JPH089991A - 蛋白質の回収方法 - Google Patents

蛋白質の回収方法

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JPH089991A
JPH089991A JP16906894A JP16906894A JPH089991A JP H089991 A JPH089991 A JP H089991A JP 16906894 A JP16906894 A JP 16906894A JP 16906894 A JP16906894 A JP 16906894A JP H089991 A JPH089991 A JP H089991A
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protein
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water
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particles
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JP16906894A
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English (en)
Inventor
Yukio Fukushima
幸生 福島
Masahiro Kon
正浩 昆
Akio Tanaka
明雄 田中
Masamitsu Ito
真実 伊藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Plant Engineering and Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 細胞培養液から低コストで効率よく蛋白質を
回収しうる方法を提供すること。 【構成】 微生物や動物細胞が浮遊している液体(原
液)に脱イオン水又は水道水を添加しながら膜分離装置
で濾過して、膜濾液側に蛋白質を回収するとともに、原
液のイオン強度を低下させ、次に、原液に蛋白質吸着粒
子を添加し、原液と混合した後、蛋白質吸着粒子と原液
中の細胞及び水分を分離し、分離した蛋白質吸着粒子に
溶離液を加えて蛋白質を脱離させ、蛋白質を回収するこ
とを特徴とする蛋白質の回収方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品、酵素剤、食品
などとして利用される蛋白質をバイオテクノロジーによ
り製造する工程において、膜で目的蛋白質を微生物や動
物などの細胞から分離回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のバイオテクノロジーの発展に伴
い、微生物や動物細胞など(以下、微生物も含めて単に
細胞と記すことがある)を用いた蛋白質の生産が増加し
ている。これらの製造工程のほとんどには、目的蛋白質
を細胞から分離する工程が含まれている。目的蛋白質を
細胞から分離する場合には、細胞を完全に除去できる膜
分離装置が利用されることが多い。
【0003】現在、細胞と蛋白質との分離には、中空糸
形あるいは管形の膜モジュールが使用されている。これ
は、パイプ状の膜の内筒部分に細胞と蛋白質を含む培養
液を加圧して送り、膜の孔径より大きくて膜を透過でき
ない細胞と、膜の孔径より小さくて膜を透過できる蛋白
質とを分離できるようにしたものである。しかしなが
ら、このような膜モジュールを用いた膜分離装置では、
膜からの蛋白質透過率が低いことが欠点である。特開平
5−23194号公報には、孔径0.1μmの精密濾過
装置で微生物から酵素蛋白質を回収する方法が示されて
いるが、膜からの酵素蛋白質透過率は0.7に留まって
いる。したがって、原液を1/5に濃縮しても酵素蛋白
質回収率は、(1)式に示すように0.56と低い値に
なる。 酵素蛋白質回収率=原液の回収率×酵素蛋白質透過率 =(1−1/5)×0.7=0.56 ・・・(1)
【0004】一方、工業的には原液からの蛋白質回収率
を0.9以上にすることが望まれている。このため、精
密濾過装置から蛋白質を回収する場合には、原液に蛋白
質を含まない液を加えて濾過し、徐々に蛋白質を押し出
すようにしている。このとき加える液を加水液と呼ぶこ
とにする。加水液には水道水を使用できない。これは、
水道水で加水すると、原液のイオン強度が低下するた
め、蛋白質が膜と静電気的に吸着したり、他の蛋白質や
溶存物と静電気的に結合し、巨大分子になって膜を透過
しにくくなるためである。このため、通常、加水液には
塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩類を用いて蛋白
質と他の物質との吸着を防ぎ、膜からの蛋白質透過率が
高くなるようにしている。さらに、蛋白質が沈降するこ
とを避けるため、pHを調整することもある。
【0005】加水液量は、膜からの蛋白質透過率によっ
て異なるが、原液量を工業的生産規模の50m3 /バッ
チとした場合、50m3 から200m3 の加水液が必要
になる。また、塩類濃度は0.5%から5%にする必要
があるため、1バッチ当たり0.25tから10tの塩
類が必要になる。年間200バッチの生産としても、一
年間に50tから2000tの塩類を使用し、1000
0m3 から40000m3 の塩類を含んだ廃水が排出さ
れることとなる。このため、加水液に用いる塩類のコス
ト及びその廃水処理に要するコストが高いことが重大な
問題になっている。
【0006】また、通常、膜分離装置によって細胞と分
離された蛋白質は、塩析法などで更に濃縮され、製品化
される。ところが、従来の方法では、加水量が多くなっ
た時点では、原液中の蛋白質濃度が低下しているため、
更に加水しても回収される蛋白質の濃度は低く、蛋白質
濃度が希薄な液が多量に生成する。このため、後段の濃
縮装置への負荷が大きくなり、精製コストが高くなると
いう欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の欠点を解消し、細胞培養液から低コストで効
率よく蛋白質を回収しうる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、原液中のイオ
ン強度が低下すると蛋白質が静電気的に結合しやすくな
ることに着目し、一定時間膜分離した後の原液側に蛋白
質吸着粒子を添加して蛋白質を吸着させ、この粒子から
蛋白質を回収することによって上記課題を解決したもの
である。
【0009】すなわち、本発明による蛋白質の回収方法
は、まず、原液に脱イオン水又は水道水を添加しながら
膜分離装置で濾過して、膜濾液側に蛋白質を回収すると
ともに、原液のイオン強度を低下させ、次に、原液に蛋
白質吸着粒子を添加し、原液と混合した後、蛋白質吸着
粒子と原液中の細胞及び水分を分離し、分離した蛋白質
吸着粒子に溶離液を加えて蛋白質を脱離させ、蛋白質を
回収することを特徴とする。
【0010】本発明の方法において、脱イオン水又は水
道水の添加、すなわち、加水は、膜濾過の開始直後から
行ってもよいし、あるいは原液を濃縮濾過をある程度行
ってからでもよい。後者の方法によれば、加水液の使用
量を低減できる。
【0011】本発明の方法に使用しうる蛋白質吸着粒子
は、イオン交換、水素結合、疎水結合又はアフィニティ
ー結合によって蛋白質を吸着しうる粒子であれば、特に
制限はない。イオン交換によって蛋白質を吸着しうる粒
子としては、例えば、ポリスチレンを骨格樹脂とするア
ニオン交換樹脂などが挙げられる。また、水素結合、疎
水結合又はアフィニティー結合によって蛋白質を吸着し
うる粒子としては、例えば、ヒドロキシアパタイトなど
が挙げられる。
【0012】蛋白質吸着粒子は、通常、平均粒径0.0
5〜5mm、好ましくは平均粒径0.5〜1mmのもの
を使用する。平均粒径が0.05mm未満では、沈降性
が悪く、細胞との分離が困難になる。また、5mmを超
えると、ポンプ等で破砕されたり、中空糸形あるいは管
形モジュールでは原液の流路を閉塞させるなどの問題が
生じる。
【0013】また、蛋白質の種類によっては、濾過の途
中であるいは吸着粒子添加後にpHを等電点付近に調整
し、吸着を促進させてもよい。
【0014】前記のように、原液(濃縮液)に蛋白質吸
着粒子を添加混合し、液中の蛋白質を吸着粒子に吸着さ
せた後、蛋白質吸着粒子と細胞とを分離する。この分離
は、通常、沈降分離によって行うが、吸着粒子の粒径が
小さい場合には遠心分離によって行うこともできる。
【0015】分離した蛋白質吸着粒子から蛋白質を脱離
させるため、溶離液を用いる。溶離液は、使用した蛋白
質吸着粒子によって左右され、例えば、蛋白質吸着粒子
としてアニオン交換樹脂を使用した場合、塩化カリウム
などの塩類が用いられ、蛋白質吸着粒子としてヒドロキ
シアパタイトを用いた場合にはリン酸塩系緩衝液が用い
られる。使用した蛋白質吸着粒子の種類によって適切な
溶離液は、当業者が適宜選択しうる。
【0016】
【発明の実施例】次に、実施例に基づいて本発明をさら
に具体的に説明するが、本発明はこれによって制限され
るものではない。なお、下記の実施例及び比較例におい
て、目的蛋白質は酵素、リパーゼであり、培養液の性状
及び分離膜は以下に示すとおりである。
【0017】 培養液:菌株 リゾプス・デレマー(Rhizopus delemar) 培地 ペプトン5%、グルコース2%、KH2PO4 0.1%、 MgSO4 0.05% pH 7.4 培養液量 3リットル 微生物濃度 培養液1リットル中10g リパーゼ活性 培養液1リットル中7×105 U(単位) (総活性2.1×106 U/3リトッル) 分離膜:孔径 0.1μmの精密濾過膜
【0018】実施例1 (i)分離条件 加水液:脱イオン水 溶離液:1.5M KCl水溶液 蛋白質吸着粒子:平均粒径0.8mmのアニオン交換樹
脂(骨格樹脂:ポリスチレン)
【0019】(ii)分離方法 培養液に加水液を定容加水濾過した。定容加水濾過と
は、濾過によって原液が減少した容量だけ加水液を添加
しながら濾過する方法である。加水液の添加量が原液量
の1.5倍になった時点で原液中に蛋白質吸着粒子を投
入し、1.7倍になった時点で濾過を終了させた。次
に、原液を取り出し、沈降分離によって蛋白質吸着粒子
を回収した。回収した蛋白質吸着粒子を脱イオン水で洗
浄した後、溶離液を0.3リットル添加し、溶離液中に
蛋白質を回収した。
【0020】(iii)回収結果 リパーゼ回収の経時変化を図1に示す。 濾液中に回収されたリパーゼ活性: 1.1×106 U(リパーゼの回収率0.52) ・・・(a) 蛋白質吸着粒子から溶離液中に回収されたリパーゼ活
性: 8.0×105 U(リパーゼの回収率0.38) ・・・(b) 回収されたリパーゼの総活性: 1.9×106 U(リパーゼの回収率0.90)・・(a)+(b) リパーゼ回収液の総量: 5.4リットル(3リットル×1.7倍+3リットル)・・・(c) リパーゼ回収液の酵素蛋白質濃度:〔(a)+(b)〕
/(c) 3.5×105 U/リットル
【0021】比較例1 加水液の添加だけで蛋白質を回収する従来方法を実施す
る。 (i)分離条件 加水液: 0.5M KCl水溶液 (ii)分離方法 培養液に加水液を定容加水した。加水液は、原液の4倍
量加えた。 (iii)分離結果 濾液中に回収されたリパーゼ活性: 1.9×106 U(リパーゼの回収率0.90) 濾液(リパーゼ回収液)の総量:12リットル(3リッ
トル×4) 濾液(リパーゼ回収液)の酵素蛋白質濃度: 1.6×105 U/リットル
【0022】リパーゼ回収率の経時変化を図2に示す。
図2から明らかなとおり、従来方法では、蛋白質の回収
率を高くするために加水量を著しく増加せざるを得な
い。また、加水量が多いために蛋白質濃度が希薄な液が
多量に生成するので、後段の濃縮装置への負荷が大きく
なる。
【0023】これに対し、本発明の方法では、加水によ
る蛋白質の回収効率が悪くなった時点以降は、蛋白質を
吸着して回収する。このとき、蛋白質を吸着しやすくす
るために、加水液のイオン強度を低くし、原液のイオン
強度を低下させ、蛋白質を静電気的に吸着されやすくす
るものである。この結果、加水液に用いられる塩類の購
入と廃液処理が不要になるだけでなく、実施例1に示し
たように、リパーゼ回収液の酵素蛋白質濃度を従来方法
の約1.8倍にでき、後段の濃縮装置の負荷を低減で
き、蛋白質精製コストを大幅に削減することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、蛋白質の回収効率が低
下した後は、蛋白質を吸着して回収するため、加水液と
して脱イオン水又は水道水を用いて加水液のイオン強度
を低くし、原液のイオン強度を低下させ、蛋白質を静電
気的に吸着されやすくすることができる。その結果、従
来、加水液に必要であった塩類の購入が不要となり、廃
液の処理コスト及び後段の精製コストを著しく削減で
き、低コストで蛋白質を効率よく回収することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で測定された蛋白質の回収特性を示す
説明図である。
【図2】比較例1で測定された従来法による蛋白質の回
収特性を示す説明図である。
【符号の説明】
(a) 濾液中に回収されたリパーゼ活性 (b) 蛋白質吸着粒子から溶離液中に回収されたリパ
ーゼ活性 (a)+(b) 回収されたリパーゼの総活性
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 真実 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜分離装置を用いて微生物や動物細胞が
    浮遊している液体から蛋白質を分離回収する方法におい
    て、まず、原液に脱イオン水又は水道水を添加しながら
    膜分離装置で濾過して、膜濾液側に蛋白質を回収すると
    ともに、原液のイオン強度を低下させ、次に、原液に蛋
    白質吸着粒子を添加し、原液と混合した後、蛋白質吸着
    粒子と原液中の細胞及び水分を分離し、分離した蛋白質
    吸着粒子に溶離液を加えて蛋白質を脱離させ、蛋白質を
    回収することを特徴とする蛋白質の回収方法。
  2. 【請求項2】 蛋白質吸着粒子が、イオン交換、水素結
    合、疎水結合又はアフィニティー結合によって蛋白質を
    吸着しうる粒子である請求項1記載の蛋白質の回収方
    法。
JP16906894A 1994-06-28 1994-06-28 蛋白質の回収方法 Pending JPH089991A (ja)

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