JPH09100289A - 新規化合物fr190895、fr190872及びfr190873、その製造方法およびその用途 - Google Patents
新規化合物fr190895、fr190872及びfr190873、その製造方法およびその用途Info
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- JPH09100289A JPH09100289A JP7279787A JP27978795A JPH09100289A JP H09100289 A JPH09100289 A JP H09100289A JP 7279787 A JP7279787 A JP 7279787A JP 27978795 A JP27978795 A JP 27978795A JP H09100289 A JPH09100289 A JP H09100289A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 細胞周期阻害活性、抗腫瘍活性を有する化合
物およびその製造法の提供;医薬組成物、特に細胞周期
阻害剤および抗腫瘍剤の提供。 【解決手段】 細胞周期阻害活性ひいては抗腫瘍活性を
有する化合物FR190895、FR190872およ
びFR190873、シュードモナス属に属する1以上
の該化合物の生産菌を培地に培養することによる該化合
物の製造方法、1以上の該化合物を含有する医薬組成
物、並びに1以上の該化合物を含有する、細胞周期阻害
剤および抗腫瘍剤に関する。 【効果】 本発明の化合物は、細胞周期阻害活性及び強
い抗腫瘍活性を示し、哺乳動物に対して、経口又は非経
口投与により癌化学療法に使用し得る。
物およびその製造法の提供;医薬組成物、特に細胞周期
阻害剤および抗腫瘍剤の提供。 【解決手段】 細胞周期阻害活性ひいては抗腫瘍活性を
有する化合物FR190895、FR190872およ
びFR190873、シュードモナス属に属する1以上
の該化合物の生産菌を培地に培養することによる該化合
物の製造方法、1以上の該化合物を含有する医薬組成
物、並びに1以上の該化合物を含有する、細胞周期阻害
剤および抗腫瘍剤に関する。 【効果】 本発明の化合物は、細胞周期阻害活性及び強
い抗腫瘍活性を示し、哺乳動物に対して、経口又は非経
口投与により癌化学療法に使用し得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規化合物に関す
る。より詳しくは、本発明は、細胞周期阻害作用等を有
する新規化合物、当該化合物の製造方法、並びにこの化
合物の少なくとも1つを含有する医薬組成物に関する。
さらに、本発明は、癌抑制遺伝子産物p53非依存的
に、サイクリン依存性キナーゼ阻害タンパク質p21/
Cip1の発現を誘導する物質を含有する抗腫瘍剤に関
する。
る。より詳しくは、本発明は、細胞周期阻害作用等を有
する新規化合物、当該化合物の製造方法、並びにこの化
合物の少なくとも1つを含有する医薬組成物に関する。
さらに、本発明は、癌抑制遺伝子産物p53非依存的
に、サイクリン依存性キナーゼ阻害タンパク質p21/
Cip1の発現を誘導する物質を含有する抗腫瘍剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の抗癌剤には、核酸やタンパク質を
アルキル化して不活化させるアルキル化剤(シクロホス
ファミドなど)、核酸合成の拮抗阻害剤(5−フルオロ
ウラシルなど)、一部の抗生物質(アクチノマイシンD
など)及び植物アルカロイドなどがある。これらの物質
はいずれも細胞毒性が強く、且つ選択毒性が低いため、
正常細胞にも作用して強い副作用を示し、患者のQOL
(quality of life) を損なう。また、当初、夢の抗癌剤
として注目されたインターフェロンや腫瘍壊死因子(T
NF)などのサイトカインも期待されたほどの効果を挙
げていない。
アルキル化して不活化させるアルキル化剤(シクロホス
ファミドなど)、核酸合成の拮抗阻害剤(5−フルオロ
ウラシルなど)、一部の抗生物質(アクチノマイシンD
など)及び植物アルカロイドなどがある。これらの物質
はいずれも細胞毒性が強く、且つ選択毒性が低いため、
正常細胞にも作用して強い副作用を示し、患者のQOL
(quality of life) を損なう。また、当初、夢の抗癌剤
として注目されたインターフェロンや腫瘍壊死因子(T
NF)などのサイトカインも期待されたほどの効果を挙
げていない。
【0003】細胞の癌化は細胞周期調節機構の異常によ
って起こる。細胞周期制御の中心的役割を担うのは癌抑
制遺伝子産物p53である。p53は、外的要因でDN
Aが損傷した際、遺伝子修復が完了するまで細胞周期を
G1 期で停止させ、損傷の程度の激しい細胞については
アポトーシスを誘導して除去する機能を有する(Zabett
i, G. P. and Levine, A. J., FASB J., 7: 855-865, 1
993) 。また、p53を正常細胞で発現させても細胞死
を誘導しない。p53は転写因子で、塩基特異的に遺伝
子に結合し、転写を活性化させる(Greenblatt, M. S. e
t al., Cancer Res., 54: 4855-4878, 1994)。p53に
よって誘導されるタンパク質の中で、特に重要な機能を
有するのがp21/Cip1(以下、Cip1と略称す
る)である。Cip1はサイクリン依存性キナーゼ(C
DK)と複合体を形成してこの活性を抑制し、癌抑制遺
伝子産物Rbタンパク質等の細胞周期関連タンパク質の
リン酸化(不活性化)を抑制する(Harper, J. W. et a
l., Cell, 75: 805-816, 1993) と共に、増殖細胞核抗
原(PCNA)と結合してDNAポリメラーゼδを阻害
する(Xiong, Y. et al., Nature, 366: 701-704, 199
3)。また、癌細胞で発現させるとG1 期停止に続き、ア
ポトーシスを誘導する。さらに、Cip1の発現には、
血清刺激などによるp53非依存的な誘導経路があるこ
とが知られている(Noda, A. et al., Exp. Cell Res.,
211: 90-98, 1994) が、そのメカニズムについては未知
である。
って起こる。細胞周期制御の中心的役割を担うのは癌抑
制遺伝子産物p53である。p53は、外的要因でDN
Aが損傷した際、遺伝子修復が完了するまで細胞周期を
G1 期で停止させ、損傷の程度の激しい細胞については
アポトーシスを誘導して除去する機能を有する(Zabett
i, G. P. and Levine, A. J., FASB J., 7: 855-865, 1
993) 。また、p53を正常細胞で発現させても細胞死
を誘導しない。p53は転写因子で、塩基特異的に遺伝
子に結合し、転写を活性化させる(Greenblatt, M. S. e
t al., Cancer Res., 54: 4855-4878, 1994)。p53に
よって誘導されるタンパク質の中で、特に重要な機能を
有するのがp21/Cip1(以下、Cip1と略称す
る)である。Cip1はサイクリン依存性キナーゼ(C
DK)と複合体を形成してこの活性を抑制し、癌抑制遺
伝子産物Rbタンパク質等の細胞周期関連タンパク質の
リン酸化(不活性化)を抑制する(Harper, J. W. et a
l., Cell, 75: 805-816, 1993) と共に、増殖細胞核抗
原(PCNA)と結合してDNAポリメラーゼδを阻害
する(Xiong, Y. et al., Nature, 366: 701-704, 199
3)。また、癌細胞で発現させるとG1 期停止に続き、ア
ポトーシスを誘導する。さらに、Cip1の発現には、
血清刺激などによるp53非依存的な誘導経路があるこ
とが知られている(Noda, A. et al., Exp. Cell Res.,
211: 90-98, 1994) が、そのメカニズムについては未知
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、p53非依
存的にCip1を大量に発現誘導し、細胞周期阻害活性
を有する化合物、かかる化合物の製造方法及びかかる化
合物等の用途を提供することを目的とする。
存的にCip1を大量に発現誘導し、細胞周期阻害活性
を有する化合物、かかる化合物の製造方法及びかかる化
合物等の用途を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、シュード
モナス属に属する細菌の培養物から新規化合物、FRF
R190895、FR190872及びFR19087
3を分離し、且つ当該化合物が細胞周期阻害(G1 期停
止)活性を有するものであること、さらには当該化合物
をはじめとする「癌抑制遺伝子産物p53非依存的に、
サイクリン依存性キナーゼ阻害タンパク質p21/Ci
p1の発現を誘導する物質」が抗腫瘍作用を有する新知
見を得た。
モナス属に属する細菌の培養物から新規化合物、FRF
R190895、FR190872及びFR19087
3を分離し、且つ当該化合物が細胞周期阻害(G1 期停
止)活性を有するものであること、さらには当該化合物
をはじめとする「癌抑制遺伝子産物p53非依存的に、
サイクリン依存性キナーゼ阻害タンパク質p21/Ci
p1の発現を誘導する物質」が抗腫瘍作用を有する新知
見を得た。
【0006】本発明は、細胞周期阻害(G1 期停止)活
性を有し、後記の物理化学的性質を有する新規化合物、
FR190895、FR190872及びFR1908
73に関するものである。また本発明は、シュードモナ
ス属に属するFR190895、FR190872及び
/又はFR190873生産細菌を培地に培養し、得ら
れた培養物から該物質を採取することを特徴とする上記
化合物の製造方法に関するものである。さらに本発明
は、有効成分としてFR190895、FR19087
2及び/又はFR190873を含有する医薬組成物で
ある。さらにまた、本発明は上記本発明の化合物を含有
する細胞周期阻害剤であり、特に細胞周期をG1 期で停
止させるものである細胞周期阻害剤である。さらにま
た、本発明は癌抑制遺伝子産物p53非依存的に、サイ
クリン依存性キナーゼ阻害タンパク質p21/Cip1
の発現を誘導する物質を有効成分として含有する抗腫瘍
剤であり、特に当該有効成分が上記本発明の化合物であ
る抗腫瘍剤である。
性を有し、後記の物理化学的性質を有する新規化合物、
FR190895、FR190872及びFR1908
73に関するものである。また本発明は、シュードモナ
ス属に属するFR190895、FR190872及び
/又はFR190873生産細菌を培地に培養し、得ら
れた培養物から該物質を採取することを特徴とする上記
化合物の製造方法に関するものである。さらに本発明
は、有効成分としてFR190895、FR19087
2及び/又はFR190873を含有する医薬組成物で
ある。さらにまた、本発明は上記本発明の化合物を含有
する細胞周期阻害剤であり、特に細胞周期をG1 期で停
止させるものである細胞周期阻害剤である。さらにま
た、本発明は癌抑制遺伝子産物p53非依存的に、サイ
クリン依存性キナーゼ阻害タンパク質p21/Cip1
の発現を誘導する物質を有効成分として含有する抗腫瘍
剤であり、特に当該有効成分が上記本発明の化合物であ
る抗腫瘍剤である。
【0007】
【発明の実施の形態】新規化合物FR190895、F
R190872及びFR190873は以下の物理化学
的性質を有する。
R190872及びFR190873は以下の物理化学
的性質を有する。
【0008】 (1)FR190895 a)形状: 淡黄色粉末 b)分子式: C23H24N2 O7 c)融点: 102−105℃ d)分子量: 440 [FAB-MS : m/z 441 (M + H)] e)紫外線吸収スペクトル: 図1に示す λmax (CH 3 OH) : 220 (sh), 273, 305 (sh) nm f)赤外線吸収スペクトル: 図2に示す νmax (KBr) : 3370, 2940, 1710, 1650, 1580, 1510, 1470, 1300, 1250, 1100, 1040 cm -1 g)溶解性: 易溶: メタノール、クロロホルム、ジメチルスルホキシド 不溶: 水 h)呈色反応: 陽性:硫酸セリウム反応、ヨウ素蒸気との反応 陰性:ニンヒドリン反応、塩化第二鉄反応、モーリッシュ反応 i) 1H核磁気共鳴スペクトル (500 MHz, CDCl 3): 図3に示す δ (ppm) : 9.96 (1H, s, 交換可能), 9.02 (1H, d, J = 10 Hz), 8.61 (1H, d, J = 11 Hz, 交換可能), 7.36 (1H, dd, J = 8, 8 Hz), 7.05 (1H, d, J = 16 Hz), 6.94 (1H, d, J = 8 Hz), 6.87 (1H, m), 6.74 (1H, d, J = 8 Hz), 6.49 (1H, dd, J = 12, 10 Hz), 6.13 (1H, dd, J = 12, 7 Hz), 5.94 (1H, d, J = 12 Hz), 5.90 (1H, dd, J = 16, 7 Hz), 5.74 (1H, br d, J = 12 Hz), 5.14 (1H, m), 5.06 (1H, m), 3.98 (1H, m), 3.93 (3H, s), 3.73 (1H, m), 3.54 (1H, m), 3.04 (1H, br s, 交換可能), 2.90 (1H, m), 2.50 (1H, m). j)13C核磁気共鳴スペクトル (125 MHz, CDCl 3): 図4に示す δ (ppm) : 169.9 (s), 162.2 (s), 160.5 (s), 147.7 (d), 141.2 (s), 135.4 (d), 135.3 (d), 134.0 (d), 129.0 (d), 127.5 (d), 124.6 (d), 124.3 (d), 123.6 (d), 120.2 (d), 116.7 (d), 113.2 (s), 108.1 (d), 75.0 (d), 67.8 (d), 62.3 (q), 57.9 (d), 57.8 (d), 25.7 (t). k)比旋光度: [α]D 23 = −306゜(c = 0.5, CH3 OH) l)薄層クロマトグラフィー: シリカゲル,CH2 Cl2 : CH3 OH = 10 : 1 Rf = 0.46
【0009】 (2)FR190872 a)形状: 淡黄色粉末 b)分子式: C23H24N2 O6 c)融点: 104−107℃ d)分子量: 424[FAB-MS : m/z 425 (M + H)] e)紫外線吸収スペクトル: 図5に示す λmax (CH 3 OH) : 282, 305 (sh) nm f)赤外線吸収スペクトル: 図6に示す νmax (KBr) : 3340, 3010, 2940, 1710, 1650, 1580, 1510, 1460, 1290, 1250, 1220, 1200, 1040 cm -1 g)溶解性: 易溶: メタノール、クロロホルム、ジメチルスルホキシド 不溶: 水 h)呈色反応: 陽性: 硫酸セリウム反応、ヨウ素蒸気との反応 陰性: ニンヒドリン反応、塩化第二鉄反応、モーリッシュ反応 i) 1H核磁気共鳴スペクトル (500 MHz, CDCl 3): 図7に示す δ (ppm) : 10.75 (1H (OH), s, 交換可能), 9.02 (1H, d, J = 10.3 Hz), 8.39 (1H (NH), d, J = 9.9 Hz, 交換可能) , 7.32 (1H, dd, J = 7.7, 7.9 Hz), 6.90-6.82 (3H, m), 6.75 (1H, d, J = 7.4 Hz), 6.72 (1H, dd), 6.50 (1H, dd, J = 10.7, 10.9 Hz), 6.41 (1H, dd, J = 10.0, 10.0 Hz), 6.30 (1H, d, J = 10.0 Hz), 6.09 (1H, d, J = 12.3 Hz), 5.92 (1H, d, J = 11.3 Hz), 5.73 (1H, d, J = 12.2 Hz), 5.30 (1H, dd, J = 4.5, 5.9 Hz), 4.82 (1H, m), 4.34 (1H, m), 3.94 (3H, s), 2.61 (1H, dd, J = 10.7, 12.3 Hz), 2.29 (1H, m). j)13C核磁気共鳴スペクトル (125 MHz, CDCl 3): 図8に示す δ (ppm) : 170.9 (s), 162.6 (s), 162.1 (s), 147.7 (d), 140.9 (s), 135.4 (d), 134.1 (d), 133.3 (d), 132.8 (d), 130.8 (d), 130.7 (d), 130.1 (d), 127.0 (d), 126.0 (d), 124.5 (d), 121.7 (d), 117.4 (d), 110.0 (s), 104.5 (d), 77.5 (d), 72.8 (d), 62.3 (q), 27.7 (t). k)比旋光度: [α]D 23 = −124° (c=0.5, CH 3 OH) l)薄層クロマトグラフィー: シリカゲル,CH2 Cl2 : CH3 OH = 10 : 1 Rf =0.46
【0010】 (3)FR190873 a)形状: 淡黄色粉末 b)分子式: C23H24N2 O6 c)分子量: 424[FAB-MS : m/z 425 (M + H)] d)紫外線吸収スペクトル: 図9に示す λmax (CH 3 OH) : 240 (sh), 282, 310 (sh) nm e)赤外線吸収スペクトル: 図10に示す νmax (KBr) : 3400, 3010, 2940, 1710, 1650, 1513, 1460, 1450, 1290, 1260, 1220, 1120, 1043 cm -1 f)溶解性: 易溶:メタノール、クロロホルム、ジメチルスルホキシド 不溶:水 g)呈色反応: 陽性: 硫酸セリウム反応、ヨウ素蒸気との反応 陰性: ニンヒドリン反応、塩化第二鉄反応、モーリッシュ反応 h) 1H核磁気共鳴スペクトル (500 MHz, CDCl 3): 図11に示す δ (ppm) : 10.10 (1H (OH), br s, 交換可能), 9.02 (1H, d, J = 11 Hz), 8.61 (1H (NH), d, J = 11 Hz, 交換可能), 7.36 (1H, dd, J = 8, 8 Hz), 7.23 (1H, d, J = 16 Hz), 7.08 (1H, d, J = 8 Hz), 6.95-6.85 (2H, m), 6.65 (1H, dd, J = 7, 17 Hz), 6.52 (1H, dd, J = 11, 11 Hz), 6.40 (1H, dd, J = 4, 16 Hz), 6.38-6.33 (1H, m), 6.17 (1H, dd, J = 4, 11 Hz), 5.97 (1H, d, J = 11 Hz), 5.82 (1H, m), 5.09 (1H, m), 5.00 (1H, m), 4.60 (1H, m), 3.92 (3H, s), 2.75 (1H, m), 2.55 (1H, m). i)13C核磁気共鳴スペクトル (125 MHz, CDCl 3): 図12に示す δ (ppm) : 171.4 (s), 162.1 (s), 161.1 (s), 147.6 (d), 139.2 (s), 137.5 (d), 135.4 (d), 134.2 (d), 133.4 (d), 130.7 (d), 129.3 (d), 129.0 (d), 126.9 (d), 124.4 (d), 124.4 (d), 117.8 (d), 116.8 (d), 112.4 (s), 106.4 (d), 80.6 (d), 72.0 (d), 62.3 (q), 25.3 (t). j)比旋光度: [α]D 23 = −77° (c=0.1, CH 3 OH) k)薄層クロマトグラフィー: シリカゲル,CH2 Cl2 : CH3 OH = 20 : 1 Rf =0.48
【0011】本発明の化合物は、シュードモナス・クロ
ロラフィスNo.4306株のようなシュードモナス属
に属するFR190895、FR190872及び/又
はFR190873生産菌を培地に培養し、その培養物
から該化合物を採取することにより調製され得る。シュ
ードモナス属に属するFR190895、FR1908
72及び/又はFR190873生産菌のうち、シュー
ドモナス・クロロラフィスNo.4306株は、本発明
者らによりメキシコから得られた土壌より新たに分離さ
れた。シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas
chlororaphis)No.4306株は、ブダペスト条約に
基づく国際寄託機関である工業技術院生命工学工業技術
研究所(茨城県つくば市東1丁目1番3号)に1995
年9月13日付で受託番号FERM BP−5232と
して寄託された。
ロラフィスNo.4306株のようなシュードモナス属
に属するFR190895、FR190872及び/又
はFR190873生産菌を培地に培養し、その培養物
から該化合物を採取することにより調製され得る。シュ
ードモナス属に属するFR190895、FR1908
72及び/又はFR190873生産菌のうち、シュー
ドモナス・クロロラフィスNo.4306株は、本発明
者らによりメキシコから得られた土壌より新たに分離さ
れた。シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas
chlororaphis)No.4306株は、ブダペスト条約に
基づく国際寄託機関である工業技術院生命工学工業技術
研究所(茨城県つくば市東1丁目1番3号)に1995
年9月13日付で受託番号FERM BP−5232と
して寄託された。
【0012】本発明の化合物の生産は、ここに記載の特
定の微生物の使用によるものに限定されないことを理解
されたい。すなわち、少なくとも1つの本発明の化合物
を生産できるいかなる自然又は人工の変異体の使用も包
含するものであり、天然の変異体、およびX線照射、紫
外線照射、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグ
アジニン、2−アミノプリン等を用いた処理のような慣
用の方法により上述の微生物から誘導され得る人為的な
変異体も含まれる。
定の微生物の使用によるものに限定されないことを理解
されたい。すなわち、少なくとも1つの本発明の化合物
を生産できるいかなる自然又は人工の変異体の使用も包
含するものであり、天然の変異体、およびX線照射、紫
外線照射、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグ
アジニン、2−アミノプリン等を用いた処理のような慣
用の方法により上述の微生物から誘導され得る人為的な
変異体も含まれる。
【0013】シュードモナス・クロロラフィスNo.4
306株は以下の形態的及び生理的特徴を有する。 (1)形態的特徴 栄養寒天培地上で30℃、24時間培養後、光学顕微鏡
及び電子顕微鏡により形態観察を行った。本菌株は、グ
ラム陰性、運動性の桿菌で、大きさは1.0−1.1×
2.0−4.0μmであった。胞子形成はなかった。
306株は以下の形態的及び生理的特徴を有する。 (1)形態的特徴 栄養寒天培地上で30℃、24時間培養後、光学顕微鏡
及び電子顕微鏡により形態観察を行った。本菌株は、グ
ラム陰性、運動性の桿菌で、大きさは1.0−1.1×
2.0−4.0μmであった。胞子形成はなかった。
【0014】(2)培養的特徴 本菌株の栄養寒天上でのコロニーの性状は、表面はスム
ーズ、灰黄色、円形、周縁は滑らかであった。また、バ
クト・シュードモナス寒天F培地上で水溶性の蛍光色素
を生成した。さらに、緑色の色素(Chlororaphin色素)
をコロニー上で結晶状に、そして培地中にも生成した。
ーズ、灰黄色、円形、周縁は滑らかであった。また、バ
クト・シュードモナス寒天F培地上で水溶性の蛍光色素
を生成した。さらに、緑色の色素(Chlororaphin色素)
をコロニー上で結晶状に、そして培地中にも生成した。
【0015】(3)生理的特徴 本菌株の生理的特徴を表1及び表2に示す。本菌の生育
温度範囲は4℃から34℃であった。本菌は、カタラー
ゼ、オキシダーゼ、クエン酸の資化性、硝酸塩の還元、
ゼラチン加水分解、Tween80加水分解、カゼイン
加水分解及びアルギニンジヒドロラーゼの試験はいずれ
も陽性であった。O−F試験は酸化的であり、ピオベル
ジンの生成は陽性であった。インドール生成、澱粉の分
解、ONPG試験はいずれも陰性であった。D−グルコ
ース、D−キシロース、D−フルクトース、D−マンニ
トール、シュークロースより酸の生成がみられた。ま
た、D−グルコース、D−フルクトース、D−マンニト
ール、D−マンノース、D−トレハロース、グリセリ
ン、イノシトール、シュークロース、N−アセチル−D
−グルコサミン、グルコン酸、カプリン酸及びリンゴ酸
を資化した。
温度範囲は4℃から34℃であった。本菌は、カタラー
ゼ、オキシダーゼ、クエン酸の資化性、硝酸塩の還元、
ゼラチン加水分解、Tween80加水分解、カゼイン
加水分解及びアルギニンジヒドロラーゼの試験はいずれ
も陽性であった。O−F試験は酸化的であり、ピオベル
ジンの生成は陽性であった。インドール生成、澱粉の分
解、ONPG試験はいずれも陰性であった。D−グルコ
ース、D−キシロース、D−フルクトース、D−マンニ
トール、シュークロースより酸の生成がみられた。ま
た、D−グルコース、D−フルクトース、D−マンニト
ール、D−マンノース、D−トレハロース、グリセリ
ン、イノシトール、シュークロース、N−アセチル−D
−グルコサミン、グルコン酸、カプリン酸及びリンゴ酸
を資化した。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】分類学的研究はBergey's Manual of Syste
matic Bacteriology Vol.1 (Kreig,N.R. and Holt, J.
G. ed., Williams and Wilkins company, Baltimore, 1
984)及びManual for Identification of Medical Bacte
ria (Cowan, S.T. ed., Cambridge University Press,
1974) に記載された方法に従った。上記の特徴をもとに
詳細に検討した結果、本菌はシュードモナス・クロロラ
フィス (Pseudomonaschlororaphis)と推定された。両菌
株を比較検討した結果、両菌株の性質に大きな相違は認
められなかった。以上より、本菌をシュードモナス・ク
ロロラフィスNo.4306と同定した。
matic Bacteriology Vol.1 (Kreig,N.R. and Holt, J.
G. ed., Williams and Wilkins company, Baltimore, 1
984)及びManual for Identification of Medical Bacte
ria (Cowan, S.T. ed., Cambridge University Press,
1974) に記載された方法に従った。上記の特徴をもとに
詳細に検討した結果、本菌はシュードモナス・クロロラ
フィス (Pseudomonaschlororaphis)と推定された。両菌
株を比較検討した結果、両菌株の性質に大きな相違は認
められなかった。以上より、本菌をシュードモナス・ク
ロロラフィスNo.4306と同定した。
【0019】一般に、本発明の化合物は、本発明の化合
物生産菌を同化し得る炭素源や窒素源を含む栄養培地中
で、好ましくは好気性の条件下で培養することにより製
造され得る(例えば、振とう培養、液内培養等)。栄養
培地中の炭素源としては、好ましくはグルコース、フル
クトース、グリセリン、スターチのような炭水化物であ
る。またラクトース、アラビノース、キシロース、デキ
ストリン、糖密等の他の炭素源を含有してもよい。窒素
源としては、好ましくは酵母抽出物、ペプトン、グルテ
ン粉、綿実粉、大豆粉、コーンスティープリカー、乾燥
酵母等、およびアンモニウム塩(例えば、硝酸アンモニ
ウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等)、尿
素、アミノ酸等のような無機および有機窒素化合物であ
る。炭素源および窒素源は、組み合わせて使用すること
が有利であるが、それらが純粋な形態で使用される必要
はない。なぜなら、微量の成長因子と大量の無機質の栄
養素を含む純度の低い材料も、また使用には適している
からである。所望により、炭酸カルシウム、リン酸ナト
リウムまたはリン酸カリウム、ヨウ化ナトリウムまたは
ヨウ化カリウム、マグネシウム塩、塩化コバルト等のよ
うな無機塩が培地に添加され得る。必要により、培養培
地が非常に泡立つときは、流動パラフィン、高級アルコ
ール、植物油、鉱物油またはシリコーンのような消泡剤
が添加され得る。
物生産菌を同化し得る炭素源や窒素源を含む栄養培地中
で、好ましくは好気性の条件下で培養することにより製
造され得る(例えば、振とう培養、液内培養等)。栄養
培地中の炭素源としては、好ましくはグルコース、フル
クトース、グリセリン、スターチのような炭水化物であ
る。またラクトース、アラビノース、キシロース、デキ
ストリン、糖密等の他の炭素源を含有してもよい。窒素
源としては、好ましくは酵母抽出物、ペプトン、グルテ
ン粉、綿実粉、大豆粉、コーンスティープリカー、乾燥
酵母等、およびアンモニウム塩(例えば、硝酸アンモニ
ウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等)、尿
素、アミノ酸等のような無機および有機窒素化合物であ
る。炭素源および窒素源は、組み合わせて使用すること
が有利であるが、それらが純粋な形態で使用される必要
はない。なぜなら、微量の成長因子と大量の無機質の栄
養素を含む純度の低い材料も、また使用には適している
からである。所望により、炭酸カルシウム、リン酸ナト
リウムまたはリン酸カリウム、ヨウ化ナトリウムまたは
ヨウ化カリウム、マグネシウム塩、塩化コバルト等のよ
うな無機塩が培地に添加され得る。必要により、培養培
地が非常に泡立つときは、流動パラフィン、高級アルコ
ール、植物油、鉱物油またはシリコーンのような消泡剤
が添加され得る。
【0020】本発明の化合物の大量生産の条件として、
液内好気性培養条件が好ましい。少量生産には、フラス
コまたは瓶中での振とうまたは表面培養が採用される。
さらに大きいタンクで増殖を行うときには、本発明の化
合物の製造工程での増殖の遅れを避けるために、増殖型
(対数増殖期)の生産菌を製造タンク中への接種に使用
することが好ましい。よって、望ましくは、生産菌を比
較的少量の培地に接種し、培養する(前培養)ことによ
り、微生物の増殖型の接種物を製造し、そして、その前
培養を無菌的に大きなタンクに移し、本培養に供する。
増殖型の接種物を製造する培地としては、本発明の化合
物生産菌の本培養に利用される培地と実質的に同一かま
たは若干異なった培地が使用され得る。
液内好気性培養条件が好ましい。少量生産には、フラス
コまたは瓶中での振とうまたは表面培養が採用される。
さらに大きいタンクで増殖を行うときには、本発明の化
合物の製造工程での増殖の遅れを避けるために、増殖型
(対数増殖期)の生産菌を製造タンク中への接種に使用
することが好ましい。よって、望ましくは、生産菌を比
較的少量の培地に接種し、培養する(前培養)ことによ
り、微生物の増殖型の接種物を製造し、そして、その前
培養を無菌的に大きなタンクに移し、本培養に供する。
増殖型の接種物を製造する培地としては、本発明の化合
物生産菌の本培養に利用される培地と実質的に同一かま
たは若干異なった培地が使用され得る。
【0021】培地混合物の攪拌および通気は、種々の方
法で行われ得る。攪拌は、プロペラまたは同様の機械的
な攪拌装置の使用、培養器の回転または振とう、種々の
ポンプ装置の使用、または滅菌エアーを培地に通すこと
により行われ得る。通気は滅菌エアーを培養混合物に通
すことにより行われ得る。培養は、通常約4℃〜約34
℃、好ましくは約20℃〜約30℃の温度で、50時間
〜100時間行われ、培養条件およびスケールに従って
変え得る。このようにして製造された本発明の化合物
は、抗生物質のような他の培養生産物の採取に一般に使
用される慣用の方法により培養物から採取され得る。一
般に、本発明の化合物は、培養物から、通常の溶媒を用
いた抽出、減圧下での濃縮、凍結乾燥、pH調整、通常
の樹脂を用いた処理(例えば、陰イオン又は陽イオン交
換樹脂、非イオン性吸着樹脂)、通常の吸着剤を用いた
処理(例えば、活性炭、珪酸、シリカゲル、セルロー
ス、アルミナ)、結晶化、再結晶等のような方法により
分離される。
法で行われ得る。攪拌は、プロペラまたは同様の機械的
な攪拌装置の使用、培養器の回転または振とう、種々の
ポンプ装置の使用、または滅菌エアーを培地に通すこと
により行われ得る。通気は滅菌エアーを培養混合物に通
すことにより行われ得る。培養は、通常約4℃〜約34
℃、好ましくは約20℃〜約30℃の温度で、50時間
〜100時間行われ、培養条件およびスケールに従って
変え得る。このようにして製造された本発明の化合物
は、抗生物質のような他の培養生産物の採取に一般に使
用される慣用の方法により培養物から採取され得る。一
般に、本発明の化合物は、培養物から、通常の溶媒を用
いた抽出、減圧下での濃縮、凍結乾燥、pH調整、通常
の樹脂を用いた処理(例えば、陰イオン又は陽イオン交
換樹脂、非イオン性吸着樹脂)、通常の吸着剤を用いた
処理(例えば、活性炭、珪酸、シリカゲル、セルロー
ス、アルミナ)、結晶化、再結晶等のような方法により
分離される。
【0022】FR190895、FR190872及び
FR190873の生理学的性質は、以下の試験で詳細
に説明される。 試験例1〔FR190895、FR190872及びF
R190873の抗菌、抗カビ活性〕 FR190895、FR190872及びFR1908
73の数種の細菌、カビに対する抗菌活性をパルプ法に
より検討した。37℃で一晩培養後、最小発育阻止濃度
(MIC)を測定した。その結果、FR190895、
FR190872及びFR190873は、試験したグ
ラム陽性菌、グラム陰性菌及びカビ(例えば、バチラス
・サブチリス、スタフィロコッカス・アウレウス、エシ
ェリシア・コリ、アスペルギルス1305)に対して、
いずれも1000μg/mlの濃度で抗菌活性を示さな
かった。
FR190873の生理学的性質は、以下の試験で詳細
に説明される。 試験例1〔FR190895、FR190872及びF
R190873の抗菌、抗カビ活性〕 FR190895、FR190872及びFR1908
73の数種の細菌、カビに対する抗菌活性をパルプ法に
より検討した。37℃で一晩培養後、最小発育阻止濃度
(MIC)を測定した。その結果、FR190895、
FR190872及びFR190873は、試験したグ
ラム陽性菌、グラム陰性菌及びカビ(例えば、バチラス
・サブチリス、スタフィロコッカス・アウレウス、エシ
ェリシア・コリ、アスペルギルス1305)に対して、
いずれも1000μg/mlの濃度で抗菌活性を示さな
かった。
【0023】試験例2〔FR190895、FR190
872及びFR190873のインビトロ (in vitro)
抗腫瘍活性〕 癌細胞として、異なるp53遺伝子の状態を有する3種
のヒト培養癌細胞株、A549ヒト肺腺癌(正常型p5
3)、HT29ヒト結腸腺癌(点変異型p53)及びH
L−60ヒト白血病細胞(p53欠損型)を用いた。F
R190895、FR190872及びFR19087
3の2倍順次希釈液(メタノール溶液)を10%仔牛血
清、ペニシリンG(50units/ml)及びストレ
プトマイシン(50μg/ml)を添加したダルベッコ
(Dulbecco)変法最少必須培地(以下、Dul 完全培地と
略す)50μlを含む96穴マイクロ滴定プレート中に
調製した。ヒト培養癌細胞株を、その細胞に最も好適な
培地を用いてインビトロで継代後、濃度1×105 個/
mlになるように調製した。この細胞懸濁液50μlを
各ウェルに注入し、37℃、5%の炭酸ガスを含有する
加湿雰囲気中で7日間インキュベーションした後、Mosm
ann の方法(J. Immunol. Methods, 65: 55-63, 1983)に
従い,MTT法により分析した。MTT(3−(4,5
−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニ
ルテトラゾリウムブロミド、シグマ社製)をリン酸緩衝
生理食塩水(PBS)に5mg/mlになるように溶解
し、濾過滅菌して少量の不溶性残査を除いた。このMT
T溶液を培養終了後のヒト癌細胞株に加え(培地100
μlあたり10μl)、さらに37℃で4時間インキュ
ベーションした。酸性イソプロピルアルコール(0.0
4規定塩酸を含むイソプロピルアルコール)100μl
を各ウェルに加えて十分攪拌し、暗青色結晶を溶解させ
た後、マイクロプレートリーダー(Model MTP-120; Coro
na Electric Co.,Ltd., Katsuta, Japan)を用いて66
0nmをレファレンス波長として550nmの吸光度を
測定し、生細胞数を定量した。細胞生育を50%阻止す
るのに必要な物質濃度(IC50)を、薬理濃度の対数を
薬物処理細胞の生育率に対してプロットして測定した。
結果を表3に示す。
872及びFR190873のインビトロ (in vitro)
抗腫瘍活性〕 癌細胞として、異なるp53遺伝子の状態を有する3種
のヒト培養癌細胞株、A549ヒト肺腺癌(正常型p5
3)、HT29ヒト結腸腺癌(点変異型p53)及びH
L−60ヒト白血病細胞(p53欠損型)を用いた。F
R190895、FR190872及びFR19087
3の2倍順次希釈液(メタノール溶液)を10%仔牛血
清、ペニシリンG(50units/ml)及びストレ
プトマイシン(50μg/ml)を添加したダルベッコ
(Dulbecco)変法最少必須培地(以下、Dul 完全培地と
略す)50μlを含む96穴マイクロ滴定プレート中に
調製した。ヒト培養癌細胞株を、その細胞に最も好適な
培地を用いてインビトロで継代後、濃度1×105 個/
mlになるように調製した。この細胞懸濁液50μlを
各ウェルに注入し、37℃、5%の炭酸ガスを含有する
加湿雰囲気中で7日間インキュベーションした後、Mosm
ann の方法(J. Immunol. Methods, 65: 55-63, 1983)に
従い,MTT法により分析した。MTT(3−(4,5
−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニ
ルテトラゾリウムブロミド、シグマ社製)をリン酸緩衝
生理食塩水(PBS)に5mg/mlになるように溶解
し、濾過滅菌して少量の不溶性残査を除いた。このMT
T溶液を培養終了後のヒト癌細胞株に加え(培地100
μlあたり10μl)、さらに37℃で4時間インキュ
ベーションした。酸性イソプロピルアルコール(0.0
4規定塩酸を含むイソプロピルアルコール)100μl
を各ウェルに加えて十分攪拌し、暗青色結晶を溶解させ
た後、マイクロプレートリーダー(Model MTP-120; Coro
na Electric Co.,Ltd., Katsuta, Japan)を用いて66
0nmをレファレンス波長として550nmの吸光度を
測定し、生細胞数を定量した。細胞生育を50%阻止す
るのに必要な物質濃度(IC50)を、薬理濃度の対数を
薬物処理細胞の生育率に対してプロットして測定した。
結果を表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】試験例3〔FR190895及びFR19
0872のヒト癌細胞におけるCip1発現に及ぼす効
果〕 ヒト癌細胞株A549、HT29、HL−60(1×1
06 個)を、10cmペトリ皿(ベクトンディキンソン
社製登録商標FALCON)でDul 完全培地中24時間
培養後、FR190895又はFR190872を添加
し、さらに16ないし24時間培養した。薬剤処理細胞
を回収後、RNeasy Total RNA Kit(QIAGEN社製) を用い
添付プロトコールに従って全RNAを抽出した。RNA
定量後、RNA PCR Kit (TaKaRa 社製) 及び DNA Therma
l Cycler 480 (PERKIN ELMER社製) を用いて添付プロト
コールと常法に従ってCip1mRNA(cDNA)の
増幅を行った。プライマーは以下のものを用いた。 5'-primer 5'-AAGCTTGGATCCTCAGAGGAGGCGCCATGTCAGAA-3' (35mer) 3'-primer 5'-AAGCTTGGATCCTTCCTGTGGGCGGATTAGGGCTTCCTC-3' (39mer) 上記プライマーの組合せにより、Cip1の全長cDN
Aが増幅される。PCR反応液を2%アガロースゲル電
気泳動し、増幅断片を分析した。結果の一部を図13に
示す。FR190895及びFR190872は、p5
3遺伝子の状態に関係なく、いずれの癌細胞においても
Cip1mRNAを誘導した。
0872のヒト癌細胞におけるCip1発現に及ぼす効
果〕 ヒト癌細胞株A549、HT29、HL−60(1×1
06 個)を、10cmペトリ皿(ベクトンディキンソン
社製登録商標FALCON)でDul 完全培地中24時間
培養後、FR190895又はFR190872を添加
し、さらに16ないし24時間培養した。薬剤処理細胞
を回収後、RNeasy Total RNA Kit(QIAGEN社製) を用い
添付プロトコールに従って全RNAを抽出した。RNA
定量後、RNA PCR Kit (TaKaRa 社製) 及び DNA Therma
l Cycler 480 (PERKIN ELMER社製) を用いて添付プロト
コールと常法に従ってCip1mRNA(cDNA)の
増幅を行った。プライマーは以下のものを用いた。 5'-primer 5'-AAGCTTGGATCCTCAGAGGAGGCGCCATGTCAGAA-3' (35mer) 3'-primer 5'-AAGCTTGGATCCTTCCTGTGGGCGGATTAGGGCTTCCTC-3' (39mer) 上記プライマーの組合せにより、Cip1の全長cDN
Aが増幅される。PCR反応液を2%アガロースゲル電
気泳動し、増幅断片を分析した。結果の一部を図13に
示す。FR190895及びFR190872は、p5
3遺伝子の状態に関係なく、いずれの癌細胞においても
Cip1mRNAを誘導した。
【0026】試験例4〔FR190872のヒト癌細胞
株における細胞周期に及ぼす効果〕 HT29細胞(1×106 個)を細胞培養皿(100×
20mm、ベクトンディキンソン社製登録商標FALC
ON)に移し、Dul 完全培地で、FR190872(5
00μg/ml)存在下、37℃、5%の炭酸ガスを含
む加湿雰囲気中で16時間培養した。5−ブロモ−2’
−デオキシウリジン(BrdU、シグマ社製)溶液〔1
mg/mlリン酸緩衝生理食塩水(PBS)〕を最終濃
度30μg/mlとなるように培養液に加え、さらに3
0分培養し、被験細胞のDNAにBrdUを取り込ませ
た。被験細胞をトリプシンにて回収し、PBSで洗浄
後、500μlのPBSに再懸濁させた。細胞懸濁液に
5mlの冷70%水性エタノールを攪拌しながら加え、
さらに4℃に30分間保ち細胞を固定した。0.5%仔
牛血清及び0.1%Tween20(半井化学社製)を
含むPBS(洗浄液)で洗浄後、被験細胞単離核を70
0μlの4規定塩酸(和光純薬社製)に懸濁し、室温で
30分間放置した。700μlの0.1規定四ホウ酸ナ
トリウム溶液(半井化学社製)で中和し、洗浄液で洗っ
た後、20μlのフルオレセイン標識抗BrdU抗体溶
液(ベクトンディキンソン社製)に懸濁し、室温で30
分反応させた。洗浄液で洗った後、抗体処理単離核DN
Aをヨウ化プロピジウム溶液(10μg/ml PB
S、シグマ社製)で染色した。FR190872の細胞
周期遷移に対する効果は、フルオレッセンス・アクティ
ベーティド・セル・ソーター(Fluorescence Activated
Cell Sorter; FACS、ベクトンディキンソン社製)
を用い、DNA合成速度とDNA量を測定することによ
り検定した。結果を図14に示す。FR190872処
理細胞はDNA量の増加,BrdUの取り込みの上昇が
みられず、G1 期にアレスト (arrest) されていること
が示された。
株における細胞周期に及ぼす効果〕 HT29細胞(1×106 個)を細胞培養皿(100×
20mm、ベクトンディキンソン社製登録商標FALC
ON)に移し、Dul 完全培地で、FR190872(5
00μg/ml)存在下、37℃、5%の炭酸ガスを含
む加湿雰囲気中で16時間培養した。5−ブロモ−2’
−デオキシウリジン(BrdU、シグマ社製)溶液〔1
mg/mlリン酸緩衝生理食塩水(PBS)〕を最終濃
度30μg/mlとなるように培養液に加え、さらに3
0分培養し、被験細胞のDNAにBrdUを取り込ませ
た。被験細胞をトリプシンにて回収し、PBSで洗浄
後、500μlのPBSに再懸濁させた。細胞懸濁液に
5mlの冷70%水性エタノールを攪拌しながら加え、
さらに4℃に30分間保ち細胞を固定した。0.5%仔
牛血清及び0.1%Tween20(半井化学社製)を
含むPBS(洗浄液)で洗浄後、被験細胞単離核を70
0μlの4規定塩酸(和光純薬社製)に懸濁し、室温で
30分間放置した。700μlの0.1規定四ホウ酸ナ
トリウム溶液(半井化学社製)で中和し、洗浄液で洗っ
た後、20μlのフルオレセイン標識抗BrdU抗体溶
液(ベクトンディキンソン社製)に懸濁し、室温で30
分反応させた。洗浄液で洗った後、抗体処理単離核DN
Aをヨウ化プロピジウム溶液(10μg/ml PB
S、シグマ社製)で染色した。FR190872の細胞
周期遷移に対する効果は、フルオレッセンス・アクティ
ベーティド・セル・ソーター(Fluorescence Activated
Cell Sorter; FACS、ベクトンディキンソン社製)
を用い、DNA合成速度とDNA量を測定することによ
り検定した。結果を図14に示す。FR190872処
理細胞はDNA量の増加,BrdUの取り込みの上昇が
みられず、G1 期にアレスト (arrest) されていること
が示された。
【0027】試験例5(FR190895による癌細胞
のアポトーシス誘導作用) A549ヒト腺癌細胞をts−p53で形質転換したAP
−3細胞(1×105個)を、10cmペトリ皿でDul
完全培地にてFR190895存在下、一定時間培養し
た。処理細胞を回収後、Cell Death Detection ELISA(B
oehringer mannheim社製) を用い、添付プロトコールに
従って断片化DNAを定量した。その結果を図15に示
す。FR190895は、処理後3日目よりAP−3細
胞にアポトーシスによる細胞死の生化学的指標であるD
NAの断片化を引き起こし、以後断片化DNA量は時間
の経過とともに増加した。
のアポトーシス誘導作用) A549ヒト腺癌細胞をts−p53で形質転換したAP
−3細胞(1×105個)を、10cmペトリ皿でDul
完全培地にてFR190895存在下、一定時間培養し
た。処理細胞を回収後、Cell Death Detection ELISA(B
oehringer mannheim社製) を用い、添付プロトコールに
従って断片化DNAを定量した。その結果を図15に示
す。FR190895は、処理後3日目よりAP−3細
胞にアポトーシスによる細胞死の生化学的指標であるD
NAの断片化を引き起こし、以後断片化DNA量は時間
の経過とともに増加した。
【0028】試験例6(急性毒性) FR190895を、ICRマウス(雌、6週齢)に経
口投与した結果、LD50値は、>10mg/kgであっ
た。
口投与した結果、LD50値は、>10mg/kgであっ
た。
【0029】試験例7(血中濃度測定) FR190895を、ICRマウス(雌、6週齢)に皮
下投与した。採血は、クロロホルム麻酔下、心臓採血に
より行った。血漿を酢酸エチル抽出し、HPLCにて薬
剤の血中濃度を定量した。結果を図16に示す。FR1
90895は極めて速やかに吸収されたが、血中持続時
間は短かった。
下投与した。採血は、クロロホルム麻酔下、心臓採血に
より行った。血漿を酢酸エチル抽出し、HPLCにて薬
剤の血中濃度を定量した。結果を図16に示す。FR1
90895は極めて速やかに吸収されたが、血中持続時
間は短かった。
【0030】本発明の化合物は、p53非依存的にCi
p1の発現を誘導し、細胞周期をG1 期で停止させ、さ
らに、癌細胞に対してはG1 期停止に続いてアポトーシ
スを誘導することにより強い抗腫瘍効果を示す。上記の
生物学的特徴から、本発明の化合物は、哺乳動物(例え
ば、ヒト、マウス、ラット、ネコ、イヌ、ウサギ、ウ
シ、ブタ)用の医薬として使用され、特に細胞周期阻害
剤、ひいては抗腫瘍剤として有用である。
p1の発現を誘導し、細胞周期をG1 期で停止させ、さ
らに、癌細胞に対してはG1 期停止に続いてアポトーシ
スを誘導することにより強い抗腫瘍効果を示す。上記の
生物学的特徴から、本発明の化合物は、哺乳動物(例え
ば、ヒト、マウス、ラット、ネコ、イヌ、ウサギ、ウ
シ、ブタ)用の医薬として使用され、特に細胞周期阻害
剤、ひいては抗腫瘍剤として有用である。
【0031】本発明の化合物は、医薬上許容できる担体
との混合物として、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、
ラット、ネコ、イヌ、ウサギ、ウシ、ブタ)に、カプセ
ル、錠剤、顆粒剤、散剤、バッカル錠、舌下錠及び液剤
のような医薬組成物の形態で経口又は非経口投与され得
る。医薬上許容できる担体は、薬学的な目的のために通
常使用される種々の有機または無機の担体物質を含有し
得、具体的にはフィルム賦形剤(例えば、ショ糖、スタ
ーチ、マンニット、ソルビット、ラクトース、グルコー
ス、セルロース、タルク、リン酸カルシウム、炭酸カル
シウム等)、結合剤(例えば、セルロース、メチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピル
ピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレング
リコール、ショ糖、スターチ等)、崩壊剤(例えば、ス
ターチ、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースのカルシウム塩、ヒドロキシプロピル−ス
ターチ、グリコール−スターチのナトリウム塩、炭酸水
素ナトリウム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム
等)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、エ
アロジル、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム等)、着香
剤(例えば、クエン酸、メントール、グリシン、オレン
ジパウダー等)、防腐剤(例えば、安息香酸ナトリウ
ム、重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパ
ラベン等)、安定化剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナ
トリウム、酢酸等)、沈殿防止剤(例えば、メチルセル
ロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸アルミニ
ウム等)、分散剤(例えば、表面活性化剤等)、水性の
希釈剤(例えば、水)、油(例えば、ゴマ油)、基剤ワ
ックス(例えば、カカオバター、ポリエチレングリコー
ル、白色ワセリン等)が挙げられる。
との混合物として、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、
ラット、ネコ、イヌ、ウサギ、ウシ、ブタ)に、カプセ
ル、錠剤、顆粒剤、散剤、バッカル錠、舌下錠及び液剤
のような医薬組成物の形態で経口又は非経口投与され得
る。医薬上許容できる担体は、薬学的な目的のために通
常使用される種々の有機または無機の担体物質を含有し
得、具体的にはフィルム賦形剤(例えば、ショ糖、スタ
ーチ、マンニット、ソルビット、ラクトース、グルコー
ス、セルロース、タルク、リン酸カルシウム、炭酸カル
シウム等)、結合剤(例えば、セルロース、メチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピル
ピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレング
リコール、ショ糖、スターチ等)、崩壊剤(例えば、ス
ターチ、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースのカルシウム塩、ヒドロキシプロピル−ス
ターチ、グリコール−スターチのナトリウム塩、炭酸水
素ナトリウム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム
等)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、エ
アロジル、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム等)、着香
剤(例えば、クエン酸、メントール、グリシン、オレン
ジパウダー等)、防腐剤(例えば、安息香酸ナトリウ
ム、重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパ
ラベン等)、安定化剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナ
トリウム、酢酸等)、沈殿防止剤(例えば、メチルセル
ロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸アルミニ
ウム等)、分散剤(例えば、表面活性化剤等)、水性の
希釈剤(例えば、水)、油(例えば、ゴマ油)、基剤ワ
ックス(例えば、カカオバター、ポリエチレングリコー
ル、白色ワセリン等)が挙げられる。
【0032】本発明の化合物の投与量は、疾患の種類、
患者の体重及び/又は年齢、さらには投与経路の種類の
ような種々の要因に依存して変わり得る。本発明の化合
物の最適投与量は、経口又は注射、外用剤等の非経口的
に0.05〜50mg/kg/日の範囲内から適宜選択
される。
患者の体重及び/又は年齢、さらには投与経路の種類の
ような種々の要因に依存して変わり得る。本発明の化合
物の最適投与量は、経口又は注射、外用剤等の非経口的
に0.05〜50mg/kg/日の範囲内から適宜選択
される。
【0033】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限
定されるものではない。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限
定されるものではない。
【0034】実施例1 (1)シュードモナス・クロロラフィスNo.4306
株の培養 ポリペプトン(1%)、酵母エキス(0.5%)、塩化
ナトリウム(0.5%)の組成の種培地を500ml容
エルレンマイヤーフラスコに160ml加え、120℃
で30分間滅菌した。それらにNo.4306株の斜面
培養物を一白金耳ずつ接種し、ロータリーシェーカーで
毎分250回転、30℃で24時間振とう培養した。予
めグルコース(2%)、グリセリン(3%)、脱脂大豆
粉(2%)、コーンスティープリカー(0.2%)、鰹
肉エキス(0.1%、和光純薬)、硫酸アンモニウム
(0.2%)、硫酸マグネシウム(0.01%)及び炭
酸カルシウム(0.1%)の組成の培地(pH7.0)
4.8Lを30本の500ml容エルレンマイヤーフラ
スコに160mlずつ注入し、120℃で30分間滅菌
した後、上記培養物を3.2mlずつ接種して、ロータ
リーシェーカーで毎分250回転、25℃で4日間振と
う培養した。
株の培養 ポリペプトン(1%)、酵母エキス(0.5%)、塩化
ナトリウム(0.5%)の組成の種培地を500ml容
エルレンマイヤーフラスコに160ml加え、120℃
で30分間滅菌した。それらにNo.4306株の斜面
培養物を一白金耳ずつ接種し、ロータリーシェーカーで
毎分250回転、30℃で24時間振とう培養した。予
めグルコース(2%)、グリセリン(3%)、脱脂大豆
粉(2%)、コーンスティープリカー(0.2%)、鰹
肉エキス(0.1%、和光純薬)、硫酸アンモニウム
(0.2%)、硫酸マグネシウム(0.01%)及び炭
酸カルシウム(0.1%)の組成の培地(pH7.0)
4.8Lを30本の500ml容エルレンマイヤーフラ
スコに160mlずつ注入し、120℃で30分間滅菌
した後、上記培養物を3.2mlずつ接種して、ロータ
リーシェーカーで毎分250回転、25℃で4日間振と
う培養した。
【0035】(2)FR190895、FR19087
2及びFR190873の分離及び精製 培養終了後、培養物(4.8L)に等量のアセトンを加
え、室温で1時間抽出した後、珪藻土200gを添加
し、濾過した。得られた濾液(9L)を5Lまで減圧濃
縮し、pH7.0に調整した後、等量の酢酸エチルを加
えて抽出した。抽出残査に再び酢酸エチルを加え、抽出
を繰り返した。得られた抽出液を減圧濃縮し、得られた
油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10
0ml、うち50mlをまぶしとした)に付した。この
カラムをn−ヘキサン(300ml)、n−ヘキサン及
び酢酸エチル(3:1;v/v)の混液(300ml)
で洗った後、n−ヘキサン及び酢酸エチル(1:1;v
/v)の混液(300ml)で溶出した。細胞周期阻害
活性を有する溶出液(活性は温度感受性変異型p53で
トランスフォームしたヒト肺腺癌A549細胞を用いて
モニターした)を減圧濃縮し、得られた油状物質を再び
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100ml)に
付した。カラムをジクロロメタン(300ml)、ジク
ロロメタン及びメタノール(100:1;v/v)の混
液(300ml)並びにジクロロメタン及びメタノール
(50:1;v/v)の混液(300ml)で洗った
後、ジクロロメタン及びメタノール(25:1;v/
v)の混液(300ml)で溶出した。活性溶出液を減
圧濃縮し、得られた油状物質を20mlのメタノールに
溶解した。該メタノール溶液を逆相樹脂「YMC OD
S−AM」(商標、YMC社製)(ODS−AM120
−S−50タイプ)を充填したカラムに付した。カラム
を70%水性メタノールで展開し、各活性画分を減圧濃
縮、乾燥してFR190895、FR190872及び
FR190873の淡黄色粉末をそれぞれ250mg、
200mg及び15mg得た。
2及びFR190873の分離及び精製 培養終了後、培養物(4.8L)に等量のアセトンを加
え、室温で1時間抽出した後、珪藻土200gを添加
し、濾過した。得られた濾液(9L)を5Lまで減圧濃
縮し、pH7.0に調整した後、等量の酢酸エチルを加
えて抽出した。抽出残査に再び酢酸エチルを加え、抽出
を繰り返した。得られた抽出液を減圧濃縮し、得られた
油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10
0ml、うち50mlをまぶしとした)に付した。この
カラムをn−ヘキサン(300ml)、n−ヘキサン及
び酢酸エチル(3:1;v/v)の混液(300ml)
で洗った後、n−ヘキサン及び酢酸エチル(1:1;v
/v)の混液(300ml)で溶出した。細胞周期阻害
活性を有する溶出液(活性は温度感受性変異型p53で
トランスフォームしたヒト肺腺癌A549細胞を用いて
モニターした)を減圧濃縮し、得られた油状物質を再び
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100ml)に
付した。カラムをジクロロメタン(300ml)、ジク
ロロメタン及びメタノール(100:1;v/v)の混
液(300ml)並びにジクロロメタン及びメタノール
(50:1;v/v)の混液(300ml)で洗った
後、ジクロロメタン及びメタノール(25:1;v/
v)の混液(300ml)で溶出した。活性溶出液を減
圧濃縮し、得られた油状物質を20mlのメタノールに
溶解した。該メタノール溶液を逆相樹脂「YMC OD
S−AM」(商標、YMC社製)(ODS−AM120
−S−50タイプ)を充填したカラムに付した。カラム
を70%水性メタノールで展開し、各活性画分を減圧濃
縮、乾燥してFR190895、FR190872及び
FR190873の淡黄色粉末をそれぞれ250mg、
200mg及び15mg得た。
【0036】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
化合物は、p53非依存的にp21/Cip1の発現を
誘導し、細胞周期をG1 期で停止させるとともに、癌細
胞に対しては、G1 期停止に引き続いてアポトーシスを
誘導し、その増殖を抑制する作用を示す新規化合物であ
る。そのため、哺乳動物に対する抗腫瘍剤として有効で
あると考えられる。
化合物は、p53非依存的にp21/Cip1の発現を
誘導し、細胞周期をG1 期で停止させるとともに、癌細
胞に対しては、G1 期停止に引き続いてアポトーシスを
誘導し、その増殖を抑制する作用を示す新規化合物であ
る。そのため、哺乳動物に対する抗腫瘍剤として有効で
あると考えられる。
【図1】FR190895の紫外線吸収スペクトルを示
すチャートである。
すチャートである。
【図2】FR190895の赤外線吸収スペクトルを示
すチャートである。
すチャートである。
【図3】FR190895の 1H核磁気共鳴スペクトル
を示すチャートである。
を示すチャートである。
【図4】FR190895の13C核磁気共鳴スペクトル
を示すチャートである。
を示すチャートである。
【図5】FR190872の紫外線吸収スペクトルを示
すチャートである。
すチャートである。
【図6】FR190872の赤外線吸収スペクトルを示
すチャートである。
すチャートである。
【図7】FR190872の 1H核磁気共鳴スペクトル
を示すチャートである。
を示すチャートである。
【図8】FR190872の13C核磁気共鳴スペクトル
を示すチャートである。
を示すチャートである。
【図9】FR190873の紫外線吸収スペクトルを示
すチャートである。
すチャートである。
【図10】FR190873の赤外線吸収スペクトルを
示すチャートである。
示すチャートである。
【図11】FR190873の 1H核磁気共鳴スペクト
ルを示すチャートである。
ルを示すチャートである。
【図12】FR190873の13C核磁気共鳴スペクト
ルを示すチャートである。
ルを示すチャートである。
【図13】FR190895及びFR190872のヒ
ト癌細胞におけるp21/Cip1の発現誘導効果を示
す電気泳動写真である。
ト癌細胞におけるp21/Cip1の発現誘導効果を示
す電気泳動写真である。
【図14】FR190872の細胞周期阻害効果を示す
プロットである。
プロットである。
【図15】FR190895の癌細胞のアポトーシス誘
導効果を示すプロットである。
導効果を示すプロットである。
【図16】FR190895の血中濃度の経時変化を示
すプロットである。
すプロットである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 1/04 C12R 1:38) (C12N 1/20 C12R 1:38) (72)発明者 高瀬 茂弘 茨城県石岡市総社1−12−10 (72)発明者 寺野 紘 茨城県土浦市真鍋2600−3
Claims (7)
- 【請求項1】 以下の性質を有する化合物FR1908
95、FR190872及びFR190873からなる
群より選択される化合物。 (1)FR190895 a)形状: 淡黄色粉末 b)分子式: C23H24N2 O7 c)融点: 102−105℃ d)分子量: 440 [FAB-MS : m/z 441 (M + H)] e)紫外線吸収スペクトル: 図1に示す λmax (CH3OH) : 220 (sh), 273, 305 (sh) nm f)赤外線吸収スペクトル: 図2に示す νmax (KBr) : 3370, 2940, 1710, 1650, 1580, 1510, 1470, 1300, 1250, 1100, 1040 cm -1 g)溶解性: 易溶: メタノール、クロロホルム、ジメチルスルホキシド 不溶: 水 h)呈色反応: 陽性: 硫酸セリウム反応、ヨウ素蒸気との反応 陰性: ニンヒドリン反応、塩化第二鉄反応、モーリッシュ反応 i) 1H核磁気共鳴スペクトル (500 MHz, CDCl 3): 図3に示す δ (ppm) : 9.96 (1H, s, 交換可能), 9.02 (1H, d, J = 10 Hz), 8.61 (1H, d, J = 11 Hz, 交換可能), 7.36 (1H, dd, J = 8, 8 Hz), 7.05 (1H, d, J = 16 Hz), 6.94 (1H, d, J = 8 Hz), 6.87 (1H, m), 6.74 (1H, d, J = 8 Hz), 6.49 (1H, dd, J = 12, 10 Hz), 6.13 (1H, dd, J = 12, 7 Hz), 5.94 (1H, d, J = 12 Hz), 5.90 (1H, dd, J = 16, 7 Hz), 5.74 (1H, br d, J = 12 Hz), 5.14 (1H, m), 5.06 (1H, m), 3.98 (1H, m), 3.93 (3H, s), 3.73 (1H, m), 3.54 (1H, m), 3.04 (1H, br s, 交換可能), 2.90 (1H, m), 2.50 (1H, m). j)13C核磁気共鳴スペクトル (125 MHz, CDCl 3): 図4に示す δ (ppm) : 169.9 (s), 162.2 (s), 160.5 (s), 147.7 (d), 141.2 (s), 135.4 (d), 135.3 (d), 134.0 (d), 129.0 (d), 127.5 (d), 124.6 (d), 124.3 (d), 123.6 (d), 120.2 (d), 116.7 (d), 113.2 (s), 108.1 (d), 75.0 (d), 67.8 (d), 62.3 (q), 57.9 (d), 57.8 (d), 25.7 (t). k)比旋光度: [α]D 23 = −306゜(c = 0.5, CH3OH) (2)FR190872 a)形状: 淡黄色粉末 b)分子式: C23H24N2 O6 c)融点: 104−107℃ d)分子量: 424[FAB-MS : m/z 425 (M + H)] e)紫外線吸収スペクトル: 図5に示す λmax (CH 3 OH) : 282, 305 (sh) nm f)赤外線吸収スペクトル: 図6に示す νmax (KBr) : 3340, 3010, 2940, 1710, 1650, 1580, 1510, 1460, 1290, 1250, 1220, 1200, 1040 cm -1 g)溶解性: 易溶: メタノール、クロロホルム、ジメチルスルホキシド 不溶: 水 h)呈色反応: 陽性: 硫酸セリウム反応、ヨウ素蒸気との反応 陰性: ニンヒドリン反応、塩化第二鉄反応、モーリッシュ反応 i) 1H核磁気共鳴スペクトル (500 MHz, CDCl 3): 図7に示す δ (ppm) : 10.75 (1H (OH), s, 交換可能), 9.02 (1H, d, J = 10.3 Hz), 8.39 (1H (NH), d, J = 9.9 Hz, 交換可能), 7.32 (1H, dd, J = 7.7, 7.9 Hz), 6.90-6.82 (3H, m), 6.75 (1H, d, J = 7.4 Hz), 6.72 (1H, dd), 6.50 (1H, dd, J = 10.7, 10.9 Hz), 6.41 (1H, dd, J = 10.0, 10.0 Hz), 6.30 (1H, d, J = 10.0 Hz), 6.09 (1H, d, J = 12.3 Hz), 5.92 (1H, d, J = 11.3 Hz), 5.73 (1H, d, J = 12.2 Hz), 5.30 (1H, dd, J = 4.5, 5.9 Hz), 4.82 (1H, m), 4.34 (1H, m), 3.94 (3H, s), 2.61 (1H, dd, J = 10.7, 12.3 Hz), 2.29 (1H, m). j)13C核磁気共鳴スペクトル (125 MHz, CDCl 3): 図8に示す δ (ppm) : 170.9 (s), 162.6 (s), 162.1 (s), 147.7 (d), 140.9 (s), 135.4 (d), 134.1 (d), 133.3 (d), 132.8 (d), 130.8 (d), 130.7 (d), 130.1 (d), 127.0 (d), 126.0 (d), 124.5 (d), 121.7 (d), 117.4 (d), 110.0 (s), 104.5 (d), 77.5 (d), 72.8 (d), 62.3 (q), 27.7 (t). k)比旋光度: [α]D 23 = −124° (c = 0.5, CH 3 OH) (3)FR190873 a)形状: 淡黄色粉末 b)分子式: C23H24N2 O6 c)分子量: 424[FAB-MS : m/z 425 (M + H)] d)紫外線吸収スペクトル: 図9に示す λmax (CH 3 OH) : 240 (sh), 282, 310 (sh) nm e)赤外線吸収スペクトル: 図10に示す νmax (KBr) : 3400, 3010, 2940, 1710, 1650, 1513, 1460, 1450, 1290, 1260, 1220, 1120, 1043 cm -1 f)溶解性: 易溶: メタノール、クロロホルム、ジメチルスルホキシド 不溶: 水 g)呈色反応: 陽性: 硫酸セリウム反応、ヨウ素蒸気との反応 陰性: ニンヒドリン反応、塩化第二鉄反応、モーリッシュ反応 h) 1H核磁気共鳴スペクトル (500 MHz, CDCl 3): 図11に示す δ (ppm) : 10.10 (1H (OH), br s, 交換可能), 9.02 (1H, d, J = 11 Hz), 8.61 (1H (NH), d, J = 11 Hz, 交換可能), 7.36 (1H, dd, J = 8, 8 Hz), 7.23 (1H, d, J = 16 Hz), 7.08 (1H, d, J = 8 Hz), 6.95-6.85 (2H, m), 6.65 (1H, dd, J = 7, 17 Hz), 6.52 (1H, dd, J = 11, 11 Hz), 6.40 (1H, dd, J = 4, 16 Hz), 6.38-6.33 (1H, m), 6.17 (1H, dd, J = 4, 11 Hz), 5.97 (1H, d, J = 11 Hz), 5.82 (1H, m), 5.09 (1H, m), 5.00 (1H, m), 4.60 (1H, m), 3.92 (3H, s), 2.75 (1H, m), 2.55 (1H, m). i)13C核磁気共鳴スペクトル (125 MHz, CDCl 3): 図12に示す δ (ppm) : 171.4 (s), 162.1 (s), 161.1 (s), 147.6 (d), 139.2 (s), 137.5 (d), 135.4 (d), 134.2 (d), 133.4 (d), 130.7 (d), 129.3 (d), 129.0 (d), 126.9 (d), 124.4 (d), 124.4 (d), 117.8 (d), 116.8 (d), 112.4 (s), 106.4 (d), 80.6 (d), 72.0 (d), 62.3 (q), 25.3 (t). j)比旋光度: [α]D 23 = −77° (c = 0.1, CH 3 OH) - 【請求項2】 栄養培地中でシュードモナス(Pseudomon
as) に属するFR190895、FR190872及び
FR190873からなる群より選択される少なくとも
1つの化合物の生産菌を培地に培養し、得られた培養物
から該化合物を採取することを特徴とする請求項1に記
載の化合物の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の少なくとも1つの化合
物を含有する医薬組成物。 - 【請求項4】 請求項1に記載の少なくとも1つの化合
物を含有する細胞周期阻害剤。 - 【請求項5】 細胞周期阻害剤が、細胞周期をG1 期で
停止させるものである請求項4に記載の細胞周期阻害
剤。 - 【請求項6】 癌抑制遺伝子産物p53非依存的に、サ
イクリン依存性キナーゼ阻害タンパク質p21/Cip
1の発現を誘導する物質を有効成分として含有する抗腫
瘍剤。 - 【請求項7】 請求項1に記載の少なくとも1つの化合
物を含有する抗腫瘍剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7279787A JPH09100289A (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 新規化合物fr190895、fr190872及びfr190873、その製造方法およびその用途 |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7279787A JPH09100289A (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 新規化合物fr190895、fr190872及びfr190873、その製造方法およびその用途 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09100289A true JPH09100289A (ja) | 1997-04-15 |
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ID=17615918
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7279787A Pending JPH09100289A (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 新規化合物fr190895、fr190872及びfr190873、その製造方法およびその用途 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09100289A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002512362A (ja) * | 1998-04-17 | 2002-04-23 | ライジェル・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド | 細胞パラメーターにおける変化を検出し、小分子ライブラリィをスクリーンするための複数パラメーターfacs |
| US8334238B2 (en) | 1998-04-17 | 2012-12-18 | Rigel, Inc. | Multiparameter FACS assays to detect alterations in cellular parameters and to screen small molecule libraries |
-
1995
- 1995-10-02 JP JP7279787A patent/JPH09100289A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002512362A (ja) * | 1998-04-17 | 2002-04-23 | ライジェル・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド | 細胞パラメーターにおける変化を検出し、小分子ライブラリィをスクリーンするための複数パラメーターfacs |
| US8334238B2 (en) | 1998-04-17 | 2012-12-18 | Rigel, Inc. | Multiparameter FACS assays to detect alterations in cellular parameters and to screen small molecule libraries |
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