JPH09100356A - 導電性粉末含有成形体及び荷重検知方法 - Google Patents
導電性粉末含有成形体及び荷重検知方法Info
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- JPH09100356A JPH09100356A JP7255197A JP25519795A JPH09100356A JP H09100356 A JPH09100356 A JP H09100356A JP 7255197 A JP7255197 A JP 7255197A JP 25519795 A JP25519795 A JP 25519795A JP H09100356 A JPH09100356 A JP H09100356A
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Abstract
低い荷重を検知できる機能を、成形体自身に付与する。 【解決手段】通電状態を測定可能に導電性粉末30を含
んでなる導電性相20を、成形体10に一体に設ける。
成形体10に荷重がかかると、導電性相20の導電性粉
末の粒子30の接触状態が変化して、導電性相20にお
ける通電状態が変化するため、荷重の変化を通電状態の
変化として検知できる。
Description
荷重履歴検知機能を有する成形体及び荷重検知方法に関
する。
体は、様々な成形材料から様々な形態、大きさに成形さ
れて、各種部材や構造体として用いられている。かかる
成形体の材料は、近年、材料の複合化がすすみ、繊維等
の強化材を含有させることにより、高強度を有する構造
体等として、広い用途がある。しかし、各種の成形材料
からなる成形体は、その破壊に際しては多くの因子が作
用する。したがって、破壊に対する強度が特に必要とさ
れる構造材としての用途を拡大するには、その成形体を
用いた構造体の強度等に対する信頼性を確保する必要が
ある。そこで、近年、成形体自体にセンサー機能を付与
することにより、成形体、もしくはこの成形体を含む構
造体の破壊に先立つ何らかの信号を検知することが行わ
れている。例えば、コンクリート構造体において、鉄筋
の代替物としてガラス繊維炭素繊維強化プラスチック成
形体を用いて、この成形体中の炭素繊維の電気抵抗をセ
ンサーとして利用しようとする技術がある。この技術
は、コンクリート構造体に荷重がかかり、埋め込まれた
プラスチック成形体が変形すると、成形体中の炭素繊維
が切れるため、その抵抗値が変化することを利用するも
のである。
に、低荷重時には、抵抗値はそれほど変化せず、さらに
力を加えた段階で、肉眼で容易に観察できるクラックが
発生して初めて、炭素繊維が切れ始め、抵抗値が急激に
増加するのであった。すなわち、抵抗値の測定により、
コンクリート構造体の破壊の前兆を検知できるものの、
それを検知できたのは、クラックの発生時であった。
観察できる程度のクラック発生と同時にしか、抵抗値の
変化として検知できないのは、構造体の信頼性向上のた
めのセンサーとして不十分である。すなわち、センサー
としては、クラック発生等よりも早期に、すなわち、低
荷重において、構造体における荷重やひずみを検知でき
るようにする必要がある。そこで、本発明は、成形体あ
るいは成形体を用いた構造体にかかる低い荷重を検知で
きる機能を、成形体自身に付与することを目的とする。
ため、本発明者らは、各種成形材料からなる成形体に一
体に、導電性粉末を含んでなる導電性相を形成すると、
成形体にかかる荷重によって導電性相の通電状態が変化
することを見いだし、本発明を完成した。すなわち、請
求項1に記載の発明は、通電状態を測定可能に導電性粉
末を含んでなる導電性相が、成形体に一体に設けられて
いることを特徴とする導電性粉末含有成形体である。ま
た、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の導電性
粉末含有成形体において、前記導電性粉末は、炭素粉末
及び/又はセラミックス粉末であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載
の導電性粉末含有成形体において、前記成形体は、プラ
スチック材であることを特徴とする。また、請求項4に
記載の発明は、請求項1〜3の導電性粉末含有成形体に
おいて、前記導電性相に沿って繊維束が配設されている
ことを特徴とする。また、請求項5に記載の発明は、請
求項1〜4の導電性粉末含有成形体を含んでなることを
特徴とするコンクリート材である。また、請求項6に記
載の発明は、通電状態を測定可能に導電性粉末を含んで
なる導電性相を、ガラス繊維束に沿って一体に有するこ
とを特徴とするコンクリート補強用ガラス繊維プラスチ
ック材である。また、請求項7に記載の発明は、請求項
1〜4に記載の導電性粉末含有成形体あるいは、請求項
1〜4に記載の導電性粉末成形体を含む構造体の、前記
導電性相の通電状態を測定することを特徴とする成形体
又は構造体の荷重検知方法である。また、請求項8に記
載の発明は、請求項5に記載のコンクリート材の、前記
導電性相の通電状態を測定することを特徴とするコンク
リート材の荷重検知方法である。また、請求項9に記載
の発明は、請求項6に記載のコンクリート補強用ガラス
繊維プラスチック材を含んでなるコンクリート材の、前
記導電性相の通電状態を測定することを特徴とするガラ
ス繊維補強コンクリート材の荷重検知方法である。
できる信号を発する機能を付与することにより、かかる
成形体、及びこの成形体を含んだ構造体の破壊に対する
信頼性の向上を図るものである。
ており、この導電性粉末により形成される導電性相を有
する。導電性相は、成形体に一体に設けられている。す
なわち、導電性相は、成形体の内部、あるいは表面に、
強固に結合した状態となっている。
導電性粉末を含んで通電状態を測定可能に構成されてい
る。すなわち、導電性相では、導電性粉末の個々の粒子
が接触することにより導電路が形成されている。なお、
導電性相の通電状態を測定可能にするには、成形体マト
リックスが絶縁体か、導電性相よりも低導電性である
か、あるいは、導電性相が、何らかの手段により成形体
から電気的に絶縁状態に置かれていることが必要であ
る。本発明においては、この導電性相、さらには導電路
は、成形体に一体に設けられているため、成形体に荷重
がかかって、応力が発生し、成形体にひずみが生じる
と、その影響を受けて、互いに接触する粒子の距離が変
化したり、粒子の接触が分断されたりする。すなわち、
成形体にかかる荷重により導電性粒子の接触状態が変化
し、部分的に導電路の断面積が変化したり、導電路の長
さが変化したりする。したがって、導電性粒子の接触状
態によって、導電路の通電状態が変化する。すなわち、
成形体にかかる荷重によって、導電路における通電状態
が変化することになる。
導電路が形成されていると、炭素繊維等の連続糸で導電
路が形成されている場合に比較して、個々の粒子の接触
状態が変化されるだけで、通電状態が変化する。したが
って、成形体にわずかなひずみや応力しか生じない程度
の荷重がかかっても、そのひずみを粒子の接触状態の変
化を介して通電状態の変化として検知することができ
る。また、繊維状体からなる導電路は、成形体にかかる
荷重と通電状態の関係において、繊維状体の弾性、限界
伸び等の影響を強く受ける。しかし、粒子からなる導電
路では、弾性や限界伸び等の影響を考慮する必要がほと
んどないため、成形体にかかる荷重が、そのような因子
の影響をほとんど受けることなく、より直接的に通電状
態の変化として現わされる。このため、わずかのひずみ
しか生じないような荷重でも、通電状態の変化として検
知できる。
材料の繊維状体(連続糸)で導電路を形成した場合と、
粒子状体が接触する状態により導電路を形成した場合で
は、本来、後者の方が電気伝導性は低くなり、電気抵抗
が高くなる。すなわち、粒子状態が接触してなる導電路
では、もともと電気の伝導されにくい状態にあるため、
この状態で導電路を形態変化させ、粒子の接触状態を変
化させることにより、大きな電気抵抗変化量を得ること
ができる。したがって、電気抵抗の変化を検出すること
が容易である。
状態の変化を測定することにより、成形体にかかる荷重
の検知が可能となる。したがって、予め、成形体にかか
った荷重と、例えば電気抵抗の変化を測定し、両者の関
係を確認しておくことにより、成形体からなる構造体、
あるいは成形体を含んでなる構造体における導電性相の
電気抵抗の変化を測定すれば、成形体からなる構造体に
かかっている荷重を検知することができる。また、成形
体にかかる荷重と通電状態とひずみとの関係を確認して
おけば、成形体に発生したひずみを検知することができ
る。
より一旦変化されると、荷重が除かれた場合にでも、完
全にもとの状態に戻ることはなく、通電状態も初期状態
と同一とはならない。このため、過去に受けた荷重が通
電状態の変化として記録される。したがって、成形体あ
るいは成形体を含む構造体の荷重履歴を推定することが
できる。
て詳細に説明する。本発明における成形体は、その形態
や用途を問わない。具体的には、コンクリート材、プラ
スチック材、ガラス材、木材の集成体や積層体、天然の
あるいは合成のファイバやチップの成形体、粉体の成形
体等を挙げることができる。なお、これらの成形体は、
同時に構造体でもある。特に、本発明の成形体は、破壊
を予め検知する必要がある構造体としての成形体に有用
である。例えば、かかる成形体として、コンクリート
材、プラスチック材、木材の集成材を挙げることができ
る。特に、プラスチック材は、ガラス繊維等の繊維材料
の複合化による強化が可能であるために構造材料として
の用途が広く、しかも導電性相の一体的付与が容易であ
るため、本発明の成形体として適している。
に含まれた状態で、あるいは混合された状態の骨格材あ
るいは充填材として使用することもできる。かかる成形
体として具体的には、プラスチック材等を挙げることが
できる。特に、破壊を予め検知する必要がある構造体の
骨格材として、本発明の成形体は有用である。このよう
な成形体として、例えば、コンクリート材からなる構造
体の筋材として用いる、繊維強化プラスチック材等の各
種複合プラスチック材を挙げることができる。
スチック材は、各種構造体そのものとして、また、構造
体に含まれる材料として、いずれにおいても有用であ
る。また、プラスチック材は、比重が小さく、耐食性に
優れた材料であるとともに、複雑な形状に対しても十分
に対応できる優れた成形・加工性を有する材料である
点、及びプラスチック材は、繊維等の強化材の複合化が
容易である点においても本発明において有用である。
ク材におけるプラスチックの種類は特に問わない。成形
体の用途により、その用途に応じて選択することができ
る。例えば、コンクリート材に混合して用いる筋材のプ
ラスチックは、耐アルカリ性に優れるビニルエステル樹
脂が好ましい。なお、成形体を構成するプラスチックが
導電性高分子体である場合には、導電性相の導電性に比
して相対的に低い導電性を有するものを使用すれば、導
電性相の導電性を測定することができる。
性を有する粒子の集合物である。かかる粒子は、成形体
内部あるいは表面に分散させうるものであり、導電性を
有するものであれば、その材質を問わない。具体的に
は、炭素粉末、酸化物、窒化物、炭化物等のセラミック
ス粉末、金属粉末等を挙げることができるが、構成粒子
の破断伸びが小さいことが好ましい。粒子の破断伸びが
小さいと、低荷重において粒子と粒子との接触が分断さ
れて電気抵抗が変化し、低荷重においても成形体に生じ
た荷重やひずみを検知できるからである。粒子の形態と
しては、球状、フレーク状、ウィスカ状等を挙げること
ができる。また、粒子の大きさは、特に問わないで用い
ることができる。このような導電性粉末としては、例え
ば、炭素粉末や、炭化チタンや窒化チタン等のセラミッ
クス粉末を挙げることができる。
げ荷重、引張り荷重、圧縮荷重等を挙げることができ
る。
電性の粒子が接触して導電路を形成するようにする。導
電路が形成される限り、導電性相における導電性粒子の
密度(含有量)は問わない。導電路は、導電性粉末の粒
子が、部分的かつ連続的に接触することにより形成され
ていることが好ましい。部分的かつ連続的に接触すると
は、隣あう粒子同志が、完全な密着状態でなく、粒子の
ある部分において、他の粒子と接触し、このような接触
状態が連続することをいう。導電性粉末粒子をかかる状
態で分散させると、導電路の形態が、成形体にかかる荷
重の影響を受けやすく、荷重を電気抵抗の変化として検
知しやすいからである。なお、導電性相における導電性
粒子の含有量が高ければ、各粒子間の距離が短く、ま
た、各粒子の密着度が高いため、一定の荷重による導電
路の形態変化が少なくなり、電気抵抗の変化の程度が小
さくなりやすい。一方、導電性粒子の含有量が低けれ
ば、反対に、荷重による導電路の形態変化が大きく、電
気抵抗の変化の程度は大きくなりやすい。
一体に導電性相を形成するには、導電性粉末を直接的に
成形体に付与する場合と、導電性粉末を何らかの担体に
保持させて間接的に成形体に付与する場合とがある。直
接的に、導電性粉末を成形体に付与するには、例えば、
成形体の成形に際して、導電性粉末を成形材料に混合し
て成形体を得ることができる。具体的には、成形体がプ
ラスチック材の場合には、導電性粉末をプラスチック材
料に混合し、あるいは、成形材料の成形型への充填途中
に硬化する前の成形材料表面に導電性粉末を付与し、そ
の後そのまま硬化させるか、さらにその上に成形材料を
付与した後、硬化させる。なお、表面に導電性粉末を付
与した場合には、導電性粉末の脱離を避けるために、皮
膜等を施すことができる。同様に、成形体がコンクリー
ト材や、ガラス材、ファイバ、チップ等の成形体の場合
においても、直接的に導電性粉末を付与することができ
る。また、成形体が、積層体の場合には、積層材間に導
電性粉末を介在させて付与することができる。
与するには、一定の形態を有する担体を利用し、この担
体に導電性粉末を担持させ、この担体を成形体に付与す
ることにより行う。かかる担体は、成形体の種類等に応
じて、棒状、シート状、繊維状等の各種形態を選択でき
る。担体の材料としては、担体の形態等を考慮してプラ
スチック、天然あるいは合成繊維等から1種類あるいは
複数種類を選択することができる。また、担体は、導電
性を有しないか、あるいは、用いる導電性粉末よりも低
い導電性のものであることが必要である。導電性粉末担
持担体は、成形体中に分散、混合させたり、介在させた
り、あるいはその表面に付着等させたりして、成形体に
応じた状態で一体に付与する。
ラスチック材の内部、あるいは表面に導電性粉末を混
合、付着等させて、導電性粉末担持担体を形成すること
ができる。また、担体がプラスチック材の場合、成形・
加工性の点から、導電性粉末担持担体の形態の自由度が
大きく、また、プラスチックは強度も有するため成形体
において導電性相を一定の形態で含ませることが容易に
できて都合がよい。さらに、担体の状態で、荷重をかけ
ることにより、導電性相の電気抵抗を測定することも可
能であるため、担体の段階で荷重と電気抵抗等の関係を
測定することができる。
維等の繊維からなる場合、繊維の材料に導電性粉末を含
有させたり、あるいは、繊維表面に導電性粉末を付着さ
せたり、導電性粉末を分散させた液(例えばビニルアル
コール溶液等の接着剤の液)を繊維に含浸させたりし
て、繊維状あるいはシート状の導電性粉末担持担体を形
成することができる。担体が、特にガラス繊維や炭素繊
維、セラミックス繊維からなる場合、成形体に対して繊
維による強化も同時に可能である。
時に用いることもできる。例えば、プラスチックと繊維
を用いることができる。この場合、例えば、導電性粉末
を分散させた硬化前のプラスチック液やゾルを、繊維
(連続糸)が束ねられてなる繊維束に含浸させ硬化させ
ることにより、繊維とプラスチックを担体の材料とした
導電性粉末担持担体を形成することができる。この担体
によれば、担体に一定の形態を付与して成形体において
導電性相を一定の形態で含ませることが可能であるとと
もに、担体自体の繊維束による強化が可能である。ま
た、この担体の場合、担体において繊維束に沿って導電
性粉末が付与されているため、成形体においても繊維束
による強化方向に沿って導電性相が形成されていること
になる。さらに、比較的短い繊維と導電性粉末をともに
分散させた状態のプラスチック材を導電性粉末担持担体
として使用することもできる。
やセラミック繊維さらにはこれらの繊維束を担体材料と
して使用して得た導電性粉末担持担体によれば、成形体
への導電性相の形成と同時に成形体の強度向上が容易に
おこなえる。また、担体において繊維束の方向に沿って
導電性相が設けられる場合には、繊維束の配設方向、す
なわち、繊維束による強化の方向、に沿って発生したひ
ずみや、荷重変化を検知することができる。
相の存在形態としては、成形体の全体が導電性相である
場合、導電性相が部分的に分布する場合等がある。導電
性相が部分的に形成される場合、導電性相は、層状、あ
るいは、チューブ状等とすることができ、また、導電性
相が担体により付与されている場合は、担体の形態に沿
うものとなる。なお、導電性相の存在形態は、荷重やひ
ずみにより影響を受けやすい形態であり、また、導電性
相の成形体における存在位置は、荷重やひずみにより影
響を受けやすい存在位置であることが好ましい。かかる
存在形態や存在位置は、成形体の用途や、配設位置によ
り、適宜選択することが必要である。例えば、引張り荷
重や圧縮荷重に対しては、導電性相は、その荷重の方向
に沿う長い形態を有して、しかも、その荷重のかかる方
向に沿って存在することが好ましい。また、曲げ荷重に
対しては、荷重を検知しやすいように、長い形態を有し
て、しかも、荷重のかかる方向に直交するように存在す
ることが好ましい。
を測定するとは、導電性相の電気抵抗、電圧、電流、導
電率等、一般に通電状態を知るのに必要なパラメータを
測定することをいう。かかるパラメータのうちいずれを
測定するかは、用いる測定機器等に応じて適宜選択する
ことができる。なお、成形体に設けた導電性相の両端側
に端子やリード線を、予め成形体に一体に設けておくこ
とが好ましい。
増大に応じて、成形体に一体に設けた導電性相の通電状
態が変化するため、この導電性相の通電状態を測定する
ことにより、成形体あるいはこの成形体を含む構造体に
おける荷重の変化を確実に通電状態の変化として検知で
きる。
1〜図5に基づいて説明する。本実施例では、導電性粉
末として、粒径30nmの炭素粉末を用い、成形体の材
料をビニルエステル樹脂とし、ガラス繊維束で強化する
こととした。また、炭素粉末を成形体に付与するための
担体として、強化に用いたのと同一のガラス繊維束(旭
ファイバーグラス製 R2220)を用いた。表1には、使用
したガラス繊維束の組成を示し、表2には、ガラス繊維
束の特性を示し、表3には、ビニルエステル樹脂の特性
を示す。
ルコール(中京油脂製 WF804)水溶液40mlに
炭素粉末を10gの割合で均一に分散させた懸濁液を調
製し、長さ120mmに調整したガラス繊維束に、この
懸濁液を含浸させた。含浸後のガラス繊維束は束状の形
態を維持して硬化し、この結果、ガラス繊維束に沿って
導電性粉末たる炭素粉末が付与された炭素粉末担持ガラ
ス繊維束が形成された。この炭素粉末担持ガラス繊維束
の各端部側には、表面に銀ペーストを塗布し、さらに、
これらの各端部と接続させるリード線とをアルミニウム
フィルムで一体にかしめた。この際、この炭素粉末担持
ガラス繊維束におけるガラス繊維の含有量は、約60 vol
%とした。 〔樹脂含浸ガラス繊維束の調製〕長さ120mmに調整
したガラス繊維束に、ビニルエステル樹脂:硬化剤=1
00:1の割合で混合した樹脂液を含浸させた。なお、
この際、この樹脂含浸ガラス繊維束におけるガラス繊維
の含有量は、約45vol %とした。
において、調製した前記樹脂含浸ガラス繊維束を、複数
束(5束)配設するとともに、1束の炭素粉末担持ガラ
ス繊維束を、成形表面から約2mmの位置となるように
配設し、さらに、重ねて複数束(15束)の樹脂含浸ガ
ラス繊維束を並べて配置し、樹脂液を注入した。成形型
内を樹脂液で満たした結果、左右及び上下に複数層にガ
ラス繊維束を配置した状態となった。この後、樹脂液の
硬化を待って成形型から脱型して、成形体を取り出し、
加工して長さ120mm ×幅10mm×厚み5mm の試験片を得
た。なお、この試験片は、本発明における成形体であ
る。この試験片においては、炭素粉末は、約0.5 vol
%含まれており、炭素粉末担持ガラス繊維束が一方の成
形表面から約2mmの位置に配設され、長手方向の両端
部には、リード線が導出されている。このようにして調
製した試験片の一部分の断面構造を示す模式図を図1に
示す。この模式図において、試験片10においては、炭
素粉末担持ガラス繊維束20と樹脂含浸ガラス繊維束2
2が一体に設けられている。炭素粉末担持ガラス繊維束
20には、ガラス繊維束の内部及び外周部に一体に、炭
素粉末の粒子30を含んだ層40が形成されている。ま
た、この試験片の外観を図2に示す。図2に示すよう
に、試験片10の2つの端縁部から、試験片10の内部
にある端子50からリード線60が延出された状態とな
っている。
樹脂を用いた成形体に導電性材料として2種類の炭素繊
維束を付与することにより、比較例1及び2の試験片を
調製した。すなわち、実施例における炭素粉末担持ガラ
ス繊維束に代えて炭素繊維束(長さ120mm)を用い
る以外は、実施例と同様の方法により樹脂含浸ガラス繊
維束を調製し、さらに実施例と同様の方法により比較例
1及び2の試験片を調製した。比較例1の炭素繊維束
は、東レ トレカT−400HB(弾性率250GPa、破断
伸び1.8 % )を用い、1 試験片中の炭素繊維束の導入量
は0.23vol %であった。また、比較例2の炭素繊維
束は、東邦レーヨン、ベスファイトUM63−12k−
H50(弾性率617GPa、破断伸び0.6 %) を用い、1 試
験片中の炭素繊維束の導入量は0.93 vol%であっ
た。
試験を行うと同時に、導電性相の電気抵抗を測定した。
なお、3点曲げ試験及び電気抵抗の測定は以下の方法に
従って行った。 〔3点曲げ試験〕実施例においては、試験片内の炭素粉
末担持ガラス繊維束が引っ張り面から2mmの位置に配
置されるように、試験片を3点曲げ試験機にセットし、
スパン50mm、クロスヘッドスピード1mm/min
で試験を行い、初期状態からクラックが発生するまでの
荷重(kgf)とひずみ(たわみ)(mm)を測定し
た。なお、使用した曲げ試験機は、株式会社島津製作所
製、コンピュータ計測制御式精密万能試験機、島津オー
トグラフAG−10TBを用いた。また、比較例におい
ては、炭素繊維担持ガラス繊維束が引っ張り面から2m
mの位置に配置されるように、試験片を3点曲げ試験器
にセットし、その他は実施例と同様の条件で試験した。
ィジタルマルチメーター Model 7561を用い、測定は2
端子法で行った。
4〜図5にそれぞれ示す。図3〜5には、横軸にたわみ
をとり、左縦軸に荷重、右縦軸に電気抵抗値(変化量)
をとり、それぞれ実施例、比較例における荷重−たわみ
−電気抵抗値(変化量)の関係が示されている。図3に
示すように、実施例の結果からは、荷重の変化に伴っ
て、電気抵抗値が著しく増大されていた。すなわち、試
験片にかかる荷重の増大に比例するように、導電路の炭
素粉末の粒子の接触が徐々に分断されたためである。し
たがって、この実施例の試験片においては、荷重の変化
量に対する電気抵抗値の変化量が大きく、荷重の増大を
電気抵抗の変化として検知するのが容易であり、電気抵
抗値の測定結果から、試験片にかかっている荷重やひず
みを検知することが容易である。また、電気抵抗値の増
大は、低荷重レベルから高荷重レベルにいたる範囲にお
いて、荷重に対して比例的であり、低荷重レベルでも荷
重の変化を高感度に検知することができる。
に示すように、荷重の増大により、徐々に少しづつ電気
抵抗値が変化するものの、実施例に比して著しく小さい
変化量であった。そして、さらに荷重が増大してクラッ
クが入る時点で急激に電気抵抗値が増大した。すなわ
ち、クラックが入った時点で、炭素繊維の断裂が生じ
て、電気抵抗値が急激に増大した。したがって、この比
較例の試験片をセンサとして用いても、電気抵抗値の増
大から、容易に試験片にかかる荷重を検知することがで
きず、また低荷重レベルでの電気抵抗値の変化が少ない
ため、低荷重レベルでの荷重の変化を検知することが困
難である。
うに、初期の荷重においては、電気抵抗値はほとんど変
化せず、たわみが約2mmとなった時点で急激に増大し
た。すなわち、この比較例においては、この時点(たわ
みが約2mmとなった時点)で、炭素繊維束に断裂が生
じた。この図5から明らかなように、この比較例では、
たわみが2mmに達する前とその後では、荷重の増大を
電気抵抗値の増大としては検知することが不可能であっ
た。すなわち、たわみが2mmに達する前には、電気抵
抗値の変化が小さすぎてほとんど検出できず、また、2
mmを越えた直後に、電気抵抗値は無限大に増加してし
まっているため、その後の荷重変化を電気抵抗値の変化
として検出することができなかった。したがって、破断
伸びが小さい炭素繊維束を用いる場合には、低荷重で繊
維束が分断されるものの、繊維束の断裂時においてのみ
電気抵抗値が変化する点において、比較例1と共通して
いた。このため、比較例1と同様、本試験片をセンサと
して用いて、電気抵抗値を測定して、試験片にかかる荷
重の変化を検知することは困難である。
れば、試験片にかかる荷重の増大により比例的に、しか
も大きく電気抵抗値が増大されるため、低荷重の時点に
おいても、容易に電気抵抗値の変化として検出すること
ができる。また、高荷重レベル時においても同時に、電
気抵抗値の測定により、荷重レベルを検知することがで
きる。したがって、実施例の試験片をセンサとして構造
体そのものとして、あるいは構造体の一部に用いること
により、破壊に対する危険度を広い荷重の範囲で、高感
度に検知し、きめの細かい破壊予防対策が可能となる。
る。
すグラフ図である。
示すグラフ図である。
示すグラフ図である。
Claims (9)
- 【請求項1】通電状態を測定可能に導電性粉末を含んで
なる導電性相が、成形体に一体に設けられていることを
特徴とする導電性粉末含有成形体。 - 【請求項2】請求項1に記載の導電性粉末含有成形体に
おいて、前記導電性粉末は、炭素粉末及び/又はセラミ
ックス粉末であることを特徴とする導電性粉末含有成形
体。 - 【請求項3】請求項1又は2に記載の導電性粉末含有成
形体において、前記成形体は、プラスチック材であるこ
とを特徴とする請求項1〜2に記載の導電性粉末含有成
形体。 - 【請求項4】請求項1〜3に記載の導電性粉末含有成形
体において、前記導電性相に沿って繊維束が配設されて
いることを特徴とする導電性粉末含有成形体。 - 【請求項5】請求項1〜4に記載の導電性粉末含有成形
体を含んでなることを特徴とするコンクリート材。 - 【請求項6】通電状態を測定可能に導電性粉末を含んで
なる導電性相を、ガラス繊維束に沿って一体に有するこ
とを特徴とするコンクリート補強用ガラス繊維プラスチ
ック材。 - 【請求項7】請求項1〜4に記載の導電性粉末含有成形
体、あるいは、請求項1〜4に記載の導電性粉末成形体
を含む構造体の、前記導電性相の通電状態を測定するこ
とを特徴とする成形体又は構造体の荷重検知方法。 - 【請求項8】請求項5に記載のコンクリート材の、前記
導電性相の通電状態を測定することを特徴とするコンク
リート材の荷重検知方法。 - 【請求項9】請求項6に記載のコンクリート補強用ガラ
ス繊維プラスチック材を含んでなるコンクリート材の、
前記導電性相の通電状態を測定することを特徴とするガ
ラス繊維補強コンクリート材の荷重検知方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25519795A JP3613416B2 (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 導電性粉末含有成形体及び荷重検知方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25519795A JP3613416B2 (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 導電性粉末含有成形体及び荷重検知方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09100356A true JPH09100356A (ja) | 1997-04-15 |
| JP3613416B2 JP3613416B2 (ja) | 2005-01-26 |
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ID=17275383
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25519795A Expired - Lifetime JP3613416B2 (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 導電性粉末含有成形体及び荷重検知方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3613416B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH11241903A (ja) * | 1997-12-26 | 1999-09-07 | Toyoaki Kimura | 導電性粒子―高分子系による歪みセンサ― |
| JP2002116004A (ja) * | 2000-10-05 | 2002-04-19 | Ebara Corp | ひずみ測定方法及び装置 |
| JP2005337819A (ja) * | 2004-05-25 | 2005-12-08 | Japan Fine Ceramics Center | 歪センサ、その製造方法および歪検出方法 |
| CN113677973A (zh) * | 2019-03-26 | 2021-11-19 | 采埃孚股份公司 | 用于制造传感器装置的方法及具有这种传感器装置的构件和/或底盘构件 |
Citations (4)
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|---|---|---|---|---|
| JPH05332707A (ja) * | 1992-06-01 | 1993-12-14 | Fuji Porimatetsuku Kk | ゴム変形度の検出方法 |
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| JPH0772023A (ja) * | 1991-08-15 | 1995-03-17 | Shimizu Corp | 歪・応力探知器およびそれを用いた構造物の歪・応力探知方法 |
| JPH07280676A (ja) * | 1994-04-11 | 1995-10-27 | Kubota Corp | コンクリートの異常監視方法 |
-
1995
- 1995-10-02 JP JP25519795A patent/JP3613416B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (4)
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3613416B2 (ja) | 2005-01-26 |
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