JPH09100296A - 蛋白質の相互分離方法 - Google Patents

蛋白質の相互分離方法

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JPH09100296A
JPH09100296A JP8186491A JP18649196A JPH09100296A JP H09100296 A JPH09100296 A JP H09100296A JP 8186491 A JP8186491 A JP 8186491A JP 18649196 A JP18649196 A JP 18649196A JP H09100296 A JPH09100296 A JP H09100296A
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methionine residue
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JP8186491A
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Koichi Kato
光一 加藤
Takahisa Yamada
隆央 山田
Kenji Kawahara
賢治 河原
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蛋白質および該蛋白質にメチオニン残基が付加
し蛋白質とを相互に分離する方法の提供。 【解決手段】蛋白質および該蛋白質にメチオニン残基が
付加し、該蛋白質と同様の生理活性を有する蛋白質の混
合物を等電点の差異に基づく分離手段に付すことによ
り、蛋白質と該蛋白質にメチオニン残基が付加した蛋白
質とを相互に分離できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛋白質および該蛋
白質にメチオニン残基が付加し該蛋白質と同様の生理活
性を有する蛋白質の混合物を相互に分離する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】サイトカインやペプチドホルモンなど種
々の生理活性蛋白質の存在が明らかにされ、また近年の
遺伝子工学技術の進歩は、これら生理活性蛋白質の大量
生産、臨床への適用の途を開きつつある。このような技
術は、すでにインターフェロン,インターロイキン,B細
胞増殖因子(BGF),B細胞分化因子(BDF),マクロフ
ァージ活性化因子(MAF),リンホトキシン(LT),腫瘍
壊死因子(TNF)などのサイトカイン;トランスホーミ
ンググロースファクター(TGF−α);エリスロポエチ
ン,上皮細胞増殖因子,インスリン,ヒト成長ホルモンな
どペプチド蛋白質ホルモン; B型肝炎ウイルス抗原,イ
ンフルエンザ抗原,口蹄疫ウイルス抗原,マラリア原虫抗
原などのワクチンの開発に有用な病原性微生物抗原蛋白
質;ペプチダーゼ(例、ティシュプラスミノーゲン アク
チベーター,ウロキナーゼ,セラチオペプチダーゼなど)
やリゾチームなどの酵素;ヒト血清アルブミン(HSA)
などの血中蛋白成分など各種生理活性蛋白質の製造に応
用されている。
【0003】しかし、これらの蛋白質は遺伝子工学手法
により製造されるため、しばしば混合物中の他の物質か
ら、最終的に必要な生産物を分離せねばならないという
問題が生じている。特に問題になるのは、必要な蛋白質
をコ−ドする遺伝子の発現により産生する遺伝子産物
が、しばしば必要な蛋白質とそのアミノ末端にメチオニ
ンが付加した第二番目の蛋白質との混合物であることで
ある。付加されたメチオニン(Met)は、所望の遺伝子の
発現の開始を指示する翻訳開始コドンATGの発現と、
発現産物から付加したMet基を除く宿主細胞の発現系の
不首尾に由来するものである。この問題は、原核性宿主
および真核性宿主の両者で生ずるが、とりわけ原核性宿
主における遺伝子の発現においてしばしば生ずる。発現
用宿主として大腸菌を用いた発現系において特に問題と
なる。真核細胞および原核細胞の両者における蛋白質合
成は、アミノ酸であるメチオニンをコ−ドするmRNA
のコドンAUGから開始するので、とりわけ発現用宿主
が大腸菌の場合、蛋白質の発現が必要とする蛋白質をさ
らにアミノ末端にメチオニンが付加した類似体(N−Me
t 類似体)との分子種の混合物であるかどうか予想でき
ない。
【0004】事実、大腸菌のイニシェーション・ファク
ターIFー3においてアミノ末端にメチオニン残基を持
つ分子種と持たない分子種の両者が存在すること〔ホッ
ペ・ザイラーズ・ツァイシュリフト・フュア・フィジオリシ
ェ・ヘミー(Hoppe Seyler'sZ.Physiol.Chem.),354
巻,1415頁(1973年)〕や、大腸菌においては、
その全蛋白のアミノ末端が主としてメチオニンであるこ
と(コーン・スタンプ,アウトラインズ・オブ・バイオケミ
ストリー(Outlines of Biochemistry)4版,ジョン・
ウィリー・アンド・サンズ,1976年)などが知られてい
る。組換えDNA技術を用いて製造された蛋白として
は、アミノ末端へのメチオニン残基の付加率がヒト成長
ホルモンにおいて約100%〔ネイチャー(Nature),2
93巻,408頁(1981年)〕にも達する例が知られ
ている。遺伝子工学技術によると、必要とする蛋白質に
比べそのMet類似体が高比率に産生するという問題が知
られている。ネイチャ−(Nature),293巻, 408頁
(1981年)においては、ヒト成長ホルモンの製造にお
いて、実際に必要とする蛋白質に比べてそのMet類似体
が多量に得られるということを示している。必要とする
蛋白質とそのN−Met類似体とが混合物として産生する
場合、二つの分子種の物理化学的性状における相違は、
あるとしても非常に小さいものであるため、相互に分離
することは、極めて困難なことである。
【0005】メチオニン残基は分子量約131で、中程
度に疎水性を有し、かつ解離基を持たないため電気的に
中性のアミノ酸残基である。従って蛋白質のようなそれ
自体多数の解離基や疎水性基および親水性基を有する巨
大分子〔例えば133個のアミノ酸残基からなるインタ
−ロイキン−2ポリペプチド(I;但しXは水素原子)の分
子量は約15,420である〕のアミノ末端にメチオニ
ン残基が1残基付加しても蛋白質全体の物理化学的性質
には通常大きな影響を及ぼさないと予想され、アミノ末
端にメチオニン残基が付加した分子種と付加していない
分子種とを相互に分離することはきわめて困難であると
考えられる。この難しい問題は、多くの蛋白質において
存在し、とりわけ発現用の宿主として大腸菌を用いて発
現する蛋白質、特に遺伝子工学技術により製造されるイ
ンタ−ロイキン−2やインタ−フェロンを、これらのN
−Met類似体から分離する場合において、厳しいものが
ある。インターロイキンー2は、マイトーゲンや抗原に
よって活性化されたT細胞によって産生されるリンホカ
インの1つであり、細胞障害性T細胞やナチュラルキラ
ー細胞の増殖および分化に必須の因子であってこれらの
細胞を介した免疫反応系において重要な働きをしてい
る。また、インターフェロン−αは、ウイルスや核酸に
よって活性化された白血球によって産生されるリンホカ
インの1つであり、細胞に作用してその細胞を抗ウイル
ス状態にするという生物活性をもち、感染防禦系や腫瘍
免疫系において重要な働きをしている。インターロイキ
ンー2やインターフェロン−αはその生物活性から各種
免疫不全症,感染症,悪性腫瘍などの治療薬として効果的
に使用し得ることが期待されている。現在までにヒト末
梢血リンパ球やヒトT細胞白血病株(JURKAT株)の
培養上清から単離された天然型のインターロイキンー2
は、分子量的に異なる幾つかの分子種から成るが、いず
れもそのポリペプトド鎖に関しては互いにきわめて良く
似ており、アミノ末端は例外なくアラニン残基から始ま
ることが知られている〔特願昭59ー149248号
(昭和59年7月19日出願)明細書(EPC公開第01
32359号公報に対応する);プロシージング・オブ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Pro.Natl.
Acad.Sci.USA), 81巻, 2543頁(1984
年)〕。
【0006】一方、現在までにヒト白血球の培養上清か
ら単離された天然型のインターフェロン−αは、10数
種のサブタイプからなるが、いずれもそのポリペプチド
鎖に関しては、互いにきわめて良く似ており、アミノ末
端は例外なくシスティン残基から始まることが知られて
いる〔アチーフ・フュア・ビオヘミー・ウンド・ビオフィジ
ッシェ(Arch.Biochem.Biophys.),221巻,1頁
(1983年)〕。本発明者らは、ヒトリンパ球のインタ
ーロイキンー2遺伝子を組換えDNA技術を用いて大腸
菌内で発現させることにより非グリコシル化ヒトインタ
ーロイキンー2を製造することに成功した〔特願昭58
ー225079号(昭和58年11月28日出願)明細書
参照;EPC公開第0145390号公報に対応す
る〕。該インターロイキンー2は〔図1〕に示すアミノ
酸配列(該図中、Xは水素原子またはメチオニン残基を
示す)からなるポリペプチド(I)を含有するものであり、
アミノ末端アミノ酸としてヒト天然型と同じくアラニン
残基から始まる分子種(すなわち、Xは水素原子)ととも
に、アミノ末端にメチオニン残基の付加したメチオニル
−アラニン残基から始まる分子種(すなわち、Xはメチ
オニン残基)を有する。また、すでに報告されているよ
うに〔ジャーナル・オブ・インターフェロン・リサーチ
(J.Interferon Res.),第1巻,381頁(1981
年); ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー
(J.Biol.Chem.),第256巻,9750頁(198
1年)〕、例えば、組換えDNA技術を用いて大腸菌内
で発現させたインターフェロン−αAは〔図2〕に示す
アミノ酸配列からなるポリペプチドを含有する。アミノ
末端アミノ酸としては、ヒト天然型と同じくシスティン
残基から始まる分子種(すなわち、Xは水素原子)ととも
に、アミノ末端にメチオニン残基の付加したメチオニル
−システィン残基から始まる分子種(すなわち、Xはメ
チオニン残基)を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】同じ蛋白質であっても
アミノ末端にメチオニン残基の付加した分子種とそうで
ない分子種とは蛋白質の高次構造が相互に異なる可能性
があり、両者の間でin vivoおよびin vitroでの生物活
性や生物学的安定性に差のある可能性もある。また、メ
チオニン残基のアミノ末端への付加が抗原性の増加ある
いは減少をもたらす可能性もあり得よう。従って、生理
学上および産業利用上の観点からアミノ末端にメチオニ
ン残基の付加した分子種とそうでない分子種とを分離し
て両者をそれぞれ実質的に純粋な形で取り出すことはき
わめて意義のあることである。アミノ末端へのメチオニ
ン残基の付加率は、培養条件や蛋白質の発現レベルによ
って左右される可能性がある〔ジャーナル・オブ・インタ
ーフェロン・リサーチ(J.Interferon Res.),1巻,38
1頁(1981年)〕が、メチオニン残基の付加率を制御
し得た例は今までのところ報告されていない。さらに蛋
白質の精製過程においてもアミノ末端にメチオニン残基
が付加した分子種と付加していない分子種とを相互に分
離した例は今までのところ全く報告されていない。本発
明者らは(a)インターロイキン−2とさらにそのアミノ
末端にメチオニン残基を有するインターロイキン−2お
よび(b)インターフェロン−αAとさらにそのアミノ末
端にメチオニン残基を有するインターフェロン−αAと
の相互分離法として、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度の
差を利用する方法,透析法,限外ろ過法,ゲルろ過法お
よびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの
主として分子量の差を利用する方法、抗体との特異的親
和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフイー
などの疎水性の差を利用する方法などを試みたが、それ
らを相互に分離することは全く出来なかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、蛋白質と
そのアミノ末端にさらにメチオニン残基を有する蛋白質
(N−Met 類似体)とを相互に分離することを目的とし
て鋭意研究を行った結果、 それらが意外にも相互に異な
る等電点を有する事実を発見した。メチオニンは電気的
に中性のアミノ酸であるため蛋白質のアミノ末端に付加
してもその蛋白質全体の電荷には全く影響を及ぼさない
と考えられ、従ってインターロイキンー2のような蛋白
質とそのアミノ末端にさらにメチオニン残基を有する蛋
白質とが異なる等電点を有することは全く予想外の発見
であった。この発見に基づき、蛋白質および該蛋白質に
メチオニン残基が付加し、該蛋白質と同様の生理活性を
有する蛋白質(Met−蛋白質)の混合物を等電点の差異
に基づく分離手段に付すことにより蛋白質と該蛋白質に
メチオニンが付加した蛋白質(Met−蛋白質)とを相互
分離できることを見いだした。
【0009】すなわち、本発明は、蛋白質および該蛋白
質にメチオニン残基が付加し、該蛋白質と同様の生理活
性を有する蛋白質の混合物を等電点の差異に基づく分離
手段に付すことを特徴とする蛋白質と該蛋白質にメチオ
ニン残基が付加した蛋白質との相互分離方法を提供する
ものである。
【0010】本願明細書において「蛋白質」とは、糖鎖を
有するものもしくは有さないもののいずれをも含み、ま
た、例えば化学反応もしくは酵素反応により、化学的ま
たは構造的に修飾されたポリペプチドを包含する、アミ
ノ酸の1次構造からなる高分子物質を意味する。また
「Met−蛋白質」とは、上記「蛋白質」にさらにメチオニン
基が付加したものを意味する。本発明は、とりわけ、所
望の蛋白質およびそれと同一もしくは同様の生理活性を
有するMet−蛋白質に係るものである。本発明における
好ましいMet−蛋白質は、所望の蛋白質の生理活性を奏
するに十分な、該蛋白質とのアミノ酸配列上の類似性を
有するものである。本発明は、所望の蛋白質のそのアミ
ノ末端にさらにメチオニン残基を付加した蛋白質(N−
Met類似体)を包含するMet−蛋白質から蛋白質を分離
する方法による生産物に関するものである。とりわけ、
本発明は、そのN−Met類似体を実質的に含有しないイ
ンタ−ロイキン−2蛋白質の分離、およびそのN−Met
類似体を実質的に含有しないインタ−フェロン−αの分
離に関するものである。
【0011】本願明細書において「生理活性」とは、生理
学的および免疫学的活性および効果を含むインビボもし
くはインビトロで生存していてもいなくてもよい細胞,
細胞の一部,細胞もしくは他の生理学的作用に基づく生
産物および生物学的物質を含む生体および(または)生理
物質への活性または効果を意味する。上記蛋白質および
それにメチオニン残基が付加した蛋白質(Met−蛋白質)
の混合物は、通常遺伝子組換え技術で製造でき、通常大
腸菌,枯草菌,酵母,動物細胞を用いて発現させることに
より製造できる。上記蛋白質としては、各種生理活性蛋
白質が挙げられ、例えば、インターフェロン(IFN;
例、IFN−α,IFN−β,IFN−γなど),インター
ロイキン(例、インターロイキン−1,インターロイキン
−2など),B細胞増殖因子(BGF),B細胞分化因子(B
DF),マクロファージ活性化因子(MAF),リンホトキ
シン(LT),腫瘍壊死因子(TNF)などのサイトカイン;
トランスホーミンググロースファクター(TGF−α);
エリスロポエチン,上皮細胞増殖因子,インスリン,ヒト
成長ホルモンなどペプチド蛋白質ホルモン;B型肝炎ウ
イルス抗原,インフルエンザ抗原,口蹄疫ウイルス抗原,
マラリア原虫抗原などの病原性微生物抗原蛋白質;ペプ
チダーゼ(例、ティシュプラスミノーゲン アクチベー
ター,ウロキナーゼ,セラチオペプチダーゼなど)やリゾ
チームなどの酵素;ヒト血清アルブミン(HSA)などの
血中蛋白成分が挙げられる。これら蛋白質の中でも、分
子量約3,000〜50,000、とりわけ約5,000〜
30,000のもの、 またアミノ酸数として約30〜5
00、 とりわけ約50〜300のものに対して、 本発明
の蛋白質の相互分離方法は有利に適用ができる。
【0012】また蛋白質の等電点が約4〜11とりわ
け、 約5〜8のものにおいて、有利に相互分離を行う
ことができ、また蛋白質と該蛋白質にメチオニン残基を
有する蛋白質との等電点の差が、約0.01以上、好ま
しくは約0.1以上とりわけ0.01〜0.2程度あるこ
とが好ましい。とりわけ、遺伝子組換え技術で製造され
たインターロイキン−2やインターフェロン−αに対し
て、有利に本発明の相互分離方法が適用できる。ここで
インターロイキン−2とは天然のヒトインターロイキン
−2と同様の生物学的もしくは免疫学的活性例えばイン
ターロイキン−2レセプターや抗インターロイキン−2
抗体との結合能、を有するものであればいずれでもよ
く、具体的には〔図1〕で示されるアミノ酸配列を有す
るポリペプチド(I;但しXは水素原子)や、その生物学的
もしくは免疫学的活性に必要な一部分のアミノ酸配列か
らなるフラグメントでもよく、例えばポリペプチド(I)
のアミノ末端から1個のアミノ酸(EPC公開9153
9号公報)または4個のアミノ酸を欠くフラグメント(特
願昭58−235638号,昭和58年12月13日出
願,明細書参照、特開昭60−126088号公報に対
応)やカルボキシル末端部分の数個のアミノ酸を欠くフ
ラグメントなどが挙げられ、さらに上記ポリペプチド
(I)の構成アミノ酸の一部が欠損しているか他のアミノ
酸に置換されたもの、例えば125位のシステイン残基
がセリン残基に置換されたもの(特開昭59−9309
3号公報)でもよい。これらのポリペプチドは、非グリ
コシル化ポリペプチドであることが好ましく、とりわけ
〔図1〕に示すアミノ酸配列を有するIL−2が好まし
い。以下の本願明細書においては、これらのインターロ
イキン−2をIL−2と略記し、それらのアミノ末端に
さらにメチオニン残基を有するインターロイキン−2を
Met−IL−2と略記することがある。
【0013】ここでインターフェロン−αとは天然のヒ
トインターフェロン−αと同様の生物学的もしくは免疫
学的活性例えばインターフェロンαレセプターや抗イン
ターフェロンα抗体との結合能を有するものであればい
ずれでもよく、例えば〔図2〕で示されるアミノ酸配列
を有するポリペプチド(II;但しXは水素原子)が挙げら
れる。さらにインターフェロン−αの生物学的もしくは
免疫学的活性に必要な一部分のアミノ酸配列からなるフ
ラグメントでもよく、たとえばポリペプチド(II)のアミ
ノ末端部分の数個のアミノ酸を欠くフラグメントやカル
ボキシル末端部分の数個のアミノ酸を欠くフラグメント
などが挙げられ、さらに上記ポリペプチド(II)の構成ア
ミノ酸の一部が欠損しているか他のアミノ酸に置換され
たものでもよい。とりわけインターフェロン−αAが好
ましい。これらのポリペプチドは非グリコシル化ポリペ
プチドであることが好ましい。以下の本願明細書におい
ては、これらのインターフェロン−αAをIFN−αA
と略記し、IFN−αAのアミノ末端にメチオニン残基
を有するIFN−αAをMet−IFN−αAと略記する
ことがある。上記蛋白質とそのアミノ末端にさらにメチ
オニン残基を有する蛋白質の混合物としては、混合蛋白
質として50%以上、好ましくは80%以上、とりわけ
99%以上の純度を有するものが用いられる。
【0014】本発明においては、上記混合物を等電点の
差異に基づく分離手段に付すことによりこれらを相互分
離することができる。なお、実施例1記載の方法によれ
ば、IL−2およびMet−IL−2の等電点はそれぞれ
7.7および7.5と算出された。また、実施例6記載の
方法によれば、IFN−αAおよびMet−IFN−αA
の等電点は、それぞれ6.2および6.3と算出された。
本発明における等電点の差異に基づく分離手段として
は、等電点の差が0.01〜0.2程度である蛋白質を相
互に分離する方法であればどんなものでも適用でき、た
とえばアンホラインを利用する密度勾配等電点電気泳動
法,ゲル等電点電気泳動法,等速度電気泳動法などの電場
の中で蛋白質を泳動させる方法やクロマトホーカシング
法,FPLC法(Fast Protein Liquid Chromatograph
y),DEAE(diethylaminoethyl)−,CM(carboxymethy
l)−またはSP(スルホプロピル)−イオン交換カラムク
ロマトグラフ法などの、溶出カラム等の荷電担体に付加
した蛋白質を、pH勾配または塩濃度勾配を作成して等
電点の差異をもたらす荷電の相異に従って担体から蛋白
質を順に脱離して溶出させる方法など自体公知の方法や
これらを組合せた方法などが挙げられる。これらの分離
法に用いられる試薬および器具類はいずれも市販されて
いるものであり容易に入手可能である。たとえばアンホ
ラインはLKB社(スエ−デン)から、ゲル等電点分離法
に用いるゲルはセファデックスIEFとしてファルマシ
ア社から、またPAG(ポリアクリルアミドゲル)プレー
トとしてLKB社から、クロマトホーカシング法の担体
および溶出緩衝液はポリバッファー交換体PBE94,
同PBE 118やポリバッファー74,ポリバッファー
96としてファルマシア社(スエ−デン)から、FPLC
法に用いるたとえばモノPカラムやモノQカラムおよび
溶出用緩衝液はファルマシア社から、DEAE−イオン
交換体はDEAE−トヨパールとして東洋曹達工業(株)
から、CM−イオン交換体はCM−トヨパールとして東
洋曹達工業(株)から、SPイオン交換体はSP−5PW
として東洋曹達工業(株)からあるいはSP−セファデッ
クスとしてファルマシア社から入手できる。〔メソッズ
・イン・エンザイモロジ−(Methods in Enzymology, 第5
巻,3−27頁(1962年)〕。
【0015】市販のたとえばPAGプレート(245×110
×1mm,LKB社製)を用いるゲル等電点電気泳動分離法
ではPAGプレートとしてpH3.5.−9.5用プレート,pH
5.5−8.5用プレートなどを、陽極液として1Mリン酸,
0.4M HEPES緩衝液などを、陰極液として1M水酸
化ナトリウム,0.1M水酸化ナトリウムなどを使用する。
通常プレート1枚あたり10〜1000μgの蛋白質を
のせて、電力は1〜200W,好ましくは10〜50W
で、温度は0〜20℃,好ましくは2〜5℃で泳動を行
う。泳動時間は0.5〜50時間,通常は1.5〜5時間
である。また市販のたとえばモノPカラム(0.5×20c
m,ファルマシア社製)を用いるFPLC法では平衡化緩
衝液として、たとえば0.025Mジエタノールアミン−塩
酸緩衝液(pH9.5),0.075Mトリスー酢酸緩衝液(pH9.3)
などを用い、溶出緩衝液として1%(v/v)ファルマライ
ト(8−10.5)−5.2%(v/v)ポリバッファー96−塩酸
緩衝液(pH7.0〜 8.0),10%(v/v)ポリバッファー9
6−塩酸緩衝液(pH6.0〜7.0)および10%(v/v)ポリ
バッファー96−酢酸緩衝液(pH6.0〜7.0)などを用い
る。通常、0.1〜 10mgの蛋白質をのせて、1〜50
ml/hの、好ましくは10〜30ml/hの流速でFPLC
を行う。
【0016】クロマトホーカシング法ではゲルとして市
販のPBE118およびPBE94(ファルマシア社製)
などを用い、平衡化緩衝液として0.025Mトリエチルア
ミン−塩酸緩衝液(pH11.0),0.025Mジエタノールアミ
ン−塩酸緩衝液(pH9.4)および0.025Mジエタノールア
ミン−酢酸緩衝液(pH9.4)などを、溶出緩衝液として2.
2%(v/v)ファルマライト(8−10.5)−塩酸緩衝液(pH
7.0〜8.0), 10%(v/v)ポリバッファー96−塩酸緩
衝液(pH7.0〜8.0)および10%(v/v)ポリバッファー
96−酢酸緩衝液(pH6.0〜7.0)などを用いる。カラム
のベッド容積としては蛋白質1gあたり0.01〜0.1,好ま
しくは100〜1000mlのものを用い、流速はSV=
0.01〜10,好ましくはSV=0.1〜1.0でクロマトフォ
ーカシングを行う。カラム温度は0〜30℃,好ましく
は2〜5℃に保つのがよい。本発明の分離法によれば、
蛋白質とそれにメチオニン残基を付加した蛋白質(Met
−蛋白質)はその等電点の差異に従って、電場中で泳動
するかもしくはpH勾配をつけたカラム中の担体から順
に脱離して溶出されるかして互いに分離される。特にp
H勾配や塩濃度勾配をつけずに、イオン交換体を用いる
イソクラチック溶出法を適用しても分離しうる。所望に
より上記の方法に従って分離した蛋白質のみを含む画分
およびそれにさらにメチオニン残基が付加した蛋白質を
含む画分から実質的に純粋な蛋白質およびそれにさらに
メチオニン残基が付加した蛋白質(Met−蛋白質)をそれ
ぞれ採取することができる。この目的のためには、自体
公知の塩折法,疎水クロマトグラフ法,ゲルろ過法,イオ
ン交換クロマトグラフ法や高速液体クロマトグラフ法な
どの蛋白質の精製に一般的に用いられる方法を適宜組み
合わせて用いればよい。
【0017】本発明は、遺伝子工学技術で製造した蛋白
質を、そのN−Met類似体など対応するMet−蛋白質を
実質的に含まないよう分離することを初めて可能ならし
めたものである。本発明により製造される蛋白質は、対
応するMet−蛋白質を重量比で3%以下、好ましくは2
%以下、とりわけ1以下しか含まないのである。同様
に、本発明は遺伝子工学技術で製造した Met−蛋白質
を、その対応する蛋白質を実質的に含まないよう分離す
ることを初めて可能ならしめたものである。本発明によ
り製造される Met−蛋白質は、対応する蛋白質を重量
比で3%以下、好ましくは2%以下、とりわけ1%以下
しか含まないものである。
【0018】これまでMet−IL−2およびMet−IF
N−αAを蛋白質として分離したとの報告はなく、本発
明ははじめて高度に精製されたMet−IL−2蛋白質お
よびMet−IFN−αA蛋白質をも提供するものであ
る。本発明により製造される蛋白質およびそれにメチオ
ニン残基が付加した蛋白質(Met−蛋白質)は、いずれも
天然の対応する蛋白質と同様の生物学的もしくは免疫学
的活性を有し、高純度に精製されており夾雑蛋白質、発
熱物質がきわめて少ないので注射剤原体等として安全に
使用される。本発明により得られるIL−2およびMet
−IL−2はいずれも正常なT細胞やナチュラルキラー
細胞をその機能を保持させたまま増殖させる活性を有す
る。したがって、本発明により得られるIL−2および
Met−IL−2は、それぞれT細胞やナチュラルキラー
細胞をインビトロで長期にわたり増殖,継代したりクロ
ーン化するのに使用できる。なお、この性質を利用して
ヒトIL−2の活性を測定することができる。
【0019】さらに、本発明により得られるIL−2お
よびMet−IL−2は、たとえば腫瘍抗原を認識し、破
壊する抗原特異的なキラーT細胞や抗原感作の経験の有
無と無関係に腫瘍を殺す能力をもつところのナチュラル
キラー細胞をインビトロで選択的に増殖させることがで
き、またこのキラーT細胞を生体へ移入する際に、本発
明により得られるILー2またはMet−IL−2を同時
に接種することにより、その抗腫瘍効果を増大させるこ
とから、温血動物(例、マウス,ラット,ウサギ,犬,ネコ,
ブタ,ウマ,ヒツジ,ウシ,人など)の腫瘍の予防,治療や免
疫機能低下疾患の治療のために用いることができる。本
発明により得られるIL−2およびMet−IL−2はそ
れぞれ夾雑蛋白質による抗原性がなく低毒性である。本
発明により得られるIL−2またはMet−IL−2を腫
瘍の予防,治療剤として用いるには、当該物質を自体公
知の担体と混合希釈して、たとえば注射剤,カプセル剤
などとして非経口的にまたは経口的に投与することがで
きる。さらに、前述したようにインビトロで増殖させた
キラーT細胞やナチュラルキラー細胞と共にまたは単独
で使用することができる。本発明のIL−2およびMet
−IL−2は、公知の天然から分離されたヒトIL−2
と実質的に同じ生物活性を有するのでこれと同様に使用
することができ、細胞のIL−2受容体との解離定数が
きわめて小さいことから、極く小量の投与で良い。T細
胞をインビトロで増殖させる目的に使用するためには、
本発明のIL−2またはMet−IL−2を約0.01〜
1ユニット/ml、好ましくは約0.1〜0.5ユニット/
mlの濃度で培地に添加して用いることができる。インタ
−ロイキン−2の生物活性の測定は、インタ−ロイキン
−2依存性細胞を用いる方法〔バイオケミカル・アンド・
バイオフィジカル・リサ−チ・コミュニケ−ションズ(Bio
chem. Biophys. Res. Commun.),109巻,363頁
(1982年)〕により行なうことができる。
【0020】T細胞をインビトロで増殖させる目的に使
用する具体例としては、たとえば、20%ウシ胎児血清
を含むRPMI 1640培地にヒト末梢血より分離し
たT細胞(1×106個/ml)およびX線 (1500ラッ
ド)照射したB細胞トランスフォーマント(1×106個
/ml)を加えて37℃,5% CO2存在下で3日間リン
パ球混合培養を行なって得られるアロ抗原感作T細胞を
含む細胞浮遊液に本発明のIL−2またはMet−IL−
2を0.1〜0.5ユニット/mlの濃度で加え約一週間ご
とに培地交換しながら約1か月間培養を続ける方法など
が挙げられる。本発明により得られるIFN−αAおよ
びMet−IFN−αAはいずれも細胞に作用してその細
胞を抗ウイルス状態にする活性を有する。なお、この性
質を利用してヒトIFN−αAの活性を測定することが
できる。さらに、本発明により得られるIFN−αAお
よびMet−IFN−αAは、抗ウイルス作用だけでな
く、細胞増殖抑制作用,抗体産生抑制作用,ナチュラル
キラー活性の増強作用などを併せもっている。本発明に
より得られるIFN−αAおよびMet−IFN−αAは
それぞれ夾雑蛋白質による抗原性がなく低毒性である。
本発明により得られるIFN−αAまたはMet−IFN
−αAを治療剤として用いるには、当該物質を自体公知
の担体と混合希釈して、たとえば、注射剤,カプセル剤
などとして非経口的にまたは経口的に投与することがで
きる。投与量は1日当たり1×106〜1×108ユニッ
ト,好ましくは5×107〜6×107ユニットである。
【0021】本願明細書,請求の範囲および図面におい
て、アミノ酸を略号で表示する場合、IUPAC−IU
B Commission on Biochemical Nomenclature によ
る略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくもの
であり、その例を次に挙げる。また、アミノ酸に関し光
学異性体がありうる場合は、特に明示しなければL−体
を示すものとする。 Gly : グリシン Ala : アラニン Val : バリン Leu : ロイシン Ile : イソロイシン Ser : セリン Thr : スレオニン Cys : システイン 1/2Cys : ハーフシスチン mCys : カルボキシメチルシスティン Met : メチオニン Gly : グルタミン酸 Asp : アスパラギン酸 Lys : リジン Arg : アルギニン His : ヒスチジン Phe : フェニールアラニン Tyr : チロシン Trp : トリプトファン Pro : プロリン Asn : アスパラギン Gln : グルタミン Asp/Asn : アスパラギン酸/アスパラギン Glu/Gln : グルタミン酸/グルタミン
【0022】
【実施例】以下の実施例および参考例により本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。なお参考例に開示した形質転換体、エシェ
リヒア・コリ(Escherichia coli)DH1/pTF4は財
団法人発酵研究所(IFO)にIFO−14299とし
て、また昭和59年4月6日から通商産業省工業技術院
微生物工業技術研究所(FRI)にFERM P−757
8として寄託され、 該寄託がブタペスト条約に基づく寄
託に切換えられて、 受託番号FERM BP−628と
して同研究所に保管されている。また、形質転換体エシ
ェリヒア・コリN4830/pTB285はIFOにI
FO−14437として、また昭和60年4月30日か
らFRIに FERMP−8199として寄託され、該
寄託がブタペスト条約に基づく寄託に切換えられて受託
番号FERM BP−852として同研究所に保管され
ている。
【0023】実施例1 FPLCによるIL−2とMet−IL−2との分離:参
考例1(iv)で得られたIL−2およびMet−IL−2の
混合物である非グリコシル化ヒトインターロイキシン−
2を含む0.005M酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.
0)(蛋白質濃度,1.18mg/ml)5ml(5.9mg)を0.0
25Mジエタノールアミン−塩酸緩衝液(pH9.4)で平
衡化したFPLC用モノPカラム(0.5×20cm,
ファルマシア社製)にのせ、ついで1%(v/v)ファルマ
ライト(8−10.5)−5.2%(v/v)ポリバッファー9
6−塩酸緩衝液(pH8.0)を用いてモノPカラムに吸着
したタンパク質を溶出した。なおFPLCは室温下、流
速30ml/hで行った。その結果、〔図2〕に示すよう
にpH8.0で溶出されるピーク1とpH7.9で溶出さ
れるピーク2とに分離された。そこで、これらを分取
後、FPLCで用いたポリバッファーを除去するため、
トリフルオロ酢酸−アセトニトリル系を溶出溶媒とする
高速液体クロマトグラフイーを行った。カラム,ウルト
ラポアRPSC(1.0×25cm,アルテックス社,アメ
リカ);カラム温度,30℃;溶出溶媒A,0.1%トリ
フルオロ酢酸−99.9%水;溶出溶媒B,0.1%トリ
フルオロ酢酸−99.9%アセトニトリル;溶出プログ
ラム,0分(55%A+45%B)−4分(55%A+4
5%B)−28分(42%A+58%B)−38分(34%
A+66%B)−43分(20%A+80%B)−44分
(55%A+45%B);溶出速度3.0ml/min。このク
ロマトグラフイーによって得られた溶液をそれぞれ凍結
乾燥に付し、白色粉末を得た。FPLCにおけるピーク
1およびピーク2から得られたものを、それぞれP1お
よびP2となずけた。P1の収量は1.12mg(19.0
%), P2の収量は3.01mg(51.0%)であった。次
に得られたP1およびP2について蛋白化学的分析を行
った。P1およびP2それぞれ 45μg(3nmol)を用
い、気相プロテインシークエンサー(アプライド・バイオ
システムズ社製470A型)を用いる自動エンドマン分
解法によりP1およびP2のアミノ末端アミノ酸配列を
決定した。フェニルチオヒダントインアミノ酸(PTH
−アミノ酸)はミクロパックSP−C18カラム(バリア
ン社製)を用いる高速液体クロマトグラフイーにより同
定した。各ステップで検出されたPTH−アミノ酸を
〔表1〕に示す。
【0024】
【表1】
【0025】カルボキシル末端アミノ酸の分析は次のよ
うにして行った。すなわちP1およびP2をヒドラジン
分解用ガラス管にとり、無水ヒドラジンを加えて減圧下
に封管したのち100℃で6時間加熱した。得られたヒ
ドラジン分解物をベンズアルデヒド処理したのち、遊離
アミノ酸を日立製835型アミノ酸分析計により測定し
た。その結果、P1およびP2ともにスレオニンのみが
検出され、回収率はそれぞれ34.8%および34.0%
であった。このことからP1およびP2のカルボキシル
末端アミノ酸はスレオニンと同定された。アミノ酸組成
分析は4%チオグリコール酸を含む定沸点塩酸を加えて
減圧下に封管後、110℃で24,48,72時間、加
水分解し、日立製835型アミノ酸分析計により実施し
た。シスチンおよびシステインは過ギ酸酸化したのち、
減圧下定沸点塩酸中で24時間加水分解してアミノ酸分
析計によりシステイン酸として定量した。アミノ酸分析
値は24,48および72時間の加水分解で得られた値
を平均して求めた。ただし、セリンおよびスレオニンの
値は加水分解時間を0時間に外挿して求めた。その結果
を〔表2〕に示す。アミノ末端アミノ酸配列分析および
アミノ酸組成分析の結果から、P1は〔図1〕中X=水
素原子で示される分子種(IL−2)を、P2は〔図1〕
中X=メチオニン残基で示される分子種(Met−IL−
2)をそれぞれ98%および99%以上の純度で含んで
いることが確認された。
【0026】
【表2】
【0027】次にアンフォラインPAGプレート(LK
B社製)を用いてP1およびP2の等電点を測定した結
果を〔図3〕に示す。原料として用いたIL−2および
MetIL−2の混合物である非グリコシル化ヒトインタ
ーロイキン−2は等電点電気泳動では2本のバンドを示
すのに対し、本実施例で得られたP1およびP2は、そ
れぞれ互いに泳動距離の異なる1本のバンドとして泳動
された。また、泳動後のPAGプレート断片のpHを測
定することにより、P1(IL−2)の等電点は7.7、
P2(MetIL−2)の等電点は7.5と算出された。さ
らに、得られたP2に関して以下のようにしてトリプシ
ン消化を行いペプチドマップを得た。すなわち、50μ
gのP2を含む0.02M炭酸水素ナトリウム溶液(pH
8.0)100μlに、1.25μgのTPCK−トリプシ
ン(ワシントン社製,アメリカ)を加えて37℃で28時
間反応させた。反応液に1%(v/v)トリフルオロ酢酸4
00μlを加えて反応を停止させた。得られた消化液に
ついて下記の条件下で高速液体クロマトグラフイーを行
い〔図4〕に示すマップを得た。 高速液体クロマトグラフ:バリアン社(アメリカ)504
0型 カラム:ヌクレオシル5C18(マヘレーナーゲル社
製,西ドイツ) カラム温度:30℃ 溶出溶媒: A液,0.1%トリフルオロ酢酸−99.9%水(v/v) B液,0.1%トリフルオロ酢酸−99.9%アセトニト
リル(v/v) 溶出プログラム:0分(85%A+15%B)−15分
(72%A+28%B)-16分(64%A+36%B)−
80分(40%A+60%B)−85分(15%A+85
%B) 〔直線勾配〕 溶出速度:3.0ml/分 検出法:オルトフタールアルデヒド法〔Anal.,Chem.,
第43巻,880頁(1971年)〕によるポストラベル法
【0028】実施例2 クロマトホーカシングによるIL−2とMet−IL−2
との分離:参考例1(iv)で得られたIL−2およびMet
−IL−2の混合物である非グリコシル化ヒトインター
ロイキンー2を含む0.005M酢酸アンモニウム緩衝
液(pH5.0)(蛋白質濃度,1.09mg/ml)500ml(5
45mg)を0.025Mジエタノールアミン−塩酸緩衝液
(pH9.4)で平衡化したPBE94(ファルマシア社
製)カラム(2.7×87cm)にのせ、ついで溶出液として
1%(v/v)ファルマライト(8−10.5)−5.2%(v/
v)ポリバッファー96−塩酸緩衝液(pH8.0)を用い
てクロマトホーカシングを行った。なお、この操作は4
℃,流速200ml/hで行った。その結果、〔図5〕に示
すように、pH8.5で溶出されるピーク1とpH8.3
で溶出されるピーク2とに分離された。実施例1で示し
た同様の方法でポリバッアーを除去した後のタンパクの
収量はピーク1で94.8mg(17.4%),ピーク2で3
36mg (61.6%)であった。また、アミノ末端アミノ
酸分析をダンシル化反応後、塩酸加水分解し、生じたダ
ンシルアミノ酸をミクロパックSPカラムを用いる高速
液体クロマトグラフイーで検出する方法で行った結果、
ピーク1はIL−2を99.6%以上の純度でピーク2
はMet−IL−2を99.5%以上の純度で含んでいる
ことが確認された。
【0029】実施例3 DEAE−トヨパールイオン交換クロマトグラフイーに
よるIL−2とMet−IL−2との分離:参考例1(iv)
で得られたIL−2およびMet−IL−2の混合物であ
る非グリコシル化ヒトインターロイキン−2を含む0.
005M酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)(蛋白質濃
度:1.03mg/ml)10ml(10.3mg)に等容の10mM
トリス−塩酸緩衝液(pH9.0)を加えてpHを8.5に
調整したのち、10mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)
で平衡化したDEAE−トヨパール650M(東洋曹達
工業(株)製)カラム(1.0×64cm)にのせ、10mMト
リス−塩酸緩衝液(pH8.5)1Lと10mMトリス−塩
酸緩衝液(pH7.0)1Lを用いるpH勾配法で溶出を行
った。なお、この操作は4℃,流速100ml/hで行っ
た。その結果、分離能はFPLCやクロマトフォーカシ
ングに比べて劣っていたが、2つのピーク(ピーク1と
ピーク2)が検出された。それぞれのピークが重なり合
わないように、ピーク1は前半分をピーク2は後半分を
分取した。収量はピーク1で0.82mg(8.0%),ピー
ク2で1.98mg (19.2%)であった。また、ダンシ
ル法によるアミノ末端アミノ酸分析の結果、ピーク1は
IL−2を90%以上,ピーク2はMet−IL−2を9
5%以上含んでいることが確認された。
【0030】実施例4 FPLCによるIL−2とMet−IL−2との分離:参
考例1(iii)で得られたIL−2およびMet−IL−2
を含む非グリコシル化ヒトインターロイキンー2部分精
製標品5mlを、0.025Mジエタノールアミンー塩酸
緩衝液(pH9.4)で平衡化したFPLC用モノPカラム
(0.5×20cm,ファルマシア社製)にのせ、ついで1
%(v/v)ファルマライト(8〜10.5)−5.2%(v/v)
ポリバッファー96−塩酸緩衝液(pH8.0)を用いて
モノPカラムに吸着した蛋白質を溶出した。溶出速度:
25ml/h,カラム温度:室温。その結果、IL−2を
含む画分(ピーク1)とMet−IL−2を含む画分(ピー
ク2)とに分離された。ピーク1の活性回収率は25
%,ピーク2の活性回収率は54%であった。
【0031】実施例5 SP−5PWカラムによるIL−2とMet−IL−2と
の分離:参考例2で得られたIL−2およびMet−IL
−2の混合物である非グリコシル化ヒトインターロイキ
ン−2を含む0.005M酢酸アンモニウム緩衝液(pH
5.0,蛋白質濃度1.03mg/ml)0.5mlを0.025M
リン酸緩衝液(pH7.4)で平衡化した高速液体クロマ
トグラフィー用SP−5 PWカラム(0.75×7.5c
m;東洋曹達社製)にのせ0.025Mリン酸緩衝液(pH
7.4)を用いて蛋白質を溶出した。 カラム温度は35℃
に、緩衝液の流速は0.5ml/minに設定した。クロマト
グラフシステムはバリアン社製5500型液体クロマト
グラフを用いた。 その結果〔図7〕に示すように、非
グリコシル化インターロイキン−2は2つのピーク(ピ
ークAおよびピークB)として溶出された。それぞれの
ピークを分取し(図中太実線で示す)アミノ末端アミノ酸
の分析を行った結果、ピークAはMet−IL−2を、ピ
ークBはIL−2をそれぞれ99.5%以上の純度で含
んでいることが確認された。
【0032】実施例6 FPLCによるIFN−αAとMet−IFN−αAとの
分離:参考例3に記載の方法によって得られたIFN−
αAおよびMet−IFN−αAの混合物である非グリコ
シル化ヒトインターフェロンαAを含む0.12M塩化
ナトリウム−0.025M酢酸アンモニウム緩衝液(pH
5.0)(蛋白質濃度,2.96mg/ ml)1.0ml(2.96m
g)を0.025Mイミダゾール−塩酸緩衝液(pH6.7)
で平衡化したPD−10カラム(1.5×5cm,ファルマ
シア社製)にのせ脱塩を行った。 このようにして得られ
た非グリコシル化ヒトインターフェロンαAを含む溶出
液(蛋白質濃度,1.58mg/ml)1.5ml(2.37mg)を
0.025Mイミダゾール−塩酸緩衝液 (pH6.7)で
平衡化したFPLC用モノPカラム(0.5×20cm,フ
ァルマシア社製)にのせ、 ついで10%(V/V)ポリバッフ
ァー74−塩酸緩衝液(pH5.5)を用いてモノPカラ
ムに吸着した蛋白質を溶出した。なおFPLCは室温
下、流速30ml/hで行った。 その結果、〔図8〕に示す
ようにpH5.6で溶出されるピークIとpH5.4で溶
出されるピークIIとして分離された。そこで、 これらを
分取後、 FPLCで用いたポリバッファーを除去するた
め、トリフルオロ酢酸−アセトニトリル系を溶出溶媒と
する高速液体クロマトグラフィーを行った。カラム,ウ
ルトラポアRPSC(1.0×25cm,アルテックス社
製);カラム温度,30℃;溶出溶媒A,0.1%トリフ
ルオロ酢酸−99.9%水;溶出溶媒B,0.1%トリフ
ルオロ酢酸−99.9%アセトニトリル;溶出プログラ
ム,0分(60%A+40%B)−45分(45%A+5
5%B)−46分(60%A+40%B);溶出速度3.0
ml/min。このクロマトグラフィーによって得られた溶液
をそれぞれ凍結乾燥に付し、 白色粉末を得た。 FPLC
におけるピークIおよびピークIIから得られたものを、
それぞれPIおよびPIIとなずけた。PIの収量は0.
723mg(24.4%),PIIの収量は0.945mg(31.
9%)であった。
【0033】次に得られたPIおよびPIIについて蛋白
化学的分析を行った。PIおよびPIIを還元カルボキシ
メチル化したのち、それぞれ40μg(2.1nmol)を用
い、 気相プロティンシークエンサー(アプライド・バイオ
システムズ社製470A型)を用いる自動エドマン分解
法によりPIおよびPIIのアミノ末端アミノ酸配列を決
定した。 フェニルチオヒダントインアミノ酸(PTH−
アミノ酸)はミクロ パックSP−C18カラム(バリア
ン社製)を用いる高速液体クロマトグラフィーにより同
定した。 各ステップで検出されたPTH−アミノ酸を
〔表3〕に示す。
【0034】
【表3】
【0035】カルボキシル末端アミノ酸の分析を実施例
1と同様にして行った結果、PIおよびPIIともにグル
タミン酸のみが検出され回収率はそれぞれ12.5%お
よび14.3%であった。アミノ酸組成分析を実施例1と
同様にして行った結果を〔表4〕に示す。アミノ末端ア
ミノ酸配列分析およびアミノ酸組成分析の結果から、P
Iは〔図2〕中X=メチオニン残基で示される分子種
(Met−IFN−αA)を、PIIは〔図2〕中X=水素原
子で示される分子種(IFN−αA)をそれぞれ98%以
上の純度で含んでいることが確認された。
【0036】
【表4】
【0037】また、アンフォラインPAGプレート(L
KB社製)を用いてPIおよびPIIの等電点を測定した
結果、PI(Met−IFN−αA)の等電点は6.3,PI
I(IFN−αA)の等電点は6.2と算出された。
【0038】実施例7 IL−2注射用製剤:実施例1で得られたIL−2含有
溶液を、0.025M酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.
0)で平衡化したCMトヨパール(東洋曹達工業(株))カ
ラムに無菌条件下で吸着させ、0.15MのNaClを含
む上記緩衝液で溶出させる。溶出液に0.15MNaCl
を適宜加えて希釈し、HSAを0.5%になるように添
加してメンブランフイルター(孔径0.22μm)を用いて
ろ過後、得られたろ液を無菌的に1mlずつバイアル瓶に
分注して凍結乾燥し、注射用IL−2を調製する。本注
射用製剤は、用時注射用蒸留水1mlに溶解する。
【0039】実施例8 IFN−αA注射用製剤:実施例6で得られたIFN−
αA含有溶液を、0.025M酢酸アンモニウム緩衝液
(pH5.0)で平衡化したCMトヨパール(東洋曹達工業
(株))カラムに無菌条件下で吸着させ、0.15MのNa
Clを含む上記緩衝液で溶出させる。溶出液に0.15M
NaClを適宜加えて希釈し、HSAを0.5%になるよ
うに添加してメンブランフィルター(孔径0.22μm)を
用いてろ過後、得られたろ液を無菌的に1mlずつバイア
ル瓶に分注して凍結乾燥し、注射用IFN−αAを調製
する。本注射用製剤は、用時注射用蒸留水1mlに溶解す
る。上記注射用製剤は、それぞれ上記精製IL−2およ
びIFN−αAを、精製Met−IL−2およびMet−I
FN−αAに置き換えることにより、Met−IL−2お
よびMet−IFN−αAの注射用製剤とすることができ
る。
【0040】参考例1 非グリコシル化ヒトインターロイキン−2の製造I: (i)形質転換体の培養:形質転換体E.coli DH1/p
TF4〔特願昭58−225079号(昭和58年11
月28日出願)明細書参照;該出願は特開昭60−11
5528号公報に対応する〕を250ml容三角フラスコ
内のバクト・トリプトン(デイフコ・ラボラトリーズ,ア
メリカ)1%,バクト・イーストエキス(デイフコ・ラボラ
トリーズ,アメリカ)0.5%,食塩0.5%およびテト
ラサイクリン7μg/mlを含む液体培地(pH7.0)50
mlに接種して37℃で1晩回転振盪培養した。この培養
液をカザミノ酸0.5%,グルコース0.5%およびテト
ラサイクリン7μg/mlを含むM9培地2.5Lの入った
5L容ジャーファーメンターに移し37℃で4時間、つ
いで3−βインドリルアクリル酸(25μg/ml)を添加
して、さらに4時間通気撹拌培養して培養液2.5Lを得
た。この培養液を遠心分離し、菌体を集め、−80℃で
凍結して保存した。 (ii)抽出:上記で得た凍結保存菌体12.1gを7M塩酸
グアニジン,0.1MTris・HClを含む抽出液(pH7.
0)100mlに均一に懸濁し、4℃で1時間撹拌した。
この溶菌液を28,000×gで20分間遠心分離して上
清93mlを得た。
【0041】(iii)インターロイキン−2蛋白質の部分
精製:上記で得た上清を0.01MTris・HCl緩衝液
(pH8.5)に対して透析後19,000×gで10分間
遠心分離して透析上清94mlを得た。この透析上清を
0.01MTris−HCl緩衝液(pH8.5)で平衡化した
DE52(DEAE−セルロース,ワットマン社製,イ
ギリス)カラム(50ml容)に通して蛋白を吸着後、NaC
l濃度直線勾配(0〜0.15MNaCl,1L)を作成して
IL−2を溶出させ、活性画分53mlを得た。 (iv)インターロイキン−2蛋白質の精製:上記の活性画
分53mlをYM−5メンブラン(アミコン社製,アメリ
カ)を用いて4.8mlに濃縮し、0.1MTris・HCl(pH
8.0)−1MNaCl緩衝液で平衡化したセファクリルS
−200(ファルマシア社製,スエーデン)カラム(50
0ml容)を用いてゲルろ過を行った。活性画分28mlを
YM−5メンブランで2.5mlに濃縮した。得られた濃
縮液をウルトラポアRPSC(アルテックス社製,アメ
リカ)カラムに吸着させ、トリフルオロ酢酸−アセトニ
トリル系を溶出溶媒とする高速液体クロマトグラフイー
を行った。カラム,ウルトラポアRPSC(4.6×75
mm);カラム温度,30℃;溶出溶媒A,0.1%トリフ
ルオロ酢酸−99.9%水;溶出溶媒B,0.1%トリフ
ルオロ酢酸−99.9%アセトニトリル;溶出プログラ
ム,0分(68%A+32%B)−25分(55%A+4
5%B)−35分(45%A+55%B)−45分(30%
A+70%B)−48分(100%B);溶出速度,0.8
ml/min;検出波長,230nm。本条件下で保持時間約
39分の活性画分を集め、非グリコシル化ヒトインター
ロイキン−2蛋白質0.53mg〔比活性,30,000U
/mg,出発材料からの活性回収率,30.6%;蛋白質
の純度,99%(デンシトメトリーによる)〕を含む溶液
10mlを得た。なお上記溶液の凍結乾燥品(白色粉末)の
比活性は26,000U/mgであった。
【0042】参考例2 非グリコシル化ヒトインターロイキン−2の製造II: (i)発現用プラスミドの構築:ヒトIL−2遺伝子を有
するプラスミドpILOT 135−8〔特願昭58−
225079号(昭和58年11月28日出願)明細書(特開昭
60−115528号公報に対応)実施例1(vii)参照〕
を制限酵素HgiAIで切断した。 得られた1294bpDN
A断片をT4DNAポリメラーゼで平滑末端とし、T4
DNAリガーゼを用いて、EcoRIリンカー dTGCCATGAATT
CATGGCA を結合させた。 得られたDNAをEcoRIで消化
し、翻訳開示コドンATG およびヒトIL−2遺伝子を有
するDNA断片を得た。このDNA断片を、あらかじめ
EcoRI-PstI 部位を消化したptrp781〔ヌクレイック・ア
シズ・リサーチ,第11巻,3077頁(1983)〕にT4DNAリ
ガーゼを用いて挿入した。かくして得られた発現用プラ
スミドpTF1はtrpプロモーターの下流に翻訳開示コ
ドンとヒトIL−2遺伝子を有する〔図9〕。プラスミ
ドpTF1を制限酵素StuIで切断し、 Bam HIリンカーと
結合させた。このプラスミドDNAを制限酵素Bam HIお
よびEcoRIで処理し、 ついでEcoRI−Bam HI部位にλPLプ
ロモーターを有するプラスミドpTB281に挿入した。 かく
して得た発現用プラスミドをpTB285と命名した〔図1
0〕。 (ii)形質転換体の製造:上記で得たプラスミドpTB2
85でエシェリヒア・コリN4830をコーエンらの方
法〔プロシージングス・オブ・ナショナル・アカデミー
・オブ・サイエンス(Pro. Natl. Acad. Sci.USA), 第69
巻, 2110頁(1972)〕に従い形質転換し、上記プラスミド
を含有する形質転換体エシェリヒア・コリN4830/
pTB285を得た。
【0043】(iii)形質転換体の培養:形質転換体E. c
oli N4830/pTB285を250ml容フラスコ内
のバクト・トリプトン(ディフコ・ラボラトリーズ,アメリ
カ)1%,バクト・イーストエキス(ディフコ・ラボラトリ
ーズ,アメリカ)0.5%,食塩0.5%およびアンピシリ
ン50μg/mlを含む液体培地(pH 7.0)50mlに接種して
37℃で一晩回転振盪培養した。この培養液をカザミノ
酸0.5%,グルコース0.5%およびアンピシリン50
μg/mlを含むM9培地2.5Lの入った5L容ジャーファ
ーメンターに移し35℃で6時間、ついで42℃でさらに
3時間通気撹拌培養して培養液2.5Lを得た。 この培養
液を遠心分離し、 菌体を集め、−80℃で凍結して保存
した。 (iv)抽出:凍結菌体20gを7M塩酸グアニジン0.1M
Tris-HClを含む抽出(pH 7.0)100mlに均一に懸濁し、
4℃で1時間撹拌した後、28,000×gで20分間
遠心分離し上清を得た。
【0044】(v)インターロイキン−2蛋白質の部分精
製:得られた上清を0.01M Tris-HCl緩衝液(pH 8.5)
に対して透析後19,000×gで10分間遠心分離し
て得た上清を0.01M Tris-HCl緩衝液(pH 8.5)で平衡
化したDE52(DEAE−セルロース,ワットマン社
製,イギリス)カラム(50ml容)に通して蛋白を吸着後、
NaCl濃度直線勾配(0〜0.15M NaCl,1L)を作成して、
IL−2を溶出させ、活性画分を得た。 (vi)インターロイキン−2蛋白質の精製:上記で得られ
た活性画分をYM−5メンブラン(アミコン社製,アメリ
カ)を用いて、5mlに濃縮し、0.1M Tris-HCl(pH 8.0)
−1M NaCl緩衝液で平衡化したセファクリルS−200
(ファルマシア製,スウエーデン)カラム(500ml容)を用い
てゲルろ過を行った。 活性画分40mlをYM−5メンブ
ランで3mlに濃縮した。得られた濃縮液を、ウルトラポ
ア RPSC(アルテックス社製,アメリカ)カラムに吸着
させ、 トリフルオロ酢酸−アセトニトリル系を溶出溶媒
とする高速液体クロマトグラフィーを行った。カラム,
ウルトラポアRPSC(4.6×75mm);カラム温度,30℃:
溶出溶媒A, 0.1%トリフルオロ酢酸−99.9%水; 溶出
溶媒B, 0.1%トリフルオロ酢酸−99.9%アセトニトリ
ル; 溶出プログラム, 0分(68%A+32%B)−25分(55
%A+45%B)−35分(45%A+55%B)−45分(30%A+7
0%B)−48分(100%B); 溶出速度, 0.8ml/min; 検出
波長, 230nm。 本条件下で保持時間約39分の活性画分,Ala−IL−2
およびMet−Ala−IL−2の混合物10mlを集めた。
【0045】参考例3 非グリコシル化ヒトIFN−αAの製造: (i)形質転換体の培養:〔図2〕に示すアミノ酸配列を
コードするヒトIFN−αA遺伝子を組入れた発現プラ
スミドを持つエシェリヒア・コリ294(ATCC 31
446)/pLeIFAtrp25〔EPC公開第439
80号公報実施例I参照〕を、M−9培地にグルコース
25g/L, L−グルタミン酸ナトリウム4g/L, FeCl3・6H
2O 27mg/L, CuSO4・5H2O 8mg/L, ZnSO4・7H2O 8mg/L,
ビタミンB1塩酸塩70mg/L, 塩酸テトラサイクリン5m
g/L, L−プロリン50mg/LおよびL−ロイシン50mg/
Lを添加した培地(合成培地)夫々2.5Lを仕込んだ5L容
ジャーファーメンターへ接種し、 通気2.5L/分,撹拌1
000r.p.m.,37℃で培養を開始し、 途中OD300
0KU で33℃, 5000KUで29℃,7000KU
で25℃に温度を下げて48時間培養を続けた。 培養中
溶存酵素濃度は5%以上に保たれた。途中培養液中のグ
ルコース濃度が1%以下に低下した時、25g/Lの割合
でグルコースを添加した。 (ii)抽出:(i)で得られた培養液2Lを遠心分離して菌体
を集め、 これを100mlの10%シュクロース,0.2
M NaCl, 10mMエチレンジアミンテトラアセテート(ED
TA), 10mMスペルミジン,2mM フェニルメチルスル
ホニルフルオライド(PMSF), 0.2mg/mlリゾチーム
を含む50mM Tris−HCl(pH 7.6)に懸濁し、 4℃で1時
間撹拌したのち、37℃で5分間保温し、これをさらに
超音波破砕器(アルテック社製,米国)で、0℃40秒処理
した。 この溶菌液を11,300×gで1時間遠心分離
して上清95mlを集めた。
【0046】(iii)IFN−αA蛋白質の精製:この上
清95mlを1mM EDTA, 0.15M NaClを含む20mM
Tris−HCl(pH7.6)(TEN)で300mlに希釈したのち、
抗IF−αA抗体カラム(20ml)にかけた。TENで十
分洗浄したのち、さらに0.1%トゥイーン20(和光純
薬工業株式会社製)を含む0.2M酢酸でIF−αAを溶
出し活性画分を集め、pH4.5に調整したのちCMセル
ロースカラムに吸着させ、十分洗浄後、0.15M NaCl
を含む0.025M酢酸アンモニウム緩衝液(pH 5.0)にて
溶出した。 再び活性画分を集めて凍結乾燥に付し320
mgのヒト白血球IF−αA粉末を得た。このもののSD
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量
は、19000±1000であった。 また、 ここで得ら
れた最終のヒト白血球IF蛋白質の比活性は2×108U
/mg であった。 また、 その他の理化学的性状, アミノ酸
組成,ペプチドマッピングにおいて、 従来の培地で生産
される遺伝子組換えヒト白血球IFと全く同一の挙動を
示した。
【0047】
【発明の効果】本発明により蛋白質と該蛋白質にさらに
メチオニン残基が付加した蛋白質との相互分離が可能で
ある。該分離方法により得られる蛋白質は、それぞれ医
薬品等として有用である。
【0048】
【配列表】
【配列番号:1】 配列の長さ:133−134 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク 配列の特徴:Xは水素原子またはメチオニン残基を示
す。 配列 X-Ala Pro Thr Ser Ser Ser Thr Lys Lys Thr Gln Leu Gln Leu Glu 5 10
15 His Leu Leu Leu Asp Leu Gln Met Ile
Leu Asn Gly Ile Asn Asn Tyr 20 25
30 Lys Asn Pro Lys Leu Thr Arg Met Leu
Thr Phe Lys Phe Tyr Met Pro 35 40
45 Lys Lys Ala Thr Glu Leu Lys His Leu
Gln Cys Leu Glu Glu Glu Leu 50 55
60 Lys Pro Leu Glu Glu Val Leu Asn Leu
Ala Gln Ser Lys Asn Phe His 65 70
75 80 Leu Arg Pro Arg Asp Leu Ile Ser Asn
Ile Asn Val Ile Val Leu Glu 85
90 95 Leu Lys Gly Ser Glu Thr Thr Phe Met
Cys Glu Tyr Ala Asp Glu Thr 100 105
110 Ala Thr Ile Val Glu Phe Leu Asn Arg
Trp Ile Thr Phe Cys Gln Ser 115 120
125 Ile Ile Ser Thr Leu Thr 130
【0049】
【配列番号:2】 配列の長さ:165−166 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク 配列の特徴:Xは水素原子またはメチオニン残基を示す 配列 X−Cys Asp Leu Pro Gln Thr His Ser Le
u Gly Ser Arg Arg Thr Leu 5 10
15 Met Leu Leu Ala Gln Met Arg Lys Ile
Ser Leu Phe Ser Cys Leu Lys 20 25
30 Asp Arg His Asp Phe Gly Phe Pro Gln
Glu Glu Phe Gly Asn Gln Phe 35 40
45 Gln Lys Ala Glu Thr Ile Pro Val Leu
His Glu Met Ile Gln Gln Ile 50 55
60 Phe Asn Leu Phe Ser Thr Lys Asp Ser
Ser Ala Ala Trp Asp Glu Thr 65 70
75 80 Leu Leu Asp Lys Phe Tyr Thr Glu Leu
Tyr Gln Gln Leu Asn Asp Leu 85
90 95 Glu Ala Cys Val Ile Gln Gly Val Gly
Val Thr Glu Thr Pro Leu Met 100 105
110 Lys Glu Asp Ser Ile Leu Ala Val Arg
Lys Tyr Phe Gln Arg Ile Thr 115 120
125 Leu Tyr Leu Lys Glu Lys Lys Tyr Ser
Pro Cys Ala Trp Glu Val Val 130 135
140 Arg Ala Glu Ile Met Arg Ser Phe Ser
Leu Ser Thr Asn Leu Gln Glu 145 150
155 160 Ser Leu Arg Ser Lys Glu 165
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で得られた非グルコシル化ヒトインタ
ーロイキシン−2蛋白質のアミノ酸配列(図中Xは、水
素原子またはメチオニン残基を表わす)を示す。
【図2】参考例3で得られた非グリコシル化ヒトインタ
ーフェロン−αA蛋白質のアミノ酸配列(図中Xは、水
素原子またはメチオニン残基を表わす)を示す。
【図3】実施例1におけるFPLCの結果を示す。
【図4】実施例1における等電点電気泳動の結果を示
す。
【図5】実施例1におけるトリプシン消化ペプチドマッ
ピングの結果を示す。
【図6】実施例2におけるクロマトホーカシングの結果
を示す。
【図7】実施例5におけるSP−5PWイオン交換クロ
マトグラフィーの結果を示す。
【図8】実施例6におけるFPLCの結果を示す。
【図9】参考例3におけるプラスミドpTF1の構築図
を示す。
【図10】参考例3におけるpTB285の構築図を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 14/52 ZNA C07K 14/52 ZNA 14/575 14/575 14/745 14/745 14/76 14/76

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛋白質および該蛋白質にメチオニン残基が
    付加し、該蛋白質と同様の生理活性を有する蛋白質の混
    合物を等電点の差異に基づく分離手段に付すことを特徴
    とする蛋白質と該蛋白質にメチオニン残基が付加した蛋
    白質との相互分離方法。
  2. 【請求項2】分離工程が(i)電場の中で蛋白質の混合物
    を泳動させる方法、または(ii)荷電担体に付加した蛋白
    質の混合物を、pH勾配または塩濃度勾配を作成して等
    電点の差異をもたらす荷電の相異に従って担体から順に
    脱離して溶出させる方法である請求項1記載の分離方
    法。
  3. 【請求項3】電場の中で蛋白質の混合物を泳動させる方
    法が、密度勾配等電点電気泳動法,ゲル等電点電気泳動
    法または等速度電気泳動法である請求項2記載の分離方
    法。
  4. 【請求項4】荷電担体に付加した蛋白質の混合物を荷電
    の相異に従って担体から順に脱離して溶出させる方法
    が、クロマトホ−カシング法,ファ−スト・プロテイン
    ・リキッド・クロマトグラフ法,ジエチルアミノエチル
    −イオン交換カラムクロマトグラフ法,カルボキシメチ
    ル−イオン交換カラムクロマトグラフ法またはスルホプ
    ロピル−イオン交換カラムクロマトグラフ法である請求
    項2記載の分離方法。
  5. 【請求項5】メチオニン残基が付加した蛋白質が、アミ
    ノ末端に付加したメチオニン残基を有する蛋白質である
    請求項1記載の分離方法。
  6. 【請求項6】付加したメチオニン残基が、蛋白質のアミ
    ノ末端のみである請求項5記載の分離方法。
  7. 【請求項7】蛋白質および該蛋白質にメチオニン残基が
    付加した蛋白質が、遺伝子工学技術で製造された蛋白質
    である請求項1記載の分離方法。
  8. 【請求項8】蛋白質が、サイトカイン,ペプチドホルモ
    ン,病原性微生物抗原蛋白質, 酵素または血中蛋白成分
    である請求項1記載の分離方法。
  9. 【請求項9】蛋白質の分子量が約3,000〜50,00
    0である請求項1記載の分離方法。
  10. 【請求項10】分子量が5,000〜30,000である
    請求項9記載の分離方法。
  11. 【請求項11】蛋白質が30〜500のアミノ酸からな
    る蛋白質である請求項1記載の分離方法。
  12. 【請求項12】50〜300のアミノ酸からなる蛋白質
    である請求項11記載の分離方法。
  13. 【請求項13】蛋白質と該蛋白質にメチオニン残基が付
    加した蛋白質の等電点が約4〜11である請求項1記載
    の分離方法。
  14. 【請求項14】蛋白質と該蛋白質にメチオニン残基が付
    加した蛋白質の等電点が約5〜8である請求項1記載の
    分離方法。
  15. 【請求項15】蛋白質と該蛋白質にメチオニン残基が付
    加した蛋白質との等電点の差が約0.01以上である請
    求項1記載の分離方法。
  16. 【請求項16】蛋白質と該蛋白質にメチオニン残基が付
    加した蛋白質との等電点の差が約0.1以上である請求
    項1記載の分離方法。
  17. 【請求項17】蛋白質と該蛋白質にメチオニン残基が付
    加した蛋白質との等電点の差が約0.01〜0.2である
    請求項1記載の分離方法。
  18. 【請求項18】蛋白質と該蛋白質にメチオニン残基を有
    する蛋白質が非グリコシル化蛋白質である請求項1記載
    の分離方法。
  19. 【請求項19】蛋白質がサイトカインである請求項1記
    載の分離方法。
  20. 【請求項20】サイトカインがインタ−フェロンである
    請求項19記載の分離方法。
  21. 【請求項21】インタ−フェロンがインタ−フェロン−
    αである請求項20記載の分離方法。
  22. 【請求項22】インタ−フェロン−αが図2(但しXは
    水素原子を示す)で表わされるアミノ酸配列からなる非
    グリコシル化蛋白質である請求項21記載の分離方法。
  23. 【請求項23】蛋白質と該蛋白質にメチオニン残基が付
    加した蛋白質の混合物の純度が約50%以上である請求
    項1記載の分離方法。
  24. 【請求項24】蛋白質と該蛋白質にメチオニン残基が付
    加した蛋白質の混合物の純度が約99%以上である請求
    項1記載の分離方法。
  25. 【請求項25】非グリコシル化インタ−フェロン−αA
    とそのアミノ末端にさらにメチオニン残基を有する非グ
    リコシル化インタ−フェロン−αAとの混合物を、ファ
    −スト・プロテイン・リキッド・クロマトグラフ法に付
    し、非グリコシル化インタ−フェロン−αAとそのアミ
    ノ末端にさらにメチオニン残基を有する非グリコシル化
    インタ−フェロン−αAとを相互に分離する請求項1記
    載の分離方法。
  26. 【請求項26】非グリコシル化インタ−フェロン−αA
    が図2(但しXは水素原子を示す)で表わされる非グリコ
    シル化インタ−フェロン−αAである請求項25記載の
    分離方法。
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