JPH09103469A - エアゾールの製法および当該製法により製造されたエアゾール製品 - Google Patents

エアゾールの製法および当該製法により製造されたエアゾール製品

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JPH09103469A JP8206986A JP20698696A JPH09103469A JP H09103469 A JPH09103469 A JP H09103469A JP 8206986 A JP8206986 A JP 8206986A JP 20698696 A JP20698696 A JP 20698696A JP H09103469 A JPH09103469 A JP H09103469A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストが低く、安全でかつ短時間の加熱で完
全に殺菌処理しうるエアゾールの製法を提供すること。 【解決手段】 (i)水成分を所定の温度に加温する工
程と、(ii)加温された前記水成分をエアゾール容器
内に加圧注入し、殺菌する工程からなることを特徴とし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアゾールの製法
および当該製法により製造されたエアゾール製品に関す
る。さらに詳しくは、高温・高圧の飛沫状の水成分の一
部をエアゾール容器内に注入することにより消毒せしめ
たのち、水成分の残分を該エアゾール容器内に充填す
る、エアゾールの製法に関する。
【0002】なお、本発明において、“水成分”とは、
エアゾールの有効成分と水との混合物のほか、水をも含
む概念である。
【0003】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】エア
ゾール容器内に口中清涼剤、含嗽薬などの薬品、食品な
どの原液を充填する際、あらかじめエアゾール容器の内
部を消毒しておく必要がある。このため、エアゾール容
器の内部を消毒(殺菌)する方法として、エアゾール
容器内にエアゾール原液と水とを充填ののちレトルト
(圧力釜)内に該エアゾール容器を入れ、温度80℃で
30分〜1時間加熱・加圧して殺菌処理する方法、エ
アゾール容器内に、エアゾール原液と水とを充填したの
ち、該エアゾール容器の外部から60Coなどの放射線を
照射する方法、エアゾール容器の構成部品を個々にガ
ス殺菌し、組み立てたのち、無菌室でエアゾール原液と
水とをエアゾール容器内に充填する方法、エアゾール
容器を一定時間温水(80〜99℃)に浸漬する方法が
従来より知られている。
【0004】ところで、最新微生物ハンドブック(昭和
61年8月30日、株式会社サイエンスフォーラム発
行)には、 (a)微生物の耐熱性は表1に示すように、種類や菌株
によって著しく異なる(食中毒菌の耐熱性については表
2参照)。一般に細菌の栄養細胞、酵母、糸状菌の耐熱
性はそれほど強いわけではなく、60〜70℃の温度下
で数分で死滅すると考えられるが、細菌の胞子は著しく
耐熱性が強く、通常100℃以下の加熱ではなかなか死
滅しない; (b)微生物の耐熱性は加熱の条件によっても異なる。
表1の例は湿熱を用いた場合であるが、乾熱を用いると
耐熱性は著しく強くなり、細菌胞子ではD値(120
℃)が数倍から1,000倍以上となる。またグリセリ
ンや油のような水以外の液体中に存在する微生物も、水
中における場合より耐熱性が強い;および (c)加熱の際の基質(食品成分)も微生物の耐熱性に
大きな影響を与え、一般に食品中で加熱するほうが、水
やリン酸緩衝液中よりもはるかに抵抗力が強いことが知
られているとの記載がある。
【0005】
【表1】
【0006】
【表2】
【0007】前記の方法のばあい、比較的長時間加熱
する必要があり、エアゾール容器自体に耐熱性が要求さ
れるばかりでなく、エアゾール容器内に充填されるエア
ゾール原液についても長時間高温下におかれることによ
り、変質してしまうものには用いることができないとい
う問題や、長時間の加熱に伴い設備の増設、作業時間の
増加が伴うという問題がある。
【0008】また、前記の方法のばあい、低温のまま
完全殺菌が達成されるというすぐれた効果を有している
ものの、放射線を照射するための設備が必要となりコス
トが非常に高くつくという欠点があるばかりでなく、消
費者には放射線に対して危険であるという先入観があ
り、とくに食品用の容器の殺菌処理については使用しづ
らいという問題がある。また、放射線照射により内容物
の変質を伴うという問題がある。
【0009】さらにまた前記の方法のばあい、消毒工
程のあいだ人体に害を及ぼすことのないように換気の設
備を必要とし、かつ換気によってガスが大気中に放出さ
れ、近隣の住民に害を及ぼすことのないように設備面で
公害対策の配慮を必要とし、また、無菌室を別途必要と
するため、莫大な設備投資が必要となるという問題があ
る。
【0010】さらにまた、前記の方法では、殺菌力が
低いという問題がある。
【0011】また前述の最新微生物ハンドブックには、
牛乳、コーヒー、スープなどの飲料の殺菌にレトルト殺
菌によらない前記〜以外の殺菌方法として、食品を
熱交換器を用いて120〜150℃の超高温処理(UH
T)で加熱殺菌し、別に滅菌しておいた容器に無菌環境
下で充填・密封する方法について記載されている。この
方法のばあいも、無菌室という設備が必要となり、ひい
てはコストが高くなるという問題がある。
【0012】本発明の目的は、叙上の問題を解消し、コ
ストが低く、安全で、かつ短時間の加熱で完全に殺菌処
理しうるエアゾールの製法および当該製法により製造さ
れたエアゾール製品を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様であ
るエアゾールの製法は、(i)水成分を所定の温度に加
温する工程と、(ii)加温された前記水成分をエアゾ
ール容器内に加圧注入し、殺菌する工程からなることを
特徴としている。
【0014】前記水成分が温度約80〜200℃で注入
されることが好ましい。
【0015】前記工程(i)および(ii)において、
水成分が加温され、エアゾール容器内に充填されたの
ち、殺菌に要する所定時間の経過後、その他の内容物を
該エアゾール容器内に充填することによりエアゾール製
品の温度を引き下げることが好ましい。
【0016】前記工程(i)が、前記水成分を加圧する
ための充填シリンダーと、充填ヘッドとのあいだでなさ
れることが好ましい。
【0017】前記前記工程(i)において加温される水
成分の量が、エアゾール容器1缶分の容量に相当するこ
とが好ましい。
【0018】本発明の第2の態様であるエアゾール製品
は、水成分を加温した状態でエアゾール容器内に加圧注
入されてなることを特徴としている。
【0019】前記注入される水成分の温度が約80〜2
00℃であることが好ましい。
【0020】前記水成分が加温されてエアゾール容器に
充填されたのち、所定の時間ののち、その他の内容物が
当該エアゾール容器内に充填されてなることが好まし
い。
【0021】本発明のエアゾールの製法によれば、加熱
時間が短いため、内容物またはエアゾール容器に悪影響
を及ぼすことが確実に回避しうる。
【0022】また、殺菌処理に放射線照射などのように
食品の安全面で多少とも問題視される手段をまったく採
用しておらないため、薬品用のエアゾール容器の殺菌方
法として好適な製法を提供することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】添付図面を用いて本発明のエアゾ
ールの製法を詳細に説明する。
【0024】図1は本発明のエアゾールの製法の一実施
例のシステムを示す説明図である。
【0025】前記システムは、タンク1と、充填シリン
ダー2と、熱交換器5と、充填ヘッド6とから構成され
ている。タンク1と充填シリンダー2の流入口2aとの
あいだには配管3aが設けられており、該配管3a内を
圧力が約1kg/cm2(約0.1MPa)、温度が1
00℃以下の水成分が流れる。
【0026】充填シリンダー2の吐出口2bと熱交換器
5とのあいだには、逆止め弁4を介して高圧配管3bが
設けられている。逆止め弁4は充填シリンダー2によっ
て加圧された水成分が充填シリンダー2に戻ることが防
止される。
【0027】熱交換器5と充填ヘッド6とのあいだに
は、配管3cが設けられている。
【0028】タンク1より配管3aを経て、流入口2a
より充填シリンダー2内に流入した未処理の水成分(圧
力約1kg/cm2、温度100℃以下)は、断熱圧縮
され約30kg/cm2まで昇圧される。充填シリンダ
ー2内での圧力変化は、等エントロピー変化であるの
で、吐出口2bより流出される水成分の温度は、変化し
ていないと考えられる。この高圧水は熱交換器5内で、
約200℃の流体と熱交換されることにより約150℃
まで加熱される。こうして加温水がえられる。かかる熱
交換器としては、このほか隣接するプレート(伝達プレ
ート)間に熱媒体を通過させ、該プレートを加熱させて
常温・高圧水を高温に加熱せしめる方式(アルファラバ
ル社製熱交換器)がある。また、前記熱交換器のほか
に、ボイラーで発生した過熱蒸気を常温・高圧水の配管
に接触させる方式がある。
【0029】なお、圧力30kg/cm2の加圧下にお
ける臨界温度は約233℃であるので、圧力30kg/
cm2、温度約150℃の状態において蒸気になること
はない。
【0030】叙上の如くえられた加温水を充填ヘッド6
よりエアゾール容器7内に注入する。
【0031】つぎに前記システムを用いたエアゾールの
製法を説明する。
【0032】エアゾール容器内に充填される有効成分A
と水との割合がたとえば有効成分Aの重量%が10%で
あり、水の重量%が90%とすると、まず50重量%の
水を前記システムによって加温水の形で供給する。この
とき、図2に示されるように、加温水は充填ヘッド6よ
り、通路16および間隙Sを経て容器7内に殺菌に必要
な最少時間(通常たとえば約2秒)注入される。
【0033】なお、図3に示すごとく、バルブアッセン
ブリ13のハウジング17には、円輪状パッキン(以
下、ステムラバーという)18を収容する円状凹部19
の外周縁に複数個の縦方向スリット20が形成されてい
る(図4参照)。したがって、図3において実線で示さ
れるごとく、通常はステムラバー18の前記スリット2
0に対応する部位が下方に撓まされる。その結果ステム
ラバー18とハウジング17の外周縁との狭い間隙Sを
通して、加温水が容器7内に注入される。このとき通路
16および間隙Sと、容器7とがベンチュリ管の役割を
果し、加温水は飛沫状ないしは噴霧状になり容器内を飛
散しつつ、注入される。こうしてエアゾール容器内に注
入された50重量%の水は、加温水の状態で容器7の内
部を殺菌処理する。
【0034】それゆえ、本発明のエアゾール製品の製法
によれば、エアゾール容器自体の殺菌処理はもちろんの
こと、バルブ装置内の通路も注入されるエアゾール製品
によって殺菌できるため、殺菌処理工程と省略できると
ともに殺菌処理設備をも必要としないというメリットが
ある。
【0035】つぎに、濾過滅菌法による殺菌処理を行っ
た残分の原液50重量%をエアゾール容器7内に充填す
る。このとき前記50重量%の原液(有効成分)はいず
れも常温である。このばあい、前述のごとく上方から原
液と水とを圧入すると、図3に示されるようにステムラ
バー18の前記スリット20に対応する部位が下方に撓
まされる。その結果ステムラバー18とハウジング17
の外周縁との狭い間隙Sを通して、原液と水とがいわば
シャワー状に容器7内に注入される。注入の際、前記ス
テムラバー18より上流側の原液の圧力は容器内圧力
(6.0kg/cm2)より高くされているが、前記間
隙Sを通過して容器7内に入ったときには膨脹してその
圧力は6.0kg/cm2程度に低下する。しかも、原
液および水は多数個の小さな飛沫状になっている。
【0036】前記実施例では、加温水の温度および圧力
条件として、温度については約150℃、圧力について
は約30kg/cm2としたが、温度範囲としては、8
0℃〜200℃であればよく、圧力としては、かかる温
度範囲の水が蒸発しない範囲、すなわち臨界圧力未満で
あればよい。これらの条件は、内容物の組成、あるいは
容器容積、対象菌類により、任意に設定することができ
る。
【0037】また、50重量%の原液(水成分)を12
0℃に加温して、エアゾール容器内に充填すると約10
0℃にまで温度が降下する。ここで常温の原液50重量
%をエアゾール容器内に充填すると当該エアゾール容器
内の原液の温度は約60℃となる(図2参照)。それゆ
え、エアゾールとしての取り扱いが可能になるだけでな
く、長時間高温にしなくてもよいので内容物が変化し
ない、容器への影響が少ない、といった利点がある。
【0038】つぎに本発明のエアゾール製品としては、
ムースなどの頭髪の整髪剤、アルコールを含有しない口
中清涼剤、含嗽薬、点鼻薬、点眼薬、デンタルリンスな
どの医薬品のエアゾールおよび医薬部外品、化粧水、乳
液、美容液などの化粧品、ジュースベース(とくに天然
嗜好のジュース)、ホイップクリーム、調味料、低カロ
リーの食用油などの食品のほかコンタクトレンズの保存
・清浄液のエアゾールの製造に好適に適用される。
【0039】実施例1 本実施例では、充填圧力10、15および20kg/c
2、温度126、138および150℃の飛沫状加温
水のエアゾール容器内への注入により、滅菌処理が確実
になされていることを確認した。
【0040】なお、本実施例では、一般細菌、大腸菌、
緑濃菌、黄色ブドウ球菌、カビ、酵母を滅菌処理の確認
用のサンプルとして用いた。
【0041】前記加温水を表3に示すように、注入時間
を変えて実施した結果完全に滅菌処理できていることが
判明した。
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】本発明のエアゾールの製法によれば、加
温水の飛沫をエアゾール容器内に供給するため、人体に
悪影響を及ぼすことなく殺菌せしめることができる。
【0044】また、本発明のエアゾールの製法によれ
ば、加温水のエアゾール容器内への注入時間が約0.1
〜10秒間ときわめて短いため、内容物・容器自体に悪
影響を及ぼすことが回避できる。また、エアゾール容器
の殺菌に用いた加温水は、水ベースの水として、そのま
ま用いることができる。このため、エアゾール自体の製
造工程の中にエアゾール容器の殺菌工程を含ませること
ができるので、余計な工程を必要とせず、ひいては、製
造コストの低減を図ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製法に用いられるシステムの一実施例
を示す説明図である。
【図2】本発明のエアゾール製品の製造工程の一部を示
す説明図である。
【図3】本発明の製法に用いられるエアゾール装置の一
例を示す要部断面図である。
【図4】図1のエアゾール装置におけるバルブハウジン
グを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 タンク 2 充填シリンダー 3a、3b、3c 配管 4 逆止め弁 5 熱交換器 6 充填ヘッド 13 バルブアッセンブリ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)水成分を所定の温度に加温する工
    程と、(ii)加温された前記水成分をエアゾール容器
    内に加圧注入し、殺菌する工程からなることを特徴とす
    る水を含むエアゾール製品の製法。
  2. 【請求項2】 前記水成分が温度約80〜200℃で注
    入されることを特徴とする請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 前記工程(i)および(ii)におい
    て、水成分が加温され、エアゾール容器内に充填された
    のち、殺菌に要する所定時間の経過後、その他の内容物
    を該エアゾール容器内に充填することによりエアゾール
    製品の温度を引き下げることを特徴とする請求項1記載
    の製法。
  4. 【請求項4】 前記工程(i)が、前記水成分を加圧す
    るための充填シリンダーと、充填ヘッドとのあいだでな
    されることを特徴とする請求項1記載の製法。
  5. 【請求項5】 前記前記工程(i)において加温される
    水成分の量が、エアゾール容器1缶分の容量に相当する
    ことを特徴とする請求項1記載の製法。
  6. 【請求項6】 水成分を加温した状態でエアゾール容器
    内に加圧注入されてなる水を含むエアゾール製品。
  7. 【請求項7】 前記注入される水成分の温度が約80〜
    200℃であることを特徴とする請求項6記載のエアゾ
    ール製品。
  8. 【請求項8】 前記水成分が加温されてエアゾール容器
    に充填されたのち、所定の時間ののち、その他の内容物
    が当該エアゾール容器内に充填されてなる請求項6記載
    のエアゾール製品。
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