JPH09101371A - ガンマ線検出方法及び検出装置 - Google Patents

ガンマ線検出方法及び検出装置

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JPH09101371A
JPH09101371A JP25992295A JP25992295A JPH09101371A JP H09101371 A JPH09101371 A JP H09101371A JP 25992295 A JP25992295 A JP 25992295A JP 25992295 A JP25992295 A JP 25992295A JP H09101371 A JPH09101371 A JP H09101371A
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gamma ray
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cell
gamma
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Yasuyuki Gounou
靖之 郷農
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RIKEN
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コリメータを使用することなくガンマ線源の
存在する方向あるいはガンマ線源の位置を遠隔検出する
ことのできる方法及び装置を提供する。 【解決手段】 分割型ゲルマニウム検出器1,2を前後
に配置し、前方の検出器1の検出セルAに入射してコン
プトン散乱された後、後方の検出器2の検出セルBに入
射して吸収されたガンマ線52に対して、2つの検出セ
ルA及びBの位置関係並びに検出セルA及び検出セルB
で検出されたエネルギーをもとにガンマ線52の入射角
度θを求める操作を反復して行い、求められた複数の入
射角度を組み合わせることによりガンマ線源の存在する
方向あるいは位置を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガンマ線の検出方
法及び検出装置に関し、特にガンマ線源の存在する方向
あるいは位置を特定することのできるガンマ線検出方法
及び検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、簡便なガンマ線検出器としては、
ヨウ化ナトリウム等の結晶をシンチレータとして用いる
シンチレーション検出器、あるいはゲルマニウムやシリ
コンを用いる半導体検出器が知られている。これらのガ
ンマ線検出器を用いて原子炉施設等での放射能汚染位置
を発見するには、穴あきの鉛遮蔽コリメータを装備する
ことで方向性をもたせたヨウ化ナトリウム結晶検出器を
二次元的に移動させる方法、あるいは前記検出器を組み
込んだ可搬式のサーベイメータを汚染の可能性がある場
所に近づけて放射線強度を測定する方法によって放射能
汚染位置を特定することが行われている。
【0003】また、核医学の分野におけるポジトロンC
Tでは、被検体の周囲に多数の小型ガンマ線検出器を装
備し、陽電子の対消滅に伴って反対方向に放出される2
本のガンマ線を多数計測することで陽電子放出体の分布
を測定し、診断に利用することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記穴あきの鉛遮蔽を
装備したヨウ化ナトリウム結晶検出器は、寸法が大きい
上に重量があり、しかもそれを移動させる機構が必要と
なるので、装置全体が大型となる。また、ヨウ化ナトリ
ウム検出器はガンマ線に対するエネルギー分解能が悪い
ため、多くの核種が同時に存在する場合には、その同定
が困難である。これに対して、各種のサーベイメーター
は、軽便ではあるが線源のごく近くに近づけなければ線
源の位置を特定することができない上、ガンマ線に対す
るエネルギー分解能は全くないかあっても非常に悪いた
め核種の同定が困難である。
【0005】また、前記ポジトロンCTに使用されてい
るガンマ線検出装置は非常に高価であり、さらにこの検
出装置で位置同定可能な放射線源は陽電子放出核種に限
られている。本発明は、このようなガンマ線検出器の現
状に鑑みてなされたものであり、コリメータを使用する
ことなくガンマ線源の存在する方向、ひいてはガンマ線
源の位置を遠隔検出することのできる方法及び装置を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明においては、分割
型検出器を2台用い、各分割型検出器におけるガンマ線
検出位置を同定し、その検出の位置関係とコンプトン散
乱の運動学を使ってガンマ線源の位置を同定する すなわち、本発明のガンマ線検出方法は、第1の検出セ
ルに入射してコンプトン散乱された後、第2の検出セル
に入射して吸収されたガンマ線に対して、第1及び第2
の検出セルの位置関係並びに第1及び第2の検出セルで
検出されたエネルギーをもとにガンマ線の入射角度を求
める操作を反復して行い、求められた複数の入射角度を
組み合わせることによりガンマ線源の存在する方向ある
いは位置を検出することを特徴とする。
【0007】この時、第1の検出セルで検出されたエネ
ルギーと第2の検出セルで検出されたエネルギーの和が
等しいガンマ線に対して求められた複数の入射角度を組
み合わせることで、特定のエネルギーのガンマ線を放出
する核種の存在する方向あるいは存在分布を検出するこ
とができる。また、検出されたガンマ線を第1の検出セ
ルで検出されたエネルギーと第2の検出セルで検出され
たエネルギーの和の値によってグループ分けし、各グル
ープ毎にそのグループに属するガンマ線に対して求めら
れた入射角度を組み合わせることで、複数の核種が存在
する場合、その各々の核種の存在する方向あるいは存在
分布を検出することができる。
【0008】本発明によるガンマ線検出装置は、前後に
並べて配置された各々複数の検出セルからなる第1及び
第2のガンマ線検出器と、第1及び第2のガンマ線検出
器のガンマ線入射面を除く周囲を囲んで配置されたシン
チレーション検出器と、第1のガンマ線検出器及び第2
のガンマ線検出器の各検出セルの出力信号を波高分析す
る複数の波高分析器と、第1及び第2のガンマ線検出器
の検出セルの出力信号並びにシンチレーション検出器の
出力信号が入力され、第1のガンマ線検出器の1つの検
出セルからの出力信号及び第2のガンマ線検出器の1つ
の検出セルからの出力信号が同時に入力され、かつシン
チレーション検出器からの出力信号が入力されないとき
に波高分析器にゲート信号を出力する同時計数回路と、
ゲート信号が出力されたとき波高分析器からの信号が入
力される電子計算機と、電子計算機の出力を表示する表
示装置とを含み、電子計算機は第1のガンマ線検出器の
中の出力信号を発生した検出セル及び第2のガンマ線検
出器の中の出力信号を発生した検出セルの位置情報並び
に波高分析器からの出力信号に基づいてガンマ線源の存
在する方向あるいは位置を演算し、その結果を表示装置
に表示することを特徴とする。
【0009】第1及び第2のガンマ線検出器は分割型ゲ
ルマニウム検出器とするのが好ましく、シンチレーショ
ン検出器はビスマスジャーマネイト単結晶からなるシン
チレータを備えるのが好ましい。検出結果を表示する表
示装置としては、ガンマ線検出装置の匡体に標識線と発
光ダイオードのような表示素子を組み合わせて簡易に方
向を表示できるようにした表示装置や画像表示装置を採
用することができる。表示装置として画像表示装置を採
用する場合には、光軸をガンマ線検出装置の光軸と略一
致させた撮像装置を備え、電子計算機によって求められ
たガンマ線源の存在する方向あるいは位置を表示装置に
表示された画像中で指示する。
【0010】本発明によると、2台の分割型ガンマ線検
出器を移動することなく線源位置を複数箇所同時に同定
することができる。また、2台のゲルマニウム検出器を
1つの真空容器中に収容したため装置がコンパクトとな
り、機動性に優れる。本発明のガンマ線検出装置は、分
割型ゲルマニウム検出器とビスマスジャーマネイト結晶
でできたコンプトン抑止シールドを併用するため、バッ
クグランドが極めて低いガンマ線スペクトルが得られ、
高感度を実現することができる。また、ガンマ線に対す
るエネルギー分解能が高いため、核種の同定能力の点で
も優れている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を詳細
に説明する。図1は、本発明によるガンマ線検出装置の
一実施例を示す概略図である。図1のガンマ線検出装置
は、ガンマ線の入射によって電気信号パルスを発生する
検出部10と、検出部10で発生された電気信号を処理
する信号処理部30とで構成される。検出部10は、真
空容器4内に配置されたゲルマニウム検出器を備える。
ゲルマニウム検出器は、受光面に配置された第1の分割
型ゲルマニウム検出器1と、その後方に配置された第2
の分割型ゲルマニウム検出器2の2つの分割型検出器を
備える。
【0012】本実施例の第1の分割型ゲルマニウム検出
器1は、約5cm×5cm×2cmの大きさを有し、図
2に詳細を示すように、5×5すなわち25のセルAmn
(m=1〜5、n=1〜5)に分割されており、検出器
の各セルAmnからそのセルとガンマ線との相互作用を示
す出力信号が各々独立して発生されるように給電線及び
出力線が結線されている。第1の分割型ゲルマニウム検
出器1の背後に配置された第2の分割型ゲルマニウム検
出器2も同様に、約5cm×5cm×2cmの大きさを
有し、5×5すなわち25のセルBmn(m=1〜5、n
=1〜5)に分割されており、検出器の各セルBmnから
そのセルとガンマ線との相互作用を示す出力信号が各々
独立して発生されるように給電線及び出力線が結線され
ている。ただし、検出器1,2の分割数は25に限定さ
れるものではなく、高い位置精度が必要とされるときは
分割数を多くし、それほどの精度を必要としないときは
分割数を少なくする等、要求される検出精度に応じた適
当な数とすることができる。分割型ゲルマニウム検出器
1,2は、冷媒やクライオポンプ等を用いた適当な冷却
手段により低温に冷却されて使用される。図1に示した
例は冷却手段として液体窒素を用いるものであり、分割
型検出器1,2は液体窒素容器5内の液体窒素で冷却さ
れる銅製コールドフィンガー6に固定されて冷却され。
また、使用時、分割型ゲルマニウム検出器1,2の各セ
ルには、高圧電源31a,31bから直流高電圧が印加
される。
【0013】真空容器4の受光側を除く周囲はシンチレ
ーション検出器7で囲まれている。シンチレーション検
出器7のシンチレータとしては、ガンマ線検出効率の点
からビスマスジャーマネイト単結晶を用いるのが好まし
い。本実施例では断面形状が台形の板状ビスマスジャー
マネイト単結晶を4枚組み合わせて中空の四角柱を形成
し、その中心の中空部分に前記真空容器4を配置する構
成とした。シンチレーション検出器7は光電子増倍管8
a,8bを備えており、光電子増倍管には高圧電源31
c,31dから高電圧が印加されている。光電子増倍管
は2個のみを図示したが、シンチレーションの集光効率
を上げるために実際にはより多くの個数、例えば4個設
けられている。複数個の光電子増倍管8a,8bからの
出力信号は最終的には1本の信号線に結合されて、後述
するように反同時計測のために使用される。
【0014】図1の信号処理部30の動作を説明する前
に、図1に示した検出部10の拡大断面図である図3を
用いて本実施例のガンマ線検出原理について説明する。
ガンマ線検出装置の検出部の前方、一定の位置にガンマ
線を放出する核種(ガンマ線源)50が存在するものと
する。同一核種は1種類または複数種類の決まったエネ
ルギーのガンマ線51,52,53,…を放出する。図
示したガンマ線51は、第1の分割型ゲルマニウム検出
器1の1つのセルでコンプトン散乱された後、第2の分
割型ゲルマニウム検出器には入射せずにシンチレータ7
に入射したものを示す。ガンマ線52は、第1の分割型
ゲルマニウム検出器1の1つのセルAに入射してそこで
コンプトン散乱された後、第2の分割型ゲルマニウム検
出器2のセルBに入射してそこで全エネルギーを失った
ものである。また、ガンマ線53は、第1の分割型ゲル
マニウム検出器1の1つのセルでコンプトン散乱された
後、さらに第2の分割型ゲルマニウム検出器2の1つの
セルでコンプトン散乱され、シンチレータ7に入射した
ものを示す。
【0015】ここで、一定のエネルギーEを有するガン
マ線が第1の分割型ゲルマニウム検出器1の1つのセル
に入射してコンプトン散乱し、その後方に配置された第
2の分割型ゲルマニウム検出器2の1つのセルに入射し
て全エネルギーを失う事象、すなわち図示したガンマ線
52の場合について考える。この事象の選択は、図1に
示した信号処理回路30にて同時計測及び反同時計測を
行うことにより可能である。ここでは簡単のため、ガン
マ線の散乱方向は検出部の光軸に平行な方向であり、ガ
ンマ線が入射した2つのセルA,Bは検出部の光軸方向
に重なった位置にあるものとする。この時、ガンマ線5
2は前方のセルAにEC のエネルギーを付与し、後方の
セルBにEa のエネルギーを付与するため、次式(1)
の関係が成り立つ。 E=EC+Ea (1)
【0016】そして、コンプトン散乱の運動学から、第
1の分割型ゲルマニウム検出器へのガンマ線52の入射
角度θは、α=E/m0c2(m0c2=511keV:電
子の静止質量、EはkeV単位)、R=EC/Eとおく
と、次式(2)によって計算される。 θ= cos-1〔1−R/{α・(1−R)}〕 (2)
【0017】これらの関係から、第1の分割型ゲルマニ
ウム検出器1のセルAに対するガンマ線52の入射角度
θが分かり、ガンマ線源がそのセルAと後方のセルBと
を結ぶ直線に対して頂角が2θの円錐面の延長上にある
ことがわかる。実際には、入射角度θは、分割セルA,
Bの寸法、第1の分割型ゲルマニウム検出器1と第2の
分割型ゲルマニウム検出器2の間隔等に依存してある角
度範囲(θ±Δθ)として求められるので、ガンマ線源
の存在する可能性のある領域は図4に示すように、第1
の検出器のセルAと第2の検出器のセルBを結ぶ直線4
5に対してある厚さを持った円錐面46として求められ
る。従って、このような事象を2組以上計測し、夫々の
組合せに対して円錐面を作り、それらの円錐面が重なり
合う領域を求めると、その領域がガンマ線源50の存在
する領域である。事象の計測数、すなわち円錐面の数を
多くすればするほど、それらの重なり合う領域を狭める
ことができ、高い精度でガンマ線源の存在方向あるいは
存在位置を求めることができる。円錐面の重なり合う領
域は、最終的には図5に示すように検出器の中心軸Oに
対する方向(δ,ω)あるいは位置として表示装置に出
力される。
【0018】以上は、ガンマ線の散乱方向が検出部の光
軸に平行な方向であり、ガンマ線が入射した2つのセル
A,Bが検出部の光軸方向に重なった位置にある場合に
ついての説明である。これを図6に示すように、ガンマ
線源50からのガンマ線54が第1の分割型検出器1の
セルAijでコンプトン散乱され、第2の分割型検出器2
のセルBmnに入射しそこで全エネルギーが吸収された場
合に一般化すると、前記(2)式は次の(3)式で置き
換えられる。ただし、角度φ(Aij,Bmn)は第1の分割
型検出器中のセルAijの中心と第2の分割型検出器中の
セルBmnの中心を結ぶ直線が検出部の光軸となす角度で
あり、既知の値である。 θ= cos-1〔1−R/{α・(1−R)}〕−φ (3)
【0019】式(3)から理解されるように、この一般
化された関係式(3)を利用する場合には、前後のセル
Aij及びBmnの位置関係φ(Aij,Bmn)さえ分かってい
ればよいため、第1の分割型検出器1と第2の分割型検
出器2とは必ずしも同形である必要はなく、第1の分割
型検出器中のセルAmnとそれに対応する第2の分割型検
出器中のセルBmnとを光軸方向に重ねて配置する必要も
ない。
【0020】ここで、本発明によるガンマ線検出装置の
分解能について簡単に評価する。本発明のガンマ線検出
装置によるガンマ線源の位置決定精度は、分割型検出
器のセルの大きさ、第1の分割型検出器と第2の分割
型検出器の間隔、及びガンマ線源と検出器との間の距
離に依存する。位置決定精度は、一般に、セルの大きさ
が小さいほど、検出器の間隔が遠いほど、またガンマ線
源と検出装置間の距離が遠いほど向上する。
【0021】典型的な例として、1個の大きさが1cm
×1cm×2cmである25個のセルからなる第1の分
割型検出器及び第2の分割型検出器を10cmの間隔を
置いて配置した場合を考える。ガンマ線源は検出装置の
中心軸上50cmの距離にあるものとする。ガンマ線源
が第1の分割型検出器の1つのセルを見込む角度は1.
2〜2.9度の広がりをもつが、ガンマ線入射角度は全
て2.3度であるとして近似する。このことによる位置
決定誤差は1cm以下である。次に、第1及び第2の分
割型検出器のセル同士が見込む角度の不確定さによる誤
差について考える。前記(3)式の関係を利用する場
合、第1の分割型検出器の最上部のセルが第2の分割型
検出器の最下部のセルを見込む角度は、両セルの中心を
結ぶ直線が光軸となす角度が18.4度であるのに対し
て、12〜26.5度の広がりを有する。このことによ
る位置決定誤差は±7cmと評価される。この位置決定
精度は、前述のように、セルの大きさを例えば0.5c
m×0.5cm×2cmと小さくすることにより、ほぼ
セル寸法に反比例して向上し、また2台の分割型検出器
の間隔を広げることにより、ほぼその間隔に比例して向
上する。
【0022】次に、図1に戻って、信号処理部30の動
作について説明する。第1の分割型ゲルマニウム検出器
1の各セルから発生したパルス信号は、各セルに各々接
続された前置増幅器32a(図1には1個のみを示す)
によって個別に増幅された後、直線増幅器33でさらに
整形増幅され、波高分析器34に入力される。直線増幅
器は入力信号波形を歪ませることなく比例的に増幅する
機能を有する。同様に、第2の分割型ゲルマニウム検出
器2の各セルから発生したパルス信号は、各セルに各々
接続された前置増幅器32b(図1には1個のみを示
す)によって個別に増幅された後、直線増幅器33でさ
らに整形増幅され、波高分析器34に入力される。図1
には簡略化して示したが、前置増幅器、直線増幅器、波
高分析器は各セルごとに設けられている。
【0023】前置増幅器32a,32bで増幅された検
出信号はまた、高速増幅器36a,36bで増幅され、
高速弁別器37a,37bに入力される。高速増幅器3
6a,36b及び高速弁別器37a,37bは、10-8
秒程度と極めて高速の時間応答特性を有する。従って、
高速弁別器37aは第1の分割型ゲルマニウム検出器1
のいずれかのセルにガンマ線の入射があったとき、それ
と同時に信号を発生して同時計測回路38に信号入力
し、高速弁別器37bは第2の分割型ゲルマニウム検出
器2のいずれかのセルにガンマ線の入射があったとき、
それと同時に同時計測回路8に信号入力する。
【0024】一方、シンチレーション検出器7の光電子
増倍管8a,8bからの出力信号は、高速増幅器39で
増幅され、増幅された信号はさらに高速弁別器40に入
力される。高速弁別回路40の出力は、同時計数回路3
8に反同時計数入力として与えられる。同時計測回路3
8は、高速弁別器37a及び37bから同時に入力があ
り、かつ高速弁別器40から反同時計数入力がない場合
にのみ、波高分析器34にゲート信号を出力する。図7
により、同時計測回路38の動作を説明する。図7中、
aは高速弁別器37aの出力信号、bは高速弁別器37
bの出力信号、cは高速弁別器40の出力信号、dは同
時計測回路38から出力されるゲート信号を示す。図7
のT1 のタイミングに示されているのは、a及びcが出
力されてbが出力されない状態、すなわち図3のガンマ
線51の検出状態を示し、この場合にはゲート信号dは
出力されない。T2 のタイミングに示されているのは、
a及びbが出力されてcが出力されていない状態、すな
わち図3のガンマ線52の検出状態を示し、ゲート信号
dが出力される。同様に、T3 のタイミングは図3のガ
ンマ線53の検出状態を示し、ゲート信号dは出力され
ない。
【0025】このように同時計測回路38を用いること
により、図3に示したガンマ線51やガンマ線53の検
出に相当するノイズデータを捨て、前記(2)式あるい
は(3)式が当てはまるデータのみを抽出することがで
きる。波高分析器34は、同時計数回路38からゲート
信号の入力を受けると、直線増幅器34から出力されて
いる2つの信号、すなわちそのゲート信号を発生させる
原因となった第1の分割型ゲルマニウム検出器1の特定
のセルAij、及び第2の分割型ゲルマニウム検出器2の
特定のセルBmnからの出力パルスを波高分析した結果を
電子計算機35に出力する。
【0026】電子計算機35は、第1の分割型検出器1
中の各セルと第2の分割型検出器2中の各セル間の角度
データφ(Aij,Bmn)を記憶しており、出力を発生した
2つのセルがどのセルAij,Bmnであるかを知ることに
より、その角度φを知る。また、波高分析器34から送
出されるデータによりセルAijで検出されたエネルギー
EC 及びセルBmnで検出されたエネルギーEa を知り、
前記(1)式に基づき両エネルギーを加算してガンマ線
のエネルギーEを求める。そして、特定の核種に対応す
る予め決定された特定のエネルギーEを有するガンマ線
に対するデータを選択し、その選択されたデータを用い
て前記(2)式あるいは(3)式の演算を行うことによ
り、入射角度θ1 を求め、図4の概念図に示すように、
セルAijを頂点とする頂角が2θ1 の円錐面を計算す
る。複数のガンマ線入射に対して同様に入射角度θ2,
θ3,…,θn を求め、夫々の入射セルAijを頂点とし
て頂角2θ2,2θ3,…,2θn の円錐面を計算し、そ
の重なり合う領域を計算する。こうして計算された複数
の円錐面の重なった領域は、ガンマ線源の存在する方向
あるいは位置を表しており、ガンマ線検出装置の軸方向
に対する関係で表示装置42に実時間表示される。
【0027】また、ガンマ線のエネルギーを特定せず、
検出されたガンマ線をエネルギーE 1,E2,E3,…に
よって分類し、各エネルギーのガンマ線毎に入射角度θ
1(E1),θ2(E1),θ3(E1),…,θn(E1);θ
1(E2),θ2(E2),θ3(E2),…,θn(E2);θ
1(E3),θ2(E3),θ3(E3),…,θn(E3);…を求
め、夫々のガンマ線が入射したセルAijの位置を頂点と
して計算した頂角2θ1(E1),2θ2(E1),2θ
3(E1),…,2θn(E1)の円錐面の重なった領域をエネ
ルギーE1 のガンマ線を放出するガンマ線源の存在する
方向あるいは位置として表示し、頂角2θ1(E2),2θ
2(E2),2θ3(E2),…,2θn(E2)の円錐面の重なっ
た領域をエネルギーE2 のガンマ線を放出するガンマ線
源の存在する方向あるいは位置として表示し、頂角2θ
1(E3),2θ2(E3),2θ3(E3),…,2θn(E3)の円
錐面の重なった領域をエネルギーE3 のガンマ線を放出
するガンマ線源の存在する方向あるいは位置として表示
することで、複数の線源、複数の核種をその存在する方
向あるいは位置も含めて同時に同定することができる。
【0028】なお、演算式として(2)式を利用する場
合には、第1の分割型検出器1及び第2の分割型検出器
2は、同形の分割型検出器を対応するセルが検出器の光
軸方向に重なるようにして配置する必要がある。また、
電子計算機35は、波高分析器34から送られてくるデ
ータのうち、信号を発生した2つのセルが検出器の光軸
方向に重なる位置にある場合のデータのみを選択して使
用する。
【0029】本発明のガンマ線検出装置をガンマ線利用
装置、例えばポジトロンCTの本体に固定して使用する
場合には、検出装置の光軸がガンマ線利用装置に対して
所定方向で不動であるので、ガンマ線検出装置の出力す
る角度をガンマ線利用装置に対して予め校正しておくこ
とで検出されたガンマ線源の方向あるいは空間位置を特
定することが可能である。その際、本発明のガンマ線検
出装置を例えば90°離れた位置に2組設置すること
で、ガンマ線源の空間位置測定精度を向上することがで
きる。
【0030】次に、本発明のガンマ線検出装置をポータ
ブルとしてフィールドで使用する場合の検出結果の表示
方法について説明する。図8は、検出されたガンマ線の
飛来方向を発光ダイオードにより簡便に表示する実施例
を示す。本実施例のガンマ線検出装置60は、図1で説
明した検出部10及び信号処理部30を内部に有し、そ
の筺体の上面及び側面に例えば10°間隔で標識線6
1,62を設け、各標識線の先端部分に発光ダイオード
65を埋め込んである。ガンマ線検出装置60の本体に
組み込まれている電子計算機35は、上述の演算で求め
た角度情報に従って角度δを表す発光ダイオード67及
び角度ωを表す発光ダイオード68を点灯あるいは点滅
させる。検出装置60を扱う者は、この発光ダイオード
の表示によってガンマ線源の存在方向を容易に知ること
ができる。
【0031】図9は、ガンマ線検出装置を可搬式とした
場合における表示方法の他の実施例を示す模式図であ
る。この実施例は、ガンマ線検出装置で検出したガンマ
線源の位置をモニター画面上に表示するものであり、図
1で説明したガンマ線検出装置70とTVカメラ等の撮
像装置80を組み合わせて使用する。ガンマ線検出装置
70の光軸71と撮像装置80の光軸81は平行に設定
されており、両者はオフセットdをもって同一の視野を
観察する。ガンマ線検出装置70によって決定されたガ
ンマ線源の方向を示すデータ、例えば(δ,ω)と、撮
像装置80からの画像データは画像処理装置83に入力
される。
【0032】図10は、撮像装置80で撮像される被写
体95と、結像光学系90によって2次元CCD素子か
らなる撮像素子91上に形成された像96の関係を模式
的に示したものである。被写体95上の各点は撮像素子
91の各点に一対一に対応している。すなわち、撮像素
子91の各素子Cmnは撮像装置80の光軸81に対して
(δm,ωn)なる角度方向の光線を受光している。その
ため、モニター85上の各画素も撮像装置80の光軸8
1に対して(δm,ωn)なる角度方向に対応している。
【0033】画像処理装置83は、上述の関係を利用し
てガンマ線検出装置70からの角度データで撮像装置8
0の画像データを加工する。例えば、ガンマ線検出装置
70からその光軸71に対するガンマ線源の存在方向と
して角度(δ,ω)が出力されたとすると、画像処理装
置83はモニター85に表示されている画像のうちその
角度に相当する画素86を例えば点滅させたり、特定の
色を付して表示したりして、その画素を強調するように
する。なお、検出されたガンマ線の強度に応じて点滅の
強弱を変えたり、検出されたガンマ線のエネルギーの違
い、すなわち核種に応じて色を変えるようにすることも
できる。この場合、実際の検出方向とモニター85上で
の表示位置にはオフセットdだけのずれがあるが、距離
dは微小であるので実際上問題にはならないし、オフセ
ット量dは既知であるのでそれを補正して実際のガンマ
線源位置を特定することは極めて容易である。
【0034】
【発明の効果】本発明によると、コリメータを使用する
ことなくガンマ線源の方向あるいは位置を特定すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガンマ線検出装置の一実施例を示
す概略図。
【図2】分割型ゲルマニウム検出器の模式図。
【図3】ガンマ線源の方向検出原理を説明する図。
【図4】ガンマ線源の存在する可能性のある領域の説明
図。
【図5】検出器に対する座標系の説明図。
【図6】ガンマ線源の方向検出原理を説明する図。
【図7】同時計数回路の入力信号と出力信号の関係を示
す図。
【図8】ガンマ線の存在方向を表示する表示装置の一実
施例の説明図。
【図9】ガンマ線の存在方向をモニター上に表示する実
施例の模式図。
【図10】被写体と撮像装置の撮像素子上に形成される
像の関係を示す図。
【符号の説明】
1…第1の分割型ゲルマニウム検出器、2…第2の分割
型ゲルマニウム検出器、4…真空容器、5…液体窒素容
器、6…コールドフィンガー、7…シンチレーション検
出器、8a,8b…光電子増倍管、10…検出部、30
…信号処理部、31a,31b,31c,31d…高圧
電源、33…直線増幅器、34…波高分析器、35…電
子計算機、36a,36b…高速増幅器、37a,37
b…高速弁別器、38…同時計測回路、39…高速増幅
器、40…高速弁別器、42…表示装置、50…ガンマ
線源、51,52,53,54…ガンマ線、60…ガン
マ線検出装置、61,62…標識線、65…発光ダイオ
ード、70…ガンマ線検出装置、80…撮像装置、83
…画像処理装置、85…モニター、90…結像光学系、
91…撮像素子、95…被写体、96…被写体の像

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の検出セルに入射してコンプトン散
    乱された後、第2の検出セルに入射して吸収されたガン
    マ線に対して、前記第1及び第2の検出セルの位置関係
    並びに前記第1及び第2の検出セルで検出されたエネル
    ギーをもとにガンマ線の入射角度を求める操作を反復し
    て行い、求められた複数の入射角度を組み合わせること
    によりガンマ線源の存在する方向あるいは位置を検出す
    ることを特徴とするガンマ線検出方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の検出セルで検出されたエネル
    ギーと第2の検出セルで検出されたエネルギーの和が等
    しいガンマ線に対して求められた複数の入射角度を組み
    合わせることを特徴とする請求項1記載のガンマ線検出
    方法。
  3. 【請求項3】 検出されたガンマ線を前記第1の検出セ
    ルで検出されたエネルギーと第2の検出セルで検出され
    たエネルギーの和の値によってグループ分けし、各グル
    ープ毎に該グループに属するガンマ線に対して求められ
    た入射角度を組み合わせることを特徴とする請求項1記
    載のガンマ線検出方法。
  4. 【請求項4】 前後に並べて配置された各々複数の検出
    セルからなる第1及び第2のガンマ線検出器と、前記第
    1及び第2のガンマ線検出器のガンマ線入射面を除く周
    囲を囲んで配置されたシンチレーション検出器と、前記
    第1のガンマ線検出器及び第2のガンマ線検出器の各検
    出セルの出力信号を波高分析する複数の波高分析器と、
    前記第1及び第2のガンマ線検出器の検出セルの出力信
    号並びに前記シンチレーション検出器の出力信号が入力
    され、前記第1のガンマ線検出器の1つの検出セルから
    の出力信号及び前記第2のガンマ線検出器の1つの検出
    セルからの出力信号が同時に入力され、かつ前記シンチ
    レーション検出器からの出力信号が入力されないときに
    前記波高分析器にゲート信号を出力する同時計数回路
    と、前記ゲート信号が出力されたとき前記波高分析器か
    らの信号が入力される電子計算機と、前記電子計算機の
    出力を表示する表示装置とを含み、前記電子計算機は前
    記第1のガンマ線検出器の中の出力信号を発生した検出
    セル及び前記第2のガンマ線検出器の中の出力信号を発
    生した検出セルの位置情報並びに前記波高分析器からの
    出力信号に基づいてガンマ線源の存在する方向あるいは
    位置を演算し、その結果を前記表示装置に表示すること
    を特徴とするガンマ線検出装置。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2のガンマ線検出器は分
    割型ゲルマニウム検出器であることを特徴とする請求項
    4記載のガンマ線検出装置。
  6. 【請求項6】 前記シンチレーション検出器はビスマス
    ジャーマネイト単結晶からなるシンチレータを備えるこ
    とを特徴とする請求項4又は5記載のガンマ線検出装
    置。
  7. 【請求項7】 光軸をガンマ線検出装置の光軸と略一致
    させた撮像装置を備え、前記表示装置は前記撮像装置に
    よって撮像された画像を表示する画像表示部を有し、前
    記電子計算機によって求められたガンマ線源の存在する
    方向あるいは位置を前記画像中に指示することを特徴と
    する請求項4、5又は6記載のガンマ線検出装置。
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