膜を得るためには再結晶温度以下にする必要が
ある。
化合物層の形成方法としては被着粒子層の形成と反応
イオン種の注入を同時に行うことが望ましいが、被着粒
子層形成と反応イオン種の注入とを交互に行つても同様
に化合物層は形成できる。但し、被着粒子層の厚さと反
応イオン種の加速電圧を考慮する必要がある。
次に、等軸晶で微細な結晶粒を得る方法であるが、等
軸晶の被膜を形成するためには注入する反応イオン種を
水平に注入するとともに蒸発源を被処理部材の直下に設
け、被処理部材に歳差運動を与えることが必要である。
すなわち、イオンビームは直進性を有するため、一定角
度で一定方向から注入した場合にはビームの入射される
方向に向つて結晶が成長し、樹脂状晶の被膜となる。一
方、ある角度をもつて歳差運動しながら注入される場合
には注入方向が一定でないため、等軸晶の被膜が形成さ
れる。反応イオン種の注入角度は良質な被膜を形成する
ためには25°〜60°が好ましい。25°未満では入射角度
が小さ過ぎて被膜の密着強度が低下し、かつ、反応イオ
ン種によるスパツタが激しくなり被膜の形成速度も低下
する。また、60°以上では完全な等軸晶とはならず、方
向性をもつた結晶が混在して好ましくない。望ましくは
30°〜50°が良い。この角度は回転とともに変化し、そ
の変化する角度は10〜45°が好ましい。回転速度は2〜
20RPMが好ましく、特に5〜15RPMが良い。
被膜の結晶粒径としては0.01μm〜0.5μmとするの
がよい。結晶粒径が小さくなると耐摩耗性は良好になる
傾向を示すが、耐食性は低下する傾向を示す。すなわ
ち、腐食は一般に粒界が先天的に腐食されて腐食が進行
する。したがつて、結晶粒が小さい場合には結晶粒が早
く脱落し、腐食の進行が早くなる。一方、摩耗は結晶粒
が小さい場合には結晶粒同志の結び付きが強固となり、
摩擦による結晶粒の脱落がしずらくなる。本発明者らの
実験においては、結晶粒径が0.01μm以下になると耐食
性が著しく低下し、結晶粒径が0.5μm以上になると摩
耗が激しくなる結果が得られた。望ましくは0.05〜0.3
μmが好ましい。前述したが、このような結晶粒を得る
ためには再結晶温度以下で処理することが必要であり、
再結晶温度以上では形成した被膜の再結晶が起り結晶粒
が組大となつて耐摩耗性は低下する。したがつて、被膜
形成処理温度は再結晶温度以下とした。望ましくは再結
晶温度以下で、かつ、基材の変形や変質の生じない温度
で処理することが好ましい。
次に、基材上に形成する被膜あるが、窒化物,酸化
物,炭化物等の耐食,耐摩耗性に優れた化合物を目的,
必要に応じて用いればよく、又これらの化合物の混合物
としたものを必要に応じて合成してもよい。要は目的に
応じた必要な化合物を抽出,合成した被膜を形成して用
いれば良い。
以上のような方法で形成した被膜は、混合層の存在に
よる密着性に優れ、低温処理により基材の変形,材質変
化がなく、耐食,耐摩耗部材に用いて好適なものであ
る。
金属部材として、Fe系,Cu系,Al系,Ni系,Co系,Zr系,Ti
系部材が用いられる。
非金属化合物層にはSi,Ti,V,Cr,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,W,Al
の1種以上からなる窒化物,炭化物,酸化物の少なくと
も1種以上からなるものが好ましい。
実施例1 第1図は本発明のイオンビームミキシング装置のシス
テム構成図である。
ガスボンベ10より注入しようとするガスがイオン源2
に送られ、イオンビーム1となつて回転試料ホルダ3に
設けられた試料16に水平に注入される。同時に金属蒸気
4は試料ホルダ3の真下に設けられたルツボ17に入れら
れ、電子ビーム蒸発器14によつて形成され、シヤツタ5
によつてその開閉が行われる。試料ホルダ3は冷却水6
によつて冷却されるとともに図に示す方向に回転すると
ともに、イオンビーム1の水平の入射方向に対して傾斜
して設けられ、その回転に伴つて矢印18のようにその角
度が変化する。その他、本発明の装置は純水冷却装置8,
ガスコントローラ9,電源11,ビーム引出しGTOスイツチ,
真空ポンプ13,真空容器7,膜厚モニタ15を備えている。
以下、上述の装置を用いて非金属化合物層を形成し
た。
基板としてアルミニウム合金JIS 2024合金(100mm×1
00mm×5mm)を用い、真空容器内の回転及び角度調整可
能な水冷ホルダに取付け、容器内を10-6Torr以下に排気
した後、基板上にTiを蒸着させながら窒素イオンを注入
し、TiN化合物被膜を約3μmの厚さに形成した。成膜
条件は蒸着速度:9Å/s,加速電圧:20Kv,窒素イオン注入
量:5×1017個/cm2/minである。なお、反応イオン種と
試料の入射角度は20°〜90°の範囲で水冷ホルダを回転
しながら角度を変えたもの(歳差揺動運動)及び回転し
ないものとの2種類の成膜を行つた。また、上記と同様
の方法、条件でTiを蒸着させながら酸素イオン及び炭素
イオンを注入してTiO2及びTiC被膜を約3μmの厚さに
形成した。これらの試料から腐食試験片,摩耗試験片及
びSEM観案用試験片を採取した。
本発明の方法で形成した被膜(TiN)の代表的なSEM観
察を行つた。基材が取り付けられた水冷ホルダへの反応
イオン種の入射角度が30〜50°になるように調整し、水
冷ホルダを回転しながら被膜を形成したもので、反応イ
オン種を歳差揺動運動的に基材に注入させた。
回転しないものは反応イオン種と基材との入射角度が
90°で水冷ホルダを回転せずに被膜形成を行つた。すな
わち、反応イオン種の入射角が一定で一方向から入射し
た場合のものである。
本発明の方法で形成した被膜は等軸晶で微細な結晶粒
で形成されており、結晶粒間のすき間が殆んど認められ
ない。これに比し、従来方法で作成した被膜は反応イオ
ン種の注入方向に向つて成長した柱状晶で結晶粒も粗大
で、かつ、結晶粒間にすき間のある被膜であることがわ
かる。SEM観察した結果においては、TiO2,TiCも同様な
結果であることが確認された。したがつて、これらの写
真を比較しただけでも耐食性がどちらが良好かを判断で
きる。すなわち、結晶粒間にすき間がある場合には、こ
のすき間に腐食液が進入して腐食が促進される。したが
つて、結晶粒間のすき間は出来る限り少なくすることが
望ましい。
第2図はTiO2被膜を形成したものの腐食試験及び摩耗
試験の代表的な結果を示す。腐食試験は常温の0.1mol/l
塩水中に浸漬して腐食減量を求めたものである。なお、
腐食試験片は全面にTiO2被膜を形成したもので行つた。
摩耗試験はピン−デイスク型試験機を用い、摩擦速度:1
0m/s,荷重:5kg,潤滑油:タービン油#140,潤滑油流量:3
0cc/min,相手材:超硬で行つた。なお、摩耗量は結晶粒
径が0.5μmの時の摩耗量を1とした時の相対比で示し
たものである。
第2図を見ても明らかなように、腐食試験では結晶粒
径が0.01μm以下になると腐食減量が増大する傾向を示
している。一方、摩耗試験では結晶粒径が0.5μm以上
になると摩耗量が増大する傾向を示している。一般に使
われる材料では耐食性,耐摩耗性は相乗された使われ方
が多い。したがつて、耐食性,耐摩耗性ともに良好な材
料が望ましい。本発明者らは耐食性,耐摩耗性ともに良
好な範囲として、結晶粒径が0.01μm〜0.5μmの範囲
に限定したが、どちらか一方が良好であれば良い使い方
の場合はこれらの限定に限る必要はない。なお、TiN,Ti
C被膜を形成したものにおいても同様な結果が得られて
いる。
実施例2 実施例1と同様の方法、条件でSUS304の基材上へTiを
蒸着しながら窒素イオンを注入し、TiN被膜を約0.3μm
の厚さに形成した。この試料をオージエ電子分光分析法
により、アルゴンスパツタエツチングしながら表面から
深さ方向の組成分析を行つた。比較材としてはSUS304基
材にイオンプレーテイング法により、膜厚0.3μmのTiN
被膜を形成したものを用いた。なお、これらSUS304基材
は被膜形成前に表面をラツピングしてから被膜を形成し
た。
第3図はオージエ電子分光分析結果を、横軸がスパツ
タエツチング時間(分)と、縦軸がピーク強度比(IΣ
/ΣI)との関係を示すグラフである。第3図からも明
らかなように、本発明材は表面にTiN被膜が形成され、
基材近傍で被膜の組成が徐々に減少し、基材組成が徐々
に増加している部分の巾が大きくなつている。これに比
し、イオンプレーテイング法で形成した被膜は、この巾
が狭くなつている。この狭い巾の部分は基材表面の凹凸
によるものと思われ、混合層はないと考えられる。しか
し、本発明材はこの巾を差し引いたとしても被膜及び基
材の組成のオーバーラツプしている部分があるが、この
部分が混合層であり、被膜と基材との間には明確な境界
がなく、密着性が良好であることがわかる。
実施例3 基材としてSS41材(φ20mm×3mm)を用い、実施例1
と同様の方法、条件でTi,Cr,B,Si,Alを蒸着しながら窒
素イオンを注入し、TiN,CrN,BN,Si3N4,AlN被膜を約2.5
μm形成した。また、Al,Siを蒸着しながら酸素イオン
を注入し、Al2O3,SiO2被膜を約2.5μm形成した。な
お、反応イオンの基材への入射角度は75°及び35°と
し、入射角75°のものは水冷ターゲツトを回転せず35°
は回転して処理した。これらの試料を5%NaCl水溶液に
100時間浸漬後、引張試験機を用いて被膜の密着強度を
測定した。なお、比較材には入射角75°一定で一方向か
ら注入したもの及びイオンプレーテイング法によりTiN
被膜を約2.5μm厚さに形成したものを用いた。
第1表は5%NaCl水溶液に100時間浸漬したものの基
材と被膜の密着強度試験結果を示す。第1表を見ても明
らかなように、本発明の方法で形成した被膜はいずれも
接着剤(エポキシ樹脂系)から剥離し、接着剤の強度以
上の強度を示した。これらに比し、比較材であるイオン
プレーテイング法及び従来法で形成した被膜は、いずれ
も5kg/mm2以下で低い値を示した。前述したように、従
来法で形成した被膜は結晶粒間にすき間があり、このす
き間からNaCl水溶液が浸透し基材との界面が腐食されて
強度が低下したものと思われる。
以上のように、本発明材は耐食性に優れ、基材との密
着性が良好であることがわかる。
実施例4 基材としてアルミナ板(15mm×15mm×1mm)を用い、
実施例1と同様の方法,条件によりTiを蒸着しながら窒
素イオンを基材への入射角度を20°〜90°の範囲で注入
しTiN被膜を形成した。なお、被膜形成時には試料ホル
ダーを回転して処理した。これらの試料をSEMで結晶の
成長を観察した。また、これらの試料の密着強度を測定
するため、引張試験を行つた。
第2表はSEM観察結果及び密着強度試験結果を示す。
第2表を見ても明らかなように、反応イオン種の入射角
度が70°及び80°では等軸晶と柱状晶の混在した結晶成
長となり、90°では柱状晶のみの成長となる。また、密
着強度試験結果では20°の場合には6kg/mm2で密着強度
が比較的低いが30°〜90°ではいずれも10kg/mm2以上で
接着剤の接着面より剥離し、強度が著しく高い。本発明
者らは密着強度及び結晶成長の点から反応イオン種の入
射角度を25°〜60°に限定した。
以上のように、反応イオン種の入射角度を25°〜60°
の範囲で成膜することによつて、等軸晶で密着性の良好
な被膜を形成できる。
〔発明の効果〕 本発明によれば基材と被膜間に混合層のある密着性に
優れた等軸晶で微細結晶の被膜を形成でき、耐食,耐摩
耗部材に最適な被膜となり、従来には見られない特性を
有する耐食,耐摩耗部材が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すイオンビームミキシン
グ装置のシステム構成図、第2図は被膜の結晶粒径と腐
食量及び耐摩耗性との関係を示すグラフ、第3図はオー
ジエ電子分光分析結果を示すグラフである。 1……イオンビーム、2……イオン源、3……回転試料
ホルダ、4……金属蒸気、5……シヤツタ、6……冷却
水、7……真空容器。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属蒸気と反応して非金属化合物を形成す
    るイオンをイオンプラテーシヨンによって注入し、被処
    理部材表面に前記非金属化合物層を形成するイオンミキ
    シング方法において、前記被処理部材を歳差運動させな
    がら前記金属蒸気を該金属蒸気の蒸発源の真上に設けら
    れた前記被処理部材表面に堆積させるとともに、前記イ
    オンを水平方向に照射し前記被処理部材表面に注入する
    ことを特徴とするイオンミキシング方法。
  2. 【請求項2】前記金属蒸気の堆積と前記イオンの注入と
    を交互に行う特許請求の範囲第1項記載のイオンミキシ
    ング方法。
  3. 【請求項3】前記歳差運動は前記被処理部材を前記イオ
    ンの注入方向に対して傾斜したホルダに設置し、前記ホ
    ルダの前記傾斜角度を変化させながら回転運動させるも
    のである特許請求の範囲第1項又は第2項記載のイオン
    ミキシング方法。
  4. 【請求項4】前記傾斜角度は前記イオンの注入方向に対
    して25度〜60度であり、前記角度の変化する角度は10度
    〜45度であり、前記回転速度は1分間に5〜20回転であ
    る特許請求の範囲第3項に記載のイオンミキシング方
    法。
  5. 【請求項5】前記非金属化合物層を前記被処理部材を冷
    却しながら該非金属化合物の再結晶温度以下で形成する
    特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載のイオ
    ンミキシング方法。
  6. 【請求項6】金属蒸気と反応して非金属化合物を形成す
    るイオンをイオン源によって被処理部材表面に照射し、
    該被処理部材表面に前記非金属化合物層を形成するイオ
    ンビームミキシング装置において、前記被処理部材を設
    置する回転ホルダを備え、該回転ホルダは前記金属蒸気
    の蒸発源の真上に設置され、かつ前記イオンの水平方向
    の照射に対して所定の角度で傾斜しており、前記回転ホ
    ルダの角度が前記回転に伴って変化し、前記回転ホルダ
    が歳差運動する機構を備えていることを特徴とするイオ
    ンビームミキシング装置。
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