JPH0910678A - 透明着色塗装ステンレス鋼板 - Google Patents

透明着色塗装ステンレス鋼板

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JPH0910678A
JPH0910678A JP16578295A JP16578295A JPH0910678A JP H0910678 A JPH0910678 A JP H0910678A JP 16578295 A JP16578295 A JP 16578295A JP 16578295 A JP16578295 A JP 16578295A JP H0910678 A JPH0910678 A JP H0910678A
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JP
Japan
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stainless steel
film
steel plate
transparent colored
chemical conversion
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JP16578295A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kato
博之 加藤
Toshiyuki Okuma
俊之 大熊
Yasuhide Yoshida
安秀 吉田
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属光沢を有するステンレス材の表面を、金
属光沢を保護し、耐傷付性、耐汚染性、意匠性に優れた
透明着色塗装ステンレス鋼板を提供する。 【構成】 ステンレス鋼板の少なくとも一方の表面に、
リン酸とシリカからなる化成処理液を塗布、乾燥して形
成された化成処理膜と、その上に膜厚が2μm以上50
μm以下の透明着色皮膜を有し、かつ該透明着色皮膜が
アクリル系有機ポリマーとシロキサン系無機ポリマーと
硬化剤を含み、さらに有機溶剤可溶性染料を含む塗料を
塗布、乾燥して形成された皮膜であることを特徴とする
透明着色塗装ステンレス鋼板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属光沢を有する光
輝性ステンレス鋼板や意匠表面仕上げを有するステンレ
ス鋼板等、美麗な表面外観をもつステンレス鋼板につい
てその美麗な外観を何ら損なうことなく表面を保護し、
さらに耐傷付き性、耐汚染性、意匠性に優れた、特に建
材用途や厨房用途への使用に適した着色透明塗装ステン
レス鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板は耐食性、耐熱性、金属
光沢の光輝性や意匠表面仕上げ等の美麗な外観性に優れ
ているため、従来から様々な用途に用いられている。ス
テンレス鋼板の前記の美麗な外観性を生かすことができ
る用途として、例えば建材用途や厨房用途等がある。し
かし、このような用途において裸のままのステンレス鋼
板を使用すると指紋等の汚染物が付着しやすく、この汚
染部が目立つため、またステンレス鋼板の表面錆びの発
生により表面が汚れやすいため、ステンレス鋼板の持つ
美麗な外観が著しく損なわれるという問題点がある。
【0003】そのため、ステンレス鋼板に有機樹脂系塗
料、例えばフッ素樹脂系透明塗料を焼付塗装して、ステ
ンレス鋼板の美麗な外観を保持しながら指紋付着などの
汚染の軽減、錆の発生を防止する技術が知られている。
【0004】例えば、特開昭63−242379号公報
には、ステンレス鋼板にアクリル樹脂系透明塗料を塗布
した後フッ素樹脂系の透明塗料を塗装して、耐候性、耐
食性を改善する技術が開示されている。
【0005】また、特開平5−106057号公報に
は、リン酸塩処理を施したステンレス鋼板に、塗布型ク
ロメート処理液でクロメート処理皮膜を形成した後に透
明なフッ素樹脂系塗料を塗装することにより、耐汚染性
を改善する技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の技術に
よるものは、何れも透明塗膜として、フッ素系樹脂を使
用しているが、フッ素系樹脂の透明塗膜は、若干白みを
おびた外観となり、透明度がやや劣る。また、この塗膜
は軟らかく耐傷付き性に劣るため、表面付着物を拭き取
る際に表面に微細な傷が生じ、透明性が経時的に劣化
し、ステンレス鋼板の外観性を損なうという問題があ
る。
【0007】さらに、特開平5−106057号公報に
開示される技術によるものは、透明塗膜の下地皮膜とし
てクロメート処理皮膜がある。クロメート処理皮膜は皮
膜中のCr6+に起因して黄色く着色し、また着色を抑え
るためにCr6+含有量を少なくしても、使用時に加えら
れる熱により経時的に黄色く着色してしまう。このた
め、クロメート処理皮膜を下層に有し、その上に透明塗
装を行う場合、クロメート処理皮膜の黄色味が外観に表
れ、ステンレス鋼板の外観性が損なわれることが避けら
れない。
【0008】本発明は、このような問題点を解決し、さ
らに意匠性にも優れた着色透明塗装ステンレス鋼板を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明はス
テンレス鋼板の少なくとも一方の表面に、リン酸とシリ
カからなる化成処理液を塗布、乾燥して形成された化成
処理皮膜と、その上に膜厚が2μm以上50μm以下の
透明着色皮膜を有し、かつ該透明着色皮膜がアクリル系
有機ポリマーとシロキサン系無機ポリマーと硬化剤と有
機溶剤可溶性染料を含む塗料を塗布、乾燥して形成され
た皮膜であることを特徴とする透明着色塗装ステンレス
鋼板である。
【0010】請求項2に係る本発明は上記請求項1に係
る本発明の透明着色塗装ステンレス鋼板において、化成
処理液中のリン酸とシリカの重量比がH3 PO4 /Si
2で0.1以上5以下であり、かつ、化成処理皮膜中
のシリカ付着量がSiO2 換算で2mg/m2 以上20
0mg/m2 以下としたものである。
【0011】請求項3に係る本発明は上記請求項1また
は請求項2に係る本発明の透明着色塗装ステンレス鋼板
において、塗料中のシロキサン系無機ポリマー/(アク
リル系有機ポリマー+シロキサン系無機ポリマー)の比
率(重量比)が0.1以上0.5以下としたものであ
る。
【0012】請求項4に係る本発明は上記請求項1、請
求項2または請求項3に係る本発明の透明着色塗装ステ
ンレス鋼板において、透明着色皮膜中の有機溶剤可溶性
染料の含有量が0.1wt%以上5wt%以下としたも
のである。
【0013】請求項5に係る本発明は上記請求項1、請
求項2、請求項3または請求項4に係る本発明の透明着
色塗装ステンレス鋼板において、有機溶剤可溶性染料が
アゾ系金属錯塩染料としたものである。
【0014】
【作用】本発明者らは、上述した問題を解決すべく鋭意
検討を重ねた結果、クロムを含有しない特定の組成から
なる化成処理皮膜を第一層として形成し、その上に特定
の組成からなる着色透明皮膜を第二層として形成するこ
とにより、耐傷付き性と耐汚染性さらに意匠性にも優れ
たステンレス鋼板が得られることを見出した。本発明は
このような知見に基づきなされたものである。
【0015】以下に、本発明について説明する。本発明
の第一層は、ステンレス鋼板の表面にリン酸とシリカゾ
ルからなる化成処理液を塗布、乾燥して形成された化成
処理皮膜からなる。この皮膜によりステンレス鋼板と着
色透明皮膜との優れた密着性を得ることができる。この
密着性は高温下あるいは湿潤環境下においても低下する
ことがない。また、この皮膜は無色透明であり、クロム
を含まないので環境上の問題もない。
【0016】密着性が向上する理由は以下のように考え
られる。リン酸によりステンレス鋼板表面がエッチング
されて微細な凹凸が生じることによるアンカー効果と、
析出したリン酸塩とステンレス鋼板表面との間に生じる
化学的結合の効果により、ステンレス鋼板と着色透明皮
膜との密着性が向上すると考えられる。さらに化成処理
皮膜中に含まれるシリカにより化成処理皮膜自体が強固
になることに加えてシリカ中のシラノール基の作用によ
り、ステンレス鋼板と着色透明塗膜との密着性がより向
上すると考えられる。
【0017】化成処理液中のリン酸とシリカの重量比
は、1/10以上5/1以下であることが望ましい。H
3PO4/SiO2として1/10未満の場合、着色透明
塗膜とステンレス鋼板との強固な密着性を確保すること
ができず、また5/1を越えると安定した化成処理皮膜
が得にくくなるため、着色透明塗膜の密着性が低下す
る。
【0018】また化成処理皮膜の付着量は、SiO2
算で2mg/m2以上200mg/m 2以下の範囲である
ことが望ましい。2mg/m2未満であると皮膜が不均
一に形成され、着色透明皮膜とステンレス鋼板との密着
性が低下し、また200mg/m2を超えると皮膜内部
で凝集破壊が起こりやすくなり密着性が低下する。
【0019】リン酸は、水溶性のものであれば使用する
ことができ、正リン酸、無水リン酸等を例示することが
できる。
【0020】シリカゾルは、市販されているものを使用
でき、乾式法によるものでも湿式法によるものでもよ
い。
【0021】処理液は、処理層の付着量に応じて所定濃
度に調整されたリン酸水溶液と所定量のシリカゾルとを
配合、撹拌し、均一な溶液とすることにより調合するこ
とができる。
【0022】処理液の塗布は、スプレー、ロールコー
ト、カーテンフローコート、静電塗布等の常用される方
法を用いることができる。乾燥は水分を蒸発させればよ
く、その温度は50から150℃が適当である。
【0023】この処理に際して、必要に応じて、アルカ
リや溶剤による脱脂、アルカリや酸によるエッチング
等、公知の前処理を施しても構わない。
【0024】前記のリン酸とシリカゾルからなる第一層
の化成処理皮膜を形成した後に、有機ポリマーおよび無
機ポリマーおよび硬化剤を含み、さらに有機溶剤可溶性
染料を含む塗料を塗布、乾燥して着色透明皮膜を形成す
る。
【0025】本発明で使用される有機ポリマーは、塗膜
の高硬度化、耐久性および無機ポリマーとの結合のしや
すさから、アクリル系樹脂を選択することが望ましい。
アクリル系樹脂は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル等のアクリル酸エステル、あるいはメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の
メタクリル酸エステルを主成分とし、これに後述の各種
モノマーあるいはこれらの複数を組み合わせた混合モノ
マーを常法により重合させることにより製造できる。
【0026】アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エ
ステルに配合する各種モノマーとしては、アクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等のα、β−モ
ノエチレン性不飽和カルボン酸、アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタ
クリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒド
ロキシプロピル等のヒドロキシル基を含有するα、β−
モノエチレン性不飽和カルボン酸エステル、アクリルア
ミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメ
チルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N
−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメ
タクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、アクリ
ル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル等のアミノ基含有モノエチレン性不飽和化合
物、アクリル酸およびメタクリル酸のグリシジルエステ
ル等のグリシジル基含有モノエチレン性不飽和化合物、
スチレン、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等を
例示することができる。
【0027】本発明において有機ポリマーは加工密着性
に優れた皮膜を得るために不可欠である。しかし、有機
ポリマーは軟らかいので、有機ポリマーを単独使用した
場合、着色透明皮膜の耐傷付き性が劣るが、硬度が高い
無機ポリマーを併用することにより皮膜の耐傷付き性を
優れたものにすることができる。
【0028】本発明で使用する無機ポリマーは、シリコ
ン原子が酸素を介して−Si−O−Si−O−Si−の
ような長鎖のポリマーを形成し、その側鎖にメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、メ
トキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、フェニル基
などのアリール基、フロロ置換のアルキル基およびアリ
ール基等からなる有機基をもつシロキサン系無機ポリマ
ーが好ましい。シロキサン系無機ポリマーは、着色透明
皮膜の表面エネルギーを低くして、皮膜に優れた溌水
性、溌油性を付与するため、耐汚染性が向上する。
【0029】また、無機ポリマーは、第一層の化成処理
皮膜と着色透明塗膜との密着性の向上にも寄与する。こ
の理由は、塗膜中の無機ポリマーが硬化時に、化成処理
皮膜中のリン酸やシリカゾルと強固な化学結合を生成す
ることによると考えられる。
【0030】無機ポリマーの含有率は、有機ポリマーの
含有量および無機ポリマーの含有量の合計に対して10
wt%以上50wt%以下が望ましい。10wt%未満
では優れた耐傷付き性を発揮することができず、50w
t%を超えると塗料の粘度が低下し塗装作業上、安定し
た膜厚を得ることができず、また、加工時、着色透明塗
膜が亀裂を生じ易くなり、塗膜の密着性が低下する。
【0031】これら有機ポリマーと無機ポリマーと共に
加える硬化剤は、塗膜を網目構造にして、より強固にす
ることにより皮膜の密着性の向上等に寄与する。硬化剤
としては、例えば、各種イソシアネート化合物、ブロッ
ク化イソシアネート化合物、ベンゾグアナミン、メラミ
ン樹脂、尿素樹脂等のアミノ樹脂が適用できる。さら
に、アクリル基を含有したシランカップリング剤を用い
るなど、有機基と無機基を共有した結合剤を用いてもよ
い。また、アクリル基を含むシロキサンポリマーをメタ
クリル酸等のアクリルモノマーと共に共重合させ、無機
基を導入したアクリル樹脂を使用することもできる。
【0032】次に上記の樹脂成分とともに添加され、塗
膜に優れた意匠性を付与する着色剤について説明する。
【0033】本発明においては着色剤として透明性を保
持したまま、塗膜に均一で美麗な色彩を施すことができ
る有機溶剤可溶性の染料を使用する。
【0034】有機溶剤可溶性染料としては、アゾ染料、
アゾ−メチン染料、キノリン染料、ケトンイミン染料、
フルオロン染料、ニトロ染料、キサンテン染料、アセナ
フテン染料、キノフタロン染料、アントラキノン染料、
アミノケトン染料、メチン染料、ペリレン染料、クマリ
ン染料、ペリノン染料、トリフェニル染料、トリアリル
メタン染料、フタロシアニン染料、インクロフェノール
染料、アジン染料等があり、これらの一種または二種以
上の染料の混合物が用いられる。
【0035】有機溶剤可溶性の染料は、カラーインデッ
クス(COLOUR INDEX)で「黄色」、「橙
色」、「赤色」、「紫色」、「青色」、「緑色」、「褐
色」、「黒色」の8種類の色彩に分類される。
【0036】但し、カラーインデックスに登録されてい
ない有機溶剤可溶性染料、例えば、新規に開発され未だ
登録されていない染料や、複数の有機溶剤可溶性染料の
混合物を使用できることはいうまでもない。
【0037】また、その混合物は、同じ色彩の染料どう
しの混合物であってもよい。例えば、赤色の染料と黄色
の染料を混合すると、減法混色の法則により橙色の色彩
が得られることは一般的に知られているが、この原理を
利用して様々な色彩の皮膜を得ることも可能である。
【0038】本発明の透明着色塗膜層の膜厚は、2μm
以上50μm以下にする必要がある。2μmより膜厚が
薄いと塗膜としての被覆性が不充分であり、耐傷付性、
耐蝕性にも劣る。塗膜が50μmより厚いと皮膜として
の性能が過剰となり経済的ではない。また、加工性にも
劣る。より好ましい膜厚は、5〜20μmである。
【0039】有機溶剤可溶性染料は、有機溶剤、例えば
アルコール、セルソルブ、エステル、ケトン類に容易に
溶解するため、これらの有機溶剤および有機溶剤可溶性
の熱硬化性樹脂等とともに混合することにより、透明着
色塗料の組成物とすることが可能である。
【0040】この塗料組成物の塗装方法には、第一層の
処理液の場合と同様、スプレーの他にロールコート、カ
ーテンフローコート、静電塗布等の方法を用いることが
でき、乾燥焼付には熱風加熱炉や赤外線加熱炉、誘導加
熱炉等を用いることができる。
【0041】また、有機溶剤可溶性染料の配合量は0.
1wt%以上10wt%以下が望ましい。配合量が下限
の0.1wt%より少ないと着色の効果が少ない。ま
た、上限の10wt%より多いと、染料が樹脂または有
機溶剤に対して充分溶解せず、塗料が沈殿したり或いは
凝集して粗粒子となってしまうため、色ムラの発生をま
ねき、外観が悪化する。さらに表面がべたつき耐汚染性
に劣るようになる。より好ましい配合量は、0.5wt
%以上5wt%以下である。
【0042】なお、透明着色外観や各種塗膜性能を損な
わない範囲内で、各種添加剤例えば触媒、レベリング
剤、増粘剤、安定剤などを少量添加しても構わない。
【0043】さらに上述の染料のうちでも、優れた外
観、耐光堅牢性および耐食性を有する透明着色皮膜が得
られる有機溶剤可溶性のアゾ系金属錯塩染料が最も好ま
しい染料である。
【0044】この有機溶剤可溶性のアゾ系金属錯塩染料
は、アゾ染料とクロム、銅、コバルト等の3価の金属と
の錯化合物であり、カラーインデックスで上述した8種
類の色彩の分類に属するものがある。
【0045】この染料の特徴は、薄い皮膜中でも鮮や
かで均一な色調を出せること、染料の分子構造上親水
基をもたないため溶剤可溶性であることの他に、アゾ
染料2分子に対して金属1原子の醋化合物(2:1型金
属醋塩)またはアゾ染料1分子に対して金属1原子の醋
化合物(1:1型金属醋塩)と考えられる構造上の理由
によって、光に対する安定性(耐光堅牢性)が他の染料
よりもすぐれていることである。
【0046】本発明は、鋼種、表面仕上げに関係なくス
テンレス鋼板全般に広く適用できる。
【0047】
【実施例】下記の金属板上に、所定のH3 PO4 /Si
2 比に調整されたリン酸とシリカゾル(平均粒径10
〜20nm)からなる化成処理液を塗布し、熱風乾燥炉
によって、板温が80℃となる条件で乾燥した。つづい
てその上に表1に示すアクリル系有機ポリマーとシロキ
サン系無機ポリマーと有機溶剤可溶性染料および硬化剤
を混合した各種塗料を塗布し、板温が270℃になる条
件で焼付け、本発明の範囲内にある実施例1〜24の透
明着色塗装ステンレス鋼板を得た。
【0048】また、比較例として表2に示す各種塗料を
塗布し、化成処理が本発明と異なるもの、塗膜成分が本
発明外のものを上記と同様にして得た。
【0049】化成処理液中のリン酸およびシリカゾルは
市販されているものを使用した。第二層の塗料組成物と
して、アクリル系有機ポリマーは大日本インキ化学工業
(株)社製の「アクリディックA801」、無機ポリマ
ーとしては東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社
製の「シリコンレジンSR2406」あるいは「シリコ
ンレジンSH840」、硬化剤として三井サイアナミッ
ド(株)社製の「サイメル303」を用い、有機ポリマ
ー、無機ポリマーの混合比は表1に示す割合で、また硬
化剤は有機無機混合樹脂に対し1/5の比率で混合し
た。
【0050】また、着色染料としては、チバ・ガイギー
(CIBA・GEIGY)社製の「オラゾール(Ora
sol)」或いは保土谷化学工業社製の「エイゼン・ス
ピロン(Aizen・Spillon)」を用いた。
【0051】ステンレス鋼板は、A:SUS304、
B:SUS430、C:SUS316、D:SUS44
4を使用した。
【0052】これらの供試材について、塗膜の外観、耐
汚染性、耐傷つき性、塗料密着性、耐食性、耐熱性の各
特性を調査した。 各特性の試験条件は以下の通りであ
る。 [1] 塗膜の外観 (1)透明性 ◎:下地ステンレス鋼板の表面を極めて明瞭に視認でき
る、 ○:下地ステンレス鋼板の表面を明瞭に視認できる、 △:下地ステンレス鋼板の表面を不明瞭ながら視認でき
る、 ×:下地ステンレス鋼板の表面をほとんど視認できな
い。
【0053】(2)意匠性 ◎:全く色ムラ無く、極めて美麗に着色、 ○:若干色ムラあるが、美麗に着色、 ×:著しい色ムラあり。
【0054】[2]耐汚染性 供試材表面に指先を押し当て、離した後の指紋の付着状
態を次の基準で評価した。 ◎:全く指紋の付着なし、○:僅かに指紋の圧痕が付
着、△:明らかに指紋の圧痕が付着、×:激しく指紋の
圧痕が付着
【0055】[3]耐傷付性試験 塗装鋼板をJISK5400による鉛筆引っかき試験方
法に従って評価を行った。(表3、表4中の数字は傷付
き、塗膜剥離の値の小さい方を選択した。)
【0056】[4]塗料密着性試験 (一次密着性)塗装鋼板をJISK5400による碁盤
目試験の方法に従って、100個のマス目をつくり、セ
ロハンテープを圧着後急速に引き剥がしてから剥離した
目の数を示した。つまりこの数が小さいほど、塗料密着
性に優れることとなる。
【0057】(二次密着性)試験板を沸騰水中に2時間
浸漬した後に前記の碁盤目試験と同様に密着性試験を行
った。
【0058】[5]耐食性試験 塗装鋼板表面にクロスカットを施した試験板についてJ
ISK2371に基づき2000時間の塩水噴霧を行な
い、塗膜の剥離状態を目視により評価した。 ◎:剥離率5%未満、 ○:剥離率5%以上10%以
下、△:剥離率10%以上25%以下、×:剥離率25
%以上。
【0059】[6]耐熱性試験 試験板を200℃の炉の中に8時間保持し、空冷した後
の塗料密着性を評価した。密着性の評価基準は塗料の密
着性試験と同様である。表1、表2に試験条件と、表
3、表4に調査の結果を示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】本発明の実施例ではすべての供試材で、各
性能に良好な結果を示した。特に、化成処理液中のリン
酸とシリカの重量比がH3 PO4 /SiO2 で0.1以
上5以下であり、かつ、化成処理皮膜中のシリカ付着量
がSiO2 換算で2mg/m2 以上200mg/m2
下である場合(本発明例の供試材No.1、No.2、
No.4、No.6、No.8、No.10〜No.2
4)は密着性が優れていた。
【0065】また、塗料中のシロキサン系無機ポリマー
/(アクリル系有機ポリマー+シロキサン系無機ポリマ
ー)の比率(重量比)が0.1以上0.5以下の場合
(本発明例の供試材No.1〜No.11、No.14
〜No.24)は傷付性、密着性が特に優れていた。
【0066】また、透明着色皮膜中の有機溶剤可溶性染
料の含有量が0.1wt%以上5wt%以下である場合
(本発明例の供試材No.1、No.2、No.4〜N
o.23)透明性、意匠性に優れ、塗膜のムラがなかっ
た。
【0067】また、有機溶剤可溶性染料がアゾ系金属錯
塩染料である場合(本発明例の供試材No.2、No.
4、No.6、No.8、No.11、No.14、N
o.15、No.19、No.20)は透明性及び意匠
性が特に優れていた。
【0068】一方、化成処理層が本発明の範囲外の比較
例No.1〜No.4は、塗料密着性、耐食性、耐熱性
等に劣り、さらに、塗膜透明性にも劣るものがあった。
また、塗膜の成分あるいは厚さが本発明の範囲外の比較
例No.5〜No.8は、耐傷つき性、耐汚染性、塗料
密着性、耐食性に劣っており、着色剤が本発明の範囲外
の比較例No.9は、塗膜透明性、塗膜意匠性、耐汚染
性、耐熱性に劣っていた。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、下地ス
テンレス鋼板の金属光沢を損うことなく、耐汚染性と耐
傷付き性に優れたさらに意匠性にも優れた着色透明塗装
ステンレス鋼板を得ることができる。
【0070】この着色透明塗装ステンレス鋼板は内壁を
はじめとする内装建材や、厨房回りのパネル材として最
適な鋼板である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼板の少なくとも一方の表面
    に、リン酸とシリカからなる化成処理液を塗布、乾燥し
    て形成された化成処理皮膜と、その上に膜厚が2μm以
    上50μm以下の透明着色皮膜を有し、かつ該透明着色
    皮膜がアクリル系有機ポリマーとシロキサン系無機ポリ
    マーと硬化剤と有機溶剤可溶性染料を含む塗料を塗布、
    乾燥して形成された皮膜であることを特徴とする透明着
    色塗装ステンレス鋼板。
  2. 【請求項2】 化成処理液中のリン酸とシリカの重量比
    がH3 PO4 /SiO2 で0.1以上5以下であり、か
    つ、化成処理皮膜中のシリカ付着量がSiO 2 換算で2
    mg/m2 以上200mg/m2 以下であることを特徴
    とする請求項1記載の透明着色塗装ステンレス鋼板。
  3. 【請求項3】 塗料中のシロキサン系無機ポリマー/
    (アクリル系有機ポリマー+シロキサン系無機ポリマ
    ー)の比率(重量比)が0.1以上0.5以下であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の透明着色
    塗装ステンレス鋼板。
  4. 【請求項4】 透明着色皮膜中の有機溶剤可溶性染料の
    含有量が0.1wt%以上5wt%以下であることを特
    徴とする請求項1、請求項2、または請求項3記載の透
    明着色塗装ステンレス鋼板。
  5. 【請求項5】 有機溶剤可溶性染料がアゾ系金属錯塩染
    料であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項
    3または請求項4記載の透明着色塗装ステンレス鋼板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1482074A4 (en) * 2002-03-06 2005-06-15 Jfe Steel Corp SURFACE TREATED STEEL PLATE AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF
EP1834759A1 (en) * 2006-03-15 2007-09-19 Whirlpool Corporation Tinted anti-fingerprint coating on 430 stainless steel for appliances
CN105234060A (zh) * 2014-07-11 2016-01-13 鞍钢股份有限公司 一种网纹彩涂板网纹形态的稳定控制方法

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